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17.3. chrony の使用
17.3.1. chrony のインストール
chrony スイートは一部のバージョンの Red Hat Enterprise Linux 7 でデフォルトでインストールされます。必要な場合には、インストールされていることを確認するために
root で以下のコマンドを実行します。
~]# yum install chrony
chrony デーモンのデフォルトの場所は、/usr/sbin/chronyd です。コマンドラインユーティリティーは、/usr/bin/chronyc にインストールされます。
17.3.2. chronyd ステータスの確認
chronyd のステータスを確認するには、以下のコマンドを発行します。
~]$ systemctl status chronyd
chronyd.service - NTP client/server
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/chronyd.service; enabled)
Active: active (running) since Wed 2013-06-12 22:23:16 CEST; 11h ago
17.3.3. chronyd の起動
chronyd を起動するには、root で以下のコマンドを発行します。
~]# systemctl start chronyd
chronyd をシステム起動時に自動的に起動するには、root で以下のコマンドを発行します。
~]# systemctl enable chronyd
17.3.4. chronyd の停止
chronyd を停止するには、root で以下のコマンドを発行します。
~]# systemctl stop chronyd
chronyd がシステム起動時に自動的に起動しないようにするには、root で以下のコマンドを発行します。
~]# systemctl disable chronyd
17.3.5. chrony の同期を確認する
chrony が同期しているかどうかを確認するには、
tracking、sources、および sourcestats のコマンドを使用します。
17.3.5.1. chrony トラッキングの確認
chrony のトラッキングを確認するには、以下のコマンドを発行します。
~]$ chronyc tracking
Reference ID : CB00710F (foo.example.net)
Stratum : 3
Ref time (UTC) : Fri Jan 27 09:49:17 2017
System time : 0.000006523 seconds slow of NTP time
Last offset : -0.000006747 seconds
RMS offset : 0.000035822 seconds
Frequency : 3.225 ppm slow
Residual freq : 0.000 ppm
Skew : 0.129 ppm
Root delay : 0.013639022 seconds
Root dispersion : 0.001100737 seconds
Update interval : 64.2 seconds
Leap status : Normal
各フィールドは、以下のとおりです。
- Reference ID
- コンピューターが同期しているサーバーの参照 ID および参照名 (または
IPアドレス) (利用可能である場合) です。参照 ID は IPv4 アドレスとの混同を避けるため 16 進数の数値になっています。 - Stratum
- 参照クロックのあるコンピューターから何ホップ離れているかを示します。このようなコンピューターは stratum-1 コンピューターなので、上記の例のコンピューターは 2 ホップ離れていることになります (つまり、a.b.c が stratum-2 で、stratum-1 から同期しています)。
- Ref time
- 参照ソースからの最後の測定が処理された時間 (UTC) です。
- System time
- 通常の操作では、
chronydはシステムクロックを更新しません。これは、タイムスケールにおけるジャンプはいかなるものでも特定のアプリケーションプログラムに有害な結果をもたらすためです。代わりに、システムクロックのエラーはこれをわずかに早めたり遅くしたりしてエラーがなくなるまで修正します。その後に、システムクロックを通常のスピードに戻します。その結果、(gettimeofday()システムコールを使用した他のプログラム、またはシェルの日付コマンドが読み取る) システムクロックがchronydが予測する現在の実際の時間 (サーバーモードで稼働している場合、これをNTPクライアントに報告) と異なることになります。この行で報告される値は、この効果による差異です。 - Last offset
- 最後のクロック更新におけるローカルオフセットの予測です。
- RMS offset
- オフセット値の長期の平均です。
- Frequency
- 「frequency」 は、
chronydが修正しない場合にシステムクロックが間違うレートです。これは、ppm (100 万分の 1) で表されます。たとえば、1 ppm という値が意味するのは、システムクロックが 1 秒進んだと考えると、実際の時間と比較して 1.000001 秒進んでいるということです。 - Residual freq
- 現在選択されている参照ソースの 「residual frequency」 を示します。これは、参照ソースからの測定が示すあるべき周波数と現在使用されている周波数の差異を反映しています。これが常にゼロとは限らない理由は、補正する手順が周波数に提供されているためです。参照ソースからの測定が取得され、新たな剰余周波数が計算されるごとに、この剰余の予測される正確性は既存の周波数の値の予測される正確性 (次の
skewを参照) と比較されます。新たな剰余の加重平均は、加重がこれらの正確性に依存して計算されます。参照ソースからの測定に一貫した傾向がある場合、剰余は時間をかけてゼロにされます。 - Skew
- 周波数の予測されるエラー範囲です。
- Root delay
- コンピューターが最終的に同期する stratum-1 コンピューターの、ネットワークパスの遅延の合計数です。Root delay の値はナノ秒の分解能で印刷されます。値は、極端な状況では負数になります。(コンピューター同士が互いの周波数を追跡せず各コンピューターのターンアラウンド時間に比してネットワークの遅延が非常に短い、対称的なピア配置において発生しやすい)。
- Root dispersion
- コンピューターが最後に同期する、stratum-1 コンピューターへ戻るすべてのコンピューターの分散を累積した合値値です。分散は、システムクロックの分解能や統計的測定の変動等に起因します。Root の分散値は、ナノ秒の分解能で印刷されます。
- Leap status
- Leap のステータスで、Normal、Insert second、Delete second、または Not synchronized のいずれかになります。
17.3.5.2. chrony ソースの確認
ソースコマンドは、
chronyd がアクセスしている現在の時間ソースについての情報を表示します。オプションの引数 -v を指定すると、詳細情報になります。この場合、コラムの意味を表示する見出しの行が表示されます。
~]$ chronyc sources
210 Number of sources = 3
MS Name/IP address Stratum Poll Reach LastRx Last sample
===============================================================================
#* GPS0 0 4 377 11 -479ns[ -621ns] +/- 134ns
^? a.b.c 2 6 377 23 -923us[ -924us] +/- 43ms
^+ d.e.f 1 6 377 21 -2629us[-2619us] +/- 86ms
各コラムの表示内容は、以下のとおりです。
- M
- ソースのモードを示します。
^はサーバーを、=はピアを、#はローカル接続している参照クロックを意味します。 - S
- このコラムは、ソースの状態を示します。「*」 は、
chronydが現在同期しているソースを示します。「+」 は、選択されたソースと結合される受け入れ可能なソースを示します。「-」 は、受け入れ可能なソースで結合アルゴリズムに除外されたものを示します。「?」 は、接続が切断されたソース、またはパケットがすべてのテストをパスしないソースを示します。「x」 は、chronydが falseticker と考える (つまり、その時間が他の大半のソースと一致しない) クロックを示します。「~」 は、時間の変動性が大きすぎるように見えるソースを示します。「?」 条件は、少なくとも 3 つのサンプルが収集されるまで開始時にも表示されます。 - Name/IP address
- ソースの名前または
IPアドレス、もしくは参照クロックの参照 ID を表示します。 - Stratum
- 最も間近に受信したサンプルでレポートされている、ソースの stratum を表示します。Stratum 1 は、ローカルで参照クロックに接続されているコンピューターを示します。Stratum 1 コンピューターに同期しているコンピューターは、stratum 2 に存在することになります。Stratum 2 コンピューターに同期しているコンピューターは stratum 3 に存在することになり、以後も同様に続きます。
- Poll
- ソースがポーリングされるレートで、間隔のベース-2 対数を秒数で示します。つまり、値が 6 の場合、64 秒ごとに測定が行われます。
chronydは、支配的な条件に対応して自動的にポーリングレートを変化させます。 - Reach
- ソースの到達可能性のレジスターで、8 進法で表示されます。レジスターは 8 ビットで、ソースからパケットを受信するたびに、またはミスするたびに更新されます。値が 377 の場合、最近の 8 回の通信全体についての有効な返信が受信されたことを意味します。
- LastRx
- このコラムは、ソースから最後のサンプルが受信されたのがいつだったかを表示します。通常は、秒数で表示されます。
m、h、d、およびyの各文字は、それぞれ分、時間、日数、年を意味します。値が 10 年の場合、このソースからまだサンプルを受信していないことを示します。 - Last sample
- このコラムは、ローカルクロックと最後に測定されたソースのオフセットを表示します。角括弧内の数字は、実際に測定されたオフセットを表示します。これには
ns(ナノ秒)、us(マイクロ秒)、ms(ミリ秒)、またはs(秒) の各接尾辞が付く場合があります。角括弧の左側は元の測定を示し、slew がそれ以降にローカルクロックに適用可能になるように調整されています。+/-に続く数字は、測定におけるエラーのマージンを示します。オフセットの値がプラスの場合、ローカルクロックがソースよりも進んでいることを意味します。
17.3.5.3. chrony ソースの統計情報の確認
sourcestats コマンドを使うと、chronyd が現在調査している各ソースの誤差のレートとオフセットの予測プロセスについての情報を表示できます。オプション引数 -v を使うと、詳細情報になります。この場合、コラムの意味を表示する見出しの行が表示されます。
~]$ chronyc sourcestats
210 Number of sources = 1
Name/IP Address NP NR Span Frequency Freq Skew Offset Std Dev
===============================================================================
abc.def.ghi 11 5 46m -0.001 0.045 1us 25us
各コラムの表示内容は、以下のとおりです。
- Name/IP address
NTPサーバー (またはピア) の名前またはIPアドレス、または行の残りの部分が関連する参照クロックの参照 ID です。- NP
- 現在サーバーで保持されているサンプルポイントの数です。誤差レートと現在のオフセットは、これらのポイントを使って線形回帰を実行することで予測されます。
- NR
- 最新の回帰を追跡している同一サインを持つ剰余の実行数です。この数字がサンプル数に対して少なくなりすぎる場合は、直線がデータに適合しなくなったことを意味します。実行数が少なすぎる場合、
chronydは古いサンプルを破棄し、実行数が受け入れ可能なものになるまで回帰を再実行します。 - Span
- 一番古いサンプルと最新のサンプルの間隔です。単位が表示されない場合は、秒数を表しています。この例の間隔は 46 分です。
- Frequency
- これは予測されるサーバーの剰余周波数で、ppm (100 万分の 1) で表されます。このケースでは、コンピューターのクロックはサーバーよりも 109 分の 1 遅く実行していると判断されています。
- Freq Skew
- Freq の予測されるエラー範囲です (ppm (100 万分の 1) で表されます) 。
- Offset
- ソースの予測されるオフセットです。
- Std Dev
- サンプルの予測される標準偏差です。
17.3.6. システムクロックを手動で調整する
システムクロックを直ちにステップするには、進行中の調整をスルーイングによって迂回し、以下のコマンドを
root として実行します。
~]# chronyc makestep
rtcfile ディレクティブを使用している場合は、リアルタイムクロックを手動で調整しないでください。ランダムな調整を行うと、リアルタイムクロックがずれるレートを測定する必要のある chrony に影響を与えます。

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