5.5. テクノロジープレビュー
本パートでは、Red Hat Enterprise Linux 8.2 で利用可能なテクノロジープレビュー機能の一覧を提示します。
テクノロジープレビュー機能に対する Red Hat のサポート範囲の詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
5.5.1. ネットワーク
nmstate
がテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
Nmstate は、ホストのネットワーク API です。テクノロジープレビューとして利用できる nmstate
パッケージでは、ライブラリーおよび nmstatectl
コマンドラインユーティリティーを利用でき、ホストのネットワーク設定を宣言型で管理できます。ネットワークの状態は事前定義済みのスキーマで説明されています。現在の状態と、必要な状態への変更の報告は、両者ともこのスキーマに一致します。
詳細は、/usr/share/doc/nmstate/README.md
ファイルおよび /usr/share/doc/nmstate/examples
ディレクトリーにあるサンプルを参照してください。
(BZ#1674456)
AF_XDP
がテクノロジープレビューとして利用可能に
AF_XDP
(Address Family eXpress Data Path
) ソケットは、高性能パケット処理用に設計されています。さらに処理するために、XDP
を取り入れ、プログラムにより選択されたパケットの効率的なリダイレクトをユーザー空間アプリケーションに付与します。
(BZ#1633143)
XDP がテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
eXpress Data Path (XDP) 機能はテクノロジープレビューとして利用でき、カーネルの入力データパスの初期段階にある高性能パケット処理に、eBPF (extended Berkeley Packet Filter) プログラムを追加する手段を提供します。これにより、効率的なプログラム可能なパケット分析、フィルターリング、および操作が可能になります。
(BZ#1503672)
KTLS がテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
Red Hat Enterprise Linux 8 では、Kernel Transport Layer Security (KTLS) がテクノロジープレビューとして提供されます。KTLS は、AES-GCM 暗号化のカーネルで対称暗号化アルゴリズムまたは複号アルゴリズムを使用して TLS レコードを処理します。KTLS は、この機能に対応するネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) に TLS レコード暗号化をオフロードするインターフェイスも提供します。
(BZ#1570255)
テクノロジープレビューとして、NetworkManager サポートで、dracut
ユーティリティーが initrd
イメージの作成をサポートするようになりました。
デフォルトでは、dracut
ユーティリティーはシェルスクリプトを使用して初期 RAM ディスク (initrd
) のネットワークを管理します。特定のケースでは、ネットワークの設定に NetworkManager を使用するオペレーティングシステムから RAM ディスクに、システムが切り替わると、問題が発生する可能性がありました。たとえば、RAM ディスクのスクリプトが IP アドレスをすでに要求していた場合でも、NetworkManager が別の DHCP 要求を送信する可能性がありました。RAM ディスクからのこの要求はタイムアウトする可能性がありました。
このような問題を解決するために、RHEL 8.2 の dracut
では、RAM ディスクで NetworkManager を使用できるようになりました。以下のコマンドを使用して機能を有効にし、RAM ディスクイメージを再作成します。
echo 'add_dracutmodules+=" network-manager "' > /etc/dracut.conf.d/enable-nm.conf dracut -vf --regenerate-all
Red Hat はテクノロジープレビュー機能をサポートしないことに留意してください。ただし、この機能についてのフィードバックを提供する場合は、Red Hat サポートにご連絡ください。
(BZ#1626348)
mlx5_core
ドライバーがテクノロジープレビューとして Mellanox ConnectX-6 Dx ネットワークアダプターに対応
今回の機能拡張により、Mellanox ConnectX-6 Dx ネットワークアダプターの PCI ID が mlx5_core
ドライバーに追加されました。このアダプターを使用するホストでは、RHEL は mlx5_core
ドライバーを自動的に読み込みます。Red Hat は、この機能をサポート対象外のテクノロジープレビューとして提供していることに注意してください。
(BZ#1687434)
systemd-resolved
サービスがテクノロジープレビューとして利用できるようになりました。
systemd-resolved
サービスは、ローカルアプリケーションに名前解決を提供します。このサービスは、DNS スタブリゾルバー、LLMNR (Link-Local Multicast Name Resolution)、およびマルチキャスト DNS リゾルバーとレスポンダーのキャッシュと検証を実装します。
systemd
パッケージが systemd-resolved
を提供している場合でも、このサービスはサポートされていないテクノロジープレビューであることに注意してください。
(BZ#1906489)