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9.2.5. マルチユーザー SMB マウントの実行
共有をマウントするために指定した認証情報により、デフォルトでマウントポイントのアクセス権が決まります。たとえば、共有をマウントするときに
DOMAIN\example
ユーザーを使用した場合は、どのローカルユーザーが操作を実行しても、共有に対するすべての操作はこのユーザーとして実行されます。
ただし特定の状況では、システムの起動時に管理者が自動的に共有をマウントしたい場合でも、ユーザーは自分の認証情報を使用して共有のコンテンツに対して操作を実行する必要があります。このとき、
multiuser
マウントオプションを使用すると、このシナリオを設定できます。
重要
multiuser
を使用するには、sec=security_type
マウントオプションを、認証情報ファイルの krb5
オプションや ntlmssp
オプションなど、非対話式の方法で認証情報の提供に対応するセキュリティータイプに追加で設定する必要があります。「ユーザーとして共有へのアクセス」 を参照してください。
root
ユーザーは、multiuser
オプションと、共有内のコンテンツへの最低限のアクセスを持つアカウントを使用して、共有をマウントします。通常のユーザーは、cifscreds
ユーティリティーを使用して、現在のセッションのカーネルキーリングに、自身のユーザー名とパスワードを渡すことができます。マウントされた共有のコンテンツにユーザーがアクセスすると、カーネルは、共有のマウントに最初に使用されたものではなく、カーネルキーリングからの認証情報を使用します。
multiuser
オプションを使用した共有のマウント
システムの起動時に、
multiuser
オプションを使用して自動的に共有をマウントするには、次の手順を実行します。
手順9.2 multiuser
オプションを使用した /etc/fstab
ファイルエントリーの作成
/etc/fstab
ファイルに共有のエントリーを作成します。以下に例を示します。//server_name/share_name /mnt cifs multiuser,sec=ntlmssp,credentials=/root/smb.cred 0 0
- 共有をマウントします。
#
mount /mnt/
システムの起動時に共有を自動的にマウントしない場合は、
-o multiuser,sec=security_type
を mount コマンドに渡して手動で共有をマウントします。SMB 共有の手動マウントの詳細は、「SMB 共有の手動マウント」 を参照してください。
SMB 共有が multiuser
オプションを使用してマウントされているかどうかの確認
multiuser
オプションを使用して共有がマウントされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
#
mount
...
//server_name/share_name on /mnt type cifs (sec=ntlmssp,multiuser,...)
ユーザーとして共有へのアクセス
SMB 共有が
multiuser
オプションを使用してマウントされている場合、ユーザーはサーバーの認証情報をカーネルのキーリングに提供できます。
#
cifscreds add -u SMB_user_name server_name
Password: ********
これで、ユーザーがマウントされた SMB 共有を含むディレクトリーで操作を実行すると、サーバーは、共有がマウントされたときに最初に使用されたものではなく、このユーザーのファイルシステムのパーミッションを適用します。
注記
複数のユーザーが、マウントされた共有で、自身の認証情報を使用して同時に操作を実行できます。