第8章 非ネットワークベース環境での RHEL for Edge イメージのデプロイ

RHEL インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイスまたはキックスタートファイルを使用して、RHEL for Edge イメージをデプロイできます。RHEL for Edge イメージをデプロイする全体的なプロセスは、デプロイメント環境がネットワークベースであるかそうでないかによって異なります。

注記

ベアメタルにイメージをデプロイするには、キックスタートファイルを使用します。

ネットワークベースのデプロイメント

ネットワークベースの環境に RHEL for Edge イメージをデプロイするには、以下の概要手順を実施します。

  1. イメージファイルのコンテンツをデプロイメントする。
  2. Web サーバーを設定する
  3. イメージをインストールする。

8.1. RHEL for Edge イメージのコミットの展開

コミットをダウンロードしたら、.tar ファイルを展開して ref 名とコミット ID をメモします。

ダウンロードしたコミットファイルは、OSTree リポジトリーが含まれる .tar ファイルで構成されています。OSTree リポジトリーには、コミットおよび compose.json ファイルがあります。

compose.json ファイルには、「Ref」(参照 ID およびコミット ID) などの情報や、コミットに関する情報メタデータが含まれます。コミット ID には RPM パッケージがあります。

パッケージのコンテンツをデプロイメントするには、以下の手順を実行します。

前提条件

  • キックスタートファイルを作成するか、既存のファイルを使用する。

手順

  1. ダウンロードしたイメージの .tar ファイルを展開します。

    # tar xvf <UUID>-commit.tar
  2. .tar ファイルを展開したディレクトリーに移動します。

    これには、compose.json ファイルおよび OSTree ディレクトリーがあります。compose.json ファイルにはコミット番号があり、OSTree ディレクトリーには RPM パッケージがあります。

  3. compose.json ファイルを開き、コミット ID 番号を書き留めます。Web サーバーの設定を進める際には、この番号が必要になります。

    jq JSON プロセッサーがインストールされている場合は、jq ツールを使用してコミット ID を取得することもできます。

    # jq '.["ostree-commit"]' < compose.json
  4. コミットの RPM パッケージを一覧表示します。

    # rpm-ostree db list rhel/8/x86_64/edge --repo=repo
  5. キックスタートファイルを使用して RHEL インストーラーを実行します。必要に応じて、既存のファイルを使用するか、Kickstart Generator ツールを使用して作成できます。

    キックスタートファイルに、ファイルシステムのプロビジョニング、ユーザーの作成、RHEL for Edge イメージの取得およびデプロイの方法の詳細を含めるようにしてください。RHEL インストーラーは、インストールプロセス中にこの情報を使用します。

    以下は、キックスタートファイルの例です。

    lang en_US.UTF-8
    keyboard us
    timezone Etc/UTC --isUtc
    text
    zerombr
    clearpart --all --initlabel
    autopart
    reboot
    user --name=core --group=wheel
    sshkey --username=core "ssh-rsa AAAA3Nza…​."
    rootpw --lock
    network --bootproto=dhcp
    
    ostreesetup --nogpg --osname=rhel --remote=edge --url=https://mirror.example.com/repo/ --ref=rhel/8/x86_64/edge

    OStree ベースのインストールでは、ostreesetup コマンドを使用して設定をセットアップします。OSTree のコミットを、以下のフラグを使用して取得します。

    • --nogpg - GNU Privacy Guard (GPG) キー検証を無効にします。
    • --osname - オペレーティングシステムのインストールの管理ルート。
    • --remote - オペレーティングシステムのインストールの管理ルート。
    • --url - インストール元となるリポジトリーの URL
    • --ref - インストールが使用するリポジトリーからのブランチの名前。
    • --url=http://mirror.example.com/repo/ - edge-commit を抽出して nginx で提供したホストシステムのアドレス。このアドレスを使用して、ゲストコンピューターからホストシステムにアクセスすることができます。

      たとえば、/var/www/html ディレクトリーにコミットイメージを抽出し、ホスト名がwww.example.com のコンピューターで nginx を介してコミットを提供する場合、--url パラメーターの値は http://www.example.com/repo となります。

      注記

      Apache HTTP Server では https が有効になっていないため、http プロトコルを使用してサービスを開始し、コミットを提供します。