Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux

24.5. 検出された問題の処理

abrtd で保存された問題データは、コマンドラインツール abrt-cli またはグラフィカルツール gnome-abrt を使用して表示し、報告し、削除することができます。

注記

ABRT は、新たな問題をローカルに保存されている全問題と比較することにより、問題の重複を特定することに注意してください。繰り返し発生しているクラッシュの場合、ABRT が対応を要求するのは 1 回のみですが、その問題のクラッシュダンプを削除してしまうと、その特定の問題が次回発生した際、ABRT はその問題を新規クラッシュとして処理することになります。このため、ABRT は警告を表示し、その問題の詳細を記入して報告するように要求します。ABRT が繰り返し発生する問題の通知をしないようにするには、その問題データを削除しないようにしてください。

24.5.1. コマンドラインツールの使用

コマンドライン環境では、abrt-console-notification パッケージがインストール済みであれば、ログイン時に新たなクラッシュがユーザーに通知されます。コンソールでの通知は、以下のようになります。
ABRT has detected 1 problem(s). For more info run: abrt-cli list --since 1398783164
検出された問題を表示するには、abrt-cli list コマンドを入力します。
~]$ abrt-cli list
id 6734c6f1a1ed169500a7bfc8bd62aabaf039f9aa
Directory:      /var/tmp/abrt/ccpp-2014-04-21-09:47:51-3430
count:          1
executable:     /usr/bin/sleep
package:        coreutils-8.22-11.el7
time:           Mon 21 Apr 2014 09:47:51 AM EDT
uid:            1000
Run 'abrt-cli report /var/tmp/abrt/ccpp-2014-04-21-09:47:51-3430' for creating a case in Red Hat Customer Portal
abrt-cli list コマンドの出力で一覧表示されるクラッシュにはそれぞれ、一意の識別子と abrt-cli を使用した追加の操作に使用できるディレクトリーがあります。
特定の問題に関する情報のみを表示するには、abrt-cli info コマンドを使用します。
 abrt-cli info [-d] directory_or_id 
list および info の各サブコマンドの使用時に表示する情報量を増やすには、-d (--detailed) オプションを渡します。これで各問題の backtrace ファイルが生成されている場合には、これらを含む問題の保存されているすべての情報が表示されます。
特定の問題を分析して報告するには、abrt-cli report コマンドを使用します。
 abrt-cli report directory_or_id 
上記のコマンドを実行すると、Red Hat カスタマーサポートでサポートケースを作成するために必要なログイン情報の提供を求められます。次に、abrt-cli がレポートの内容を含むテキストエディターを開きます。これでレポート内容を確認でき、クラッシュを再現させるための指示やコメントを記入できます。さらに、バックトレースも確認するようにしてください。バックトレースは、問題報告イベントの設定によっては公開サーバーに送信され、誰でも見ることができる場合があります。

注記

レポートの確認に使用するテキストエディターを選択できます。abrt-cliABRT_EDITOR 環境変数で定義されたエディターを使用します。変数が定義されていない場合は、VISUAL 変数と EDITOR 変数がチェックされます。これらの変数がいずれも設定されていない場合は、vi エディターが使用されます。優先するエディターは、.bashrc 設定ファイル内で設定できます。たとえば、GNU Emacs を使用する場合は、このファイルに以下の行を追加します。
export VISUAL=emacs
レポートでの作業が終了したら、変更を保存してエディターを終了します。問題を Red Hat カスタマーサポートのデータベースに報告した場合には、問題のケースがデータベースに作成されます。この時点から、報告プロセスで指定したメールに問題の解決の進捗状況が通知されるようになります。また、問題のケース作成時に提供された URL や Red Hat サポートからのメールを使って問題ケースをモニタリングすることもできます。
特定の問題を報告したくないことが分かっている場合は、その問題を削除できます。問題を削除して、その情報が ABRT に保存されないようにするには、以下のコマンドを使用します。
 abrt-cli rm directory_or_id 
特定の abrt-cli コマンドのヘルプを表示するには、--help オプションを使用します。
 abrt-cli command --help 

24.5.2. GUI の使用

ABRT デーモンは、問題レポートが作成されると常に D-Bus メッセージをブロードキャストします。グラフィカルデスクトップ環境で ABRT アプレットが実行中の場合は、アプレットがそのメッセージを取得し、デスクトップに通知ダイアログを表示します。このダイアログの Report ボタンをクリックすれば、ABRT GUI を開くことができます。また、アプリケーション諸ツール自動バグ報告ツール (ABRT) のメニューアイテムを選択して ABRT GUI を開くこともできます。
別の方法では、以下のようにコマンドラインから ABRT GUI を実行することもできます。
~]$ gnome-abrt &
ABRT GUI ウィンドウは、検出された問題の一覧を表示します。各問題エントリーは、障害が発生したアプリケーション名、アプリケーションがクラッシュした理由、その問題が最後に発生した日付で構成されます。
ABRT GUI

図24.3 ABRT GUI

問題の詳細な説明にアクセスするには、問題レポートの行をダブルクリックするか、各問題の行を選択し、Report ボタンをクリックします。次に、指示に従って問題の説明、分析方法の決定、問題の報告先に進みます。問題を破棄するには、Delete ボタンをクリックします。