25.5. 検出された問題の処理

abrtd で保存された問題データは、コマンドラインツール abrt-cli またはグラフィカルツール gnome-abrt を使用して表示し、報告し、削除することができます。

注記

ABRT は、新たな問題をローカルに保存されている全問題と比較することにより、問題の重複を特定することに注意してください。繰り返し発生しているクラッシュの場合、ABRT が対応を要求するのは 1 回のみです。ただし、この問題のクラッシュダンプを削除すると、次にこの問題が発生すると、ABRT はこれを新しいクラッシュとして扱います。ABRT は、ユーザーに警告を受け、説明を入力し、報告します。ABRT が繰り返し発生する問題の通知をしないようにするには、その問題データを削除しないようにしてください。

25.5.1. コマンドラインツールの使用

コマンドライン環境では、abrt-console-notification パッケージがインストール済みであれば、ログイン時に新たなクラッシュがユーザーに通知されます。コンソールでの通知は、以下のようになります。

ABRT has detected 1 problem(s). For more info run: abrt-cli list --since 1398783164

検出された問題を表示するには、abrt-cli list コマンドを入力します。

~]$ abrt-cli list
id 6734c6f1a1ed169500a7bfc8bd62aabaf039f9aa
Directory:   /var/tmp/abrt/ccpp-2014-04-21-09:47:51-3430
count:     1
executable:   /usr/bin/sleep
package:    coreutils-8.22-11.el7
time:      Mon 21 Apr 2014 09:47:51 AM EDT
uid:      1000
Run 'abrt-cli report /var/tmp/abrt/ccpp-2014-04-21-09:47:51-3430' for creating a case in Red Hat Customer Portal

abrt-cli list コマンドの出力で一覧表示されるクラッシュにはそれぞれ、一意の識別子と abrt-cli を使用した追加の操作に使用できるディレクトリーがあります。

特定の問題に関する情報のみを表示するには、abrt-cli info コマンドを使用します。

    abrt-cli info -d directory_or_id

list および info の各サブコマンドの使用時に表示する情報量を増やすには、 -d (--detailed) オプションを渡します。これにより、既に生成されていれば、関連の backtrace ファイルを含む一覧の問題についての格納されているすべての情報が表示されます。

特定の問題を分析して報告するには、abrt-cli report コマンドを使用します。

    abrt-cli report directory_or_id

上記のコマンドを実行すると、Red Hat カスタマーサポートでサポートケースを作成するために必要なログイン情報の提供を求められます。次に、abrt-cli がレポートの内容を含むテキストエディターを開きます。これでレポート内容を確認でき、クラッシュを再現させるための指示やコメントを記入できます。さらに、バックトレースも確認するようにしてください。バックトレースは、問題報告イベントの設定によっては公開サーバーに送信され、誰でも見ることができる場合があります。

注記

abrt-cli は、レポートの確認に使用するテキストエディターを選択できます。abrt-cli は、ABRT_EDITOR 環境変数に定義されているエディターを使用します。変数が定義されていない場合は、VISUALEDITOR 変数が確認されます。いずれの変数も設定されていない場合は、vi エディターが使用されます。.bashrc 設定ファイルで優先エディターを設定することもできます。たとえば、GNU Emacs を使用する場合は、このファイルに以下の行を追加します。

export VISUAL=emacs

レポートでの作業が終了したら、変更を保存してエディターを終了します。問題を Red Hat カスタマーサポートのデータベースに報告した場合には、問題のケースがデータベースに作成されます。この時点から、報告プロセスで指定したメールに問題の解決の進捗状況が通知されるようになります。また、問題のケース作成時に提供された URL や Red Hat サポートからのメールを使って問題ケースをモニタリングすることもできます。

特定の問題を報告したくないことが分かっている場合は、その問題を削除できます。問題を削除して、その情報が ABRT に保存されないようにするには、以下のコマンドを使用します。

    abrt-cli rm directory_or_id

特定の abrt-cli コマンドに関するヘルプを表示するには、-help オプションを指定します。

    abrt-cli command --help

25.5.2. GUI の使用

ABRT デーモンは、問題レポートが作成されると常に D-Bus メッセージをブロードキャストします。グラフィカルデスクトップ環境で ABRT アプレットが実行中の場合は、アプレットがそのメッセージを取得し、デスクトップに通知ダイアログを表示します。このダイアログの Report ボタンをクリックすれば、ABRT GUI を開くことができます。また、ApplicationsSundryAutomatic Bug Reporting Tool のメニューアイテムを選択して ABRT GUI を開くこともできます。

別の方法では、以下のようにコマンドラインから ABRT GUI を実行することもできます。

~]$ gnome-abrt &

ABRT GUI ウィンドウは、検出された問題の一覧を表示します。各問題エントリーは、障害が発生したアプリケーション名、アプリケーションがクラッシュした理由、その問題が最後に発生した日付で構成されます。

図25.3 ABRT GUI

ABRT GUI アプリケーションのスクリーンショット。

問題の詳細な説明にアクセスするには、問題レポートの行をダブルクリックするか、各問題の行を選択し、Report ボタンをクリックします。その後、指示に従い、問題の記述手順、分析の方法、およびその報告先を判断します。問題を破棄するには、Delete ボタンをクリックします。


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