Red Hat Training

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第39章 クラスタリング

pcs ツールが Pacemaker でバンドルリソースを管理

Pacemaker が、Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降のテクノロジープレビューとして、必要とされるインフラストラクチャーを使用する Docker コンテナーを起動する特別な構文に対応します。Pacemaker バンドルを作成したら、バンドルがカプセル化する Pacemaker リソースを作成できます。コンテナーの Pacemaker サポートの詳細は https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/7/html-single/high_availability_add-on_reference/ を参照してください。
テクノロジープレビューであるこの機能には 1 つの例外があります。RHEL 7.4 以降、Red Hat は、Red Hat Openstack Platform (RHOSP) デプロイメントで Pacemaker バンドルの使用を完全にサポートします。(BZ#1433016)

新しい fence-agents-heuristics-ping フェンスエージェント

Pacemaker は、テクノロジープレビューとして fence_heuristics_ping エージェントに対応するようになりました。このエージェントの目的は、実際にはフェンシングを行わず、フェンシングレベルの動作を新しい方法で活用する実験的なフェンスエージェントのクラスを開くことです。
ヒューリスティックエージェントが、実際のフェンシングを行うフェンスエージェントと同じフェンシングレベルで設定されいて、そのエージェントよりも順番が前に設定されているとします。その場合、フェンシグを行うエージェントで off 操作を行う前に、ヒューリスティックエージェントで、この操作を行います。このヒューリスティックエージェントが off アクションに対して失敗する場合、このフェンシングレベルが成功しないのはすでに明らかです。そのため、Pacemaker フェンシングは、フェンシングを行うエージェントで off 操作を行うステップをスキップします。ヒューリスティックエージェントはこの動作を利用して、特定の条件下で、実際のフェンシングを行うエージェントがフェンシングできないようにできます。
サービスを適切に引き継ぐことができないことを事前に把握できる場合は、ノードがピアをフェンシングする意味がないのであれば、ユーザーは特に 2 ノードクラスターでこのエージェントを使用できます。たとえば、ネットワークアップリンクに到達してサービスがクライアントに到達できない場合は、ノードがサービスを引き継ぐ意味はありません。これは、ルーターへの ping が検出できる状況が考えられます。(BZ#1476401)

テクノロジープレビューとして corosync-qdevice でサポートされるヒューリスティック

ヒューリスティックは、起動、クラスターメンバーシップの変更、corosync-qnetd への正常な接続でローカルに実行され、任意で定期的に実行される一連のコマンドです。すべてのコマンドが時間どおりに正常に終了すると (返されるエラーコードがゼロである場合)、ヒューリスティックは渡されますが、それ以外の場合は失敗します。ヒューリスティックの結果は corosync-qnetd に送信され、クオーラムとなるべきパーティションを判断するための計算に使用されます。(BZ#1413573, BZ#1389209)

新しい LVM および LVM ロックマネージャーリソースエージェント

Red Hat Enterprise Linux 7.6 では、lvmlockd および LVM-activate の 2 つのリソースエージェントがテクノロジープレビューとして新たに導入されました。
LVM-activate エージェントは、以下の複数の選択肢から、クラスター全体の LVM 管理方法を選択します。
  • タグ付け: 既存の lvm リソースエージェントを使用したタグ付けと同じ
  • clvmd: 既存の lvm リソースエージェントを使用した clvmd と同じ
  • システム ID - ボリュームグループのフェイルオーバーに対してシステム ID を使用する新たなオプション (タグ付けの代替手段)
  • lvmlockd: ボリュームグループの共有で lvmlockd および dlm を使用するための新しいオプション (clvmd の代替手段)
lvmlockd を使用するように LVM-activate を設定している場合は、lvmlockd デーモンを起動するのに新たな lvmlockd リソースエージェントを使用します。
lvmlockd および LVM に対応したリソースエージェントの詳細は、両エージェントの PCS ヘルプ画面を参照してください。LVM を設定して lvmlockd で使用する方法は、man ページの lvmlockd(8) を参照してください。(BZ#1513957、BZ#1634729)