Red Hat Training

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第50章 仮想化

KVM ゲスト用の USB 3.0 サポート

Red Hat Enterprise Linux 7.4 では、KVM ゲスト向けの USB 3.0 ホストアダプター (xHCI) エミュレーションが引き続きテクノロジープレビューとなります。(BZ#1103193)

一部の Intel ネットワークアダプターが Hyper-V のゲストとして SR-IOV をサポート

Hyper-V で実行している Red Hat Enterprise Linux ゲスト仮想マシン用の今回の更新では、新しい PCI パススルードライバーにより、ixgbevf ドライバーでサポートされている Intel ネットワークアダプターの Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) 機能を使用できるようになります。この機能は、以下の条件が満たされた場合に有効になります。
  • ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) に対して SR-IOV サポートが有効になっている
  • 仮想 NIC の SR-IOV サポートが有効になっている
  • 仮想スイッチの SR-IOV サポートが有効になっている
NIC の VF (Virtual Function) は、仮想マシンに接続されている
この機能は現在、Microsoft Windows Server 2016 でサポートされています。(BZ#1348508)

VFIO ドライバーの No-IOMMU モード

今回の更新により、VFIO (Virtual Function I/O) ドライバーの No-IOMMU モードがテクノロジープレビューとして追加されました。No-IOMMU モードは、I/O メモリー管理ユニット (IOMMU) を使用せずに直接メモリーアクセス (DMA) 対応デバイスへの完全なユーザー空間 I/O (UIO) アクセスを提供します。しかし、このモードはサポートされないだけでなく、IOMMU で提供される I/O 管理機能がないため、安全に使用することができません。(BZ#1299662)

ibmvnic デバイスドライバーが追加されました。

ibmvnic デバイスドライバーは、Red Hat Enterprise Linux 7.3 for IBM POWER アーキテクチャーでテクノロジープレビューとして導入されました。vNIC (Virtual Network Interface Controller)は、エンタープライズ機能を提供し、ネットワーク管理を簡素化する新しい PowerVM 仮想ネットワークテクノロジーです。SR-IOV NIC と組み合わせると、仮想 NIC レベルで帯域幅制御サービス品質 (QoS) 機能が提供される、高性能で効率的な技術です。vNIC は、仮想化のオーバーヘッドを大幅に削減するため、ネットワーク仮想化に必要な CPU やメモリーなど、待機時間が短縮され、サーバーリソースが少なくなります。(BZ#947163)

virt-v2v が vmx 設定ファイルを使用して VMware ゲストを変換できるようになりました。

テクノロジープレビューとして、virt-v2v ユーティリティーに vmx 入力モードが含まれるようになりました。これにより、ユーザーはゲスト仮想マシンを VMware vmx 設定ファイルから変換できるようになりました。これを行うには、たとえば NFS を使用してストレージをマウントすることにより、対応する VMware ストレージにもアクセスする必要があることに注意してください。(BZ#1441197)

virt-v2v が Debian ゲストおよび Ubuntu ゲストを変換できる

テクノロジープレビューとして、virt-v2v ユーティリティーがゲスト仮想マシン Debian および Ubuntu を変換できるようになりました。現時点では、この変換を行うときに以下の問題が発生することに注意してください。
  • virt-v2v は GRUB2 設定のデフォルトカーネルを変更できず、ゲストで設定されたカーネルは、ゲストでより最適なバージョンのカーネルが利用可能であっても、変換中には変更されません。
  • Debian または Ubuntu の VMware ゲストを KVM に変換すると、ゲストのネットワークインターフェイス名が変更し、手動での設定が必要になる場合があります。(BZ#1387213)

Virtio デバイスでの vIOMMU の使用が可能に

テクノロジープレビューとして、この更新により、virtio デバイスは仮想入出力メモリー管理ユニット (vIOMMU) を使用できるようになります。これにより、デバイスが許可されたアドレスにのみ Direct Memory Access (DMA) を実行できるようになるため、DMA のセキュリティーが保証されます。ただし、この機能を使用できるのは、Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降を使用するゲスト仮想マシンのみであることに注意してください。(BZ#1283251, BZ#1464891)

OVMF (Open Virtual Machine Firmware)

Red Hat Enterprise Linux 7 では、OVMF (Open Virtual Machine Firmware) がテクノロジープレビューとして利用できます。OVMF は、AMD64 および Intel 64 ゲストに対する、UEFI のセキュアブート環境です。ただし、OVMF は、RHEL 7 で利用可能な仮想化コンポーネントでは起動できません。OVMF は、RHEL 8 で完全に対応することに注意してください。(BZ#653382)