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18.15.3. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、I will configure partitioning のオプションを選択してインストール先を Done すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで、Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを定義します。
警告
Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

図18.19 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定の画面
手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。
注記
ディスクパーティションに関する推奨事項および補足情報は、付録A ディスクパーティションの概要「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。少なくとも、適切なサイズのルートパーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。
どのデバイスが /boot に関連付けられているか注意してください。カーネルファイルとブートローダーセクターは、このデバイスに関連付けられます。最初の DASD または SCSI LUN が使用され、そのデバイス番号がインストール後のシステムを再度 IPL ブートする時に使用されます。

18.15.3.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールで最低限必要なパーティションは 1 つですが、Red Hat は、少なくとも //home/bootswap のパーティションまたはボリュームを使用することを推奨します。必要に応じて、その他のパーティションやボリュームを作成することもできます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
注記
(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成する場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから任意のパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成されます。これにより、/boot パーティション、/ (ルート) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
または、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成します。これで、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (ルートパーティションに /、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空の領域がすべて使用されることになります。これらの詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。
注記
領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 のダイアログが開きます。1 つ以上のデバイスを選択し、選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。

図18.20 マウントポイントの設定

マウントポイントの設定
全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。

図18.21 ディスクの再スキャン

ディスクの再スキャン
画面下部のリンクでは、インストール先 で選択したストレージデバイスの数が表示されます (を参照 「インストール先」)。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。

図18.22 パーティションのカスタマイズ

パーティションのカスタマイズ
  • マウントポイント: ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は / を入力します。/boot ファイルシステムの場合は /boot などと入力します。swap ファイルシステムの場合は、マウントポイントを設定しないでください。ファイルシステムタイプを swap に設定するだけで十分です。
  • 割り当てる容量: ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ: Standard PartitionLVMRAIDLVM Thin Provisioning または BTRFSのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID Level も設定できます。同様に、LVM を選択した場合は、ボリュームグループを指定できます。
  • ファイルシステム: ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル: パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前: LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細は、「ファイルシステムのタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが表示されます。これにはパーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ調整、削除が含まれます。全変更を確認し、前に戻る場合は Cancel & Return to Custom Partitioning をクリックします。変更を適用する場合は、Accept Changes をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。
重要
/usr または /var のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合など、一部の状況では、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
18.15.3.1.1. ファイルシステムのタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプとファイルシステムを作成できます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション: 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM): LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームを作成する方法は、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
  • LVM thin provisioning: シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは、ストレージ領域をコスト効率よく割り当てる必要がある場合に、動的に拡張できます。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
    注記
    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用に要求した領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に確保します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID: 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスを作成するには、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。

ファイルシステム

  • XFS: 最大 16 EiB (約 160 億 GiB) のファイルシステム、最大 8 EiB (約 80 億 GiB) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、スケーラビリティーと性能が高いファイルシステムです。XFS は、クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、XFS ファイルシステムは、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。このファイルシステムはデフォルトで選択されており、強くお勧めします。以前使用された ext4 ファイルシステムから XFS に共通のコマンドを変換する方法は、付録F ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux で XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、500 TiB です。
  • ext4: ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。
    Red Hat Enterprise Linux で ext4 ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、50 TiB です。
  • ext3: ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2: ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat: VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap: Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits 」のページをご覧ください (https://access.redhat.com/site/articles/rhel-limits)。