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4.12.3. ルール言語を使って独自のポリシーを作成する
usbguard
デーモンは、一連のルールによって定義されたポリシーに基づいて USB デバイスを承認するかどうかを決定します。USB デバイスがシステムに挿入されると、デーモンは既存のルールを順次スキャンし、一致するルールが見つかると、ルールのターゲットに基づいて、デバイスを承認 (許可)、非承認 (ブロック)、または削除 (拒否) します。一致するルールが見つからない場合、決定は暗黙のデフォルトターゲットに基づいて行われます。この暗黙のデフォルトとは、ユーザーが決定を下すまでデバイスをブロックすることです。
ルール言語の文法は以下のようになります。
rule ::= target device_id device_attributes conditions. target ::= "allow" | "block" | "reject". device_id ::= "*:*" | vendor_id ":*" | vendor_id ":" product_id. device_attributes ::= device_attributes | attribute. device_attributes ::= . conditions ::= conditions | condition. conditions ::= .
ターゲット、デバイス仕様、デバイス属性などのルール言語の詳細については、
usbguard-rules.conf(5)
の man ページを参照してください。
例4.6 USBguard のサンプルポリシー
- USB 大容量ストレージデバイスを許可し、それ以外をすべてブロックする
- このポリシーは、単なる大容量ストレージデバイスではないあらゆるデバイスをブロックします。USB フラッシュディスクにキーボードインターフェイスが隠されているデバイスはブロックされます。大容量ストレージインターフェイスが 1 つあるデバイスのみが、オペレーティングシステムと対話することを許可されます。ポリシーは、以下のような 1 つのルールで設定されます。
allow with-interface equals { 08:*:* }
ブロックルールがないため、ブロックは暗黙のうちに行われます。USBGuard イベントをリッスンするデスクトップアプレットは、デバイスに暗黙のターゲットが選択されているかどうかの判断をユーザーに求めることができるため、暗黙的なブロックはデスクトップユーザーにとって便利です。 - 特定の Yubikey デバイスを特定のポート経由で接続できるようにする
- そのポートの他のすべてを拒否します。
allow 1050:0011 name "Yubico Yubikey II" serial "0001234567" via-port "1-2" hash "044b5e168d40ee0245478416caf3d998" reject via-port "1-2"
- インターフェイスの組み合わせに不審な点があるデバイスは排除する
- キーボードやネットワークインターフェイスを実装した USB フラッシュディスクは非常に疑わしいものです。次の一連のルールは、USB フラッシュディスクを許可し、追加の疑わしいインターフェイスを備えたデバイスを明示的に拒否するポリシーを形成します。
allow with-interface equals { 08:*:* } reject with-interface all-of { 08:*:* 03:00:* } reject with-interface all-of { 08:*:* 03:01:* } reject with-interface all-of { 08:*:* e0:*:* } reject with-interface all-of { 08:*:* 02:*:* }
注記ブラックリストは間違ったアプローチであり、あるデバイスだけをブラックリストに入れ、残りを許可するということはしないでください。上記のポリシーは、ブロッキングが暗黙のデフォルトであることを前提としています。"不良" と見なされる一連のデバイスを拒否することは、そのようなデバイスへのシステムの露出を可能な限り制限するための良いアプローチです。 - キーボードのみの USB デバイスを許可
- 以下のルールは、キーボードインターフェイスを持つ USB 機器がすでに許可されていない場合にのみ、キーボードのみの USB 機器を許可するものです。
allow with-interface one-of { 03:00:01 03:01:01 } if !allowed-matches(with-interface one-of { 03:00:01 03:01:01 })
usbguard generate-policy コマンドを使用して最初のポリシーを生成した後、
/etc/usbguard/rules.conf
を編集して、USBGuard ポリシールールをカスタマイズします。
~]$ usbguard generate-policy > rules.conf ~]$ vim rules.conf
更新されたポリシーをインストールし、変更を有効にするには、次のコマンドを使用します。
~]# install -m 0600 -o root -g root rules.conf /etc/usbguard/rules.conf