Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux
付録A ツールについて
パフォーマンスの調整に使用できる Red Hat Enterprise Linux 7 の各種ツールについて簡単に説明しています。詳細および最新情報についてはツールの man ページをご覧ください。
A.1. irqbalance
irqbalance はプロセッサー全体にハードウェア割り込みを分散しシステムのパフォーマンスを向上させるコマンドラインツールです。デフォルトではデーモンとして実行されますが、
--oneshot
オプションで 1 回きりの実行も可能です。
パフォーマンス改善には、以下のパラメーターが便利です。
- --powerthresh
- CPU が省電力モードになる前にアイドル状態になることが可能な CPU 数を設定します。しきい値を超える CPU 数が平均
softirq
ワークロードを 1 標準偏差以上下回り、平均値から 1 標準偏差を超える CPU がなく、複数のirq
がこれらに割り当てられている場合、CPU は省電力モードに入ります。このモードでは、CPU はirq
バランシングの一部ではないので、不必要に再開されることがありません。 - --hintpolicy
irq
カーネル親和性ヒントの処理方法を決定します。exact
(irq
親和性ヒントを常に適用)、subset
(irq
は均等に分散されるが割り当てオブジェクトは親和性ヒントのサブセット)、またはignore
(irq
親和性ヒントを完全に無視) の値を使用できます。- --policyscript
- 各割り込みリクエストを実行するスクリプトの場所を定義します。デバイスパスおよび
irq
番号が引数として渡され、irqbalance はゼロ終了コードを予想します。定義されたスクリプトでは、渡されたirq
の管理で irqbalance をガイドするために、ゼロもしくはそれ以上の鍵の値のペアを指定することができます。有効な鍵の値のペアとして認識されるのは、以下のものです。- ban
- 有効な値は、
true
(渡されたirq
をバランシングから除外) もしくはfalse
(このirq
でバランシングを実施) です。 - balance_level
- 渡された
irq
のバランスレベルをユーザーが上書きできるようにします。デフォルトでは、バランスレベルはirq
を所有するデバイスの PCI デバイスクラスに基づきます。有効な値はnone
、package
、cache
、またはcore
になります。 - numa_node
- 渡された
irq
にはローカルとみなされる NUMA ノードを、ユーザーが上書きできるようにします。ローカルノードについての情報が ACPI で指定されていない場合は、デバイスはすべてのノードから等距離とみなされます。有効な値は、特定の NUMA ノードを識別する整数 (0 から)、およびirq
が全ノードから等距離であるとみなすことを指定する-1
になります。
- --banirq
- 指定割り込み要求番号を持つ割り込みが禁止割り込み一覧に追加されます。
IRQBALANCE_BANNED_CPUS
環境変数を使用して、irqbalance によって無視される CPU のマスクを指定することもできます。
詳細は、以下の man ページを参照してください。
$ man irqbalance