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9.6.2. 配置ストラテジー

ノードが提供する容量と、リソースが必要とする容量を設定したら、placement-strategy クラスタープロパティーを設定する必要があります。これを設定しないと、容量を設定しても効果がありません。クラスターのプロパティーの詳細は 12章Pacemaker クラスターのプロパティー を参照してください。
placement-strategy クラスタープロパティーには、4 つの値を使用できます。
  • default - 使用率の値は全く考慮されません。リソースは、割り当てスコアに従って割り当てられます。スコアが同じであれば、リソースはノード間で均等に分散されます。
  • utilization - 使用率の値は、ノードが適格と見なされるかどうか (つまり、リソースの要件を満たすのに十分な空き容量があるかどうか) を決定する場合にのみ考慮されます。負荷分散は、ノードに割り当てられたリソースの数に基づいて行われます。
  • balanced - 使用率の値は、ノードがリソースを提供する資格があるかどうかを判断する際、および負荷分散する際に考慮されるため、リソースのパフォーマンスを最適化する方法でリソースを分散しようとします。
  • minimal - 使用率の値は、ノードがリソースを提供する資格があるかどうかを決定する場合に限り考慮されます。負荷分散は、できるだけ少ないノードにリソースを集中させて、残りのノードで電力を節約できるようにします。
以下の例のコマンドでは、placement-strategy の値を balanced に設定します。このコマンドを実行すると、Pacemaker は、複雑な一連のコロケーション制約を使用せずに、リソースからの負荷がクラスター全体に均等に分散されるようにします。
# pcs property set placement-strategy=balanced