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4.4. ip コマンドでの静的ルートの設定

システム管理者は、ip route コマンドを使用して静的ルートを設定できます。
IP ルーティングテーブルを表示するには、ip route コマンドを使用します。以下に例を示します。
~]$ ip route
default via 192.168.122.1 dev ens9  proto static  metric 1024
192.168.122.0/24 dev ens9  proto kernel  scope link  src 192.168.122.107
192.168.122.0/24 dev enp1s0  proto kernel  scope link  src 192.168.122.126
ip route コマンドは
ip route [ add | del | change | append | replace ] destination-address
の形式を取ります。オプションおよび形式の詳細は、ip-route (8) man ページを参照してください。
静的ルートをホストアドレス、つまり 1 つの IP アドレスに追加するには、以下のコマンドを実行します。
~]# ip route add 192.0.2.1 via 10.0.0.1 [dev interface]
192. 0.2.1 はドット付き 10 進表記のホストの IP アドレスに、10.0.0.1 はネクストホップアドレスで、interface は次のホップにつながる終了インターフェイスになります。
ネットワーク(つまり IP アドレスの範囲を表す IP アドレス)に静的ルートを追加するには、以下を実行します。
~]# ip route add 192.0.2.0/24 via 10.0.0.1 [dev interface]
192.0.2.0 はドット付き 10 進数表記の宛先ネットワークの IP アドレスで、/24 はネットワーク接頭辞です。ネットワーク接頭辞は、サブネットマスク内の有効なビット数です。ネットワークアドレスにスラッシュ、ネットワーク接頭辞長を続けるこの形式は、classless inter-domain routing (CIDR) 表記と呼ばれることもあります。
割り当てた静的ルートを削除するには、以下のコマンドを実行します。
~]# ip route del 192.0.2.1
ip route を使用してルーティングテーブルに加えた変更は、システムを再起動しても維持されません。静的ルートを永続的に設定するには、インターフェイスの /etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリーに route-interface ファイルを作成して、静的ルートを設定できます。たとえば、enp1s0 インターフェイスの静的ルートは、/etc/sysconfig/network-scripts/route-enp1s0 ファイルに保存されます。route-interface ファイルに加えた変更は、ネットワークサービスまたはインターフェイスのいずれかを再起動するまで有効になりません。route-interface ファイルには、2 つの形式があります。
ip route コマンドの詳細は、ip-route (8) man ページを参照してください。