4.11. サーバーおよびサービス
chrony
がバージョン 3.4 にリベースされました。
chrony
パッケージがアップストリームバージョン 3.4 にアップグレードされ、以前のバージョンのバグ修正および機能拡張が数多く追加されました。主な改善点は以下の通りです。
- ハードウェアタイムスタンプのサポートが改善されました。
- サポートされるポーリング間隔の範囲が広がりました。
- NTP ソースにバーストおよびフィルターオプションが追加されました。
-
chronyd -q
コマンドがシステムサービスが破損しないように、pid ファイルを移動しました。 - NTPv1 クライアントとの互換性が修正されました。
GNU が ISO-8859-15 エンコードに対応しました。
今回の更新で、ISO-8859-15 エンコードへの対応が GNU enscript プログラムに追加されました。
ghostscript
がバージョン 9.25 にリベースされました。
ghostscript
パッケージがアップストリームバージョン 9.25 にアップグレードされ、以前のバージョンに対するバグ修正や機能強化が数多く追加されました。
(BZ#1636115)
libssh2
パッケージがバージョン 1.8.0 にリベースされました。
今回の更新で、libssh2
パッケージがバージョン 1.8.0 にリベースされました。
このバージョンには以下が含まれます。
- HMAC-SHA-256 および HMAC-SHA-512 のサポートを追加
- diffie-hellman-group-exchange-sha256 キー交換のサポートを追加
- コード内の小さなバグを多数修正
(BZ#1592784)
ReaR の更新
ReaR が新しいバージョンに更新されました。以前のバージョンに対する主なバグ修正および機能強化は、以下のとおりです。
- バックアップメカニズムで同じ名前の追加のライブラリーが必要な場合は、システムが提供する共有ライブラリーが ReaR レスキューシステムに正しく追加されるようになりました。NetBackup バイナリーの検証は正しいライブラリーを使用して実行されるため、レスキューイメージの作成時に検証が失敗しなくなりました。これにより、ReaR で NetBackup をバックアップメカニズムとして使用できるようになりました。これは、NetBackup 8.0.0 より前の NetBackup バージョンにのみ適用されることに注意してください。現在、解決できない問題があるため、NetBackup 8.0.0 以降のバージョンを使用できないことに注意してください。
マルチパスデバイスが多数ある場合にレスキューイメージの作成が速くなりました。デバイスのスキャンは、以下の方法で改善しました。
- スキャンはキャッシュを使用して、マルチパスデバイスのクエリーを複数回回避します。
- スキャンは、device-mapper 特定情報に対してのみ device-mapper デバイスをクエリーします。
- スキャンは、FibreChannel デバイスに関する情報を収集しないようにします。
複雑なネットワーク設定に影響を及ぼす ReaR の複数のバグが修正されました。
-
Link Aggregation Control Protocol(LACP)設定は、チーミングまたは
SIMPLIFY_BONDING
オプションでボンディングを LACP と共に使用する場合に、レスキューシステムで正しく復元されるようになりました。 -
ReaR は、ネットワークインターフェースの名前が
ethX
などの標準名からカスタム名に名前が変更された場合に、レスキューシステムのインターフェースの設定を正しく復元するようになりました。 - ReaR は、ボンディングまたはチーミングが使用される場合に、ネットワークインターフェースの正しい MAC アドレスを記録するように修正されました。
-
Link Aggregation Control Protocol(LACP)設定は、チーミングまたは
- ReaR は、レスキューイメージの保存時にエラーを正しく報告するように修正されました。以前のバージョンでは、このようなエラーにより、使用不可能なレスキューイメージの作成のみが発生していました。この修正により、このような場合に ReaR が失敗するようになり、問題を適切に調査できるようになりました。
- 512 バイトとは異なる論理セクターサイズを持つディスク用のディスクレイアウトの計算が修正されました。
- ReaR は、複数の起動可能なディスクを使用する IBM Power Systems のリストア中にブートリストを正しく設定するようになりました。
-
ReaR は、
TMPDIR
環境変数を使用して別の一時ディレクトリーが指定されている場合に、その一時ディレクトリーをバックアップから適切に除外するようになりました。 -
ReaR は、ISO イメージ生成の
genisoimage
パッケージではなく、xorriso
パッケージに依存するようになりました。これにより、4 GB を超えるファイルでイメージを作成できます。これは、特に組み込みバックアップでイメージを作成する際に発生します。
(BZ#1652828, BZ#1652853,BZ#1631183, BZ#1610638, BZ#1426341,BZ#1655956,BZ#1462189,BZ#1700807)
tuned
がバージョン 2.11 にリベースされました。
tuned
パッケージがアップストリームバージョン 2.11 にアップグレードされ、以前のバージョンのバグ修正および機能拡張が数多く追加されました。主な改善点は以下の通りです。
- ブートローダー仕様(BLS)のサポートが追加されました。(BZ#1576435)
-
mssql
プロファイルが更新されました。(BZ#1660178) -
virtual-host
プロファイルが更新されました。(BZ#1569375) - CPU 除外の range 機能が追加されました。(BZ#1533908)
-
tuned
サービスがハングアップシグナル(SIGHUP)を検出すると、プロファイルの設定が自動的に再読み込みされるようになりました。(BZ#1631744)
変更の完全リストは、アップストリームの git log: https://github.com/redhat-performance/tuned/commits/v2.11.0を参照してください。
新しいパッケージ: xorriso
Xorriso は、ISO 9660 イメージを作成および操作するためのプログラムであり、CD-ROM または DVD-ROM を記述します。このプログラムには xorrisofs
コマンドが含まれます。これは、genisoimage
ユーティリティーの代わりとなるコマンドです。xorrisofs
コマンドは、genisoimage
と互換性があり、genisoimage
に対して複数の機能強化を提供します。たとえば、xorrisofs
の場合、最大ファイルサイズは 4 GB に制限されなくなりました。Xorriso はバックアップに適しており、リカバリーおよびシステム移行ユーティリティーである Relax-and-Recover(ReaR)で使用されます。
(BZ#1638857)