第3章 パッケージ、機能、およびサポートの変更

このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 で提供される機能またはパッケージの変更、およびそのパッケージのサポートの変更について説明しています。

3.1. 新しいパッケージ

このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 で利用可能な、注目すべきパッケージについて説明しています。

3.1.1. Preupgrade Assistant

Preupgrade Assistant (preupg) は、使用中のシステムに変更を加える前に、Red Hat Enterprise Linux 6 から Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレード時に直面する可能性のある問題をチェックします。これにより、実際にアップグレードプロセスを開始する前に、Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレードが成功する可能性を評価することができます。
Preupgrade Assistant は、パッケージの削除、互換性のない古い機能、名前の変更、設定ファイルの互換性欠如など、システムにインプレースアップグレードを行った場合に考えられる限界を評価し、以下のアイテムを提供します。
  • 検出された移行問題に対する解決案を含むシステム分析レポート
  • システムのクローンを作成する際に利用できるデータ (インプレースアップグレードに適していない場合)
  • インプレースアップグレードの終了後、より複雑な問題を解決するためのポストアップグレードスクリプト
Preupgrade Assistant によって保存される情報およびログ記録以外、システムに一切の変更は加えられません。
Preupgrade Assistant の取得および使用に関する詳細な指示については、「システムアップグレードが適切であることを確認」 を参照してください。

3.1.2. Red Hat Upgrade Tool

Preupgrade Assistant の後に新しい Red Hat Upgrade Tool が使用され、以下の 3 つのアップグレードプロセスフェーズを処理します。
  • Red Hat Upgrade Tool が、ディスクまたはサーバーからパッケージとアップグレードイメージを取り込み、システムをアップグレード用に準備して再起動します。
  • システムが再起動後にアップグレードパッケージが利用可能であることを検出し、systemd および yum を使用してシステム上のパッケージをアップグレードします。
  • アップグレード後に、Red Hat Upgrade Tool がクリーンアップを実行し、アップグレードしたオペレーティングシステムに再起動します。
ネットワークベースおよびディスクベースのアップグレードがサポートされています。システムアップグレードの詳細な説明については「1章アップグレード方法」を参照してください。

3.1.3. Chrony

Chrony は、chrony パッケージで提供される新 NTP クライアントです。Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルト NTP として、参照実装 (ntp) に代わるものです。ただし、ntp で利用可能な機能をすべてサポートするわけではないため、互換性の理由で ntp が提供されています。ntp が必要な場合は、chrony を明示的に削除して、ntp をインストールする必要があります。
Chrony の時間管理アルゴリズムは、ntp 実装に比べていくつかの利点があります。
  • 同期がより速く正確。
  • 周波数訂正の幅がより広い。
  • 時計の周波数の急激な変更にうまく対応。
  • 初期同期の後のクロックステッピングがない。
  • 断続的なネットワーク接続でうまく機能。
chrony についての詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者ガイド』 または 『システム管理者のリファレンスガイド』 を参照してください。http://access.redhat.com/site/documentation/Red_Hat_Enterprise_Linux/ から入手できます。

3.1.4. HAProxy

HAProxy は、高可用性環境に適した TCP/HTTP リバースプロキシーです。リソースをほとんど必要とせず、イベント駆動型のアーキテクチャーにより、システムの安定性をリスクにさらすことなく、数百ものインスタンス上で、同時に数千もの接続を容易に処理できます。
HAProxy に関する詳細は、man ページを参照するか、/usr/share/doc/haproxy ディレクトリーにある、 haproxy パッケージからインストールされたドキュメントを参照してください。

3.1.5. Kernel-tools

kernel-tools パッケージには、Linux カーネル用のツールが多数含まれています。このパッケージ内のツールのいくつかは、他のパッケージでこれまで利用可能だったツールに代わるものです。詳細については、「非推奨パッケージ」 および 「パッケージの置換」 を参照してください。

3.1.6. NFQUEUE (libnetfilter_queue)

Red Hat Enterprise Linux 7.1 では、libnetfilter_queue パッケージが提供されます。このライブラリーを使用すると、NFQUEUE iptables ターゲットが有効になります。この場合、リッスン中のユーザー領域アプリケーションが、指定されたキューからパケットを取得し、そのパケットの処理方法を決定するよう指定します。

3.1.7. SCAP セキュリティーガイド

scap-security-guide パッケージは、セキュリティーガイダンス、ベースライン、および ​Security Content Automation Protocol (SCAP) に関連する検証メカニズムを提供します。このパッケージは、以前は EPEL リポジトリー (Enterprise Linux 用追加パッケージ) からのみ取得できましたが、Red Hat Enterprise Linux 7.1 では、Red Hat Enterprise Linux 7 Server (RPMS) リポジトリーで利用できます。

3.1.8. Red Hat Access GUI

Red Hat Access GUI は、Red Hat ナレッジベース、リソース、および機能を使用してヒント、回答、診断サービスを利用できるデスクトップアプリケーションです。Red Hat カスタマーポータル にアクティブなアカウントがある場合は、キーワードを入力すると、ナレッジベースの追加情報およびヒントが表示され、簡単にアクセスできます。Red Hat Access GUI は、GNOME Desktop のインストールを選択している場合はすでにインストールされています。
このツールの利点、インストールおよび使用方法については、Red Hat Access GUI を参照してください。