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25.4. ファイバーチャネル
このセクションでは、ファイバーチャネル API、ネイティブの Red Hat Enterprise Linux 7 ファイバーチャネルドライバー、およびこれらのドライバーのファイバーチャネル機能について説明します。
25.4.1. ファイバーチャネル API
以下は、ユーザースペース API の提供に使用されるファイルを含む
/sys/class/
ディレクトリーの一覧です。それぞれの項目で、ホスト番号は H
、バス番号は B
、ターゲットは T
、論理ユニット番号 (LUN) は L
、およびリモートポート番号は R
で表示されています。
重要
マルチパスソフトウェアを使用されている場合は、このセクションで記載する値のいずれかを変更する前に、ご使用のハードウェアのベンダーにお問い合わせになることをお勧めします。
- トランスポート:
/sys/class/fc_transport/targetH:B:T/
port_id
— 24-bit ポート ID/アドレスnode_name
— 64-bit ノード名port_name
— 64-bit ポート名
- リモートポート:
/sys/class/fc_remote_ports/rport-H:B-R/
port_id
node_name
port_name
dev_loss_tmo
: scsi デバイスがシステムから削除されるタイミングを制御します。dev_loss_tmo
がトリガーされると、scsi デバイスが削除されます。multipath.conf
では、dev_loss_tmo
をinfinity
に設定できます。これは、値を 2,147,483,647秒または 68 年に設定します。また、これは最大dev_loss_tmo
値です。Red Hat Enterprise Linux 7 では、fast_io_fail_tmo
オプションを設定しないと、dev_loss_tmo
は 600 秒に制限されます。 Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトでは、multipathd
を実行していると、fast_io_fail_tmo
は 5 秒に設定されています。そうでなければ、off
に設定されています。fast_io_fail_tmo
: 「不良」としてリンクをマークする前に待機する秒数を指定します。リンクが不良としてマークされると、一致するパス上の既存の実行している I/O または新しい I/O がエラーを起こします。I/O がブロックされたキューに存在する場合は、dev_loss_tmo
の期限が切れ、キューのブロックが解除されるまでエラーを起こしません。Iffast_io_fail_tmo
がoff
以外の値に設定されていると、dev_loss_tmo
は制限されません。fast_io_fail_tmo
がoff
に設定されると、デバイスがシステムから削除されるまで I/O はエラーを起こしません。fast_io_fail_tmo
が数値に設定されていると、fast_io_fail_tmo
タイムアウトがトリガーするとすぐにエラーを起こします。
- ホスト:
/sys/class/fc_host/hostH/
port_id
issue_lip
: リモートポートを再度検出するようにドライバーに命令します。
25.4.2. ネイティブファイバーチャネルのドライバーと機能
Red Hat Enterprise Linux 7 には、以下のネイティブファイバーチャネルドライバーが同梱されます。
lpfc
qla2xxx
zfcp
bfa
重要
qla2xxx ドライバーは、デフォルトでイニシエーターモードで実行します。Linux-IO で qla2xxx を使用するには、対応する
qlini_mode
モジュールパラメーターでファイバーチャネルのターゲットモードを有効にします。
最初に、qla デバイス用のファームウェアパッケージ (ql2200-firmware など) がインストールされていることを確認します。
ターゲットモードを有効にするには、
/usr/lib/modprobe.d/qla2xxx.conf
qla2xxx モジュール設定ファイルに以下のパラメーターを追加します。
options qla2xxx qlini_mode=disabled
次に、
dracut -f
コマンドを実行して初期 ramdisk (initrd
) を再構築し、システムを再起動して変更を有効にします。
表25.1「ファイバーチャネル API の機能」 では、Red Hat Enterprise Linux 7 の各ネイティブドライバーにおけるファイバーチャネル API 機能を説明しています。「X」は、該当する機能のサポートがあることを示します。