5.5.5. ID 管理
Identity Management JSON-RPC API がテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
Identity Management (IdM) では API が利用できます。API を表示するために、IdM は、テクノロジープレビューとして API ブラウザーも提供します。
Red Hat Enterprise Linux 7.3 では、複数のバージョンの API コマンドを有効にするために、IdM API が拡張されました。以前は、機能拡張により、互換性のない方法でコマンドの動作が変更することがありました。IdM API を変更しても、既存のツールおよびスクリプトを引き続き使用できるようになりました。これにより、以下が可能になります。
- 管理者は、管理しているクライアント以外のサーバーで、IdM の以前のバージョンもしくは最近のバージョンを使用できます。
- サーバーで IdM のバージョンを変更しても、開発者は特定バージョンの IdM コールを使用できます。
すべてのケースでサーバーとの通信が可能になります。たとえば、ある機能向けの新オプションが新しいバージョンに追加されていて、通信の一方の側でこれを使用していたとしても、特に問題はありません。
API の使用方法は Identity Management API を使用して IdM サーバーに接続する (テクノロジープレビュー) を参照してください。
DNSSEC が IdM でテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
統合 DNS のある Identity Management (IdM) サーバーは、DNS プロトコルのセキュリティーを強化する DNS に対する拡張セットである DNS Security Extensions (DNSSEC) に対応するようになりました。IdM サーバーでホストされる DNS ゾーンは、DNSSEC を使用して自動的に署名できます。暗号鍵は、自動的に生成およびローテートされます。
DNSSEC で DNS ゾーンの安全性を強化する場合は、以下のドキュメントを参照することが推奨されます。
- DNSSEC Operational Practices, Version 2 - http://tools.ietf.org/html/rfc6781#section-2
- Secure Domain Name System (DNS) Deployment Guide - http://dx.doi.org/10.6028/NIST.SP.800-81-2
- DNSSEC Key Rollover Timing Considerations - http://tools.ietf.org/html/rfc7583
統合 DNS のある IdM サーバーは、DNSSEC を使用して、他の DNS サーバーから取得した DNS 回答を検証することに注意してください。これが、推奨される命名方法に従って設定されていない DNS ゾーンの可用性に影響を与える可能性があります。
テクノロジープレビューとして、公開鍵インフラストラクチャーの全体的な正常性を確認できるようになりました。
今回の更新で、公開鍵インフラストラクチャー (PKI) Healthcheck ツールが、RHEL 8.1 で導入された Identity Management (IdM) Healthcheck ツールに PKI サブシステムの正常性を報告するようになりました。IdM Healthcheck を実行すると、PKI Healthcheck が呼び出され、これにより、PKI サブシステムの正常性レポートを収集して返します。
pki-healthcheck
ツールは、デプロイ済みのあらゆる RHEL IdM サーバーまたはレプリカで利用可能です。pki-healthcheck
が提供するすべてのチェックは、ipa-healthcheck
ツールにも統合されます。ipa-healthcheck
は、idm:DL1
モジュールストリームから個別にインストールできます。
pki-healthcheck
は、スタンドアローンの Red Hat Certificate System (RHCS) インフラストラクチャーでも動作可能であることに留意してください。
(BZ#1303254)