25.4. VMware での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用

VMware vSphere は、仮想マシンのリソースをデプロイし、管理する方法を提供します。本セクションでは、VMware vSphere クライアントを使用して Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を稼働する方法について説明します。本セクションの例では、ISO イメージが Red Hat Enterprise Linux 7 システム上に作成され、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host が単一 ESXi 5.5 ハイパーバイザーとして設定された VMware vSphere で稼働し、vCenter ホストが Microsoft Windows システム上で稼働しています。

25.4.1. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host イメージの取得

VMware vSphere 上で稼働可能な Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の仮想マシンイメージを作成するには、まず 1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード にあるように VMware 向けの Red Hat Enterprise Linux Atomic Host OVA ファイルをダウンロードします。
vSphere OVA プラグインには、設定可能なネットワークコントローラーと SCSI コントローラーがあります。
設定可能なパラメーターは以下のようになります。
vsphere_scsi_controller_type - Valid settings are:
                                 "lsilogic" and "VirtualSCSI"

  vsphere_network_controller_type - Valid settings are:
                                    "E1000" and "VmxNet3"
これらのパラメーターを明示的に設定しないと、デフォルトの準仮想化以外の設定が使用されます。SCSI コントローラーの準仮想化以外の設定は、"lsilogic" になります。ネットワークコントローラーの準仮想化以外の設定は "E1000" です。

25.4.2. cloud-init ISO ファイルの作成

cloud-init ISO イメージには Red Hat Enterprise Linux Atomic Host システムの設定に使用する情報が含まれ、これを作成する必要があります。この情報にはホスト名、ユーザー名、パスワードおよびその他の設定が含まれます。以下の手順で必要な設定情報と ISO イメージを作成します。

手順25.2 cloud-init ISO ファイルの作成

  1. cloud-init meta-data ファイルの作成
    最終的なインストールの設定オプションは、cloud-init 設定ファイルのペアで決定されます。最初のインストール設定ファイルにはメタデータが含まれます。このファイルをテキストエディターで作成し、meta-data という名前にします。このファイルは、インストールされる Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインスタンスを特定します。instance-id は名前を特定するものにし、local-hostname はサイト標準に準拠するホスト名にします。例を示します。
    instance-id: Atomic0
    local-hostname: atomic-00
    
  2. cloud-init user-data ファイルの作成
    2 つ目のインストール設定ファイルは、ユーザーデータファイルになります。このファイルは、システム上のユーザーについての情報を提供します。このファイルをテキストエディターで作成し、user-data という名前にします。このファイルを使用することで、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストールのアクセスできるようになります。デフォルトでは、root ユーザーがパスワードでロックされ、このステップを省略するとログインできなくなります。以下は、user-data ファイルの例です。
    #cloud-config
    password: atomic
    chpasswd: {expire: False}
    ssh_pwauth: True
    ssh_authorized_keys:
      - ssh-rsa AAA...SDvz user1@yourdomain.com
      - ssh-rsa AAB...QTuo user2@yourdomain.com
    
    この user-data ファイルは、デフォルトのユーザーである cloud-user がパスワードか SSH キーでログインできるようにします。これら両方の使用は可能ですが、必須ではありません。パスワードによるログインは、passwordchpasswd の行で有効になります。パスワードは、cloud-user ユーザーのプレーンテキストのパスワードが含まれます。chpasswd の行はパスワードの有効期間をオフにし、初回ログイン時にパスワード変更が求められないようにします。これは、任意のものです。パスワードを設定する場合は、プレーンテキストで保存されていることから、初回ログイン時に変更することが推奨されます。
    SSH ログインは最後の 3 行で有効になります。ssh_pwauth の行が SSH ログインを有効にし、ssh_authorized_keys の行が 1 つ以上の認証キーのブロックを開始します。ssh-rsa の行に記載されている公開 SSH キーは、cloud-user ~/.ssh/authorized_keys ファイルに追加されます。この例では、2 つのキーが記載されており、キーは短縮されています。実際には、公開キー全体を記載する必要があります。ssh-rsa 行は 2 つの空白で始まり、その後にハイフンとさらにもう 1 つの空白を続ける必要があります。
  3. ISO ファイルの作成
    ファイルが完成したら、ISO イメージにパッケージ化します。この ISO イメージは、仮想マシンで仮想設定 CD として使用されます。ここでは ISO イメージを atomic0-cidata.iso という名前にし、Red Hat Enterprise Linux 上で以下のコマンドで作成します。
    # genisoimage -output atomic0-cidata.iso -volid cidata -joliet -rock user-data meta-data
  4. 作成した ISO イメージを VMware を稼働しているホストに転送します。

25.4.3. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを VMware に設定する

以下の手順で Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を VMware vSphere クライアントで稼働させます。
  1. 先に作成した ISO イメージを VMware vSphere データストアに追加します。
  2. OVA ファイルを OVF テンプレートとして vSphere にデプロイします。
  3. ISO イメージを CD/DVD ドライブとして vSphere テンプレートにアタッチします。
  4. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを稼働させます。

注記

この手順は VMware vSphere に精通している読者を対象としたものです。また、VMware vSphere の特定バージョンを想定したものではありません。
イメージをデータストアに追加する
  1. VMware vSphere クライアントを開きます。
  2. 左のペインで Datastores にアクセスします。
  3. ターゲットのデータストアを選択します。
  4. Browse this datastore を選択します。
  5. フォルダーアイコンを選択し、新規フォルダーを作成します。この例では、atomic01/ という 名前にします。
  6. 新規フォルダー atomic01/ をハイライト表示した状態で、GUI オプションを選択してデータをデータストア (およびフォルダー) にアップロードします。
  7. 先に作成した cloud-init ISO ファイルを検索し (例:atomic01-cid.iso)、これを選択してデータストアにアップロードします。同じ名前のファイルがデータストアに既にある場合は、これを上書きするか聞かれます。
  8. データストアのブラウザーを閉じます。
OVF テンプレートをデプロイする
  1. Home から InventoryHosts and Clusters オプションを選択します。
  2. File から Deploy OVF Template を選択します。
  3. rhel-atomic-cloud-7.1-6.x86_64.vsphere.ova といった OVA ファイルのある場所を検索して選択し、Open をクリックします。
  4. Next ボタンを選択します。OVF テンプレートの詳細画面が表示されます。
  5. OVF template details 画面から再度 Next を選択します。
  6. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンの名前を入力します。
  7. 仮想マシンを稼働させるホストまたはクラスターを選択して Next をクリックします。
  8. Disk Format オプションを選択します。デフォルトのままにしても構いません。Next をクリックします。
  9. 注記

    Power on after deployment チェックボックスは選択しないでください。これを選択すると仮想マシンが起動してしまいます。本来は、cloud-init ISO をアタッチした後に起動します。
    Finish をクリックしてテンプレートのデプロイを開始します。これは 2 分程度で完了します。
ISO イメージを CD/DVD として仮想マシンにアタッチする
  1. 新規に追加された Red Hat Enterprise Linux Atomic Host テンプレートを右クリックし、Edit Settings を選択します。(Virtual Machines タブを選択するか、ツリービューでサーバーを展開すると仮想マシンが表示されます。)
  2. Virtual Machine Properties ウィンドウから AddCD/DVD Drive と選択し、Next をクリックします。
  3. Use an ISO image オプションを選択して Next をクリックします。
  4. 先に作成した ISO イメージを検索し (この例では atomic0-cidata.iso)、これを選択して Next をクリックします。ISO は、アップロードしたデータストア内で作成したフォルダー内にあります。
  5. Advanced options が表示されたら、Next をクリックします。
  6. Ready to Complete 画面が表示されたら、Finish をクリックして設定を完了します。これで Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを稼働させる準備が整いました。
  7. OK をクリックして Properties 画面から出ます。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを稼働させる
  1. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを起動するには、これをハイライト表示して Power On ボタンを選択します。
  2. 仮想マシンが起動する際に Console タブを選択してこれを表示します。
ここまでの手順通りに Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を設定した場合は、cloud-init ISO の作成時に定義したユーザー名 cloud-user とパスワード atomic で仮想マシンにログインできます。