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第49章 ストレージ

SCSI 向けのマルチキュー I/O スケジューリング

Red Hat Enterprise Linux 7 には、blk-mq と呼ばれるブロックデバイス用の新しいマルチキュー I/O スケジューリングメカニズムが同梱されています。scsi-mq パッケージにより、Small Computer System Interface (SCSI) サブシステムが、この新しいキューイングメカニズムを利用できるようになります。この機能はテクノロジープレビューのため、デフォルトでは有効になっていません。有効にする場合は scsi_mod.use_blk_mq=Y をカーネルコマンドラインに追加します。
blk-mq は、パフォーマンスを改善するために導入されていますが (特に低レイテンシーデバイス向け)、常にパフォーマンスが改善することは保証されていません。具体的には、特に CPU が多いシステムで scsi-mq を有効にすると、パフォーマンスが大幅に低下する場合があります。(BZ#1109348)

libStorageMgmt API の Targetd プラグイン

Red Hat Enterprise Linux 7.1 から、ストレージアレイから独立した API である libStorageMgmt を使用したストレージアレイの管理が完全サポートされています。提供される API は安定性と整合性を備え、開発者は異なるストレージアレイをプログラム的に管理し、ハードウェアアクセラレーション機能を使用できます。また、システム管理者は libStorageMgmt を使用して手動でストレージを設定したり、コマンドラインインターフェイスを使用してストレージ管理タスクを自動化したりできます。
Targetd プラグインは完全サポートされず、引き続きテクノロジープレビューとして提供されます。(BZ#1119909)

DIF/DIX (Data Integrity Field/Data Integrity Extension) への対応

DIF/DIX は、SCSI 標準に新しく追加されたものです。これは、Red Hat Enterprise Linux 7 では、機能の章で指定されている HBA およびストレージアレイに対して完全に対応していますが、その他の HBA およびストレージアレイはテクノロジープレビューのままとなっています。
DIF/DIX により DIF (Data Integrity Field) が追加され、一般的に使用される 512 バイトのディスクブロックのサイズが 520 バイトに増えます。DIF は、書き込みの発生時に HBA (Host Bus Adapter) により算出されるデータブロックのチェックサム値を保存します。その後、受信時にストレージデバイスがチェックサムを確認し、データとチェックサムの両方を保存します。読み取りが発生すると、チェックサムが、ストレージデバイス、および受信する HBA により検証されます。(BZ#1072107)