第6章 Google Cloud Platform での Red Hat High Availability クラスターの設定
本章では、Google Compute Engine (GCE) 仮想マシンインスタンスをクラスターノードとして使用して、Google Cloud Platform (GCP) に Red Hat High Availability (HA) クラスターを設定する情報および手順を説明します。
本章には、GCP の環境を設定するための前提条件の手順が含まれています。環境を設定したら、GCP 仮想マシンインスタンスを作成および設定できます。
本章では、個別のノードを GCP の HA ノードのクラスターに変換する HA クラスターの作成に固有の手順も説明します。これには、各クラスターノードに高可用性パッケージおよびエージェントをインストールし、フェンシングを設定し、GCP ネットワークリソースエージェントをインストールする手順が含まれます。
この章では、GCP のドキュメントを参照している箇所が多数あります。詳細は、記載の GCP ドキュメントを参照してください。
前提条件
- GCP ソフトウェア開発きっと (SDK) をインストールする必要があります。詳細は、Google クラウド SDK のインストール を参照してください。
- Red Hat Cloud Access プログラム でサブスクリプションを有効にします。Red Hat Cloud Access プログラムでは、Red Hat のサブスクリプションを、物理システムまたはオンプレミスシステムから、Red Hat のフルサポートのある GCP へ移動できます。
- アクティブな GCP プロジェクトに属し、プロジェクトでリソースを作成するのに十分なパーミッションを持っている必要があります。
- プロジェクトには、個別ユーザーではなく、仮想マシンインスタンスに属する サービスアカウント が必要です。別のサービスアカウントを作成する代わりに、デフォルトのサービスアカウントを使用する方法は、Using the Compute Engine Default Service Account を参照してください。
またはプロジェクト管理者がカスタムサービスアカウントを作成する場合、サービスアカウントは以下のロールに設定する必要があります。
- クラウドトレースエージェント
- コンピュート管理者
- コンピュートネットワーク管理者
- クラウドデータベースユーザー
- ロギング管理者
- 監視エディター
- 監視メトリックライター
- サービスアカウント管理者
- ストレージ管理者
関連情報
- Support Policies for RHEL High Availability Clusters - Google Cloud Platform Virtual Machines as Cluster Members
- Support Policies for RHEL High Availability clusters - Transport Protocols
- VPC network overview
- Exploring RHEL High Availability's Components, Concepts, and Features - Overview of Transport Protocols
- Design Guidance for RHEL High Availability Clusters - Selecting the Transport Protocol
- Quickstart for Red Hat and Centos
6.1. GCP での Red Hat Enterprise Linux イメージオプション
以下の表には、イメージの選択肢を記載し、イメージオプションの相違点を示しています。
表6.1 イメージオプション
イメージオプション | サブスクリプション | サンプルシナリオ | 留意事項 |
---|---|---|---|
GCP に移動するカスタムイメージをデプロイすることを選択する | 既存の Red Hat サブスクリプションを活用する | Red Hat Cloud Access プログラム を使用してサブスクリプションを有効にし、カスタムイメージをアップロードし、サブスクリプションを割り当てます。 | その他のすべてのインスタンスコストを支払うことになりますが、サブスクリプション自体には Red Hat 製品コストが含まれます。 GCP に移行するカスタムイメージは、既存の Red Hat サブスクリプションを活用するため、クラウドアクセスイメージと呼ばれています。Red Hat は、クラウドアクセスイメージを直接サポートします。 |
RHEL を含む既存の GCP イメージをデプロイすることを選択する | GCP イメージには、Red Hat 製品が含まれる | GCP Compute Engine でインスタンスを起動する時に RHEL イメージを選択するか、Google Cloud Platform Marketplace からイメージを選択します。 | 従量課金モデルでは、GCP に 1 時間ごとに支払います。このようなイメージはオンデマンドイメージと呼ばれています。GCP は、サポート契約に基づいてオンデマンドイメージのサポートを提供します。 |
オンデマンドインスタンスは、Red Hat Cloud Access インスタンスに変換できません。オンデマンドイメージから Red Hat Cloud Access bring-your-own subscription (BYOS) イメージに変更するには、Red Hat Cloud Access インスタンスを新たに作成し、オンデマンドインスタンスからデータを移行します。データを移行した後に、オンデマンドのインスタンスをキャンセルして二重請求を回避します。
本章の残りの部分には、カスタムイメージに関する情報および手順が記載されています。