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9.3. インストール後の問題

9.3.1. RAID カードから起動できない

インストールの実行後、システムを正常に起動できない場合、再インストールと、システムのストレージに異なるパーティション設定を実行する必要がある可能性があります。
BIOS のなかには RAID カードでの起動に対応していないタイプがあります。インストールを完了したあと初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub> など) と点滅するカーソルしか表示されない場合があります。このような場合、システムのパーティションを再設定し、/boot パーティションとブートローダーを RAID アレイの外側に移動する必要があります。/boot パーティションとブートローダーは同じドライブ上に配置してください。
上記の変更を加えると、インストールを完了して、システムを正しく起動できるようになるはずです。パーティション設定については、「インストール先」 を参照してください。

9.3.2. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順9.4 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16linuxefi の場合もあり) で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動したら通常通りにログインします。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システムが起動する度に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順にしたがってください。

手順9.5 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. grubby ツールを使って、デフォルトの GRUB2 カーネルを見つけます。
    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
  3. grubby ツールを使って、上記のステップで特定されたデフォルトのカーネルから GRUB2 設定で rhgb ブートオプションを削除します。例を示します。
    # grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
上記の手順が完了したらコンピューターを再起動します。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にしたい場合は、上記の同じ手順で --remove-args="rhgb" パラメーターを --args="rhgb" で置き換えます。これで rhgb ブートオプションが GRUB2 設定のデフォルトカーネルに戻されます。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.3. グラフィカル環境で起動する

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないので注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順9.6 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.4. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルなデスクトップ環境のインストール方法については、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 にあるナレッジベースの記載を参照してください。

9.3.5. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーのログイン時に X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力で、どのパーミッションが満杯になっているかを判断します。ほとんどの場合、/home パーミッションに問題があります。df コマンドの出力例を示します。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であることがわかります。これがクラッシュの原因になっています。このパーティション上の不必要なファイルを削除し適当な領域を解放します。適当な空き領域を確保したら、startx コマンドで X を開始します。
df の使い方および使用できるオプション (上記の例で使用されている -h など) の詳細については df(1) の man ページを参照してください。

9.3.6. RAM が認識されない

カーネルがメモリー (RAM) すべてを認識しないことがあり、これが原因でシステムは実際にインストールされているメモリーより少ないメモリーしか使用しなくなります。free -m コマンドを使用すると、使用されているメモリーを確認できます。表示されるメモリー合計が期待と異なる場合、少なくとも 1 つのメモリーモジュールで障害が発生している可能性が高くなります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+ ユーティリティーを使ってシステムのメモリーテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。

注記

システム用に RAM としてメモリーの一部が予約され、メインシステムではその部分が使用できなくなっているハードウェア構成があります。特に、統合型グラフィックカードが搭載されているラップトップコンピューターなどは、GPU 用としてメモリーの一部が予約されます。例えば、4 GiB の RAM と統合型 Intel グラフィックカードを搭載しているラップトップでは、約 3.7 GiB しか使用可能なメモリーとして表示されません。
また、kdump クラッシュカーネルダンプのメカニズムにより、プライマリーカーネルのクラッシュ時に使用されるセカンダリーカーネル用にもメモリーの一部が予約されます。このメカニズムはほとんどの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっています。この予約メモリーも free コマンドを使った場合には使用可能なメモリーとしては表示されません。kdump およびそのメモリー要件については、 Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド を参照してください。
メモリーに問題がないことを確認したら、メモリーの値を mem= カーネルオプションで手作業で設定することができます。

手順9.7 メモリーを手作業で設定する

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16) などの文字列で始まっています。次のオプションを行末に追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
  5. システムの起動を待ってログインします。コマンドラインを開き、再度 free -m コマンドを実行します。コマンドで表示される RAM の合計数が期待通りなら、この変更を永続的にするため /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX で始まる行に次を追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  6. ファイルの更新、保存が終了したら、ブートローダー設定を更新して変更を反映させます。次のコマンドを root 権限で実行します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
/etc/default/grub ファイルを開いた一例を以下に示します。
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_DISTRIBUTOR="$(sed 's, release.*$,,g' /etc/system-release)"
GRUB_DEFAULT=saved
GRUB_DISABLE_SUBMENU=true
GRUB_TERMINAL_OUTPUT="console"
GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=rhel/swap $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel.param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) vconsole.keymap=us rhgb quiet mem=1024M"
GRUB_DISABLE_RECOVERY="true"
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.7. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
メディアチェックではエラーは検出されず、それでもセグメンテーション違反を受け取る場合は、通常、ハードウェア関連のエラーに遭遇していることを意味します。このような場合、システムのメモリー (RAM) に問題がある可能性がもっとも高いと言えます。同じコンピューターで過去に別のオペレーティングシステムを使用したときは何のエラーも発生していなかった場合でも、システムのメモリーが原因となっている場合があります。BIOS ベースのシステムであれば、インストールメディアに含まれている Memtest86+ メモリーテストモジュールを使ってシステムメモリー全体のテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントや 『Red Hat Hardware Compatibility List (Red Hat ハードウェア互換性一覧)』 (https://hardware.redhat.com) などを参照してください。