Red Hat Training
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第18章 ストレージ
NVMe
ドライバーがバージョン 4.17-rc1 にリベースされました
NVMe
ドライバーはアップストリームバージョン 4.17-rc1 にリベースされ、以前のバージョンに比べて多くのバグ修正と機能強化が提供されています。注目すべき変更点は次のとおりです。
- リモートダイレクトメモリーアクセス (RDMA) 上の Nonvolatile Memory Express (NVMe) のエラー処理の改善を追加しました。
- RDMA トランスポート経由の接続を維持するための修正を追加しました
このドライバーは、データ整合性フィールド/データ整合性拡張機能 (DIF/DIX) 保護情報の実装をサポートしておらず、NVMe-over-Fabrics トランスポート上のマルチパスもサポートしていないことに注意してください。(BZ#1515584)
NVMe/FC は Broadcom Emulex ファイバーチャネルアダプターで完全にサポートされています
NVMe over Fibre Channel (NVMe/FC) トランスポートタイプは、Broadcom Emulex ファイバーチャネル 32Gbit アダプターと使用する場合、イニシエーターモードで完全にサポートされるようになりました。
Red Hat Enterprise Linux に同梱されていた RDMA (Remote Direct Memory Access) プロトコルに加えて、NVMe over Fibre Channel が、NVMe (Nonvolatile Memory Express) プロトコルのファブリックトランスポートタイプとして追加されました。
lpfc
ドライバーで NVMe/FC を有効にするには、/etc/modprobe.d/lpfc.conf
ファイルに以下のオプションを追加します。
lpfc_enable_fc4_type=3
この機能は、Red Hat Enterprise Linux 7.5 のテクノロジープレビューとして導入されました。
lpfc
以外のドライバーはまだテクノロジープレビューのままです。詳細については、テクノロジープレビューの部分を参照してください。
その他の制限:
- NVMe/FC は、マルチパスに対応していません。https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1622154 を参照してください。
- kernel-alt パッケージは NVMe/FC をサポートしていません。
- NVMe/FC は、
kdump
に対応していません。https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1654433 を参照してください。 - SAN (Storage Area Network) の NVMe/FC からのシステム起動には対応していません。https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1654435 を参照してください。
- ストレージデバイスフェンシングは NVMe では使用できません。https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1519009 を参照してください。(BZ#1584753)
DM Multipath でプロトコルごとにパスのブラックリストまたはホワイトリストが可能になりました
Device Mapper Multipath (DM Multipath) は、
blacklist
および blacklist_Exceptions
設定セクションの protocol 設定オプションをサポートするようになりました。これにより、scsi
や nvme
など、使用するプロトコルに基づいてパスをブラックリストまたはホワイトリストに登録できます。SCSI デバイスの場合は、scsi:fcp
または scsi:iscsi
などのトランスポートを指定することもできます。(BZ#1593459)
パス障害を表示するために 、multipathd show paths format コマンドに新しい %0
ワイルドカードが追加されました
multipathd show paths format コマンドは、パス障害を表示するための
%0
ワイルドカードをサポートするようになりました。このワイルドカードのサポートにより、ユーザーはマルチパスデバイスでどのパスに障害が発生したかを追跡しやすくなります。(BZ#1554516)
新しい all_tg_pt
マルチパス設定オプション
multipath.conf
設定ファイルの defaults
セクションと devices
セクションで、all_tg_pts
パラメーターがサポートされるようになりました。デフォルトは no
です。mpathpersist
がキーを登録するときにこのオプションが yes
に設定されていると、1 つのホストから 1 つのターゲットポートに登録されたキーは、1 つのホストからすべてのターゲットポートに送信されるものとして扱われます。一部のアレイ、特に EMC VNX は、予約を 1 つのホストとすべてのターゲットポートの間として扱います。mpathpersist
が同じように機能しないと、予約の競合が発生します。(BZ#1541116)
DIF/DIX (Data Integrity Field/Data Integrity Extension) への対応
DIF/DIX は、ハードウェアベンダーが認定しており、RHEL 上の特定の HBA およびストレージアレイ設定を完全にサポートしている場合に限り、完全にサポートされます。DIF/DIX は他の設定ではサポートされません。ブートデバイスでの使用はサポートされておらず、仮想化ゲストでもサポートされていません。Red Hat は、DIF/DIX が有効な場合の ASMLib の使用をサポートしません。DIF/DIX は、ストレージデバイスで有効/無効になります。これは、そのアプリケーションまでのさまざまな層 (そのアプリケーションも含む) に関与します。ストレージデバイスで DIF をアクティベートする方法は、デバイスによって異なります。
DIF/DIX 機能の詳細は DIF/DIX (別名 PI) はどのような機能ですか ? Red Hat のサポート対象ですか ? を参照してください。(BZ#1649493)