6.15. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
ストレージ領域の概要

図6.33 ストレージ領域の概要

注記

インストール中には、mdeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスのモニタリングは実行されません。

6.15.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図6.34 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図6.35 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。 別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、 この画面で表示されている全てのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

6.15.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図6.36 高度なストレージオプション

6.15.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図6.37 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順6.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図6.38 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
6.15.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図6.39 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。