第27章 ファイルシステム

CephFS カーネルクライアントが利用可能

Red Hat Enterprise Linux 7.3 以降で、Ceph File System (CephFS) カーネルモジュールがテクノロジープレビューとして提供されるようになり、Red Hat Enterprise Linux ノードが Red Hat Ceph Storage クラスターから Ceph File System をマウントできるようになりました。Red Hat Enterprise Linux のカーネルクライアントは、Red Hat Ceph Storage に同梱されている Filesystem in Userspace (FUSE) クライアントよりも効率性の高いオプションです。現在、カーネルクライアントには CephFS のクォータのサポートがありません。詳しい情報は Red Hat Ceph Storage 2 の Ceph File System Guide: https://access.redhat.com/documentation/en/red-hat-ceph-storage/2/single/ceph-file-system-guide-technology-preview (BZ#1205497) を参照してください。

ext4 および XFS ファイルシステムが DAX をサポート

Red Hat Enterprise Linux 7.3 以降、Direct Access (DAX) では、アプリケーションがアドレス空間に永続メモリーを直接マッピングする手段をテクノロジープレビューとして提供するようになりました。DAX を使用するには、永続メモリーがシステムに設定されている必要があります。永続メモリーは通常、1 つまたは複数の Non-Volatile Dual In-line Memory Module (NVDIMM) などの形式で提供され、DAX をサポートするファイルシステムは NVDIMM 上に作成する必要があります。また、ファイルシステムは dax のマウントオプションでマウントする必要があります。DAX でマウントしたファイルシステムにファイルを mmap すると、アプリケーションのアドレス空間にストレージが直接マッピングされます。(BZ#1274459)

pNFS およびブロックレイアウトのサポート

テクノロジープレビューとしてアップストリームのコードが Red Hat Enterprise Linux クライアントにバックポートされ、pNFS ブロックレイアウト機能が提供されています。
さらに Red Hat Enterprise Linux 7.4 では、pNFS SCSI レイアウトがテクノロジープレビューとして追加されています。この機能は、pNFS ブロックレイアウト機能に似ていますが、SCSI デバイスにのみ限定されるため、より簡単に使用できます。そのため Red Hat では、pNFS ブロックレイアウトではなく、pNFS SCSI レイアウトの使用を推奨しています。(BZ#1111712)

OverlayFS

OverlayFS とはユニオンファイルシステムのタイプの 1 つです。任意のファイルシステム上に別のファイルシステムを重ねる (オーバーレイする) ことができます。変更は上層側のファイルシステムに記録され、下層側のファイルシステムは未変更のままになります。コンテナーの場合や DVD-ROM などベースのイメージが読み取り専用メディアの場合には、複数のユーザーで 1 つのファイルシステムイメージを共有することができます。詳細はカーネルファイルの Documentation/filesystems/overlayfs.txt を参照してください。
多くの状況で OverlayFS は Red Hat Enterprise Linux 7.3 では引き続きテクノロジープレビューとして提供されます。このため、OverlayFS を作動させるとカーネルにより警告のログが記録されます。
Docker で次の制約を付けて使用する場合は完全対応として利用していただけます。
  • OverlayFS は Docker のグラフドライバーとして使用する場合にのみサポートされます。コンテナー COW コンテンツでの使用のみサポートされ、永続ストレージとしてはサポートされません。永続ストレージは OverlayFS 以外のボリュームに配置している場合に限りサポートの対象となります。使用できるのはデフォルトの Docker 設定のみです。つまり、オーバーレイレベル 1 つ、下層側ディレクトリー 1 つ、同じファイルシステム上に配置された上層レベルと下層レベルという構成です。
  • 下層ファイルシステムとして使用がサポートされているのは現在 XFS のみです。
  • 物理マシンで SELinux を有効にして enforcing モードの設定にしておく必要がありますが、コンテナーの分離を行う場合はコンテナー側では無効にしなければなりません。つまり、/etc/sysconfig/docker には --selinux-enabled は追加しないでください。OverlayFS の SELinux サポートはアップストリームで開発中であり、今後のリリースで提供される予定です。
  • OverlayFS カーネル ABI とユーザー空間の動作については安定性に欠けるとみなされているため、今後の更新で変更が加えられる可能性があります。
  • コンテナー内で yum および rpm のユーティリティーを正常に機能させるには、yum-plugin-ovl パッケージを使用する必要があります。
OverlayFS は制限付きで POSIX 標準セットを提供しています。OverlayFS で POSIX 標準を導入する場合はまず先にアプリケーションテストを十分に行ってから導入するようにしてください。
オーバーレイとして使用するように -n ftype=1 オプションを有効にして、XFS ファイルシステムを作成する必要がある点に注意してください。システムのインストール時に作成される rootfs およびファイルシステムについては、Anaconda キックスタートで --mkfsoptions=-n ftype=1 のパラメーターを設定してください。インストール後に新しいファイルシステムを作成する場合は # mkfs -t xfs -n ftype=1 /PATH/TO/DEVICE コマンドを実行します。既存のファイルシステムがオーバーレイとして使用する資格があるかを判断するには # xfs_info /PATH/TO/DEVICE | grep ftype コマンドを使用して ftype=1 オプションが有効であるかどうかを確認します。
また、Red Hat Enterprise Linux 7.3 リリースの時点で OverlayFS に関連する既知の問題がいくつかあります。詳細については、Documentation/filesystems/overlayfs.txt ファイルの Non-standard behavior を参照してください (BZ#1206277)。

pNFS SCSI レイアウトクライアントおよびサーバーサポートの提供

Red Hat Enterprise Linux 7.3 より、Parallel NFS (pNFS) SCSI レイアウトのクライアントおよびサーバーサポートがテクノロジープレビューとして提供されます。ブロックレイアウトをベースに構築されている pNFS レイアウトは SCSI デバイスをまたいで定義されており、このレイアウトには論理ユニットとして順番に並んだ固定サイズのブロックが含まれています。この論理ユニットには SCSI の永続予約をサポートできる機能が必要です。論理ユニット (LU) デバイスは、SCSI デバイスの ID で識別され、フェンシングは予約の割り当てで処理されます (BZ#1305092)。