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6.4. ブリッジネットワーク

ブリッジネットワーク (ネットワークブリッジングまたは仮想ネットワークスイッチングとも呼ばれます) は、仮想マシンのネットワークインターフェイスを、物理インターフェイスと同じネットワークに配置するために使用されます。ブリッジは最小限の設定でネットワークに仮想マシンを表示できるため、管理オーバーヘッドが低減し、ネットワークの複雑さが低減します。ブリッジにはコンポーネントと設定変数がほとんど含まれていないため、必要に応じて、理解とトラブルシューティングが簡単な透過的なセットアップを提供します。
ブリッジは、標準の Red Hat Enterprise Linux ツール、virt-manager、または libvirt を使用して仮想化環境で設定できます。以下のセクションで説明します。
ただし、仮想環境であっても、ホストオペレーティングシステムのネットワークツールを使用すると、ブリッジをより簡単に作成できます。このブリッジ作成方法の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 Networking Guide を参照してください。

6.4.1. Red Hat Enterprise Linux 7 ホストでのブリッジネットワークの設定

ブリッジネットワークは、仮想化管理ツールとは無関係に、Red Hat Enterprise Linux ホストの仮想マシン用に設定できます。この設定は、仮想化ブリッジがホストの唯一のネットワークインターフェイスである場合、またはホストの管理ネットワークインターフェイスである場合に、主に推奨されます。
仮想化ツールを使用せずにネットワークブリッジを設定する方法は、Red Hat Enterprise Linux 7 Networking Guide を参照してください。

6.4.2. Virtual Machine Manager を使用したブリッジネットワーク

本セクションでは、virt-manager を使用して、ホストマシンのインターフェイスからゲスト仮想マシンへのブリッジを作成する方法を説明します。
注記
ご使用の環境によっては、Red Hat Enterprise Linux 7 で libvirt ツールでブリッジを設定する際に、ネットワークマネージャーを無効にする必要があります。これは Red Hat では推奨されていません。libvirt で作成したブリッジでは、ネットワーク接続を維持するために、ブリッジに対して libvirtd を実行する必要があります。
ブリッジの作成後に libvirt を使用して仮想マシンのインターフェイスをブリッジに追加しながら、Red Hat Enterprise Linux 7 Networking Guideの説明に従って物理 Red Hat Enterprise Linux ホストでブリッジネットワークを設定することが推奨されます。

手順6.1 virt-manager を使用したブリッジの作成

  1. virt-manager のメインメニューで、Edit ⇒ Connection Details をクリックして、Connection Details ウィンドウを開きます。
  2. Network Interfaces タブをクリックします。
  3. 画面下部の+をクリックして、新しいネットワークインターフェイスを設定します。
  4. Interface type ドロップダウンメニューで Bridge を選択し、Forward をクリックして続行します。

    図6.1 ブリッジの追加

    ブリッジの追加
    1. Name フィールドに、ブリッジの名前 (br0 など) を入力します。
    2. ドロップダウンメニューから、Start mode を選択します。以下のいずれかを選択します。
      • none - ブリッジを非アクティブにします。
      • onboot - 次回のゲスト仮想マシンの再起動時にブリッジをアクティブにします。
      • hotplug - ゲストの仮想マシンが実行中であっても、ブリッジをアクティブにします。
    3. すぐにブリッジを有効にするには、Activate now のチェックボックスを選択します。
    4. IP settings または Bridge settings のいずれかを設定する場合は、適切な Configure ボタンをクリックします。別のウィンドウが開いて、必要な設定を指定します。必要な変更を加え、完了したら OK をクリックします。
    5. 仮想マシンに接続する物理インターフェイスを選択します。 インターフェイスが現在別のゲスト仮想マシンで使用されている場合は、警告メッセージが表示されます。
  5. Finish をクリックすると、ウィザードが閉じ、Connections メニューに戻ります。

    図6.2 ブリッジの追加

    ブリッジの追加
使用するブリッジを選択し、Apply をクリックして、ウィザードを終了します。
インターフェイスを停止するには、Stop Interface キーを選択します。ブリッジが停止したら、インターフェイスを削除する Delete Interface キーを選択します。

6.4.3. libvirt を使用したブリッジネットワーク

ご使用の環境によっては、Red Hat Enterprise Linux 7 で libvirt を使用してブリッジを設定する際に、ネットワークマネージャーを無効にする必要があります。これは Red Hat では推奨されていません。これには、ブリッジを動作させるために libvirtd が実行している必要があります。
Red Hat Enterprise Linux 7 Networking Guide の説明に従って、物理 Red Hat Enterprise Linux ホストでブリッジネットワークを設定することが推奨されます。
重要
libvirt は、新しいカーネル調整可能パラメーターを利用して、ホストブリッジ転送データベース (FDB) エントリーを管理できるようになりました。これにより、複数の仮想マシンをブリッジする際にシステムのネットワークパフォーマンスが改善される可能性があります。ホストコンピューターの XML 設定ファイルで、ネットワークの <bridge> 要素の macTableManager 属性を 'libvirt' に設定します。
<bridge name='br0' macTableManager='libvirt'/>
これにより、すべてのブリッジポートでラーニング (flood) モードが無効になり、libvirt は必要に応じて FDB にエントリーを追加または削除します。MAC アドレス用の適切なフォワーディングポートを学習するオーバーヘッドを取り除くとともに、これにより、カーネルはブリッジをネットワークに接続する物理デバイスで無差別モードを無効にし、オーバーヘッドをさらに削減できます。