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インストールガイド

Red Hat Enterprise Linux 7

すべてのアーキテクチャーへの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール

概要

本ガイドでは、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラム (Anaconda) の起動方法、および AMD64/Intel 64 システム、64 ビット ARM システム、64 ビット IBM Power Systems サーバー、および IBM Z サーバーへの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール方法について解説しています。また、キックスタートインストール、PXE インストール、VNC を使用したインストールなどの高度なインストール方法についても説明します。最後に、インストール後に行う一般的な作業やインストール関連のトラブルシューティングについて説明しています。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール方法についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux Atomic Host インストールと設定ガイド』を参照してください。

第1章 はじめに

Anaconda と呼ばれるインストールユーティリティーで Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。多くの場合、「対話型インストール」 に記載の手順に従うだけで、Anaconda のグラフィカルインターフェースを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
高度な要件を必要とするユーザーは、各種のシステム上でグラフィカルインタフェースを使用してインストールの多くの要素を設定して、Red Hat Enterprise Linux をインストールすることもできます。ローカルインターフェースのないシステムでは、インストールは完全にリモートからアクセスできます。キックスタート ファイルを使用してインストールを自動化したり、対話なしでインストールしたりできます。

1.1. グラフィカルインストール

Red Hat Enterprise Linux インストーラーである Anaconda は、簡単なグラフィカルの手法で Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。このグラフィカルインストールインターフェースにはヘルプシステムが組み込まれており、Linux をインストールしたことがなくても、ほとんどのインストールを実行できます。ただし、Anaconda を使うと、必要に応じて高度なインストールオプションを使用することもできます。
Anaconda は、その並立的な性質上、他のオペレーティングシステムのインストールプログラムとは異なります。ほとんどのインストーラーは、最初に言語の選択、次にネットワークの設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったように、リニア形式で進められます。ある時点ですすめる方向は通常、1 つのみです。
Anaconda のグラフィカルインターフェースでは、最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示され、任意の順序でインストールの各種オプションを設定できます。ある設定を先に完了してからでないと設定できない箇所もあります。たとえば、ネットワークの場所からインストールする場合には、ネットワークを設定してからしか、インストールするパッケージを選択できません。Anaconda のほとんどのオプションは、任意の順序で設定できます。ネットワークの初期化やディスクの検出などのバックグラウンドタスクが原因で特定オプションの設定ができない場合に、これらの完了を待っている間に別の関係ないオプションを設定することができます。
特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
インストールはテキストモードでも実行できますが、カスタムパーティション設定を含む特定のオプションは使用できません。「テキストモードでのインストール」 を参照してください。IBM Power システムもしくは IBM Z をご使用の場合はそれぞれ 「テキストモードでのインストール」「テキストモードでのインストール」 を参照してください。

1.2. リモートインストール

Red Hat Enterprise Linux は、グラフィカルインターフェースをリモートで使用してインストールできます。ヘッドレスシステムの場合、Connect Mode を使用して完全にリモートでグラフィカルインストールを実行できます。ディスプレイとキーボードがあるものの、グラフィカルインタフェースを使用できないシステムでは、Direct Mode を使用すると容易にセットアップができます。詳細は、25章VNC の使用 を参照してください。

1.3. 自動インストール

Kickstart ファイルを使用すると、Anaconda によるインストールを自動化できます。Kickstart ファイルは、インストールのあらゆる側面の設定に使用可能で、ユーザーの介入なしに、Red Hat Enterprise Linux の複数インスタンスのインストールを簡単に自動化できます。
ほとんどの場合、「自動インストール」 に記載の手順に従うだけで、Kickstart ファイルの作成と設定ができます。このファイルを使用すると、任意の数の Red Hat Enterprise Linux を非対話形式でインストールできます。
Kickstart ファイルは、オンラインの Kickstart Generator ツールでグラフィカルインターフェースを使用して選択したないようをもとに自動的に作成することも、テキストエディターで最初から記述することもできます。詳細は、「キックスタートファイルの作成」 を参照してください。
Kickstart ファイルは、Red Hat Enterprise Linux の各種ユーティリティーを使用して簡単にメンテナンスおよび更新できます。詳細は、「キックスタートファイルの維持」 を参照してください。

第2章 Red Hat Enterprise Linux のダウンロード

Red Hat サブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Enterprise Linux 7 インストール DVD の ISO イメージファイル をダウンロードできます。サブスクリプションをお持ちでない方は、サブスクリプションをご購入頂くか https://access.redhat.com/downloads/ の「ソフトウェアおよびダウンロードセンター」で無料の評価版サブスクリプションを入手してください。
AMD64 および Intel 64 (x86_64)、ARM (Aarch64)、ならびに IBM Power Systems (ppc64) のアーキテクチャーで使用できるインストールメディアには、2 つの基本タイプがあります。
バイナリー DVD
完全なインストールイメージ。これはインストールプログラムを起動して全インストール工程を実施します。パッケージ用の追加リポジトリーを用意する必要はありません。
注記
バイナリー DVD は IBM Z でもご利用頂くことができます。SCSI DVD ドライブを使ってインストールプログラムを起動する場合に使用できます。また、インストールソースとして使用することもできます。
boot.iso
最小限の起動イメージ。これは、インストールプログラムを起動しますがパッケージ用の追加リポジトリーにアクセスする必要があります。Red Hat ではこのようなリポジトリーは提供しておらず、完全インストール ISO イメージを使用して作成する必要があります。
注記
IBM Java ランタイム環境や追加の仮想化ドライバーなどの追加パッケージが含まれる補助 DVD イメージを利用することもできます。ただし、これについては本ガイドの範囲を超えます。
既にサブスクリプションまたは評価版サブスクリプションをお持ちの場合は、以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux Red Hat Enterprise Linux 7 の ISO イメージファイルを取得します。

手順2.1 Red Hat Enterprise Linux ISO イメージのダウンロード

  1. カスタマーポータルの https://access.redhat.com/home にアクセスします。ログインしていない場合はページ右側の ログイン をクリックします。プロンプトに従いアカウント認証情報を入力します。
  2. ページ上部の ダウンロード をクリックします。
  3. Red Hat Enterprise Linux をクリックします。
  4. Product VariantArchitecture がインストールターゲットに適した選択になっているか確認します。デフォルトでは Red Hat Enterprise Linux Serverx86_64 を選択します。どれを選択してよいのか分からない場合は、http://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux を参照してください。また、各バリアントで利用可能なパッケージ一覧は、『Red Hat Enterprise Linux 7 パッケージマニフェスト』で確認できます。
  5. 利用可能なダウンロード一覧が表示されます。特に、最小限のブート ISOイメージと完全インストール用 バイナリー DVD ISO イメージが表示されます。これが上記で説明したメディアです。事前設定済みの仮想マシンイメージなど、これ以外のイメージが表示される場合もあります。これについては本ガイドの対象外になります。
  6. 使用するイメージファイルを選択します。カスタマーポータルからダウンロードする方法は、2 通りあります。
    • Web ブラウザーを使ってイメージ名をクリックし、コンピューターにそのイメージをダウンロードします。
    • イメージ名を右クリックして リンクの URL をコピー などのメニューアイテムをクリックします (メニューアイテムの表示はブラウザーによって異なる)。この操作で、ファイルの URL がクリップボードにコピーされ、別のアプリケーションを使ってファイルをコンピューターにダウンロードできるようになります。インターネット接続が不安定な場合にはこの方法が役に立ちます (接続不安定のため中断されブラウザでファイル全体をダウンロードできず、またダウンロードリンクに含まれている認証キーの有効期間が短いため中断されたダウンロードプロセスの再開試行が失敗してしまうような場合)。curl などの特殊アプリケーションを使用するとカスタマーポータルからのダウンロードなど中断されたプロセスを再開することができます。つまり、ファイル全体を再度ダウンロードする必要がなく時間や回線容量を節約することができます。

      手順2.2 curl を使用したインストールメディアのダウンロード

      1. root で以下のコマンドを実行して、curl パッケージがインストールされていることを確認します。
        # yum install curl
        ご使用の Linux ディストリビューションでは yum を使用していない、または Linux 自体をまったく使用していないなどの場合は curl web site で最適となるソフトウェアパッケージをダウンロードしてください。
      2. ターミナルウィンドウを開きダウンロード先となるディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力します。
        $ curl -o filename.iso 'copied_link_location'
        filename.iso には rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso などカスタマーポータルで表示される ISO イメージの名前を入力します。カスタマーポータル内のダウンロードリンクには curl でダウンロードしたファイル名にも使用する追加文字が含まれているため入力には注意してください。次のパラメーターの一重引用符は付けたまま copied_link_location にはカスタマーポータルからコピーしたリンクを入力します。上記のコマンドをコピーした場合にはもう一度コピーします。Linux ではウィンドウ内で中央ボタンをクリックするか、Shift+Insert を押すとクリップボードの内容をターミナルウィンドウに貼り付けることができます。最後のパラメーターの後ろに別の一重引用符を付けて、Enter を押してコマンドを実行し、ISO イメージの転送を開始します。一重引用符を使用するのはダウンロードリンクに特殊な文字が含まれていた場合など、特殊文字が誤って解釈されないようにするためです。

        例2.1 curl での ISO イメージのダウンロード

        curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...7bf'
        実際のダウンロードリンクには複雑な識別子が含まれるため非常に長い記述になる点に注意してください。
      3. 転送の完了前にインターネット接続が中断された場合はカスタマーポータル内のダウンロードページを更新し、必要であればログインし直します。新しいダウンロードリンクをコピーし、以前と同じ基本的な curl コマンドラインパラメーターを使用しますが、必ず新しいダウンロードリンクを使用するように -C - を追加し、既にダウンロードしたファイルのサイズに基づいて続行すべき場所を自動的に決定するように curl に指示します。

        例2.2 中断されたダウンロードの再開

        選択した ISO イメージが一部しかダウンロードされていない場合に使用する curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...963' -C -
  7. オプションで sha256sum などのチェックサムを使用し、ダウンロード完了後にイメージファイルの整合性を検証することもできます。Download Red Hat Enterprise Linux ページにあるダウンロードにはすべて、以下の参照用チェックサムが含まれます。
    $ sha256sum rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    			85a...46c rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    Microsoft WindowsMac OS X 向けにも同様のツールがあります。また、インストールの開始時にインストールプログラムを使用してメディアの検証もできます。詳細は「起動メディアの検証」を参照してください。
カスタマーポータルから ISO イメージファイルをダウンロードすると、以下が可能になります。

第3章 メディアの作成

本章では、「2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード」の手順に従って入手した ISO イメージファイルを使って、DVD や USB フラッシュドライブなどの起動可能な物理メディアを作成する方法について解説しています。メディアの作成後、そのメディアを使ってインストールプログラムを起動し、インストールを開始します。以下の手順は、物理的な起動メディアを使用して 64 ビット AMD、Intel、もしくは ARM システムまたは IBM Power Systems サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合に限り適用されます。IBM Z サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする方法は、16章IBM Z でのインストールの起動 を参照してください。Preboot Execution Environment (PXE) サーバーを設定してネットワーク経由で PXE ベースのインストールを行う方法については、「24章ネットワークからのインストールの準備」を参照してください。
注記
デフォルトでは、インストールメデイアで inst.stage2= 起動オプションが使用され、特定のラベル (たとえば inst.stage2=hd:LABEL=RHEL7\x20Server.x86_64) に設定されます。ランタイムイメージを含むファイルシステムのデフォルトラベルを修正するか、インストールシステムの起動にカスタマイズした手順を使用する場合は、このオプションを正しい値に設定する必要があります。詳細は インストールソースの指定 を参照してください。

3.1. インストール CD または DVD の作成

インストール CD または DVD の作成は、ご使用のコンピューター上にあるディスク書き込みソフトウェアや CD/DVD バーナーを使用します。ISO イメージファイルから光学ディスクを作成する手順は、インストールしているオペレーティングシステムやディスク書き込みソフトウェアなどによって、コンピューターごとに大きく異なります。ISO イメージファイルの CD または DVD への書き込み方の詳しい手順は各ソフトウェアのドキュメントを参照してください。
注記
最小限の起動メディアと完全インストール用のメディアは、いずれも光学ディスク (CD および DVD) を使用して作成することができます。ただし、完全インストール用の ISO イメージはサイズが非常に大きいため (4 GB から 4.5 GB)、DVD のみが使用可能となります。最小限の起動用 ISO の場合、サイズはほぼ 300 MB になるため、CD または DVD のいずれかに書き込むことができます。
まず搭載されているディスク書き込みソフトウェアでイメージファイルをディスクに書き込みことができるかどうか確認してください。ほとんどのソフトウェアで行うことができるはずですが、例外となるソフトウェアも存在します。特に、Windows XP と Windows Vista に搭載されているディスク書き込み機能では DVD への書き込みはできません。また、Windows XP および Windows Vista より旧式の Windows オペレーティングシステムの場合はディスクへの書き込み機能がデフォルトでは搭載されていません。つまり、Windows 7 より旧式の Windows オペレーティングシステムがインストールされている場合にはディスクを書き込むソフトウェアが別途必要になります。Nero Burning ROMRoxio Creator などの書き込みソフトウェアは Windows 対応で一般的なソフトウェアになるため、お使いのコンピューターにすでにインストールされている場合もあります。Linux 対応として最も広範囲に使用されているディスク書き込みソフトウェアの BraseroK3b にも ISO イメージファイルをディスクに書き込むことができる機能が搭載されています。
一部のコンピューターでは、ISO ファイルからのディスク書き込み機能がファイルブラウザー内のコンテキストメニューに一体化されていることがあります。たとえば、GNOME デスクトップを稼働している Linux または UNIX オペレーティングシステムのコンピューターで ISO ファイルを右クリックすると、Nautilus ファイルブラウザで 書き込む オプションが表示されます。

3.2. USB インストールメディアの作成

CD や DVD ではなく、USB ドライブまたは SD カードで起動可能なメディアを作成し、64 ビット AMD、Intel、または ARM システムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすることもできます。Linux システム上で作成するのか Windows システム上で作成するのかにより、作成手順が異なります。最小限の起動メディア、完全インストール用のメディアはいずれも同じ手順で作成できます。USB ドライブを使用する場合はその容量に注意してください。イメージ全体を収納できる十分な容量、つまり最小限の起動メディアであればおよそ 450 MB、完全インストール用のメディアであれば 4.8 GB の容量の USB ドライブが必要になります。

3.2.1. Linux での USB インストールメディアの作成

次の手順では、Linux システムを使用していること、また「2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード」で説明されているように適切な ISO イメージをすでにダウンロードしていることを前提としています。ほとんどの Linux ディストリビューションでは、特に追加のパッケージをインストールしなくても記載の手順で正しく動作します。
警告
この手順を実行すると、すべて破棄されます。USB フラッシュドライブ上のデータは、警告なしで破棄されます。このため、正しいドライブを指定していること、またドライブに、保存の必要があるデータが含まれていないことを必ず確認しておいてください。
多くの Linux ディストリビューションでは、ライブ USB メディアを作成する独自のツールが含まれています (Fedora では liveusb-creator、Ubunto などは usb-creator)。こうしたツールの説明については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ここでは説明していません。次の手順に従うと、ほとんどの Linux システムで USB メディアを作成することができます。

手順3.1 Linux での USB メディアの作成

  1. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  2. root でログインします。
    $ su -
    プロンプトに従い root パスワードを入力します。
  3. デバイスがマウントされていないことを確認します。まず、findmnt device コマンドと前の手順でメモしておいたデバイス名を使います。デバイス名が sdb なら、コマンドは次のようになります。
    # findmnt /dev/sdb
    コマンドから何も出力されなければ次の手順に進むことができます。何らかの出力がある場合は、デバイスが自動的にマウントされたことを示しているため、次に進む前にそのデバイスをアンマウントしておく必要があります。出力の例は、以下のようになります。
    # findmnt /dev/sdb
    TARGET   SOURCE   FSTYPE  OPTIONS
    /mnt/iso /dev/sdb iso9660 ro,relatime
    
    TARGET のコラムをメモしておきます。次に umount target コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。
    # umount /mnt/iso
  4. dd コマンドを使ってインストール用の ISO イメージを 直接 USB デバイスに書き込みます。
    # dd if=/image_directory/image.iso of=/dev/device bs=blocksize
    /image_directory/image.iso は、ダウンロードした ISO イメージファイルへの完全パスに、device は先程 dmesg コマンドでレポートされたレポート名に、blocksize は、書き込みプロセスの時間を短縮するのに妥当なブロックサイズ (例: 512k) に置き換えます。bs パラメーターはオプションですが、プロセスを大幅に高速化できます。
    重要
    デバイス名には、デバイスのパーティション名 (/dev/sda1) ではなく、コマンドからの出力を指定してください (/dev/sda など)。
    たとえば、ISO イメージが /home/testuser/Downloads/rhel-server-7-x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が sdb の場合、コマンドは次のようになります。
    # dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-server-7-x86_64-boot.iso of=/dev/sdb bs=512k
  5. dd によるデバイスへのイメージ書き込みが終了するまで少し時間がかかります。進捗バーが表示されない点に注意してください。# プロンプトが再度表示されるとデータ転送が終了しています。プロンプトが表示されたら、root アカウントからログアウトして、USB ドライブを取り外します。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD、Intel、および ARM システムの場合は「7章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動」、IBM Power Systems サーバーの場合は「12章IBM Power Systems でのインストールの起動」をお読みください。
注記
IBM Power Systems サーバーで仮想化以外のインストール (「ベアメタル」インストールとも呼ばれる) を行うには、inst.stage2= 起動オプションを指定する必要があります。inst.stage2= 起動オプションの詳細は、 「ブートメニューによるインストールシステムの設定」 を参照してください。

3.2.2. Windows での USB インストールメディアの作成

Windows で起動可能な USB メディアを作成する手順は使用するツールによって異なります。ISO イメージを USBドライブに書き込むことができるユーティリティーは数多くあります。Red Hat では Fedora Media Writer の使用を推奨しています。https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/releases よりダウンロードが可能です。
注記
Fedora Media Writer はコミュニティー製品であるため、Red Hat のサポート対象外となります。ツールに関する問題は、https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/issues から報告できます。
重要
Windows の Explorer または同様のファイルマネージャーを使った USB ドライブへの ISO イメージファイルの転送は正しく動作しないため、そのデバイスからは起動できません。

手順3.2 Windows での USB メディアの作成

  1. Fedora Media Writer をダウンロードしてインストールします。
  2. メディアの作成に使用する Red Hat Enterprise Linux ISO イメージをダウンロードします。(ISO イメージの取得方法については 2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。)
  3. 起動可能なメディアの作成に使用する USB ドライブを挿入します。
  4. Fedora Media Writer を開きます。
  5. メイン画面で Custom Image をクリックし、ダウンロードした Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
  6. ドロップダウンメニューから使用するドライブを選択します。一覧にドライブが表示されない場合は、USB ドライブが接続されていることを確認して、Fedora Media Writer を再起動します。
  7. Write to disk をクリックします。起動メディアの作成プロセスが開始されます。プロセスが完了するまでドライブを抜かないでください。ISO イメージのサイズと USB ドライブの書き込み速度によって、イメージの書き込みは数分かかる場合があります。

    図3.1 Fedora Media Writer

    Fedora Media Writer
  8. 作成プロセスが終了して Complete! のメッセージが表示されたら、システムの通知領域にある ハードウェアの安全な取り出し アイコンを使用して USB ドライブをアンマウントします。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD、Intel、および ARM システムの場合は「7章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動」、IBM Power Systems サーバーの場合は「12章IBM Power Systems でのインストールの起動」をお読みください。

3.2.3. Mac OS X での USB インストールメディアの作成

この手順では、dd コマンドラインツールを使用してインストールイメージを USB フラッシュドライブに書き込みます。手順の一部では sudo コマンドを使用します。このコマンドは、パスワードを必要とする管理者アカウントでのログイン時にのみ使用できることに注意してください。
警告
この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて削除されます。

手順3.3 Mac OS X での USB メディアの作成

  1. USB フラッシュドライブをシステムに接続し、diskutil list コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスは /dev/disknumber という形式で、number はディスク番号になります。ディスク番号は、0 から始まります。デバイス 0 は通常、OS X リカバリーディスクになり、ディスク 1 はご自分のメインの OS X インストールになります。以下の例では、USB フラッシュドライブは disk2 になります。
    $ diskutil list
    /dev/disk0
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:      GUID_partition_scheme                        *500.3 GB   disk0
    1:                        EFI EFI                     209.7 MB   disk0s1
    2:          Apple_CoreStorage                         400.0 GB   disk0s2
    3:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s3
    4:          Apple_CoreStorage                         98.8 GB    disk0s4
    5:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s5
    /dev/disk1
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:                  Apple_HFS YosemiteHD             *399.6 GB   disk1
    Logical Volume on disk0s1
    8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2
    Unlocked Encrypted
    /dev/disk2
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:     FDisk_partition_scheme                        *8.0 GB     disk2
    1:               Windows_NTFS SanDisk USB             8.0 GB     disk2s1
    ご自分の USB フラッシュドライブを特定する場合、NAMETYPE および SIZE のコラムをご自分の USB フラッシュドライブのものと比較します。たとえば、NAMEFinder にあるフラッシュドライブのタイトルと同じものであるはずです。またこれらの値をフラッシュドライブの情報パネルと比べることもできます。ドライブのアイコンを右クリックして、情報を見る を選択します。
  2. diskutil unmountDisk コマンドを使用してフラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。
    $ diskutil unmountDisk /dev/disknumber
    					Unmount of all volumes on disknumber was successful
    これを実行すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。消えない場合は、間違ったディスクを指定した可能性があります。間違ってシステムディスクをアンマウントしようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
  3. dd コマンドを sudo コマンドのパラメーターとして使用し、ISO イメージをフラッシュドライブに書き込みます。
    $ sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/rdisknumber bs=1m>
    注記
    Mac OS X では、ブロック (/dev/disk*) とキャラクターデバイス (/dev/rdisk*) の両方のファイルが各ストレージデバイスに提供されます。/dev/rdisknumber キャラクターデバイスへのイメージの書き込みは、/dev/disknumber ブロックデバイスへの書き込みよりも速くなります。

    例3.1 ISO イメージのディスクへの書き込み

    /Users/user_name/Downloads/rhel-server-7-x86_64-boot.iso ファイルを /dev/rdisk2 デバイスに書き込むには、以下のコマンドを実行します。
    $ sudo dd if=/Users/user_name/Downloads/rhel-server-7-x86_64-boot.iso of=/dev/rdisk2
  4. コマンドが完了するまで待機します。進捗バーは表示されませんが、端末で Ctrl+t を押すと実行中の操作の状況を確認できます。
    load: 1.02  cmd: dd 3668 uninterruptible 0.00u 1.91s
    112+0 records in
    111+0 records out
    116391936 bytes transferred in 114.834860 secs (1013559 bytes/sec)
  5. データ送信の速度は、USB ポートとフラッシュドライブの速度に依存します。プロンプトが再度表示されたら、データ転送が完了しています。これでフラッシュドライブを取り外すことができます。
これでフラッシュドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は「7章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動」、IBM Power Systems サーバーの場合は「12章IBM Power Systems でのインストールの起動」をお読みください。

3.3. インストールソースの準備

2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード」で説明されているように、Red Hat Enterprise Linux には最小限の起動用イメージと完全インストール用イメージ (別名: バイナリー DVD) の 2 種類のメディアタイプがあります。バイナリー DVD をダウンロードしてから DVD-ROM または USB ドライブを作成した場合、このメディアにはシステムのインストールに必要なすべてのアイテムが含まれているため、直ちにインストールを開始することができます。
しかし、最小限の起動用イメージを使用してインストールする場合には、インストールソースを別途に設定する必要があります。最小限の起動用イメージには、システムを起動してインストールを開始するために必要なインストールプログラム自体しか含まれておらず、システムにインストールするソフトウェアパッケージは含まれていません。
このため、インストールソースとして完全インストール用の DVD ISO イメージを使用することができます。提供元がRed Hat 以外のソフトウェアを必要とする場合には、追加リポジトリーを設定して インストールの終了後 にインストールを行ってください。インストールが完了したシステムで追加の Yum リポジトリーを設定する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
インストールソースは以下のいずれでも構いません。
  • DVD: バイナリー DVD ISO イメージを DVD に書き込み、インストールプログラムにそのディスクからパッケージをインストールするよう指示することができます。
  • ハードドライブ: バイナリー DVD ISO イメージをハードドライブに配置して、そこからパッケージをインストールすることができます。
  • ネットワーク: バイナリー DVD ISO イメージまたは インストールツリー (バイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツ) を、インストール先のシステムからアクセスできるネットワーク上の場所にコピーし、次のプロトコルを使ってネットワーク経由でインストールすることができます。
    • NFS: バイナリー DVD ISO イメージを ネットワークファイルシステム (NFS) 共有に配置します。
    • HTTPSHTTPFTP: ネットワーク上でアクセスできる場所にインストールツリーを配置します (HTTPHTTPSFTP 経由)。
最小限の起動メディアから起動する場合は、追加のインストールソースを常に設定しておく必要があります。完全インストール用バイナリー DVD から起動する場合は、別のインストールソースを設定することも可能ですが、必要性はありません。バイナリー DVD ISO イメージ自体にシステムのインストールに必要なパッケージがすべて収納されているため、インストールプログラムはバイナリー DVD をソースとして自動的に認識します。
インストールソースは以下のいずれかの方法で指定します。
  • インストールプログラムのグラフィカルインターフェース内で指定する: グラフィカルインストールを開始して言語を選択すると、インストールの概要 が表示されます。インストールソース 画面に移動し、設定するソースを選択します。詳細は、次を参照してください。
  • 起動オプションを使って指定する: インストールプログラムが開始する前に、カスタムの起動オプションを使って指定することができます。以下のいずれかのオプションで使用するインストールソースを指定します。詳細は、「ブートメニューによるインストールシステムの設定」inst.repo= オプションを参照してください。
  • キックスタートファイルを使って指定する: キックスタートファイル内で install コマンドを使ってインストールソースを指定します。install キックスタートコマンドについては 「キックスタートのコマンドとオプション」 をご覧ください。キックスタートを使ったインストール全般については「27章キックスタートを使ったインストール」を参照してください。

3.3.1. インストールソース - DVD

バイナリーの DVD ISO イメージを DVD に書き込み、起動は別のドライブから行い (USB フラッシュドライブにある最小限の起動用 ISO で起動)、パッケージのインストールはこのディスクから行うようインストールプログラムを設定することができます。この手順は、起動可能な光学メディアの作成と同じです。詳細はを 「インストール CD または DVD の作成」 参照してください。
DVD をインストールソースとして使用する場合、インストールの開始時に DVD がドライブに挿入されていることを確認してください。Anaconda インストールプログラムは、インストール開始後に挿入されるメディアは検出できません。

3.3.2. インストールソース - ハードドライブ

ハードドライブのインストールではバイナリーインストール DVD の ISO イメージを使用します。ハードドライブをインストールソースとして使用する場合は、バイナリー DVD ISO イメージをドライブに転送し、そのハードドライブをインストールするシステムに接続します。このあと、Anaconda インストールプログラムを起動します。
USB フラッシュドライブを含め、インストールプログラムにアクセスできるハードドライブならいずれの種類のハードドライブでも構いません。ハードドライブ内でバイナリー ISO イメージを配置するディレクトリー、またイメージに付ける名前に制限はありません。ただし、ISO イメージをドライブのトップレベルのディレクトリーに配置させたときそのディレクトリーに複数のイメージが存在している場合、またはドライブのトップレベルのディレクトリーにイメージを配置しない場合には、使用するイメージを指定する必要があります。起動オプションやキックスタートファイル内のエントリーを使って指定するか、グラフィカルインストールを行っているときに表示される インストールソース の画面で手作業で指定することができます。
インストールソースにハードドライブを使う場合は、Anaconda がマウントできるファイルシステムのパーティション上にバイナリー DVD ISO イメージを配置しなければならないという制限があります。Anaconda がマウントできるファイルシステムは xfsext2ext3ext4 および vfat (FAT32) になります。Microsoft Windows システムでは、ハードドライブのフォーマットに使用されるデフォルトのファイルシステムが NTFS であり、exFAT ファイルシステムでのフォーマットも可能ですが、いずれのファイルシステムもインストール時にマウントできません。Microsoft Windows 上でインストールソースとして使用するハードドライブや USBドライブを作成している場合は、必ず FAT32 でドライブをフォーマットするようにしてください。
重要
FAT32 ファイルシステムは、サイズが 4 GiB を超えるファイルをサポートしません。一部の Red Hat Enterprise Linux 7 インストールメディアでは、このサイズよりも大きい場合もあり、このファイルシステムでは、ドライブにメディアをコピーできません。
インストールソースにハードドライブや USB フラッシュドライブを使用する場合、インストールを開始する時点でシステムに接続されていることを確認してください。インストール開始後に挿入されたメディアはインストールプログラムでは検出されません。

3.3.3. インストールソース - ネットワーク

インストールソースをネットワーク上に配置することで、物理インストールメディアを挿入したり取り出したりする必要なく、1 つのインストールソースから複数のシステムへのインストールを行うことができるようになります。ネットワークベースのインストールは、特にネットワークからのインストールプログラムの起動も可能な TFTP サーバーと併用する場合に便利です。この方法を使用すると、物理メディアを一切作成する必要がなくなるので、同時に複数のシステムに Red Hat Enterprise Linux を簡単にデプロイできます。TFTP サーバーの設定に関する詳細情報は、24章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

3.3.3.1. NFS サーバーへのインストールソースの配置

NFS のインストール方法では、Red Hat Enterprise Linux のバイナリー DVD の ISO イメージを ネットワークファイルシステム サーバーの エクスポートしたディレクトリー に配置して使用します。このディレクトリーはインストールするシステムで読み取りが可能でなければなりません。NFS ベースのインストールを実行する場合は、NFS ホストとして動作する別のシステムを用意する必要があります。
NFS サーバーの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみを説明しています。実際の NFS サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャー、およびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの『インストールガイド』を参照してください。

手順3.4 NFS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して、nfs-utils パッケージをインストールします。
    # yum install nfs-utils
  2. 完全な Red Hat Enterprise Linux 7 バイナリー DVD ISO イメージを、NFS サーバーの適切なディレクトリーにコピーします。たとえば、/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、ここに ISO イメージを保存します。
  3. テキストエディターで /etc/exports ファイルを開き、以下の構文の行を追加します。
    /exported_directory/ clients
    /exported_directory/ を ISO イメージが格納されているディレクトリーの完全パスで置き換えます。clients は、この NFS サーバーからインストールされるコンピューターのホスト名または IP アドレス、ISO イメージに全コンピューターがアクセスする際にそのアクセス元となるサブネットワーク、またはネットワークアクセスのあるコンピューターが NFS サーバーにアクセスして ISO イメージを使用できるようにする場合はアスタリスク記号 (*) で置き換えます。このフィールドの形式についての詳細情報は、exports(5) の man ページを参照してください。
    以下に、全クライアントに対して /rhel7-install/ ディレクトリーを読み取り専用でアクセスできるようにしている基本的な設定を示します。
    /rhel7-install *
  4. 設定が終わったら /etc/exports ファイルを保存してテキストエディターを終了します。
  5. nfs サービスを開始します。
    # systemctl start nfs.service
    /etc/exports ファイルに変更を加える前にサービスを稼働していた場合は、代わりに以下のコマンドを実行して、実行中の NFS サーバーが設定をリロードするようにします。
    # systemctl reload nfs.service
上記の手順を完了すると、NFS 経由による ISO イメージへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、nfs: プロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号 (:)、および ISO イメージを格納しているディレクトリーを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com で ISO イメージを /rhel7-install/ に保存している場合、インストールソースを nfs:myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

3.3.3.2. HTTP、HTTPS、または FTP サーバーへのインストールソースの配置

このインストール方法は、インストールツリー (有効な .treeinfo ファイルとバイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツを含むディレクトリー) を使用する、ネットワークベースのインストールに使用できます。インストールソースには HTTPSHTTPFTP などを使ってアクセスします。
HTTP サーバーおよび FTP サーバーの詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみを説明しています。実際の FTP サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャーおよびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの『インストールガイド』を参照してください。

手順3.5 HTTP または HTTPS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して、httpd パッケージをインストールします。
    # yum install httpd
    HTTPS サーバーには追加設定が必要となります。詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』の「SSL サーバーのセットアップ」セクションを参照してください。ただし、ほとんどのケースでは HTTPS は不要になります。これは、インストールソースとインストールプログラム間では機密データは送信されず、HTTP で十分なためです。
    警告
    Apache web サーバーの設定により SSL セキュリティーが有効になる場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) の影響を受けないようにするためです。詳しくは https://access.redhat.com/solutions/1232413 を参照してください。
    重要
    HTTPS を使用することにして、サーバーで自己署名証明書を使用している場合は、noverifyssl オプションを指定してインストーラーを起動する必要があります。
  2. 完全な Red Hat Enterprise Linux 7 バイナリー DVD ISO イメージを HTTP(S) サーバーにコピーします。
  3. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mount_point/
    ここでは /image_directory/image.iso をバイナリー DVD ISO イメージに、/mount_point/ を ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  4. マウントされたイメージから HTTP サーバーのルートにファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/www/html/
    このコマンドでは、イメージのコンテンツが格納された /var/www/html/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  5. httpd サービスを起動します。
    # systemctl start httpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、http:// もしくは https:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、HTTP サーバーのルートへの相対パスを使用します。たとえば、HTTP を使用していて、サーバーのホスト名が myserver.example.com で イメージからのファイルを /var/www/html/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを http://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

手順3.6 FTP を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して、vsftpd パッケージをインストールします。
    # yum install vsftpd
  2. オプションとして、テキストエディターで /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを開き、変更するオプションを編集します。利用可能なオプションについては、vsftpd.conf(5) の man ページを参照してください。この手順の残りの部分では、デフォルトのオプションを使用していると仮定しています。この手順を行う場合は、FTP サーバーの匿名ユーザーにファイルのダウンロードを許可しておく必要があります。
    警告
    vsftpd.conf ファイルで SSL/TLS セキュリティーを設定している場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) の影響を受けないようにするためです。詳しくは https://access.redhat.com/solutions/1234773 を参照してください。
  3. 完全な Red Hat Enterprise Linux 7 バイナリー DVD ISO イメージを FTP サーバーにコピーします。
  4. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mount_point
    ここでは /image_directory/image.iso はバイナリー DVD ISO イメージに、/mount_point は ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  5. マウントされたイメージから、FTP サーバーのルートにファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/ftp/
    これでイメージのコンテンツが格納された /var/ftp/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  6. vsftpd サービスを開始します。
    # systemctl start vsftpd.service
    /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを変更する前から、このサービスがすでに実行されていた場合は、サービスを再起動して必ず編集後のファイルを読み込ませてください。再起動する場合は、次のコマンドを使用します。
    # systemctl restart vsftpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、ftp:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、FTP サーバーのルートへの相対パスを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com でイメージからのファイルを /var/ftp/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを ftp://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

3.3.3.3. ネットワークベースのインストールを行う場合のファイアウォール設定の事項

ネットワークベースのインストールソースを使用する場合、インストール先のサーバーがリモートのインストールソースにアクセスできるようにファイアウォールを設定してください。以下の表では、ネットワークベースのインストールのタイプごとに、開く必要のあるポートを示します。

表3.1 ネットワークプロトコルが使用するポート

使用プロトコル 開放するポート
FTP 21
HTTP 80
HTTPS 443
NFS 204911120048
TFTP 69
特定のファイアウォールポートを開く方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

パート I. AMD64、Intel 64、および ARM 64 - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のこのパートでは、64 ビット AMD、Intel および ARM システムへの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールと、基本的なトラブルシューティングについて説明します。高度なインストールオプションは、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

第4章 クイックインストールガイド

4.1. 対話型インストール

このセクションは、インストール用 USB ドライブを作成してそこから起動した後に Red Hat Enterprise Linux をインストールして登録する簡単な手順について説明します。
前提条件: インストール USB ドライブを作成して、起動します。詳細は、次を参照してください。
インストール USB ドライブを起動したら、以下を実行します。
  1. 起動メニューで Install Red Hat Enterprise Linux を選択して、Enter を選択します。
  2. Anaconda が起動してから Red Hat Enterprise Linux インストーラーを起動し、言語およびリージョンを選択して Continue をクリックします。
  3. インストールの概要 画面で設定オプションを設定していきます。
    個別のオプションは、好きな順序で表示して修正できます。ある設定オプションが自動で適切に設定されている場合は、なにもする必要はありません。アイテムに感嘆符が付いている場合は、インストール開始前にこれらの設定を完了する必要があります。
    注記
    インストールの開始 ボタンをクリックするまでは、ディスクにはなにも書き込まれません。
  4. 日付と時刻 を選択します。
    1. ご自分の地域とタイムゾーン内で一番近い都市を選択します。
    2. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  5. キーボードレイアウト を選択します。
    1. +- ボタンを使ってキーボードレイアウトの追加または削除を行います。
    2. 複数のキーボードレイアウトを有効にした場合は、 ボタンを使用してデフォルトにするレイアウトをリストの最上部に移動します。
    3. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  6. インストール先 を選択します。
    1. ターゲットディスクを選択します。選択したターゲットの横にチェックマークが表示されます。
      選択したディスクは自動でパーティション設定されます。
    2. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  7. ネットワークとホスト名 を選択します。
    1. 右上にある Ethernet のスライドスイッチをクリックして、ネットワーク設定を有効にします。
    2. オプションで、デバイスを選択してから 設定 をクリックして、ネットワークインターフェース設定を更新します。
    3. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
    注記
    Anaconda は、ネットワーク設定を即座に適用します。これは、セットアップ中とインストール後に使用されます。
  8. インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックします。
  9. インストールが開始され、設定 画面が表示されます。
    インストール中に以下の手順を実行します。
    1. Root パスワード を選択します。
      1. root ユーザーのパスワードを入力して、確認します。
      2. 完了 をクリックして 設定 画面に戻ります。
    2. ユーザーの作成 を選択します。
      1. ユーザーのフルネームを入力します。
      2. オプションで、自動生成されたユーザー名を更新します。
      3. パスワードを設定して、確認します。
      4. オプションで このユーザーを管理者にする にチェックを入れます。こうすることで、このユーザーは wheel グループに追加され、このアカウントでは追加設定なしで sudo が使えるようになります。
      5. 完了 をクリックして 設定 画面に戻ります。
    3. インストールが完了するまで待ってから、再起動 をクリックします。
  10. インストール済みシステムが起動したら、以下の手順を実行します。
    • Server with GUI のベース環境を使用してサーバーをインストールした場合は、初期設定 が自動的に開始されます。
      1. ライセンス同意書に同意します。
      2. システムを登録します。
      詳細は 30章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。
    • インストール中にその他のベース環境を選択した場合は、以下を実行します。
      1. root ユーザーとしてシステムにログインします。
      2. システムを登録し、サブスクリプションを自動的にアタッチします。
        # subscription-manager register --auto-attach \
        --username=user_name --password=password

4.2. 自動インストール

本セクションでは、インストール USB ドライブにキックスタートファイルを追加して、Red Hat Enterprise Linux を自動でインストールして登録する方法について説明します。以下の手順を使用すると、複数のマシンに Red Hat Enterprise Linux をデプロイできます。

USB 起動メディアの生成

  1. キックスタートファイルにインストールを記録します。
    1. Red Hat Enterprise Linux を手動で一度インストールします。詳細は 「対話型インストール」 を参照してください。
    2. インストールされたシステムを起動します。インストール中に、Anaconda/root/anaconda-ks.cfg ファイルに設定を伴うキックスタートファイルを作成しています。
  2. Red Hat Enterprise Linux インストール DVD ISO ファイルを /tmp/ ディレクトリーにダウンロードします。
  3. インストール ISO ファイルを /mnt/ ディレクトリーにマウントします。以下に例を示します。
    # mount -o loop /tmp/rhel-server-7.3-x86_64-dvd.iso /mnt/
  4. 作業ディレクトリーを作成し、そのディレクトリーに DVD コンテンツをコピーします。以下に例を示します。
    # mkdir /root/rhel-install/
    # shopt -s dotglob
    # cp -avRf /mnt/* /root/rhel-install/
  5. ISO ファイルをアンマウントします。
    # umount /mnt/
  6. インストール中に生成されたキックスタートファイルを作業ディレクトリーにコピーします。
    # cp /root/anaconda-ks.cfg /root/rhel-install/
  7. インストール後に Red Hat Enterprise Linux を自動登録して、サブスクリプションをアタッチするには、以下を /root/rhel-install/anaconda-ks.cfg ファイルに追加します。
    %post
    subscription-manager register --auto-attach --username=user_name --password=password
    %end
  8. インストール DVD ボリューム名を表示させます。
    # isoinfo -d -i rhel-server-7.3-x86_64-dvd.iso | grep "Volume id" | \
    sed -e 's/Volume id: //' -e 's/ /\\x20/g'
    RHEL-7.3\x20Server.x86_64
  9. 新しいメニューエントリーを、キックスタートファイルを使用する /root/rhel-install/isolinux/isolinux.cfg 起動ファイルに追加します。以下に例を示します。
    #######################################
    label kickstart
    menu label ^Kickstart Installation of RHEL7.3
    kernel vmlinuz
    
    append initrd=initrd.img inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64 inst.ks=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64:/anaconda-ks.cfg
    #######################################
    注記
    inst.stage2=hd:LABEL= オプションおよび inst.ks=hd:LABEL= オプションは、直前の手順で取得した DVD ボリューム名に設定します。
  10. 作業ディレクトリーから /root/rhel-ks.iso ファイルを作成する前に、USB UEFI boot または CDROM UEFI boot に以下の手順を実行します。
    • USB UEFI boot については、以下の手順に従います。
      1. ボリュームをマウントします。
        # mount /root/rhel-install/images/efiboot.img /mnt/
      2. /mnt/EFI/BOOT/grub.cfg ファイルを編集します。
      3. 新しいメニューエントリーを追加します。
        #######################################
        'Kickstart Installation of RHEL-7.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os {
                linuxefi /images/pxeboot/vmlinuz inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64 inst.ks=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64:/anaconda-ks.cfg
                initrdefi /images/pxeboot/initrd.img
        }
        #######################################
      4. ボリュームをアンマウントします。
         # umount /mnt
    • CDROM UEFI boot については、以下の手順に従います。
      1. /root/rhel-install/EFI/BOOT/grub.cfg ファイルを編集します。
      2. 新しいメニューエントリーをファイルに追加します。
        #######################################
        'Kickstart Installation of RHEL-7.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os {
                linuxefi /images/pxeboot/vmlinuz inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64 inst.ks=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64:/anaconda-ks.cfg
                initrdefi /images/pxeboot/initrd.img
        }
        #######################################
  11. 作業ディレクトリーから /root/rhel-ks.iso ファイルを作成します。
    # mkisofs -untranslated-filenames -volid "RHEL-7.3 Server.x86_64" -J -joliet-long -rational-rock -translation-table -input-charset utf-8 -b isolinux/isolinux.bin -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table -eltorito-alt-boot -e images/efiboot.img -no-emul-boot -o /root/rhel-ks.iso -graft-points /root/rhel-install/
    注記
    前の手順で取得した DVD ボリューム名に -V オプションを設定し、文字列の \x20 はスペースに置き換えます。
  12. mkisofs コマンドで作成した ISO イメージをブート可能にします。
    # isohybrid --uefi /root/rhel-ks.iso
  13. インストール USB ドライブを作成します。詳細は 「Linux での USB インストールメディアの作成」 を参照してください。

キックスタートファイルを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストール

  1. インストール USB ドライブを起動します。7章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動 を参照してください。
  2. 「自動インストール」 で作成したキックスタート設定でエントリーを選択します。

第5章 64 ビットAMD、Intel、および ARM システムへのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

5.1. アップグレードまたはインストールの選択

現在のシステムを Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンにアップグレードする方法は 2 通りあります。以下の説明をよくお読みの上、ご使用のシステムに適した方法をご利用ください。
クリーンインストール
クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。
注記
これは、Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でアップグレードを行う場合は、この方法を推奨しています。
インプレースアップグレード
インプレースアップグレードとは、旧バージョンを残したままシステムをアップグレードする方法です。ご使用のシステムで使用できる移行ユーティリティーをインストールして、他のソフトウェアと同様に稼働させておく必要があります。Red Hat Enterprise Linux では、Preupgrade Assistant は現在のシステムを評価し、アップグレード中またはアップグレード後に発生する可能性がある問題を特定します。また、システムに対し若干の修正および変更も行われます。実際にパッケージをダウンロードしてアップグレードを実行するのは Red Hat Upgrade Tool ユーティリティーになります。インプレースアップグレードにはかなりのトラブルシューティングやプラニングが必要になるため、ほかに選択がない場合に限り使用するようにしてください。Preupgrade Assistant の詳細は、29章現在のシステムのアップグレード を参照してください。
警告
システムのクローンとなるバックアップコピーでのテストを行わないまま実稼働中のシステムにインプレースアップグレードを適用することは絶対に避けてください。

5.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 は、過去 2 年以内に出荷された大半のハードウェアと互換性があります。ハードウェアの互換性は、古いシステムをお使いの場合やシステムをカスタマイズした場合にとりわけ重要になります。ハードウェアの仕様はほぼ毎日変更されるため、すべてのシステムの互換性を確認することが推奨されます。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。システム要件の一般的な情報については、「Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限」も参照してください。

5.3. インストール先として対応しているターゲット

インストールターゲットは、Red Hat Enterprise Linux を格納し、システムを起動するストレージデバイスです。Red Hat Enterprise Linux は、AMD、Intel および ARM のシステムの以下のインストールターゲットに対応しています。
  • SCSI、SATA、SAS などの標準的な内部インターフェースで接続するストレージ
  • BIOS/ファームウェアの RAID デバイス
  • nd_pmem ドライバーがサポートする、セクターモードに設定された Intel 64 および AMD64 アーキテクチャー上の NVDIMM デバイス
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス。製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります。
  • Xen 仮想マシンの Intel のプロセッサーの Xen ブロックデバイス
  • KVM 仮想マシンの Intel のプロセッサーの VirtIO ブロックデバイス
Red Hat では USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。

5.4. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするため、通常はシステムに関する詳細を入力する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの詳細を把握しておくことが重要です。このため、インストールのタイプにより、インストールに備えて以下のようなシステムの仕様を記録しておくことをお勧めします。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続されているハードドライブのモデル番号、サイズ、種類、およびインタフェース。たとえば、SATA0 上には Seagate 製 ST3320613AS (320 GB)、SATA1 上には Western Digital WD7500AAKS (750 GB) です。こうすることで、パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールしている場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用するパーティションについての情報。これには、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベル、およびサイズが含まれます。これにより、パーティション設定のプロセス中に特定のパーティションを識別できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの特定方法は異なることから、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux は異なるデバイス名でレポートする可能性があることに留意してください。この情報は通常、mount コマンドおよび blkid コマンドを実行すると見つけられ、また /etc/fstab ファイル内にあります。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定できます。詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (たとえば、Netgear 社製の GA311 など)。ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります。
    • IP、DHCP、および BOOTP のアドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IP アドレス
    • 1 つ以上のネームサーバーの IP アドレス (DNS)
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語が不明な場合は、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所ネットワークによっては、CHAP ユーザー名とパスワードと、リバース CHAP ユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。
  • 使用コンピューターがドメインの一部である場合は、以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーにより提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

5.5. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など、最近のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用します。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ディスクパーティションを操作する必要がある場合があります。詳細は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
お使いのシステム上に別のオペレーティングシステムがインストールされている場合は、そのオペレーティングシステムが使用するディスク領域は、 Red Hat Enterprise Linux が使用するものとは別にする必要があります。
注記
AMD64/Intel 64 の場合は、少なくとも 2 つのパーティション (/ および swap) を Red Hat Enterprise Linux 専用とする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、パーティションが分割されていないディスク領域か、削除できるパーティション内に、最低 10 GiB の容量が必要です。パーティションおよびディスク領域の推奨事項については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 で説明している推奨のパーティション設定サイズを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux には、少なくとも以下のメモリー容量が必要です。
インストールタイプ 必要最小限の RAM サイズ
ローカルメディアによるインストール (USB, DVD) 768 MiB
NFS ネットワークインストール 768 MiB
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール 1.5 GiB
注記
本セクションに記載した値より少ないメモリーでも、インストールを実施することは可能です。ただし、正確な要件は、環境や実際のインストールパスに大きく依存し、新しいリリースごとでも変わります。したがって、特定のユースケースに必要な最小限の RAM を正確に把握するためには、さまざまな構成でテストを行い、新しいリリースごとに定期的に再テストする必要があります。
キックスタートファイルを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合には、手動インストールと同じ最小メモリー要件があります。ただし、使用するキックスタートファイルで、新たなメモリーを必要とするコマンドやデータを RAM ディスクに書き込むコマンドを実行する場合は、追加の RAM が必要になることもあります。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルのRed Hat Enterprise Linux technology capabilities and limitsの記事を参照してください。

5.6. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux の使用時に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

5.6.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイは、それぞれ Red Hat Enterprise Linux 内で 1 つのドライブとして表示されます。

5.6.2. ソフトウェア RAID

システムに複数のハードドライブが搭載されている場合は、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細は「手動パーティション設定」で説明しています。
注記
以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

5.6.3. USB ディスク

インストール後に外付け USB ストレージを接続して設定できます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルでの認識後に使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

5.6.4. NVDIMM デバイス

不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスをストレージとして使用するには、次の条件を満たす必要があります。
  • Red Hat Enterprise Linux のバージョンが 7.6 以降である。
  • システムのアーキテクチャーが Intel 64 または AMD64 である。
  • デバイスが、セクターモードに設定されている。Anaconda で、NVDIMM デバイスをこのモードに再構成できます。
  • nd_pmem ドライバーがデバイスをサポートしている。
さらに以下の条件が満たされる場合には、NVDIMM デバイスからの起動が可能です。
  • システムが UEFI を使用している。
  • システムで使用可能なファームウェアまたは UEFI ドライバーがデバイスをサポートしている。UEFI ドライバーは、デバイス自体のオプション ROM から読み込むことができます。
  • デバイスが名前空間で利用可能である。
起動時に NVDIMM デバイスの優れた性能を活かすためには、/boot および /boot/efi ディレクトリーをこのデバイスに配置します。詳細は、「手動パーティション設定」 を参照してください。起動時には NVDIMM デバイスの Execute-in-place (XIP) 機能はサポートされません。カーネルは従来どおりメモリーに読み込まれる点に注意してください。

5.6.5. Intel の BIOS RAID に関する注意点

Red Hat Enterprise Linux 7 は、Intel BIOS RAID セットへのインストールに mdraid を使用します。BIOS RAID セットは起動プロセスで自動検出されるため、デバイスノードパスが起動するたびに変わる可能性があります。このため、デバイスノードパスを使ってデバイスを参照する /etc/fstab/etc/crypttab、その他の設定ファイルに対してローカルで変更を加えても Red Hat Enterprise Linux 7 では機能しない可能性があります。したがって、デバイスノードパス (/dev/sda など) の代わりにファイルシステムのラベルまたはデバイスの UUID を使用してください。ファイルシステムのラベルおよびデバイスの UUID は、blkid コマンドを使用すると確認できます。

5.6.6. Intel BIOS iSCSI Remote Boot に関する注意点

Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。

5.7. インストーラーの起動方法の選択

各種方法で、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムを起動できます。インストールメディアにより選択する方法が異なります。
DVD や USB フラッシュドライブなどのリムーバブルメディアからの起動を可能にするため、ご使用のシステムのファームウェア (UEFI の BIOS) の設定を変更する必要がある可能性があります。詳細は 「物理メディアからの起動」 を参照してください。
注記
インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール DVD または USBドライブ
完全インストール DVD または ISO イメージから起動メディアを作成できます。この場合には、DVD または USB ドライブ は、起動デバイスとソフトウェアパッケージのインストールソース両方の役割を果たすため、このドライブ 1 つでインストールをすべて完了できます。完全インストール向けに DVD または USB ドライブの作成方法については「3章メディアの作成」を参照してください。
最小限の起動 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限のブート CD、DVD、または USB フラッシュドライブは、システムの起動とインストールの開始に必要なデータだけが含まれる、小さい ISO イメージを使用して作成されます。この起動メディアを使用する場合には、パッケージをインストールする追加のインストールソースが必要になります。ブート CD、DVD、および USB フラッシュドライブを作成する方法は、「USB インストールメディアの作成」 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用すると、インストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができます。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は24章ネットワークからのインストールの準備を参照してください。

5.8. キックスタートを使用したインストールの自動化

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使用してインストールプロセスを部分的または完全に自動化する方法を提供します。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザーによる作業をを必要とせずに、すべてまたは一部を自動インストールできるようになります。これは、Red Hat Enterprise Linux を多数のシステムに一度にデプロイする場合などに特に便利です。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルを使用すると、ソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインストールインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手動でインストールする場合には、ソフトウェアの選択肢は、事前定義されている環境とアドオンに限定されます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりできます。
キックスタートファイルを作成してインストールを自動化する方法は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

5.9. UEFI セキュアブートによるベータリリースの使用

注記
本セクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースについてのみ 説明します。
UEFI セキュアブートのテクノロジーでは、オペレーティングシステムのカーネルが起動可能となるには、認識済みの秘密鍵で署名されている必要があります。Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースではすべて、カーネルは Red Hat Beta 固有の秘密鍵で署名されています。これはベータ以外の一般公開リリースのカーネル署名に使用されている一般的な Red Hat 鍵とは異なるものです。
ベータの秘密鍵はハードウェアが認識しない可能性が高いので、Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースが起動できないことになります。UEFI セキュアブートを有効にしてベータリリースを使用するには、Machine Owner Key (MOK) 機能を使用してシステムに Red Hat ベータ公開鍵を追加する必要があります。
Red Hat ベータの鍵は以下の手順でシステムに追加します。

手順5.1 UEFI セキュアブート用のカスタム秘密鍵の追加

  1. まず、システムで UEFI セキュアブートを無効にし、通常どおりに Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールします。
  2. インストールが完了したら、システムを再起動します。セキュアブートはこの時点ではまだ無効にしていてください。システムを再起動してログインし、該当する場合は 30章初期設定 (Initial Setup) に記載どおりに、初期設定画面に移動します。
  3. 初回起動が完了して初期設定を行った後に、まだインストールされていない場合は kernel-doc パッケージをインストールします。
    # yum install kernel-doc
    このパッケージにより、Red Hat CA ベータ公開鍵を含む証明書ファイルが提供されます。ファイルは /usr/share/doc/kernel-keys/kernel-version/kernel-signing-ca.cer に保存されます。ここで、kernel-version はプラットフォームアーキテクチャーの接尾辞を省いたカーネルバージョンの文字列です (例: 3.10.0-686.el7)。
  4. 以下のコマンドを実行し、公開鍵をシステムの Machine Owner Key (MOK) リストに登録します。
    # kr=$(uname -r)
    # mokutil --import /usr/share/doc/kernel-keys/${kr%.$(uname -p)}/kernel-signing-ca.cer
    プロンプトが表示されたら、任意のパスワードを入力します。
    注記
    パスワードは忘れないようにしてください。この手順の完了に必要となる上、インポートされた鍵が不要になった場合に、その削除に必要となります。
  5. もう一度システムを再起動します。起動中に、保留となっていた鍵の登録要求を完了させるかどうか聞かれます。yes を選択し、前のステップで mokutil コマンドを使って設定したパスワードを入力します。パスワードを入力するとシステムがもう一度再起動し、鍵がシステムのファームウェアにインポートされます。今回の再起動またはこれ以降の再起動時に、セキュアブートを有効にできます。
警告
インポートしたベータ公開鍵が不要になったら、これを削除します。
最新 (一般公開) リリースの Red Hat Enterprise Linux 7 または異なるオペレーティングシステムをインストールする場合は、インポートした鍵を削除してください。この公開鍵をインポートした だけ の場合は、以下のコマンドで MOK をリセットできます。
# mokutil --reset
次回の再起動後に、ファームウェアにより削除の確認および鍵のインポート時に作成したパスワードが求められます。正しいパスワードを入力すると MOK から鍵が削除され、システムは元の状態に復元されます。

第6章 AMD64 および Intel 64 システムへのインストール中におけるドライバー更新

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイスのドライバーがすでに含まれています。しかし、かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から、RPM パッケージ が含まれる ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。通常、ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードできます。
重要
ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを、他の方法で提供されるドライバーよりも優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはほぼありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 を参照してください。
他の状況では、インストールプロセスでデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにする場合などです。インストール中にこうしたサポートを追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「USB インストールメディアの作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中から 1 つ選択し、検証してからインストールを実行するようにしてください。逆に、お使いのシステムでドライバーの更新が必要かどうかが不明な場合には、ドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。
警告
ドライバー更新ディスクは、必要に応じて競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。

6.1. インストール中にドライバーを更新する場合の制約

Secure Boot テクノロジーが有効になっている UEFI システムの場合、読み込むドライバーはすべて有効な証明書で署名されている必要があります。署名がないドライバーはシステムが拒否します。Red Hat が提供するすべてのドライバーは、Red Hat の秘密鍵のいずれかで署名され、カーネル内の対応する Red Hat 公開鍵によって認証されます。他のドライバー (Red Hat Enterprise Linux インストール DVD では提供していないドライバーなど) を読み込む場合は、署名されていることを確認してください。
カスタムドライバーの署名については『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』の「カーネルモジュールでの作業」の章をご覧ください。

6.2. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストールを開始するときに、inst.dd 起動オプションを指定できます。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
inst.dd=location 起動オプションは、インストールの開始時に指定しますが、location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージのパスになります。Anaconda にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPS または FTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。
注記
inst.dd=locationinst.dd の両方を同時に使用することも可能です。ただし、この場合には Anaconda の動作は、使用する location の種類により異なります。デバイスの場合、Anaconda で、指定したデバイスから更新するデバイスを選択するように求めるプロンプトが表示され、追加のデバイスが提供されます。location がネットワークの場所の場合には、Anaconda では、ドライバーの更新を含むデバイスを選択するようにプロンプトが表示され、指定のネットワークの場所からドライバーを更新できるようにします。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動で行う場合は、別のラベルでローカルストレージを使用するか、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。
重要
ネットワーク経由でドライバーの更新を読み込むときは、ip= オプションを使用してネットワークを初期化します。詳細は 「ブートメニューによるインストールシステムの設定」 を参照してください。

6.2.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使用して ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスのルートディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。手動によるインストールの場合、OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動インストールでは、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール時にドライバーの更新を手動で選択する方法は、「手動によるドライバー更新」 を参照してください。

6.2.2. ドライバー更新用 ISO ファイルを提供するディスク (CD または DVD) の準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法は 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで表示して、そのディスクが正常に作成されたか確認します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルで、rpms は各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納してしています。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

6.3. インストール中のドライバー更新

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する
重要
ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

6.3.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。
注記
Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降では、OEMDRV ブロックデバイスを使用して、キックスタートファイルを自動的に読み込むこともできます。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスのルートに格納する必要があります。キックスタートインストールの詳細は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始すると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーの選択を求めるプロンプトが表示されます。

図6.1 ドライバーの選択

ドライバーの選択
数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

6.3.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、そのようなデバイスが検出されず、inst.dd オプションが起動コマンドラインに指定されている場合には、インストールプログラムは対話モードでドライバーディスクを検索できます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。

図6.2 対話式のドライバー選択

対話式のドライバー選択
注記
ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

6.3.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを格納する ISO イメージを USB フラッシュドライブや Web サーバーなどアクセスできる場所に配置し、コンピューターに接続しておきます。ようこそ画面で Tab を押すと、起動コマンドラインが表示されるので、そこに inst.dd=location を追加します。ここでは、location はドライバー更新ディスクへのパスに置き換えます。

図6.3 ドライバー更新へのパスの指定

ドライバー更新へのパスの指定
通常、イメージファイルは Web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置きます。ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することもできます。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

6.3.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押して起動コマンドラインを表示します。次に modprobe.blacklist=driver_name を追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。以下に例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
起動オプション modprobe.blacklist= を使用してインストール時にブラックリストに追加したドライバーは、インストール済みシステムで無効になり、/etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルに表示されます。ドライバーをブラックリストに登録する方法とその他の起動オプションについては、「23章起動オプション」を参照してください。

第7章 64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスクに格納している ISO イメージからインストールするか、NFSFTPHTTPHTTPS を使用したネットワークからインストールできます。完全インストール用 DVD から起動してインストールする方法が最も簡単な方法になります。これ以外のインストール方法の場合、いくつか別途にセットアップが必要にはなりますが、それぞれ異なる利点があります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux を大量のマシンに同時にインストールする場合は、PXE サーバーから起動し、ネットワーク上の共有の場所に配置したソースからのインストールが最適な方法になります。
以下の表では、メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表7.1 起動方法とインストールソース

起動方法 インストールソース
完全インストール用メディア (DVD または USB) インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使用します
最小限の起動メディア (CD または USB) インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動 (PXE) インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
起動用 CD-ROM の作成方法、起動またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備などについて 「USB インストールメディアの作成」 を参照してください。
本章では、以下のトピックについて説明します。

7.1. インストールプログラムの起動

インストールプログラムを起動するには、まずインストールに必要なリソースがすべて揃っていることを確認します。「5章64 ビットAMD、Intel、および ARM システムへのインストールプラン」の指示どおりに手順を実行している場合は、インストールの開始準備が整っているはずです。開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux DVD または作成した起動メディアを使ってインストールプログラムを起動します。
重要
起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。
注記
時折、インストール中に ドライバー更新 を必要とするハードウェアコンポーネントがあります。ドライバー更新により、インストールプログラムでは対応していないハードウェアに対応できるようになります。詳細は、6章AMD64 および Intel 64 システムへのインストール中におけるドライバー更新 を参照してください。

7.1.1. 物理メディアからの起動

Red Hat Enterprise Linux DVD、または最小限の起動メディアからインストールプログラムを起動するには、以下の手順に従います。

手順7.1 物理メディアからのインストールプログラムの起動

  1. インストールに必要のないドライブはすべて取り外します。詳細は、「USB ディスク」 を参照してください。
  2. コンピューターシステムの電源を入れます。
  3. コンピューターにメディアを挿入します。
  4. 起動メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
  5. コンピューターシステムの電源を入れます。メディアから起動するため特定のキーやキーの組み合わせを押さなければならなかったり、メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定しなければならない場合があります。詳細は、システムに同梱されているドキュメントをご覧ください。
しばらくすると、各種の起動オプションの詳細が記載された起動画面が表示されます。最初の 1 分以内に操作を行わない場合には、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションの説明は、「ブートメニュー」 を参照してください。

7.1.2. PXE を使ったネットワークからの起動

起動方法 PXE。TFTP サーバーを適切に設定し、PXE に対応するコンピューターのネットワークインターフェースが必要です。PXE サーバーの設定方法は 24章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。
ネットワークインターフェースから起動するようコンピューターを設定します。このオプションは BIOS にあり、Network Boot または Boot Services のラベルが付けられる場合があります。また、正しいネットワークインターフェースから最初に起動するよう BIOS が設定されていることを確認します。BIOS システムの中には、起動デバイスとしてネットワークインタフェースが指定されているにもかかわらず、PXE 規格に対応していないものがあります。詳細はハードウェアのドキュメントをご覧ください。PXE の起動を正しく有効にすると、他のメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できます。
次の手順に従い PXE サーバーからインストールプログラムを起動します。Ethernet など物理的なネットワーク接続を使用する必要があるので注意してください。ワイヤレス接続では正しく動作しません。

手順7.2 PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ハードウェアによって PXE サーバーに接続する前にネットワーク設定と診断情報が表示される場合があります。接続すると、PXE サーバーの設定に応じたメニューが表示されます。目的のオプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合はサーバーの管理者に問い合わせてください。
これでインストールプログラムが正常に起動し、起動画面が表示されます。この画面には各種の起動オプションの詳細が表示されます。最初の 1 分以内に操作を行わない場合には、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションの説明は、「ブートメニュー」 を参照してください。

7.2. ブートメニュー

起動メディアの読み込みが完了すると、GRUB2 (GRand Unified Bootloader、バージョン 2) を使用して起動メニューが表示されます。起動メニューには、インストールプログラムを起動する以外に、複数のオプションがあります。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトを選択する場合はタイマーが終了するまで待つか、Enter を押します。

図7.1 起動画面

起動画面
デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使用します。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、以下を実行します。
  • BIOS ベースのシステムの場合、Tab キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加する方法を推奨しています。Esc キーを押して boot: プロンプトにアクセスすることもできますが、必要のない起動オプションは事前設定されていません。この場合、いずれの起動オプションを使用する場合もその前に linux オプションを必ず指定する必要があります。
  • UEFI ベースのシステムの場合、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
追加の起動オプションは 23章起動オプション を参照してください。
起動メニューのオプションは、以下のようになります。
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使用してコンピューターシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にはこの選択肢を実行します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
このオプションがデフォルトです。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの整合性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting >
この項目は別のメニューとなっており、さまざまなインストールの問題を解決する場合に役立ちます。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。

図7.2 トラブルシューティングメニュー

トラブルシューティングメニュー
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
このオプションを使用すると、インストールプログラムがお使いのビデオカードに適したドライバーを読み込むことができない場合でも、グラフィカルモードで Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時に画面が歪んでいるか、何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動して、このオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードの読み込み」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合は、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動できます。

第8章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする手順を説明します。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。
  • 27章キックスタートを使ったインストール の説明に従って、キックスタートを使用してインストールを自動化する。
  • VNC (Virtual Network Computing) プロトコルを使用して、グラフィカルディスプレイのある別のコンピューターからインストールシステムにリモートで接続して、グラフィカルインストールを実行する。「25章VNC の使用」を参照してください。

8.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なります。ほとんどのインストーラーは、最初に言語の選択、次にネットワークの設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったように、決まったパスで進められます。ある時点ですすめる方向は通常、1 つのみです。
Anaconda では、最初は言語とロケールだけを選択するだけです。次に中央画面が表示され、任意の順序でインストールの各種オプションを設定できます。これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。たとえば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
中央の画面では、他にも違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

8.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題解決に役立ちますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

8.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数画面を表示し、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。
注記
一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から、他の環境に移動する必要はありません。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。
注記
テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、画面にアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表のとおりです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
Ctrl+b nCtrl+b p を使用して、それぞれ、次または前の tmux 画面に移動することもできます。

表8.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット 内容
Ctrl+b 1 メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2 root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3 インストールログ: /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4 ストレージログ: /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5 プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについては 表9.1「インストール中に生成されるログファイル」 を、インストールシステムからの転送方法は、「9章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールに関連するトラブルシューティング」を参照してください。

8.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーできます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は 「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

8.3. テキストモードでのインストール

テキストモードによるインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式で、グラフィカルではないインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。
重要
Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨します。グラフィカルな表示がないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。25章VNC の使用 を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルな表示があるにも拘らず、グラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。「23章起動オプション」を参照してください。
または、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

図8.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストール
テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。
注記
バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語には英語を、キーボードには US English のキーボードレイアウトを使用します。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、起動メニューの起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で inst.text 起動オプションを使用してインストールを起動します。起動オプションの使用および起動に関する情報は、7章64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールの起動 を参照してください。

8.4. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが推奨の方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を別の言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。

図8.2 インストールの概要 画面

インストールの概要 画面
以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、その時の画面に関連する『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』のセクションが表示されます。
また、キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを制御することもできます。以下の表では、利用可能なショートカットを示しています。

表8.2 グラフィカルインストーラーでのキーボードショートカット

ショートカットキー 用途
Tab または Shift+Tab 表示画面上でアクティブな要素 (ボタン、チェックボックスなど) の間を移動します。
Up または Down リストをスクロールします。
Left または Right ツールバーとテーブルエントリーを左右にスクロールします。
Space または Enter 選択肢からハイライト表示したアイテムを選択または削除し、ドロップダウンメニューを展開、折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

8.5. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux へようこそ という画面です。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。この選択内容が、後に変更しない限り、インストール済みシステムのデフォルトになります。左側のパネルでは、English など、任意の言語を選択します。そして、右側のパネルで、English (United States) など、その言語の特定の地域を選びます。
注記
1 つの言語が一覧の上部に事前に設定されます。この時点でネットワークアクセスが設定されている場合 (たとえば、ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、事前に選択した言語は、GeoIP モジュールの使用による場所の自動検出に基づいて決定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに任意の言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。

図8.3 言語設定

言語設定
続行 ボタンをクリックすると、サポート対象外のハードウェアのダイアログが表示される場合があります。これは、カーネルがサポートしていないハードウェアを使用している場合に発生します。

8.6. インストールの概要画面

Installation Summary 画面で、主なインストール設定を行います。

図8.4 インストールの概要 画面

インストールの概要 画面
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定する場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告シンボルのマークが付いたセクションのみが必須です。画面の下部の注で警告されているように、これらをインストールを開始する前に選択する必要があります。残りのセクションはオプションです。各セクションのタイトルの下には、現在の設定の概要が示されます。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も併せて参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。
注記
バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。

図8.5 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面
インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法は、「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

8.7. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックして特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図またはドロップダウンメニューに表示されない場合には、同じタイムゾーンの最も近い主要都市を選択してください。または、キックスタートファイルを使用することもできます。これにより、グラフィカルインターフェースでは使用できない追加のタイムゾーンを指定できます。詳細は、 timezone (必須) timezone コマンドを参照してください。
注記
表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat は、このデータベースに都市や地域を追加することはできません。詳細は、http://www.iana.org/time-zones の公式の Web サイトを参照してください。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンを指定してください。

図8.6 タイムゾーン設定画面

タイムゾーン設定画面
ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux で使用する NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

8.8. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールする追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。

図8.7 言語サポートの設定

言語サポートの設定
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

8.9. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。

図8.8 キーボードの設定

キーボードの設定
新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。チェックボックスを選択して、一覧からキーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。
重要
ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、Red Hat では 英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことを推奨しています。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これにより、インストールを完了できない可能性があります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

8.10. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効にすると、この機能の提供に必要なパッケージが自動的にインストールされます。ただし、デフォルトではポリシーが強制されることがなく、明確に設定されている場合を除いて、インストール時およびインストール後にチェックが行われません。
背景情報、実用的な例、その他のリソースなど、設定コンプライアンスおよび脆弱性スキャンに関する情報は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。
重要
セキュリティーポリシーの適用はすべてのシステムで必要なわけではありません。このウィンドウは、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide で提供されます。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。

図8.9 セキュリティーポリシー選択画面

セキュリティーポリシー選択画面
システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択し、その下の プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前に加えられるかどうかが表示されます。
注記
デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を適用しません。ただし、下記のとおりにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択した後、または画面を離れる場合には、左上隅にある 完了 をクリックして「インストールの概要画面」に戻ります。

8.11. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。

図8.10 インストールソースの画面

インストールソースの画面
以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、起動メニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux を選択した場合、または rd.live.check 起動オプションを使用して実行された場合と同じです。
ISO ファイル
このオプションは、インストールプログラムで、ハードドライブがパーティションされており、マウント可能なファイルシステムを備えてられていることを検出した場合に、表示されます。このオプションを選択してから、ISO の選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワークの場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記の選択肢をネットワークの場所の URL の開始部分として使用し、残りのアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定する別のボックスが表示されます。
重要
NFS ベースのインストールソースを選択する際には、ホスト名をコロン (":") でパスから区切ったアドレスを指定する必要があります。以下に例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は、「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、リポジトリーを削除するには、- ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

8.12. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。
重要
インストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールする時に、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムにより自動的に検出されるため、手動での追加または削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。
注記
em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。

図8.11 ネットワークとホスト名の設定画面

ネットワークとホスト名の設定画面
接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname 形式の fully-qualified domain name (FQDN) または hostname 形式の short host name のいずれかを選択できます。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。
重要
ホスト名を手動で割り当てる場合は、委譲されていないドメイン名を使用しないでください。使用すると、ネットワークリソースが使用できなくなる可能性があります。詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』で推奨している命名方法の実践例を参照してください。
注記
ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

8.12.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要はなく、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。必要に応じて、ネットワーク設定の詳細情報については、『ネットワークガイド』を参照してください。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。

    図8.12 ネットワーク自動接続機能

    ネットワーク自動接続機能
  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。

    図8.13 IP プロトコル設定

    IP プロトコル設定
ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

8.12.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについては本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。

図8.14 ネットワークとホスト名の設定画面

ネットワークとホスト名の設定画面
ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • ボンド: NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • ブリッジ: NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集約ネットワークに接続します。
  • チーム: NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN: それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。

図8.15 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

高度なネットワークインターフェースのダイアログ
注記
ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

8.13. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。この環境は、特定の目的でパッケージセットが事前定義されています。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。

図8.16 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

サーバーインストールでのソフトウェア選択の例
選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux のインストール DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。
重要
事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小インストール 環境を選択することを推奨しています。最小インストール では、基本バージョンの Red Hat Enterprise Linux と、最低限の追加ソフトウェアのみがインストールされます。これにより、システムが脆弱性の影響を受ける可能性が大幅に減ります。必要な場合は、インストール後に最初にログインした後、Yum パッケージマネージャーを使って追加ソフトウェアをインストールできます。最小インストール の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については「27章キックスタートを使ったインストール」を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

8.13.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれます。
  • rsyslog サービスを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するように Red Hat Enterprise Linux システムを設定できます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

8.14. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、「付録A ディスクパーティションの概要」を参照してください。
警告
Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
重要
Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。
重要

特殊なケース

  • RAID カードを実装している場合、BIOS タイプは、RAID カードからの起動に対応していない場合がある点に注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。そのような RAID カードへのパーティション作成には、内蔵ハードドライブを使用する必要があります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。システムのパーティション設定を自動で選択した場合は、/boot パーティションを手動で編集する必要があります。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが、別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、インストール先 画面で 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、手動でブートドライブを指定する必要があります。起動ドライブを指定する方法は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • マルチパスストレージデバイスと非マルチパスのストレージデバイスの両方が使用されているシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムの自動パーティション設定レイアウトに、マルチパスのデバイスと非マルチパスのデバイスが混在するボリュームグループが作成される可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。インストール先 の画面ではマルチパスのみ、またはマルチパス以外のみのいずれかを選択することが推奨されます。もしくは、手動のパーティション設定を実行してください。

図8.17 ストレージ領域の概要

ストレージ領域の概要
この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。このデバイスの詳細は「ストレージデバイス」を参照してください。
画面上部のペインのアイコンをクリックして、Red Hat Enterprise Linux をインストールするディスクを選択します。各ディスクには、ラベル、サイズ、使用可能な領域が示されています。この画面で選択しなかったディスクについては一切変更されません。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法とボリュームの作成方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにクリーンインストールを実行する場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定が推奨されます。自動パーティション設定を行う場合は、デフォルトで選択されている Automatically configure partitioning のラジオボタンにチェックを入れたままにすると、インストールプログラムが必要なパーティションとボリュームをストレージに自動作成します。
    自動でのパーティション設定の場合、I would like to make additional space available のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。Done をクリックすると、ダイアログが表示されます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨のパーティション設定でインストールを完了するのに十分なストレージ領域がない場合には、以下のダイアログが表示されます。

    図8.18 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション
    Red Hat Enterprise Linux software selection リンクをクリックします。このリンクをクリックすると、ソフトウェアの選択 セクションに移動し、インストールするソフトウェアを変更してストレージ領域を追加で開放できます。
    別の方法では、Cancel & add more disks をクリックして、Installation Destination 画面に戻り、ストレージデバイスを追加するか、手動でパーティションを設定することができます。Reclaim space をクリックして、既存のファイルシステムからストレージ領域を開放します。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    十分な領域を確保できないと、別のダイアログが表示されます。この場合は、当初のストレージ画面でディスクを追加するか、インストールを中止することになります。
    手動による設定を行うため、I will configure partitioning のラジオボタンを選択した場合は、Done をクリックすると Manual Partitioning の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • Encryption セクションで Encrypt my data のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化できます。暗号化についての詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

8.14.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ブートローダーとして GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) を使用します。ブートローダーは、システムの起動時に実行し、制御をオペレーティングシステムに読み込み、転送する最初のプログラムです。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであれば起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。
警告
GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
Red Hat Enterprise Linux は、他のオペレーティングシステムがすでにインストールされていると、自動検出して Grub で起動できるように設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定できます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。

図8.19 選択したディスクの要約

選択したディスクの要約
Boot のコラムには、デバイスの 1 つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択して ブートデバイスとして設定 のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択して ブートローダーをインストールしない のボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。
警告
何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

8.14.1.1. MBR と GPT に関する注意点

インストールプログラムによりルートファイルシステムのデバイスの マスターブートレコード (MBR) または GUID パーティションテーブル (GPT) に GRUB2 がインストールされます。いずれを使用するかは、次のような状況によって判断されます。
BIOS システム、および BIOS 互換性モードの UEFI システム
ディスクが既にフォーマットされている場合、パーティションスキームは維持されます。
ディスクがフォーマットされていない場合、もしくはユーザーがディスクからすべてのパーティションを削除した場合は、Anaconda は以下を使用します。
  • ディスクに 232 未満のセクターしかない場合、MBR を使用。一般的にディスクセクターは 512 バイトで、これは 2 TiB に当たります。
  • ディスクに 232 以上のセクターがある場合、GPT を使用。
    注記
    デフォルトの動作を無効にしてサイズが 232 セクター未満のディスクで GPT を使用する場合は、inst.gpt オプションを起動コマンドラインに追加します。232 セクター以上のディスク上で MBR を使用するよう Anaconda を手動で無効にすることはできない点に注意してください。
ブートローダーが GPT を使用するディスクの BIOS システム上にインストールするには、BIOS Boot (biosboot) パーティションを作成する必要があります。biosboot パーティションのサイズは 1 MiB にしてください。ただし、ブートローダーが MBR を使用するディスクの場合には、biosboot パーティションは必要 ありません
UEFI システム
UEFI のシステム上で使用できるのは GPT のみです。MBR があるフォーマット済みディスクにインストールするには、まずディスクの再フォーマットが必要になります。
パーティションスキームに関係なく、EFI System Partition ((/boot/efi) を作成する必要があります。(/boot/efi のサイズは少なくとも 50 MiB にしてください。推奨サイズは 200 MiB になります。
注記
biosbootefi パーティション、どちらも LVM ボリュームには格納できません。このパーティションは標準の物理パーティションに格納してください。

8.14.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと、インストールプログラムにより、システム上で暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

図8.20 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

暗号化したパーティションのパスフレーズ入力
パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。
警告
このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。
キックスタートを使用したインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

8.14.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。
警告
パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。

図8.21 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

既存ファイルシステムからのディスク領域の確保
Red Hat Enterprise Linux を検出した既存のファイルシステムが、該当するディスクの一部として表に一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • Preserve: ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • Delete: ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • Shrink: ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • Delete all/Preserve all: 右側にあるこのボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられます。もう一度クリックすると、ラベル名が変わり、全ファイルシステムを確保するように再度マークされます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると Reclaim Space のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

8.14.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、I will configure partitioning のオプションを選択してインストール先を Done すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで、Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを定義します。
警告
Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

図8.22 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定の画面
手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。
注記
ディスクパーティションに関する推奨事項および補足情報は、付録A ディスクパーティションの概要「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。少なくとも、適切なサイズのルートパーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

8.14.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールで最低限必要なパーティションは 1 つですが、Red Hat は、少なくとも //home/bootswap のパーティションまたはボリュームを使用することを推奨します。必要に応じて、その他のパーティションやボリュームを作成することもできます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
注記
(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成する場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから任意のパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成されます。これにより、/boot パーティション、/ (ルート) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
または、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成します。これで、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (ルートパーティションに /、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空の領域がすべて使用されることになります。これらの詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。
注記
領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 のダイアログが開きます。1 つ以上のデバイスを選択し、選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。

図8.23 マウントポイントの設定

マウントポイントの設定
全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。

図8.24 ディスクの再スキャン

ディスクの再スキャン
画面下部のリンクでは、インストール先 で選択したストレージデバイスの数が表示されます (を参照 「インストール先」)。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。

図8.25 パーティションのカスタマイズ

パーティションのカスタマイズ
  • マウントポイント: ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は / を入力します。/boot ファイルシステムの場合は /boot などと入力します。swap ファイルシステムの場合は、マウントポイントを設定しないでください。ファイルシステムタイプを swap に設定するだけで十分です。
  • 割り当てる容量: ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ: Standard PartitionLVMRAIDLVM Thin Provisioning または BTRFSのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID Level も設定できます。同様に、LVM を選択した場合は、ボリュームグループを指定できます。
  • ファイルシステム: ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル: パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前: LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細は、「ファイルシステムのタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが表示されます。これにはパーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ調整、削除が含まれます。全変更を確認し、前に戻る場合は Cancel & Return to Custom Partitioning をクリックします。変更を適用する場合は、Accept Changes をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。
重要
/usr または /var のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合など、一部の状況では、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
8.14.4.1.1. ファイルシステムのタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプとファイルシステムを作成できます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション: 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM): LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームを作成する方法は、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
  • LVM thin provisioning: シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは、ストレージ領域をコスト効率よく割り当てる必要がある場合に、動的に拡張できます。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
    警告
    Anaconda は、オーバープロビジョニングの LVM シンプールをサポートしていません。
    注記
    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用に要求した領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に確保します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID: 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスを作成するには、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。

ファイルシステム

  • XFS: 最大 16 EiB (約 160 億 GiB) のファイルシステム、最大 8 EiB (約 80 億 GiB) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、スケーラビリティーと性能が高いファイルシステムです。XFS は、クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、XFS ファイルシステムは、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。このファイルシステムはデフォルトで選択されており、強くお勧めします。以前使用された ext4 ファイルシステムから XFS に共通のコマンドを変換する方法は、付録F ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux で XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、500 TiB です。
  • ext4: ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。
    Red Hat Enterprise Linux で ext4 ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、50 TiB です。
  • ext3: ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2: ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat: VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap: Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • BIOS Boot: BIOS システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さなパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • EFI System Partition: UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さいパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits 」のページをご覧ください (https://access.redhat.com/site/articles/rhel-limits)。

8.14.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成されており、組み合わせてパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成は 1 つのステップで終わり、必要に応じてディスクを追加または削除できます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。

図8.26 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例
RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明に従って、マウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムのタイプ」を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下のとおりです。
    RAID0: パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1: 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のデバイスを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4: エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散す、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納しているため、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報が 1 つのディスクに格納されるため、このディスクにアクセスすると、アレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5: 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6: 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10: 冗長化 (ミラーリング) および パフォーマンス (ストライプ)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

8.14.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。したがって、LVM 論理ボリュームは、複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は、付録D LVM の理解 または『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。
重要
テキストモードによるインストールの場合は、LVM を設定できません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。

図8.27 論理ボリュームの設定

論理ボリュームの設定
論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明に従い LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。
    注記
    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。

    図8.28 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    LVM ボリュームグループのカスタマイズ
    利用可能な RAID レベルは、実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。利用可能なポリシーオプションは以下のようになります。
    • 自動: ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループに空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく: 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。これは、ほとんどのデータを LVM に保存する場合、または後で既存の論理ボリュームのサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループに別の論理ボリュームを作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定: このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定する容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、Save をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
警告
LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

8.15. ストレージデバイス

さまざまなストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。

図8.29 ストレージ領域の概要

ストレージ領域の概要
注記
インストール中には、dmeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスのモニタリングは実行されません。

8.15.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスは、次のタブに分類されます。
マルチパスデバイス
同じシステムにある、複数の SCSI コントローラーやファイバーチャネルポートなどの複数のパスからアクセスできるストレージデバイスです。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
その他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
NVDIMM デバイス
マシン上にある非揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) ストレージデバイスです。

図8.30 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要
画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加: iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加: Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
  • Reconfigure NVDIMM: NVDIMM デバイスをセクターモードに再構成する場合は、このボタンを押します。「NVDIMM デバイスの設定」 に進んでください。
  • 一覧の更新: インストーラーの開始後にデバイスが追加された場合は、このボタンを押して一覧を再読み込みします。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。

図8.31 ストレージデバイスの検索タブ

ストレージデバイスの検索タブ
検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。WWID または LUN で検索するには、対応する入力テキストフィールドに値を入力する必要があります。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。
重要
この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、この画面に表示されるすべてのデバイスを選択します。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

8.15.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先 画面の右下で該当するボタンをクリックして、SCSI over TCP/IP (iSCSI) ターゲット、Fibre Channel over Ethernet (FCoE) Storage Area Network (SAN)、または非揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスを設定することができます。iSCSI の概要は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。

図8.32 高度なストレージオプション

高度なストレージオプション
8.15.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。

図8.33 iSCSI 検出詳細のダイアログ

iSCSI 検出詳細のダイアログ
インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに、iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保できます。
注記
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順8.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、ダッシュ記号、月を表す 2 桁の数字、ピリオドの順で構成。たとえば、2010 年 9 月の場合は 2010-09. のようになります。
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。例、storage.example.com のサブドメインは、com.example.storage と表す。)
    • コロン (:) と、ドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列。たとえば、:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。anaconda では、IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 に記載の『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』の『3.2.6. iSCSI Names』のセクションや、http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 に記載の『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの検出 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵とリバースペア
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵とリバースペア を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. Start Discovery ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。

    図8.34 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ
  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの検出 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 検出時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして、iSCSI セッションを開始します。
8.15.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、FCoE ストレージデバイスを検出できるようにネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。

図8.35 FCoE パラメーターの設定

FCoE パラメーターの設定
追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan の使用
自動 VLAN では、VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行われていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になっています。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。
8.15.1.1.3. NVDIMM デバイスの設定
Reconfigure NVDIMM ボタンをクリックし、選択した NVDIMM デバイスをセクターモードに再設定します。Sector size ドロップダウンリストには、サポートされるセクターサイズの 512 および 4096 が含まれます。
Sector size ドロップダウンから、セクターサイズを選択して、Start Reconfiguration ボタンをクリックします。

図8.36 NVDIMM の再構成

NVDIMM の再構成
警告
NVDIMM デバイスを再構成するプロセスにより、デバイスに格納されていたデータがすべて失われます。
デバイスを設定したら、OK ボタンをクリックして、インストール先 ウィンドウに戻ります。

図8.37 正常に再構成された NVDIMM

正常に再構成された NVDIMM
セクターモードの NVDIMM デバイスが、インストール先 ウィンドウの NVDIMM Devices タブに表示され、インストール先に選択できるようになりました。

8.16. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。

図8.38 Kdump の有効化と設定

Kdump の有効化と設定

8.17. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。

図8.39 インストールの準備完了

インストールの準備完了
警告
インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。Begin Installation をクリックすると、インストールプログラムがハードドライブの領域を割り当て、Red Hat Enterprise Linux をこの領域に移動します。選択したパーティション設定オプションに応じて、このプロセスでは、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに行った選択のいずれかを変更するには、Installation Summary 画面の該当セクションに戻ります。インストールを完全に取り消す場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

8.18. 設定のメニューと進捗状況の画面

Installation Summary 画面で Begin Installation をクリックすると、進捗画面が表示されます。Red Hat Enterprise Linux は選択したパッケージをシステムに書き込む時にインストールの進捗を画面上で報告します。

図8.40 パッケージのインストール

パッケージのインストール
インストールの完全なログは、システムの再起動後に /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log ファイルで確認できます。
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。

図8.41 暗号用のエントロピーの収集

暗号用のエントロピーの収集
パッケージのインストール中は、より多くの設定が必要になります。インストールの進捗バーの上に、Root Password および User Creation メニュー項目があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。これらのコマンドの詳細は、 「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

8.18.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

図8.42 Root パスワード画面

Root パスワード画面
注記
インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では、セキュリティー上の理由から文字がアスタリスクで表示されます。確認 フィールドにも同じパスワードを入力して、正しく設定されていることを確認します。root パスワードを設定したら、Done をクリックして ユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要 である
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)
注記
インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れた場合は、 「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用して新しい設定方法を参照してください。

8.18.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。
注記
インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。

図8.43 ユーザーアカウント設定画面

ユーザーアカウント設定画面
各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。

図8.44 高度なユーザー設定

高度なユーザー設定
デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。
注記
通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲が今後広がり、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
キックスタートでカスタム ID を指定してユーザーを作成する場合は、 user (任意) を参照してください。
インストール後に UID と GID の下限を変更して、選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにする方法は、『システム管理者のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章を参照してください。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

8.19. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させて、、Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動時にインストールメディアが自動的に取り出されない場合は、忘れず取り出してください。
コンピューターの通常電源投入シーケンスが完了したら、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定プロセスの詳細は 30章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。インストール後の Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の手順、設定および更新については、『Red Hat Enterprise Linux Atomic Host スタートガイド』を参照してください。

第9章 64 ビット AMD、Intel、および ARM システムでのインストールに関連するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda では、デバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表9.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル 内容
/tmp/anaconda.log Anaconda の全般メッセージ
/tmp/program.log インストール中に実行されたすべての外部プログラム
/tmp/storage.log ストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.log yum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslog ハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールが失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all オプションまたは inst.nosave=logs オプションを使用すると、ログはインストールプログラムの RAM ディスクにのみ存在します。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。USB フラッシュドライブやその他のリムーバブルメディアを使用している場合は、以下の手順を開始する前のそれらのデータのバックアップを作成するようにしてください。

手順9.1 ログファイルを USB ドライブに転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  3. /mnt ディレクトリーに移動してから、USB ドライブをマウントするための新規ディレクトリーを作成します。ディレクトリー名は何でも構いません。以下の例では usb という名前を使用しています。
    # mkdir usb
  4. USB フラッシュドライブを、新たに作成したディレクトリーにマウントします。ドライブ全体をマウントするのではなく、ドライブ上の一つのパーティションにマウントするのが一般的です。したがって、sdb の名前は使用せず、ログファイルを書き込むパーティションの名前を使用してください。以下の例では sdb1 という名前を使用しています。
    # mount /dev/sdb1 /mnt/usb
    マウントしたデバイスにアクセスして内容を一覧表示し、その内容が期待どおりのものであるかを確認することで、正しいデバイスをマウントしているかがわかります。
    # cd /mnt/usb
    # ls
  5. ログファイルを、マウントしたデバイスにコピーします。
    # cp /tmp/*log /mnt/usb
  6. USB フラッシュドライブのマウントを解除します。ドライブがビジー状態であるというようなメッセージを受け取る場合は、アンマウントしようとしているディレクトリーで作業している可能性があるので、それ以外のディレクトリーに移動します (/ など)。
    # umount /mnt/usb
これでインストールによるログファイルが USB フラッシュドライブに保存されました。

手順9.2 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、/home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    初めてターゲットシステムに接続する際に、SSH クライアントにより、リモートシステムのフィンガープリントが正しいことと、継続するかを尋ねられます。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトに従いパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが完全に転送先システムに保存され、後で確認できるようになります。

9.1. インストール開始時の問題

9.1.1. UEFI セキュアブートが有効になっているとシステムが起動しない

Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースでは、特別な公開鍵で署名されており、標準の UEFI セキュアブート実装で認識されません。そのため、セキュアブートテクノロジーが有効になっているとシステムが起動しません。
この問題を解決するには、UEFI セキュアブートを無効にし、システムをインストールしてから、Machine Owner Key 機能を使用してベータの公開鍵をインポートします。手順については 「UEFI セキュアブートによるベータリリースの使用」 を参照してください。

9.1.2. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると、問題が発生することがあります。インストールプログラムがデフォルト設定を使用して実行しない場合は、それより低い解像度モードでの実行を試みます。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は、「ブートメニューによるインストールシステムの設定」 を参照してください。
基本的なグラフィックモードを使用する
基本的なグラフィックスドライバーを使用して、インストールの実行を試みることができます。これを行うには、起動メニューから Troubleshooting > Install Red Hat Enterprise Linux in basic graphics mode を選択するか、インストールプログラムの起動オプションを編集して、コマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で指定する
インストールプログラムが画面の解像度の検出に失敗した場合は、自動検出を無効にして手動で指定できます。これには、起動メニューに inst.resolution=x オプションを追加します。x はディスプレイの解像度 (1024x768など) に置き換えます。
代替のビデオドライバーを使用する
カスタムのビデオドライバーを設定し、インストールプログラムの自動検出を無効にすることもできます。ドライバーを指定するには、 inst.xdriver=x オプションを使用します。x は使用するデバイスドライバー (nouveau など)* です。
注記
カスタムのビデオドライバーを指定すると問題が解決する場合は、anaconda コンポーネントのバグとしてこの問題 https://bugzilla.redhat.com を報告してください。Anaconda はハードウェアを自動的に検出し、適切なドライバーをユーザーの介入なしに使用できます。
VNC を使用したインストールを行う
上記で説明したオプションがいずれも失敗する場合は、別のシステムと Virtual Network Computing (VNC) プロトコルを使用して、ネットワーク経由でグラフィカルインストールにアクセスできます。VNC を使用したインストールの詳細は、25章VNC の使用 を参照してください。

9.1.3. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用しようとします。
シリアルコンソールでテキストベースのインストールを実行する場合は、inst.text および console= 起動オプションを使用します。詳細は 23章起動オプション を参照してください。

9.2. インストール中の問題

9.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。方法については、コントローラーの資料を参照してください。
1 つ以上の iSCSI デバイスにインストールを実行していて、システム上にローカルストレージがない場合、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) が適切な HBA (ホストバスアダプター) に示されていることを確認してください。iSCSI の詳細は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。多くの場合、インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の Web サイトを確認してください。ドライバー更新に関する一般的な情報は、6章AMD64 および Intel 64 システムへのインストール中におけるドライバー更新 を参照してください。
また、 https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

9.2.2. トレースバックメッセージの報告

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、発生した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。

図9.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

クラッシュレポートのダイアログボックス
ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグに精通している場合は、Debug をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。

図9.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

クラッシュレポートのダイアログを展開した例
カスタマーポータルにバグを報告する場合は、次の手順に従ってください。

手順9.3 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。

    図9.3 カスタマーポータル認証情報

    カスタマーポータル認証情報
  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。

    図9.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    Red Hat カスタマーサポートの設定
    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのときに得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。

    図9.5 問題の詳細を入力する

    問題の詳細を入力する
  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。

    図9.6 送信データの再確認

    送信データの再確認
  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の発見に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。

    図9.7 送信ファイルの再確認

    送信ファイルの再確認
  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示するか、Close をクリックして、最初のクラッシュ報告ダイアログボックスに戻ります。Quit をクリックしてインストールを終了します。

9.2.3. プレインストールログファイルの作成

インストール問題をデバッグするには、インストール前に inst.debug オプションを設定して環境からログファイルを作成することができます。これらのログファイルには、現行のストレージ設定などが含まれます。
Red Hat Enterprise Linux インストール起動メニューでオプションを設定するには、以下を実行します。
  1. Install Red Hat Enterprise Linux 7.3 エントリーを選択します。
  2. Tab キーを押して、ブートオプションを編集します。
  3. オプションに inst.debug を追加します。以下に例を示します。
    > vmlinuz ... inst.debug
    詳細は23章起動オプションを参照してください。
  4. Enter を押してセットアップを開始します。
システムは Anaconda が開始する前に、プレインストールのログファイルを /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに保存します。このログファイルにアクセスするには、以下を実行します。
  1. コンソールに切り替えます。「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
  2. /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp/pre-anaconda-logs/

9.3. インストール後の問題

9.3.1. RAID カードから起動できない

インストールの実行後、システムを正常に起動できない場合、再インストールと、システムのストレージに異なるパーティション設定を実行する必要がある可能性があります。
BIOS によっては、RAID カードからの起動に対応していないため注意が必要です。インストールを完了したあと初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub> など) と点滅するカーソルしか表示されない場合があります。このような場合、システムのパーティションを再設定し、/boot パーティションとブートローダーを RAID アレイの外側に移動する必要があります。/boot パーティションとブートローダーは同じドライブ上に配置してください。
このような変更が行われたら、インストールを完了し、システムを適切に起動できるはずです。パーティション設定の詳細は、「インストール先」 を参照してください。

9.3.2. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順9.4 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16linuxefi の場合もあり) で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動した場合は、通常通りにログインできます。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システムが起動する度に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順に従ってください。

手順9.5 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. grubby ツールを使って、デフォルトの GRUB2 カーネルを見つけます。
    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
    
  3. grubby ツールを使って、上記のステップで特定されたデフォルトのカーネルから GRUB2 設定で rhgb ブートオプションを削除します。以下に例を示します。
    # grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
この手順が完了したら、コンピューターを再起動できます。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にする場合は、上記の同じ手順で --remove-args="rhgb" パラメーターを --args="rhgb" で置き換えます。これで rhgb ブートオプションが GRUB2 設定のデフォルトカーネルに戻されます。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

9.3.3. グラフィカル環境での起動

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないことに注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順9.6 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

9.3.4. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルデスクトップ環境のインストール方法は、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 のナレッジベースの記事を参照してください。

9.3.5. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーのログイン時に X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力で、どのパーミッションが満杯になっているかを判断します。多くの場合、問題は /home にあります。以下は、df コマンドの出力例です。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であるためクラッシュの原因になっていることがわかります。不必要なファイルを削除して領域を解放します。空き領域を確保したら、startx コマンドで Xを開始します。
df に関する詳細情報と使用できるオプション (この例では -h オプションなど) の詳細は、df(1) man ページを参照してください。

9.3.6. RAM が認識されませんか?

カーネルがメモリー (RAM) すべてを認識しないことがあり、これが原因でシステムは実際にインストールされているメモリーより少ないメモリーしか使用しなくなります。free -m コマンドを使用すると、使用されているメモリーを確認できます。表示されるメモリー合計が期待と異なる場合、少なくとも 1 つのメモリーモジュールで障害が発生している可能性が高くなります。BIOS ベースのシステムでは、 Memtest86+ ユーティリティーを使用してシステムのメモリーをテストできます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードの読み込み」 を参照してください。
注記
システム用に RAM としてメモリーの一部が予約され、メインシステムではその部分が使用できなくなっているハードウェア構成があります。特に、統合型グラフィックカードが搭載されているラップトップコンピューターなどは、GPU 用としてメモリーの一部が予約されます。たとえば、4 GiB の RAM と統合型 Intel グラフィックカードを搭載しているラップトップでは、約 3.7 GiB しか使用可能なメモリーとして表示されません。
さらに、多くの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっている kdump クラッシュカーネルダンプメカニズムは、プライマリカーネルがクラッシュした場合に使用されるセカンダリーカーネル用にメモリーの一部を予約します。また、free コマンドの使用時には、予約メモリーは、利用可能と表示されません。kdump およびそのメモリー要件の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド』 を参照してください。
メモリーに問題がないことを確認したら、mem= カーネルオプションを使用して手動でメモリーの容量を設定できます。

手順9.7 メモリーを手作業で設定する

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16 の場合もあり) で始まります。以下のオプションをこの行の最後に追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
  5. システムの起動を待ってログインします。コマンドラインを開き、再度 free -m コマンドを実行します。コマンドで表示される RAM の合計数が期待どおりなら、この変更を永続的にするため /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX で始まる行に次を追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  6. ファイルの更新、保存が終了したら、ブートローダー設定を更新して変更を反映させます。次のコマンドを root 権限で実行します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
/etc/default/grub ファイルを開いた一例を以下に示します。
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_DISTRIBUTOR="$(sed 's, release.*$,,g' /etc/system-release)"
GRUB_DEFAULT=saved
GRUB_DISABLE_SUBMENU=true
GRUB_TERMINAL_OUTPUT="console"
GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=rhel/swap $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel.param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) vconsole.keymap=us rhgb quiet mem=1024M"
GRUB_DISABLE_RECOVERY="true"
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

9.3.7. signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールを行う前には、必ずインストールメディアの整合性を確認することが推奨されます。
最新のインストールメディアを取得する方法は、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを実行するには、起動メニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は 「起動メディアの検証」 を参照してください。
メディアチェックではエラーは検出されず、それでもセグメンテーション違反を受け取る場合は、通常、ハードウェア関連のエラーに遭遇していることを意味します。このような場合、システムのメモリー (RAM) に問題がある可能性がもっとも高いと言えます。これは、以前に同じコンピューターで別のオペレーティングシステムをエラーなしで使用した場合でも、問題になる可能性があります。BIOS ベースのシステムであれば、インストールメディアに含まれている Memtest86+ メモリーテストモジュールを使ってシステムメモリー全体のテストを行うことができます。詳細は 「メモリー (RAM) テストモードの読み込み」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因は、本書では扱いません。ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントや『Red Hat Hardware Compatibility List (Red Hat ハードウェア互換性一覧)』 (https://hardware.redhat.com) などを参照してください。

パート II. IBM Power Systems - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のこのパートでは、IBM Power Systems サーバーへのインストールおよび基本的なトラブルシューティングについて説明します。IBM Power Systems サーバーには、IBM PowerLinux サーバーならびに Linux を稼働する POWER7、POWER8、および POWER9 Power Systems サーバーが含まれます。高度なインストールオプションは、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。
重要
Red Hat Enterprise Linux の以前のリリースでは、32 ビットおよび 64 ビットの Power Systems サーバー (ppc および ppc64) に対応していました。Red Hat Enterprise Linux 7 は、64 ビットの Power Systems サーバー (ppc64) のみをサポートします。

第10章 IBM Power Systems へのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

10.1. アップグレードまたはインストールの選択

自動インプレースアップグレードがサポートされるようになりましたが、サポートは現在 AMD64 および Intel 64 システムに限定されます。IBM Power Systems サーバーに以前の Red Hat Enterprise Linux リリースのインストールが存在する場合は、クリーンインストールを実行して Red Hat Enterprise Linux 7 に移行する必要があります。クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。

10.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 (ビッグエンディアン) は、POWER7、POWER8、および POWER9 のプロセッサーシリーズを使用する IBM Power Systems サーバーと互換性があります。POWER6 およびそれ以前のプロセッサーはサポートされなくなりました。
Red Hat Enterprise Linux では、IBM Power Systems 向けにリトルエンディアンバリアントも提供されます。このバリアントは現在 POWER8 および POWER9 プロセッサーとの互換性があり、Power 向け Red Hat Enterprise Virtualization、PowerVM、および PowerNV (ベアメタル) 上での KVM ゲストとしてサポートされています。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。システム要件の一般的な情報については、「Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限」も参照してください。

10.3. IBM インストールツール

IBM Installation Toolkit はオプションのユーティリティーで、IBM Power Systems への Linux のインストールを迅速化するため、特に Linux に不慣れな方に便利なツールになります。IBM Installation Toolkit を使用して以下を行うことができます。[1]
  • 仮想化していない IBM Power Systems サーバーで Linux のインストールと設定を行います。
  • 論理パーティション (LPAR、仮想化サーバーとも呼ばれる) を設定済みのサーバーに Linux のインストールと設定を行います。
  • 新しい Linux システムまたは既にインストール済みの Linux システムに IBM サービスと生産性ツールをインストールします。IBM サービスと生産性ツールには動的な論理パーティション (DLPAR) ユーティリティが含まれています。
  • IBM Power Systems サーバーでシステムのファームウェアレベルをアップグレードします。
  • 既にインストール済みのシステムで診断またはメンテナンスを行います。
  • LAMP サーバー (ソフトウェアスタック) とアプリケーションのデータを System x から System p のシステムに移行します。LAMP サーバーはオープンソースソフトウェアのバンドルになります。LAMP は、Linux、Apache HTTP ServerMySQL リレーショナルデータベース、PHP (または Perl、Python の場合もあり) 言語の頭文字をとった略語になります。
PowerLinux 向けの IBM Installation Toolkit に関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaan/powerpack.htm)。
PowerLinux サービスと生産性ツールはオプションのツールセットです。ハードウェアサービス診断支援ツール、生産性ツール、インストール支援ツール、および POWER7、POWER6、POWER5、POWER4 をベースとした IBM サーバーへの Linux OS インストール支援ツールなどが含まれています。
このサービスおよび生産性ツールに関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaau/liaauraskickoff.htm)。


[1] このセクションは以前に IBM の Linux information for IBM systems リソースにて公開されていました (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaay%2Ftools_overview.htm)

10.4. IBM Power Systems サーバーの準備

重要
real-base のブートパラメーターが c00000 にセットされているか必ず確認してください。このパラメーターがセットされていないと以下のようなエラーが表示される可能性があります。
DEFAULT CATCH!, exception-handler=fff00300
IBM Power Systems サーバーでは、パーティション設定、仮想デバイス、ネイティブのデバイス、コンソールなどで多くのオプションが提供されています。
パーティション設定されていないシステムを使用する場合、インストール前のセットアップは必要ありません。HVSI シリアルコンソールを使用するシステムの場合には、コンソールを T2 シリアルポートに接続します。
パーティション設定されたシステムを使用する場合、パーティション作成およびインストール開始の手順はほぼ同じです。HMC でパーティションを作成し、CPU、メモリーのリソース、SCSI、イーサネットのリソースなどを適宜割り当てます。仮想、ネイティブいずれでも構いません。HMC のパーティション作成ウィザードを使用すると手順を追って作成することができます。
パーティションの作成方法については、IBM Systems Hardware Information Center が提供している『Partitioning for Linux with an HMC』を参照してください。http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/powersys/v3r1m5/topic/iphbi_p5/iphbibook.pdf でご覧いただけます。
ネイティブではなく仮想の SCSI リソースを使用する場合には、まず先に仮想 SCSI によるパーティションへの「リンク」を設定してから、仮想 SCSI 提供のパーティション自体を設定してください。HMC で仮想 SCSI クライアントとサーバーのスロット間に「リンク」を作成します。仮想 SCSI サーバーは VIOS (Virtual I/O Server) または IBM i のいずれで設定しても構いません。ご使用のモデルやオプションによります。
Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。
仮想デバイスの使用方法については、IBM Redbooks 資料の『Virtualizing an Infrastructure with System p and Linux』を参照してください。http://publib-b.boulder.ibm.com/abstracts/sg247499.html でご覧いただけます。
システムの設定が完了したら、HMC からアクティベートするか電源をオンにする必要があります。インストールの種類によっては、SMS が正しくインストールプログラムをブートするよう設定する必要がある場合があります。

10.5. インストール先として対応しているターゲット

インストールターゲットは、Red Hat Enterprise Linux を格納し、システムを起動するストレージデバイスです。Red Hat Enterprise Linux は、AMD64 および Intel 64 のシステム向けの、以下のインストールターゲットをサポートします。
  • SCSI、SATA、SAS などの標準的な内部インターフェースで接続するストレージ
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス。製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります。
  • 仮想化クライアントの LPAR 内の仮想 SCSI (vSCSI) を使用する場合は、Power Systems サーバーへの仮想化インストールにも対応します
Red Hat では USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。
重要
IBM Power Systems サーバーでは、16GB の huge pages (大容量ページ) がシステムまたはパーティションに割り当てられているのにカーネルコマンド行に huge page のパラメーターが含まれていないと、eHEA モジュールによる初期化が失敗します。このため、IBM eHEA イーサネットアダプターを使ってネットワークインストールを行う際は、インストール時にシステムやパーティションに対して huge page を割り当てることはできません。代わりに large pages を使用してください。

10.6. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするため、通常はシステムに関する詳細を入力する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの詳細を把握しておくことが重要です。このため、インストールのタイプにより、インストールに備えて以下のようなシステムの仕様を記録しておくことをお勧めします。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続されているハードドライブのモデル番号、サイズ、種類、およびインタフェース。たとえば、SATA0 上には Seagate 製 ST3320613AS (320 GB)、SATA1 上には Western Digital WD7500AAKS (750 GB) です。こうすることで、パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールしている場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用するパーティションについての情報。これには、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベル、およびサイズが含まれます。これにより、パーティション設定のプロセス中に特定のパーティションを識別できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの特定方法は異なることから、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux は異なるデバイス名でレポートする可能性があることに留意してください。この情報は通常、mount コマンドおよび blkid コマンドを実行すると見つけられ、また /etc/fstab ファイル内にあります。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定できます。詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (たとえば、Netgear 社製の GA311 など)。ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります。
    • IP、DHCP、および BOOTP のアドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IP アドレス
    • 1 つ以上のネームサーバーの IP アドレス (DNS)
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語が不明な場合は、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所ネットワークによっては、CHAP ユーザー名とパスワードと、リバース CHAP ユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。
  • 使用コンピューターがドメインの一部である場合は、以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーにより提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

10.7. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など、最新のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用します。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ディスクパーティションを操作する必要があります。ディスクパーティションの詳細は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、システムにインストールしている可能性のある他のオペレーティングシステムで使用されるディスク領域とは別にしてください。
注記
IBM Power Systems サーバーでは、少なくとも 3 つのパーティション (/swapPReP 起動パーティション) を Red Hat Enterprise Linux 専用にする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、パーティションが分割されていないディスク領域か、削除できるパーティション内に、最低 10 GiB の容量が必要です。パーティションおよびディスク領域の推奨事項については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 で説明している推奨のパーティション設定サイズを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux には、少なくとも以下のメモリー容量が必要です。
インストールタイプ 必要最小限の RAM サイズ
ローカルメディアによるインストール (USB, DVD) 1,280 MiB
NFS ネットワークインストール 1,280 MiB
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール 1,664 MiB
キックスタートファイルを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合には、手動インストールと同じ最小メモリー要件があります。ただし、使用するキックスタートファイルで、新たなメモリーを必要とするコマンドやデータを RAM ディスクに書き込むコマンドを実行する場合は、追加の RAM が必要になることもあります。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルのRed Hat Enterprise Linux technology capabilities and limitsの記事を参照してください。

10.8. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux の使用時に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

10.8.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイは、それぞれ Red Hat Enterprise Linux 内で 1 つのドライブとして表示されます。

10.8.2. ソフトウェア RAID

システムに複数のハードドライブが搭載されている場合は、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細は「手動パーティション設定」で説明しています。
注記
以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

10.8.3. USB ディスク

インストール後に外付け USB ストレージを接続して設定できます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルでの認識後に使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

10.9. インストーラーの起動方法の選択

各種方法で、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムを起動できます。インストールメディアにより選択する方法が異なります。
注記
インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール DVD または USBドライブ
完全インストール DVD または ISO イメージから起動メディアを作成できます。この場合には、DVD または USB ドライブ は、起動デバイスとソフトウェアパッケージのインストールソース両方の役割を果たすため、このドライブ 1 つでインストールをすべて完了できます。完全インストール向けに DVD または USB ドライブの作成方法については「3章メディアの作成」を参照してください。
最小限の起動 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限のブート CD、DVD、または USB フラッシュドライブは、システムの起動とインストールの開始に必要なデータだけが含まれる、小さい ISO イメージを使用して作成されます。この起動メディアを使用する場合には、パッケージをインストールする追加のインストールソースが必要になります。ブート CD、DVD、および USB フラッシュドライブを作成する方法は、3章メディアの作成 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用すると、インストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができます。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は24章ネットワークからのインストールの準備を参照してください。

10.10. キックスタートを使用したインストールの自動化

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使用してインストールプロセスを部分的または完全に自動化する方法を提供します。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザーによる作業をを必要とせずに、すべてまたは一部を自動インストールできるようになります。これは、Red Hat Enterprise Linux を多数のシステムに一度にデプロイする場合などに特に便利です。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルを使用すると、ソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインストールインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手動でインストールする場合には、ソフトウェアの選択肢は、事前定義されている環境とアドオンに限定されます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりできます。
キックスタートファイルを作成してインストールを自動化する方法は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

第11章 IBM Power Systems へのインストール中におけるドライバー更新

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイスのドライバーがすでに含まれています。しかし、かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から、RPM パッケージ が含まれる ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。通常、ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードできます。
重要
ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを、他の方法で提供されるドライバーよりも優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはほぼありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 を参照してください。
他の状況では、インストールプロセスでデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにする場合などです。インストール中にこうしたサポートを追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「USB インストールメディアの作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中から 1 つ選択し、検証してからインストールを実行するようにしてください。逆に、お使いのシステムでドライバーの更新が必要かどうかが不明な場合には、ドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。
警告
ドライバー更新ディスクは、必要に応じて競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。

11.1. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストールを開始するときに、inst.dd 起動オプションを指定できます。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
inst.dd=location 起動オプションは、インストールの開始時に指定しますが、location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージのパスになります。Anaconda にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPS または FTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。
注記
inst.dd=locationinst.dd の両方を同時に使用することも可能です。ただし、この場合には Anaconda の動作は、使用する location の種類により異なります。デバイスの場合、Anaconda で、指定したデバイスから更新するデバイスを選択するように求めるプロンプトが表示され、追加のデバイスが提供されます。location がネットワークの場所の場合には、Anaconda では、ドライバーの更新を含むデバイスを選択するようにプロンプトが表示され、指定のネットワークの場所からドライバーを更新できるようにします。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動で行う場合は、別のラベルでローカルストレージを使用するか、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。
重要
ネットワーク経由でドライバーの更新を読み込むときは、ip= オプションを使用してネットワークを初期化します。詳細は 「ブートメニューによるインストールシステムの設定」 を参照してください。

11.1.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使用して ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスのルートディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。手動によるインストールの場合、OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動インストールでは、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール時にドライバーの更新を手動で選択する方法は、「アシスト付きのドライバー更新」 を参照してください。

11.1.2. ドライバー更新用 ISO ファイルを提供するディスク (CD または DVD) の準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法は 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで表示して、そのディスクが正常に作成されたか確認します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルで、rpms は各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納してしています。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

11.2. インストール中のドライバー更新

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する
重要
ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

11.2.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。
注記
Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降では、OEMDRV ブロックデバイスを使用して、キックスタートファイルを自動的に読み込むこともできます。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスのルートに格納する必要があります。キックスタートインストールの詳細は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始すると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーの選択を求めるプロンプトが表示されます。

図11.1 ドライバーの選択

ドライバーの選択
数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

11.2.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、そのようなデバイスが検出されず、inst.dd オプションが起動コマンドラインに指定されている場合には、インストールプログラムは対話モードでドライバーディスクを検索できます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。

図11.2 対話式のドライバー選択

対話式のドライバー選択
注記
ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

11.2.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを格納する ISO イメージを USB フラッシュドライブや Web サーバーなどアクセスできる場所に配置し、コンピューターに接続しておきます。ようこそ画面で Tab を押すと、起動コマンドラインが表示されるので、そこに inst.dd=location を追加します。ここでは、location はドライバー更新ディスクへのパスに置き換えます。

図11.3 ドライバー更新へのパスの指定

ドライバー更新へのパスの指定
通常、イメージファイルは Web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置きます。ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することもできます。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

11.2.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押して起動コマンドラインを表示します。次に modprobe.blacklist=driver_name を追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。以下に例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
起動オプション modprobe.blacklist= を使用してインストール時にブラックリストに追加したドライバーは、インストール済みシステムで無効になり、/etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルに表示されます。ドライバーをブラックリストに登録する方法とその他の起動オプションについては、「23章起動オプション」を参照してください。

第12章 IBM Power Systems でのインストールの起動

IBM Power Systems サーバーを DVD から起動するには、システム管理サービス (System Management Services) (SMS) メニューでインストールブートデバイスを指定する必要があります。
システム管理サービス (System Management Services) GUI に入るには、ブートプロセスでチャイムが聞こえたら 1 キーを押します。これにより、このセクションに説明してあるグラフィカルインターフェースと同様の画面が立ち上がります。
テキストコンソール上では、セルフテストでテスト済みのコンポーネントと一緒にバナーが表示されている時に 1 を押します。

図12.1 システム管理サービスのコンソール

システム管理サービスのコンソール
SMS メニュー内に入ったら、ブートオプションの選択 (Select Boot Options) からオプションを選びます。このメニュー内で、インストールデバイスまたはブートデバイスの選択 (Select Install or Boot a Device) を指定します。そこで CD/DVD を選択したらバスタイプを選びます (ほとんどの場合、SCSI)。どのタイプか分からない場合は、すべてのデバイスを表示できます。これにより、ネットワークアダプターやハードドライブなど、ブートデバイスに使用できるすべてのバスがスキャンされます。
最後に、インストール DVD を収納しているデバイスを選択します。ブートメニューが読み込まれます。
重要
IBM Power Systems サーバーは主にテキストコンソールを使用するため、Anaconda は自動的にはグラフィカルインストールを開始しません。ただし、グラフィカルなインストールプログラムの方が機能やカスタマイズ性に優れているため、システムにグラフィカルなディスプレイが備わっている場合はグラフィカルインストールの使用をお勧めします。
グラフィカルインストールを起動するには、inst.vnc 起動オプションを渡します (リモートアクセスの有効化 を参照)。

12.1. ブートメニュー

起動メディアの読み込みが完了すると、GRUB2 (GRand Unified Bootloader、バージョン 2) を使用して起動メニューが表示されます。起動メニューには、インストールプログラムを起動する以外に、複数のオプションがあります。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトを選択する場合はタイマーが終了するまで待つか、Enter を押します。

図12.2 起動画面

起動画面
デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使用します。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
追加の起動オプションは 23章起動オプション を参照してください。
起動メニューのオプションは、以下のようになります。
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使用してコンピューターシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にはこの選択肢を実行します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
このオプションがデフォルトです。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの整合性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting >
この項目は別のメニューとなっており、さまざまなインストールの問題を解決する場合に役立ちます。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。

図12.3 トラブルシューティングメニュー

トラブルシューティングメニュー
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
このオプションを使用すると、インストールプログラムがお使いのビデオカードに適したドライバーを読み込むことができない場合でも、グラフィカルモードで Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時に画面が歪んでいるか、何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動して、このオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードの読み込み」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合は、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動できます。

12.2. 異なるソースからのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスクに格納している ISO イメージを使用するか、NFS、FTP、HTTP、HTTPS メソッドを使用してネットワークからインストールできます。ハードディスクやネットワークサーバーからのデータ読み込みは DVD からの読み込みよりも高速なため、経験豊富なユーザーはこれらの方法をよく使用します。
以下の表では、メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表12.1 起動方法とインストールソース

起動方法 インストールソース
完全インストール用メディア (DVD) インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使用します
最小限の起動メディア (CD または DVD) インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動 インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します

12.3. インストールサーバーを使ったネットワークからの起動

ネットワークブートの場合には、インストールサーバーをサポートするコンピューターにネットワークインターフェース、正しく設定したサーバーが必要です。インストールサーバーの設定方法は「GRUB2 を使用した IBM Power Systems 向けのネットワークブートの設定」を参照してください。
SMS メニューで Select Boot Options を選択して Boot/Install Device を選択し、ネットワークインターフェースから起動するようにコンピューターを設定します。使用可能なデバイス一覧からネットワークデバイスを選択します。
インストールサーバーからの起動を正しく設定したら、 コンピューターは他にメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できるようになります。
サーバーからコンピューターを起動するには以下を実行します。

手順12.1 ネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ネットワーク設定と診断に関する情報は通常、コンピューターがサーバーに接続する前に表示されます。ただし、これは使用しているハードウェアによって異なります。目的のオプションに該当する数字キーを押します。目的のオプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合は、サーバー管理者に問い合わせてください。
システムがネットワークインストールサーバーから起動しない場合は、適切なネットワークインターフェースが起動順序の 1 番目に設定されているか SMS を確認してください。詳細はハードウェアのドキュメントをご覧ください。
重要
vmlinuz および initrd.img イメージを使用してネットワーク経由でシステムを起動します。ネットワーク経由の起動には ppc64.img イメージは使用できません。TFTP にはファイルが大きすぎるためです。

第13章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする手順を説明します。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。
  • 27章キックスタートを使ったインストール の説明に従って、キックスタートを使用してインストールを自動化する。
  • VNC (Virtual Network Computing) プロトコルを使用して、グラフィカルディスプレイのある別のコンピューターからインストールシステムにリモートで接続して、グラフィカルインストールを実行する。「25章VNC の使用」を参照してください。

13.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なります。ほとんどのインストーラーは、最初に言語の選択、次にネットワークの設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったように、決まったパスで進められます。ある時点ですすめる方向は通常、1 つのみです。
Anaconda では、最初は言語とロケールだけを選択するだけです。次に中央画面が表示され、任意の順序でインストールの各種オプションを設定できます。これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。たとえば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
中央の画面では、他にも違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

13.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題解決に役立ちますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

13.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数画面を表示し、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。
注記
一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から、他の環境に移動する必要はありません。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。
注記
テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、画面にアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表のとおりです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
Ctrl+b nCtrl+b p を使用して、それぞれ、次または前の tmux 画面に移動することもできます。

表13.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット 内容
Ctrl+b 1 メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2 root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3 インストールログ: /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4 ストレージログ: /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5 プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについては 表14.1「インストール中に生成されるログファイル」 を、インストールシステムからの転送方法は、「14章IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング」を参照してください。

13.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーできます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は 「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

13.3. テキストモードでのインストール

テキストモードによるインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式で、グラフィカルではないインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。
重要
Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨します。グラフィカルな表示がないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。25章VNC の使用 を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルな表示があるにも拘らず、グラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。「23章起動オプション」を参照してください。
または、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、27章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

図13.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストール
テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。
注記
バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語には英語を、キーボードには US English のキーボードレイアウトを使用します。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、起動メニューの起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で inst.text 起動オプションを使用してインストールを起動します。起動オプションの使用および起動に関する情報は、12章IBM Power Systems でのインストールの起動 を参照してください。

13.4. HMC vterm の使用

HMC vterm はパーティション設定している IBM Power システム用のコンソールです。HMC でパーティションを右クリックしてから Open Terminal Window (ターミナルウィンドウを開く) を選択するとコンソールが開きます。一度にコンソールへ接続できる vterm は 1 つのみです。パーティション設定しているシステム用のコンソールアクセスは vterm 以外にはありません。このコンソールを指して 仮想コンソール と呼ぶことがよくありますが、「コンソールへのアクセス」 で説明している仮想コンソールとは異なります。

13.5. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが推奨の方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を別の言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。

図13.2 インストールの概要 画面

インストールの概要 画面
以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、その時の画面に関連する『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』のセクションが表示されます。
また、キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを制御することもできます。以下の表では、利用可能なショートカットを示しています。

表13.2 グラフィカルインストーラーでのキーボードショートカット

ショートカットキー 用途
Tab または Shift+Tab 表示画面上でアクティブな要素 (ボタン、チェックボックスなど) の間を移動します。
Up または Down リストをスクロールします。
Left または Right ツールバーとテーブルエントリーを左右にスクロールします。
Space または Enter 選択肢からハイライト表示したアイテムを選択または削除し、ドロップダウンメニューを展開、折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

13.6. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux へようこそ という画面です。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。この選択内容が、後に変更しない限り、インストール済みシステムのデフォルトになります。左側のパネルでは、English など、任意の言語を選択します。そして、右側のパネルで、English (United States) など、その言語の特定の地域を選びます。
注記
1 つの言語が一覧の上部に事前に設定されます。この時点でネットワークアクセスが設定されている場合 (たとえば、ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、事前に選択した言語は、GeoIP モジュールの使用による場所の自動検出に基づいて決定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに任意の言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。

図13.3 言語設定

言語設定
続行 ボタンをクリックすると、サポート対象外のハードウェアのダイアログが表示される場合があります。これは、カーネルがサポートしていないハードウェアを使用している場合に発生します。

13.7. インストールの概要画面

Installation Summary 画面で、主なインストール設定を行います。

図13.4 インストールの概要 画面

インストールの概要 画面
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定する場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告シンボルのマークが付いたセクションのみが必須です。画面の下部の注で警告されているように、これらをインストールを開始する前に選択する必要があります。残りのセクションはオプションです。各セクションのタイトルの下には、現在の設定の概要が示されます。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も併せて参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。
注記
バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。

図13.5 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面
インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法は、「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

13.8. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックして特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図またはドロップダウンメニューに表示されない場合には、同じタイムゾーンの最も近い主要都市を選択してください。または、キックスタートファイルを使用することもできます。これにより、グラフィカルインターフェースでは使用できない追加のタイムゾーンを指定できます。詳細は、 timezone (必須) timezone コマンドを参照してください。
注記
表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat は、このデータベースに都市や地域を追加することはできません。詳細は、http://www.iana.org/time-zones の公式の Web サイトを参照してください。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンを指定してください。

図13.6 タイムゾーン設定画面

タイムゾーン設定画面
ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux で使用する NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

13.9. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールする追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。

図13.7 言語サポートの設定

言語サポートの設定
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

13.10. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。

図13.8 キーボードの設定

キーボードの設定
新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。チェックボックスを選択して、一覧からキーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。
重要
ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、Red Hat では 英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことを推奨しています。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これにより、インストールを完了できない可能性があります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
注記
インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

13.11. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効にすると、この機能の提供に必要なパッケージが自動的にインストールされます。ただし、デフォルトではポリシーが強制されることがなく、明確に設定されている場合を除いて、インストール時およびインストール後にチェックが行われません。
『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。
重要
セキュリティーポリシーの適用はすべてのシステムで必要なわけではありません。このウィンドウは、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide で提供されます。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。

図13.9 セキュリティーポリシー選択画面

セキュリティーポリシー選択画面
システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択し、その下の プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前に加えられるかどうかが表示されます。
注記
デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を適用しません。ただし、下記のとおりにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択した後、または画面を離れる場合には、左上隅にある 完了 をクリックして「インストールの概要画面」.に戻ります。

13.12. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。

図13.10 インストールソースの画面

インストールソースの画面
以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、起動メニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux を選択した場合、または rd.live.check 起動オプションを使用して実行された場合と同じです。
ISO ファイル
このオプションは、インストールプログラムで、ハードドライブがパーティションされており、マウント可能なファイルシステムを備えてられていることを検出した場合に、表示されます。このオプションを選択してから、ISO の選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワークの場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記の選択肢をネットワークの場所の URL の開始部分として使用し、残りのアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定する別のボックスが表示されます。
重要
NFS ベースのインストールソースを選択する際には、ホスト名をコロン (":") でパスから区切ったアドレスを指定する必要があります。以下に例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は、「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、リポジトリーを削除するには、- ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

13.13. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。
重要
インストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールする時に、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムにより自動的に検出されるため、手動での追加または削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。
注記
em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。

図13.11 ネットワークとホスト名の設定画面

ネットワークとホスト名の設定画面
接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname 形式の fully-qualified domain name (FQDN) または hostname 形式の short host name のいずれかを選択できます。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。
重要
ホスト名を手動で割り当てる場合は、委譲されていないドメイン名を使用しないでください。使用すると、ネットワークリソースが使用できなくなる可能性があります。詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』で推奨している命名方法の実践例を参照してください。
注記
ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

13.13.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要はなく、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。必要に応じて、ネットワーク設定の詳細情報については、『ネットワークガイド』を参照してください。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。

    図13.12 ネットワーク自動接続機能

    ネットワーク自動接続機能
  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。

    図13.13 IP プロトコル設定

    IP プロトコル設定
ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

13.13.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについては本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。

図13.14 ネットワークとホスト名の設定画面

ネットワークとホスト名の設定画面
ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • ボンド: NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • ブリッジ: NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集約ネットワークに接続します。
  • チーム: NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN: それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。

図13.15 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

高度なネットワークインターフェースのダイアログ
注記
ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

13.14. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。この環境は、特定の目的でパッケージセットが事前定義されています。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。

図13.16 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

サーバーインストールでのソフトウェア選択の例
選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux のインストール DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。
重要
事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小インストール 環境を選択することを推奨しています。最小インストール では、基本バージョンの Red Hat Enterprise Linux と、最低限の追加ソフトウェアのみがインストールされます。これにより、システムが脆弱性の影響を受ける可能性が大幅に減ります。必要な場合は、インストール後に最初にログインした後、Yum パッケージマネージャーを使って追加ソフトウェアをインストールできます。最小インストール の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については「27章キックスタートを使ったインストール」を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

13.14.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれます。
  • rsyslog サービスを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するように Red Hat Enterprise Linux システムを設定できます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

13.15. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、「付録A ディスクパーティションの概要」を参照してください。
警告
Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
重要
Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。
重要

特殊なケース

  • RAID カードを実装している場合、BIOS タイプは、RAID カードからの起動に対応していない場合がある点に注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。そのような RAID カードへのパーティション作成には、内蔵ハードドライブを使用する必要があります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。システムのパーティション設定を自動で選択した場合は、/boot パーティションを手動で編集する必要があります。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • マルチパスストレージデバイスと非マルチパスのストレージデバイスの両方が使用されているシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムの自動パーティション設定レイアウトに、マルチパスのデバイスと非マルチパスのデバイスが混在するボリュームグループが作成される可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。インストール先 の画面ではマルチパスのみ、またはマルチパス以外のみのいずれかを選択することが推奨されます。もしくは、手動のパーティション設定を実行してください。

図13.17 ストレージ領域の概要

ストレージ領域の概要
この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。このデバイスの詳細は「ストレージデバイス」を参照してください。
システムのパーティション設定方法がよく分からない場合は、デフォルト選択になっている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンに印を付けたままにすると、インストールプログラムがパーティションを設定します。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法とボリュームの作成方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにクリーンインストールを実行する場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定が推奨されます。自動パーティション設定を行う場合は、デフォルトで選択されている Automatically configure partitioning のラジオボタンにチェックを入れたままにすると、インストールプログラムが必要なパーティションとボリュームをストレージに自動作成します。
    自動でのパーティション設定の場合、I would like to make additional space available のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。Done をクリックすると、ダイアログが表示されます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨のパーティション設定でインストールを完了するのに十分なストレージ領域がない場合には、以下のダイアログが表示されます。

    図13.18 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション
    Red Hat Enterprise Linux software selection リンクをクリックします。このリンクをクリックすると、ソフトウェアの選択 セクションに移動し、インストールするソフトウェアを変更してストレージ領域を追加で開放できます。
    別の方法では、Cancel & add more disks をクリックして、Installation Destination 画面に戻り、ストレージデバイスを追加するか、手動でパーティションを設定することができます。Reclaim space をクリックして、既存のファイルシステムからストレージ領域を開放します。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    十分な領域を確保できないと、別のダイアログが表示されます。この場合は、当初のストレージ画面でディスクを追加するか、インストールを中止することになります。
    手動による設定を行うため、I will configure partitioning のラジオボタンを選択した場合は、Done をクリックすると Manual Partitioning の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • Encryption セクションで Encrypt my data のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化できます。暗号化についての詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

13.15.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ブートローダーとして GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) を使用します。ブートローダーは、システムの起動時に実行し、制御をオペレーティングシステムに読み込み、転送する最初のプログラムです。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであれば起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。
警告
GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
Red Hat Enterprise Linux は、他のオペレーティングシステムがすでにインストールされていると、自動検出して Grub で起動できるように設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定できます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。

図13.19 選択したディスクの要約

選択したディスクの要約
Boot のコラムには、デバイスの 1 つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択して ブートデバイスとして設定 のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択して ブートローダーをインストールしない のボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。
警告
何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

13.15.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと、インストールプログラムにより、システム上で暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

図13.20 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

暗号化したパーティションのパスフレーズ入力
パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。
警告
このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。
キックスタートを使用したインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細は『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

13.15.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。
警告
パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。

図13.21 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

既存ファイルシステムからのディスク領域の確保
Red Hat Enterprise Linux を検出した既存のファイルシステムが、該当するディスクの一部として表に一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • Preserve: ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • Delete: ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • Shrink: ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • Delete all/Preserve all: 右側にあるこのボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられます。もう一度クリックすると、ラベル名が変わり、全ファイルシステムを確保するように再度マークされます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると Reclaim Space のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

13.15.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、I will configure partitioning のオプションを選択してインストール先を Done すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで、Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを定義します。
警告
Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

図13.22 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定の画面
手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。
注記
ディスクパーティションに関する推奨事項および補足情報は、付録A ディスクパーティションの概要「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。少なくとも、適切なサイズのルートパーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

13.15.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールで最低限必要なパーティションは 1 つですが、Red Hat では少なくとも 5 つのパーティションを推奨しています (PReP//home/boot および swap)。必要に応じて、他のパーティションやボリュームを作成することもできます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
注記
(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成する場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから任意のパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成されます。これにより、/boot パーティション、/ (ルート) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
または、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成します。これで、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (ルートパーティションに /、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空の領域がすべて使用されることになります。これらの詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。
注記
領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 のダイアログが開きます。1 つ以上のデバイスを選択し、選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。

図13.23 マウントポイントの設定

マウントポイントの設定
全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。

図13.24 ディスクの再スキャン

ディスクの再スキャン
画面下部のリンクでは、インストール先 で選択したストレージデバイスの数が表示されます (を参照 「インストール先」)。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。詳細は、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。

図13.25 パーティションのカスタマイズ

パーティションのカスタマイズ
  • マウントポイント: ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は / を入力します。/boot ファイルシステムの場合は /boot などと入力します。swap ファイルシステムの場合は、マウントポイントを設定しないでください。ファイルシステムタイプを swap に設定するだけで十分です。
  • 割り当てる容量: ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ: Standard PartitionLVMRAIDLVM Thin Provisioning または BTRFSのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID Level も設定できます。同様に、LVM を選択した場合は、ボリュームグループを指定できます。
  • ファイルシステム: ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル: パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前: LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細は、「ファイルシステムのタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが表示されます。これにはパーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ調整、削除が含まれます。全変更を確認し、前に戻る場合は Cancel & Return to Custom Partitioning をクリックします。変更を適用する場合は、Accept Changes をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。
重要
/usr または /var のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合など、一部の状況では、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
13.15.4.1.1. ファイルシステムのタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプとファイルシステムを作成できます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション: 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM): LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームを作成する方法は、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
  • LVM thin provisioning: シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは、ストレージ領域をコスト効率よく割り当てる必要がある場合に、動的に拡張できます。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
    注記
    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用に要求した領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に確保します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID: 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスを作成するには、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。

ファイルシステム

  • XFS: 最大 16 EiB (約 160 億 GiB) のファイルシステム、最大 8 EiB (約 80 億 GiB) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、スケーラビリティーと性能が高いファイルシステムです。XFS は、クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、XFS ファイルシステムは、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。このファイルシステムはデフォルトで選択されており、強くお勧めします。以前使用された ext4 ファイルシステムから XFS に共通のコマンドを変換する方法は、付録F ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux で XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、500 TiB です。
  • ext4: ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。
    Red Hat Enterprise Linux で ext4 ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは、50 TiB です。
  • ext3: ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2: ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat: VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap: Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • PReP: ハードドライブの 1 番目のパーティションにある小さな起動パーティションです。PReP 起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれ、その他の IBM Power Systems サーバーが Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにします。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits 」のページをご覧ください (https://access.redhat.com/site/articles/rhel-limits)。

13.15.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成されており、組み合わせてパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成は 1 つのステップで終わり、必要に応じてディスクを追加または削除できます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。

図13.26 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例
RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明に従って、マウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムのタイプ」を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下のとおりです。
    RAID0: パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1: 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のデバイスを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4: エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散す、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納しているため、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報が 1 つのディスクに格納されるため、このディスクにアクセスすると、アレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5: 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6: 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10: 冗長化 (ミラーリング) および パフォーマンス (ストライプ)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

13.15.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。したがって、LVM 論理ボリュームは、複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は、付録D LVM の理解 または『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。
重要
テキストモードによるインストールの場合は、LVM を設定できません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。

図13.27 論理ボリュームの設定

論理ボリュームの設定
論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明に従い LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。
    注記
    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。

    図13.28 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    LVM ボリュームグループのカスタマイズ
    利用可能な RAID レベルは、実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。利用可能なポリシーオプションは以下のようになります。
    • 自動: ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループに空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく: 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。これは、ほとんどのデータを LVM に保存する場合、または後で既存の論理ボリュームのサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループに別の論理ボリュームを作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定: このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定する容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、Save をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
警告
LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

13.16. ストレージデバイス

さまざまなストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。

図13.29 ストレージ領域の概要

ストレージ領域の概要

13.16.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスは、次のタブに分類されます。
マルチパスデバイス
同じシステムにある、複数の SCSI コントローラーやファイバーチャネルポートなどの複数のパスからアクセスできるストレージデバイスです。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
その他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。

図13.30 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要
画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加: iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加: Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。

図13.31 ストレージデバイスの検索タブ

ストレージデバイスの検索タブ
検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。WWID または LUN で検索するには、対応する入力テキストフィールドに値を入力する必要があります。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。
重要
この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、この画面に表示されるすべてのデバイスを選択します。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

13.16.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の概要は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。

図13.32 高度なストレージオプション

高度なストレージオプション
13.16.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。

図13.33 iSCSI 検出詳細のダイアログ

iSCSI 検出詳細のダイアログ
インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに、iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保できます。
注記
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順13.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、ダッシュ記号、月を表す 2 桁の数字、ピリオドの順で構成。たとえば、2010 年 9 月の場合は 2010-09. のようになります。
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。例、storage.example.com のサブドメインは、com.example.storage と表す。)
    • コロン (:) と、ドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列。たとえば、:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。anaconda では、IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 に記載の『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』の『3.2.6. iSCSI Names』のセクションや、http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 に記載の『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの検出 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵とリバースペア
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵とリバースペア を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. Start Discovery ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。

    図13.34 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ
  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの検出 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 検出時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして、iSCSI セッションを開始します。
13.16.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、FCoE ストレージデバイスを検出できるようにネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。

図13.35 FCoE パラメーターの設定

FCoE パラメーターの設定
追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan の使用
自動 VLAN では、VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行われていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になっています。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

13.17. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
IBM Power System LPAR は、Kdump の代替ダンプキャプチャーメカニズムであるファームウェア支援ダンプ (fadump) をサポートしています。fadump では、新しいカーネルのコピーで読み込まれた、完全にリセットされたシステムからダンプがキャプチャーされます。特に、PCI と I/O のデバイスは再度初期化され、クリーンかつ一貫性のある状態なので、Kdump に代わるものとして信頼できます。fadumpKdump の代替ではあるものの、fadumpKdump が有効になっている必要があります。この画面で fadump を有効にすることができます。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。

図13.36 Kdump の有効化と設定

Kdump の有効化と設定

13.18. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。

図13.37 インストールの準備完了

インストールの準備完了
警告
インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。Begin Installation をクリックすると、インストールプログラムがハードドライブの領域を割り当て、Red Hat Enterprise Linux をこの領域に移動します。選択したパーティション設定オプションに応じて、このプロセスでは、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに行った選択のいずれかを変更するには、Installation Summary 画面の該当セクションに戻ります。インストールを完全に取り消す場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

13.19. 設定のメニューと進捗状況の画面

Installation Summary 画面で Begin Installation をクリックすると、進捗画面が表示されます。Red Hat Enterprise Linux は選択したパッケージをシステムに書き込む時にインストールの進捗を画面上で報告します。

図13.38 パッケージのインストール

パッケージのインストール
インストールの完全なログは、システムの再起動後に /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log ファイルで確認できます。
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。

図13.39 暗号用のエントロピーの収集

暗号用のエントロピーの収集
パッケージのインストール中は、より多くの設定が必要になります。インストールの進捗バーの上に、Root Password および User Creation メニュー項目があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。これらのコマンドの詳細は、 「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

13.19.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

図13.40 Root パスワード画面

Root パスワード画面
注記
インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では、セキュリティー上の理由から文字がアスタリスクで表示されます。確認 フィールドにも同じパスワードを入力して、正しく設定されていることを確認します。root パスワードを設定したら、Done をクリックして ユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要 である
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)
注記
インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れた場合は、 「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用して新しい設定方法を参照してください。

13.19.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。
注記
インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。

図13.41 ユーザーアカウント設定画面

ユーザーアカウント設定画面
各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。

図13.42 高度なユーザー設定

高度なユーザー設定
デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。
注記
通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲が今後広がり、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
キックスタートでカスタム ID を指定してユーザーを作成する場合は、 user (任意) を参照してください。
インストール後に UID と GID の下限を変更して、選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにする方法は、『システム管理者のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章を参照してください。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

13.20. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させて、、Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動時にインストールメディアが自動的に取り出されない場合は、忘れず取り出してください。
コンピューターの通常電源投入シーケンスが完了したら、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定プロセスの詳細は 30章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。

第14章 IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda では、デバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表14.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル 内容
/tmp/anaconda.log Anaconda の全般メッセージ
/tmp/program.log インストール中に実行されたすべての外部プログラム
/tmp/storage.log ストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.log yum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslog ハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールが失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all オプションまたは inst.nosave=logs オプションを使用すると、ログはインストールプログラムの RAM ディスクにのみ存在します。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。
注記
以下の手順では、インストールを実行しているシステムがネットワークにアクセス可能であり、また転送先となるシステムが ssh プロトコルでファイルを受け取ることができる必要があります。

手順14.1 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、/home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    初めてターゲットシステムに接続する際に、SSH クライアントにより、リモートシステムのフィンガープリントが正しいことと、継続するかを尋ねられます。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトに従いパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが完全に転送先システムに保存され、後で確認できるようになります。

14.1. インストール開始時の問題

14.1.1. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると、問題が発生することがあります。インストールプログラムがデフォルト設定を使用して実行しない場合は、それより低い解像度モードでの実行を試みます。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は、「ブートメニューによるインストールシステムの設定」 を参照してください。
基本的なグラフィックモードを使用する
基本的なグラフィックスドライバーを使用して、インストールの実行を試みることができます。これを行うには、boot: プロンプトでインストールプログラムのオプションを編集し、コマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で指定する
インストールプログラムが画面の解像度の検出に失敗した場合は、自動検出を無効にして手動で指定できます。これには、起動メニューに inst.resolution=x オプションを追加します。x はディスプレイの解像度 (1024x768など) に置き換えます。

14.1.2. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用しようとします。
シリアルコンソールでテキストベースのインストールを実行する場合は、inst.text および console= 起動オプションを使用します。詳細は 23章起動オプション を参照してください。

14.2. インストール中の問題

14.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。方法については、コントローラーの資料を参照してください。
1 つ以上の iSCSI デバイスにインストールを実行していて、システム上にローカルストレージがない場合、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) が適切な HBA (ホストバスアダプター) に示されていることを確認してください。iSCSI の詳細は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。多くの場合、インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の Web サイトを確認してください。ドライバー更新に関する一般的な情報は、11章IBM Power Systems へのインストール中におけるドライバー更新 を参照してください。
また、 https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

14.2.2. トレースバックメッセージの報告

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、発生した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。

図14.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

クラッシュレポートのダイアログボックス
ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグに精通している場合は、Debug をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。

図14.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

クラッシュレポートのダイアログを展開した例
カスタマーポータルにバグを報告する場合は、次の手順に従ってください。

手順14.2 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。

    図14.3 カスタマーポータル認証情報

    カスタマーポータル認証情報
  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。

    図14.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    Red Hat カスタマーサポートの設定
    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのときに得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。

    図14.5 問題の詳細を入力する

    問題の詳細を入力する
  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。

    図14.6 送信データの再確認

    送信データの再確認
  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の発見に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。

    図14.7 送信ファイルの再確認

    送信ファイルの再確認
  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示するか、Close をクリックして、最初のクラッシュ報告ダイアログボックスに戻ります。Quit をクリックしてインストールを終了します。

14.2.3. プレインストールログファイルの作成

インストール問題をデバッグするには、インストール前に inst.debug オプションを設定して環境からログファイルを作成することができます。これらのログファイルには、現行のストレージ設定などが含まれます。
Red Hat Enterprise Linux インストール起動メニューでオプションを設定するには、以下を実行します。
  1. Install Red Hat Enterprise Linux 7.3 エントリーを選択します。
  2. Tab キーを押して、ブートオプションを編集します。
  3. オプションに inst.debug を追加します。以下に例を示します。
    > vmlinuz ... inst.debug
    詳細は23章起動オプションを参照してください。
  4. Enter を押してセットアップを開始します。
システムは Anaconda が開始する前に、プレインストールのログファイルを /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに保存します。このログファイルにアクセスするには、以下を実行します。
  1. コンソールに切り替えます。「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
  2. /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp/pre-anaconda-logs/

14.2.4. IBM Power Systems ユーザー向けのパーティション作成に関するその他の問題

手動でパーティションを作成している際に次の画面へ移動できない場合は、インストールの継続に必要なすべてのパーティションが作成されていないことが考えられます。
最低必要条件として次のパーティションがあることを確認してください。
  • / (ルート) パーティション
  • PReP Boot パーティション
  • /boot パーティション (ルートパーティションが LVM 論理ボリュームまたは Btrfs サブボリュームの場合のみ)
詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

14.3. インストール後の問題

14.3.1. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順14.3 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は linux というキーワードで始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動した場合は、通常通りにログインできます。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システムが起動する度に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順に従ってください。

手順14.4 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. grubby ツールを使って、デフォルトの GRUB2 カーネルを見つけます。
    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.ppc64
  3. grubby ツールを使って、上記のステップで特定されたデフォルトのカーネルから GRUB2 設定で rhgb ブートオプションを削除します。以下に例を示します。
    # grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.ppc64
この手順が完了したら、コンピューターを再起動できます。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にする場合は、上記の同じ手順で --remove-args="rhgb" パラメーターを --args="rhgb" で置き換えます。これで rhgb ブートオプションが GRUB2 設定のデフォルトカーネルに戻されます。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

14.3.2. グラフィカル環境での起動

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないことに注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順14.5 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

14.3.3. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルデスクトップ環境のインストール方法は、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 のナレッジベースの記事を参照してください。

14.3.4. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーのログイン時に X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力で、どのパーミッションが満杯になっているかを判断します。多くの場合、問題は /home にあります。以下は、df コマンドの出力例です。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であるためクラッシュの原因になっていることがわかります。不必要なファイルを削除して領域を解放します。空き領域を確保したら、startx コマンドで Xを開始します。
df に関する詳細情報と使用できるオプション (この例では -h オプションなど) の詳細は、df(1) man ページを参照してください。

14.3.5. signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールを行う前には、必ずインストールメディアの整合性を確認することが推奨されます。
最新のインストールメディアを取得する方法は、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを実行するには、起動メニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は 「起動メディアの検証」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因は、本書では扱いません。詳細は、ハードウェアの製造元のドキュメントを参照してください。

14.3.6. ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から起動 (IPL) できない

ネットワークストレージスペース (*NWSSTG) から起動 (IPL) しようとすると問題が発生する場合、その原因のほとんどは PReP パーティションが存在しないためです。このような場合には、システうを再インストールして、パーティションフェーズまたはキックスタートファイルでこのパーティションを作成するようにします。

14.3.7. GRUB2 の next_entry 変数が仮想化環境で予期しない動作をすることがある

仮想マシンを SLOF ファームウェアで起動する IBM Power System のユーザーは、手動で next_entry grub 環境変数をシステム再起動後に設定解除する必要があります。SLOF ファームウェアはその設計によりブロック書き込みをサポートしておらず、このためブートローダーは起動時にこの変数をクリアすることができません。

パート III. IBM Z アーキテクチャー - インストールと起動

ここでは、IBM Z での Red Hat Enterprise Linux の起動、または 初期プログラムロード (IPL) およびインストールについて説明します。

第15章 IBM Z へのインストールプラン

15.1. プレインストール

Red Hat Enterprise Linux 7 は、zEnterprise 196 以降の IBM メインフレームシステムで実行されます。
IBM Z へのインストールプロセスでは、ユーザーが IBM Z の操作に慣れていること、また 論理パーティション (LPAR) および z/VM ゲスト仮想マシンをセットアップできることを前提としています。IBM Z の詳細は http://www.ibm.com/systems/z を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux をIBM Z にインストールする場合、Red Hat では、DASD (Direct Access Storage Device) および FCP (ファイバーチャネルプロトコル) のストレージデバイスがサポートされます。
Red Hat Enterprise Linux のインストール前に、以下を決定する必要があります。
  • オペレーティングシステムを LPAR 上で稼働させるのか、z/VM ゲストの OS として稼働させるのか選択します。
  • swap 領域が必要かどうか、また必要な場合はその大きさを決定します。z/VM が必要なスワッピングを行えるように z/VM のゲスト仮想マシンに十分なメモリーを割り当てることは可能でかつ推奨されますが、必要な RAM の大きさが予測困難な場合もあります。このような場合にはケースバイケースで検討してください。「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • ネットワーク設定を決定します。IBM Z 向けの Red Hat Enterprise Linux 7 は、以下のネットワークデバイスに対応しています。
    • 物理的および仮想の OSA (オープンシステムアダプター)
    • 物理および仮想の HiperSockets
    • 物理的な OSA 対応の LCS (LAN チャネルステーション)
以下のハードウェアが必要になります。
  • ディスク領域。DASD で必要なディスク容量を計算して、十分な容量を割り当てる必要があります。[2] または SCSI[3] ディスクのパーティションを設定できます。サーバーのインストールには最低 10 GB が必要です。すべてのパッケージをインストールする場合は 20 GB が必要です。アプリケーションデータにもディスク領域が必要です。インストール後に、DASD パーティションまたは SCSI パーティションを追加または削除できます。
    新規インストールの Red Hat Enterprise Linux システム (Linux インスタンス) で使用するディスク領域と、お使いのシステムにインストールされているその他の OS で使用されるディスク領域は、別にしておく必要があります。
    ディスクおよびパーティション設定の詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • RAM。Linux インスタンス用に 1 GB (推奨) を確保してください。調整を行うと、512 MB の RAM でもインスタンスを稼働できる場合があります。
注記
SWAPGEN ユーティリティーを使用して FBA (Fixed Block Architecture) DASD上のスワップ領域を初期化する場合は、FBAPART オプションを使用する必要があります。

15.2. IBM Z へのインストール手順の概要

Red Hat Enterprise Linux の IBM Z へのインストールは、対話形式または無人モードで行うことが可能です。IBM Z へのインストールは通常、ローカルメディアからではなく、ネットワーク経由で行われるという点で他のアーキテクチャーと異なります。このインストールは、以下の 3 つの段階で構成されます。
  1. インストールの起動

    メインフレームに接続し、その後にインストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行します。詳細は 16章IBM Z でのインストールの起動 を参照してください。
  2. インストールシステムへの接続

    ローカルマシンから、リモートの IBM Z システムに接続し、インストールプロセスを続行します。詳細は 17章インストールシステムへの接続 を参照してください。
  3. Anaconda

    インストールプログラムである Anaconda を使ってネットワークの設定、言語サポートやインストールソースの指定、インストールするソフトウェアの指定、残りのインストールを実行します。詳細は、18章Anaconda を使用したインストール を参照してください。

15.2.1. インストールの起動

メインフレームとの接続を確立したら、インストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行する必要があります。本書では、IBM Z に Red Hat Enterprise Linux をインストールする最も一般的な方法を説明します。一般的には、generic.prm ファイルのパラメーターとともに、カーネル (kernel.img) および初期 RAM ディスク (initrd.img) で構成される Linux インストールシステムを起動する方法を説明します。また、initrd、カーネル、および generic.prm のファイル名およびメモリーアドレスを判断するために、generic.ins ファイルがロードされます。
本書では、Linux インストールシステムを インストールプログラム とも呼びます。
IPL プロセスを開始できる制御ポイントは、Linux を実行する環境によって異なります。Linux を z/VM ゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合は、ホストである z/VM の CP (コントロールプログラム) が制御ポイントになります。Linux を LPAR モードで実行する場合は、メインフレームの SE (サポートエレメント) または接続されている IBM Z の HMC (ハードウェア管理コンソール) が制御ポイントになります。
以下の起動メディアは、Linux を z/VM 環境でゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動メディアは、Linux を LPAR モードで実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動メディアは、z/VM と LPAR の両方に使用できます。
DASD および FCP 接続 SCSI デバイス (SCSI DVD を除く) を起動メディアとして使用する場合は、設定済みの zipl ブートローダーが必要になります。

15.2.2. インストールシステムへの接続

ローカルマシンから、リモートの IBM Z システムに接続し、インストールプロセスを続行します。詳細は 17章インストールシステムへの接続 を参照してください。

15.2.3. Anaconda を使用したインストール

インストールの第 2 段階では、Anaconda インストールプログラムをグラフィカルモード、テキストモード、コマンドラインモードのいずれかで使用します。
グラフィカルモード
グラフィカルなインストールは VNC クライアントを使います。マウスやキーボードを使って画面を移動したり、ボタンをクリックしたり、テキストフィールドへの入力を行ったりすることができます。VNC を使用してグラフィカルインストールを実行する方法は、25章VNC の使用 を参照してください。
テキストベースモード
GUI のインターフェース要素は一切提供されないため、すべての設定には対応していません。VNC クライアントを使用できない場合に対話式のインストールを行うにはこのモードを使用します。テキストベースのインストールの詳細は、「テキストモードでのインストール」 を参照してください。
コマンドラインモード
これは、IBM Z に自動で非対話形式のインストールを行うためのモードです。インストールプログラムで、キックスタートコマンドが無効な場合や、欠落している場合には、システムが再起動される点に注意してください自動インストールの詳細は27章キックスタートを使ったインストールを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 7 では、テキストベースのインストールはユーザー介入を最小限に抑えています。FCP 接続の SCSI デバイスでのインストールや パーティションレイアウトのカスタマイズ、パッケージアドオンの選択などの機能は、グラフィカルユーザーインターフェースでのインストールに限られます。可能な限りグラフィカルインストールを使用してください。詳細は 18章Anaconda を使用したインストール を参照してください。


[2] Direct Access Storage Devices (DASD) は、デバイスごとに最大 3 つのパーティションを許可するハードディスクです。たとえば、dasda には、dasda1dasda2 および dasda3 のパーティションを設定できます。
[3] SCSI-over-Fibre Channel デバイスドライバー (zfcp デバイスドライバー) とスイッチを使用すると、IBM Z 上の Linux に対して、SCSI LUN をローカル接続の SCSI ドライブのように表示することができます。

第16章 IBM Z でのインストールの起動

Anaconda インストールプログラムの初期プログラムブート (IPL) を実行する手順は、Red Hat Enterprise Linux を稼働させる環境 (z/VM または LPAR のいずれか) によって異なります。

16.1. ブートパラメーターのカスタマイズ

インストールを開始する前に、ブートパラメーターを設定する必要があります。z/VM でインストールする場合、generic.prm ファイルで起動する前にこれらのパラメーターを設定する必要があります。LPAR にインストールする場合は、rd.cmdline パラメーターはデフォルトで ask するよう設定されています。つまり、これらのブートパラメーターを入力することができるプロンプトが表示されます。いずれの場合も、必須パラメーターは同じです。
注記
ネットワーク設定に対話式ユーティリティーを使用していた Red Hat Enterprise Linux 6 とは異なり、全ネットワーク設定は以下のパラメーターを使用して指定する必要があります。これはパラメーターファイルの使用もしくはプロンプトで行います。
インストールソース
インストールソースは常に設定される必要があります。inst.repo= オプションを使用して、インストール用のパッケージソースを指定します。詳細および構文については、インストールソースの指定 を参照してください。
ネットワークデバイス
インストール中にネットワークアクセスが必要となる場合は、ネットワークを設定する必要があります。ハードドライブなどのローカルメディアのみを使用して無人 (Kickstart ベース) のインストールを行う場合は、ネットワーク設定を省略できます。
基本的なネットワーク設定には ip= オプション、および必要に応じて ネットワーク起動オプション の一覧に挙げられたその他のオプションを使用してください。
また、rd.znet= カーネルオプションも指定します。このオプションは、ネットワークプロトコルタイプ、コンマ区切りのサブチャネル一覧、およびオプションでコンマ区切りの sysfs パラメーターと値のペアを取ります。複数のネットワークデバイスをアクティベートするには、このパラメーターを複数回にわたり指定することができます。
以下に例を示します。
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portname=foo
ストレージデバイス
少なくとも 1 つのストレージデバイスが常に設定される必要があります
rd.dasd= オプションは、DASD (Direct Access Storage Device) アダプターデバイスバス識別子を取ります。複数の DASD の場合は、パラメーターを複数回指定するか、バス ID のコンマ区切りリストを使用します。DASD の範囲を指定するには、最初と最後のバス ID を指定します。たとえば、以下のようになります。
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202(ro),0.0.0203(ro:failfast),0.0.0205-0.0.0207
rd.zfcp= オプションは、zFCP (SCSI over FCP) アダプターデバイスバス識別子、WWPN (world wide port name) 、FCP LUN を受け取ってデバイスを作動させます。複数の zFCP デバイスをアクティベートするには、このパラメーターを複数回にわたり指定することができます。たとえば、以下のようになります。
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
Kickstart のオプション
Kickstart ファイルを使用して自動インストールを行う場合は、inst.ks= オプションで Kickstart ファイルの場所を常に指定している必要があります。無人の完全自動キックスタートインストールでは、inst.cmdline オプションを指定すると便利です。詳細は 「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」 を参照してください。
必須パラメーターすべてを含むカスタマイズした generic.prm ファイルの例を以下に示します。

例16.1 カスタマイズ generic.prm ファイル

ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
inst.repo=http://example.com/path/to/repository
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=0,portname=foo
ip=192.168.17.115::192.168.17.254:24:foobar.systemz.example.com:enccw0.0.0600:none
nameserver=192.168.17.1
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
inst.ks=http://example.com/path/to/kickstart
インストール方法によっては、DVD または FTP サーバーのファイルシステムのインストールデータの場所のマッピングがあり、データがコピーされるメモリーの場所を持つファイルが必要です。このファイルは通常 generic.ins と呼ばれ、初期 RAM ディスク、カーネルイメージ、パラメーターファイル (generic.prm) のファイル名と各ファイルのメモリーの場所が格納されています。generic.ins ファイルのサンプルは以下のようになります。

例16.2 generic.ins サンプルファイル

images/kernel.img 0x00000000
images/initrd.img 0x02000000
images/genericdvd.prm 0x00010480
images/initrd.addrsize 0x00010408
有効な generic.ins ファイルはインストーラーの起動に必要の他のファイルとともに Red Hat から提供されます。このファイルは、たとえば、デフォルト以外のカーネルバージョンをデフォルトからロードする場合にのみ変更します。

16.2. ハードドライブを使った IBM Z へのインストールに関する注意点

ハードドライブからインストールプログラムを起動する場合は、オプションとして同じディスクまたは別のディスクに zipl ブートローダーをインストールすることができます。zipl は 1 ディスクにつき 1 つのブートレコードにしか対応していないため注意してください。1 つのディスクに複数のパーティションを設ける場合は、全パーティションが 1 つのブートレコードを「共有」します。
インストールプログラムを起動できるようにハードドライブを準備します。以下のコマンドを入力してzipl ブートローダーをハードドライブにインストールします。
# zipl -V -t /mnt/ -i /mnt/images/kernel.img -r /mnt/images/initrd.img -p /mnt/images/generic.prm
generic.prm 設定ファイル のブートパラメーターのカスタマイズの詳細は、「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。

16.3. z/VM へのインストール

z/VM 環境にインストールする場合は、以下から起動できます。
  • z/VM 仮想リーダー
  • DASD または FCP 接続の SCSI デバイス (zipl ブートローダーの準備が完了しているもの )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
Linux インストールに選択した z/VM ゲストの仮想マシンにログオンします。Red Hat Enterprise Linux の x3270-text パッケージで利用可能な x3270 または c3270 端末エミュレーターを使用して、他の Linux システムから z/VM にログインできます。または、IBM Z HMC (ハードウェア管理コンソール) の IBM 3270 端末エミュレーターを使用することもできます。Microsoft Windows オペレーティングシステム搭載のマシンから作業する場合には、Jolly Giant (http://www.jollygiant.com/) で SSL 対応 3270 エミュレーターを使用できます。wc3270 という名前の c3270 のフリーなネイティブ Windows ポートもあります。
注記
使用中の 3270 接続が割り込みを受け、それまでのセッションがまだアクティブなために再ログインができない場合は、z/VM ログイン画面で以下のコマンドを入力すると、それまでのセッションを新規のセッションに置き換えることができます。
logon user ここでは、以下のようになります。
user には z/VM ゲスト仮想マシンの名前を入れてください。RACF などの外部セキュリティーマネージャーが使用されているかどうかによって、ログオンコマンドが異なる場合があります。
ゲスト内でまだ CMS (z/VM 同梱のシングルユーザー用オペレーティングシステム) を実行していない場合は、以下のコマンドを実行してここで起動します。
cp ipl cms
インストールターゲットには、A ディスク (多くの場合デバイス番号は 0191) などの CMS ディスクを使用しないようにしてください。CMS で使用されているディスクを確認するには、以下のクエリーを使用します。
query disk
以下の CP (z/VM ハイパーバイザーである z/VM 制御プログラム) の query コマンドを使用すると、z/VM ゲスト仮想マシンのデバイス構成を確認できます。
  • 利用できるメインメモリーをクエリーします。IBM Z の用語では ストレージ と呼ばれています。IBM Z の用語では {0>storage<0} と呼ばれています。 ゲストには少なくとも 1 GB のメインメモリーが必要です。
    cp query virtual storage
  • 利用できるネットワークデバイスを以下のタイプ別にクエリーします。
    osa
    OSA - CHPID タイプ OSD、物理または仮想 (VSWITCH または GuestLAN)、いずれも QDIO モード
    hsi
    HiperSockets - CHPID タイプ IQD、物理または仮想 (GuestLAN タイプ Hipers)
    lcs
    LCS - CHPID タイプ OSE
    たとえば、上記のネットワークデバイスタイプをすべて問い合わせる場合は、次を実行します。
    cp query virtual osa
  • 利用できる DASD をクエリーします。インストールターゲットとして使用できるのは、RW のフラグが付いた読み取り専用モードの DASD のみです。
    cp query virtual dasd
  • 利用できる FCP チャネルをクエリーします。
    cp query virtual fcp

16.3.1. z/VM リーダーの使用

以下の手順に従って z/VM リーダーから起動します。
  1. 必要に応じて、z/VM の TCP/IP ツールを含むデバイスを CMS ディスクの一覧に追加します。以下に例を示します。
    cp link tcpmaint 592 592
    acc 592 fm
    fm には FILEMODE 文字を入れます。
  2. コマンドを実行します。
    ftp host
    host には起動用イメージ (kernel.imginitrd.img) をホストする FTP サーバーのホスト名または IP アドレスを入れます。
  3. ログインして以下のコマンドを実行します。既存の kernel.img ファイル、initrd.img ファイル、generic.prm ファイル、または redhat.exec ファイルを上書きしている場合は、(repl オプションを使用します。
    cd /location/of/install-tree/images/
    ascii 
    get generic.prm (repl 
    get redhat.exec (repl 
    locsite fix 80 
    binary 
    get kernel.img (repl 
    get initrd.img (repl 
    quit
  4. オプションとして、CMS コマンド filelist を使用して受信したファイルとその形式を表示することにより、ファイルが正しく転送されたかどうかをチェックします。Format コラムで kernel.imginitrd.img のレコードの長さが固定形式を示す F になっていること、Lrecl コラムでそのレコードの長さが 80 になっていることが重要になります。以下に例を示します。
    VMUSER FILELIST A0 V 169 Trunc=169 Size=6 Line=1 Col=1 Alt=0
    Cmd Filename	Filetype	Fm	Format	Lrecl	Records	Blocks	Date	Time
    REDHAT	EXEC		B1	V	22	1 	1	4/15/10	9:30:40
    GENERIC	PRM		B1	V	44	1	1	4/15/10	9:30:32
    INITRD	IMG		B1	F	80	118545	2316	4/15/10	9:30:25
    KERNEL	IMG		B1	F	80	74541	912	4/15/10	9:30:17
    
    PF3 を押して filelist を終了し、CMS プロンプトに戻ります。
  5. 必要に応じて、generic.prm 内の起動パラメーターをカスタマイズします。詳細は 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。
    CMS 設定ファイルを使用して、ストレージデバイスおよびネットワークデバイスを設定する方法もあります。そのような場合は、CMSDASD= および CMSCONFFILE= パラメーターを generic.prm に追加します。詳細は 「z/VM 設定ファイル」 を参照してください。
  6. 最後に、REXX スクリプト redhat.exec を実行してインストールプログラムを起動します。
    redhat

16.3.2. 設定済み DASD の使用

準備済みの DASD から起動して、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する zipl ブートメニューエントリーを選択します。コマンドを次の形式で使用します。
cp ipl DASD_device_number loadparm boot_entry_number
DASD_device_number は、起動デバイスのデバイス番号に、boot_entry_number は、このデバイスの zipl 設定メニューに置き換えます。以下に例を示します。
cp ipl eb1c loadparm 0

16.3.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクの使用

設定済み FCP を接続した SCSI ディスクから起動するには、以下の手順を実行します。
  1. FCP ストレージエリアネットワーク内に準備した SCSI ディスクにアクセスできるように z/VM の SCSI ブートローダーを設定します。Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する設定済み zipl ブートメニューエントリーを選択します。コマンドを次の形式で使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun LUN bootprog boot_entry_number
    WWPN は、ストレージシステムのワールドワイドポート名に、LUN は、ディスクの論理ユニット番号に置き換えます。16 桁の 16 進数は、それぞれ 8 桁の 2 つのペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 50050763 050b073d lun 40204011 00000000 bootprog 0
  2. 必要に応じて、次のコマンドで設定を確認します。
    query loaddev
  3. 以下のコマンドを使用して、ディスクを含むストレージシステムに接続している FCP デバイスを起動します。
    cp ipl FCP_device
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

16.3.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブ

SCSI DVD ドライブを FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを IBM Z の FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定して z/VM 環境で使用できるようにしておきます。
  1. DVD ドライブに Red Hat Enterprise Linux for IBM Z DVD を挿入します。
  2. FCP Storage Area Network の DVD ドライブにアクセスできるように z/VM の SCSI ブートローダーを設定し、IBM Z DVD 用の Red Hat Enterprise Linux のブートエントリーに 1 を指定します。コマンドを次の形式で使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun FCP_LUN bootprog 1
    WWPN は、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN に、FCP_LUN は、DVD ドライブの LUN に置き換えます。16 桁の 16 進数は、それぞれ 8 桁の 2 つのペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 20010060 eb1c0103 lun 00010000 00000000 bootprog 1
  3. 必要に応じて、次のコマンドで設定を確認します。
    cp query loaddev
  4. FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP デバイスで IPL を行います。
    cp ipl FCP_device
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

16.4. LPAR へのインストール

LPAR (論理パーティション) 内にインストールする場合は以下から起動することができます。
  • FTP サーバー
  • DASD または FCP 接続の SCSI ドライブ (zipl ブートローダーを設定済み )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
上記に共通する手順をまず実行します。
  1. LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールするために十分な権限を持つユーザーとして、IBM Z の HMC (ハードウェア管理コンソール) または SE (サポートエレメント) にログインします。SYSPROG ユーザーが推奨ユーザーになります。
  2. イメージ を選択し、インストール先となる LPAR を選択します。右側にあるフレーム内の矢印を使って CPC Recovery (CPC リカバリー) メニューに進みます。
  3. Operating System Messages (オペレーティングシステムのメッセージ) をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
インストールソースの手順に進みます。
注記
ここまでの手順を完了して、インストールソースに従って以下のいずれかの手順を終わらせると、インストールが開始されます。インストーラーは追加の起動パラメーターを入力するようプロンプト表示します。必須のパラメーターについては、「ブートパラメーターのカスタマイズ」 で説明しています。

16.4.1. FTP サーバーの使用

  1. Load from CD-ROM, DVD, or Server (CD-ROM、DVD、またはサーバーからロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスで、FTP Source (FTP ソース) を選択し、以下の情報を入力します。
    • Host Computer (ホストコンピューター): インストール元となる FTP サーバーのホスト名または IP アドレスです (例: ftp.redhat.com)。
    • User ID - FTP サーバーのユーザー名。または、anonymous を指定します。
    • Password (パスワード): 上記ユーザーのパスワードです。anonymous (匿名) でログインしている場合は電子メールアドレスを使用します。
    • Account (optional) (アカウント (オプション)): このフィールドは空のままにしておきます。
    • File location (optional) - Red Hat Enterprise Linux for IBM Z を保持する FTP サーバーのディレクトリーです (例: /rhel/s390x/)。
  3. Continue (続行) をクリックします。
  4. 次に表示されるダイアログボックスでは、generic.ins のデフォルト選択はそのままにして、Continue (続行) をクリックします。

16.4.2. 設定済み DASD の使用

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 続いて表示されるダイアログボックスの Load typeNormal を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には DASD のデバイス番号を入力します。
  4. Load parameter に、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl 起動メニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  5. OK ボタンをクリックします。

16.4.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクの使用

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 続いて表示されるダイアログボックスの Load typeSCSI を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には、SCSI ディスクに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  4. World wide port name には、ディスクを含むストレージシステムの WWPN の 16 進数を入力します。
  5. Logical unit number (論理ユニット番号) には、ディスクの LUN の 16 進数を入力します。
  6. Boot program selector には、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl 起動メニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  7. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  8. OK ボタンをクリックします。

16.4.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブ

SCSI DVD ドライブ を FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを IBM Z マシンの FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定し、LPAR で利用可能にしておく必要があります。
  1. DVD ドライブに Red Hat Enterprise Linux for IBM Z DVD を挿入します。
  2. Load (ロード) をダブルクリックします。
  3. 続いて表示されるダイアログボックスの Load typeSCSI を選択します。
  4. Load address (ロードアドレス)には、FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  5. World wide port name には、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN の 16 進数を入力します。
  6. Logical unit number (論理ユニット番号) には、DVD ドライブの LUN の 16 進数を入力します。
  7. Boot program selector には、数字 1 を入力し、Red Hat Enterprise Linux for IBM Z DVD のブートエントリーを選択します。
  8. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  9. OK ボタンをクリックします。

第17章 インストールシステムへの接続

Anaconda インストールプログラムの初期プログラムロード(IPL)が完了したら、ssh 接続を使用して、ローカルマシンから IBM Z システムに接続します。
インストールプロセスを続行するには、インストールシステムに接続する必要があります。VNC モードを使用して GUI ベースのインストールを実行するか、確立済みの接続を使用してテキストモードのインストールを実行します。
その他のリソース:
GUI ベースのインストールの VNC およびさまざまな VNC モードのインストール方法は、25章VNC の使用を参照してください。

17.1. VNC でリモート接続の設定

ローカルマシンから以下の手順を実行し、IBM Z システムとのリモート接続を設定します。
前提条件
  • IBM Z システムで最初のプログラムの起動が完了し、コマンドプロンプトに以下が表示されている。
    	Starting installer, one moment...
            Please ssh install@my-z-system (system ip address) to begin the install.
    
  • VNC アクセスをインストールシステムに限定する場合は、inst.vncpassword=PASSWORD ブートパラメーターが設定されていることを確認してください。
  1. コマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行します。
    $ssh install@my-z-system-domain-name
    または
    $ssh install@my-z-system-IP-address
  2. inst.vnc パラメーターを設定したかどうかに応じて、ssh セッションに以下の出力が表示されます。
    inst.vnc パラメーターが設定されている場合:
    Starting installer, one moment...
    Please manually connect your vnc client to my-z-system:1 (system-ip-address:1) to begin the install.
    
    inst.vnc パラメーターが設定されていない場合:
    Starting installer, one moment...
    Graphical installation is not available. Starting text mode.
    =============
    Text mode provides a limited set of installation options. 
    It does not offer custom partitioning for full control 
    over the disk layout. Would you like to use VNC mode instead?
    1) Start VNC
    2) Use text mode
    Please make your choice from above ['q' to quit | 'c' to continue | 'r' to refresh]:
    
    inst.vnc パラメーターを設定した場合は、手順 5 に進みます。
  3. 1 を入力して VNC を起動します。
  4. inst.vncpassword= 起動オプションを設定しておらず、サーバー接続をセキュアに保つ場合は、パスワードを入力します。
  5. 新しいコマンドプロンプトから、VNC サーバーに接続します。
    $vncviewer my-z-system-ip-address:display_number
    接続にセキュリティー設定をした場合は、前の手順で入力したパスワード、inst.vncpassword= 起動オプションに設定したパスワードを使用します。
    RHEL インストーラーが VNC クライアントで起動している。

第18章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする手順を説明します。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。IBM Z の場合には、グラフィカルインターフェースは、別のシステムから VNC プロトコル経由でアクセスします。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
グラフィカルインターフェースで VNC モードが使用できない場合は、キックスタートを使った自動インストールを検討してください。キックスタートの詳細は27章キックスタートを使ったインストールを参照してください。

18.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なります。ほとんどのインストーラーは、最初に言語の選択、次にネットワークの設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったように、決まったパスで進められます。ある時点ですすめる方向は通常、1 つのみです。
Anaconda では、最初は言語とロケールだけを選択するだけです。次に中央画面が表示され、任意の順序でインストールの各種オプションを設定できます。これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。たとえば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワー