25.2. Red Hat Enterprise Virtualization 環境での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用

本セクションでは、Red Hat Enterprise Virtualization (RHEV) を使用して Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を稼働させる仮想マシンを作成する方法について説明します。

25.2.1. 概要

ここでは Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を Red Hat Enterprise Virtualization にインストールする 2 通りの方法を説明します。

25.2.1.1. .ova ベースのインストール

.ova ベースのインストール方法では Red Hat Enterprise Linux Atomic Host インストールの迅速なデプロイが可能になりますが、「ISO ベースのインストール」 に記載の .iso ベースのインストールに比べるとカスタマイズの幅は狭まります。
  1. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host .ova メディアを用意します。メディアのダウンロード方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。
  2. .ova ファイルを Red Hat Enterprise Virtualization Manager にコピーします。
  3. rhevm-image-uploader を使用して .ova ファイルをエクスポートストレージドメインにアップロードします。
  4. Red Hat Enterprise Virtualization インスタンスにアップロードした .ova ファイルから Red Hat Enterprise Linux のインスタンスを作成します。

25.2.1.2. ISO ベースのインストール

.iso ベースのインストールでは .ova ベースのインストールと比較して大幅なカスタマイズが可能になりますが、Atomic 環境をホストする仮想マシンの設定が必要になります。
  1. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストールメディアを用意して、Red Hat Enterprise Virtualization Manager のファイルシステムにコピーします。メディアのダウンロード方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。
  2. rhevm-image-uploader を使用して ISO イメージをご自分の Red Hat Enterprise Virtualization 環境のストレージドメインに追加します。
  3. アップロードされた Red Hat Enterprise Linux Atomic Host ISO イメージを新規の仮想マシンにアタッチして、仮想マシン上に Red Hat Enterprise Linux Atomic Host をインストールします。
  4. 新規に作成された Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを使用します。
詳細情報については、Red Hat Enterprise Virtualization のドキュメントを参照してください。

25.2.2. .ova ファイルからの Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール

以下のセクションでは、.ova (Open Virtualization Appliance) ソースから Red Hat Enterprise Virtualization に Red Hat Enterprise Linux Atomic Host をインストールする方法について説明します。これは 3 段階の操作になります。第 1 段階では、Red Hat Enterprise Virtualization 環境の エクスポートストレージドメイン内で .ova ファイルを展開し、パーミッションを設定することで Red Hat Enterprise Virtualization が展開したファイルの所有権を持つようにします。第 2 段階では、エクスポートドメインから仮想マシンのテンプレートを Red Hat Enterprise Virtualization 環境にエクスポートします。第 3 段階では、インポートされたテンプレートから仮想マシンを作成します。

25.2.2.1. rhevm-image-uploader で .ova ファイルをインポートする

この手順では、rhevnm-image-uploader を使って Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の仮想マシンテンプレートをエクスポートストレージドメインにアップロードします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager 環境内で以下のステップを実行してください。
  1. .ova ファイルを Red Hat Enterprise Virtualization Manager に転送します。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# scp filename.ova root@rhevm.hostname.com:/
  2. root で Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンにログインします。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# ssh root@rhevm.hostname.com
  3. .ova ファイルを転送したディレクトリーに移動します。この例では、ディレクトリーは root (/) としています。
    [RHEVM]# cd /
  4. 以下のコマンドを使用して .ova ファイルをエクスポートストレージドメインにアップロードします。
    [RHEVM]# rhevm-image-uploader -N imagename -e Export upload filename.ova
    -N imagename を含めることでイメージにヒューマンリーダブルなファイル名が付けられます。これを使用しないと、イメージの名前は長い英数字の文字列になります。また、エクスポートドメインの名前を "Export" で、.ova ファイルの名前を "filename.ova" で置き換えます。
  5. プロンプトが出たら、admin@internal oVirt エンジンユーザーの REST API パスワードを入力します。アップロードするファイルのサイズによっては、アップロードに時間がかかる場合があります。アップロードが成功するとコマンドプロンプトが表示されます。

25.2.2.2. Red Hat Enterprise Virtualization に仮想マシンテンプレートをインポートする

.ova ファイルが展開されて、含まれている仮想マシンのテンプレートでパーミッションを設定して Red Hat Enterprise Virtualization がそこで稼働できるようになったら、Administration Portal ユーザーインターフェースで Red Hat Enterprise Virtualization 環境に仮想マシンテンプレートをインポートします。この手順が完了したら、インポートしたテンプレートから仮想マシンが作成できるようになります。
  1. admin として Red Hat Enterprise Virtualization Manager Administrator Portal にサインインします。
  2. Red Hat Enterprise Virtualization Manager のユーザーインターフェースで、インターフェース上部にあるナビゲーションペイン内の ストレージ タブをクリックします。
  3. ナビゲーションペイン内のエクポートドメインの名前をクリックします。
  4. インターフェース下部にある詳細ペイン内の テンプレートのインポート タブをクリックします。
  5. インターフェース下部にある詳細ペイン内でインポートするファイル名をクリックします。
  6. 詳細 ペイン内の左上にある インポート をクリックします。
  7. テンプレートのインポート ウィンドウでインポートする仮想マシン名をクリックします。
  8. 右下の OK をクリックします。

25.2.2.3. ISO ドメインに cloud-init ISO を追加する

  1. cloud-init FAQ にある指示にしたがって、cloud-init ISO を作成します。
  2. Red Hat Enterprise Virtualization 環境内の RHEV Manager マシンに対してリモートとなっているマシンから、scp を使って cloud-init ISO を Red Hat Enterprise Virtualization 環境内の RHEV Manager マシンのファイルシステムにコピーします。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# scp atomic-cloud.iso root@rhevm.hostname.com:/
  3. root で Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンにログインします。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# ssh root@rhevm.hostname.com
  4. atomic-cloud.iso をアップロードしたディレクトリーに移動します。
    [RHEVM]# cd /
  5. rhevm-iso-uploader を使って cloud-init ISO を ISO ドメインにアップロードします。
    [RHEVM]# rhevm-iso-uploader --iso-domain=domain_name upload atomic-cloud.iso
  6. admin.として Red Hat Enterprise Virtualization Manager Administrator Portal にサインインします。
  7. Red Hat Enterprise Virtualization Manager ユーザーインターフェースのナビゲーションペインで ストレージ タブを選択します。
  8. インターフェース下部にある 詳細 ペインで イメージ タブを選択します。
  9. .iso ファイルが ISO ドメインにあることを確認します (存在する場合は、詳細 ペインの イメージ サブタブ内に表示されます)。

25.2.2.4. インポートしたテンプレートから仮想マシンを作成する

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンのテンプレートが展開され、Red Hat Enterprise Virtualization 環境にインポートされて cloud-init ISO ファイルが Red Hat Enterprise Virtualization ISO ドメインに用意されたことから、以下の手順で Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを作成することができます。
  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager ユーザーインターフェースにログインします。
  2. ナビゲーションペインの 仮想マシン タブを選択します。
  3. 新規仮想マシン をクリックします。
  4. 新規仮想マシン ウィンドウの テンプレートベース のドロップダウンメニューで、インポートした Red Hat Enterprise Linux Atomic Host テンプレート名を選択します。
  5. 新規仮想マシン ウィンドウで「名前」「説明」「コメント」の各フィールドに記入します。
  6. ブートオプション タブで 「CD をアタッチ」チェックボックスを選択し、この仮想マシンで使用するユーザー認証情報を含む cloud-init ISO を選択します。
  7. OK をクリックします。

25.2.3. ISO イメージからの Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール

25.2.3.1. ISO のアップロード

注記

本セクションは、ISO イメージから Red Hat Enterprise Linux Atomic Host システムをインストールする手順にのみ関連するもので、.ova ファイルからの Red Hat Enterprise Linux Atomic Host システムの作成には関係ありません。
  1. ISO ファイルを Red Hat Enterprise Virtualization Manager のファイルシステムに転送します。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# scp filename.iso root@rhevm.hostname.com:/
  2. root で Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンのバックエンドにログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Administrator Portal にログインする必要があるわけではありません。
    [a computer that is not the RHEV Manager]# ssh root@rhevm.hostname.com
  3. ISO ファイルを転送したディレクトリーに移動します。
    [RHEVM]# cd /
  4. Red Hat Enterprise Virtualization Manager 上の ISO ストレージドメインの名前を見つけます。この例では、ISO_DOMAIN となっています。
    # rhevm-iso-uploader list
    ISO Storage Domain Name   | Datacenter                | ISO Domain Status
    ISO_DOMAIN                | Default                   | active
    
  5. rhevm-iso-uploader を使って Red Hat Enterprise Linux Atomic Host インストール ISO イメージを Red Hat Enterprise Virtualization ストレージドメインにアップロードします。
    [RHEVM]# rhevm-iso-uploader upload -i ISO_DOMAIN filename.iso
Red Hat Enterprise Virtualization の ISO ドメインに ISO ファイルをアップロードする方法についての詳細情報は、Red Hat Enterprise Virtualization インストールガイド を参照してください。

25.2.3.2. Red Hat Enterprise Linux Atomic 仮想マシンの作成

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の ISO をお使いの Red Hat Enterprise Virtualization 環境の ISO ドメインにアップロードしたら、以下の手順を実行してアタッチされた仮想ブート CD で仮想マシンを作成します。
  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager にログインします。
  2. 仮想マシン タブをクリックします。
  3. 新規仮想マシン ボタンをクリックし、新規仮想マシン ウィンドウを開きます。
  4. ウィンドウ左下にある 詳細オプションを表示 ボタンをクリックします。
  5. 全般 タブで、名前とオペレーティングシステムのフィールドに入力します。その他のフィールドには、デフォルト値を使用するか、必要に応じて変更してください。
  6. ウィンドウ左下にある ブートオプション ボタンをクリックします。
  7. ブートシーケンス メニューで、1 番目のデバイス のドロップダウンメニューから CD-ROM を選択します。
  8. ブートシーケンス メニューで、2 番目のデバイス のドロップダウンメニューから ハードディスク を選択します。
  9. CD をアタッチ チェックボックスを選択します。
  10. CD をアタッチ のチェックボックスの右側にあるドロップダウンメニューで、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host インストール ISO の名前を選択します。
  11. 新規仮想マシン ウィンドウの右下の OK をクリックします。
  12. 新規仮想マシン - ガイド ウィンドウが開きます。Configure Network InterfacesConfigure Virtual Disks の 2 つのボタンが表示されます。
  13. Configure Network Interfaces をクリックします。
  14. New Network Interface ウィンドウが開きます。このウィンドウでのデフォルト値は仮想マシン向けの仮想ネットワークインターフェース作成に十分なものです。
  15. New Network Interface ウィンドウの右下にある OK ボタンをクリックします。
  16. 新規仮想マシン - ガイド ウィンドウで Configure Virtual Disks ボタンをクリックします。
  17. New Virtual Disk ウィンドウが開きます。Size (GB) フィールドに仮想ハードドライブのサイズをギガバイト単位で入力します。
  18. New Virtual Disk ウィンドウの右下の OK をクリックします。
  19. 新規仮想マシン - ガイド ウィンドウで右下にある Configure Later ボタンをクリックします。
上記で仮想マシンの作成方法、それに仮想 CD-ROM デバイスをアタッチさせる方法、仮想マシンに仮想ネットワークデバイスをアタッチさせる方法を説明してきました。Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を仮想マシンの仮想ハードドライブにインストールした後は、仮想マシンが CD-ROM からではなくハードドライブから起動するように仮想マシンの起動順序を変更することを忘れないでください。
この最後の手順が完了したら、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンの準備が整ったことになります。詳細情報は、 Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux Atomic Host スタートガイド の記事を参照してください。

25.2.4. 既知の問題

  • Red Hat Enterprise Virtualization の古いバージョンでは、.ova ファイルのインポートができない場合があります。詳細は、BZ#1162891 を参照してください。

25.2.5. 追加情報