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8.6.2. exportfs コマンド
NFS 経由でリモートユーザーにエクスポートされているすべてのファイルシステム、並びにそれらのファイルシステムのアクセスレベルは
/etc/exports
ファイル内に一覧表示してあります。nfs サービスが起動すると、/usr/sbin/exportfs コマンドがこのファイルを起動して読み込み、制御を実際のマウントプロセスで rpc.mountd (NFSv3 の場合) に渡し、その後リモートユーザーがファイルシステムを使用できるrpc.nfsd に渡します。
/usr/sbin/exportfs コマンドを手動で発行すると、root ユーザーは NFS サービスを再開始せずにディレクトリーをエクスポートするか、しないかを選択できるようになります。適切なオプションが指定されると、/usr/sbin/exportfs コマンドは、エクスポートされたファイルシステムを
/var/lib/nfs/xtab
に書き込みます。ファイルシステムへのアクセス権を決定する際には、rpc.mountd がxtab
ファイルを参照するため、エクスポートしたファイルシステムの一覧への変更がすぐに反映されます。
以下は、/usr/sbin/exportfs で利用可能な一般的に使用されるオプションの一覧です。
- -r
/var/lib/nfs/etab
に新しいエクスポート一覧を作成して、/etc/exports
に一覧表示されているディレクトリーをすべてエクスポートします。このオプションにより、/etc/exports
に変更が加えられると、エクスポート一覧が効果的に更新されます。- -a
- /usr/sbin/exportfs に渡される他のオプションに応じて、すべてのディレクトリーがエクスポートされるか、またはされないことになります。他のオプションが指定されない場合、/usr/sbin/exportfs は、
/etc/exports
内に指定してあるすべてのファイルシステムをエクスポートします。 - -o file-systems
/etc/exports
内に記載されていない、エクスポートされるディレクトリーを指定します。file-systems の部分を、エクスポートされる追加のファイルシステムに置き換えます。これらのファイルシステムは、/etc/exports
で指定されたものと同じフォーマットでなければなりません。このオプションは、エクスポートするファイルシステムのリストに永続的に追加する前に、エクスポートするファイルシステムをテストするためによく使用されます。/etc/exports
構文の詳細は、「/etc/exports
設定ファイル」 を参照してください。- -i
/etc/exports
を無視します。コマンドラインで指定されたオプションのみが、エクスポート用ファイルシステムの定義に使用されます。- -u
- すべての共有ディレクトリーをエクスポートしなくなります。コマンド /usr/sbin/exportfs -ua は、すべての NFS デーモンを稼働状態に維持しながら、NFS ファイル共有を保留します。NFS 共有を再度有効にするには、exportfs -r を使用します。
- -v
- 詳細な表示です。exportfs コマンドを実行するときに表示されるエクスポート、または非エクスポートのファイルシステムの情報が、より詳細に表示されます。
exportfs コマンドにオプションを渡さない場合と、現在エクスポートされているファイルシステムの一覧が表示されます。exportfs コマンドの詳細は、man exportfs を参照してください。
8.6.2.1. NFSv4 で exportfs の使用
Red Hat Enterprise Linux 7 では、提示されるファイルシステムは自動的に同じパスを使用して NFSv3 および NFSv4 クライアントで利用可能になるため、NFSv4 のエクスポートを設定するための特別なステップは必要ありません。これが、以前のバージョンとは異なります。
クライアントが NFSv4 を使用できないようにするには、
/etc/sysconfig/nfs
で RPCNFSDARGS= -N 4
を設定して無効にします。