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6.8.2. 単一パスに対する重複した警告
以下の例は、表示された重複デバイスが、両方とも同じデバイスへの単一パスであることを示す、重複した PV 警告を示しています。この場合、
/dev/sdd
と /dev/sdf
は、multipath -ll コマンドの出力の同じマルチパスマップ下にあります。
Found duplicate PV GDjTZf7Y03GJHjteqOwrye2dcSCjdaUi: using **/dev/sdd** not **/dev/sdf**
この警告が表示されないようにするには、LVM がメタデータを検索するデバイスを制限するように、
/etc/lvm/lvm.conf
ファイルでフィルターを設定します。フィルターは、/dev
(または /etc/lvm/lvm.conf
ファイルで dir
キーワードにより指定されたディレクトリー) のスキャンによって検出された、各デバイスに適用されるパターンのリストです。パターンは、任意の文字で区切られた正規表現と、a
(許可) または r
(拒否) が先頭に付けられた正規表現です。リストは順番に評価され、デバイスに一致する最初の正規表現によって、デバイスが許可または拒否 (無視) されるかどうかが決定されます。どのパターンにも一致しないデバイスは許可されます。LVM フィルターに関する一般的な情報は、「フィルターを使用した LVM デバイススキャンの制御」 を参照してください。
設定するフィルターには、LVM メタデータをチェックする必要があるすべてのデバイス (root ボリュームグループがあるローカルハードドライブやマルチパスデバイスなど) を含める必要があります。マルチパスデバイスへの基礎となるパス (
/dev/sdb
や /dev/sdd
など) を拒否することにより、これらの重複する PV 警告を回避できます (一意の各メタデータ領域はマルチパスデバイス自体で 1 度しか検出されないため)。
以下の例は、複数のストレージパスが利用可能であることが原因で発生する重複 PV 警告を回避するフィルターを示しています。
- このフィルターは、最初のハードドライブ (
/dev/sda
) の 2 番目のパーティションと、すべての device-mapper-multipath デバイスを許可し、他のすべてのパーティションとデバイスを拒否します。filter = [ "a|/dev/sda2$|", "a|/dev/mapper/mpath.*|", "r|.*|" ]
- このフィルターは、すべての HP SmartArray コントローラーと、EMC PowerPath デバイスを許可します。
filter = [ "a|/dev/cciss/.*|", "a|/dev/emcpower.*|", "r|.*|" ]
- このフィルターは、最初の IDE ドライブのすべてのパーティションと、すべてのマルチパスデバイスを許可します。
filter = [ "a|/dev/hda.*|", "a|/dev/mapper/mpath.*|", "r|.*|" ]
注記
新しいフィルターを
/etc/lvm/lvm.conf
ファイルに追加する場合は、元のフィルターを # でコメントアウトするか、削除してください。
フィルターが設定され、
/etc/lvm/lvm.conf
ファイルが保存されたら、これらのコマンドの出力をチェックして、物理ボリュームまたはボリュームグループが不明でないことを確認します。
#pvscan
#vgscan
また、以下の例で示されているように、
/etc/lvm/lvm.conf
ファイルを変更しなくても、LVM コマンドに --config
引数を追加すれば、すぐにフィルターをテストすることができます。
# lvs --config 'devices{ filter = [ "a|/dev/emcpower.*|", "r|.*|" ] }'
注記
--config
引数を使用してフィルターをテストした場合、サーバーの設定には永続的な変更が加えられません。テスト後に、有効なフィルターを /etc/lvm/lvm.conf
ファイルに設定してください。
LVM フィルターの設定後に、再起動時に必要なデバイスのみがスキャンされるように、dracut コマンドで
initrd
デバイスを再ビルドすることが推奨されます。