第2章 アップグレードに向けた RHEL 6 システムの準備

この手順では、RHEL 7 へのインプレースアップグレードを実行する前に必要な手順を説明します。

前提条件

  • RHEL 6 から RHEL 7 へのアップグレードで、セットアップがサポートされていることを確認している。詳細は アップグレードの計画 を参照してください。

手順

  1. システムが Red Hat Subscription Management (RHSM) に登録されていることを確認します。

    RHEL 6 システムが Red Hat ネットワーク (RHN) に登録されている場合は、RHSM に移行する必要があります。詳細は Red Hat Enterprise Linux での RHN から RHSM への移行 を参照してください。

  2. 最新の RHEL 6 コンテンツにアクセスしていることを確認します。指定したバージョンにパッケージをロックするために yum-plugin-versionlock プラグインを使用している場合は、次のコマンドを実行してロックを解除します。

    # yum versionlock clear

    詳細は 指定したバージョンのパッケージ (または指定したバージョン以前のパッケージ) だけをインストールまたはアップグレードできるように yum の使用を制限する方法 を参照してください。

  3. Extras リポジトリーを有効にします。これには、アップグレード前の評価およびインプレースアップグレードに必要なパッケージが含まれます。

    1. サーバーエディションの 64 ビット Intel アーキテクチャーの Server バリアントの場合:

      # subscription-manager repos --enable rhel-6-server-extras-rpms --enable rhel-6-server-optional-rpms
    2. IBM POWER、ビッグエンディアンシステムの場合:

      # subscription-manager repos --enable rhel-6-for-power-extras-rpms --enable rhel-6-for-power-optional-rpms
    3. IBM Z アーキテクチャーの場合:

      # subscription-manager repos --enable rhel-6-for-system-z-extras-rpms --enable rhel-6-for-system-z-optional-rpms
    4. 64 ビット Intel アーキテクチャーの HPC Compute Node バリアントの場合:

      # subscription-manager repos --enable rhel-6-for-hpc-node-extras-rpms --enable rhel-6-for-hpc-node-optional-rpms
  4. Preupgrade Assistant および Red Hat Upgrade Tool をインストールします。

    # yum install preupgrade-assistant preupgrade-assistant-el6toel7 redhat-upgrade-tool
    注記

    システムにインターネットアクセスがない場合は、Red Hat カスタマーポータル から Preupgrade Assistant および Red Hat Upgrade Tool をダウンロードします。詳細は、How to install preupgrade assessment packages on an offline system for RHEL 6.10 to RHEL 7.9 upgrade を参照してください。

  5. 対応していないパッケージグループをすべて削除します。

    # yum groupremove group_name

    group_name は、サポートされていない各グループ名に置き換えます。インストールされているグループ名の一覧を表示するには、yum grouplist を実行します。

  6. 既知の問題 を確認し、必要に応じて回避策を適用します。特に、複数のネットワークインターフェイスを持つシステムでは、次のようになります。

    1. システムに静的ルートが設定されている場合は、静的ルートファイルを置き換えます。詳細は redhat-upgrade-tool がネットワークインターフェイスで静的ルートの再設定に失敗し、アップグレードが行われない を参照してください。
    2. NetworkManager を実行している場合は、NetworkManager を停止してからアップグレードツールを実行してください。詳細は redhat-upgrade-tool fails to reconfigure the network interfaces, preventing the upgrade to happen を参照してください。
  7. すべてのパッケージを最新の RHEL 6 バージョンに更新します。

    # yum update
  8. システムを再起動します。

    # reboot
  9. アップグレードを実行する前に、すべてのデータのバックアップを作成して、データの損失を防ぎます。

検証手順

  1. Red Hat Subscription Manager に登録されていることを確認します。

    # yum update

    Loaded plug-ins: エントリーには subscription-manager が含まれている必要があります。

  2. サポート対象のパッケージグループのみがインストールされていることを確認:

    # yum grouplist