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15.2.3.2. 一般的なリソースレコード

以下のリソースレコードは一般的にゾーンファイル内で使用されます。
A
Address レコードは名前に割り当てられる IP アドレスを指定します。以下の形式を取ります。
hostname IN A IP-address
hostname の値ない場合、レコードは最後に指定された hostname を指します。
例15.10「リソースレコードの使用」では、server1.example.com 用の要求は、10.0.1.3 または 10.0.1.5 を指しています。

例15.10 リソースレコードの使用

server1  IN  A  10.0.1.3
         IN  A  10.0.1.5
CNAME
Canonical Name (別名) レコードはある名前を別の名前にマッピングします。このため、このタイプのレコードは、エイリアスレコードと呼ばれることもあります。以下の形式を取ります。
alias-name IN CNAME real-name
CNAME レコードは Web サーバー用の www のように、共通の命名基準を使用するサービスを指すために最も一般的に使用されます。しかし、それらの使用については複数の制限があります。
  • CNAME レコードは他の CNAME レコードを指してはいけません。これは主に無限のループの可能性を避けるためです。
  • CNAME レコードには他のリソースレコードタイプ (A、NS、MX など) を含めないでください。唯一の例外は、ゾーンが署名されている時の DNSSEC 関連のレコード (RRSIG、NSEC など) です。
  • ホストの完全修飾型ドメイン名 (FQDN) を指す他のリソースレコード (NS、MX、PTR) は CNAME レコードを指してはいけません。
例15.11「CNAME リソースレコードの使用」では、A レコードがホスト名を IP アドレスにバインドし、CNAME レコードが一般的に使用される www ホスト名をそれに向けています。

例15.11 CNAME リソースレコードの使用

server1  IN  A      10.0.1.5
www      IN  CNAME  server1
MX
Mail Exchange レコードは、このゾーンで制御されている特定のネームスペースに送信されるメールの行き先を指定します。以下の形式を取ります。
IN MX preference-value email-server-name
email-server-name は完全修飾型ドメイン名 (FQDN) です。preference-value によってネームスペースのメールサーバーの数値ランキングが可能になり、一部のメールシステムに他のシステムよりも優先度を与えます。最小の preference-value を持つ MX リソースレコードが他よりも優先されます。しかし複数メールサーバーが同じ値を持つ可能性があり、その場合はメールトラフィックをサーバー間で均等に分配することになります。
例15.12「MX リソースレコードの使用」では、example.com ドメイン宛のメール受信時には最初の mail.example.com メールサーバーが mail2.example.com メールサーバーよりも優先されます。

例15.12 MX リソースレコードの使用

example.com.  IN  MX  10  mail.example.com.
              IN  MX  20  mail2.example.com.
NS
Nameserver レコードはある特定のゾーン用に正当なネームサーバーを表明します。以下の形式を取ります。
IN NS nameserver-name
nameserver-name は完全修飾型ドメイン名 (FQDN) である必要があります。ドメインに対して 2 つのネームサーバーが正当だとして一覧表示されている時には、これらのネームサーバーがセカンダリーネームサーバーであるか、またはその 1 つがプライマリーサーバーであるかどうかは重要でありません。両方とも正当と考慮されます。

例15.13 NS リソースレコードの使用

IN  NS  dns1.example.com.
IN  NS  dns2.example.com.
PTR
Pointer レコードはネームスペースの別の部分を指します。以下の形式を取ります。
last-IP-digit IN PTR FQDN-of-system
last-IP-digit ディレクティブは IP アドレスの末尾の番号です。FQDN-of-system は完全修飾型ドメイン名 (FQDN) になります。
PTR レコードは主に逆引き名前解決に使用されます。IP アドレスを特定の名前に指定します。PTR レコードの使用例は、「逆引き名前解決ゾーンファイル」を参照してください。
SOA
Start of Authority レコードはネームスペースについての信頼できる重要な情報をネームサーバーに表明します。ディレクティブの後に配置されていて、ゾーンファイルでは最初のリソースレコードです。以下の形式を取ります。
@  IN  SOA  primary-name-server hostmaster-email (
       serial-number
       time-to-refresh
       time-to-retry
       time-to-expire
       minimum-TTL )
ディレクティブは以下の通りです。
  • @ シンボルは $ORIGIN ディレクティブ (または$ORIGIN ディレクティブがセットされていない場合は、ゾーン名) をこのSOA リソースレコードで定義されたネームスペースとして配置します。
  • primary-name-server ディレクティブは、このドメインの正式なプライマリーネームサーバーのホスト名です。
  • hostmaster-email ディレクティブは、ネームスペースに関して連絡する相手のメールです。
  • serial-number ディレクティブは、named サービスがゾーンを再ロードする時間であることを示すためにゾーンファイルが変更される度に増加する数値です。
  • time-to-refresh ディレクティブは、ゾーンに対して変更がなされたかどうかをプライマリーネームサーバーに尋ねるまで待機する時間の長さを決定するためにセカンダリーネームサーバーが使用する数値です。
  • time-to-retry ディレクティブは、プライマリーネームサーバーが応答しない事態にリフレッシュ要求を出すまで待機する時間の長さを決定するためにセカンダリーネームサーバーによって使用される数値です。time-to-expire ディレクティブ内で指定された時間が経過するまでに、プライマリーネームサーバーがリフレッシュ要求に応答しない場合は、セカンダリーサーバーはそのネームスペースに関する要求での権威としての応答を停止します。
  • BIND 4 と 8 では、minimum-TTL ディレクティブは他のネームサーバーがゾーンの情報をキャッシュ化する時間の長さになります。BIND 9 では、これは否定的な回答がキャッシュ化される時間の長さを定義します。負の回答のキャッシュは、最大 3 時間 (3H) に設定できます。
BIND の設定時には、すべての時間は秒で指定されます。しかし、秒以外の時間単位を指定するのに短縮形を使用することができます。たとえば、分 (M)、時間 (H)、日 (D)、および週 (W) です。表15.6「秒表示とその他の時間単位」は、秒単位で、同等の時間 (秒単位) を別の形式で示しています。

表15.6 秒表示とその他の時間単位

他の時間単位
60 1M
1800 30M
3600 1H
10800 3H
21600 6H
43200 12H
86400 1D
259200 3D
604800 1W
31536000 365D

例15.14 SOA リソースレコードの使用

@  IN  SOA  dns1.example.com.  hostmaster.example.com. (
       2001062501  ; serial
       21600       ; refresh after 6 hours
       3600        ; retry after 1 hour
       604800      ; expire after 1 week
       86400 )     ; minimum TTL of 1 day