仮想化スタートガイド
仮想化の概念について
概要
第1章 仮想化の概説
1.1. 仮想化とは
- 完全仮想化
- 完全仮想化では、ゲストオペレーティングシステムに手を加えずにそのまま使用します。ゲストは、ハイパーバイザーが作成したチャネル経由でホストの CPU のアドレスを指定します。完全仮想化では、ゲストが CPU と直接通信するので、仮想化の手法で最速となっています。
- 準仮想化
- 準仮想化では、ゲストオペレーティングシステムを変更して使用します。ゲストは、ハイパーバイザーと通信します。ハイパーバイザーは、変更されていないゲストからの呼び出しを、物理および仮想の CPU や他のインターフェースに渡します。呼び出しがハイパーバイザー経由でルーティングされるので、この手法は完全仮想化よりも遅くなります。
- ソフトウェアの仮想化 (またはエミュレーション)
- ソフトウェアの仮想化は、バイナリー変換と他のエミュレーション技術を使用して変更されていないオペレーティングシステムを実行します。ハイパーバイザーは、ゲストの呼び出しをホストシステムで使用できる形式に変換します。呼び出しがすべて変換されるので、この手法は仮想化より遅くなります。Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux 上のソフトウェアの仮想化はサポートしていません。
- コンテナー化
- KVM の仮想化は OS カーネルの個別インスタンスを作成しますが、コンテナー化と呼ばれるオペレーティングシステムレベルの仮想化は、既存の OS カーネルの上で動作し、コンテナー と呼ばれるホスト OS の分離されたインスタンスを作成します。コンテナーに関する詳細は、 Red Hat カスタマーポータル を参照してください。コンテナーには KVM 仮想化の多機能性はありませんが、より軽量で処理の柔軟性に優れています。比較の詳細は、「Introduction to Linux Containers」を参照してください。Red Hat Enterprise Linuxでコンテナーを使用するには、Extras チャンネルから docker パッケージをインストールします。Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host や Red Hat OpenShift Container Platform など、コンテナーを使用するために最適化されたソリューションを提供します。コンテナーサポートの詳細は、Red Hat ナレッジベースを参照してください。
1.2. 仮想化ソリューション
- Red Hat Enterprise Linux
- Red Hat Enterprise Linux 7 には、仮想マシンの作成、実行、管理機能や さまざまな仮想化ツールや機能 が含まれます。このソリューションのサポートは、ホストごとに実行されるゲスト数やゲストタイプの種類の面で制限があるので、Red Hat Enterprise Linux 上の仮想化は複数環境でテストする必要のある開発者や、厳密な稼働時間の要件やサービスレベルアグリーメント (SLA) のないサーバーを複数実行する小規模なビジネスなどには有用です。
重要
このガイドでは Red Hat Enterprise Linux での仮想化について説明しますが、他の仮想化ソリューションの詳細については触れません。 - Red Hat Virtualization
- Red Hat Virtualization (RHV) は、Red Hat Enterprise Linux での仮想化のように Kernel-based Virtual Machine (KVM) 技術をベースにしていますが、数多くの強化機能を提供します。エンタープライズレベルのスケーラビリティーとパフォーマンスが得られるように設計されており、一元管理されたグラフィカルインターフェースからホスト、仮想マシン、ネットワーク、ストレージ、ユーザーなど仮想インフラストラクチャー全体を管理することができます。
注記
Red Hat Enterprise Linux での仮想化と Red Hat Virtualization の違いの詳細については、Red Hat カスタマーポータルのソリューション「What are the differences between qemu-kvm and qemu-kvm-rhev and all sub-packages?」を参照してください。Red Hat Virtualization は、大規模なデプロイメントやミッションクリティカルなアプリケーションを実行する企業で使用することができます。Red Hat Virtualization に適した大規模なデプロイメントには、ダウンタイムなしで継続して稼働する必要のあるデータベース、取引プラットフォーム、メッセージングシステムなどが含まれます。注記
Red Hat Virtualization について詳しく知る、または完全サポート付き 60 日間の評価版をダウンロードするには、http://www.redhat.com/ja/technologies/virtualization/enterprise-virtualization をご覧ください。あるいは、「Product Documentation for Red Hat Virtualization」を参照してください。 - Red Hat OpenStack Platform
- Red Hat OpenStack Platform は、セキュアで信頼性の高いパブリックまたはプライベートの OpenStack クラウドを作成、デプロイ、スケーリングするための統合された基盤を提供します。
注記
Red Hat OpenStack Platform について詳しく知る、または 60 日間の評価版をダウンロードするには、https://www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/openstack-platform をご覧ください。あるいは、「Product Documentation for Red Hat OpenStack Platform」を参照してください。
第2章 仮想化を使用する理由
2.1. 仮想化コスト
- 省電力
- 仮想化により、複数の物理プラットフォームの必要性がほとんどなくなります。これは、マシン稼働や冷却に使われる電力の節約を意味し、エネルギー費用の削減につながります。マシンの消費電力と必要となる冷却を合わせると、複数の物理プラットフォー厶購入の初期費用は、仮想化の利用により大幅に削減されます。
- メンテナンスの省力化
- 物理システムから仮想化システムへの移行前に十分なプラニングを行うことで、メンテナンスにかかる時間は少なくなります。つまり、部品にかかる費用や人件費が削減されることになります。
- インストール済みソフトウェアの使用期限の延長
- 以前のバージョンのソフトウェアは、より新しいベアメタルマシン上では直接機能しない可能性がありますが、以前のソフトウェアをより大規模かつ高速なシステム上で仮想的に実行することで、新しいシステムのパフォーマンスを活用する一方でソフトウェアの使用期限を延長することができます。
- 予測可能なコスト
- Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションは、仮想化サポートが固定料金なので、コストの予測が容易になります。
- スペースの節約
- マシンの台数を減らすようにサーバーを統合すると、必要な物理的スペースが減ります。
2.2. パフォーマンス
- Red Hat Enterprise Linux 6.4 および KVM は、IBM DB2 データベースと共に完全に仮想化された x86 環境で実行され、ベアメタルパフォーマンスの 88% を実現し、業界をリードする TPC-C ベンチマーク で結果を記録しました。データベースは、これまでリソース需要が高いために、ベアメタルのデプロイメント向けのみに確保されていました。
- 業界標準である SAP Sales and Distribution (SD) Standard Application Benchmark は、Red Hat Enterprise Linux 6.2 および KVM を同一ハードウェア上で稼働するベアメタルシステムと比較した場合に 85% の仮想化効率 を発揮したとしています。
- Red Hat Enterprise Linux 6.1 および KVM は、標準性能評価法人 (Standard Performance Evaluation Corporation) が行った SPECvirt_sc2010 ベンチマークで記録的な仮想化パフォーマンス を達成しました。これは公開されている SPECvirt の結果のなかでは最高の仮想パフォーマンス得点となりました。SPECvirt_sc2010 メトリックは、仮想化データセンターサーバー内にあるシステムコンポーネントのエンドツーエンドのパフォーマンスを測定するものです。
注記
2.3. マイグレーション
マイグレーションのタイプ
- オフラインマイグレーション
- オフラインマイグレーションでは、ゲスト仮想マシンを一時停止させて、仮想マシンのメモリーのイメージを目的のホストに移動します。次に、目的のホスト上で仮想マシンを再開し、仮想マシンがソースホスト上で使用していたメモリーを解放します。
- ライブマイグレーション
- ライブマイグレーションは、アクティブな仮想マシンを任意の物理ホストから別の物理ホストに移行するプロセスです。詳しくは、『仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。
2.3.1. 仮想マシンのマイグレーションの利点
- 負荷の分散
- ホストマシンがオーバーロードとなった場合には、仮想マシンは単独でも多数でも、ライブマイグレーションで他のホストに移行できます。同様に、実行されていないマシンでオーバーロードの傾向にある場合には、オフラインマイグレーションで移行することができます。
- ホストのアップグレードやホストに変更を加える場合
- 任意のホスト上にあるハードウェアデバイスにアップグレード、追加、削除などの必要性が生じた場合には、仮想マシンを安全に他のホストに移動させることができます。そのため、いずれかのホストへの変更が原因で、ゲスト側でダウンタイムが生じることはありません。
- 省エネ
- 仮想マシンを別のホストに再配分することで、アンロードされたホストシステムの電源を電力使用量の少ない時間帯にオフにして節電とコスト削減が可能になります。
- 地理的なマイグレーション
- 仮想マシンは、レイテンシーの短縮または他の理由で別の物理的な場所に移動することが可能です。
注記
2.3.2. V2V (Virtual to Virtual) の移行
virt-v2v ツールで、Xen、KVM の別バージョン、VMware ESX からの仮想マシンを変換してインポートします。
注記
virt-p2v ツールを使用した P2V (Physical to Virtual) の変換をサポートします。詳細は P2V のナレッジ記事 を参照してください。
2.4. セキュリティー
- SELinux
- SELinux (Security-Enhanced Linux) は、Linux システムすべてに対して Mandatory Access Control (MAC) を提供するので、Linux ゲストも同様にこの機能の恩恵を受けることができます。SELinux の制御下では、全プロセスおよびファイルに タイプ が指定され、さまざまなタイプできめ細かく管理することでシステム上のアクセスが制限されます。SELinux は攻撃者の行動を制限し、バッファーオーバーフロー攻撃や権限の昇格といった多くの一般的なセキュリティーの悪用を防ぎます。
- sVirt
- sVirt とは、Red Hat Enterprise Linux 7 に導入されている、SELinux と仮想化を統合する技術のことです。仮想マシンの使用時には Mandatory Access Control (MAC) を適用してセキュリティーを強化し、ホストや別の仮想マシンへの攻撃経路として使用される可能性のあるハイパーバイザー内のバグに対してシステムを堅牢にします。
注記
2.5. 障害復旧
第3章 Red Hat Virtualization 製品および機能について
3.1. Red Hat Enterprise Linux での KVM および仮想化
virt-manager や virsh などの) libvirt 向けにビルドされたツールで管理されます。仮想マシンは、マルチスレッドの Linux プロセスとして実行/稼働され、これらのツールによって管理されます。
警告

図3.1 KVM アーキテクチャー
- オーバーコミット
- KVM ハイパーバイザーは システムリソースの オーバーコミット をサポートします。オーバーコミットとは、システムで利用可能なリソースよりも多い仮想化 CPU またはメモリーを割り当てることで、あるゲストで必要とされるリソースが別のゲストでは使用されていない場合に、ダイナミックにスワップできます。これにより、ゲストによるホストのリソースの使用の効率性を改善し、必要なホスト数を削減することができます。
重要
オーバーコミットは、システムの安定性へのリスクとなる可能性があります。KVM でのオーバーコミットと必要な予防措置については『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - KSM
- KVM ハイパーバイザーが使用する Kernel Same-page Merging (KSM) により、KVM ゲストは同一メモリーページを共有することが可能になります。このような共有ページは通常、共通のライブラリーか、使用頻度の高い同一データです。KSM はメモリー重複を防ぐことで同一または類似のゲストオペレーティングシステムのゲスト密度を高めることができます。
注記
KSM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化のチューニングと最適化ガイド』を参照してください。 - QEMU ゲストエージェント
- QEMU ゲストエージェント はゲストオペレーティングシステム上で稼働し、ホストマシンによるゲストオペレーティングシステムへのコマンド発行を可能にします。
注記
QEMU ゲストエージェントに関する詳しい情報は『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - ディスク I/O スロットリング
- 複数の仮想マシンが同時に実行される場合、それらは過剰なディスク I/O を使用することでシステム全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。KVM の ディスク I/O スロットリング は、個別の仮想マシンからホストマシンに送られるディスク I/O 要求に制限を設定する機能を提供します。これにより、1 台の仮想マシンが共有リソースを過剰に使用し、他の仮想マシンのパフォーマンスに影響を与えることを防ぐことができます。
注記
ディスク I/O スロットリングを使用する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化のチューニングと最適化ガイド』を参照してください。 - NUMA の自動負荷分散
- Non-Uniform Memory Access (NUMA) 自動負荷分散 は、スレッドやプロセスなどのタスクをアクセスするメモリーの近くに移動します。これにより、Red Hat Enterprise Linux 7 ゲストで必要な手動のチューニングなしに、Non-Uniform Memory (NUMA) ハードウェアシステム上で実行中のアプリケーションのパフォーマンスが向上されます。
注記
NUMA の自動負荷分散に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化のチューニングと最適化』を参照してください。 - 仮想 CPU ホットアド
- 仮想 CPU (vCPU) ホットアド機能があれば、ゲストをシャットダウンせずに、必要に応じて仮想マシンの実行の際に処理能力を向上できます。必要なワークロードに対応したり、ワークロード関連のサービスレベルアグリーメント (SLA) を確保したりするために、仮想マシンに割り当てられた vCPU を実行中のゲストに追加することができます。
注記
仮想 CPU に関する詳しい情報は『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - 仮想化のネスト
- Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降では、ネスト化したハードウェア仮想化支援機能をテクノロジープレビューとして提供しています。この機能では、KVM ゲストがハイパーバイザーとして動作して、それ自体のゲストを作成できるようになります。たとえば、仮想マシン上のハイパーバイザーをデバッグしたり、数に制限のある物理マシン上の規模の大きい仮想デプロイメントをテストしたりするために使用できます。
注記
ネスト化された仮想化の設定および使用に関する詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - KVM ゲスト仮想マシンの互換性
- Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーには、サポートに関する制限がいくつかあります。Red Hat Enterprise Linux のプロセッサーおよびメモリー容量の制限については、以下のサイトで説明されています。
- ホストシステムについては、https://access.redhat.com/ja/articles/1271503 を参照してください。
- KVM ハイパーバイザーについては、https://access.redhat.com/site/articles/rhel-kvm-limits を参照してください。
サポートされるオペレーティングシステムとホストおよびゲストの組み合わせの詳細な対応表については、Red Hat カスタマーポータルを参照してください。注記
ご使用のプロセッサーが仮想化拡張に対応しているかどうかの確認方法および無効になっている仮想化拡張の有効化に関する情報については、 『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。
3.2. libvirt および libvirt ツール
- ホスト上の仮想マシンをセキュアに管理する仮想化層
- ローカルおよびネットワーク接続されたホストを管理するインターフェース
- 仮想マシンのプロビジョニング、作成、修正、監視、制御、移行、停止に必要な API 。libvirt で複数のホストに同時アクセスはできますが、API はシングルノード操作に限られています。
注記
libvirt を使用する場合には、ハイパーバイザーがサポートする操作のみを実行できます。
virsh および virt-manager) も提供します。
3.3. ドメイン XML 設定
virsh setmem など、ゲストプロパティーを永続的に変更するアプリケーションまたはユーティリティーを使用すると、この設定がゲストの設定ファイルに書き込まれます。その後、設定ファイルはゲストの起動時にハイパーバイザーによって読み取られます。
virsh dumpxml guestname コマンドを使用します。
virshコマンド:virshコマンドを使用してゲスト仮想マシンに追加された永続的な変更は、ドメイン XML に記録されます。virt-xmlコマンド: このコマンドは提供されたオプションに応じて、指定のゲストのドメイン XML ファイルを設定します。- 仮想マシンマネージャー: 仮想マシンマネージャー でゲスト仮想マシンに追加された変更は、ドメイン XML に記録されます。
注記
virsh edit guestname コマンドを使用してください。このコマンドは、root の bash 設定によって決定されるテキストエディター (デフォルトは vi) に指定ゲストのドメイン XML 設定を開きます。
virsh edit のエディターを変更するには、対象のユーザーの .bashrc ファイルの EDITOR 変数を設定または変更します。たとえば、root ユーザーの場合、このファイルは /root/ディレクトリーにあります。
virsh edit を使用して行った変更を反映するには、変更した XML 設定を保存し、ゲストを再起動します。
警告
gedit /etc/libvirt/qemu/guestname.xml を使用するなど、テキストエディターでゲストの XML 設定をファイルとして開いて、ゲストの XML 設定を編集しないでください。このように加えられた変更は反映されず、自動的に上書きされます。
3.4. 仮想化ハードウェアデバイス
- 仮想化デバイスおよびエミュレートされたデバイス
- 準仮想化デバイス
- 物理共有デバイス
3.4.1. 仮想化デバイスおよびエミュレートされたデバイス
- 仮想 CPU (vCPUS)
- Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降では、ホストの CPU の数にかかわらず、ホストシステムに最大 240 個の仮想 CPU (vCPU) を設定して、ゲストで使用できるように公開できます。この数は、Red Hat Enterprise Linux 7.0 の 160 個から増加しています。
- エミュレートされたシステムコンポーネント
- 以下のコアシステムコンポーネントは基本的なシステム機能を提供するためにエミュレートされます。
- Intel i440FX ホスト PCI ブリッジ
- PIIX3 PCI to ISA ブリッジ
- PS/2 マウスおよびキーボード
- EvTouch USB グラフィックタブレット
- PCI UHCI USB コントローラーおよび仮想化 USB ハブ
- エミュレートされたシリアルポート
- EHCI コントローラー、仮想化 USB ストレージ、USB マウス
- USB 3.0 xHCI ホストコントローラー (Red Hat Enterprise Linux 7.3 のホストコントローラー)
- エミュレートされたストレージドライバー
- ストレージデバイスとストレージプールは、これらのエミュレートされたドライバーを使用してストレージデバイスを仮想マシンにアタッチすることができます。ゲストは、エミュレートされたストレージドライバーを使用してストレージプールにアクセスします。すべての仮想デバイスと同様、ストレージドライバーはストレージデバイスではない点に注意してください。 バッキングストレージデバイスやファイル、 ストレージプールボリュームなどを仮想ゲストにアタッチするために使用するのがドライバーです。対応する任意のタイプのストレージデバイス、ファイル、ストレージプールボリュームをバッキングストレージデバイスにすることができます。
- エミュレートされたIDE ドライバー
- KVM は 2 種類のエミュレートされた PCI IDE インターフェースを提供します。エミュレートされた IDE ドライバーを使用して、最大 4 つの仮想 IDE ハードディスクまたは仮想 IDE CD-ROM ドライブの組み合わせを仮想マシンにアタッチすることができます。エミュレートされた IDE ドライバーは、仮想CD-ROM および DVD-R ドライブにも使用できます。
- エミュレートされたフロッピーディスクドライブドライバー
- エミュレートされたフロッピーディスクドライブドライバーは、仮想フロッピードライブの作成に使用されます。
- エミュレートされたサウンドデバイス
- エミュレートされた (Intel) HDA サウンドデバイスである
intel-hdaは以下のゲストオペレーティングシステムでサポートされます。- Red Hat Enterprise Linux 7 (AMD64 および Intel 64 アーキテクチャー)
- Red Hat Enterprise Linux 4、5、6 (32-bit AMD および Intel アーキテクチャーと AMD64 および Intel 64 アーキテクチャー)
注記
以下のエミュレートされたサウンドドライバーも利用可能ですが、特定のゲストオペレーティングシステムとの互換性の問題で推奨されません。ac97エミュレートされた Intel 82801AA AC97 Audio 互換サウンドカード
- エミュレートされたグラフィックカード
- 以下のエミュレートされたグラフィックカードが提供されています。
- Cirrus CLGD 5446 PCI VGA カード
- Bochs VESA 拡張を搭載している標準的な VGA グラフィックカード (すべての非標準モードを含むハードウェアレベル)
ゲストは、Simple Protocol for Independent Computing Environments (SPICE) プロトコルまたは Virtual Network Computing (VNC) システムを使用してこれらのデバイスに接続できます。 - エミュレートされたネットワークデバイス
- 以下のように、エミュレートされたネットワークデバイスが 2 種類提供されます。
e1000デバイスは、Intel E1000 ネットワークアダプター (Intel 82540EM、82573L、82544GC) をエミュレートします。rtl8139デバイスは、 Realtek 8139 ネットワークアダプターをエミュレートします。
- エミュレートされたウォッチドッグデバイス
- ウォッチドッグは、仮想マシンがオーバーロードするか、または応答しない場合に仮想マシンを自動的に再起動するために使用できます。Red Hat Enterprise Linux 7 には、以下のエミュレートされたウォッチドッグデバイスが含まれます。
i6300esbエミュレートされた Intel 6300 ESB PCI ウォッチドッグデバイス。 Red Hat Enterprise Linux versions 6.0 以降のゲストオペレーティングシステムに対応しており、使用が推奨されているデバイスです。ib700エミュレートされた iBase 700 ISA ウォッチドッグデバイス。ib700ウォッチドッグデバイスは、Red Hat Enterprise Linux 6.2 以降を使用するゲストにのみ対応しています。
両方のウォッチドッグデバイスは、Red Hat Enterprise Linux 6.2 以降のゲストオペレーティングシステム向けの 32 ビットおよび 64 ビット AMD および Intel アーキテクチャーでサポートされます。
3.4.2. 準仮想化デバイス
注記
- 準仮想化ネットワークデバイス (virtio-net)
- 準仮想化ネットワークデバイスは、仮想マシンにネットワークアクセスを提供する仮想ネットワークデバイスであり、入出力パフォーマンスを強化し、レイテンシーを短縮します。
- 準仮想化ブロックデバイス (virtio-blk)
- 準仮想化ブロックデバイスは、高パフォーマンスの仮想ストレージデバイスであり、これにより、I/O パフォーマンスが強化され、レイテンシーが短縮されます。準仮想化ブロックデバイスはハイパーバイザーによってサポートされ、仮想マシンにアタッチされます (フロッピーディスクドライブは例外で、これにはエミュレートが必要になります)。
- 準仮想化コントローラーデバイス (virtio-scsi)
- 準仮想化 SCSI コントローラーデバイスは、virtio-blk に代わる、より柔軟でスケーラブルな選択肢を提供します。virtio-scsi ゲストはターゲットデバイスの機能一式を継承でき、わずか 28 デバイスしか処理できない virtio-blk に比べて数百ものデバイス処理が可能です。virtio-scsi は以下のゲストオペレーティングシステムに完全対応しています。
- Red Hat Enterprise Linux 7
- Red Hat Enterprise Linux 6.4 以降
- 準仮想化クロック
- タイムスタンプカウンター (TSC) をクロックソースとして使用するゲストは、時間管理の問題に直面することがあります。一定したタイムスタンプカウンターを持たないホストに関しては、KVM はゲストに準仮想化クロックを提供することで対処します。さらに、準仮想化クロックは、ゲストによるスリープ (S3) の実行または RAM へのサスペンド操作の後に必要な時間の調整を支援します。
- 準仮想化シリアルデバイス (virtio-serial)
- 準仮想化シリアルデバイスは、 バイトストリーム指向の文字ストリームデバイスで、ホストのユーザー領域とゲストのユーザー領域をつなぐシンプルな通信インターフェースを提供します。
- バルーンデバイス (virtio-balloon)
- バルーンデバイスは仮想マシンの RAM の一部を未使用として指定することが可能で (バルーン 膨張)、これによりメモリーが解放されて、ホスト (またはホスト上の他の仮想マシン) が使用できるようになります。仮想マシンが再度メモリーを必要とした際には、バルーンを 収縮 させて、ホストが RAM を仮想マシンに配分し直すことができます。
- 準仮想化乱数ジェネレーター (virtio-rng)
- 準仮想化乱数ジェネレーターにより、仮想マシンがホストから直接、エントロピーまたは乱数を収集して暗号化データやセキュリティーに使用することができます。仮想マシンは (ハードウェアの使用状況など) 一般的なインプットを入手できないため、エントロピーが不足することが頻繁にあります。エントロピーの調達には多大な時間を要することがあるため、virtio-rng はホストからゲスト仮想マシンに直接エントロピーを注入することで、このプロセスを高速化します。
- 準仮想化グラフィックカード (QXL)
- 準仮想化グラフィックカードは、QXL ドライバーと連携して機能し、リモートホストから仮想マシンのグラフィックスを表示する効率的な方法を提供します。SPICE を使用するには QXL ドライバーが必要です。
3.4.3. 物理ホストデバイス
- VFIO デバイス割り当て
- Virtual Function I/O (VFIO) は、Red Hat Enterprise Linux 7 の新しいカーネルドライバーであり、これにより、仮想マシンが高パフォーマンスで物理ハードウェアにアクセスできるようになります。VFIO は、ホストシステム上の PCI デバイスを直接仮想マシンにアタッチするため、ゲストはさまざまなタスクで PCI デバイスへの排他的アクセスが可能になります。これにより、PCI デバイスはゲスト仮想マシンに物理的にアタッチされているかのように表示され、動作します。VFIO は、KVM ハイパーバイザーからデバイス割り当てを移動して、カーネルレベルでデバイスの分離を強制的に行うことで、これまでの PCI デバイス割り当てのアーキテクチャーを向上します。VFIO は、セキュリティーが強化されており、セキュアブートとの互換性があります。VFIO は Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトのデバイス割り当てメカニズムです。VFIO は、Red Hat Enterprise Linux 6 の最大 8 デバイスから、Red Hat Enterprise Linux 7 の割り当てデバイス数を 32 に増やしました。VFIO は、NVIDIA GPU の割り当てもサポートします。
注記
VFIO デバイス割り当てに関する詳しい情報は『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - USB、PCI、SCSI パススルー
- KVM ハイパーバイザーは、ホストシステム上にある USB、PCI、SCSI デバイスの仮想マシンへのアタッチをサポートします。USB、PCI、SCSI デバイスを割り当てることで、これらのデバイスが仮想マシンに物理的にアタッチされているかのように表示され、動作します。このように、ゲストがさまざまなタスクで、これらのデバイスに排他的にアクセスできるようになります。
注記
USB、PCI、SCSI パススルーに関する詳しい情報は『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - SR-IOV
- SR-IOV (シングルルート I/O 仮想化) は、単一の物理 PCI 機能を拡張して PCI リソースを個別の 仮想機能 (VF) として共有する PCI Express (PCI-e) 規格です。PCI デバイスを割り当てることで、別の仮想マシンは各機能を使用できます。SR-IOV 対応 PCI-e デバイスは、シングルルート機能 (例えば、単一イーサネットポート) を提供し、複数の個別の仮想デバイスを固有の PCI デバイス機能として提示します。仮想デバイスはそれぞれ、固有の PCI 設定領域、メモリーマップドレジスター、個別の MSI ベースの割り込みを備えている場合があります。
注記
SR-IOV に関する詳細については、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。 - NPIV
- N_Port ID Virtualization (NPIV) とは、ファイバーチャネルデバイスの一部で利用可能な機能です。NPIV では単一の物理的な N_Port を複数の N_Port ID として共有します。SR-IOV が PCIe インターフェースに提供するファイバーチャネル Host Bus Adaptor (HBA) に対して同様の機能を提供します。NPIV を使用すると、ストレージエリアネットワーク (SAN) への仮想ファイバーチャネルイニシエーターを仮想マシンに提供できます。NPIV は、エンタープライズレベルのストレージソリューションで高密度の仮想化環境を提供できます。
注記
NPIV に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』を参照してください。
3.4.4. ゲスト CPU モデル
注記
3.5. ストレージ
3.5.1. ストレージプール
- ローカルストレージプール
- ローカルストレージプールは、ホストサーバーに直接アタッチされています。これに含まれるのは、ローカルディレクトリー、直接アタッチされたディスク、物理パーティション、ローカルデバイス上の論理ボリューム管理 (LVM) のボリュームグループです。ローカルストレージプールは開発、テスト、移行や多数の仮想マシンを必要としない小規模開発などに役立ちます。ローカルストレージプールは、ライブマイグレーションに対応していないため、多くの本番環境に適切でない可能性があります。
- ネットワーク (共有) ストレージプール
- ネットワークストレージプールには、標準プロトコル使用のネットワークにまたがって共有されるストレージデバイスが含まれます。ネットワークストレージは、virt-manager を使用したホスト間の仮想マシン移行で必要となりますが、
virshを使用した移行の場合はオプションとなります。ネットワークストレージプールは、libvirtで管理します。
3.5.2. ストレージボリューム
3.5.3. エミュレートされたストレージデバイス
- virtio-scsi
- virtio-scsi は数多くのディスクや TRIM などの高度なストレージ機能を使用するゲスト用の準仮想化デバイスとして推奨されます。Red Hat Enterprise Linux 7 以外のオペレーティングシステムを使用しているゲストでは、ゲストドライバーのインストールが必要になる場合があります。
- virtio-blk
- virtio-blk はイメージファイルをゲストに公開するのに適した準仮想化ストレージデバイスです。virtio-blk は仮想マシンに対して最高レベルのディスクの I/O パフォーマンスを提供しますが、virtio-scsi と比較すると機能の数が少なくなります。
- IDE
- IDE は virtio ドライバーに対応しないレガシーゲスト用に推奨されます。IDE のパフォーマンスは virtio-scsi または virtio-blk よりも低いですが、複数の異なるシステムに対する互換性の面では優れています。
- CD-ROM
- ATAPI CD-ROM および virtio-scsi CD-ROM が提供されており、ゲストが ISO ファイルまたはホスト CD-ROM ドライブを使用できるようにします。virtio-scsi CD-ROM は、virtio-scsi ドライバーがインストールされているゲストと共に使用することができます。ATAPI CD-ROM の方が互換性の幅が広いですが、パフォーマンスはより低くなります。
- USB 大容量ストレージデバイスおよびフロッピーディスク
- エミュレートされた USB 大容量ストレージデバイスおよびフロッピーディスクは、リムーバブルメディアが必要な場合に利用することができます。フロッピーディスクよりも容量がより大きい USB 大容量ストレージデバイスの使用をお勧めします。
3.5.4. ホストストレージ
- 画像ファイル
- イメージファイルはホストファイルシステム上にしか格納できません。イメージファイルは、ext4 または xfs などのローカルファイルシステム上や、NFS などのネットワークファイルシステム上に格納することができます。libguestfs などのツールを使用して、ファイルの管理、バックアップおよび監視を行うことができます。KVM 上で使用されるディスクイメージの形式には以下が含まれます。
- raw
- Raw イメージファイルには、ディスクのコンテンツが含まれますが、メタデータは一切追加されません。ホストファイルシステムが許可する場合、Raw ファイルのタイプは Preallocated (事前割り当て) ファイルまたは Sparse (スパース) ファイルのいずれかになります。Sparse ファイルはホストディスク容量をオンデマンドで割り当てるため、一種のシンプロビジョニングと言うことができます。Preallocated ファイルは完全にプロビジョニングされますが、Sparse ファイルよりもパフォーマンスが高くなります。Raw ファイルは、ディスクの I/O パフォーマンスが重要となる場合や、イメージファイルをネットワーク上で転送する必要がほとんどない場合に適しています。
- qcow2
- qcow2 イメージファイルは、バッキングファイルや、スナップショット、圧縮および暗号化などの数多くの高度なディスクイメージ機能を提供します。これらのイメージファイルは、テンプレートイメージから仮想マシンのインスタンスを作成するために使用することができます。qcow2 ファイルは、通常ネットワーク上でより効率的に転送できるファイルです。仮想マシンによって書き込まれるセクターのみがイメージに割り当てられるためです。Red Hat Enterprise Linux 7.0 は、qcow2 バージョン 3 のイメージファイル形式をサポートします。
- LVM ボリューム
- 論理ボリューム (LV) はディスクイメージに使用でき、システムの LVM ツールを使用して管理できます。LVM のブロックストレージのモデルは他のファイルシステムよりもシンプルであるため、LVM はより高いパフォーマンスを提供します。LVM シンプロビジョニングはスナップショットを提供し、LVM ボリュームの領域のより効率的な使用を可能にします。さらに、qcow2 に対する移行の代替手段として使用することができます。
- ホストデバイス
- 物理 CD-ROM および Raw ディスク、または論理ユニット番号 (LUN) などのホストデバイスをゲストに提示することができます。これにより、ゲストはパフォーマンスを維持した状態で、SAN や iSCSI LUN、およびローカル CD-ROM メディアを使用できます。ホストデバイスは、ストレージ管理がホスト上ではなく SAN 上で行なわれている場合に使用することができます。
- 分散ストレージシステム
- Gluster ボリュームはディスクイメージとして使用できます。これにより、ネットワーク上で高パフォーマンスのクラスター化ストレージを使用することができます。Red Hat Enterprise Linux 7 には、GlusterFS 上のディスクに対するネイティブサポートが含まれます。これにより、KVM ホストは GlusterFS ボリュームから仮想マシンイメージを起動し、仮想マシンのデータディスクとして GlusterFS ボリュームのイメージを使用することができます。GlusterFS FUSE と比較すると、KVM のネイティブサポートのほうが高いパフォーマンスを実現します。
注記
3.6. 仮想ネットワーク
libvirt の仮想ネットワーク設定を使用して再配置および再設定することができます。したがって、ホストは 仮想ネットワークのスイッチ として機能し、ゲストのネットワーク設定ニーズに応じてさまざまに設定することができます。
default という名前の同じ libvirt 仮想ネットワークに接続されます。このネットワーク上のゲストは、以下の接続が可能です。
- 相互の接続および仮想化ホストとの接続
- 受信および送信トラフィックの両方が可能です。ただし、ゲストオペレーティングシステムのネットワークスタックのファイアウォール、およびゲストインターフェースに適用される libvirt ネットワークフィルター のルールの影響を受けます。
- 仮想化ホストの外部にあるネットワーク上の他のホストとの接続
- 送信トラフィックのみが可能です。ホストシステムのファイアウォールと共に、Network Address Translation (NAT) のルールの影響を受けます。
- 隔離モード
- ゲストは、仮想化ホストの外部にあるホストとのあらゆる通信を許可しないネットワークに接続されます。
- ルーティングモード
- ゲストは、NAT を実施せずにトラフィックをゲストと外部ホスト間でルーティングするネットワークに接続されます。このモードでは受信接続は可能ですが、外部ネットワーク上のシステムに対して追加のルーティングテーブルエントリーが必要になります。
- ブリッジモード
- ゲストはブリッジデバイスに接続されます。このブリッジデバイスも、ローカルイーサネットに接続された物理イーサネットデバイスに直接接続されています。このモードではゲストは物理ネットワーク上に直接表示されます。したがって、受信接続は可能ですが追加のルーティングテーブルエントリーは必要ありません。
デフォルトの ネットワークがインストールされ、libvirtd サービスが起動されると自動的に開始されます。より高度な機能が必要な場合は、virsh または virt-manager のどちらかを使用して追加のネットワークを作成して設定することができます。そして、ゲスト XML 設定ファイル を編集してこれらの新たなネットワークの 1 つを使用することができます。
注記
第4章 仮想化コマンドラインインターフェースの使用
4.1. 仮想化の主なコマンドラインユーティリティー
4.1.1. virsh
virsh は、ハイパーバイザとゲスト仮想マシンを管理するための CLI ユーティリティーです。主にこのユーティリティーを使用して、Red Hat Enterprise Linux 7 上で仮想化を制御します。これには以下の機能が含まれています。
- 仮想マシンを作成、設定、一時停止、表示、およびシャットダウンします。
- 仮想ネットワークの管理
- 仮想マシンの ディスクイメージをロードします。
virsh ユーティリティーは仮想化管理スクリプトの作成に適しています。root 権限を持たないユーザーは読み取り専用で virsh を使用できます。
virsh の使用
virsh ユーティリティーは標準のコマンドライン入力で使用できますが、インタラクティブシェルとして使用することもできます。シェルモードでは、virsh コマンドの接頭辞は必要なく、ユーザーは常に root として登録されます。以下の例は virsh hostname コマンドを使用してハイパーバイザーのホスト名を表示します。最初の例は標準モードで、2 つ目は対話モードの例になります。
$virsh hostnamelocalhost.localdomain $virshWelcome to virsh, the virtualization interactive terminal. Type: 'help' for help with commands 'quit' to quit virsh #hostnamelocalhost.localdomain
重要
virsh を使用する場合は、特権のない libvirt セッション を使用します。
virsh コマンドで -c qemu:///system オプションを使用します。
virsh でのヘルプ
virsh のヘルプを表示するには、man virsh コマンドまたは --help オプションを使用します。また、virsh help コマンドを使用すると、virsh コマンドに固有するヘルプテキストを表示でき、キーワードを使用すると特定のグループに属する virsh コマンドをすべてリストできます。
virsh コマンドグループとそれらのキーワードは次のとおりです。
- ゲストの管理: キーワード
domain - ゲストの監視: キーワード
monitor - ホストおよびハイパーバイザーの監視および管理: キーワード
host - ホストシステムのネットワークインターフェースの管理: キーワード
interface - 仮想ネットワークの管理: キーワード
network - ネットワークフィルターの管理: キーワード
filter - ノードデバイスの管理: キーワード
nodedev - パスフレーズや暗号化キーなどの秘密の管理: キーワード
secret - スナップショットの管理: キーワード
snapshot - ストレージプールの管理: キーワード
pool - ストレージボリュームの管理: キーワード
volume - 一般的な
virshの使用方法: キーワードvirsh
virsh help を使用して最初に適切なコマンドを探し、その構文を調べます。そして、そのコマンドを使用して Fontaine というゲストの名前を Atlas に変更します。
例4.1 キーワードを使用してすべてのコマンドの help を一覧表示する方法
#virsh helpDomain Management (help keyword 'domain'): attach-device attach device from an XML file attach-disk attach disk device [...] domname convert a domain id or UUID to domain name domrename rename a domain [...] #domainvirsh helpNAME domrename - rename a domain SYNOPSIS domrename <domain> <new-name> DESCRIPTION Rename an inactive domain. OPTIONS [--domain] <string> domain name, id or uuid [--new-name] <string> new domain name #domrenamevirsh domrename --domain Fontaine --new-name AtlasDomain successfully renamed
注記
virsh を使用した仮想マシンの管理に関する詳細は、『『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』』を参照してください。
4.1.2. virt-install
virt-install は、新規仮想マシンを作成する CLI ユーティリティーです。このユーティリティーは、シリアルコンソール、SPICE、または VNC クライアント/サーバーペアグラフィックを使用して、テキストベースのインストールとグラフィカルインストールの両方をサポートします。インストールメディアはローカルに配置でき、NFS、HTTP、または FTP サーバー上でリモートに配置することもできます。このツールを使用すると、無人で稼働し、キックスタートを使用してゲストを準備するよう設定できるため、インストールの自動化が容易になります。このツールは virt-install パッケージに含まれています。
重要
virt-install を使用する場合は、特権のない libvirt セッション を使用します。この場合、作成したゲストは作成者のみに表示され、root 権限を持つユーザーが作成したゲストが持つ機能の一部を使用できません。
注記
virt-install の使用に関する詳細は、『『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』』を参照してください。
4.1.3. virt-xml
virt-xml は、ドメイン XML ファイルを編集するためのコマンドラインユーティリティーです。XML の設定を正常に変更するには、ゲストの名前、XML のアクション、および変更内容がコマンドに含まれている必要があります。
example_domain ゲストの起動メニューをオンにします。
#virt-xml boot=?--boot options: arch cdrom [...] menu network nvram nvram_template os_type smbios_mode uefi useserial #virt-xml example_domain --edit --boot menu=onDomain 'example_domain' defined successfully.
注記
virt-xml の使用に関する詳細は virt-xml の man ページを参照してください。
4.1.4. guestfish
guestfish は仮想マシンのディスクイメージを検証および編集するためのコマンドラインユーティリティーです。libguestfs ライブラリーを使用し、 libguestfs API によって提供される機能をすべて公開します。
guestfish の使用
guestfish ユーティリティーは標準のコマンドライン入力で使用できますが、インタラクティブシェルとして使用することもできます。シェルモードでは、guestfish コマンドの接頭辞は必要なく、ユーザーは常に root として登録されます。以下の例は guestfish コマンドを使用して testguest 仮想マシン上のファイルシステムを表示します。最初の例は標準モードで、2 つ目は対話モードの例になります。
#guestfish domain testguest : run : list-filesystems/dev/sda1: xfs /dev/rhel/root: xfs /dev/rhel/swap: swap #guestfishWelcome to guestfish, the guest filesystem shell for editing virtual machine filesystems and disk images. Type: 'help' for help on commands 'man' to read the manual 'quit' to quit the shell ><fs>domain testguest><fs>run><fs>list-filesystems/dev/sda1: xfs /dev/rhel/root: xfs /dev/rhel/swap: swap
guestfish を bash スクリプト で使用することもできます。
重要
guestfish を root 権限を持たないユーザーとして使用する場合、特権のない libvirt セッション を使用します。この場合、root 権限を持つユーザーによって作成されたゲストのディスクイメージを見ることはできず、対話することもできません。
guestfish に -ro -c qemu:///system オプションを使用します。また、ディスクイメージファイルの読み取り権限が必要です。
guestfish のヘルプ
guestfish のヘルプを表示するには、man guestfish コマンドまたは --help オプションを使用します。また、guestfish help コマンドを使用すると、guestfish コマンドに固有する詳細情報を表示できます。以下の例は、guestfish add コマンドに関する情報を表示します。
$ guestfish help add
NAME
add-drive - add an image to examine or modify
SYNOPSIS
add-drive filename [readonly:true|false] [format:..] [iface:..] [name:..] [label:..] [protocol:..] [server:..] [username:..] [secret:..] [cachemode:..] [discard:..] [copyonread:true|false]
DESCRIPTION
This function adds a disk image called filename to the handle. filename
may be a regular host file or a host device.
[...]注記
guestfish の使用に関する詳細は、『『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』』を参照してください。
4.2. デモンストレーション: コマンドラインユーティリティーによるゲストの作成および管理
4.2.1. インストール
guest1-rhel7 という名前の新しいゲストを作成し、Red Hat Enterprise Linux 7 ワークステーションの ISO イメージから OS のインストールを開始します。このイメージは、 カスタマーポータル から取得でき、この例では ~/Downloads/ フォルダーにあります。ゲストには 2 つの仮想 CPU、2048 MB の RAM、および 8 GB のディスク領域が割り当てられています。
# virt-install --name guest1-rhel7 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=8 --cdrom /home/username/Downloads/rhel-workstation-7.4-x86_64-dvd.iso --os-variant rhel7
Starting install...
Allocating 'guest1-rhel7.qcow2' | 8.0 GB 00:00:00注記
virt-install コマンドを実行し、 テキストベースの Anaconda を使用してゲスト OS をインストールすることができます。
# virt-install -name rhel7anaconda-guest -r 1024 --location=/home/jherrman/Downloads/rhel-workstation-7.4-x86_64-dvd.iso --disk size=8 --nographics --extra-args="console=tty0 console=ttyS0,115200n8"Domain creation completed. Restarting guest.
# virsh shutdown guest1-rhel7
Domain guest1-rhel7 is being shutdown4.2.2. デバイスの接続
lsusb コマンドを実行し、デバイスの ID を取得します。
# lsusb
[...]
Bus 003 Device 007: ID 04e8:6860 Samsung Electronics Co., Ltd Galaxy (MTP)
samsung_USB_device.xml) の XML ファイルを作成します。このファイルにベンダーおよび製品 ID を入力します。
# vim samsung_USB_device.xml
<hostdev mode='subsystem' type='usb' managed='yes'>
<source>
<vendor id='0x04e8'/>
<product id='0x6860'/>
</source>
</hostdev>
virsh attach-device コマンドを使用してデバイスをゲストに接続します。
# virsh attach-device guest1-rhel7 --file samsung_USB_device.xml --config
Device attached successfully注記
--live オプションを使用します。
4.2.3. ゲストとの対話
# virsh start guest1-rhel7
Domain guest1-rhel7 started- グラフィック表示を使用できるシステムでは、virt-viewer を使用します。
#
virt-viewer guest1-rhel7
その後、物理マシン上で OS の GUI を使用するように、virt-viewer ウインドウの画面出力と対話できます。たとえば、サブスクリプションマネージャーアプリケーションを使用して Red Hat Enterprise Linux のゲスト OS を登録できます。
- ホストまたはゲストでテキスト専用インターフェースを使用できる場合は、SSH を使用します。これには、ゲストの IP アドレスを知っている必要があります。IP アドレスが分からない場合は、
virsh domifaddrコマンドを使用して取得することができます。#
virsh domifaddr guest1-rhel7Name MAC address Protocol Address ------------------------------------------------------------------------------- vnet0 52:54:00:65:29:21 ipv4 10.34.3.125/24 #ssh root@10.34.3.125root@10.34.3.125's password: Last login: Wed Jul 19 18:27:10 2017 from 192.168.122.1 [root@localhost ~]#注記
virsh domifaddrが動作するには、ゲストが動作し、ネットワーク上でアクセスできる必要があります。また、アクティブ化にQEMU ゲストエージェントが必要になることがあります。その後、ゲストマシンでターミナルを使用するのと同様に、ホストターミナルと対話することができます。たとえば、subscription-manager ユーティリティーを使用して、Red Hat Enterprise Linux のゲスト OS を使用することができます。[root@localhost ~]#
subscription-manager registerRegistering to: subscription.rhsm.redhat.com:443/subscription Username: username@sample.com Password: The system has been registered with ID: 30b5e666-67f9-53bb-4b90-c2a88e5be789
4.2.4. 診断
# virsh dominfo guest1-rhel7
Id: 1
Name: guest1-rhel7
UUID: ec0c0122-fb63-4a54-b602-5cf84f5e2dfd
OS Type: hvm
State: running
CPU(s): 2
CPU time: 33.4s
Max memory: 2097152 KiB
Used memory: 2097152 KiB
Persistent: yes
Autostart: disable
Managed save: no
Security model: selinux
Security DOI: 0
Security label: unconfined_u:unconfined_r:svirt_t:s0:c102,c792 (enforcing)4.2.5. スナップショットの作成
virsh snapshot-create コマンドを使用することができます。
# virsh snapshot-create guest1-rhel7
Domain snapshot 1500563241 created#virsh snapshot-list guest1-rhel7Name Creation Time State ------------------------------------------------------------ 1500563241 2017-07-20 17:07:21 +0200 shutoff #virsh snapshot-dumpxml guest1-rhel7 1500563241<domainsnapshot> <name>1500563241</name> <state>shutoff</state> <creationTime>1500563241</creationTime> <memory snapshot='no'/> <disks> <disk name='vda' snapshot='internal'/> [...]
# virsh snapshot-revert guest1-rhel7 --snapshotname 150056324第5章 仮想マシンマネージャーの使用
virt-manager とも呼ばれます。本章では、仮想マシンマネージャー の概要と実行方法について説明します。
注記
5.1. 仮想マシンマネージャーの実行
# virt-manager
図5.1 仮想マシンマネージャー
注記
virt-manager の実行に失敗した場合は、virt-manager パッケージがインストールされていることを確認してください。virt-manager パッケージのインストールに関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 仮想化の導入および管理ガイド』の「仮想化パッケージのインストール」を参照してください。
5.2. 仮想化マシンマネージャーのインターフェース
5.2.1. 仮想マシンマネージャーのメインウィンドウ

図5.2 仮想マシンマネージャーのウィンドウ
5.2.1.2. メインウィンドウのツールバー
表5.2 仮想マシンマネージャーのメインウィンドウのツールバー
| アイコン | 説明 |
|---|---|
![]() | 「新しい仮想マシン」ウィザードを開いて、新しいゲスト仮想マシンを作成します。 |
![]() | 選択した仮想マシンの「仮想マシン」ウインドウを開きます。 |
![]() | 選択した仮想マシンを起動します。 |
![]() | 選択した仮想マシンを一時停止します。 |
![]() | 選択した仮想マシンを停止します。 |
![]() | メニューを開き、選択した仮想マシンで実行する以下のアクションの 1 つを選択します。
|
5.2.1.3. 仮想マシンリスト

図5.3 仮想マシンリスト
- CPU の使用率
- ホスト CPU の使用率
- メモリーの使用率
- ディスク I/O
- ネットワーク I/O
5.2.2. 仮想マシンウインドウ

図5.4 仮想マシンウインドウ
5.2.2.2. 仮想マシンウインドウツールバー
表5.4 仮想マシンウインドウツールバー
| アイコン | 説明 |
|---|---|
![]() | 仮想マシンのグラフィカルコンソールを表示します。 |
![]() | 仮想マシンの詳細ペインを表示します。 |
![]() | 選択した仮想マシンを起動します。 |
![]() | 選択した仮想マシンを一時停止します。 |
![]() | 選択した仮想マシンを停止します。 |
![]() | メニューを開き、選択した仮想マシンで実行する以下のアクションの 1 つを選択します。
|
![]() | 仮想マシンペインにスクリーンショット表示を開きます。 |
![]() | 仮想マシンコンソールをフルスクリーンモードで表示します。 |
5.2.2.3. 仮想マシンペイン
仮想マシンコンソール

図5.5 仮想マシンコンソール
仮想マシンの詳細ウィンドウ

図5.6 仮想マシンの詳細ウィンドウ
スナップショットウインドウ

図5.7 仮想マシンのスナップショットウィンドウ
付録A 改訂履歴
| 改訂履歴 | |||
|---|---|---|---|
| 改訂 1.0-53.1 | Wed Sep 5 2018 | ||
| |||
| 改訂 1.0-53 | Thu Aug 5 2018 | ||
| |||
| 改訂 1.0-52 | Thu Apr 5 2018 | ||
| |||
| 改訂 1.0-49 | Thu Jul 27 2017 | ||
| |||
| 改訂 1.0-46 | Mon Oct 17 2016 | ||
| |||
| 改訂 1.0-44 | Mon Dec 21 2015 | ||
| |||
| 改訂 1.0-43 | Thu Oct 08 2015 | ||
| |||
| 改訂 1.0-42 | Sun Jun 28 2015 | ||
| |||











