9.4. トランザクション履歴の活用

yum history コマンドを使用すると、yum のトランザクションのタイムライン、トランザクションの発生日時、影響を受けたパッケージ数、トランザクション成功の有無、RPM データベースがトランザクション間で変更されたかどうかといった情報を確認できます。さらに、このコマンドを使用すると、特定のトランザクションを元に戻す、またはやり直すことが可能です。すべての履歴データは、/var/lib/yum/history/ ディレクトリーの history DB に保存されます。

9.4.1. トランザクションの一覧表示

最近発生した 20 件のトランザクションを一覧表示するには、root で引数なしで yum history を実行するか、以下のコマンドを実行します。

yum history list

すべてのトランザクションを表示するには、all のキーワードを追加します。

yum history list all

特定の範囲内のトランザクションのみを表示したい場合は、以下の形式でコマンドを使用します。

yum history list start_id..end_id

特定のパッケージに関するトランザクションのみを一覧表示することもできます。そのためには、パッケージ名か glob 表現を付けてコマンドを実行します。

yum history list glob_expression…

例9.19 最も古いトランザクション 5 件を表示する

yum history list の出力では、最新のトランザクションがリストの上部に表示されます。履歴データベースにある最も古い 5 件のトランザクションに関する情報を表示するには、以下を入力します。

~]# yum history list 1..5
Loaded plugins: langpacks, product-id, subscription-manager
ID   | Login user        | Date and time  | Action(s)   | Altered
-------------------------------------------------------------------------------
   5 | User <user>       | 2013-07-29 15:33 | Install    |  1
   4 | User <user>       | 2013-07-21 15:10 | Install    |  1
   3 | User <user>       | 2013-07-16 15:27 | I, U      |  73
   2 | System <unset>      | 2013-07-16 15:19 | Update     |  1
   1 | System <unset>      | 2013-07-16 14:38 | Install    | 1106
history list

yum history list コマンドのすべての形式で、以下のコラムで構成される各行を含む表形式出力を生成します。

  • ID: 特定のトランザクションを識別する整数値です。
  • Login user: トランザクションが開始したログインセッションのユーザー名。この情報は、通常 Full Name <username> の形式で表示されます。ユーザーが実行しなかったトランザクションに関しては (システムの自動更新など)、代わりに System <unset> が使用されます。
  • Date and time: トランザクションが発生した日時です。
  • Action(s): 表9.1「Action フィールドの値」 の説明通りに、トランザクション中に実行された動作の一覧です。
  • Altered: 表9.2「Altered フィールドの値」 の説明通りに、トランザクションにより影響を受けたパッケージ数、場合によっては追加情報も含まれます。

表9.1 Action フィールドの値

Action省略形詳細

Downgrade

D

1 つ以上のパッケージが旧バージョンにダウングレードされました。

Erase

E

1 つ以上のパッケージが削除されました。

Install

I

1 つ以上の新しいパッケージがインストールされました。

Obsoleting

O

1 つ以上のパッケージが廃止として記録されました。

Reinstall

-R

1 つ以上のパッケージが再インストールされました。

Update

U

1 つ以上のパッケージが新しいバージョンに更新されました。

表9.2 Altered フィールドの値

記号詳細

<

トランザクションが終了する前に、rpmdb データベースが yum 以外で変更されました。

>

トランザクションが終了した後に、rpmdb データベースが yum 以外で変更されました。

*

トランザクションは失敗して終了しました。

#

トランザクションは正常に終了しましたが、yum はゼロ以外の終了コードを返しました。

E

トランザクションは正常に終了しましたが、エラーまたは警告が表示されました。

%P

トランザクションは正常に終了しましたが、rpmdb データベースに問題がすでに存在していました。

s

トランザクションは正常に終了しましたが、--skip-broken コマンドラインオプションが指定され、特定のパッケージが省略されました。

インストール済みパッケージの rpmdb または yumdb データベースのコンテンツを、現在使用されている rpmdb または yumdb データベースと同期するには、以下を入力します。

yum history sync

現在使用している履歴データベースに関する全体的な統計数字を表示するには、以下のコマンドを使用します。

yum history stats

例9.20 yum history stats の出力例

~]# yum history stats
Loaded plugins: langpacks, product-id, subscription-manager
File    : //var/lib/yum/history/history-2012-08-15.sqlite
Size    : 2,766,848
Transactions: 41
Begin time : Wed Aug 15 16:18:25 2012
End time  : Wed Feb 27 14:52:30 2013
Counts   :
 NEVRAC : 2,204
 NEVRA : 2,204
 NA   : 1,759
 NEVR  : 2,204
 rpm DB : 2,204
 yum DB : 2,204
history stats

Yum を使用すると、過去に発生したすべてのトランザクションのサマリーを表示することもできます。root で以下の形式のコマンドを実行します。

yum history summary

特定の範囲内でのトランザクションのみを表示するには、以下を入力します。

yum history summary start_id..end_id

yum history list コマンドと同様に、パッケージの名前または glob 表現を指定することで、特定のパッケージに関するトランザクションのサマリーを表示できます。

yum history summary glob_expression&hellip;

例9.21 最新のトランザクション 5 件のサマリー

~]# yum history summary 1..5
Loaded plugins: langpacks, product-id, subscription-manager
Login user         | Time        | Action(s)    | Altered
-------------------------------------------------------------------------------
Jaromir ... <jhradilek>  | Last day      | Install     |    1
Jaromir ... <jhradilek>  | Last week      | Install     |    1
Jaromir ... <jhradilek>  | Last 2 weeks    | I, U       |    73
System <unset>       | Last 2 weeks    | I, U       |   1107
history summary

yum history summary コマンドはすべての形式で、yum history list の出力に似た、簡略化された表形式出力を生成します。

上記のように、yum history list および yum history summary とも、トランザクション向けに設定されています。特定のパッケージに関連するトランザクションのみを表示することができますが、パッケージバージョンのような重要な詳細は表示されません。パッケージに関連するトランザクションを一覧表示するには、root で以下のコマンドを実行します。

yum history package-list glob_expression&hellip;

例9.22 パッケージ履歴の追跡

たとえば、subscription-manager および関連パッケージの履歴を調べるには、シェルプロンプトで以下を入力します。

~]# yum history package-list subscription-manager\*
Loaded plugins: langpacks, product-id, search-disabled-repos, subscription-manager
ID   | Action(s)   | Package
-------------------------------------------------------------------------------
   2 | Updated    | subscription-manager-1.13.22-1.el7.x86_64     EE
   2 | Update     |           1.15.9-15.el7.x86_64     EE
   2 | Obsoleted   | subscription-manager-firstboot-1.13.22-1.el7.x86_64 EE
   2 | Updated    | subscription-manager-gui-1.13.22-1.el7.x86_64   EE
   2 | Update     |             1.15.9-15.el7.x86_64   EE
   2 | Obsoleting   | subscription-manager-initial-setup-addon-1.15.9-15.el7.x86_64 EE
   1 | Install    | subscription-manager-1.13.22-1.el7.x86_64
   1 | Install    | subscription-manager-firstboot-1.13.22-1.el7.x86_64
   1 | Install    | subscription-manager-gui-1.13.22-1.el7.x86_64
history package-list

上記の例では、初期のシステムインストール時に subscription-managersubscription-manager-firstbootsubscription-manager-gui の 3 パッケージがインストールされています。3 つ目のトランザクションでは、これらの全パッケージはバージョン 1.10.11 から 1.10.17 に更新されています。

9.4.2. トランザクションの検証

単一のトランザクションのサマリーを表示するには、root で以下の形式で yum history summary コマンドを使用します。

yum history summary id

ここでは、id はトランザクションの ID を表します。

特定のトランザクションを詳しく調べる場合は、root で以下のコマンドを実行します。

yum history info id&hellip;

id の引数はオプションです。これを省略する場合は、yum は自動的に最後のトランザクションを使用します。複数のトランザクションを指定する場合は、範囲を指定することもできます。

yum history info start_id..end_id

例9.23 yum history info の出力例

以下は、2 つのトランザクションに関する出力のサンプルです。それぞれ新しいパッケージを 1 つインストールしています。

~]# yum history info 4..5
Loaded plugins: langpacks, product-id, search-disabled-repos, subscription-manager
Transaction ID : 4..5
Begin time   : Mon Dec 7 16:51:07 2015
Begin rpmdb  : 1252:d2b62b7b5768e855723954852fd7e55f641fbad9
End time    :      17:18:49 2015 (27 minutes)
End rpmdb   : 1253:cf8449dc4c53fc0cbc0a4c48e496a6c50f3d43c5
User      : Maxim Svistunov <msvistun>
Return-Code  : Success
Command Line  : install tigervnc-server.x86_64
Command Line  : reinstall tigervnc-server
Transaction performed with:
  Installed   rpm-4.11.3-17.el7.x86_64         @rhel-7-server-rpms
  Installed   subscription-manager-1.15.9-15.el7.x86_64 @rhel-7-server-rpms
  Installed   yum-3.4.3-132.el7.noarch         @rhel-7-server-rpms
Packages Altered:
  Reinstall tigervnc-server-1.3.1-3.el7.x86_64 @rhel-7-server-rpms
history info

また、トランザクション時に使用された設定オプション、特定のパッケージをインストールしたリポジトリー、その理由などの追加情報も閲覧できます。特定のトランザクションに関して入手可能な追加情報を表示する場合は、root としてシェルプロンプトで以下を入力します。

yum history addon-info id

yum history info と同様に、id が指定されていない場合、yum は自動的に最新のトランザクションを使用します。別の方法として、最新のトランザクションを参照するには、last キーワードを使用することもできます。

yum history addon-info last

例9.24 yum history addon-info の出力例

履歴の 4 番目のトランザクションを指定すると、yum history addon-info は以下のような出力を返します。

~]# yum history addon-info 4
Loaded plugins: langpacks, product-id, subscription-manager
Transaction ID: 4
Available additional history information:
 config-main
 config-repos
 saved_tx

history addon-info

yum history addon-info コマンドの出力では、以下の 3 種類の情報が表示されます。

  • config-main: トランザクション時に使用された yum のグローバルオプション。グローバルオプションの変更方法は 「[main] オプションの設定」 を参照してください。
  • config-repos: 個々の yum リポジトリー用のオプションです。個々のリポジトリー用のオプションを変更する方法は 「[repository] オプションの設定」 を参照してください。
  • saved_tx: 別のマシンでトランザクションを繰り返すために yum load-transaction コマンドにより利用できるデータです (下記参照)。

選択した種類の追加情報を表示するには、root で以下のコマンドを実行してください。

yum history addon-info id information

9.4.3. トランザクションを元に戻す/繰り返す

トランザクション履歴の確認以外に、yum history コマンドは選択したトランザクションを元に戻す、または繰り返す方法を提供します。トランザクションを元に戻すには、root で次のコマンドを実行します。

yum history undo id

特定のトランザクションを繰り返すには、root で次のコマンドを実行します。

yum history redo id

どちらのコマンドでも last キーワードを使用して、最新のトランザクションを元に戻す、または繰り返すことができます。

yum history undo コマンドおよび yum history redo コマンドのどちらも、トランザクション中に実行したステップを元に戻す、または繰り返すだけである点に注意してください。このトランザクションで新しいパッケージがインストールされた場合に、yum history undo コマンドを実行すると、今回インストールしたパッケージがアンインストールされます。逆に、このトランザクションでパッケージがアンインストールされた場合は、このコマンドにより再度インストールされます。またこのコマンドは、(古いパッケージが引き続き利用可能な場合に) 更新済みパッケージをすべて以前のバージョンにダウングレードする試みも行います。

複数の同一システムを管理する場合、yum を使用すると、1 つのシステムでトランザクションを実行して、そのトランザクションの詳細をファイルに格納し、テスト期間の終了後に残りのシステムで同じトランザクションを繰り返すことができます。トランザクションの詳細をファイルに保存するには、root でシェルプロンプトに以下を入力します。

yum -q history addon-info id saved_tx > file_name

このファイルを目的のシステムにコピーしたら、root で以下のコマンドを使用してトランザクションを繰り返すことができます。

yum load-transaction file_name

欠けているパッケージまたは rpmdb バージョンを無視するように load-transaction を設定できます。これらの設定オプションの詳細は、yum.conf(5) man ページを参照してください。

9.4.4. 新しいトランザクション履歴の開始

Yum は単一の SQLite データベースファイルにトランザクション履歴を保存します。新しいトランザクションの履歴を開始するには、root で以下のコマンドを実行します。

yum history new

これにより /var/lib/yum/history/ ディレクトリーに新しい空のデータベースファイルが作成されます。古いトランザクション履歴は保存されますが、新しいデータベースファイルがディレクトリーにある限りアクセスすることはできません。


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