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18.3.5. chrony の同期確認
chrony が同期されているかどうかを確認するには、tracking
コマンド、sources
コマンド、および sourcestats
コマンドを使用します。
18.3.5.1. chrony 追跡の確認
chrony の追跡を確認するには、以下のコマンドを実行します。
~]$ chronyc tracking
Reference ID : CB00710F (foo.example.net)
Stratum : 3
Ref time (UTC) : Fri Jan 27 09:49:17 2017
System time : 0.000006523 seconds slow of NTP time
Last offset : -0.000006747 seconds
RMS offset : 0.000035822 seconds
Frequency : 3.225 ppm slow
Residual freq : 0.000 ppm
Skew : 0.129 ppm
Root delay : 0.013639022 seconds
Root dispersion : 0.001100737 seconds
Update interval : 64.2 seconds
Leap status : Normal
各フィールドは、以下のとおりです。
- Reference ID
-
(利用可能な場合) コンピューターが現在同期しているサーバーの参照 ID および参照名 (または
IP
アドレス) です。参照 ID は IPv4 アドレスとの混同を避けるため 16 進数の数値になっています。 - Stratum
- 基準クロックのあるコンピューターから何ホップ離れているかを示します。上記の例のコンピューターは stratum-1 コンピューターであるため、2 ホップ離れていることになります (つまり、a.b.c が stratum-2 で、stratum-1 から同期しています)。
- Ref time
- 参照ソースからの最後の測定が処理された時間 (UTC) です。
- System time
-
chronyd
は、通常の操作ではシステムクロックを更新しません。タイムスケールにおけるジャンプは、いかなるものでも特定のアプリケーションプログラムに有害な結果をもたらすためです。代わりに、システムクロックのエラーをわずかに早めたり遅くしたりして、エラーがなくなるまで修正し、修正が完了したら、システムクロックを通常のスピードに戻します。その結果、(gettimeofday()
システムコールを使用した他のプログラム、またはシェルの date コマンドが読み取る) システムクロックが、chronyd
が予測する現在の実際の時間 (サーバーモードで稼働している場合はこれをNTP
クライアントに報告) と異なる期間が発生します。この行で報告される値は、これによる差異です。 - Last offset
- 最後のクロック更新におけるローカルオフセットの予測です。
- RMS offset
- 長期的な、オフセット値の平均です。
- Frequency
-
chronyd
が修正しない場合にシステムクロックが間違う変化量です。これは、ppm (100 万分の 1) で表されます。たとえば、1 ppm という値は、システムクロックにおける 1 秒が、実際の時間と比較すると 1.000001 秒進んでいることを意味します。 - Residual freq
現在選択されている基準源の残留周波数を示しています。基準源からの測定値が、示すべき周波数と、実際に使用されている周波数との違いを反映しています。
これが常にゼロにならない理由は、補正する手順が周波数に適用されているためです。基準源から測定を取得し、新たな剰余周波数が計算されるたびに、この剰余の推定精度が、既存の周波数の推定精度 (
skew
を参照) と比較されます。新たな周波数の加重平均は、その精度によって異なる加重で計算されます。基準源からの測定に一貫した傾向がある場合、剰余は時間をかけてゼロになります。- Skew
- 周波数の予測されるエラー範囲です。
- Root delay
- コンピューターが最終的に同期する stratum-1 コンピューターの、ネットワークパスの遅延の合計数です。Root delay の値はナノ秒の分解能で出力されます。値は、極端な状況では負数になります。(コンピューター同士が互いの周波数を追跡せず、各コンピューターのターンアラウンド時間に比較してネットワークの遅延が非常に短い、対称的なピア配置で、これが発生する場合があります。)
- Root dispersion
- コンピューターが最後に同期する stratum-1 コンピューターに戻るすべてのコンピューターを介して累積された合計分散です。分散は、システムクロックの分解能や統計的測定の変動等に起因します。Root の分散値は、ナノ秒の分解能で出力されます。
- Leap status
- Leap のステータスで、Normal、Insert second、Delete second、または Not synchronized のいずれかになります。