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Red Hat Training
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8.14.4.4. 推奨されるパーティション設定スキーム
Red Hat は、以下のマウントポイントで、異なるファイルシステムを作成することを推奨します。
/boot
/
(ルート)/home
swap
-
/boot
パーティション: 最小限 1 GiB のサイズを推奨しています /boot
にマウントするパーティションにはオペレーティングシステムカーネルが含まれます。これにより、システムはブートストラッププロセス中に使用されるファイルと共に Red Hat Enterprise Linuxnbsp;Hat Enterprise Linuxnbsp;Linux を起動できるようになります。大概のファームウェアには制限があるため、そのファームウェアを格納する小さいパーティションを作成することが推奨されます。ほとんどの場合は、1 GiB の boot パーティションで十分です。他のマウントポイントとは異なり、LVM ボリュームを/boot
に使用することはできません。/boot
は別個のディスクパーティションにある必要があります。警告通常、/boot
パーティションはインストールプログラムで自動的に作成されます。ただし、/
(ルート) パーティションのサイズが 2 TiB を超え、また起動に (U)EFI を使用する場合は、マシンを正常に起動させるため 2 TiB 未満の/boot
パーティションを別途に作成する必要があります。注記RAID カードを実装している場合、BIOS タイプは、RAID カードからの起動に対応していない場合がある点に注意してください。これに該当する場合は、/boot
パーティションを別のハードドライブなどの RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。/
: 10 GiB のサイズを推奨しています- これは、「
/
(ルート)」ディレクトリーを置く場所です。ルートディレクトリーは、ディレクトリー構造のトップレベルです。デフォルトでは、書き込み先のパスに別のファイルシステムがマウントされていない限り (/boot
や/home
など)、すべてのファイルがこのファイルシステムに書き込まれます。root ファイルシステムが 5 GiB の場合は最小インストールが可能ですが、パッケージグループをいくつでもインストールできるように、少なくとも 10 GiB を割り当てておくことが推奨されます。重要/
ディレクトリーと/root
ディレクトリーを混同しないよう注意してください。/root
ディレクトリーは root ユーザーのホームディレクトリーになります。/root
ディレクトリーは、root ディレクトリーと区別するため、スラッシュルート ディレクトリーと呼ばれることがあります。 /home
: 最小限 1 GiB のサイズを推奨しています- システムデータとユーザーデータを別々に格納する場合には、ボリュームグループ内に
/home
ディレクトリー専用のファイルシステムを作成します。ファイルシステムのサイズはローカルで保存するデータ量やユーザー数などを基に決定してください。これにより、ユーザーデータファイルを消去せずに Red Hat Enterprise Linuxnbsp;Hat Enterprise Linuxnbsp;Linux をアップグレードまたは再インストールできます。自動パーティション設定を選択する場合は、インストールに少なくとも 55GiB のディスク領域を確保して/home
ファイルシステムが作成されるようにすることが推奨されます。 swap
パーティション: 最小限 1 GB のサイズを推奨しています- 仮想メモリーは、swap ファイルシステムによりサポートされています。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータは swap ファイルシステムに書き込まれます。swap サイズはシステムメモリーのワークロードに依存するため、システムメモリーの合計ではありません。したがって、システムメモリーサイズの合計とは等しくなりません。したがって、システムメモリーの作業負荷を判断するためには、システムで実行するアプリケーションの種類、およびそのアプリケーションにより生じる負荷を分析することが重要になります。アプリケーションにより生じる負荷に関するガイダンスはアプリケーション提供元または開発側より提供されているはずです。システムで swap 領域が不足すると、システムの RAM メモリーがすべて使用されるため、カーネルがプロセスを終了します。swap 領域が大き過ぎても、割り当てられているストレージデバイスがアイドル状態となり、リソース運用面では効率が悪くなります。また、swap 領域が大き過ぎるとメモリーリークに気付きにくくなる可能性があります。swap パーティションの最大サイズおよび詳細については
mkswap(8)
の man ページをご覧ください。以下の表では、システムの RAM の容量別に推奨されるスワップパーティションのサイズと、システムをハイバネートするのに十分なメモリーが必要かどうかを示しています。インストールプログラムでシステムのパーティション設定を自動的に実行する場合、swap パーティションのサイズはこのガイドラインに沿って決められます。自動パーティション設定では、ハイバネートは使用しないことを前提としています。このため、swap パーティションの上限が、ハードドライブの合計サイズの最大 10% に制限され、インストーラーでは、128 GB 以上のサイズの swap パーティションが作成されません。ハイバネートを行うために十分な swap 領域を設定する場合、もしくはシステムのストレージ領域の 10% 以上を swap パーティションに設定する場合、または 128 GB を超えるサイズにする場合は、パーティション設定のレイアウトを手動で編集する必要があります。表8.3 システムの推奨 swap 領域
システム内の RAM の容量 推奨されるスワップ領域 ハイバネートを許可する場合に推奨される swap 領域 2 GB 未満 RAM 容量の 2 倍 RAM 容量の 3 倍 2 GB - 8 GB RAM 容量と同じ RAM 容量の 2 倍 8 GB - 64 GB 4GB から RAM 容量の半分まで RAM 容量の 1.5 倍 64 GB を超える場合 ワークロードによる (最小 4GB) ハイバネートは推奨されません それぞれの範囲の境界線上になる場合は (システムの RAM が 2 GB、8 GB、64 GB などの場合)、swap 領域の決定やハイバネートへの対応についての決定は適宜判断してください。システムリソースに余裕がある場合は、swap 領域を増やすとパフォーマンスが向上することがあります。swap 領域を複数のストレージデバイスに分散させても、swap 領域のパフォーマンスが向上します (高速ドライブやコントローラー、インターフェースなどを備えたシステムで特に効果的)。
多くのシステムには、上述の最小限のパーティションおよびボリュームより多くのものがあります。パーティション設定は、システム固有のニーズに応じて決定してください。詳細は、「パーティション設定に関するアドバイス」 を参照してください。
注記
すぐに必要となるパーティションにのみストレージ容量を割り当ててください。必要に応じて空き容量をいつでも割り当てることができます。ストレージ管理の柔軟な方法に関する詳細は、付録D LVM の理解 を参照してください。
ご使用のコンピューターに最適なパーティション設定が分からない場合は、インストールプログラムで提供されているデフォルトの自動パーティション設定のレイアウトをご利用ください。
8.14.4.4.1. パーティション設定に関するアドバイス
最適なパーティション設定は対象となる Linux システムの用途によって異なります。次のヒントを参考にディスク領域を設定してください。
- 機密データを格納する可能性があるパーティションには暗号化を検討してください。暗号化を行うと、権限を持たない人が物理ストレージデバイスにアクセスできても、暗号化したパーティションにあるデータにアクセスできなくなります。ほとんどの場合、少なくとも
/home
パーティションは暗号化してください。 - システムにインストールされるカーネルは、それぞれ
/boot
パーティション上に約 56 MB の領域を必要とします。- 32 MB initramfs
- 14 MB kdump initramfs
- 3.5 MB のシステムマップ
- 6.6 MB vmlinuz
注記レスキューモードの場合、initramfs
およびvmlinuz
には 80 MB が必要です。ほとんどの一般的な用途では、/boot
のデフォルトパーティションサイズである 1 GiB で十分です。ただし、複数のカーネルリリースまたはエラータカーネルを保持する予定がある場合は、このパーティションのサイズを増大させることが推奨されます。 /var
ディレクトリーには、Apache web サーバーなど複数のアプリケーションのコンテンツが収納されます。また、ダウンロードした更新パッケージの一時的な保存にも使用されます。/var
ディレクトリーを持たせるパーティションには、ダウンロードした更新パッケージの一時的な保存や他のコンテンツの収納ができるよう十分な領域を確保してください。- PackageKit 更新ソフトウェアにより、デフォルトで更新パッケージが
/var/cache/yum/
にダウンロードされます。/var
用に別途パーティションやボリュームを作成する場合は、ダウンロードしたパッケージ更新を収納できるよう少なくとも 3GB のサイズにしてください。 /usr
ディレクトリーには、Red Hat Enterprise Linuxnbsp;Hat Enterprise Red Hat Enterprise Linuxnbsp;Linux システムでほとんどのソフトウェアコンテンツを保持します。デフォルトのソフトウエア一式をインストールするには、少なくとも 5 GB の領域を割り当ててください。システムをソフトウェア開発用ワークステーションとして使用する場合には、最低でも 10GB の領域を割り当てます。/usr
または/var
のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際にDevice is busy
のエラーでハングしたりする可能性があります。これらの制限は/usr
と/var
のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www
向けの個別パーティションは問題なく機能します。- LVM ボリュームグループ内の一部領域を未割り当てのまま残しておくことを検討してください。このように未割り当ての領域を残すことで、領域の要件が変化しても、他のボリュームからデータを削除してストエージを再割り当てることを避ける場合など、柔軟性が得られます。また、パーティションに シンプロビジョニング デバイスタイプを選択し、ボリュームに未使用の領域を自動的に処理させることもできます。
- サブディレクトリーをパーティションに分割する場合は、現行システムに新しいバージョンの Red Hat Enterprise Linuxnbsp;Hat Enterprise Linuxnbsp;Linux をインストールする場合は、これらのサブディレクトリーのコンテンツを保持することができます。たとえば、
/var/lib/mysql
内で MySQL データベースを実行する予定の場合には、このディレクトリー用のパーティションを別途に作成し、再インストールが必要な事態に備えることができます。 - ブートローダーが GPT (GUID パーティションテーブル) を使用する BIOS システムには、1 MiB の
biosboot
パーティションを作成する必要があります。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。 - UEFI システムには、EFI System Partition ファイルシステムを格納する
/boot/efi/
のマウントポイントがある小さなパーティションが必要です。推奨サイズは 200 MiB です。これは自動パーティションを設定する場合のデフォルト値です。