5.4.4. インフラストラクチャーサービス
dnsmasq
が非再帰 DNS クエリーを正しく処理するようになりました。
以前は、dnsmasq
は、非再帰クエリーをすべてアップストリームサーバーに転送し、その結果、さまざまな応答が発生していました。今回の更新で、DHCP ホストリース名や /etc/hosts
ファイルから読み込まれたホストなど、ローカルで既知の名前に対する非再帰的クエリーが dnsmasq
で処理されるようになり、アップストリームサーバーに転送されなくなりました。その結果、既知の名前への再帰クエリーと同じ応答が返されます。
dhclient
が、システム時間の変更後に IP アドレスの更新に失敗しなくなりました。
以前は、システム時間を変更すると、カーネルによる削除の影響で、割り当てられた IP アドレスがシステムで失われる可能性がありました。今回の更新で、dhclient
が巻き戻しジャンプ検出にモノトニックタイマーを使用し、システム時刻で連続しないジャンプがあった場合のリース拡張に DHCPREQUEST
メッセージを発行するようになりました。その結果、上述のシナリオでシステムが IP アドレスを失わなくなりました。
ipcalc
が、/31
ネットワークの正しいブロードキャストアドレスを返すようになりました。
今回の更新で、ipcalc
ユーティリティーが正しく RFC 3021 規格に従うように修正されています。これにより、インターフェイスで /31
接頭辞を使用すると、ipcalc
は正しいブロードキャストアドレスを返します。
(BZ#1638834)
/etc/services
に適切な NRPE ポート定義が含まれるようになりました。
今回の更新で、適切な Nagios Remote Plug-in Executor (NRPE) サービスポート定義が /etc/services
ファイルに追加されました。
postfix
DNS リゾルバーコードは、res_query
ではなく、res_search
を使用するようになりました。
DNS リゾルバーコードは、postfix
の前回の更新後、 res_search
関数ではなく、res_query
関数を使用していました。これにより、以下の postfix
設定を使用する場合は、DNS リゾルバーで、現在のドメインおよび親ドメインのホスト名が検索されませんでした。
# postconf -e "smtp_host_lookup = dns" # postconf -e "smtp_dns_resolver_options = res_defnames, res_dnsrch"
たとえば、
# postconf -e "relayhost = [smtp]"
と example.com 形式のドメイン名を使用している場合には、DNS リゾルバーは smtp.example.com の SMTP サーバーをリレーに使用しませんでした。
今回の更新で、DNS リゾルバーコードが res_query
の代わりに res_search
を使用するように変更され、現在のドメインおよび親ドメインのホスト名が正しく検索されるようになりました。
Postfix で PCRE、CDB、および SQLite が使用できるようになりました。
RHEL 8 では、postfix
パッケージは複数のサブパッケージに分けられており、各サブパッケージが特定のデータベースのプラグインを提供しています。以前は、postfix-pcre
プラグイン、postfix-cdb
プラグイン、postfix-sqlite
プラグインを含む RPM パッケージは提供されていませんでした。したがって、Postfix では、これらのプラグインを使用するデータベースを使用できませんでした。今回の更新で、PCRE、CDB、および SQLite プラグインを含む RPM パッケージが AppStream リポジトリーに追加されました。そのため、適切な RPM パッケージのインストール後、これらのプラグインを使用できます。