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23.4.4. rsyslog キューの新規構文の使用
rsyslog 7 で利用可能な新規構文では、キューは /etc/rsyslog.conf
で個別に使用、またはルールセット内部で使用できる action()
オブジェクト内で定義されます。アクションキューの形式は以下のようになります。
action(type="action_type "queue.size="queue_size" queue.type="queue_type" queue.filename="file_name"
action_type を、アクションを実行するモジュールの名前に置き換え、queue_size を、キューに含めることができるメッセージの最大数に置き換えます。queue_type には、disk
を選択するか、インメモリーキュー (direct
、linkedlist
、または fixedarray
) のいずれかを選択します。file_name には、パスではなくファイル名のみを指定します。ログファイルを保持する新規ディレクトリーを作成する場合は、SELinux コンテキストを設定する必要があることに注意してください。例は、「rsyslog ログファイルの新しいディレクトリーの作成」 を参照してください。
例23.13 アクションキューの定義
出力アクションで、最大 10,000 件のメッセージを保持できる非同期リンクリストベースのアクションキューを設定するには、以下のようにコマンドを入力します。
action(type="omfile" queue.size="10000" queue.type="linkedlist" queue.filename="logfile")
直接アクションキューの rsyslog 7 構文は以下のとおりです。
. action(type="omfile" file="/var/lib/rsyslog/log_file )
複数のパラメーターがアクションキュー用 rsyslog 7 構文は以下のように記述できます。
. action(type="omfile" queue.filename="log_file" queue.type="linkedlist" queue.size="10000" )
デフォルトの作業ディレクトリー、または最後に設定した作業ディレクトリーが使用されます。別の作業ディレクトリーを使用する必要がある場合は、アクションキューの前に次の行を追加します。
global(workDirectory="/directory")
例23.14 新規構文を使用した単一サーバーへの転送
以下の例は、単一サーバーへの転送 の手順に基づき、従来の構文と rsyslog 7 の構文の違いを示しています。omfwd
プラグインは、UDP
または TCP
を介した転送を提供するために使用されます。デフォルト値は UDP
です。プラグインは組み込まれているため、ロードする必要がありません。
/etc/rsyslog.conf
の以下の設定を使用するか、/etc/rsyslog.d/
ディレクトリーに以下の内容のファイルを作成します。
. action(type="omfwd"
queue.type="linkedlist"
queue.filename="example_fwd"
action.resumeRetryCount="-1"
queue.saveOnShutdown="on"
target="example.com" port="6514" protocol="tcp"
)
詳細は以下のようになります。
-
queue.type="linkedlist"
は、LinkedList インメモリーキューを有効にします。 -
queue.filename
はディスクストレージを定義します。バックアップファイルは、前のグローバルのworkDirectory
ディレクティブで指定された作業ディレクトリーに example_fwd 接頭辞を付けて作成されます。 -
action.resumeRetryCount -1
設定は、サーバーが応答しない場合に接続を再試行するときに rsyslog がメッセージを破棄しないようにします。 -
rsyslog がシャットダウンすると、有効になっている
queue.saveOnShutdown="on"
はインメモリーデータを保存します。 - 最後の行は受信メッセージをすべてロギングサーバーに転送します。ポートの指定は任意です。