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8.9.1. NFS および
8.9. NFS と rpcbind
注記
次のセクションは、後方互換用に
rpcbind
サービスを必要とする NFSv3 の実装のみに適用されます。
rpcbind
を必要としない NFSv4 のみのサーバーを設定する方法は、「NFSv4 専用サーバーの設定」を参照してください。
rpcbind
[1] ユーティリティーは、RPC サービスを、それらのサービスがリッスンするポートにマッピングします。RPC のプロセスが開始すると、その開始が rpcbind
に通知され、そのプロセスがリッスンしているポートおよびそのプロセスが処理することが予想される RPC プログラム番号が登録されます。クライアントシステムが、特定の RPC プログラム番号を使って、サーバーの rpcbind
との通信が行われると、rpcbind
サービスによりクライアントが適切なポート番号にリダイレクトされ、要求されたサービスと通信できるようになります。
RPC ベースのサービスは、クライアントの受信要求の接続を確立するのに、必ず
rpcbind
を使用します。したがって、RPC ベースのサービスが起動する前に、rpcbind
が利用可能な状態にする必要があります。
rpcbind
サービスはアクセス制御に TCP ラッパーを使用するため、rpcbind
のアクセス制御ルールは RPC ベースの すべての サービスに影響します。代わりに、NFS RPC の各デーモンごとにアクセス制御ルールを指定することも可能です。こうしたルールの正確な構文に関しては rpc.mountd
および rpc.statd
の man
ページに記載されている情報を参照してください。
8.9.1. NFS および rpcbind
に関するトラブルシューティング
rpcbind
[1] では通信に使用するポート番号と RPC サービス間の調整を行うため、トラブルシューティングを行う際は rpcbind
を使って現在の RPC サービスの状態を表示させると便利です。rpcinfo
コマンドを使用すると RPC ベースの各サービスとそのポート番号、RPC プログラム番号、バージョン番号、および IP プロトコルタイプ (TCP または UDP) が表示されます。
rpcbind
に対して適切な RPC ベースの NFS サービスが有効になっていることを確認するには、次のコマンドを使用します。
# rpcinfo -p
例8.7 rpcinfo -p
コマンドの出力
以下に上記コマンドの出力例を示します。
program vers proto port service 100021 1 udp 32774 nlockmgr 100021 3 udp 32774 nlockmgr 100021 4 udp 32774 nlockmgr 100021 1 tcp 34437 nlockmgr 100021 3 tcp 34437 nlockmgr 100021 4 tcp 34437 nlockmgr 100011 1 udp 819 rquotad 100011 2 udp 819 rquotad 100011 1 tcp 822 rquotad 100011 2 tcp 822 rquotad 100003 2 udp 2049 nfs 100003 3 udp 2049 nfs 100003 2 tcp 2049 nfs 100003 3 tcp 2049 nfs 100005 1 udp 836 mountd 100005 1 tcp 839 mountd 100005 2 udp 836 mountd 100005 2 tcp 839 mountd 100005 3 udp 836 mountd 100005 3 tcp 839 mountd
正しく開始していない NFS サービスが 1 つでもあると、
rpcbind
は、そのサービスのクライアントから正しいポートに RPC 要求をマッピングできません。多くの場合、rpcinfo
出力に NFS がない場合、NFS を再起動すると rpcbind
に正しく登録され、機能を開始します。
rpcinfo
の詳細およびオプション一覧については man
ページを参照してください。