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第2章 仮想化を使用する理由

仮想化は、サーバーのデプロイメントと個々のデスクトップステーションの両方に役立ちます。デスクトップの仮想化は、コスト効率の高い一元管理と優れた障害復旧を実現します。また、ssh などの接続ツールを使用することで、リモートでデスクトップに接続することができます。
仮想化をサーバーに使用すると、大規模なネットワークだけでなく、複数のサーバーを使用するデプロイメントにもメリットがあります。仮想化は、ライブマイグレーション、高可用性、フォールトトレランス、効率的なバックアップを提供します。

2.1. 仮想化コスト

仮想化の導入には費用がかかる可能性がありますが、長期的には多くの場合、費用を節約できます。メリットとしては以下のものが考えられます。
省電力
仮想化を使用すると、複数の物理プラットフォームを確保する必要性がほとんどなくなります。そのため、マシンの動作と冷却に使用される電力が少なくなり、エネルギーコストが削減されます。複数の物理プラットフォームを購入する初期コストは、マシンの電力消費と必要な冷却と合わせて、仮想化を使用することで大幅に削減されます。
メンテナンスの削減
物理システムを仮想化システムに移行する前に適切な計画が策定されていれば、システムのメンテナンスに必要な時間が短縮されます。これにより、部品にかかる費用と人件費が削減されます。
インストール済みソフトウェアの寿命延長
古いバージョンのソフトウェアは、最新のベアメタルマシンでは直接実行できない場合があります。大規模で高速なシステム上で古いソフトウェアを仮想的に実行することにより、新しいシステムの優れたパフォーマンスを活用しながら、ソフトウェアの寿命を延ばすことができます。
予測可能なコスト
Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションは、固定料金で仮想化のサポートを提供するため、コストの予測が容易になります。
省スペース
サーバーを少数のマシンに統合することで、コンピューターシステムに必要な物理スペースが少なくなります。