25.22. eh_deadline を使用したエラーからの回復における最大時間の設定

重要

ほとんどのシナリオでは、eh_deadline パラメーターを有効にする必要はありませんが、ファイバーチャネルスイッチとターゲットポートとの間でリンクが切れていたり、HBA (Host Bus Adapter) が、RSCN (Registered State Change Notification) を受け取らないなどの一部のシナリオでは、eh_deadline パラメーターを使用すると便利です。このとき、I/O 要求とエラー回復のコマンドではエラーが発生せず、すべてタイムアウトになります。したがって、この環境に eh_deadline を設定すると、回復時間に上限が設定されるため、失敗した I/O を、マルチパスで利用可能な別のパスで再試行できます。
ただし、RSCN を有効にすると、HBA がリンクを登録しなくなるか、もしくは利用できなくなります。I/O とエラー回復のコマンドがすぐに失敗し、それによりマルチパスの再試行が可能になるため、eh_deadline 機能が提供する利点が利用できなくなります。
SCSI ホストオブジェクトの eh_deadline パラメーターを使用すると、SCSI エラー処理がエラー回復を実行する最大時間 (HBA を停止してリセットするまでの時間) を設定することができます。
eh_deadline パラメーターの値は秒単位で指定し、デフォルト値は off です。これにより、時間制限が無効になり、エラー回復がすべて行われます。sysfs とともに scsi_mod.eh_deadline カーネルパラメーターを使用すると、すべての SCSI HBA にデフォルト値を設定できます。
eh_deadline の有効期限が切れると HBA がリセットされるため、失敗したパスだけでなく、この HBA にあるすべてのターゲットパスが影響を受けます。その結果、何らかの理由で冗長パスの一部が利用できないと、I/O エラーが発生します。したがって、すべてのターゲットに、完全に冗長なマルチパス設定が設定されていない場合は、eh_deadline を有効にしないでください。