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第10章 PAM (プラグ可能な認証モジュール) の使用
プラグ可能な認証モジュール (PAM) は、認証および認可の一般的なフレームワークです。Red Hat Enterprise Linux のシステムアプリケーションの多くは、認証および承認の基礎となる PAM 設定により異なります。
10.1. PAM について
Pluggable Authentication Module(PAM) は、システムアプリケーションが中央で設定されたフレームワークに認証を中継するのに使用できる集中認証メカニズムを提供します。
PAM は、さまざまな種類の認証ソース (Kerberos、SSSD、NIS、またはローカルファイルシステムなど) に PAM モジュールがあるため、プラグ可能な動作になります。異なる認証ソースの優先順位を設定できます。
このモジュラーアーキテクチャーにより、管理者はシステムの認証ポリシーを柔軟に設定することができます。PAM は、開発者および管理者にとって以下のような便利なシステムです。
- PAM は、多様なアプリケーションで使用できる共通の認証スキームを提供します。
- PAM は、システム管理者に対して、優れた柔軟性と制御性を提供します。
- PAM は、完全に文書化された単一ライブラリーを提供します。開発者は、独自の認証スキームを作成することなくプログラムの作成ができます。
10.1.1. その他の PAM リソース
PAM には、PAM の使用と PAM を他のアプリケーションと統合するためのモジュールの作成に関する詳細が記載されている広範囲なドキュメントセットがあります。PAM を使用する主要なモジュールと設定ファイルのほとんどすべてには、独自の man ページがあります。また、
/usr/share/doc/pam-
version#
/
ディレクトリーには、『System Administrators' Guide』、『Module Writers' Manual』、および 『Application Developers' Manual』、および PAM 標準 DCE-RFC 86.0 のコピーが含まれています。
http://www.linux-pam.org で PAM 用のライブラリーを利用できます。これは、Linux-PAM プロジェクトの主なディストリビューション web サイトです。これには、さまざまな PAM モジュールに関する情報、よくある質問、および追加の PAM ドキュメンテーションが含まれています。
10.1.2. カスタム PAM モジュール
新しい PAM モジュールは、PAM 対応アプリケーションで使用するためにいつでも作成または追加できます。PAM 対応プログラムは新しいモジュールとメソッドをすぐに使用できます。これは、コンパイルなし、あるいは変更なしで定義します。これにより、開発者およびシステム管理者は、再コンパイルせずに異なるプログラムに認証モジュールの選択やテストを使用できます。
モジュール作成に関するドキュメントは、
/usr/share/doc/pam-devel-
version#
/
ディレクトリーに含まれています。