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27.2. ReaR をバックアップソフトウェアの統合

ReaR の主な目的はレスキューシステムを作成することですが、バックアップソフトウェアと統合することも可能です。統合は、ビルトイン、サポート対象、サポート対象外の各バックアップ方法で異なります。

27.2.1. ビルトインバックアップの場合

ReaR には、ビルトインもしくは内部のバックアップメソッドが含まれます。このメソッドは ReaR と完全に統合されており、以下の利点があります。

  • rear mkbackup コマンドを 1 つ使用して、レスキューシステムと完全システムバックアップを作成できます。
  • レスキューシステムが自動でバックアップからファイルを復元します。

このため、ReaR はレスキューシステムと完全システムバックアップの両方の作成プロセスを処理できます。

27.2.1.1. 内部バックアップメソッドの設定

ReaR が内部バックアップメソッドを使用するようにするには、以下の行を /etc/rear/local.conf に追加します。

BACKUP=NETFS
BACKUP_URL=backup location

これらの行によって、ReaR が tar コマンドを使用して完全システムバックアップのあるアーカイブを作成するようになります。backup location を、man ページの rear(8) の 「Backup Software Integration」セクションにあるいずれかのオプションで置き換えます。バックアップの場所に十分な空き領域があるようにしてください。

例27.4 tar バックアップの追加

「基本的な ReaR の使用方法」 の例を拡大して、ReaR が tar 完全システムバックアップを /srv/backup/ ディレクトリーに出力するようにします。

OUTPUT=ISO
OUTPUT_URL=file:///mnt/rescue_system/
BACKUP=NETFS
BACKUP_URL=file:///srv/backup/

内部バックアップメソッドでは、さらなる設定が可能です。

  • 新規バックアップの作成時にこれまでのバックアップアーカイブを維持しておくようにするには、以下の行を追加します。

    NETFS_KEEP_OLD_BACKUP_COPY=y
  • デフォルトでは、ReaR は実行時に毎回、完全バックアップを作成します。変更分のみをバックアップする増分にするには、以下の行を追加します。

    BACKUP_TYPE=incremental

    これで NETFS_KEEP_OLD_BACKUP_COPY が自動的に y に設定されます。

  • 増分バックアップに加えて、完全バックアップを定期的に実行するには、以下の行を追加します。

    FULLBACKUPDAY="Day"

    "Day" を "Mon"、"Tue"、"Wed"、"Thu"、"Fri"、"Sat"、"Sun" のいずれかに置き換えます。「金」、「土」、「日」。

  • ReaR は、レスキューシステムとバックアップの両方を ISO イメージに含めることもできます。これを行うには、BACKUP_URL ディレクティブを iso:///backup/ に設定します。

    BACKUP_URL=iso:///backup/

    これはレスキューシステムがリカバリー中にバックアップをフェッチする必要がないことから、完全システムバックアップの一番簡単なメソッドになります。ただし、ストレージに十分なスペースが必要になります。また、単発の ISO バックアップは増分とすることができません。

    例27.5 単一 ISO のレスキューシステムおよびバックアップの設定

    以下の設定では、単一の ISO イメージとしてレスキューシステムとバックアップファイルが /srv/backup/ ディレクトリーに作成されます。

    OUTPUT=ISO
    OUTPUT_URL=file:///srv/backup/
    BACKUP=NETFS
    BACKUP_URL=iso:///backup/
    注記

    このシナリオでは、ISO イメージが大きくなる可能性があります。そのため、Red Hat は ISO イメージを 1 つだけ作成することを推奨しています。詳細は 「ISO 固有の設定」 を参照してください。

  • tar ではなく rsync を使用する場合は、以下の行を追加します。

    BACKUP_PROG=rsync

    増分バックアップは tar 使用時にのみサポートされることに注意してください。

27.2.1.2. 内部バックアップメソッドを使用したバックアップの作成

BACKUP=NETFS を設定すると、ReaR は、レスキューシステムまたはバックアップのいずれか、もしくはその両方を作成できます。

  • レスキューシステムのみ を作成するには、以下のコマンドを実行します。

    rear mkrescue
  • バックアップのみ を作成するには、以下のコマンドを実行します。

    rear mkbackuponly
  • レスキューシステムとバックアップ を作成するには、以下のコマンドを実行します。

    rear mkbackup

ReaR によるバックアップの作成は、NETFS メソッドの使用時のみ可能となります。ReaR は他のバックアップメソッドを開始することはできません。

注記

復元時には、BACKUP=NETFS 設定で作成したレスキューシステムは、rear recover の実行前にバックアップが存在することを前提としています。このため、レスキューシステムが起動したら、BACKUP_URL で指定したディレクトリーにバックアップファイルをコピーします (単一 ISO イメージ使用時を除く)。この作業を終えてから、rear recover を実行してください。

不要なレスキューシステムを再作成しないためには、最後にレスキューシステムが作成されてからストレージレイアウトが変更されたかどうかを確認します。以下のコマンドを実行します。

~]# rear checklayout
~]# echo $?

ゼロ以外のステータスは、ディスクレイアウトに変更があったことを示します。また、ReaR 設定が変更した場合でも、ゼロ以外のステータスが返されます。

重要

rear checklayout コマンドはレスキューシステムがその時点で出力の場所にあるかどうかを確認せず、存在しない場合でも 0 を返す可能性があります。このため、レスキューシステムが利用可能であることを保証するのではなく、最後にレスキューシステムが作成されてからレイアウトに変更がないことのみが保証されます。

例27.6 rear checklayout の使用

レイアウトに変更があった場合にのみレスキューシステムを作成するようにするには、以下のコマンドを使用します。

~]# rear checklayout || rear mkrescue