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第25章 仮想ドメインをリソースとして設定

pcs resource create コマンドを使用して、VirtualDomain をリソースタイプとして指定すると、libvirt 仮想化フレームワークが管理する仮想ドメインを、クラスターリソースとして設定できます。

仮想ドメインをリソースとして設定する場合は、以下の点を考慮してください。

  • 仮想ドメインは、クラスターリソースとして設定する前に停止する必要があります。
  • 仮想ドメインをクラスターリソースにすると、クラスターツールを使用しない限り、起動、停止、または移行を行うことができません。
  • クラスターリソースとして設定した仮想ドメインを、ホストの起動時に起動するように設定することはできません。
  • 仮想ドメインの実行を許可するすべてのノードは、その仮想ドメインに必要な設定ファイルおよびストレージデバイスにアクセスできるようにする必要があります。

クラスターが仮想ドメイン内のサービスを管理できるようにする場合は、仮想ドメインをゲストノードとして設定できます。

25.1. 仮想ドメインリソースのオプション

以下の表は、VirtualDomain リソースに設定できるリソースオプションを説明します。

表25.1 仮想ドメインリソースのリソースオプション

フィールドデフォルト説明

config

 

(必須) この仮想ドメインの libvirt 設定ファイルへの絶対パス。

hypervisor

システムに依存

接続先のハイパーバイザーの URI。virsh --quiet uri コマンドを実行して、システムのデフォルト URI を確認できます。

force_stop

0

停止時にドメインを常に強制的にシャットダウン (破棄) します。デフォルト動作では、正常なシャットダウンの試行に失敗した後でのみ、強制シャットダウンを実行します。仮想ドメイン (または仮想化バックエンド) が正常なシャットダウンに対応していない場合に限り、これを true に設定する必要があります。

migration_transport

システムに依存

移行中にリモートハイパーバイザーに接続するのに使用されるトランスポート。このパラメーターを省略すると、リソースは libvirt のデフォルトトランスポートを使用して、リモートハイパーバイザーに接続します。

migration_network_suffix

 

専用の移行ネットワークを使用します。移行 URI は、このパラメーターの値をノード名の末尾に追加することで設定されます。ノード名が完全修飾ドメイン名 (FQDN) の場合は、FQDN の最初のピリオド (.) の直前に接尾辞を挿入します。この設定されたホスト名がローカルで解決可能であり、関連する IP アドレスが優先ネットワークを介して到達可能であることを確認してください。

monitor_scripts

 

仮想ドメイン内でサービスの監視を追加で実行する場合は、監視するスクリプトのリストとともに、このパラメーターを追加します。注記: 監視スクリプトを使用する場合、start および migrate_from の操作は、すべての監視スクリプトが正常に完了した場合にのみ完了します。この遅延に対応できるように、この操作のタイムアウトを必ず設定してください。

autoset_utilization_cpu

true

true に設定すると、監視の実行時に、エージェントが virsh から domainUvCPU 数を検出し、これをリソースの CPU 使用率に組み込みます。

autoset_utilization_hv_memory

true

true に設定すると、監視の実行時に、エージェントが virsh から Max memor 数を検出し、これをリソースの hv_memory の使用率に組み込みます。

migrateport

ランダムハイポート

このポートは、qemu 移行 URI で使用されます。これを設定しないと、ポートにはランダムハイポートが使用されます。

snapshot

 

仮想マシンイメージが保存されるスナップショットディレクトリーへのパス。このパラメーターが設定されていると、仮想マシンの RAM 状態は、停止時にスナップショットディレクトリーのファイルに保存されます。起動時にドメインのステータスファイルが存在すると、ドメインは、最後に停止する直前の状態に復元されます。このオプションは、force_stop オプションと互換性がありません。

VirtualDomain リソースオプションに加えて、allow-migrate メタデータオプションを設定して、リソースの別のノードへのライブ移行を許可できます。このオプションを true に設定すると、状態を失うことなくリソースを移行できます。このオプションがデフォルトの状態である false に設定されていると、仮想ドメインは、ノード間で移行される際に、最初のノードでシャットダウンしてから、2 番目のノードで再起動します。