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7.3. HugeTLB Huge Page の設定
Red Hat Enterprise Linux 7.1 以降、Huge Page を予約するには
boot
と run time
の 2 つの方法があります。起動時に予約すると、メモリーの断片化がそれほど行われていないため、成功の可能性が高くなります。ただし、NUMA マシンでは、複数のページが NUMA ノード間で自動的に分割されます。実行時の方法では、NUMA ノードごとに Huge Page を予約できます。ランタイム予約がブートプロセスの早い段階で行われると、メモリーの断片化はより低くなります。
7.3.1. 起動時の Huge Page の設定
起動時に Huge Page を設定するには、カーネルブートコマンドラインに次のパラメーターを追加します。
- hugepages
- ブート時にカーネルに設定される永続ヒュージページの数を定義します。デフォルト値は 0 です。物理的に近接な空きページが十分にある場合にしか Huge Page を割り当てることはできません。このパラメーターで予約されるページは他の目的には使用できません。この値は起動後、
/proc/sys/vm/nr_hugepages
ファイルの値を変更することで調整可能です。NUMA システムの場合、このパラメーターで割り当てた Huge Page はノード間で平等に分割されます。実行中、Huge Page を特定ノードに割り当てる場合はそのノードの/sys/devices/system/node/node_id/hugepages/hugepages-1048576kB/nr_hugepages
ファイルの値を変更します。詳細についてはデフォルトで/usr/share/doc/kernel-doc-kernel_version/Documentation/vm/hugetlbpage.txt
にインストールされるカーネル関連ドキュメントをお読みください。 - hugepagesz
- 起動時にカーネルに設定される永続ヒュージページのサイズを定義します。使用できる値は 2 MB と 1 GB です。デフォルト値は 2 MB です。
- default_hugepagesz
- 起動時にカーネルに設定される永続 Huge Page のデフォルトのサイズを定義します。使用できる値は 2 MB と 1 GB です。デフォルト値は 2 MB です。
カーネルブートコマンドラインにパラメーターを追加する方法は、Red Hat Enterprise Linux 7 カーネル管理ガイドの第 3 章カーネルパラメーターおよび値の表示を参照してください。
手順7.1 起動初期時に 1 GB ページを予約
HugeTLB サブシステムでサポートされるページサイズはアーキテクチャーによって異なります。AMD64 および Intel 64 アーキテクチャーの場合、2 MB の Huge Page と 1 GB の巨大ページがサポートされます。
/etc/default/grub
ファイルのカーネルコマンドラインオプションに次の行を root として追加して、1 GB ページ向けの HugeTLB プールを作成します。default_hugepagesz=1G hugepagesz=1G
- 編集したデフォルトファイルを使用して GRUB2 設定を再生成します。BIOS ファームウェアを使用しているシステムの場合は次のコマンドを実行します。
# grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
UEFI ファームウェアを使用しているシステムの場合は次のコマンドを実行します。# grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg
/usr/lib/systemd/system/hugetlb-gigantic-pages.service
という名前のファイルを次の内容で作成します。[Unit] Description=HugeTLB Gigantic Pages Reservation DefaultDependencies=no Before=dev-hugepages.mount ConditionPathExists=/sys/devices/system/node ConditionKernelCommandLine=hugepagesz=1G [Service] Type=oneshot RemainAfterExit=yes ExecStart=/usr/lib/systemd/hugetlb-reserve-pages.sh [Install] WantedBy=sysinit.target
/usr/lib/systemd/hugetlb-reserve-pages.sh
という名前のファイルを次の内容で作成します。#!/bin/sh nodes_path=/sys/devices/system/node/ if [ ! -d $nodes_path ]; then echo "ERROR: $nodes_path does not exist" exit 1 fi reserve_pages() { echo $1 > $nodes_path/$2/hugepages/hugepages-1048576kB/nr_hugepages } reserve_pages number_of_pages node
最後の行で、number_of_pages を予約する 1GB ページの数に置き換え、node をこれらのページを予約するノードの名前に置き換えます。例7.1
node0
およびnode1
でのページの予約たとえば、node0
上に 2 つの 1GB ページを予約し、node1
上に 1 つの 1GB ページを予約するには、最後の行を以下に置き換えます。reserve_pages 2 node0 reserve_pages 1 node1
必要に応じて変更したり、行を追加してメモリーを他のノードに予約することができます。- スクリプトを実行可能にします。
# chmod +x /usr/lib/systemd/hugetlb-reserve-pages.sh
- 初期のブート予約を有効にします。
# systemctl enable hugetlb-gigantic-pages
注記
任意のタイミングで
nr_hugepages
に書き込みを行うことにより、1GB を超えるページを実行時に予約できます。ただし、メモリーの断片化により、このような予約が失敗する可能性があります。起動初期時に実行されるこのスクリプトを使用するのが最も信頼できる 1GB ページの予約方法になります。