デスクトップからの RHEL システムの管理

Red Hat Enterprise Linux 8

デスクトップから Red Hat Enterprise Linux 8 を管理するためのガイド

Red Hat Customer Content Services

概要

本書は、デスクトップから Red Hat Enterprise Linux 8 を管理する方法を説明します。ここでは、GNOME の新機能と、GNOME の構成および管理を詳細に説明します。

これはベータ版です

このドキュメントは、プレビュー版として提供されています。本書は完成しておらず、大きな変更が加えられる可能性があります。本書に含まれる情報は、不完全なものとみなし、慎重に使用するようにしてください。

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第1章 GNOME の更新

1.1. Wayland

Gnome Display Manager (GDM) は、Red Hat Enterprise Linux 8 のデフォルトのディスプレイサーバーとして Wayland を使用します。これは、Red Hat Enterprise Linux 7 で使用されていた X.Org サーバーに代わるものですが、X.Org サーバーも引き続き使用できます。

Wayland はコンポジターがそのクライアントやそのプロトコルの C ライブラリー実装と対話するためのプロトコルです。Linux カーネルモードの設定を実行しているスタンドアロンディスプレイサーバー、ibinput 入力デバイス、X アプリケーション、または Wayland クライアント自体がコンポジターになることができます。従来のアプリケーション、X サーバー (ルートレスまたはフルスクリーン)、またはその他のディスプレイサーバーがクライアントになることができます。詳細は http://wayland.freedesktop.org を参照してください。

Red Hat Enterprise Linux 8 の新規インストールは、自動的に Wayland をディスプレイサーバーとして使用します。Red Hat Enterprise Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 8 にアップグレードする場合は、現在のディスプレイサーバー設定が継承されます。アップグレード前に X.Org を使用していると、Red Hat Enterprise Linux 8 でも X.Org が自動的にデフォルトサーバーとして設定されます。

また、以下のような環境では、Wayland よりも X.Org を使用することが推奨されます。

  • VM 環境で Cirrus グラフィックを使用している。
  • Matrox グラフィックが使用している。

1.1.1. Wayland と X.Org の主な違い

1.1.1.1. Libinput

Red Hat Enterprise Linux 7 では、入力デバイスのデフォルトドライバーとして、evdev ドライバーが使用されました。Red Hat Linux 8 では、Synaptic ドライバーの代わりとなる libinput ドライバーがデフォルトで使用されます。特定デバイスの後方互換性を維持するため、必要に応じて 「X.Org への切り替え」に従って X.Org に切り替えることができます。X.Org は、libinput と互換性のないデバイスのフォールバックとして evdev を使用します。このフォールバックは自動的に行われます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 8 の X.Org も libinput をデフォルトのドライバーとして使用し、互換性がない入力デバイスを使用する場合に限り evdev に切り替えます。

また、wacom ドライバーは、引き続き Wacom デバイスのプライマリドライバーとして使用されます。

1.1.1.1.1. ジェスチャー

Wayland は、タッチパッドおよびタッチスクリーンの新しいジェスチャーをサポートします。これらのジェスチャーには以下が含まれます。

  • 4 本の指で、上下にドラッグしてワークスペースを切り替えます。
  • 3 本の指をそれぞれ近づけて、アクティビティー概要 (Activities Overview) を開きます。

1.1.2. 現時点における Wayland の制限

1.1.2.1. Nvidia ドライバー

プロプライエタリーの Nvidia バイナリードライバーは、Wayland ではサポートされません。Nvidia GPU の使用時の不具合を避けるため、「X.Org への切り替え」 に従って X.Org に切り替えてください。

注記

Nouverau は引き続きサポートされ、Nvidia グラフィックのデフォルトドライバーとなります。

1.1.2.2. リモートデスクトップ

画面共有に対応していた VNC プロトコルが Red Hat Enterprise Linux 8 で非推奨となったため、Wayland では画面共有とスクリーンキャストはサポートされなくなりました。この機能は引き続き X.Org で使用できますが、画面共有のユーザーサービスのパイプワイヤー (pipewire rpm) をインストールし、稼働する必要があります。詳細は「PipeWire プロジェクト」を参照してください。

このような制限があるため、「X.Org への切り替え」に従って、X.Org ディスプレイサーバーへの切り替えが必要になる場合があります。

1.1.2.3. その他の制限

以下に挙げる Wayland のその他の制限に注意してください。

  • 複数 GPU のサポートは利用できません。
  • X.Org 画面操作ユーティリティーは利用できません。
  • Wayland ではレイアウト、回転、解像度の処理が異なるため、xrandr ユーティリティーはサポートされません。
  • ALT+F2/r を使用して GNOME Shell を再起動できません。
  • 安定性の問題により、仮想環境では Wayland の代わりに X11 の使用が推奨されます。

1.1.3. X.Org への切り替え

現在、「現時点における Wayland の制限」 に記載されている Wayland の制限により、状況に応じて X.Org ディスプレイサーバーへ切り替えてください。

  1. ログイン画面 (GDM) で、Sign In ボタンの横にある歯車をクリックします。

    注記

    ロック画面からはこのオプションにアクセスできません。最初に Red Hat Enterprise Linux 8 を起動するか、現在のセッションからログアウトすると、ログイン画面が表示されます。

    login cogwheel

  2. 表示されたドロップダウンメニューで、Standard (X11 display server) on Xorg または Classic (X11 display server) を選択します。

ログイン画面をスキップすることが多い場合は、以下のエントリーを /etc/gdm/custom.conf ファイルに追加して X.Org サーバーを選択することもできます。

WaylandEnable=false

1.2. デスクトップアイコン

Nautilus のバージョン 3.28 ではデスクトップを維持しなくなったため、デスクトップアイコン機能が削除されました。デフォルトでは、デスクトップアイコンが表示されなくなりました。この機能を使用する場合は、gnome-shell-extension-desktop-icons rpm が提供するデスクトップアイコンの gnome-shell 拡張をインストールしておよび有効にします。

第2章 具体的な GNOME の設定

2.1. GNOME 設定の概要

GNOME デスクトップ環境を設定する前に、以下の基本用語を理解する必要があります。

  • dconf
  • GSettings
  • gsettings

dconf には 2 つの意味があります。

1 つ目は、dconf は GNOME 設定を保存するキーベースの BLOB (Binary Large Object) データベースです。dconf は GDM、アプリケーション、プロキシー設定などのユーザー設定を管理し、GSettings のバックエンドとして機能します。

2 つ目は、dconf は、個別の値やディレクトリー全体を dconf データベースにて読み書きするために使用されるコマンドラインユーティリティーです。

GSettings は、dconf のフロントエンドとして機能する、アプリケーション設定の概略的な API です。

gsettings は、ユーザー設定を表示および変更するために使用されるコマンドラインツールです。

2.2. ユーザーおよびシステムの GNOME 設定の管理

システム管理者およびユーザーは、dconf を使用して、GNOME 設定の複数レベルの制御を可能にします。

  • 管理者は、すべてのユーザーに適用されるデフォルト設定を定義できます。
  • ユーザーは、各自の設定でデフォルトを上書きできます。
  • 管理者は、設定をロックして、ユーザーが上書きできないようにすることもできます。

2.3. デスクトップアプリケーションの GSettings 値の表示

2.3.1. dconf-editor および gsettings ユーティリティーの使用

以下のツールの 1 つを使用すると、GSettings の値を表示および編集できます。

  • dconf-editor GUI ツール
  • gsettings コマンドラインユーティリティー
注記

dconf-editor は、デフォルトでシステムにインストールされません。インストールするには、root で以下のコマンドを実行します。

~]# yum install dconf-editor

dconf-editorgsettings ユーティリティー には、次の共通点があります。

  • システムおよびアプリケーション設定のオプションの閲覧および変更を許可する。
  • 設定の変更を許可する。
  • 両方のツールは、現在のユーザーの GSettings データベースの閲覧および変更を目的としているため、通常ユーザーによる実行が可能である。

dconf-editor は、設定および編集を確認する GUI を提供します。ツリービューで設定の階層を表し、説明、タイプ、およびデフォルト値を含む各設定の追加情報も表示します。

gsettings ユーティリティーを使用すると、dconf の値を表示および設定できます。gsettings ユーティリティーは、コマンドおよび設定の Bash 補完をサポートします。このツールを使用すると、shell スクリプトで設定を自動化することもできます。

図2.1 org.gnome.destop.background GSettings キーを表示する dconf-editor

dconf editor screenshot

2.3.2. その他の情報

  • dconf-editor ツールの詳細は、man ページの dconf-editor(1) および dconf-editor Project のドキュメント を参照してください。
  • gsettings ユーティリティーの詳細は、man ページの gsettings(1) を参照してください。

2.4. dconf プロファイルの使用

2.4.1. dconf プロファイルについて

dconf プロファイルは、dconf システムが収集するシステムのハードウェアおよびソフトウェアの設定データベースのリストです。

dconf プロファイルを使用すると、同一のシステムを比較して、ハードウェアまたはソフトウェアの問題をトラブルシューティングすることができます。

dconf システムは、/etc/dconf/profile/ ディレクトリー、または他の場所にあるテキストファイルのプロファイルを格納します。$DCONF_PROFILE 環境変数は、/etc/dconf/profile/ からファイルへの相対パス、またはユーザーのホームディレクトリーなどからの絶対パスを指定できます。

dconf プロファイルに設定されたキーのペアは、デフォルトの設定をオーバーライドします。

2.4.2. dconf プロファイルの選択

起動時に、dconf$DCONF_PROFILE 環境を確認し、開く dconf プロファイルの名前を見つけます。その結果は、変数が設定されているかどうかによって異なります。

  • 変数が設定されていると、dconf は変数に設定されたプロファイルを開き、失敗すると停止します。
  • 変数が設定されていないと、dconfuser という名前のプロファイルを開こうとし、失敗すると内部に組み込まれた設定を使用します。

dconf プロファイルでは、1 つの dconf データベースを 1 行で指定します。

最初の行は、変更の書き込みに使用するデータベースを示します。残りの行は読み取り専用データベースを示します。

以下は、/etc/dconf/profile/user に格納されるプロファイルの例になります。

user-db:user
system-db:local
system-db:site

この例の dconf プロファイルでは、データベースを 3 つ指定しています。user は、~/.config/dconf にあるユーザーデータベースの名前です。local および site は、/etc/dconf/db/ にあるシステムデータベースです。

注記

セッションの dconf プロファイルはログイン時に決定されるため、新しい dconf ユーザープロファイルをユーザーのセッションに適用するには、ログアウトしてからログインしなおす必要があります。

警告

ユーザーやアプリケーション開発者は、dconf を直接操作しないでください。dconf を操作するときは、常に dconf-editor または gsettings ユーティリティー を使用してください。dconf を直接使用する唯一の例外は、システム全体のデフォルトを設定するときです。上記のツールでは設定できないためです。

2.5. カスタムデフォルト値の設定

マシン全体のデフォルト設定は、dconf プロファイルにキーのデフォルトを指定して設定できます。これらのデフォルトはユーザーが上書きできます。

キーのデフォルト設定には、前提条件が 2 つあります。

  • ユーザープロファイルが存在する。
  • キーの値が dconf データベースに追加されている。

デフォルトの背景を設定する例を以下に示します。

  1. /etc/dconf/profile/user に、ユーザープロファイルを作成します。

    user-db:user
    system-db:local

    local は、dconf データベースの名前に置き換えます。

  2. ローカルデータベースのキーファイルを、/etc/dconf/db/local.d/01-background に作成します。これには以下のデフォルト設定が含まれます。

    ~]# dconf path
    
    [org/gnome/desktop/background]
    
    # GSettings key names and their corresponding values
    picture-uri='file:///usr/local/share/backgrounds/wallpaper.jpg'
    picture-options='scaled'
    primary-color='000000'
    secondary-color='FFFFFF'

    キーファイルのデフォルト設定では、以下の GSettings キーが使用されます。

表2.1 org.gnome.desktop.background スキーマの GSettings キー

キーの名前可能な値説明

picture-options

"none"、"wallpaper"、"centered"、"scaled"、"stretched"、"zoom"、"spanned"

wallpaper_filename で設定した画像のレンダリング方法を決定します。

picture-uri

ファイル名とパス

背景の画像に使用する URI。バックエンドは、ローカルのURI (file://) のみに対応します。

primary-color

default: 000000

グラデーション時の左側または上側の色、あるいは単色時の色です。

secondary-color

default: FFFFFF

グラデーション時の右側または下側の色です。単色時には使用されません。

  1. 必要に応じてキーファイルを編集します。

    詳細は 「デスクトップアプリケーションの GSettings 値の表示」 を参照してください。

  2. システムデータベースを更新します。

    ~]# dconf update

ユーザープロファイルを作成または変更した場合は、変更の適用するためにログアウトしてログインしなおす必要があります。

ユーザープロファイルを作成せずに、dconf コマンドラインユーティリティー を使用して、dconf データベースで個別の値またはディレクトリー全体を読み書きすることもできます。詳細は man ページの dconf(1) を参照してください。

2.5.1. 特定設定のロックダウン

ユーザーが特性の設定を変更できないように、dconf でロックダウンモードを使用できます。

GSettings キーをロックダウンするには以下を行います。

  1. キーファイルディレクトリーに locks サブディレクトリー (例: /etc/dconf/db/local.d/locks/) を作成します。
  2. このディレクトリーに、ロックするキーを持つファイルを追加します。

システム設定にロックダウンを強制しないと、ユーザー設定がシステム設定よりも優先されるため、システム設定を上書きできます。

たとえば、デフォルトの壁紙の設定をロックするには、以下を行います。

  1. デフォルトの壁紙を設定します。
  2. /etc/dconf/db/local.d/locks/ ディレクトリーを新規作成します。
  3. /etc/dconf/db/local.d/locks/00-default-wallpaper にファイルを新規作成し、以下の内容を、1 行あたり 1 つのキーにして追加します。

    # Prevent users from changing values for the following keys:
    /org/gnome/desktop/background/picture-uri
    /org/gnome/desktop/background/picture-options
    /org/gnome/desktop/background/primary-color
    /org/gnome/desktop/background/secondary-color
  4. システムデータベースを更新します。

    ~]# dconf update

2.6. NFS でのユーザー設定の保存

Network File System (NFS) のホームディレクトリーの使用時に dconf が正しく動作するようにするには、dconf キーファイルバックエンド を使用する必要があります。

dconf キーファイルバックエンド は、glib2-fam パッケージがインストールされている場合に限り適切に動作することに注意してください。このパッケージがインストールされていないと、リモートマシンで変更した設定に関する通知が適切に表示されません。

Red Hat Enterprise Linux 8 では、glib2-fam は BaseOS リポジトリーにあります。

dconf キーファイルバックエンド を設定するには、以下を行います。

  1. システムに glib2-fam パッケージがインストールされていることを確認します。

    このパッケージがシステムにインストールされているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    ~]#  yum list installed

    インストース済みのパッケージのリストに glib2-fam がない場合は、以下のコマンドを実行してインストールします。

    ~]# yum install glib2-fam
  2. すべてのクライアントで /etc/dconf/profile/user ファイルを作成または編集します。
  3. /etc/dconf/profile/user file の先頭に以下の行を追加します。

    service-db:keyfile/user

dconf キーファイルバックエンド はユーザーの次回のログイン時に有効になります。キーファイルをポーリングして更新が行われたかどうかを判断するため、設定が即座に更新されないことがあります。

2.7. GSettings キープロパティーの設定

ここでは、ログに記録された 1 名のユーザーに GSettings キープロパティーを設定する方法について説明します。

1 つの GSettings キーに対して、dconf データベースに値を 1 つだけ指定できます。dconf データベースの別の場所で同じキーに別の値を設定すると、前の値が上書きされます。

同じキーの値は配列型です。配列型の場合は、複数の要素がコンマで区切られたリストをキーの値として指定できます。

配列型の GSettings キーは、以下の構文で設定します。

key=['option1', 'option2']

以下の例は、値が配列型である org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キーの設定を表しています。

org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キーの設定例

[org/gnome/desktop/input-sources]
# Enable Ctrl-Alt-Backspace for all users
# Set the Right Alt key as the Compose key and enable it
xkb-options=['terminate:ctrl_alt_bksp', 'compose:ralt']

2.8. コマンドラインでの GSettings キーの設定

ここでは、gsettings コマンドを使用した GSettings キーの設定、操作、および管理を中心に説明します。gsettings コマンドを使用して解決可能な、最も一般的なユースケースを取り上げます。

2.8.1. キー値の設定

キーの値を設定するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings set SCHEMA [:PATH] KEY

値はシリアル可能な GVariant として指定されることに注意してください。

例2.1 選択したアプリケーションを favorite applications キーに追加

選択したアプリケーションをお気に入りのアプリケーションを追加するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings set org.gnome.shell favorite-apps "['firefox.desktop', 'evolution.desktop', 'rhythmbox.desktop', 'shotwell.desktop', 'org.gnome.Nautilus.desktop', 'org.gnome.Software.desktop', 'yelp.desktop', 'org.gnome.Terminal.desktop', 'org.gnome.clocks.desktop']"

この操作に成功すると、戻りコードは表示されません。結果として、リストされたアプリケーションがすべてお気に入りのアプリケーションに追加されます。この変更は即座に有効になります。

2.8.2. キー変更の監視

キーの変更を監視し、変更された値を出力するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings monitor SCHEMA [:PATH] [KEY]

KEY 引数を指定しないと、スキーマのすべてのキーが監視されます。監視は、プロセスが終了するまで継続されます。

例2.2 favorite applications キー変更の監視

favorite applications キーの変更を監視するには、端末を 2 つ開き、次のコマンドを実行します。

1 つ目の端末で、次のコマンドを実行します。

$ gsettings monitor org.gnome.shell favorite-apps

2 つ目の端末で、次のコマンドを実行します。

$ gsettings set org.gnome.shell favorite-apps "['firefox.desktop', 'evolution.desktop', 'rhythmbox.desktop', 'shotwell.desktop', 'org.gnome.Nautilus.desktop', 'org.gnome.Software.desktop', 'yelp.desktop', 'org.gnome.Terminal.desktop']"

これにより、favorite applications の変更の有無と、変更内容に関する通知が 1 つ目の端末に表示されます。

favorite-apps: ['firefox.desktop', 'evolution.desktop', 'rhythmbox.desktop', 'shotwell.desktop', 'org.gnome.Nautilus.desktop', 'org.gnome.Software.desktop', 'yelp.desktop', 'org.gnome.Terminal.desktop']

2.8.3. キーが書き込み可能であるかを確認

キーが書き込み可能であるかを確認するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings writable SCHEMA [:PATH] KEY

例2.3 favoriate applications キーが書き込み可能であるかを確認

favorite applications キーが書き込み可能であるかを確認するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings writable org.gnome.shell favorite-apps

このコマンドを実行すると、戻りコードは True を示します。

2.8.4. 有効なキー値の確認

キーの値の有効な範囲を確認するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings range SCHEMA [:PATH] KEY

例2.4 remember-mount-password キー値の有効な範囲の確認

remember-mount-password key の有効な値を確認するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings range org.gnome.shell remember-mount-password

このコマンドを実行すると、戻りコードにはキー値のタイプが表示されます。この例では type b になります。詳細は「GNOME developer」を参照してください。

2.8.5. 有効なキー値の説明を確認

有効なキー値の説明を確認するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings describe SCHEMA [:PATH] KEY

例2.5 picture-uri キーの有効な値の説明を確認

picture-uri キーの有効な値の説明を確認するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings describe org.gnome.desktop.screensaver picture-uri

このコマンドを実行すると、以下の出力が表示されます。

背景の画像に使用する URI。バックエンドは、ローカルのURI (file://) のみに対応します。

2.8.6. キー値のクエリー

キーの値を取得するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings get SCHEMA [:PATH] KEY VALUE

値はシリアル可能な GVariant として表示されることに注意してください。

例2.6 remember-mount-password キー値のクエリー

remember-mount-password キーの値を取得するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings get org.gnome.shell remember-mount-password

このコマンドを実行すると、戻りコードには True が表示されます。

2.8.7. キー値のリセット

キーの値をリセットするには、以下のコマンドを実行します。

gsettings reset SCHEMA [:PATH] KEY

リセットに成功した場合、戻りコードは表示されません。デフォルト値は、dconf ファイルと gsettings-desktop-schemas ファイルに保存されます。

例2.7 lock-delay キーのデフォルト値へのリセット

lock-delay キーのデフォルト値は 0 で、/usr/share/glib-2.0/schemas/org.gnome.desktop.screensaver.gschema.xml ファイルに格納されます。

必要に応じて、lock-delay の値を設定できます。

たとえば、スクリーンセーバーの lock-delay キーを 200 に設定するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings set org.gnome.desktop.screensaver lock-delay 200

スクリーンセーバーの lock-delay キーをデフォルト値にリセットするには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings reset org.gnome.desktop.screensaver lock-delay

このコマンドを実行すると、lock-delay の値が 0 に設定されます。

2.8.8. スキーマのリセット

スキーマをリセットするには、以下のコマンドを実行します。

gsettings reset-recursively SCHEMA [:PATH]

例2.8 org.gnome.desktop.screensaver スキーマをデフォルト値にリセット

org.gnome.desktop.screensaver スキーマをデフォルト値にリセットするには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings reset-recursively org.gnome.desktop.screensaver

このコマンドを実行すると、lock-delay の値は 0 にリセットされ、ユーザーが変更した org.gnome.desktop.screensaver スキーマ内のその他のキーもデフォルト値にリセットされます。

2.8.9. インストール済みで再配置不能なスキーマの一覧表示

再配置不能なインストール済みのスキーマを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings list-schemas [--print-paths]

[--print-paths] 引数を指定すると、各スキーマがマップされたパスも出力されます。

例2.9 インストール済みで再配置不能なスキーマの一覧表示

システムにインストールされている再配置不能なスキーマの一覧を表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings list-schemas

このコマンドを実行すると、すべてのスキーマが一覧で返されます。ここでは、その一部だけを示します。

org.gnome.rhythmbox.library
org.gnome.shell.overrides
org.gnome.system.proxy.https
org.gnome.clocks
org.gnome.eog.fullscreen
org.gnome.login-screen
org.gnome.eog.view

2.8.10. スキーマキーの一覧表示

選択したスキーマのキーを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings list-keys SCHEMA [:PATH]

例2.10 org.gnome.shell スキーマのキーの一覧表示

org.gnome.shell スキーマのキーを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings list-keys org.gnome.shell

このコマンドを実行すると、キーの一覧が返されます。ここでは、その一部だけを示します。

enabled-extensions
command-history
remember-mount-password
always-show-log-out
had-bluetooth-devices-setup
looking-glass-history
disable-user-extensions
app-picker-view
disable-extension-version-validation
development-tools
favorite-apps

2.8.11. スキーマの子の一覧表示

選択したスキーマの子を一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings list-children SCHEMA [:PATH]

子がない場合は空のリストが表示されます。

例2.11 org.gnome.shell スキーマの子の一覧表示

org.gnome.shell スキーマの子を一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings list-children org.gnome.shell

このコマンドを実行すると、以下の出力が返されます。

keyboard org.gnome.shell.keyboard
keybindings org.gnome.shell.keybindings

2.8.12. スキーマのキーおよび値の一覧表示

選択したスキーマのキーおよび値を再帰的に一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

gsettings list-recursively [SCHEMA [:PATH]]

リストするキーのスキーマを指定しないと、全スキーマのキーがすべて表示されます。

例2.12 キーおよび値を再帰的に一覧表示

すべてスキーマのキーおよび値を再帰的に一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ gsettings list-recursively

このコマンドを実行すると、システム上にあるすべてのスキーマのすべてのキーおよび値が一覧表示されます。ここでは、その一部だけを示します。

org.gnome.nautilus.desktop network-icon-visible false
org.gnome.nautilus.desktop font ''
org.gnome.nautilus.desktop network-icon-name 'Network Servers'
org.gnome.nautilus.desktop home-icon-name 'Home'
org.gnome.nautilus.desktop volumes-visible true
org.gnome.Vinagre always-enable-listening false
org.gnome.Vinagre always-show-tabs false
org.gnome.Vinagre show-accels false
org.gnome.Vinagre history-size 15
org.gnome.Vinagre shared-flag true

2.9. 謝辞

本文の一部は、GNOME Desktop System Administration Guide (Copyright © 2014 The GNOME Project, Michael Hill, Jim Campbell, Jeremy Bicha, Ekaterina Gerasimova, minnie_eg, Aruna Sankaranarayanan, Sindhu S, Shobha Tyagi, Shaun McCance, David King, and others. Licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License) に初出しました。

本書の編集者は、GNOME コミュニティーメンバーの GNOME Desktop System Administration Guide への貢献を感謝いたします。

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