Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux
1.7. ユーザーアカウント管理の基礎
Red Hat Enterprise Linux 7 は、マルチユーザー向けのオペレーティングシステムです。つまり、1 台のマシンにインストールされた 1 つのシステムに、複数のユーザーが別々のコンピューターからアクセスできます。各ユーザーは自身のアカウントで操作します。このような方法でユーザーアカウントを管理することは、Red Hat Enterprise Linux のシステム管理の中心的要素になります。
通常のアカウントおよびシステムアカウント
通常のアカウントは特定システムのユーザー用に作成されます。このようなアカウントは、通常のシステム管理中に追加、削除、および修正できます。
システムアカウントは、システムで特定のアプリケーション識別子を表します。このようなアカウントは通常、ソフトウェアのインストール時にのみ追加または操作され、後で変更することはありません。
システムアカウントは、システムでローカルに利用できると想定されています。アカウントがリモートで設定され、提供されている (LDAP の設定など) と、システムが破損したり、サービスが開始できない場合があります。
システムアカウント用に、1000 番未満のユーザー ID が予約されています。通常のアカウントには、1000 から始まる ID を使用できます。ただし、5000 以降の ID を割り当てることが推奨されます。詳細は、「ユーザーとグループの概要」 を参照してください。ID 割り当てのガイドラインは /etc/login.defs
ファイルで参照できます。
# Min/max values for automatic uid selection in useradd # UID_MIN 1000 UID_MAX 60000 # System accounts SYS_UID_MIN 201 SYS_UID_MAX 999
グループの概要およびその使用目的
グループとは、複数のユーザーアカウントを共通目的 (特定のファイルにアクセス権を与えるなど) で統合するエンティティーです。
1.7.1. ユーザーアカウントとグループを管理する最も基本的なコマンドラインツール
ユーザーアカウントとグループを管理する最も基本的なタスク、および適切なコマンドラインツールは、以下のとおりです。
ユーザー ID およびグループ ID を表示します。
~]$
id
ユーザーアカウントを新規作成します。
~]# useradd [options] user_name
username に属するユーザーアカウントに、新しいパスワードを割り当てます。
~]# passwd user_name
グループにユーザーを追加します。
~]# usermod -a -G group_name user_name
ユーザーおよびグループの管理方法は 4章ユーザーとグループの管理 を参照してください。
ユーザーおよびグループの管理に GUI (グラフィカルユーザーインターフェイス) を使用する場合は 「グラフィカル環境でのユーザーの管理」 を参照してください。
1.7.2. Web コンソールでのユーザーアカウントの管理
Web コンソール でアカウントを管理するには、Accounts メニューを選択します。
図1.4 Web コンソールでのユーザーアカウントの管理
