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9.7. yum-cron を使用したパッケージデータベースの自動更新および更新のダウンロード

yum-cron サービスがパッケージの更新を自動的に確認してダウンロードします。yum-cron が提供する cron ジョブは、yum-cron パッケージのインストール後すぐにアクティブになります。また、yum-cron サービスは、ダウンロードした更新を自動的にインストールできます。

yum-cron サービスのデフォルト設定では、以下を行います。

  • 1 時間ごとに yum cache のメタデータを更新。
  • yum cache で保留になっているパッケージの更新を 1 日 1 回ダウンロード。リポジトリーで新しいパッケージが利用可能になると、メールが送信されます。詳細は 「任意のメール通知の設定」 の章を参照してください。

yum-cron サービスには設定ファイルが 2 つあります。

/etc/yum/yum-cron.conf
日次タスクの場合。
/etc/yum/yum-cron-hourly.conf
1 時間ごとのタスクの場合。

9.7.1. 更新の自動インストールの有効化

ダウンロードした更新の自動インストールを有効にするには、日次設定ファイル (日次インストールの場合) または 1 時間単位の設定ファイル (1 時間ごとのインストールの場合) で apply_updates を以下のように設定します。

apply_updates = yes

9.7.2. 任意のメール通知の設定

デフォルトでは、yum-cron サービスは cron を使用して、実行したコマンドの出力を含むメール送信を行います。このメールは cron 設定に従って送信されますが、通常はローカルのスーパーユーザー、および /var/spool/mail/root ファイルに設定されているユーザーに送信されます。

すべての cron ジョブに影響する設定とは異なり、特定のメール設定を使用できます。ただし、このメール設定では TLS および全体のメールの組み込みロジックはサポートされません。

yum-cron の組み込みメール通知を有効にするには、以下を実行します。

  1. 選択した yum-cron 設定ファイルを開きます。

    /etc/yum/yum-cron.conf
    日次タスクの場合。
    /etc/yum/yum-cron-hourly.conf
    1 時間ごとのタスクの場合。
  2. [emitters] セクションで、以下のオプションを設定します。

    emit_via = email
  3. 必要に応じて、email_fromemail_toemail_host オプションを指定します

9.7.3. 個別のリポジトリーの有効化または無効化

yum-cron は、リポジトリーの特定の設定をサポートしません。yum ではなく、yum-cron で個別のリポジトリーを有効または無効にするには、以下の手順を行ってください。

  1. システムの任意の場所に空のリポジトリー設定ディレクトリーを作成します。
  2. /etc/yum.repos.d/ ディレクトリーから、新たに作成したこのディレクトリーに設定ファイルをすべてコピーします。
  3. /etc/yum.repos.d/ 内の各 .repo 設定ファイルで、以下のように enabled オプションを設定します。

    enabled = 1
    リポジトリーを有効にするには、以下を行います。
    enabled = 0
    リポジトリーを無効にするには、以下を行います。
  4. 選択した yum-cron 設定ファイルの最後に、新たに作成したリポジトリーのディレクトリーを指定する以下のオプションを追加します。

    reposdir=/path/to/new/reposdir

9.7.4. Yum-cron 設定のテスト

次に予定されている yum-cron タスクを待たずに yum-cron 設定をテストするには、以下を行います。

  1. 選択した yum-cron 設定ファイルを開きます。

    /etc/yum/yum-cron.conf
    日次タスクの場合。
    /etc/yum/yum-cron-hourly.conf
    1 時間ごとのタスクの場合。
  2. 以下のように、選択した設定ファイルに random_sleep オプションを設定します。

    random_sleep = 0
  3. 設定を保存します。

    # yum-cron /etc/yum/yum-cron.conf
    # yum-cron /etc/yum/yum-cron-hourly.conf

9.7.5. yum-cron メッセージの無効

yum-cron メッセージを完全に無効にすることはできませんが、優先度が重大なメッセージだけに制限することはできます。メッセージを制限するには、以下を行います。

  1. 選択した yum-cron 設定ファイルを開きます。

    /etc/yum/yum-cron.conf
    日次タスクの場合。
    /etc/yum/yum-cron-hourly.conf
    1 時間ごとのタスクの場合。
  2. 設定ファイルの [base] セクションに以下のオプションを設定します。

    debuglevel = -4

9.7.6. パッケージの自動削除

yum-cron サービスは、yum clean all コマンドと同様に、パッケージを削除する設定オプションはサポートしていません。パッケージを自動的に削除するには、実行可能なシェルスクリプトとして cron ジョブを作成できます。

  1. /etc/cron.daily/ ディレクトリーにシェルスクリプトを作成し、以下を追加します。

    #!/bin/sh
    yum clean all
  2. スクリプトを実行可能にします。

    # chmod +x /etc/cron.daily/script-name.sh