Red Hat Training

A Red Hat training course is available for RHEL 8

ユーザー空間コンポーネントの管理および削除

Red Hat Enterprise Linux 8

Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream および BaseOS の概要

概要

本書では、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーおよび BaseOS リポジトリーでコンテンツを検索、検出、インストール、および使用する方法を説明します。これには、モジュール、アプリケーションストリーム、およびプロファイルの使用方法が含まれます。

オープンソースをより包摂的に

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、弊社 の CTO、Chris Wright のメッセージ を参照してください。

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第1章 AppStream の使用

次のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーに関する概念を説明します。

1.1. RHEL 8 のコンテンツの配布

RHEL 8 のコンテンツは、BaseOSAppStream の 2 つのメインリポジトリーにより配布されます。

BaseOS
BaseOS リポジトリーのコンテンツは、すべてのインストールの基盤となる、基本的な OS 機能のコアセットを提供します。このコンテンツは RPM 形式で提供されており、以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux と同様のサポート条件が適用されます。
AppStream
AppStream リポジトリーには、さまざまなワークロードとユースケースに対応するために、ユーザー空間アプリケーション、ランタイム言語、およびデータベースが同梱されます。AppStream のコンテンツ形式には、従来の RPM 形式と、RPM 形式の拡張 (モジュール と呼ばれます) の 2 つが利用できます。
重要

基本的な RHEL インストールには、BaseOS と AppStream の両方のコンテンツセットが必要で、すべての RHEL サブスクリプションで利用できます。インストール手順は、『標準的な RHEL インストールの実行』を参照してください。

1.2. アプリケーションストリーム

Red Hat Enterprise Linux 8 では、アプリケーションストリームの概念 (ユーザー空間コンポーネントのバージョン) が導入されています。ユーザー空間コンポーネントのバージョンが複数配信され、オペレーティングシステムのコアパッケージよりも頻繁に更新されるようになりました。これにより、プラットフォームや特定デプロイメントの基本的な安定性に影響を及ぼすことなく、Red Hat Enterprise Linux をカスタマイズできる柔軟性が向上しました。

アプリケーションストリームとして使用できるコンポーネントは、モジュールまたは RPM パッケージとしてパッケージ化され、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーを介して配信されます。各アプリケーションストリームには、特定のアプリケーションにより適した、RHEL 8 と同じか、より短いライフサイクルが指定されています。ライフサイクルが短いアプリケーションストリームは、「Red Hat Enterprise Linux 8 Application Streams ライフサイクル」ページに記載されています。

注記

すべてのモジュールがアプリケーションストリームというわけではありません。その他のモジュールの依存関係は、アプリケーションストリームコンポーネントとは見なされません。

1.3. RHEL 8 のパッケージング方法

AppStream リポジトリーには、2 つの方法でパッケージ化されたコンテンツが含まれます。

個別の RPM パッケージ
従来の RPM パッケージは、即時にインストールを行うために使用できます。
モジュール
モジュールは、論理ユニット (アプリケーション、言語スタック、データベース、またはツールセット) を表すパッケージの集まりです。これらのパッケージはまとめてビルドされ、テストされ、そしてリリースされます。

1.4. RHEL 8 で YUM を使用したパッケージ管理

現在、YUM パッケージ管理ツールは DNF 技術に基づいており、新しいモジュール機能に対応しています。

個々の RPM パッケージを扱う YUM の使用方法には変更がありません。モジュールコンテンツに対応する yum module コマンドが追加されています。詳細は 4章RHEL 8 コンテンツのインストール を参照してください。

モジュール機能は、必要に応じてモジュールとストリームの適切な組み合わせを自動的に選択し、パッケージの論理セットのインストールを可能にするため便利です。

第2章 モジュールの概要

AppStream リポジトリーには、個別の RPM パッケージとモジュールが含まれます。モジュールはコンポーネントを表し、通常はまとめてインストールされる一連の RPM パッケージです。通常のモジュールには、アプリケーションを含むパッケージ、アプリケーション固有の依存関係ライブラリーを含むパッケージ、アプリケーションのドキュメントを含むパッケージ、およびヘルプユーティリティーを含むパッケージが含まれます。

以降のセクションでは、モジュールのコンテンツを統合して処理する機能を説明します。

2.1. モジュールストリーム

モジュールのストリームは、AppStream 物理リポジトリーで仮想的なリポジトリーとして扱えるフィルターです。モジュールストリームは、AppStream コンポーネントのバージョンを表します。各ストリームが、それぞれ独立して更新を受け取ります。

モジュールストリームは、アクティブまたは非アクティブにできます。アクティブなストリームでは、特定モジュールストリームの RPM パッケージにシステムがアクセスできるようになり、コンポーネントの各バージョンのインストールを可能にします。ストリームは、デフォルトとしてマークされている場合、またはユーザーにより明示的に有効になった場合に限り、アクティブになります。

あるモジュールの中で同時にアクティブにできるストリームは 1 つだけです。したがって、1 つのシステムにインストールできるコンポーネントは、1 つのバージョンだけです。複数のコンテナーで異なるバージョンを使用できます。

各モジュールは、デフォルトのストリームを持つことができます。デフォルトのストリームは、モジュールについて学ぶ必要はなく、通常の方法で RHEL パッケージを簡単に使用できます。モジュール全体が無効になっている場合、またはそのモジュールの別のストリームが有効になっている場合を除き、デフォルトのストリームはアクティブです。

特定のモジュールストリームは、その他のモジュールストリームに依存します。たとえば、モジュールストリームの perl-App-cpanminusperl-DBD-MySQLperl-DBD-Pgperl-DBD-SQLiteperl-DBIperl-YAML、および freeradius は、perl モジュールストリームに依存します。

ランタイムユーザーアプリケーションまたは開発者用アプリケーションの特定のストリームを選択するには、以下を検討してください。

  • 必要な機能と、サポートされるコンポーネントのバージョン
  • 互換性
  • ライフサイクル の期間と更新計画

利用可能なモジュールおよびストリームの一覧は『パッケージマニフェスト』を参照してください。コンポーネント別の変更は、『リリースノート』を参照してください。

例2.1 postgresql モジュールストリーム

postgresql モジュールは、ストリームの 9.610、および 12 で、バージョンがそれぞれ 9.6、10、および 12 の PostgreSQL データベースを提供します。ストリーム 10 は現在デフォルトとなっているストリームです。つまり、postgresql と指定すると、システムは postgresql-10.6 パッケージのインストールを試みます。

関連情報

2.2. モジュールプロファイル

プロファイル は、サーバー、クライアント、開発、最小インストールなど、特定のユースケースでまとめてインストールされる推奨パッケージの一覧です。このパッケージ一覧は、モジュールストリームに含まれないパッケージ (通常は BaseOS リポジトリー、またはそのストリームの依存関係) も含みます。

利便性のため、プロファイル (一度の操作で完了) を利用してパッケージのインストールを行えます。そのモジュールが提供する任意のパッケージをインストールおよびアンインストールすることへの影響はありません。同じモジュールストリームから複数のプロファイルを利用してパッケージをインストールすることも、特に準備などを行わずに行えます。

各モジュールストリームではプロファイル数に制限がありません (ゼロにすることも可能)。モジュールストリームでは、プロファイルの一部が デフォルト となり、その他のプロファイルが明示的に指定されていない場合にインストールに使用されるプロファイルとなります。ただし、モジュールストリームのデフォルトプロファイルは必須ではありません。

例2.2 httpd モジュールプロファイル

Apache Web サーバーを提供する httpd モジュールは、インストールに以下のプロファイルを提供します。

  • common - 強固な実稼働対応のデプロイメント (デフォルトのプロファイル)
  • devel - httpd を修正するのに必要なパッケージ
  • minimal - 実行中の Web サーバーを提供するパッケージの最小セット

第3章 RHEL 8 コンテンツの検索

次のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーおよび BaseOS リポジトリーでコンテンツを検索して調べる方法を説明します。

3.1. パッケージの検索

ここでは、特定のアプリケーションやその他のコンテンツを提供するパッケージの検索に必要な手順を説明します。

前提条件

  • 必要なアプリケーションやコンテンツの名前が分かっている。

手順

  1. アプリケーション名などのテキスト文字列でパッケージを検索します。

    $ yum search "text string"
  2. パッケージの詳細を表示します。

    $ yum info package

3.2. 利用可能なモジュールの一覧表示

ここでは、利用可能なモジュールと、そのモジュールの詳細を検索する手順を説明します。

手順

  1. システムで使用できるモジュールストリームの一覧を表示します。

    $ yum module list

    このコマンドの出力には、モジュールストリームの名前、ストリーム、プロファイル、および概要が 1 行ごとに表示されます。

  2. モジュールに関する詳細が表示されます。これには、説明、プロファイルの一覧、および提供されるパッケージの一覧が含まれます。

    $ yum module info module-name
  3. 必要に応じて、モジュールプロファイルごとに、インストールされているパッケージの一覧を表示することもできます。

    $ yum module info --profile module-name
  4. モジュールの現在の状態を表示します。これには有効なストリームやインストール済みプロファイルが含まれます。

    $ yum module list module-name

例3.1 モジュールに関する詳細の検索

この例は、AppStream リポジトリーでモジュールを見つける方法と、そのコンテンツに関する詳細を探す方法を説明します。

注記

この例では、見やすくするために出力が編集されています。実際の出力には、ここに示されているよりも多くの情報が含まれている場合があります。

手順

  1. 利用可能なモジュールの一覧を表示します。

    $ yum module list
    Name        Stream  Profiles    Summary
    (...)
    postgresql  9.6     client,     PostgreSQL server and client module
                        server [d]
    postgresql  10 [d]  client,     PostgreSQL server and client module
                        server [d]
    postgresql  12      client,     PostgreSQL server and client module
                        server [d]
    (...)
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled
  2. postgresql モジュールの詳細を確認します。

    $ yum module info postgresql
    
    Name             : postgresql
    Stream           : 10 [d][a]
    Version          : 820190104140132
    Context          : 9edba152
    Profiles         : client, server [d]
    Default profiles : server
    Repo             : appstream
    Summary          : PostgreSQL server and client module
    Description      : (...)
    (...)
    
    Name             : postgresql
    Stream           : 12
    Version          : 8010120191120141335
    Context          : e4e244f9
    Profiles         : client, server [d]
    Default profiles : server
    Repo             : appstream
    Summary          : PostgreSQL server and client module
    Description      : (...)
    (...)
    
    Name             : postgresql
    Stream           : 9.6
    Version          : 820190104140337
    Context          : 9edba152
    Profiles         : client, server [d]
    Default profiles : server
    Repo             : appstream
    Summary          : PostgreSQL server and client module
    Description      : (...)
    (...)
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled, [a]ctive

    指定されたストリームがないため、すべてのストリームが表示されます。

  3. postgresql モジュールのストリーム 10 にあるプロファイルを確認します。

    $ yum module info --profile postgresql:10
    (...)
    Name   : postgresql:10:820190104140132:9edba152:x86_64
    client : postgresql
    server : postgresql-server

    各プロファイルは、依存関係を含む複数のパッケージセットをインストールします。

  4. デフォルトのストリーム 10 とプロファイル server を使用して postgresql モジュールをインストールします。

    # yum module install postgresql
    Dependencies resolved.
    ====================================================================
     Package           Version                         Repository Size
    ====================================================================
    Installing group/module packages:
     postgresql-server 10.6-1.module+el8+2469+5ecd5aae appstream  5.1 M
    Installing dependencies:
     libpq             10.5-1.el8                      appstream  188 k
     postgresql        10.6-1.module+el8+2469+5ecd5aae appstream  1.5 M
    Installing module profiles:
     postgresql/server
    Enabling module streams:
     postgresql               10
    
    Transaction Summary
    ====================================================================
    Install  3 Packages
    
    Total download size: 6.7 M
    Installed size: 27 M
    Is this ok [y/N]: y
    (...)

    ストリーム 10 が有効になり、プロファイル server のパッケージがインストールされます。

  5. postgresql モジュールの現在の状態を確認します。

    $ yum module list postgresql
    Name       Stream    Profiles                Summary
    postgresql 9.6       client, server [d]      (...)
    postgresql 10 [d][e] client, server [d] [i]  (...)
    postgresql 12        client, server [d]      (...)
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled

    この出力は、デフォルトストリーム 10 が有効になり、そのプロファイル server がインストールされていることを表しています。

3.3. コンテンツを一覧表示するコマンド

ここでは、コンテンツとその詳細を検索するのに一般的に使用されるコマンドを取り上げます。

利用可能なパッケージの一覧表示
$ yum list available
選択したパッケージで利用可能な YUM リポジトリーの検索
$ yum repoquery package
任意のテキスト文字列を使用したパッケージの検索
$ yum search "text string"
パッケージの詳細の表示
$ yum info package
パッケージを提供するモジュールの検索
$ yum module provides package

パッケージがモジュール外で利用できる場合に、このコマンドの出力は空になります。

利用可能なモジュールの一覧表示
$ yum module list
モジュールの詳細の表示
$ yum module info module-name
デフォルトストリームを使用し、モジュールのプロファイルによりインストールされたパッケージの一覧表示
$ yum module info --profile module-name
特定のストリームを使用し、モジュールのプロファイルによりインストールされたパッケージの一覧表示
$ yum module info --profile module-name:stream
モジュールの現在の状態の表示
$ yum module list module-name

第4章 RHEL 8 コンテンツのインストール

次のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 にコンテンツをインストールする方法を説明します。

4.1. パッケージのインストール

ここでは、パッケージをインストールする方法を説明します。

手順

  • パッケージのインストール

    # yum install package
    • パッケージがモジュールストリームで提供されてない場合、この手順は、Red Hat Enterprise Linux の旧バージョンの手順と同じになります。
    • パッケージが、有効になっているモジュールストリームにより提供されている場合は、パッケージをインストールするのに必要な追加操作はありません。
    • パッケージが、デフォルトのモジュールストリームにより提供されている場合は、このパッケージをインストールする前に、yum ツールがそのモジュールストリームを自動的かつ透過的に有効にします。
    • パッケージが、アクティブでない (上述のいずれの例でもない) モジュールストリームにより提供されている場合は、その各モジュールストリームを手動で有効にするまで認識されません。

4.2. パッケージのインストール前にストリームの選択

デフォルトのモジュールストリームを使用すると、モジュール機能に関わらずパッケージを確実にインストールします。デフォルト以外のストリームのバージョンのパッケージが必要な場合は、パッケージをインストールする前に、そのパッケージを提供するストリームを有効にする必要があります。

前提条件

手順

  • モジュールストリームを有効にします。

    # yum module enable module-name:stream

    module-name および stream を、モジュールおよびストリームの名前に置き換えます。

    yum により確認が求められ、ストリームが有効になり、アクティブになります。モジュールの別のストリームがデフォルトであったためアクティブになっていた場合は、アクティブではなくなります。

4.3. モジュールストリームの上書き

デフォルトでは、yum ユーティリティーは、モジュールを含むリポジトリーで定義されているモジュールストリームを使用します。デフォルトのストリームは、/etc/dnf/modules.defaults.d/ ディレクトリーを使って上書きできます。

前提条件

手順

  1. /etc/dnf/modules.defaults.d/ ドロップインディレクトリーに YAML 設定ファイルを作成します。

    ---
    document: modulemd-defaults
    version: 1
    data:
      module: postgresql
      stream: "10"
      profiles:
        10: [server]
        12: [server]
        13: [server]
        9.6: [server]
    …​

    上記の出力は、この書き込み時の postgresql モジュールのデフォルト定義を表しています。

    例4.1 元のデフォルトを含む postgresql モジュールの例

    # yum module list postgresql
    (...)
    Red Hat Enterprise Linux 8 for x86_64 - AppStream (RPMs)
    Name             Stream       Profiles                Summary
    postgresql       9.6          client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       10 [d]       client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       12           client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       13           client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled
  2. デフォルトのストリームを 13 に設定するには、以下の設定を実装できます。

    ---
    document: modulemd-defaults
    version: 1
    data:
      module: postgresql
      stream: "13"
      profiles:
        10: [server]
        12: [server]
        13: [server]
        9.6: [server]
    …​

    例4.2 モジュールのデフォルトが上書きされた postgresql の例

    # yum module list postgresql
    (...)
    Red Hat Enterprise Linux 8 for x86_64 - AppStream (RPMs)
    Name             Stream       Profiles                Summary
    postgresql       9.6          client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       10           client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       12           client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    postgresql       13 [d]       client, server [d]      PostgreSQL server and client module
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled

4.4. モジュールコンテンツのインストール

本セクションでは、モジュールストリームまたはプロファイルが提供するモジュールコンテンツをインストールする方法を説明します。

前提条件

手順

  • アクティブなモジュールストリーム (デフォルトのモジュールストリームまたは有効にしたモジュールストリーム) をインストールします。

    # yum module install module-name
  • 選択したモジュールストリームをインストールします。

    # yum module install module-name:stream

    選択したストリームは自動的に有効になります。デフォルトプロファイルがストリームに定義されている場合、このプロファイルは自動的にインストールされます。

  • モジュールストリームの選択したプロファイルをインストールします。

    # yum module install module-name:stream/profile

    これにより、ストリームが有効になり、モジュールの指定ストリーム (バージョン) およびプロファイル (目的) に対して推奨されるパッケージセットがインストールされます。

例4.3 アプリケーションのデフォルト以外のストリームのインストール

この例では、デフォルト以外のストリーム (バージョン) からアプリケーションをインストールする方法を示します。

具体的には、この例ではバージョン 9.6PostgreSQL サーバー (postgresql-server パッケージ) をインストールします。一方、デフォルトのストリームでは、バージョン 10 が提供されます。

手順

  1. postgresql-server パッケージを提供するモジュールの一覧を表示して、使用できるストリームを確認します。

    $ yum module list postgresql
    Name        Stream  Profiles             Summary
    postgresql  9.6     client, server [d]  PostgreSQL server and client module
    postgresql  10 [d]  client, server [d]  PostgreSQL server and client module
    postgresql  12	    client, server [d]  PostgreSQL server and client module
    
    Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled

    出力は、ストリームが 9.610、および 12postgresql モジュールが使用できることを示しています。デフォルトのストリームは 10 です。

  2. ストリーム 9.6postgresql モジュールにより提供されるパッケージをインストールします。

    # yum module install postgresql:9.6
    Dependencies resolved.
    =====================================================================
     Package           Version                           Repository Size
    =====================================================================
    Installing group/module packages:
     postgresql-server 9.6.10-1.module+el8+2470+d1bafa0e appstream  5.0 M
    Installing dependencies:
     libpq             10.5-1.el8                        appstream  188 k
     postgresql        9.6.10-1.module+el8+2470+d1bafa0e appstream  1.4 M
    Installing module profiles:
     postgresql/server
    Enabling module streams:
     postgresql                 9.6
    
    Transaction Summary
    =====================================================================
    Install  3 Packages
    
    Total download size: 6.6 M
    Installed size: 27 M
    Is this ok [y/N]: y
    (...)
    Complete!

    インストールプロファイルが指定されていなかったため、デフォルトのプロファイル server が使用されていました。

  3. インストールされた PostgreSQL のバージョンを確認します。

    $ postgres --version
    postgres (PostgreSQL) 9.6.10

4.5. インストール済みコンテンツの実行

通常は、RHEL 8 リポジトリーからコンテンツをインストールすると、新しいコマンドが有効になります。コマンドが RPM パッケージに由来するか、モジュールにより有効になった RPM パッケージに由来するかは、コマンドの使用方法に影響しません。新しいコマンドを実行するには、次のように実行します。

$ command

4.6. RHEL 8 コンテンツのインストールコマンド

ここでは、RHEL 8 コンテンツをインストールするのに一般的に使用されるコマンドを取り上げます。

コマンドリスト

パッケージのインストール
# yum install package

モジュールストリームによりパッケージが提供される場合は、必要なモジュールストリームを yum が解決し、このパッケージのインストール時に自動的に有効になります。これは、すべてのパッケージ依存関係にも再帰的に行われます。より多くのモジュールストリームがこの要件を満たす必要がある場合は、デフォルトのモジュールストリームが使用されます。

デフォルトのストリームを使用するモジュールの有効化
# yum module enable module-name

システムでパッケージを使用できるようにし、現時点ではインストールしない場合は、モジュールを有効にします。

デフォルトのストリームを定義しないモジュールもあります。そのような場合は、ストリームを明示的に指定する必要があります。

特定のストリームを使用するモジュールの有効化
# yum module enable module-name:stream

モジュールがデフォルトのストリームを定義する場合は、ストリームとコロンを省略できます。

デフォルトのストリームとプロファイルを使用したモジュールのインストール
# yum module install module-name

または、次のようになります。

# yum install @module-name
重要

デフォルトのストリームを定義しないモジュールもあります。

特定のストリームとデフォルトのプロファイルを使用したモジュールのインストール
# yum module install module-name:stream

または、次のようになります。

# yum install @module-name:stream
特定のストリームおよびプロファイルを使用したモジュールのインストール
# yum module install module-name:stream/profile

または、次のようになります。

# yum install @module-name:stream/profile

4.7. 関連情報

オンラインリソース

  • 従来のソフトウェアのインストール方法の詳細は、『基本的なシステム設定の構成』「yum を使用したソフトウェアパッケージのインストール」を参照してください。

インストール済みのリソース

  • さまざまな yum ツールのコマンドの詳細は、man ページの yum(8) を参照してください。

    $ man yum

第5章 RHEL 8 コンテンツの削除

次のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 でコンテンツを削除する方法を説明します。

5.1. インストール済みパッケージの削除

本セクションは、パラメーターを削除する方法を説明します。

手順

  • パッケージを削除します。

    # yum remove package

    パッケージは、その他の依存関係パッケージとともに削除されます。

5.2. インストールされたモジュールコンテンツの削除

インストールされたモジュールコンテンツを削除する場合は、選択したプロファイルから、またはストリーム全体からパッケージを削除できます。

重要

yum は、依存するパッケージを含む、プロファイルまたはストリームでインストールされたパッケージに対応する名前のパッケージをすべて削除しようとします。(特にシステムでカスタムリポジトリーを有効にしている場合は) 続行する前に、削除するパッケージの一覧を常に確認してください。

5.2.1. モジュールストリームから全パッケージを削除

モジュールストリームでインストールされたパッケージを削除すると、他のモジュールで必要なパッケージを除き、ストリームによりインストールされたパッケージに対応する名前のパッケージがすべて削除されます。

前提条件

  • モジュールストリームが有効になり、少なくともいくつかのパッケージがストリームからインストールされている。
  • モジュール依存関係の解決 を理解している。

手順

  1. 選択したストリームからパッケージをすべて削除します。

    # yum module remove --all module-name:stream

    module-name および stream を、アンインストールするモジュールおよびストリームに置き換えます。

  2. 削除トランザクションに進む前に、Removing: および Removing unused dependencies: にあるパッケージの一覧を確認してください。
  3. 必要に応じて、ストリームをリセットまたは無効にします。

選択したプロファイルからのみパッケージを削除する場合は、「インストール済みプロファイルからパッケージを削除」 の手順を行ってください。

例5.1 ストリーム全体からパッケージを削除

この例は、モジュールストリームからすべてのパッケージを削除する方法を示しています。

手順

  1. すべての利用可能なプロファイルを含む php:7.3 モジュールストリームをインストールします。

    [root@rhel-8 ~]# yum module install php:7.3/*
    Updating Subscription Management repositories.
    Last metadata expiration check: 0:20:19 ago on Tue Mar  3 11:32:05 2020.
    Dependencies resolved.
    =========================================================================
     Package          Arch   Version                              Repository                        Size
    =========================================================================
    Installing group/module packages:
     libzip           x86_64 1.5.2-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  63 k
     php-cli          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 3.0 M
     php-common       x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 663 k
     php-devel        x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 735 k
     php-fpm          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 1.6 M
     php-json         x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  73 k
     php-mbstring     x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 610 k
     php-pear         noarch 1:1.10.9-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                  rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 359 k
     php-pecl-zip     x86_64 1.15.4-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                  rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  51 k
     php-process      x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  84 k
     php-xml          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 188 k
    Installing dependencies:
     autoconf         noarch 2.69-27.el8                          rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 710 k
    ...
    Installing weak dependencies:
     perl-IO-Socket-IP
                      noarch 0.39-5.el8                           rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  47 k
    ...
    Installing module profiles:
     php/common
     php/devel
     php/minimal
    Enabling module streams:
     httpd                   2.4
     nginx                   1.14
     php                     7.3
    
    Transaction Summary
    =========================================================================
    Install  73 Packages
    
    Total download size: 76 M
    Installed size: 220 M
    Is this ok [y/N]: y
  2. php:7.3 モジュールストリームからパッケージをすべて削除します。

    [root@rhel-8 ~]# yum module remove php:7.3 --all
    Updating Subscription Management repositories.
    Last metadata expiration check: 0:21:26 ago on Tue Mar  3 11:32:05 2020.
    Dependencies resolved.
    =========================================================================
     Package                Arch   Version                       Repository                         Size
    =========================================================================
    Removing:
     libzip                 x86_64 1.5.2-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 313 k
     php-cli                x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  11 M
     php-common             x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 6.5 M
     php-devel              x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 5.3 M
     php-fpm                x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 5.6 M
     php-json               x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  53 k
     php-mbstring           x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 1.9 M
     php-pear               noarch 1:1.10.9-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 2.1 M
     php-pecl-zip           x86_64 1.15.4-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 119 k
     php-process            x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 117 k
     php-xml                x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 557 k
    Removing unused dependencies:
     autoconf               noarch 2.69-27.el8                   @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 2.2 M
    ...
    Disabling module profiles:
     php/common
     php/devel
     php/minimal
    
    Transaction Summary
    =========================================================================
    Remove  73 Packages
    
    Freed space: 220 M
    Is this ok [y/N]: y

5.2.2. インストール済みプロファイルからパッケージを削除

プロファイルでインストールしたパッケージを削除すると、プロファイルによってインストールされたパッケージに対応する名前を持つパッケージがすべて削除されます。このパッケージの依存関係は、別のプロファイルで必要なパッケージを除きます。

前提条件

  • 選択したプロファイルは、yum module install module-name:stream/profile コマンドを使用してインストールされているか、yum install module-name:stream コマンドを使用してデフォルトのプロファイルとしてインストールされている。
  • モジュール依存関係の解決 を理解している。

手順

  1. 選択したプロファイルに属するパッケージをアンインストールします。

    # yum module remove module-name:stream/profile

    module-namestream、および profile を、アンインストールするモジュール、ストリーム、およびプロファイルに置き換えます。

    または、ストリームにインストールされているすべてのプロファイルからパッケージをアンインストールします。

    # yum module remove module-name:stream

    この操作は、プロファイルに属さないパッケージをストリームから削除しません。

  2. 削除トランザクションに進む前に、Removing: および Removing unused dependencies: にあるパッケージの一覧を確認してください。

選択したストリームからすべてのパッケージを削除するには、「モジュールストリームから全パッケージを削除」 の手順を参照してください。

例5.2 選択したプロファイルからパッケージを削除

この例は、選択したプロファイルにのみ属するパッケージを削除する方法を示しています。

手順

  1. すべての利用可能なプロファイルを含む php:7.3 モジュールストリームをインストールします。

    [root@rhel-8 ~]# yum module install php:7.3/*
    Updating Subscription Management repositories.
    Last metadata expiration check: 0:08:41 ago on Tue Mar  3 11:32:05 2020.
    Dependencies resolved.
    =========================================================================
     Package          Arch   Version                              Repository                        Size
    =========================================================================
    Installing group/module packages:
     libzip           x86_64 1.5.2-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  63 k
     php-cli          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 3.0 M
     php-common       x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 663 k
     php-devel        x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 735 k
     php-fpm          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 1.6 M
     php-json         x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  73 k
     php-mbstring     x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 610 k
     php-pear         noarch 1:1.10.9-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                  rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 359 k
     php-pecl-zip     x86_64 1.15.4-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                  rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  51 k
     php-process      x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  84 k
     php-xml          x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 188 k
    Installing dependencies:
     autoconf         noarch 2.69-27.el8                          rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 710 k
    ...
    Installing weak dependencies:
     perl-IO-Socket-IP
                      noarch 0.39-5.el8                           rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms  47 k
    ...
    Installing module profiles:
     php/common
     php/devel
     php/minimal
    Enabling module streams:
     httpd                   2.4
     nginx                   1.14
     php                     7.3
    
    Transaction Summary
    =========================================================================
    Install  73 Packages
    
    Total download size: 76 M
    Installed size: 220 M
    Is this ok [y/N]: y
  2. devel プロファイルからパッケージを削除します。

    [root@rhel-8 ~]# yum module remove php:7.3/devel
    Updating Subscription Management repositories.
    Last metadata expiration check: 0:09:40 ago on Tue Mar  3 11:32:05 2020.
    Dependencies resolved.
    =========================================================================
     Package                Arch   Version                       Repository                         Size
    =========================================================================
    Removing:
     libzip                 x86_64 1.5.2-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 313 k
     php-devel              x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 5.3 M
     php-pear               noarch 1:1.10.9-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 2.1 M
     php-pecl-zip           x86_64 1.15.4-1.module+el8.1.0+3189+a1bff096
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 119 k
     php-process            x86_64 7.3.5-5.module+el8.1.0+4560+e0eee7d6
                                                                 @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 117 k
    Removing unused dependencies:
     autoconf               noarch 2.69-27.el8                   @rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 2.2 M
    ...
    Disabling module profiles:
     php/devel
    
    Transaction Summary
    =========================================================================
    Remove  64 Packages
    
    Freed space: 193 M
    Is this ok [y/N]: y

5.3. モジュールストリームのリセット

モジュールをリセットすると、そのストリームをすべて (有効でも無効でもない) 初期状態にリセットします。モジュールにデフォルトストリームがある場合は、モジュールをリセットするとそのストリームがアクティブになります。

手順

  • モジュールストリームをリセットにします。

    # yum module reset module-name

    モジュールは初期状態に戻ります。有効なストリームとインストールされたプロファイルに関する情報は消去されますが、インストールされたコンテンツは削除されません。

5.4. コンテンツを削除するコマンド

ここでは、コンテンツを削除するのに一般的に使用されるコマンドを取り上げます。

コマンドリスト

パッケージの削除
# yum remove package
インストール済みプロファイルからパッケージを削除
# yum module remove module-name:stream/profile
アクティブなストリームからすべてのパッケージを削除
# yum module remove --all module-name:stream
モジュールを初期状態へのリセット
# yum module reset module-name
モジュールおよびそのストリームの無効化
# yum module disable module-name

第6章 Application Stream コンテンツのバージョン管理

AppStream リポジトリーのコンテンツは、モジュールストリームに対応する複数のバージョンが使用できます。本章では、新しいモジュールストリームを有効にする以外の、有効なモジュールストリームに対して変更する際に必要な操作を説明します。

6.1. モジュールの依存関係とストリームの変更

これまで、コンテンツを提供するパッケージは他のパッケージに依存し、通常は使用する依存関係バージョンを指定していました。モジュールに含まれるパッケージにもこの仕組みが適用されますが、パッケージとその特定バージョンをモジュールとストリームとしてグループ化したことで、さらに制限されます。また、モジュールストリームは含まれるパッケージや提供するパッケージに制限されずに、その他のモジュールのストリームへの依存関係を宣言できます。

パッケージやモジュールの操作後、インストール済みの全基本パッケージの依存関係ツリー全体が、パッケージが宣言する状態と適合する必要があります。また、すべてのモジュールストリームの依存関係に適合する必要があります。

その結果、以下のことが言えます。

  • モジュールストリームを有効にすると、他のモジュールのストリームを有効にすることが必要になる場合があります。
  • モジュールストリームプロファイルのインストール、またはストリームからのパッケージのインストールには、他のモジュールのストリームを有効にしたり、他のパッケージをインストールすることが必要になる場合があります。
  • モジュールのストリームを無効にするために、他のモジュールストリームを無効にすることが必要になる場合があります。自動的に削除されるパッケージはありません。
  • パッケージの削除には、他のパッケージの削除が必要になることがあります。このようなパッケージがモジュールにより提供されている場合は、このモジュールストリームのパッケージがインストールされなくなっても、将来のインストールに備えてモジュールストリームは有効のままになります。これは、未使用の yum リポジトリーの挙動を反映しています。

同じモジュールの別のストリームが有効になっている場合は、モジュールのストリームを有効にすることができません。ストリームを切り替えるには、「後続のストリームへの切り替え」 の手順に従います。または、モジュールをリセットしてから、新しいストリームを有効にします。別のストリームに切り替える前に、ストリームからインストールしたパッケージをすべて削除すると、対応するリポジトリーやストリームがないのにパッケージがインストールされている状態にならないようにします。

技術的には、モジュールをリセットしても、インストール済みパッケージを自動的に変更しません。以前のストリームが提供するパッケージと、そのパッケージに依存するパッケージを削除する場合は、手動で行う必要があります。

6.2. モジュールおよび非モジュールの依存関係のやり取り

モジュールの依存関係 は、通常の RPM の依存関係に追加された層になります。モジュール依存関係の機能は、リポジトリー間で仮想的な依存関係と同様になります。これは、異なるパッケージをインストールすると、RPM の依存関係の解決に加え、モジュールの依存関係が事前に解決されている必要があることを意味します。

変更が明示的に指示される場合を除き、システムは常にモジュールとストリームの選択を保持します。モジュールパッケージは、このパッケージを提供するモジュールの、現在有効なストリームに含まれる更新を受け取りますが、別のストリームに含まれたバージョンへのアップグレードは行いません。

6.3. モジュールストリームのリセット

モジュールをリセットすると、そのストリームをすべて (有効でも無効でもない) 初期状態にリセットします。モジュールにデフォルトストリームがある場合は、モジュールをリセットするとそのストリームがアクティブになります。

手順

  • モジュールストリームをリセットにします。

    # yum module reset module-name

    モジュールは初期状態に戻ります。有効なストリームとインストールされたプロファイルに関する情報は消去されますが、インストールされたコンテンツは削除されません。

6.4. モジュールのストリームをすべて無効化

デフォルトストリームがあるモジュールには、常にアクティブなストリームが 1 つ含まれます。すべてのモジュールストリームからそのコンテンツにアクセスすべきでない状況では、モジュール全体を無効にできます。

前提条件

手順

  • モジュールを無効にします。

    # yum module disable module-name

    yum により確認が求められ、その後、そのすべてのストリームを持つモジュールが無効になります。すべてのモジュールが非アクティブになります。インストール済みのコンテンツは削除されません。

6.5. 後続のストリームへの切り替え

後続のモジュールストリームに切り替えると、モジュールのすべてのパッケージが、その後続のバージョンに置き換えられます。

重要

この手順は、以下の条件でのみ使用できます。

前提条件

  • システムが完全に更新されている。
  • システムにインストールしたパッケージよりも、リポジトリーで利用可能なパッケージの方が新しい。

手順

  1. 以下のコマンドを実行して、後続のストリームに切り替えるためにシステムの準備が整っているかどうかを判断します。

    # yum distro-sync

    このコマンドは、Nothing to do.Complete! メッセージで終了する必要があります。代わりに変更を提案し、確認を求められた場合は、この変更を慎重に確認し、続行するかどうかを検討してください。必要に応じて yum distro-sync コマンドを繰り返し実行します。または、推奨される変更を受け入れず、システムを、このコマンドが Nothing to do.Complete! メッセージを返した状態に手動で戻すことができます。

    注記

    yum distro-sync の結果を確認してストリームを切り替えると、この手順の最後のステップと同じコマンドが必要になるため、ストリームへの関連外の変更が発生しないようにします。

  2. アクティブなストリームを後続のストリームに変更します。

    # yum module reset module-name
    # yum module enable module-name:new-stream
  3. インストール済みパッケージを同期し、ストリーム間の変更を実行します。

    # yum distro-sync

    この動作により、ストリーム外のコンテンツへの変更が提案されている場合は、注意して確認してください。

    注記
    • 一部のインストール済みパッケージが以前のストリームに依存し、後続のストリームに互換性のあるバージョンがない場合、yum は依存関係の競合を報告します。このようなパッケージは、後続のストリームとは依存関係がなく、一緒にインストールすることはできないため、この場合は --allowerasing オプションを使用してこのパッケージを削除してください。
    • Perl モジュールの切り替え時には、RHEL 8 ベースインストールの一部のパッケージが Perl 5.26 に依存するため、--allowerasing オプションが常に必要になります。
    • 解釈した言語のバイナリー拡張 (通常は C または C++ で記述) は、新しいストリームを有効にしてから再インストールする必要があります。たとえば、ruby モジュールの gem コマンド、nodejs モジュールの npm コマンド、perl モジュールの cpan コマンド、php モジュールの pecl コマンドから、特定のパッケージをインストールします。詳細は「How to switch Ruby streams in RHEL 8」を参照してください。

もしくは、現在のストリームからインストールした モジュールのコンテンツをすべて削除 し、モジュールをリセット して、新しいストリームをインストール します。