第16章 仮想化

qemu-kvm で仮想マシンのシャットダウントレースイベントに対応

仮想マシンシステムのシャットダウン中の qemu-kvm トレースイベントに対応するようになりました。virsh shutdown コマンドや virt-manager アプリケーションで発行されたゲストシステムのシャットダウン要求に関して詳細な診断を得ることができるようになります。これによりシャットダウン中に発生した KVM ゲストの問題を探し出してデバッグを行うことができるようになります。

Intel MPX のゲストへの公開

本更新では qemu-kvm により Intel MPX (Memory Protection Extension) 機能をゲストに公開できるようになります。MPX 対応の Intel 64 ホストシステムの場合、ポインター参照での境界保護に対するハードウェアサポートを提供する拡張セットを使用できるようになります。

qemu-kvm コアからのゲストメモリーダンプの抽出

dump-guest-memory.py スクリプトが QEMU に導入され、ゲストのカーネルに障害が発生した場合に qemu-kvm コアのゲストメモリーダンプを分析できるようになります。詳細についてはhelp dump-guest-memory コマンドでヘルプテキストを参照してください。

virt-v2v の完全対応

virt-v2v コマンドラインツールは Red Hat Enterprise Linux 7.2 で完全対応になっています。異種のハイパーバイザーで稼働している仮想マシンを KVM で実行するよう変換を行うのがこのツールです。現在、virt-v2v で変換できるのは Red Hat Enterprise Linux 5 Xen および VMware vCenter で稼働している Red Hat Enterprise Linux ゲストと Windows ゲストになります。

IBM Power System での仮想化

Red Hat Enterprise Linux with KVM は AMD64 および Intel 64 のシステムではサポートされていますが IBM Power System ではサポートされていません。現在、IBM Power System に対しては Red Hat Enterprise Virtualization で POWER8 ベースのソリューションを提供しています。
バージョンサポートおよびインストール手順についてはナレッジベースの記事 (https://access.redhat.com/articles/1247773) を参照してください。

Hyper-V TRIM サポート

シンプロビジョニングした Hyper-V 仮想ハードディスク (VHDX) が利用できるようになります。更新により Microsoft Hyper-V 仮想マシンのベースとなる VHDX ファイルを実際に使用されるサイズに縮小する機能に対応するようになります。

KVM が tcmalloc に対応

KVM が tcmalloc ライブラリーを使用できるようになりました。これにより、1 秒あたりの I/O 操作で大幅にパフォーマンスが改善されます。

ドメインのライブマイグレーション中に選択的なディスクのコピー

ディスクとともにドメインのライブマイグレーションを実行する際に、コピーするディスクを選択できるようになりました。これにより、特定ディスクのコピーが望ましくない場合により効率的なライブマイグレーションが可能となります。例えば、移行先に既に存在する場合や、すでに有益でなくなっている場合などです。

RMRR を使用するデバイスを IOMMU API ドメインから除外

Red Hat Enterprise Linux 7.1 になされた変更では、Reserved Memory Region Reporting (RMRR) に関連付けられたデバイスを割り当てようとすると、カーネルは以下のエラーを dmesg ログに報告します。
"Device is ineligible for IOMMU domain attach due to platform RMRR requirement. Contact your platform vendor."
プラットフォームベンダーには、カーネル内の VT-d IOMMU サブシステムが RMRR 構造と呼ばれる Advanced Configuration and Power Interface Direct Memory Access Remapping (ACPI DMAR) テーブルを使用して、デバイスの特定マッピングを保持するよう要求することができます。ただし、QEMU-KVM と VFIO にはこれらのマッピング要件への可視性がなく、これらの領域で発生する可能性のある進行中の通信を無効にする API も存在しません。このため、RMRR に関連付けられたデバイスは、デバイスがゲスト VM に割り当てられた後でもこのアドレス空間で DMA の使用を継続する可能性がありました。これによりデバイスは、RMRR で記述されたメモリー用に想定されていた DMA データで VM メモリーを上書きする可能性がありました。
このバグを修正するために、RMRR に関連付けられたデバイスをカーネル内部の IOMMU API から除外しました。ユーザーはこれらのデバイスをdmesg ログを使用して特定できるようになり、またゲスト仮想マシンを不安定にする可能性のあるマッピングを使用したデバイスの割り当てから守られるようになります。この変更により PCI デバイスの割り当てができなくなったユーザーは、プラットフォームベンダーに連絡して、RMRR 要件から I/O デバイスを解放するための BIOS 更新について問い合わせてください。
これらの変更に関する詳細情報は、以下のナレッジベースの記事を参照してください。

新パッケージ: WALinuxAgent

Microsoft Azure Linux Agent (WALA) バージョン 2.0.13 が Extras チャンネルに含まれるようになりました。このエージェントは、Windows Azure クラウドにおける Linux Virtual Machines のプロビジョニングと実行をサポートするもので、Windows Azure 環境で実行するように構築された Linux イメージにインストールしてください。