インストールガイド

Red Hat Enterprise Linux 7

全アーキテクチャーへの Red Hat Enterprise Linux 7.4 のインストール

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Petr Bokoč

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概要

本ガイドでは、Red Hat Enterprise Linux 7.4 インストールプログラム (Anaconda) の起動方法、および AMD64 および Intel 64 のシステム、64 ビットの IBM Power Systems サーバー、IBM System z などでの Red Hat Enterprise Linux 7.4 のインストール方法について解説しています。また、キックスタートインストール、PXE インストール、VNC 経由のインストールなど高度なインストール方法についても触れています。後半では、インストール後に行う一般的な作業やインストール関連のトラブルシューティングについて説明しています。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール方法についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux Atomic Host インストールと設定ガイド』を参照してください。

第1章 スタートガイド

Red Hat Enterprise Linux は、Anaconda と呼ばれるインストールユーティリティーを使ってインストールできます。「対話型インストール」 にある手順に従うことで、Anaconda のグラフィカルインターフェースを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
高度な要件を必要とするユーザーは、各種のシステム上でグラフィカルインタフェースを使用してインストールの多くの要素を設定して、Red Hat Enterprise Linux をインストールすることもできます。ローカルインターフェイスのないシステムでは、インストールは完全にリモートからアクセスできます。キックスタート ファイルを使用してインストールを自動化すると、対話なしでインストールすることもできます。

1.1. グラフィカルインストール

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、Red Hat Enterprise Linux をインストールする簡単なグラフィカルな方法を提供します。このグラフィカルインストールインターフェイスにはヘルプシステムが組み込まれており、Linux をインストールしたことがなくても、ほとんどのインストールを実行できます。ただし、Anaconda を使うと、必要に応じて高度なインストールオプションを使用することもできます。
Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムのインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、直線的な方法で実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定といったようにです。進行方法は通常、一方向のみです。
Anaconda のグラフィカルインターフェースでは、最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。これは、インストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。ただし、Anaconda のほとんどのオプションは、お好みの順序で設定できます。ネットワークの初期化やディスクの検出などのバックグラウンドタスクが特定オプションの設定を妨げていても、これらの完了を待っている間に別の関係ないオプションを設定することができます。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
インストールはテキストモードでも実行できますが、カスタムパーティション設定を含む特定のオプションは使用できません。詳細については、「テキストモードでのインストール」、または IBM Powerシステムもしくは IBM System z をご使用の場合はそれぞれ 「テキストモードでのインストール」「テキストモードでのインストール」 を参照してください。

1.2. リモートインストール

Red Hat Enterprise Linux は、グラフィカルインターフェースをリモートで使用してインストールすることができます。ヘッドレスシステムの場合、 Connect Mode を使用してグラフィカルインストールを完全にリモートで実行できます。ディスプレイとキーボードがあるものの、グラフィカルインタフェースを使用できないシステムでは、Direct Mode を使用すると容易にセットアップができます。詳細は、24章VNC を使用したインストール を参照してください。

1.3. 自動インストール

Kickstart ファイルを使用すると、 Anaconda によるインストールを自動化できます。Kickstart ファイルは、インストールのあらゆる側面の設定に使用可能で、ユーザーの介入を必要とせず、Red Hat Enterprise Linux の複数のインスタンスのインストールを簡単に自動化できます。
ほとんどの場合、「自動インストール」に記載の手順に従うだけで、 Kickstart ファイルの作成と設定ができます。このファイルを使用すると、いくつもの数の Red Hat Enterprise Linux を非対話形式でインストールすることができます。
オンラインの Kickstart Generator ツールを使用すると、グラフィカルインターフェイスの使用時の選択をベースにして、 Kickstart ファイルを自動的に作成することができます。もしくは、テキストエディターを使用して、ゼロから作成することもできます。詳細は、「キックスタートファイルを作成する」 を参照してください。
Kickstart ファイルは、Red Hat Enterprise Linux の各種ユーティリティーを使用して簡単にメンテナンスおよび更新ができます。詳細は、「キックスタートファイルの維持」を参照してください。

第2章 Red Hat Enterprise Linux のダウンロード

Red Hat サブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Enterprise Linux 7 インストール DVD の ISO イメージファイル をダウンロードすることができます。サブスクリプションをお持ちでない方は、サブスクリプションをご購入頂くか https://access.redhat.com/downloads/ の「ソフトウェアおよびダウンロードセンター」で無料の評価版サブスクリプションを入手してください。
AMD64、Intel 64 (x86_64) および IBM Power Systems (ppc64) のアーキテクチャーで使用できるインストールメディアのベーシックタイプは 2 種類あります。
バイナリー DVD
完全インストール用イメージです。インストールプログラムを起動して、全インストール工程を実施することができるイメージです。パッケージ用のリポジトリーを別途に用意する必要はありません。
boot.iso
最小限の起動用イメージです。インストールプログラムを起動することはできますが、インストールするソフトウェアを収納しているパッケージレポジトリーにアクセスする必要があります。Red Hat ではこのようなリポジトリーは提供しておらず、完全インストール ISO イメージを使用して作成する必要があります。
補助 DVD
IBM Java ランタイム環境や追加の仮想化ドライバーなどの追加パッケージが含まれるイメージ。

注記

バイナリー DVD は IBM System z でもご利用頂くことができます。SCSI DVD ドライブを使ってインストールプログラムを起動する場合に使用できます。また、インストールソースとして使用することもできます。
以下の表では、 起動用とインストール用それぞれのメディアの作成に必要なイメージファイルをアーキテクチャーごとに示します。

表2.1 起動用とインストール用のメディア

アーキテクチャー最小限の起動用イメージ完全インストール用イメージ
上記の variant の部分は Red Hat Enterprise Linux の種類に置き換えてください (serverworkstation など)。
AMD64 および Intel 64rhel-variant-7.4-x86_64-boot.isorhel-variant-7.4-x86_64-dvd.iso
IBM Power Systems (ビッグエンディアン)rhel-variant-7.4-ppc64-boot.isorhel-variant-7.4-ppc64-dvd.iso
IBM Power Systems (リトルエンディアン)rhel-variant-7.4-ppc64le-boot.isorhel-variant-7.4-ppc64le-dvd.iso
IBM System zなしrhel-variant-7.4-s390x-dvd.iso
サブスクリプションまたは評価版サブスクリプションをお持ちの場合は、次のステップに従い Red Hat Enterprise Linux 7 ISO イメージファイルを取得してください。

手順2.1 Red Hat Enterprise Linux ISO イメージをダウンロードする

  1. カスタマーポータル https://access.redhat.com/home に移動します。ログインしていない場合はページ右側の ログイン をクリックします。プロンプトに従いアカウント認証情報を入力します。
  2. ページ上部の ダウンロード をクリックします。
  3. Red Hat Enterprise Linux をクリックします。
  4. Product VariantArchitecture がそれぞれ適切な選択になっているか確認します。デフォルトでは Red Hat Enterprise Linux Serverx86_64 が選択されます。どれを選択してよいのかわからない場合は http://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux を参照してください。また、各バリアントで利用可能なパッケージ一覧は、Red Hat Enterprise Linux 7 パッケージマニフェスト で確認できます。
  5. 利用可能なダウンロード一覧が表示されます。特に、最小限のブート ISOイメージと完全インストール用 バイナリー DVD ISO イメージが表示されます。これが上記で説明したメディアです。事前設定済みの仮想マシンイメージなど、これ以外のイメージが表示される場合もあります。これについては本ガイドの対象外になります。
  6. 使用するイメージファイルを選択します。カスタマーポータルからダウンロードする方法は、2 通りあります。
    • web ブラウザを使ってイメージ名をクリックしコンピューターにそのイメージをダウンロードします。
    • イメージ名を右クリックして リンクの URL をコピー などのメニューアイテムをクリックします (メニューアイテムの表示はブラウザによって異なる)。ファイルの URL がクリップボードにコピーされ、別のアプリケーションを使ってファイルをコンピューターにダウンロードすることができるようになります。インターネット接続が不安定な場合にはこの方法が役に立ちます (接続不安定のため中断されブラウザでファイル全体をダウンロードできず、またダウンロードリンクに含まれている認証キーの有効期間が短いため中断されたダウンロードプロセスの再開試行が失敗してしまうような場合)。curl などの特殊アプリケーションを使用するとカスタマーポータルからのダウンロードなど中断されたプロセスを再開することができます。つまり、ファイル全体を再度ダウンロードする必要がなく時間や回線容量を節約することができます。

      手順2.2 curl を使ってインストールメディアをダウンロードする

      1. 次のコマンドを root で実行し curl パッケージを必ずインストールしてください。
        # yum install curl
        ご使用の Linux ディストリビューションでは yum を使用していない、または Linux 自体をまったく使用していないなどの場合は curl web site で最適となるソフトウェアパッケージをダウンロードしてください。
      2. ターミナルウィンドウを開きダウンロード先となるディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力します。
        $ curl -o filename.iso 'copied_link_location'
        filename.iso には rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso などカスタマーポータルで表示される ISO イメージの名前を入力します。カスタマーポータル内のダウンロードリンクには curl でダウンロードしたファイル名にも使用する追加文字が含まれているため入力には注意してください。次のパラメーターの単一引用符は付けたまま copied_link_location にはカスタマーポータルからコピーしたリンクを入力します。Linux ではウィンドウ内で中央ボタンをクリックするか、Shift+Insert を押すとクリップボードの内容をターミナルウィンドウに貼り付けることができます。Enter を押してコマンドを実行、ISO イメージの転送を開始します。単一引用符を使用するのはダウンロードリンクに特殊な文字が含まれていた場合などにコマンドが誤解釈をしないよう防ぐためです。

        例2.1 curl で ISO イメージをダウンロードする

        curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...7bf'
        実際のダウンロードリンクには複雑な識別子が含まれるため非常に長い記述になる点に注意してください。
      3. 転送が完了する前にインターネット接続が中断された場合はカスタマーポータル内のダウンロードページを更新し、必要であればログインし直します。新しいダウンロードリンクをコピー、先ほどと同じ curl コマンドラインパラメーターに新しいダウンロードリンクを使用します。-C - を追加して既にダウンロードしたファイルのサイズに応じて継続するポイントを自動的に確定するよう curl に指示します。

        例2.2 中断されたダウンロードを再開する

        選択した ISO イメージが一部しかダウンロードされていない場合に使用する curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...963' -C -
  7. オプションで sha256sum などのチェックサムを使用し、ダウンロード完了後にイメージファイルの整合性を検証することもできます。ダウンロード Red Hat Enterprise Linux のページのダウンロードはすべてチェックサム付きで提供されています。
    $ sha256sum rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    			85a...46c rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    Microsoft WindowsMac OS X 向けにも同様のツールがあります。また、インストールの開始時にインストールプログラムを使用してメディアの検証を行うこともできます。詳細は 「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
カスタマーポータルから ISO イメージファイルをダウンロードすると、以下が可能になります。

第3章 メディアの作成

本章では、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード の手順に従って入手した ISO イメージファイルを使って、DVD や USB フラッシュドライブなどの起動可能な物理メディアを作成する方法について解説しています。メディアの作成後、そのメディアを使ってインストールプログラムを起動し、インストールを開始します。このような物理的な起動用メディアを使用するインストール手順は、AMD64 システム、Intel 64 システム、または IBM Power Systems サーバーへの Red Hat Enterprise Linux のインストールに限られます。IBM System z サーバーへのインストールについては、16章IBM System z でのインストールの起動 をご覧ください。Preboot Execution Environment (PXE) サーバーを設定して PXE ベースのインストールを行う方法については、23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

注記

デフォルトでは、 inst.stage2= ブートオプションがインストールメデイアで使用され、特定のラベル (たとえば inst.stage2=hd:LABEL=RHEL7\x20Server.x86_64) に設定されます。ランタイムイメージを含むファイルシステムのデフォルトラベルを修正するか、インストールシステムの起動にカスタマイズした手順を使用する場合は、このオプションを正しい値に設定する必要があります。詳細は インストールソースの指定 を参照してください。

3.1. インストール CD または DVD の作成

インストール CD または DVD の作成は、ご使用のコンピューター上にあるディスク書き込みソフトウェアや CD/DVD バーナーを使用します。ISO イメージファイルから光学ディスクを作成する手順は、インストールしているオペレーティングシステムやディスク書き込みソフトウェアなどによって、コンピューターごとに大きく異なります。ISO イメージファイルの CD または DVD への書き込み方についての詳しい手順は各ソフトウェアのドキュメントを参照してください。

注記

最小限の起動用メディアと完全インストール用のメディアは、いずれも光学ディスク (CD および DVD) を使用して作成することができます。ただし、完全インストール用の ISO イメージはサイズが非常に大きいため (4 GB から 4.5 GB)、DVD のみが使用可能となります。最小限の起動用 ISO の場合、サイズはほぼ 300 MB になるため、CD または DVD のいずれかに書き込むことができます。
まず搭載されているディスク書き込みソフトウェアでイメージファイルをディスクに書き込みことができるかどうか確認してください。ほとんどのソフトウェアで行うことができるはずですが、例外となるソフトウェアも存在します。特に、Windows XP と Windows Vista に搭載されているディスク書き込み機能では DVD への書き込みはできません。また、Windows XP および Windows Vista より旧式の Windows オペレーティングシステムの場合はディスクへの書き込み機能がデフォルトでは搭載されていません。つまり、Windows 7 より旧式の Windows オペレーティングシステムがインストールされている場合にはディスクを書き込むソフトウェアが別途必要になります。Nero Burning ROMRoxio Creator などの書き込みソフトウェアは Windows 対応で一般的なソフトウェアになるため、お使いのコンピューターにすでにインストールされている場合もあります。Linux 対応として最も広範囲に使用されているディスク書き込みソフトウェアの BraseroK3b にも ISO イメージファイルをディスクに書き込むことができる機能が搭載されています。
一部のコンピューターでは、ISO ファイルからのディスク書き込み機能がファイルブラウザ内のコンテキストメニューに一体化されていることがあります。たとえば、GNOME デスクトップを稼働している Linux または UNIX オペレーティングシステムのコンピューターで ISO ファイルを右クリックすると、Nautilus ファイルブラウザで 書き込む オプションが表示されます。

3.2. インストール USB の作成

CD や DVD ではなく、USB ドライブで起動可能なメディアを作成し、AMD64 システムや Intel 64 システムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすることもできます。Linux システム上で作成するのか Windows システム上で作成するのかにより、作成手順が異なります。最小限の起動用メディア、完全インストール用のメディアはいずれも同じ手順で作成できます。USB ドライブを使用する場合はその容量に注意してください。イメージ全体を収納できる十分な容量、つまり最小限の起動用メディアなら大体 350 MB、完全インストール用のメディアなら 4.5 GB の容量の USB ドライブが必要になります。

3.2.1. Linux でインストール USB を作成する

次の手順では、Linux システムを使用していること、また 2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード で説明されているように適切な ISO イメージをすでにダウンロードしていることを前提としています。ほとんどの Linux ディストリビューションでは、特に追加のパッケージをインストールしなくても記載の手順で正しく動作します。

警告

この手順を実行すると、警告なしで USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて破棄されます。このため、正しいドライブを指定していること、またドライブに保存の必要があるデータが含まれていないことを必ず確認しておいてください。
Linux ディストリビューションの多くで USB メディアを作成するための独自ツールが提供されています。Fedora なら liveusb-creator、Ubuntu なら usb-creator などです。こうしたツールの説明については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ここでは説明していません。次の手順に従うと、ほとんどの Linux システムで USB メディアを作成することができます。

手順3.1 Linux で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  2. root でログインします。
    $ su -
    プロンプトに従い root パスワードを入力します。
  3. デバイスがマウントされていないことを確認します。まず、findmnt device コマンドと前の手順でメモしておいたデバイス名を使います。デバイス名が sdb なら、コマンドは次のようになります。
    # findmnt /dev/sdb
    コマンドから何も出力されなければ次の手順に進むことができます。何らかの出力がある場合は、デバイスが自動的にマウントされたことを示しているため、次に進む前にそのデバイスをアンマウントしておく必要があります。出力の例を示します。
    # findmnt /dev/sdb
    TARGET   SOURCE   FSTYPE  OPTIONS
    /mnt/iso /dev/sdb iso9660 ro,relatime
    TARGET のコラムをメモしておきます。次に umount target コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。
    # umount /mnt/iso
  4. dd コマンドを使ってインストール用の ISO イメージを 直接 USB デバイスに書き込みます。
    # dd if=/image_directory/image.iso of=/dev/device bs=blocksize
    /image_directory/image.iso にはダウンロードした ISO イメージファイルの完全パスを入れてください。device には前の手順の dmesg コマンドで確認したデバイス名を入れます。 blocksize には書き込みのプロセスが迅速に行われるよう適当なブロックサイズを入力します (512k など)。bs パラメーターはオプションですが、このオプションを使用するとプロセス速度を大幅に向上させることができます。

    重要

    デバイス名には、デバイスのパーティション名 (/dev/sda1) ではなく、コマンドからの出力を指定してください (/dev/sda など)。
    たとえば、ISO イメージが /home/testuser/Downloads/rhel-server-7.4x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が sdb の場合、コマンドは次のようになります。
    # dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-server-7.4x86_64-boot.iso of=/dev/sdb bs=512k
  5. dd によるデバイスへのイメージ書き込みが終了するまで少し時間がかかります。進捗バーは表示されないので注意してください。# プロンプトが再表示されたらデータ転送は完了です。プロンプトの表示後、root アカウントからログアウトし USB ドライブを取り外します。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 7章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 12章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

注記

IBM Power Systems サーバーでの「ベアメタル」インストールと呼ばれる非仮想化インストールでは、inst.stage2= ブートオプションを指定する必要があります。inst.stage2= ブートオプションの詳細については、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

3.2.2. Windows で USB インストールメディアを作成する

Windows で起動可能な USB メディアを作成する手順は使用するツールによって異なります。ISO イメージを USBドライブに書き込むことができるユーティリティーは数多くあります。Red Hat では Fedora Media Writer の使用を推奨しています。https://github.com/MartinBriza/MediaWriter/releases よりダウンロードが可能です。

重要

Windows の Explorer または同様のファイルマネージャーを使った USB ドライブへの ISO イメージファイルの転送は正しく動作しないため、そのデバイスからは起動できません。

手順3.2 Windows で USB メディアを作成する

  1. Fedora Media Writer をダウンロードしてインストールします。
  2. メディアの作成に使用する Red Hat Enterprise Linux ISO イメージをダウンロードします。(ISO イメージの入手方法については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。)
  3. 起動可能なメディアの作成に使用する USB ドライブを挿入します。
  4. Fedora Media Writer を開きます。
  5. メインウィンドウで Custom Image をクリックして、ダウンロードした Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
  6. ドロップダウンメニューから使用するドライブを選択します。一覧にドライブが表示されない場合は、USB ドライブが接続されていることを確認して、Fedora Media Writer を再起動します。
  7. Write to disk をクリックします。ブートメディアの作成プロセスが開始されます。プロセスが完了するまでドライブを抜かないでください。ISO イメージのサイズと USB ドライブの書き込み速度によって、イメージの書き込みは数分かかる場合があります。
    Fedora Media Writer

    図3.1 Fedora Media Writer

  8. 作成プロセスが完了し Complete! のメッセージが表示されたら、システムの通知エリアにある ハードウェアの安全な取り出し アイコンを使って USB ドライブをアンマウントします。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 7章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 12章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

3.2.3. Mac OS X で USB インストールメディアを作成する

この手順では、dd コマンドラインツールを使用してインストールイメージを USB フラッシュドライブに書き込みます。手順の一部では sudo コマンドを使用します。このコマンドは、パスワードを必要とする管理者アカウントでのログイン時にのみ使用できることに注意してください。

警告

この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて削除されます。

手順3.3 Mac OS X で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに接続し、diskutil list コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスは /dev/disknumber という形式で、number はディスク番号になります。ディスクはゼロ (0) から番号が付けられます。デバイス 0 は通常、OS X リカバリーディスクになり、ディスク 1 はご自分のメインの OS X インストールになります。以下の例では、USB フラッシュドライブは disk2 になります。
    $ diskutil list
    /dev/disk0
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:      GUID_partition_scheme                        *500.3 GB   disk0
    1:                        EFI EFI                     209.7 MB   disk0s1
    2:          Apple_CoreStorage                         400.0 GB   disk0s2
    3:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s3
    4:          Apple_CoreStorage                         98.8 GB    disk0s4
    5:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s5
    /dev/disk1
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:                  Apple_HFS YosemiteHD             *399.6 GB   disk1
    Logical Volume on disk0s1
    8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2
    Unlocked Encrypted
    /dev/disk2
    #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
    0:     FDisk_partition_scheme                        *8.0 GB     disk2
    1:               Windows_NTFS SanDisk USB             8.0 GB     disk2s1
    ご自分の USB フラッシュドライブを特定する場合、NAMETYPE および SIZE のコラムをご自分の USB フラッシュドライブのものと比較します。たとえば、NAMEFinder にあるフラッシュドライブのタイトルと同じものであるはずです。またこれらの値をフラッシュドライブの情報パネルと比べることもできます。ドライブのアイコンを右クリックして、情報を見る を選択します。
  2. diskutil unmountDisk コマンドを使用してフラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。
    $ diskutil unmountDisk /dev/disknumber
    					Unmount of all volumes on disknumber was successful
    これを実行すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。消えない場合は、間違ったディスクを指定した可能性があります。間違ってシステムディスクをアンマウントしようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
  3. dd コマンドを sudo コマンドのパラメーターとして使用し、ISO イメージをフラッシュドライブに書き込みます。
    $ sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/rdisknumber bs=1m>

    注記

    Mac OS X では、ブロック (/dev/disk*) とキャラクターデバイス (/dev/rdisk*) の両方のファイルが各ストレージデバイスに提供されます。/dev/rdisknumber キャラクターデバイスへのイメージの書き込みは、/dev/disknumber ブロックデバイスへの書き込みよりも速くなります。

    例3.1 ISO イメージのディスクへの書き込み

    /Users/user_name/Downloads/rhel-server-7.4x86_64-boot.iso ファイルを /dev/rdisk2 デバイスに書き込むには、以下のコマンドを実行します。
    $ sudo dd if=/Users/user_name/Downloads/rhel-server-7.4x86_64-boot.iso of=/dev/rdisk2
  4. コマンドが完了するまで待機します。進捗バーは表示されませんが、端末で Ctrl+t を押すと実行中の操作の状況を確認できます。
    load: 1.02  cmd: dd 3668 uninterruptible 0.00u 1.91s
    112+0 records in
    111+0 records out
    116391936 bytes transferred in 114.834860 secs (1013559 bytes/sec)
  5. データ送信の速度は、USB ポートとフラッシュドライブの速度に依存します。プロンプトが再度表示されたら、データ転送が完了しています。これでフラッシュドライブを外すことができます。
これでフラッシュドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 7章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 12章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

3.3. インストールソースの準備

2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード で説明されているように、Red Hat Enterprise Linux には最小限の起動用イメージと完全インストール用イメージ (別名: バイナリー DVD) の 2 種類のメディアタイプがあります。バイナリー DVD をダウンロードしてから DVD-ROM または USB ドライブを作成した場合、このメディアにはシステムのインストールに必要なすべてのアイテムが含まれているため、直ちにインストールを開始することができます。
しかし、最小限の起動用イメージを使用してインストールする場合には、インストールソースを別途に設定する必要があります。最小限の起動用イメージには、システムを起動してインストールを開始するために必要なインストールプログラム自体しか含まれておらず、システムにインストールするソフトウェアパッケージは含まれていません。
このため、インストールソースとして完全インストール用の DVD ISO イメージを使用することができます。提供元がRed Hat 以外のソフトウェアを必要とする場合には、追加リポジトリーを設定して インストールの終了後 にインストールを行ってください。インストールが完了したシステムで追加の Yum リポジトリーを設定する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
インストールソースは以下のいずれでも構いません。
  • DVD: バイナリー DVD ISO イメージを DVD に書き込み、インストールプログラムにそのディスクからパッケージをインストールするよう指示することができます。
  • ハードドライブ: バイナリー DVD ISO イメージをハードドライブに配置して、そこからパッケージをインストールすることができます。
  • ネットワーク: バイナリー DVD ISO イメージまたは インストールツリー (バイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツ) をインストールするシステムからアクセスできるネットワーク上の場所にコピーし、次のプロトコルを使ってネットワーク経由でインストールすることができます。
    • NFS: バイナリー DVD ISO イメージを ネットワークファイルシステム (NFS) 共有に配置します。
    • HTTPSHTTPFTP: ネットワーク上でアクセスできる場所にインストールツリーを配置します (HTTPHTTPSFTP 経由)。
最小限の起動用メディアから起動する場合は、追加のインストールソースを常に設定しておく必要があります。完全インストール用バイナリー DVD から起動する場合は、別のインストールソースを設定することも可能ですが、必要性はありません。バイナリー DVD ISO イメージ自体にシステムのインストールに必要なパッケージがすべて収納されているため、インストールプログラムはバイナリー DVD をソースとして自動的に認識します。
インストールソースは以下のいずれかの方法で指定します。
  • インストールプログラムのグラフィカルインターフェース内で指定する: グラフィカルインストールを開始して言語を選択すると、インストールの概要 が表示されます。インストールソース 画面に移動し、設定したいソースを選択します。詳細については次を参照してください。
  • 起動オプションを使って指定する: インストールプログラムが開始する前に、カスタムの起動オプションを使って指定することができます。以下のいずれかのオプションで使用するインストールソースを指定します。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」inst.repo= オプションを参照してください。
  • キックスタートファイルを使って指定する: キックスタートファイル内で install コマンドを使ってインストールソースを指定します。install キックスタートコマンドについては 「キックスタートのコマンドとオプション」 をご覧ください。キックスタートを使ったインストール全般については 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

3.3.1. インストールソース - DVD

バイナリーの DVD ISO イメージを DVD に書き込み、起動は別のドライブから行い (USB フラッシュドライブにある最小限の起動用 ISO で起動)、パッケージのインストールはこのディスクから行うようインストールプログラムを設定することができます。この手順は、起動可能な光学メディアを作成する手順と同じです。詳細は、「インストール CD または DVD の作成」を参照してください。
DVD をインストールソースとして使用する場合、インストールの開始時に DVD がドライブに挿入されていることを確認してください。Anaconda インストールプログラムは、インストール開始後に挿入されるメディアは検出できません。

3.3.2. インストールソース - ハードドライブ

ハードドライブのインストールではバイナリーインストール DVD の ISO イメージを使用します。ハードドライブをインストールソースとして使用する場合は、バイナリー DVD ISO イメージをドライブに転送し、そのハードドライブをインストールするシステムに接続します。このあと、Anaconda インストールプログラムを起動します。
USB フラッシュドライブを含め、インストールプログラムにアクセスできるハードドライブならいずれの種類のハードドライブでも構いません。ハードドライブ内でバイナリー ISO イメージを配置するディレクトリー、またイメージに付ける名前に制限はありません。ただし、ISO イメージをドライブのトップレベルのディレクトリーに配置させたときそのディレクトリーに複数のイメージが存在している場合、またドライブのトップレベルのディレクトリーにはイメージを配置しない場合、使用するイメージを指定する必要があります。起動オプションやキックスタートファイル内のエントリーを使って指定するか、グラフィカルインストールを行っているときに表示される インストールソース の画面で手作業で指定することができます。
インストールソースにハードドライブを使う場合は、Anaconda がマウントできるファイルシステムのパーティション上にバイナリー DVD ISO イメージを配置しなければならないという制限があります。Anaconda がマウントできるファイルシステムは xfsext2ext3ext4 および vfat (FAT32) になります。Microsoft Windows システムでは、ハードドライブのフォーマットに使用されるデフォルトのファイルシステムが NTFS であり、exFAT ファイルシステムでのフォーマットも可能ですが、いずれのファイルシステムも Anaconda ではマウントできません。Microsoft Windows 上でインストールソースとして使用するハードドライブや USBドライブを作成している場合は、必ず FAT32 でドライブをフォーマットするようにしてください。

重要

FAT32 ファイルシステムは、サイズが 4 GiB を超えるファイルをサポートしません。Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールメディアの中にはこれより大きなものがある場合もあり、その場合、このファイルシステムではそれらのインストールメディアをドライブにコピーすることはできません。
インストールソースにハードドライブや USB フラッシュドライブを使用する場合、インストールを開始する時点でシステムに接続されていることを確認してください。インストール開始後に挿入されたメディアはインストールプログラムでは検出されません。

3.3.3. インストールソース - ネットワーク

インストールソースをネットワーク上に配置することで、物理インストールメディアを挿入したり取り出したりする必要なく、1 つのインストールソースから複数のシステムへのインストールを行うことができるようになります。ネットワークベースのインストールは、特にネットワークからのインストールプログラムの起動も可能な TFTP サーバーと併用する場合に便利です。この方法を使用すると、物理的なメディアを一切作成する必要がなくなるため、複数のシステムへの Red Hat Enterprise Linux の同時導入が容易になります。TFTP サーバーの設定については、23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

3.3.3.1. NFS サーバーにインストールソースを配置

NFS インストール方法では、 Red Hat Enterprise Linux バイナリー DVD の ISO イメージを Network File System サーバーの エクスポートディレクトリー に配置して使用します。このディレクトリーはインストールするシステムで読み取りが可能でなければなりません。NFS ベースのインストールを実行する場合は、NFS ホストとして動作する別のシステムを用意する必要があります。
NFS サーバーの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 Storage Administration Guide』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみ説明しています。実際の NFS サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャーおよびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの 『インストールガイド』 を参照してください。

手順3.4 NFS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して nfs-utils パッケージをインストールします。
    # yum install nfs-utils
  2. 完全な Red Hat Enterprise Linux 7 バイナリー DVD ISO イメージを NFS サーバー上の適切なディレクトリーにコピーします。たとえば、/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、ここに ISO イメージを保存します。
  3. テキストエディターで /etc/exports ファイルを開き、以下の構文の行を追加します。
    /exported_directory/ clients
    /exported_directory/ を ISO イメージが格納されているディレクトリーの完全パスで置き換えます。clients は、この NFS サーバーからインストールされるコンピューターのホスト名または IP アドレス、ISO イメージに全コンピューターがアクセスする際にそのアクセス元となるサブネットワーク、またはネットワークアクセスのあるコンピューターが NFS サーバーにアクセスして ISO イメージを使用できるようにする場合はアスタリスク記号 (*) で置き換えます。このフィールドの形式についての詳細情報は、exports(5) の man ページを参照してください。
    以下に、全クライアントに対して /rhel7-install/ ディレクトリーを読み取り専用でアクセスできるようにしている基本的な設定を示します。
    /rhel7-install *
  4. 設定が終わったら /etc/exports ファイルを保存してテキストエディターを終了します。
  5. nfs サービスを開始します。
    # systemctl start nfs.service
    /etc/exports ファイルに変更を加える前にサービスを稼働していた場合は、代わりに以下のコマンドを実行して、実行中の NFS サーバーが設定をリロードするようにします。
    # systemctl reload nfs.service
上記の手順を完了すると、NFS 経由による ISO イメージへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、nfs: プロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号 (:)、および ISO イメージを格納しているディレクトリーを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com で ISO イメージを /rhel7-install/ に保存している場合、インストールソースを nfs:myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

3.3.3.2. HTTPS、HTTP または FTP サーバーにインストールソースを配置

このインストール方法は、インストールツリー (有効な .treeinfo ファイルとバイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツを含むディレクトリー) を使用する、ネットワークベースのインストールに使用できます。インストールソースには HTTPSHTTPFTP などを使ってアクセスします。
HTTP および FTP サーバーについての詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみ説明しています。実際の FTP サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャーおよびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの 『インストールガイド』 を参照してください。

手順3.5 HTTP または HTTPS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して httpd パッケージをインストールします。
    # yum install httpd
    HTTPS サーバーには追加設定が必要となります。詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドの SSL サーバーのセットアップ のセクションを参照してください。ただし、ほとんどのケースでは HTTPS は不要になります。これは、インストールソースとインストールプログラム間では機密データは送信されず、HTTP で十分なためです。

    警告

    Apache web サーバーの設定により SSL セキュリティーが有効になる場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。これは POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためです。詳細は https://access.redhat.com/ja/solutions/1232613 を参照してください。

    重要

    HTTPS を使用することにして、サーバーが自己署名証明書を使用している場合は、noverifyssl オプションを使ってインストールプログラムを起動する必要があります。
  2. Red Hat Enterprise Linux 7 の全バイナリー DVD ISO イメージを HTTP(S) サーバーにコピーします。
  3. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mount_point/
    ここでは /image_directory/image.iso をバイナリー DVD ISO イメージに、/mount_point/ を ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  4. マウントされたイメージから HTTP サーバーの root にファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/www/html/
    これでイメージのコンテンツが格納された /var/www/html/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  5. httpd サービスを起動します。
    # systemctl start httpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、http:// もしくは https:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、HTTP サーバー root への相対パスを使用します。たとえば、HTTP を使用していて、サーバーのホスト名が myserver.example.com で イメージからのファイルを /var/www/html/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを http://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

手順3.6 FTP を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して vsftpd パッケージをインストールします。
    # yum install vsftpd
  2. オプションとして、テキストエディターで /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを開き、変更するオプションを編集します。利用可能なオプションについては、vsftpd.conf(5) の man ページを参照してください。この手順の残りの部分では、デフォルトのオプションを使用していると仮定しています。この手順を行う場合は、FTP サーバーの匿名ユーザーにファイルのダウンロードを許可しておく必要があります。

    警告

    vsftpd.conf ファイルで SSL/TLS セキュリティーを設定している場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。これは POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためです。詳細は https://access.redhat.com/ja/solutions/1232613 を参照してください。
  3. Red Hat Enterprise Linux 7 の全バイナリー DVD ISO イメージを FTP サーバーにコピーします。
  4. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mount_point
    ここでは /image_directory/image.iso をバイナリー DVD ISO イメージに、/mount_point を ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  5. マウントされたイメージから FTP サーバーの root にファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/ftp/
    これでイメージのコンテンツが格納された /var/ftp/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  6. vsftpd サービスを開始します。
    # systemctl start vsftpd.service
    /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを変更する前から、このサービスがすでに実行されていた場合は、再実行して必ず編集後のファイルを読み込ませてください。再実行する場合は、次のコマンドを使用します。
    # systemctl restart vsftpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、ftp:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、FTP サーバー root への相対パスを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com でイメージからのファイルを /var/ftp/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを ftp://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

3.3.3.3. ネットワークベースのインストールを行う場合にファイアウォール設定で注意すべき事項

ネットワークベースのインストールソースを使用する場合、インストール先のサーバーがリモートのインストールソースにアクセスできるようにファイアウォールを設定してください。各ネットワークベースのインストールに応じて開く必要のあるポートをそれぞれ以下の表に示します。

表3.1 ネットワークプロトコルが使用するポート

使用プロトコル開くべきポート
FTP21
HTTP80
HTTPS443
NFS204911120048
TFTP69
特定のファイアウォールポートを開く方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

パート I. AMD64 および Intel 64 - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本セクションでは、64 ビットの Intel および AMD システムへの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールと基本的なトラブルシューティングについて説明します。高度なインストールオプションについては パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

第4章 クイックインストールガイド

4.1. 対話型インストール

このセクションでは、インストール用 USB ドライブを作成して、そこから起動した後に、Red Hat Enterprise Linux をインストールして登録する簡単な手順について説明します。
前提条件: インストール USB ドライブを作成して、起動します。詳細については、以下を参照してください。
インストール USB ドライブを起動したら、以下を実行します。
  1. ブートメニューから Install Red Hat Enterprise Linux を選択して、Enter を押します。
  2. Red Hat Enterprise Linux インストーラーの Anaconda が起動したら、言語と地域を選択し、 続行 をクリックします。
  3. インストールの概要 画面で設定オプションを設定していきます。
    個別のオプションは、好きな順序で表示して修正できます。ある設定オプションが自動で適切に設定されている場合は、なにもする必要はありません。アイテムに感嘆符が付いている場合は、インストール開始前にこれらの設定を完了する必要があります。

    注記

    インストールの開始 ボタンをクリックするまでは、ディスクにはなにも書き込まれません。
  4. 日付と時刻 を選択します。
    1. ご自分の地域とタイムゾーン内で一番近い都市を選択します。
    2. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  5. キーボードレイアウト を選択します。
    1. +- ボタンを使ってキーボードレイアウトの追加または削除を行います。
    2. 複数のキーボードレイアウトを有効にした場合は、 ボタンを使用してデフォルトにするレイアウトをリストの最上部に移動します。
    3. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  6. インストール先 を選択します。
    1. ターゲットディスクを選択します。選択したターゲットの横にチェックマークが表示されます。
      選択したディスクは自動でパーティション設定されます。
    2. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
  7. ネットワークとホスト名 を選択します。
    1. 右上にある Ethernet のスライドスイッチをクリックして、ネットワーク設定を有効にします。
    2. オプションで、デバイスを選択してから 設定 をクリックして、ネットワークインターフェース設定を更新します。
    3. 完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

    注記

    Anaconda は、ネットワーク設定を即座に適用します。これは、セットアップ中とインストール後に使用されます。
  8. インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックします。
  9. インストールが開始され、設定 画面が表示されます。
    インストール中には以下の手順を実行します。
    1. Root パスワード を選択します。
      1. root ユーザーのパスワードを入力して、確認します。
      2. 完了 をクリックして 設定 画面に戻ります。
    2. ユーザーの作成 を選択します。
      1. ユーザーのフルネームを入力します。
      2. オプションで、自動生成されたユーザー名を更新します。
      3. パスワードを設定して、確認します。
      4. オプションで このユーザーを管理者にする にチェックを入れます。こうすることで、このユーザーは wheel グループに追加され、このアカウントでは追加設定なしで sudo が使えるようになります。
      5. 完了 をクリックして 設定 画面に戻ります。
    3. インストールが完了するまで待ってから、再起動 をクリックします。
  10. インストール済みシステムが起動したら、以下の手順を実行します。
    • Server with GUI のベース環境を使用してサーバーをインストールした場合は、初期設定 が自動的に開始されます。
      1. ライセンス同意書に同意します。
      2. システムを登録します。
      詳細については、29章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。
    • インストール中にその他のベース環境を選択した場合は、以下を実行します。
      1. root ユーザーとしてシステムにログインします。
      2. システムを登録し、サブスクリプションを自動アタッチにします。
        # subscription-manager register --auto-attach \
        --username=user_name --password=password

4.2. 自動インストール

本セクションでは、Red Hat Enterprise Linux を自動でインストールして登録するインストール USB ドライブに、キックスタートファイルを追加する方法について説明します。この方法を使用すると、複数のマシンに Red Hat Enterprise Linux をデプロイすることができます。

USB ブートメディアの生成

  1. キックスタートファイルにインストールを記録します。
    1. 一度、手動で Red Hat Enterprise Linux をインストールします。詳細については、「対話型インストール」 を参照してください。
    2. インストールされたシステムを起動します。インストール中に、Anaconda/root/anaconda-ks.cfg ファイルに設定を伴うキックスタートファイルを作成しています。
  2. Red Hat Enterprise Linux インストール DVD ISO ファイルを /tmp/ ディレクトリーにダウンロードします。
  3. インストール ISO ファイルを /mnt/ ディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop /tmp/rhel-server-7.3-x86_64-dvd.iso /mnt/
  4. 作業ディレクトリーを作成し、そこに DVD コンテンツをコピーします。
    # mkdir /root/rhel-install/
    # shopt -s dotglob
    # cp -avRf /mnt/* /root/rhel-install/
  5. ISO ファイルをアンマウントします。
    # umount /mnt/
  6. インストール中に生成されたキックスタートファイルを作業ディレクトリーにコピーします。
    # cp /root/anaconda-ks.cfg /root/rhel-install/
  7. インストール後に Red Hat Enterprise Linux を自動登録して、サブスクリプションをアタッチするには、以下を /root/rhel-install/anaconda-ks.cfg ファイルに追加します。
    %post
    subscription-manager register --auto-attach --username=user_name --password=password
    %end
  8. インストール DVD ボリューム名を表示させます。
    # isoinfo -d -i rhel-server-7.3-x86_64-dvd.iso | grep "Volume id" | \
    sed -e 's/Volume id: //' -e 's/ /\\x20/g'
    RHEL-7.3\x20Server.x86_64
  9. キックスタートファイルを使用する起動ファイル /root/rhel-install/isolinux/isolinux.cfg に新しいメニューエントリーを追加します。
    #######################################
    label kickstart
    menu label ^Kickstart Installation of RHEL7.3
    kernel vmlinuz
    append initrd=initrd.img inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.3\x20Server.x86_64 inst.ks=cdrom:/anaconda-ks.cfg
    #######################################

    注記

    inst.stage2=hd:LABEL= オプションを、前のステップで取得した DVD ボリューム名に設定します。
  10. 作業ディレクトリーから /root/rhel-ks.iso ファイルを作成します。
    # mkisofs -J -T -o /root/rhel-ks.iso -b isolinux/isolinux.bin \
    -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table \
    -R -m TRANS.TBL -graft-points -V "RHEL-7.3 Server.x86_64" \
    /root/rhel-install/

    注記

    -V オプションを、前のステップで取得した DVD ボリューム名に設定し、\x20 を空白で置き換えます。
  11. インストール USB ドライブを作成します。詳細は、「Linux でインストール USB を作成する」 を参照してください。

キックスタートファイルを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストール

  1. インストール USB ドライブを起動します。詳細は、7章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動 を参照してください。
  2. 「USB ブートメディアの生成」 で作成したキックスタート設定を含むエントリーを選択します。

第5章 AMD64 および Intel 64 システムへのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

5.1. アップグレードまたはインストールの選択

現行システムを Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーなバージョンにアップグレードする方法は 2 通りあります。以下の説明をよくお読みの上、ご使用のシステムに適した方法をご利用ください。
クリーンインストール
クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。

注記

Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でのアップグレードには、この方法が推奨されます。
インプレースアップグレード
インプレースアップグレードとは、旧バージョンを残したままシステムをアップグレードする方法です。ご使用のシステムで使用できる移行ユーティリティーをインストールして、他のソフトウェアと同様に稼働させておく必要があります。Red Hat Enterprise Linux では、Preupgrade Assistant で現行システムを評価し、アップグレード中またはその後に発生する可能性がある問題を特定します。また、システムに対し若干の修正および変更も行われます。実際にパッケージをダウンロードしてアップグレードを実行するのは Red Hat Upgrade Tool ユーティリティーになります。インプレースアップグレードにはかなりのトラブルシューティングやプラニングが必要になるため、ほかに選択がない場合に限定してください。Preupgrade Assistant については28章現在のシステムのアップグレード を参照してください。

警告

システムのクローンとなるバックアップコピーでのテストを行なわないまま実稼働中のシステムにインプレースアップグレードを適用することは絶対に避けてください。

5.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 は、過去 2 年以内に工場で生産された大半のハードウェアと互換性があります。ハードウェアの互換性は、古いシステムをお使いの場合やシステムをカスタマイズした場合にとりわけ重要になります。ハードウェアの仕様はほぼ毎日変更されるため、すべてのシステムの互換性を確認することが推奨されます。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。また、システム要件についての全般的な情報は、Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 を参照してください。

5.3. インストール先として対応しているターゲット

インストール先として対応しているターゲットとは、Red Hat Enterprise Linux を格納してシステムを起動させるストレージデバイスを指します。AMD64 および Intel 64 のシステムに対してインストールする場合、Red Hat Enterprise Linux では以下のターゲットに対応しています。
  • SCSI、SATA、SAS など標準的な内蔵インターフェースで接続するストレージ
  • BIOS/ファームウェア RAID デバイス
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス (ハードウェアによっては製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります)
  • Xen ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで Xen の仮想マシン
  • VirtIO ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで KVM の仮想マシン
Red Hat では USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。

5.4. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするため、通常はシステムに関する詳細を入力する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの詳細を把握しておくことが重要です。このため、インストールのタイプにより、インストールに備えて以下のようなシステムの仕様を記録しておくことをお勧めします。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、 以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続しているハードドライブのモデル番号、サイズ、タイプ、インターフェースなど。たとえば、SATA0 上には Seagate 社製 ST3320613AS (320 GB) のハードドライブ、 SATA1 上には Western Digital 社製 WD7500AAKS (750 GB) のハードドライブ、などとメモしておきます。こうすることで、パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールする場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用するパーティションについての情報。これには、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベル、およびサイズが含まれます。これにより、パーティション設定プロセス中に特定のパーティションを特定できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの特定方法は異なることから、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux は異なるデバイス名でレポートする可能性があることに留意してください。この情報は通常、mount コマンドおよび blkid コマンドを実行すると見つけられ、また /etc/fstab ファイル内にあります。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して、そのオペレーティングシステムを起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (たとえば、Netgear 社製の GA311 など)。ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります。
    • IP、DHCP、および BOOTP のアドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IP アドレス
    • ネームサーバーの IP アドレス (DNS)、複数あり
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語が不明な場合は、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所 (ネットワークに応じた CHAP ユーザー名とパスワード、またリバース CHAP ユーザー名とパスワードも必要になる場合があります)。
  • 使用コンピューターがドメインの一部である場合は、以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーによって提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

5.5. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など最近のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用しています。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションの設定作業が必要になることがあります。詳細については 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
お使いのシステム上に別のオペレーティングシステムがインストールされている場合は、そのオペレーティングシステムが使用するディスク領域は、Red Hat Enterprise Linux が使用するものとは別にする必要があります。

注記

AMD64 および Intel 64 システムでは、少なくとも 2 つのパーティション (/ および swap) を Red Hat Enterprise Linux 専用にする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux のインストールには、パーティション未設定のディスクまたは削除可能なパーティションのいずれかに少なくとも 10 GiB の領域が必要になります。パーティションおよびディスク領域の推奨値については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 の推奨パーティションサイズを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux の必要最小限の RAM は以下の通りです:
インストールタイプ必要最小限の RAM サイズ
ローカルメディアによるインストール (USB, DVD)512 MiB
NFS ネットワークインストール512 MiB
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール1 GiB
キックスタートファイルを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合には、手動でのインストールの場合と同様の最低 RAM 要件があります。ただし、使用するキックスタートファイルで、新たなメモリーを必要とするコマンドやデータを RAM ディスクに書き込むコマンドを実行する場合は、追加の RAM が必要になることもあります。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 の記事を参照してください。

5.6. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux を使用する際に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

5.6.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では 1 つのドライブとして表示されます。

5.6.2. ソフトウェア RAID

複数のハードドライブを搭載するシステムの場合、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細については 「手動パーティション設定」 で説明しています。

注記

以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

5.6.3. USB ディスク

外付けの USB ストレージはインストール後でも接続、設定ができます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルで認識されたあと使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

5.6.4. Intel の BIOS RAID に関する注意点

Intel の BIOS RAID にインストールする場合、Red Hat Enterprise Linux 7 では mdraid が使用されます。BIOS RAID セットは起動プロセスで自動検出されるため、デバイスノードパスが起動するたびに変わる可能性があります。このため、デバイスノードパスを使ってデバイスを参照する /etc/fstab/etc/crypttab、その他の設定ファイルに対してローカルな変更を加えても Red Hat Enterprise Linux 7 では役に立たない可能性があります。したがって、デバイスノードパス (/dev/sda など) の代わりにファイルシステムのラベルまたはデバイスの UUID を使用してください。ファイルシステムのラベルおよびデバイスの UUID は、blkid コマンドを使用すると確認できます。

5.6.5. Intel BIOS iSCSI Remote Boot に関する注意点

Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。

5.7. インストーラーの起動方法を選択する

Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムの起動方法はいくつかあります。インストールメディアにより選択する方法が異なります。
DVD や USB フラッシュドライブなどのリムーバブルメディアからの起動を可能にするため、ご使用のシステムのファームウェア (UEFI の BIOS) の設定を変更する必要がある可能性があります。詳細は、「AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する」 を参照してください。

注記

インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール用 DVD または USBドライブ
完全インストール用 DVD または USB ドライブは、完全インストール用 DVD の ISO イメージから作成します。作成したメディアは、起動デバイスとソフトウェアパッケージのインストールソース両方の役割を果たすため、そのメディアひとつでインストール全体を完了することができます。完全インストール用 DVD または USB ドライブの作成方法については 3章メディアの作成 を参照してください。
最小限の起動用 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限の起動用 CD、DVD 、USB フラッシュドライブは小さな ISO イメージを使って作成します。このイメージにはシステムを起動してインストールを開始するために必要なデータしか含まれていません。この起動用メディアを使用する場合には、パッケージをインストールするためのインストールソースが別途必要になります。起動用 CD、DVD、USB フラッシュドライブの作成方法については 「インストール USB の作成」 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用すると、インストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができるようになります。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途に用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は 23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

5.8. キックスタートを使ってインストールを自動化する

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使ったインストールプロセスの完全自動化または部分的自動化の方法が提供されています。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザー入力を必要とせずに、インストール全体 (または一部) を自動的に行うことができるようになります。特に大量のシステムに Red Hat Enterprise Linux を同時導入する際に役立ちます。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルによりソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手作業でインストールする場合、ソフトウェアの選択は事前定義されている環境とアドオンの選択に限られます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりすることができます。
キックスタートファイルの作成方法、作成したキックスタートファイルを使ってインストールを自動化する方法については、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

5.9. UEFI セキュアブートによるベータリリースの使用

注記

本セクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースについてのみ 説明します。
UEFI セキュアブートのテクノロジーでは、オペレーティングシステムのカーネルが起動可能となるには、認識済みの秘密鍵で署名されている必要があります。Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースではすべて、カーネルは Red Hat Beta 固有の秘密鍵で署名されています。これはベータ以外の一般公開リリースのカーネル署名に使用されている一般的な Red Hat 鍵とは異なるものです。
ベータの秘密鍵はハードウェアが認識しない可能性が高いので、Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースが起動できないことになります。UEFI セキュアブートを有効にしてベータリリースを使用するには、Machine Owner Key (MOK) 機能を使用してシステムに Red Hat ベータ公開鍵を追加する必要があります。
Red Hat ベータの鍵は以下の手順でシステムに追加します。

手順5.1 UEFI セキュアブート向けのカスタム秘密鍵の追加

  1. まず、システム上で UEFI セキュアブートを無効し、通常通りに Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールします。セキュアブートが有効になっていると、インストールを進めることができません。
  2. インストールが完了したら、システムを再起動します。セキュアブートはこの時点ではまだ無効にしていてください。システムを再起動してログインし、29章初期設定 (Initial Setup) にある初期設定画面に入ります。
  3. 端末を開き、root でログインした後、以下のコマンドを実行します。
    # mokutil --import /lib/modules/$(uname -r)/kernel-signing-ca.cer
    プロンプトが出たら、好きなパスワードを入力します。

    注記

    パスワードは忘れないようにしてください。この手順の完了に必要となる上、インポートされた鍵が不要になった場合に、その削除に必要となります。
  4. システムを再起動し、UEFI セキュアブートを有効にしてから起動プロセスを続けます。システムが開始する前に、保留となっていた鍵の登録リクエストを完了させるかどうか聞かれます。yes を選択し、mokutil コマンドを使って先に設定したパスワードを入力します。
この手順が完了すると、Red Hat ベータ鍵がシステムに追加されます。これ以降に Red Hat Enterprise Linux 7 ベータをインストールしても、この鍵を手動で削除している場合を除いては、同じ手順を実行する必要はありません

警告

インポートしたベータ公開鍵が不要になったら、これを削除します。
最新 (一般公開) リリースの Red Hat Enterprise Linux 7 または異なるオペレーティングシステムをインストールする場合は、インポートした鍵を削除してください。この公開鍵をインポートした だけ の場合は、以下のコマンドで MOK をリセットできます。
# mokutil --reset
次回再起動の後、鍵のインポート時に作成したパスワードの確認を求められます。正しいパスワードを入力すると MOK から鍵が削除され、システムは元の状態に復元されます。

第6章 AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。 ドライバーディスクには複数の RPM パッケージ が含まれています。 一般的に、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。

重要

ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを他の方法で提供されるドライバーより優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはあまりありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、その後に新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
しかし、インストール中にデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにしたい場合などです。こうしたサポートをインストール中に追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては 「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「インストール USB の作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、 または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中からいずれか適したものを選んで更新を実行してください。インストールの実行前に、ドライバー更新用ファイルを検証するようにしてください。逆に、本当にシステムにドライバー更新が必要であることが明らかでない場合、インストール中にドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。

警告

ドライバー更新ディスクは、必要に応じて競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。

6.1. インストール中にドライバーを更新する場合の制約

Secure Boot テクノロジーが有効になっている UEFI システムの場合、読み込むドライバーはすべて有効な証明書で署名されている必要があります。署名がないドライバーはシステムが拒否します。Red Hat で提供しているドライバーはすべて、Red Hat のプライベートキーで署名され、カーネルにある対応する Red Hat パブリックキーで承認されます。他のドライバー (Red Hat Enterprise Linux インストール DVD では提供していないドライバーなど) を読み込む場合は、署名されていることを確認してください。
カスタムドライバーの署名については Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の「カーネルモジュールでの作業」の章をご覧ください。

6.2. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストール開始時に inst.dd 起動オプションを指定することが可能です。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
インストール開始時に inst.dd=location 起動オプションを指定することが可能です。location にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。このオプションを指定すると、Anaconda は指定された場所にあるドライバー更新の読み込みを試行します。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPSFTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。

注記

inst.dd=locationinst.dd を同時に使用することもできます。ただし、この場合の Anaconda の動作は、使用する location のタイプによって異なります。デバイスの場合は、Anaconda は指定されたデバイスから更新するドライバーを選択するようプロンプト表示され、新たなデバイスが提示されます。location がネットワークの場合は、Anaconda はドライバー更新を含んでいるデバイスを選択するようプロンプトが出され、指定されたネットワークの場所からドライバーの更新ができるようになります。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動によるドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージを使用しても構いません。また、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。

重要

ネットワーク上の場所からドライバー更新を読み込む際は、ip= オプションを使って必ずネットワークを初期化してください。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

6.2.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使って ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスの root ディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。手動によるインストールの場合、OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動インストールでは、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール中にドライバー更新を手動で選択する方法については、「手動によるドライバー更新」 を参照してください。

6.2.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法については 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで閲覧します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 の方はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルです。各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納しているのは rpms の方になります。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

6.3. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する

重要

ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

6.3.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。

注記

Red Hat Enterprise Linux7.2 から、OEMDRV ブロックデバイスを使用してキックスタートファイルを自動的に読み込むこともできるようになっています。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスの root に格納する必要があります。キックスタートインストールについての詳細は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始されると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーを選択するよう求めるプロンプトが表示されます。
ドライバーの選択

図6.1 ドライバーの選択

数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

6.3.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、このデバイスが検出されず、起動コマンドラインで inst.dd オプションが指定されていた場合には、対話モードでドライバーディスクを検索することができます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。
対話式のドライバー選択

図6.2 対話式のドライバー選択

注記

ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

6.3.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを収納している ISO イメージを USBフラッシュドライブや web サーバーなどアクセスできる場所に配置しコンピューターに接続しておきます。「ようこそ」の画面で Tab キーを押すと起動コマンドラインが表示されるので、そのコマンドラインに inst.dd=location オプションを追加します。location にはドライバー更新ディスクのパスを入れてください。
ドライバー更新へのパスの指定

図6.3 ドライバー更新へのパスの指定

通常、イメージファイルは web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置かれますが、ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することも可能です。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

6.3.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押し起動コマンドラインを表示します。コマンドラインに modprobe.blacklist=driver_name オプションを追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
インストールの際に、modprobe.blacklist= オプションを使ってブラックリスト登録したドライバーはインストールが完了したシステムでも無効な状態のままになります。このドライバーは /etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルで確認できます。ドライバーをブラックリストに登録する方法および他の起動オプションについては 22章起動オプション を参照してください。

第7章 AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスクに格納している ISO イメージからインストールするか、NFSFTPHTTPHTTPS を使用したネットワークからインストールすることができます。完全インストール用 DVD から起動してインストールする方法が最も簡単な方法になります。これ以外のインストール方法の場合、いくつか別途にセットアップが必要にはなりますが、それぞれ異なる利点があります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux を大量のマシンに同時にインストールする場合は、PXE サーバーから起動し、ネットワーク上の共有の場所に配置したソースからのインストールが最適な方法になります。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表7.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
完全インストール用メディア (DVD または USB)インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使います
最小限の起動用メディア (CD または USB)インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動 (PXE)インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
起動用 CD-ROM の作成方法、起動またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備などについて 「インストール USB の作成」 を参照してください。
本章では次のトピックについて説明しています。

7.1. インストールプログラムの起動

インストールプログラムを起動するには、まずインストールに必要なリソースがすべて揃っていることを確認します。5章AMD64 および Intel 64 システムへのインストールプラン の指示通りに手順を実行している場合は、インストールの開始準備が整っているはずです。開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux DVD または作成した起動用メディアを使ってインストールプログラムを起動します。

重要

起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。

注記

時折、インストール中に ドライバー更新 を必要とするハードウェアコンポーネントがあります。ドライバー更新により、インストールプログラムでは対応していないハードウェアに対応できるようになります。詳細については、6章AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。

7.1.1. AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する

以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux DVD または最小限のブートメディアからインストールプログラムを起動します。

手順7.1 物理メディアからのインストールプログラムの起動

  1. インストールに必要のないドライブはすべて取り外します。詳細は 「USB ディスク」 を参照してください。
  2. コンピューターシステムの電源を入れます。
  3. コンピューターにメディアを挿入します。
  4. 起動用メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
  5. コンピューターシステムの電源をオンにします。メディアから起動するため特定のキーやキーの組み合わせを押さなければならなかったり、メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定しなければならない場合があります。詳細はシステムに同梱されているドキュメントをご覧ください。
しばらくすると、各種の起動オプションの詳細が記載された起動画面が表示されます。1 分以内に何も操作を行わなければ、自動的にインストールプログラムが開始されます。この画面に表示されるオプションの詳細については、「ブートメニュー」 を参照してください。

7.1.2. AMD64 および Intel 64 のシステムで PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する

PXE で起動する場合は、TFTP サーバーを正しく設定しておく必要があります。また、PXE 対応のネットワークインターフェースが必要になります。 PXE サーバーの設定方法については 23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。
ネットワークインターフェースから起動するようコンピューターを設定します。このオプションは BIOS 内にあります。Network BootBoot Services などのラベルが付いている可能性があります。また、正しいネットワークインターフェースから最初に起動するよう BIOS が設定されていることを確認します。BIOS システムの中には、起動デバイスとしてネットワークインターフェースが含まれているにも関わらず PXE 標準には対応していないものがあります。詳細はハードウェアのドキュメントをご覧ください。PXE 起動を正しく有効にすると、メディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動することができるようになります。
次の手順にしたがい PXE サーバーからインストールプログラムを起動します。Ethernet など物理的なネットワーク接続を使用する必要があるので注意してください。ワイヤレス接続では正しく動作しません。

手順7.2 PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ハードウェアによって PXE サーバーに接続する前にネットワーク設定と診断情報が表示される場合があります。接続すると、PXE サーバーの設定に応じたメニューが表示されます。目的オプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合はサーバーの管理者に問い合わせてください。
これでインストールプログラムが正常に起動し、起動画面が表示されます。この画面には各種の起動オプションの詳細が表示されます。1 分以内に何も操作を行わなければ、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションについては、「ブートメニュー」 を参照してください。

7.2. ブートメニュー

ブートメディアの読み込みが完了すると、GRUB2 (GRand Unified Bootloader、バージョン 2) を使用してブートメニューが表示されます。ブートメニューにはインストールプログラムの起動以外にもいくつかのオプションが表示されます。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトで起動する場合は 60 秒待つか Enter を押します。
起動画面

図7.1 起動画面

デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使います。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、以下を実行します。
  • BIOS ベースのシステムの場合、Tab キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加する方法を推奨しています。Esc キーを押して boot: プロンプトにアクセスすることもできますが、プロンプトには不必要な起動オプションが表示されます。この場合、いずれの起動オプションを使用する場合もその前に linux オプションを必ず指定する必要があります。
  • UEFI ベースのシステムの場合、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
他の起動オプションについては、22章起動オプション を参照してください。
ブートメニューのオプションは、以下のようになります。
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使ってコンピューターに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にこのオプションを選択します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
デフォルトのオプションになります。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの健全性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting
様々なインストール関連の問題解決に役に立つオプションが用意された別のメニューにアクセスします。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。
トラブルシューティングメニュー

図7.2 トラブルシューティングメニュー

Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
インストールプログラムがビデオカード用の正しいドライバーを読み込むことができない場合でも、このオプションを使用すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時に、画面表示が歪んだり何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動してからこのオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細については 「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動させることができます。

第8章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。

8.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

8.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題解決に役立ちますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

8.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

通常、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から他に移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表8.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット内容
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表9.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、9章AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング を参照してください。

8.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

8.3. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。

重要

Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨しています。グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。24章VNC を使用したインストール を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイがあるのにグラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。22章起動オプション を参照してください。
代わりに、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
テキストモードでのインストール

図8.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、inst.text 起動オプションをブートメニュー内の起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で使用して、インストールを起動します。起動オプションの使用については、7章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動 を参照してください。

8.4. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要

図8.2 インストールの概要

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
また、キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを制御することもできます。以下の表では、利用可能なショートカットを示しています。

表8.2 グラフィカルインストーラーでのキーボードショートカット

ショートカットキー使用方法
Tab または Shift+Tab表示画面上でのアクティブな要素(ボタン、チェックボックスなど) を移動します。
Up または Downリストをスクロールします。
Left または Rightツールバーとテーブルエントリーを左右にスクロールします。
Space または Enter選択肢からハイライト表示したアイテムを選択または削除し、ドロップダウンメニューを展開、折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

8.5. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図8.3 言語設定

続行 ボタンをクリックすると、サポート対象外のハードウェアのダイアログが表示される場合があります。カーネルが対応していないハードウェアを使用している場合に、この可能性があります。

8.6. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図8.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

関連するバックグラウンドタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。
ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

図8.5 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」 を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」 を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法については 「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

8.7. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図上もしくはドロップダウンメニューにない場合は、同じタイムゾーン内で最も近い都市を選んでください。

注記

表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat ではこのデータベースへ都市や地域を追加することはできません。詳細については公式 web サイトをご覧ください (http://www.iana.org/time-zones)。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンを指定してください。
タイムゾーン設定画面

図8.6 タイムゾーン設定画面

ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux で使用する NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

8.8. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールしたい追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。
言語サポートの設定

図8.7 言語サポートの設定

選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

8.9. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。
キーボードの設定

図8.8 キーボードの設定

新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。一覧のチェックボックスを選択して、キーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。

重要

ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、Red Hat では 英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことを推奨しています。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これが原因でインストールが完了できない可能性もあります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

8.10. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効になっていると、この機能の提供に必要なパッケージが自動でインストールされます。ただし、デフォルトでは強制されるポリシーがなく、具体的に設定しないとインストール中およびそれ以降にチェックは実行されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide が提供するものです。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。
セキュリティーポリシー選択画面

図8.9 セキュリティーポリシー選択画面

システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択肢、プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前になされるかどうかが表示されます。

注記

デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を適用しません。ただし、下記の通りにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択したら、または画面を離れるには、左上にある 完了 をクリックして 「インストールの概要画面」 に戻ります。

8.11. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。
インストールソースの画面

図8.10 インストールソースの画面

以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、ブートメニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux を選択した場合、もしくは rd.live.check 起動オプションを使用した場合と同様のものです。
ISO ファイル
パーティションが設定されマウント可能なファイルシステムを持っているハードドライブがインストールプログラムによって検出されるとこのオプションが表示されます。このオプションを選択してから、ISO を選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワークの場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記の選択肢をネットワークの場所の URL の開始部分として使用し、残りのアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定する別のボックスが表示されます。

重要

NFS ベースのインストールソースを選択する際には、ホスト名をコロン (":") でパスから区切ったアドレスを指定する必要があります。例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は 「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、削除するには - ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

8.12. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。

重要

インストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールした際、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムが自動で検出するため、手動による追加や削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワークとホスト名の設定画面

図8.11 ネットワークとホスト名の設定画面

接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname という形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) か、hostname という形式の 短縮ホスト名 のどちらかになります。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。

重要

ホスト名を手動で割り当てる場合は、ご自分に割り当てられていないドメイン名を使用しないように注意してください。これを行うと、ネットワークリソースが利用できなくなる場合があります。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド で推奨している命名方法の実践例を参照してください。

注記

ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

8.12.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要がありません。また、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。ネットワーク設定についての詳細情報が必要な場合は、『ネットワークガイド』 を参照してください。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。
    ネットワーク自動接続機能

    図8.12 ネットワーク自動接続機能

  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。
    IP プロトコル設定

    図8.13 IP プロトコル設定

ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

8.12.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについての詳細な説明は本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。
ネットワークとホスト名の設定画面

図8.14 ネットワークとホスト名の設定画面

ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • Bond - NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • Bridge - NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
  • チーム - NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN - それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
高度なネットワークインターフェースのダイアログ

図8.15 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

注記

ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

8.13. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。各環境は特定の目的で事前定義されているパッケージセットになります。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。
サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

図8.16 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。

重要

事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小限のインストール 環境を選択することを推奨しています。最小限のインストール は、最小限の追加ソフトウェアをともなう基本的な Red Hat Enterprise Linux のみをインストールします。これにより、システムが脆弱性に影響される可能性を大幅に減らします。必要な場合は、インストール後に最初にログインした後、Yum パッケージマネージャーを使って追加ソフトウェアをインストールできます。最小限のインストール についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

8.13.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれています。
  • rsyslog サービスを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの一部の自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するよう Red Hat Enterprise Linux システムを設定することができます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

8.14. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。

重要

特殊なケース

  • RAID カードがある場合、一部の BIOS では RAID カードからの起動には対応していないため注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。そのような RAID カードでのパーティション作成には、内蔵ハードドライブを使用する必要があります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。システムのパーティション設定で自動を選択した場合は、/boot パーティションを手動で修正する必要があります。詳細については、「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、インストール先 の画面で 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、手動でブートドライブを指定する必要があります。ブートドライブの指定方法に関しては、「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • マルチパスのストレージデバイスとマルチパスではないストレージデバイス両方が接続されたシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトでマルチパスのデバイスとマルチパスではないデバイスが混在したボリュームグループが作成されてしまう可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。インストール先 の画面ではマルチパスのみ、またはマルチパス以外のみのいずれかを選択することが推奨されます。別の方法では、手動のパーティション設定を実行してください。
ストレージ領域の概要

図8.17 ストレージ領域の概要

この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。これらのデバイスについては 「ストレージデバイス」 を参照してください。
画面上部のペインにあるディスクのアイコンをクリックして、Red Hat Enterprise Linux をインストールするディスクを選択します。各ディスクには、ラベル、サイズ、使用可能な領域が示されています。この画面で選択しなかったディスクについては一切変更されません。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法とボリュームの作成方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにクリーンインストールを実行する場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定が推奨されます。自動パーティション設定を行う場合は、デフォルトで選択されている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンにチェックを入れたままにすると、インストールプログラムが必要なパーティションとボリュームをストレージに自動作成します。
    自動でのパーティション設定の場合、追加の空き領域を利用できるようにしたい のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。 完了 をクリックすると、ダイアログが表示されます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨パーティション設定を使用したインストールの完了にはストレージ領域が足りない場合、以下のダイアログが表示されます。
    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    図8.18 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    Red Hat Enterprise Linux software selection のリンクをクリックすると、Software selection セクションに移動します。ここではインストールするソフトウェアを変更して、ストレージ領域をある程度解放することができます。
    別の方法では、取り消してディスクを追加する をクリックして、インストール先 画面に戻ります。ここでは、ストレージデバイスの追加、もしくは手動でのパーティション設定が可能です。既存のファイルシステムからストレージ領域の一部を解放する場合は 領域を確保する をクリックします。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    十分な領域を確保できないと、別のダイアログが表示されます。この場合は、当初のストレージ画面でディスクを追加するか、インストールを中止することになります。
    手動による設定を行うため、パーティション構成を行いたい のラジオボタンを選択した場合は、完了 をクリックすると 手動パーティション設定 の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • 暗号化 セクションで データを暗号化する のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化することができます。暗号化についての詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

8.14.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux では、GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) をブートローダーとして使用します。ブートローダーは、コンピューターの開始時に最初に実行されるプログラムで、指示を読み込んでオペレーティングシステムに渡す役割を果たします。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであればいかなるものでも起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。

警告

GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux はそのオペレーティングシステムを自動検出して、GRUB2 で起動できるよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。
選択したディスクの要約

図8.19 選択したディスクの要約

ブートのコラムには、デバイスの一つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択してブートデバイスとして設定のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択して ブートローダーをインストールしない のボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。

警告

何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

8.14.1.1. MBR と GPT に関する注意点

インストールプログラムにより root ファイルシステムのデバイスの マスターブートレコード (MBR) または GUID パーティションテーブル (GPT) に GRUB2 がインストールされます。いずれを使用するかは、次のような状況によって判断されます。
BIOS システム、および BIOS 互換性モードの UEFI システム
ディスクが既にフォーマットされている場合、パーティションスキームは維持されます。
ディスクがフォーマットされていない場合、もしくはユーザーがディスクからすべてのパーティションを削除した場合は、Anaconda は以下を使用します。
  • ディスクに 232 未満のセクターしかない場合、MBR を使用。一般的にディスクセクターは 512 バイトで、これは 2 TiB に当たります。
  • ディスクに 232 以上のセクターがある場合、GPT を使用。

    注記

    デフォルトの動作を無効にしてサイズが 232 セクター未満のディスクで GPT を使用する場合は、inst.gpt オプションを起動コマンドラインに追加します。232 セクター以上のディスク上で MBR を使用するよう Anaconda を手動で無効にすることはできないことに注意してください。
ブートローダーが GPT を使用するディスクの BIOS システム上にインストールするには、BIOS Boot (biosboot) パーティションを作成する必要があります。biosboot パーティションのサイズは 1 MiB にしてください。ただし、ブートローダーが MBR を使用するディスクの場合には、biosboot パーティションは必要 ありません
UEFI システム
UEFI のシステム上で使用できるのは GPT のみです。MBR があるフォーマット済みディスクにインストールするには、まずディスクの再フォーマットが必要になります。
パーティションスキームに関係なく、EFI System Partition ((/boot/efi) を作成する必要があります。(/boot/efi のサイズは少なくとも 50 MiB にしてください。推奨サイズは 200 MiB になります。

注記

biosbootefi パーティション、どちらも LVM ボリュームには格納できません。このパーティションは標準の物理パーティションに格納してください。

8.14.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

図8.20 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
キックスタートを使用したインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

8.14.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。

警告

パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。
既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

図8.21 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

Red Hat Enterprise Linux で検出された既存のファイルシステムが各ディスクの一部として一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • 維持 - ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • 削除 - ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • 縮小 - ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • すべて削除/すべて保存 - 右側にある「すべて削除」のボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられ、同時にボタンのラベルが「すべて保存」に変わります。「すべて保存」ボタンを再度クリックすると、全ファイルシステムに再び保存のマークが付けられます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると 領域を確保する のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

8.14.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、パーティション構成を行いたい のオプションを選択してインストール先を 完了 すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを指定します。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
手動パーティション設定の画面

図8.22 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。

注記

各ディスクパーティションの詳細および推奨値については、付録A ディスクパーティションの概要 および 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。最低限、適切なサイズの root パーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

8.14.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールで必要なパーティションは最小 1 つですが、Red Hat では少なくとも 4 つのパーティションを使用することを推奨しています (//home/boot および swap)。必要に応じて、他のパーティションやボリュームを作成することもできます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

注記

(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに関する特定の要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成したい場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから希望するパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linuxのデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成され、/boot パーティション、/ (root) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
また、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成すると、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (root パーティションに / 、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空領域がすべて使用されることになります。詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。

注記

領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。デバイスを選択して (複数可) 選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。
マウントポイントの設定

図8.23 マウントポイントの設定

全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。
ディスクの再スキャン

図8.24 ディスクの再スキャン

画面下部のリンクには、インストール先 (「インストール先」 を参照) で選択したストレージデバイス数が表示されます。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。ここでディスク情報を確認することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。
パーティションのカスタマイズ

図8.25 パーティションのカスタマイズ

  • マウントポイント - ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、このファイルシステムを root ファイルシステムにする場合は、/ と入力します。/boot ファイルシステムにする場合は、/boot と入力します。swap ファイルシステムにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで十分です。
  • 割り当てる容量 - ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ - 標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニングRAIDのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID レベル の設定も可能になります。同様に、LVM を選択すると、ボリュームグループ を指定できるようになります。
  • ファイルシステム - ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル - パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前 - LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが現れ、パーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ変更、削除などが表示されます。すべての変更を見直します。前に戻る場合は 取り消して手動パーティション設定に戻る をクリックします。変更を適用する場合は、変更を適用する をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。

重要

/usr または /var のパーティションを root ボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置しまった場合には、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりシステムが起動できなくなったりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
8.14.4.1.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプやファイルシステムを作成することができます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション - 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM) - LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームの作成方法については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
  • LVM シンプロビジョニング - シンプロビジョニングを使用すると、空き領域のストレージプール (シンプールと呼ばれる) を管理できるようになります。アプリケーションのニーズに応じてこの空き領域を任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは必要に応じて動的に拡張することができるため、ストレージ領域の費用対効果が高い割り当てを行うことができます。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。

    注記

    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用にリクエストした領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に保留します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID - 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスの作成方法については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • xfs - XFS はスケーラビリティーに優れた高いパフォーマンス性を有するファイルシステムです。最大 16 EiBのファイルシステム (約 160 億 GiB)、最大 8 EiB のファイル (約 80 億 GiB) および数千万のエントリーを格納するディレクトリー構造に対応します。クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。強く推奨されるファイルシステムであり、デフォルトではこのファイルシステムが選択されます。これまで ext4 ファイルシステムで使用していた一般的なコマンドを XFS で使用する場合の対処方法については 付録E ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux の XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは 500 TiB になります。
  • ext4 - ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、より大きなファイルに対応するようになり、またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。1 ディレクトリー内でのサブディレクトリー数に制限がなく、ファイルシステムのチェックが高速化、またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。
    Red Hat Enterprise Linux の ext4 ファイルシステムで対応できる最大サイズは現在 50 TiB になります。
  • ext3 - ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 - ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat - VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap - Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • BIOS Boot - BIOS システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さなパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • EFI System Partition - UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さいパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 」のページをご覧ください。(https://access.redhat.com/ja/articles/1271503)

8.14.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成し、組み合わせによってパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成はワンステップで行えます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。
ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

図8.26 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムタイプ」 を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 - パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 - 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4 - エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散させますが、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納します。これにより、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報は 1 ディスクに格納されるため、このディスクへのアクセスによりアレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5 - 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6 - 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 - パフォーマンス (ストライプ)、 冗長化 (ミラーリング)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

8.14.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は 付録C LVM の理解 または 『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』のガイドを参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。

重要

テキストモードによるインストールの場合は LVM 設定はできません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
論理ボリュームの設定

図8.27 論理ボリュームの設定

論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがい LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。

    注記

    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成したい場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。
    LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    図8.28 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    選択できる RAID レベルは実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループ内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。ほとんどのデータを LVM に保存する予定のため、後日、既存の論理ボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループ内に別の論理ボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

警告

LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

8.15. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
ストレージ領域の概要

図8.29 ストレージ領域の概要

注記

インストール中には、dmeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスのモニタリングは実行されません。

8.15.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図8.30 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図8.31 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。 別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、 この画面で表示されている全てのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

8.15.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図8.32 高度なストレージオプション

8.15.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図8.33 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順8.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図8.34 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
8.15.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図8.35 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

8.16. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。
Kdump の有効化と設定

図8.36 Kdump の有効化と設定

8.17. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。
インストールの準備完了

図8.37 インストールの準備完了

警告

インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更はなされていません。インストールの開始 をクリックすると、インストールプログラムによりハードドライブでの領域割り当てが行われ、その領域への Red Hat Enterprise Linux の転送が開始されます。選択したパーティション設定オプションに応じて、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに指定してきた選択を訂正する場合は、インストールの概要 画面から該当セクションに戻って訂正します。インストールを完全に取り消したい場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

8.18. 設定のメニューと進捗状況の画面

インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックすると、進捗画面が表示されます。画面ではシステムへのパッケージの書き込み状況に合わせて進捗が表示されます。
パッケージのインストール

図8.38 パッケージのインストール

インストール関連の全ログは、システムの再起動後に /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log ファイルで確認できます。
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。
暗号用のエントロピーの収集

図8.39 暗号用のエントロピーの収集

パッケージのインストール中、インストール進捗バーの上にある Root パスワード メニューと ユーザーの作成 メニューでそれぞれ設定する必要があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。詳細については、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

8.18.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
Root パスワード画面

図8.40 Root パスワード画面

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では安全のため入力した文字はすべてアスタリスクで表示されます。確認 フィールドに同じパスワードを入力して設定が正しいことを確認します。root パスワードを設定したら 完了 をクリックしてユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)

注記

インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用した root パスワードの設定方法を参照してください。

8.18.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。
ユーザーアカウント設定画面

図8.41 ユーザーアカウント設定画面

各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は 「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。
高度なユーザー設定

図8.42 高度なユーザー設定

デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。

注記

通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲は将来広がって、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
キックスタートを使用してカスタム ID を持つユーザーを作成する方法については、user (オプション) を参照してください。
選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにするには、インストール後に UID と GID の下限を変更します。これについての詳細は、『システム管理のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章 を参照してください。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

8.19. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させ Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動時にインストールメディアが自動的に取り出されない場合は、忘れず取り出してください。
コンピューターの通常の電源投入シーケンスが完了すると、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定プロセスについては、29章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。インストール後の Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の手順、設定および更新については、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host スタートガイド を参照してください。

第9章 AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda ではデバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表9.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル内容
/tmp/anaconda.logAnaconda の全般メッセージ
/tmp/program.logインストール中に実行された全外部プログラム
/tmp/storage.logストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.logyum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslogハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールに失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all または inst.nosave=logs オプションを使用した場合は、これらのログはインストールプログラムの RAM ディスクにしか存在しないことになります。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。USB フラッシュドライブやその他のリムーバブルメディアを使用している場合は、以下の手順を開始する前のそれらのデータのバックアップを作成するようにしてください。

手順9.1 ログファイルを USB ドライブに転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  3. /mnt ディレクトリーに移動してから、USB ドライブをマウントするための新規ディレクトリーを作成します。ディレクトリー名は何でも構いません。以下の例では usb という名前を使用しています。
    # mkdir usb
  4. USB フラッシュドライブを新規作成したディレクトリーにマウントします。ドライブ全体をマウントするのではなく、ドライブ上の一つのパーティションにマウントするのが一般的です。したがって、sdb という名前ではなく、ログファイルを書き込みたいパーティションの名前を使用します。以下の例では sdb1 という名前を使用しています。
    # mount /dev/sdb1 /mnt/usb
    マウントしたデバイスにアクセスして内容を一覧表示し、その内容が期待通りのものであるかを確認することで、正しいデバイスをマウントしているかがわかります。
    # cd /mnt/usb
    # ls
  5. ログファイルをマウントしたデバイスにコピーします。
    # cp /tmp/*log /mnt/usb
  6. USB フラッシュドライブをアンマウントします。ドライブがビジー状態であるというようなメッセージを受け取る場合は、アンマウントしようとしているディレクトリーで作業している可能性があるので、それ以外のディレクトリーに移動します (/ など)。
    # umount /mnt/usb
これでインストールによるログファイルが USB フラッシュドライブに保存されました。

手順9.2 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、 192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、 /home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    転送先のシステムに初めて接続する際には、SSH クライアントは、リモートシステムのフィンガープリントが正しいか、また続行するかを尋ねます。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトに従いパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが永久的に転送先システムに保存され、あとで確認できるようになりました。

9.1. インストール開始時の問題

9.1.1. UEFI セキュアブートが有効になっているとシステムが起動しない

Red Hat Enterprise Linux 7 のベータリリースではカーネルが特別な公開キーで署名されており、これは標準の UEFI セキュアブート実装に認識されません。これにより、セキュアブートテクノロジーが有効になっているとシステムが起動しません。
この問題を解決するには、UEFI セキュアブートを無効にし、システムをインストールしてから、Machine Owner Key 機能を使用してベータのパブリックキーをインポートします。手順については、「UEFI セキュアブートによるベータリリースの使用」 を参照してください。

9.1.2. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると問題が発生することがあります。デフォルト設定での実行がうまく動作しないと、それより低い解像度のモードで実行しようとします。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
ベーシックのグラフィックモードを使用する
ベーシックのグラフィックドライバーを使ったインストールを試行することができます。これを行う場合は、ブートメニューで Troubleshooting > Install Red Hat Enterprise Linux in basic graphics mode を選択するか、インストールプログラムの起動オプションを編集してコマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で設定する
インストールプログラムによる画面の解像度の検出が失敗する場合は、自動検出を無効にして手動で解像度を設定します。ブートメニューで inst.resolution=x オプションを追加します。x にはディスプレイの解像度を入力します (1024x768 など)。
代替のビデオドライバーを使用する
カスタムのビデオドライバーを設定し、インストールプログラムの自動検出を無効にすることもできます。ドライバーを設定する場合は、inst.xdriver=x オプションを使用します。x には使用するデバイスドライバーを入力します (nouveau など)。

注記

Anaconda は、ご使用のハードウェアを自動検出して適切なドライバーを使用することができるため、ユーザーによる操作は必要としないはずです。カスタムのビデオドライバーを設定したら問題が解決する場合には、https://bugzilla.redhat.com でバグを報告してください。バグのコンポーネントは anaconda にしてください。
VNC を使用したインストールを行う
上記で説明したオプションがいずれも失敗する場合は、別のシステムと Virtual Network Computing (VNC) プロトコルを使用して、ネットワーク経由でグラフィカルインストールにアクセスできます。VNC を使用したインストールについては、24章VNC を使用したインストール を参照してください。

9.1.3. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用しようとします。
シリアルコンソールでテキストモードのインストールを行いたい場合は、inst.textconsole= の起動オプションを使用してください。詳細は、22章起動オプション を参照してください。

9.2. インストール中の問題

9.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合は、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。確認方法については、コントローラーの資料を参照してください。
iSCSI デバイスにインストールするためシステム上にはローカルのストレージがない場合は、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) を適切な HBA (ホストバスアダプター) に与えているか確認してください。iSCSI についての詳細情報は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の web サイトを確認してください。ドライバー更新の全般情報については、6章AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。
また、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

9.2.2. トレースバックメッセージを報告する

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、遭遇した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図9.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグの方法を十分理解している場合は、デバッグ (Debug) をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。
クラッシュレポートのダイアログを展開した例

図9.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

カスタマーポータルにバグを報告する場合は次の手順に従ってください。

手順9.3 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。
    カスタマーポータル認証情報

    図9.3 カスタマーポータル認証情報

  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。
    Red Hat カスタマーサポートの設定

    図9.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのとき得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。
    問題の詳細を入力する

    図9.5 問題の詳細を入力する

  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。
    送信データの再確認

    図9.6 送信データの再確認

  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の発見に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。
    送信ファイルの再確認

    図9.7 送信ファイルの再確認

  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示することができます。Close (閉じる) をクリックすると、最初のクラッシュリポートのダイアログボックスに戻ります。そのダイアログボックスで 終了 (Quit) をクリックするとインストールが終了します。

9.2.3. プレインストールログファイルの作成

インストール問題をデバッグするには、インストール前に inst.debug オプションを設定して環境からログファイルを作成することができます。これらのログファイルには、たとえば、現行のストレージ設定などが含まれます。
Red Hat Enterprise Linux インストールのブートメニューでこのオプションを設定するには、以下の手順を実行します。
  1. Install Red Hat Enterprise Linux 7.3 エントリーを選択します。
  2. Tab キーを押して、ブートオプションを編集します。
  3. オプションに inst.debug を追記します。例を示します。
    > vmlinuz ... inst.debug
    詳細情報は、22章起動オプション を参照してください。
  4. Enter を押してセットアップを開始します。
システムは Anaconda が開始する前に、プレインストールのログファイルを /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに保存します。このログファイルにアクセスするには、以下を実行します。
  1. コンソールに切り替えます。「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
  2. /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp/pre-anaconda-logs/

9.3. インストール後の問題

9.3.1. RAID カードから起動できない

インストールの実行後、システムを正常に起動できない場合、再インストールと、システムのストレージに異なるパーティション設定を実行する必要がある可能性があります。
BIOS のなかには RAID カードでの起動に対応していないタイプがあります。インストールを完了したあと初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub> など) と点滅するカーソルしか表示されない場合があります。このような場合、システムのパーティションを再設定し、/boot パーティションとブートローダーを RAID アレイの外側に移動する必要があります。/boot パーティションとブートローダーは同じドライブ上に配置してください。
上記の変更を加えると、インストールを完了して、システムを正しく起動できるようになるはずです。パーティション設定については、「インストール先」 を参照してください。

9.3.2. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順9.4 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16linuxefi の場合もあり) で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動したら通常通りにログインします。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システムが起動する度に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順にしたがってください。

手順9.5 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. grubby ツールを使って、デフォルトの GRUB2 カーネルを見つけます。
    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
  3. grubby ツールを使って、上記のステップで特定されたデフォルトのカーネルから GRUB2 設定で rhgb ブートオプションを削除します。例を示します。
    # grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.x86_64
上記の手順が完了したらコンピューターを再起動します。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にしたい場合は、上記の同じ手順で --remove-args="rhgb" パラメーターを --args="rhgb" で置き換えます。これで rhgb ブートオプションが GRUB2 設定のデフォルトカーネルに戻されます。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.3. グラフィカル環境で起動する

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないので注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順9.6 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.4. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルなデスクトップ環境のインストール方法については、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 にあるナレッジベースの記載を参照してください。

9.3.5. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーのログイン時に X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力で、どのパーミッションが満杯になっているかを判断します。ほとんどの場合、/home パーミッションに問題があります。df コマンドの出力例を示します。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であることがわかります。これがクラッシュの原因になっています。このパーティション上の不必要なファイルを削除し適当な領域を解放します。適当な空き領域を確保したら、startx コマンドで X を開始します。
df の使い方および使用できるオプション (上記の例で使用されている -h など) の詳細については df(1) の man ページを参照してください。

9.3.6. RAM が認識されない

カーネルがメモリー (RAM) すべてを認識しないことがあり、これが原因でシステムは実際にインストールされているメモリーより少ないメモリーしか使用しなくなります。free -m コマンドを使用すると、使用されているメモリーを確認できます。表示されるメモリー合計が期待と異なる場合、少なくとも 1 つのメモリーモジュールで障害が発生している可能性が高くなります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+ ユーティリティーを使ってシステムのメモリーテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。

注記

システム用に RAM としてメモリーの一部が予約され、メインシステムではその部分が使用できなくなっているハードウェア構成があります。特に、統合型グラフィックカードが搭載されているラップトップコンピューターなどは、GPU 用としてメモリーの一部が予約されます。例えば、4 GiB の RAM と統合型 Intel グラフィックカードを搭載しているラップトップでは、約 3.7 GiB しか使用可能なメモリーとして表示されません。
また、kdump クラッシュカーネルダンプのメカニズムにより、プライマリーカーネルのクラッシュ時に使用されるセカンダリーカーネル用にもメモリーの一部が予約されます。このメカニズムはほとんどの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっています。この予約メモリーも free コマンドを使った場合には使用可能なメモリーとしては表示されません。kdump およびそのメモリー要件については、 Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド を参照してください。
メモリーに問題がないことを確認したら、メモリーの値を mem= カーネルオプションで手作業で設定することができます。

手順9.7 メモリーを手作業で設定する

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16) などの文字列で始まっています。次のオプションを行末に追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
  5. システムの起動を待ってログインします。コマンドラインを開き、再度 free -m コマンドを実行します。コマンドで表示される RAM の合計数が期待通りなら、この変更を永続的にするため /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX で始まる行に次を追加します。
    mem=xxM
    xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  6. ファイルの更新、保存が終了したら、ブートローダー設定を更新して変更を反映させます。次のコマンドを root 権限で実行します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
/etc/default/grub ファイルを開いた一例を以下に示します。
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_DISTRIBUTOR="$(sed 's, release.*$,,g' /etc/system-release)"
GRUB_DEFAULT=saved
GRUB_DISABLE_SUBMENU=true
GRUB_TERMINAL_OUTPUT="console"
GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=rhel/swap $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel.param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) vconsole.keymap=us rhgb quiet mem=1024M"
GRUB_DISABLE_RECOVERY="true"
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

9.3.7. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
メディアチェックではエラーは検出されず、それでもセグメンテーション違反を受け取る場合は、通常、ハードウェア関連のエラーに遭遇していることを意味します。このような場合、システムのメモリー (RAM) に問題がある可能性がもっとも高いと言えます。同じコンピューターで過去に別のオペレーティングシステムを使用したときは何のエラーも発生していなかった場合でも、システムのメモリーが原因となっている場合があります。BIOS ベースのシステムであれば、インストールメディアに含まれている Memtest86+ メモリーテストモジュールを使ってシステムメモリー全体のテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントや 『Red Hat Hardware Compatibility List (Red Hat ハードウェア互換性一覧)』 (https://hardware.redhat.com) などを参照してください。

パート II. IBM Power Systems - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本パートでは、IBM Power Systems サーバーへのインストールおよびインストール後のトラブルシューティングについて説明していきます。 IBM Power Systems サーバーには、IBM PowerLinux サーバーおよび Linux を稼働する POWER7 および POWER8 の Power Systems サーバーが含まれます。高度なインストールオプションについては、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

重要

Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでは 32 ビットおよび 64 ビットの Power Systems サーバーに対応していました (ppcppc64)。Red Hat Enterprise Linux 7 では、64 ビットの Power Systems サーバーのみの対応になります (ppc64)。

第10章 IBM Power Systems へのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

10.1. アップグレードまたはインストールの選択

自動インプレースアップグレードがサポートされるようになりましたが、サポートは現在 AMD64 および Intel 64 システムに限定されます。IBM Power Systems サーバーに Red Hat Enterprise Linux の旧リリースのインストールが存在する場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 に移行するためにクリーンインストールを実行する必要があります。クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、ユーザーデータの復元を指します。

10.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 (ビッグエンディアン) は、POWER6 および POWER7 のプロセッサーシリーズを使用する IBM Power Systems サーバーと互換性があります。POWER6 およびそれ以前のプロセッサーはサポートされなくなります。
Red Hat Enterprise Linux では、IBM Power Systems 向けにリトルエンディアンのバリアントも提供されています。このバリアントは現在 POWER8 プロセッサーとの互換性があり、Power 向け Red Hat Enterprise Virtualization、PowerVM、および PowerNV (ベアメタル) 上での KVM ゲストとしてサポートされています。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。また、システム要件についての全般的な情報は、Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 を参照してください。

10.3. IBM インストールツール

IBM Installation Toolkit はオプションのユーティリティーで、 IBM Power Systems への Linux のインストールを迅速化するため、特に Linux に不慣れな方に便利なツールになります。 IBM Installation Toolkit は次のような作業に使用できます。 [1]
  • 仮想化していない IBM Power Systems サーバーで Linux のインストールと設定を行います。
  • 論理パーティション (LPAR、仮想化サーバーとも呼ばれる) を設定済みのサーバーに Linux のインストールと設定を行います。
  • 新しい Linux システムまたは既にインストール済みの Linux システムに IBM サービスと生産性ツールをインストールします。 IBM サービスと生産性ツールには動的な論理パーティション (DLPAR) ユーティリティが含まれています。
  • IBM Power Systems サーバーでシステムのファームウェアレベルをアップグレードします。
  • 既にインストール済みのシステムで診断またはメンテナンスを行います。
  • LAMP サーバー (ソフトウェアスタック) とアプリケーションのデータを System x から System p のシステムに移行します。LAMP サーバーはオープンソースソフトウェアのバンドルになります。LAMP は、Linux、Apache HTTP ServerMySQL リレーショナルデータベース、 PHP (または Perl、Python の場合もあり) 言語の頭文字をとった略語になります。
PowerLinux 向けの IBM Installation Toolkit に関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaan/powerpack.htm)。
PowerLinux サービスと生産性ツールはオプションのツールセットです。ハードウェアサービス診断支援ツール、生産性ツール、インストール支援ツール、および POWER7、POWER6、POWER5、POWER4 をベースとした IBM サーバーへの Linux OS インストール支援ツールなどが含まれています。
このサービスおよび生産性ツールに関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaau/liaauraskickoff.htm)。

10.4. IBM Power Systems サーバーの準備

重要

real-base のブートパラメーターが c00000 にセットされているか必ず確認してください。このパラメーターがセットされていないと以下のようなエラーが表示される可能性があります。
DEFAULT CATCH!, exception-handler=fff00300
IBM Power Systems サーバーでは、パーティション設定、仮想デバイス、ネイティブのデバイス、コンソールなどで多くのオプションが提供されています。
パーティション設定されていないシステムを使用する場合、インストール前のセットアップは必要ありません。HVSI シリアルコンソールを使用するシステムの場合には、コンソールを T2 シリアルポートに接続します。
パーティション設定されたシステムを使用する場合、パーティション作成およびインストール開始の手順はほぼ同じです。HMC でパーティションを作成し、CPU、メモリーのリソース、SCSI、イーサネットのリソースなどを適宜割り当てます。 仮想、ネイティブいずれでも構いません。HMC のパーティション作成ウィザードを使用すると手順を追って作成することができます。
パーティションの作成方法については、IBM Systems Hardware Information Center が提供している 『Partitioning for Linux with an HMC』 を参照してください。http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/powersys/v3r1m5/topic/iphbi_p5/iphbibook.pdf でご覧いただけます。
ネイティブではなく仮想の SCSI リソースを使用する場合には、まず先に仮想 SCSI によるパーティションへの「リンク」を設定してから、パーティション自体を設定してください。HMC で仮想 SCSI クライアントとサーバーのスロット間に「リンク」を作成します。仮想 SCSI サーバーは VIOS (Virtual I/O Server) または IBM i のいずれで設定しても構いません。ご使用のモデルやオプションによります。
Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。
仮想デバイスの使用方法については、 IBM Redbooks publication の「Virtualizing an Infrastructure with System p and Linux」を参照してください (http://publib-b.boulder.ibm.com/abstracts/sg247499.html)。
システムの設定が完了したら、HMC からアクティベートするか電源をオンにする必要があります。インストールの種類によっては、SMS が正しくインストールプログラムをブートするよう設定する必要がある場合があります。

10.5. 対応しているインストールターゲット

インストール先として対応しているターゲットとは、Red Hat Enterprise Linux を格納してシステムを起動させるストレージデバイスを指します。AMD64 および Intel 64 のシステムに対してインストールする場合、Red Hat Enterprise Linux では以下のターゲットに対応しています。
  • 標準の内部インターフェースで接続しているストレージ (SCSI、SATA、SAS など)
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス (ハードウェアによっては製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります)
  • 仮想化クライアントの LPAR 内の仮想 SCSI (vSCSI) を使用する場合は、Power Systems サーバーへの仮想化インストールにも対応します
Red Hat では、USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。

重要

IBM Power Systems サーバーでは、16GB の huge pages (大容量ページ) がシステムまたはパーティションに割り当てられているのにカーネルコマンド行に huge page のパラメーターが含まれていないと、eHEA モジュールによる初期化が失敗します。このため、IBM eHEA イーサネットアダプターを使ってネットワークインストールを行う際は、インストール時にシステムやパーティションに対して huge page を割り当てることはできません。代わりに large pages を使用してください。

10.6. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするため、通常はシステムに関する詳細を入力する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの詳細を把握しておくことが重要です。このため、インストールのタイプにより、インストールに備えて以下のようなシステムの仕様を記録しておくことをお勧めします。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、 以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続しているハードドライブのモデル番号、 サイズ、 タイプ、 インターフェースなど。 例えば、 SATA0 上には Seagate 社製 ST3320613AS (320 GB) のハードドライブを接続、 SATA1 上には Western Digital 社製 WD7500AAKS (750 GB) のハードドライブを接続というふうにメモしておきます。 これにより、 パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールする場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用するパーティションについての情報。これには、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベル、およびサイズが含まれます。これにより、パーティション設定プロセス中に特定のパーティションを特定できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの特定方法は異なることから、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux は異なるデバイス名でレポートする可能性があることに留意してください。この情報は通常、mount コマンドおよび blkid コマンドを実行すると見つけられ、また /etc/fstab ファイル内にあります。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して、そのオペレーティングシステムを起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (例えば、 Netgear 社製の GA311 など、ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります)
    • IP アドレス、 DHCP アドレス、 BOOTP アドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IPアドレス
    • ネームサーバーの IP アドレス (DNS)、複数あり
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語がわからない場合は、 ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所 (ネットワークに応じた CHAP ユーザー名とパスワード、またリバース CHAP ユーザー名とパスワードも必要になる場合があります)。
  • コンピューターがドメインの一部を構成している場合は、 以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーによって提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

10.7. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など最近のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用しています。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションの設定作業が必要になることがあります。ディスクパーティションの詳細については 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、システムにインストールしている可能性のある他のオペレーティングシステムで使用されるディスク領域とは別にしてください。

注記

IBM Power Systems サーバーでは、少なくとも 3 つのパーティション (/swap および PReP ブートパーティション) を Red Hat Enterprise Linux 専用にする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux のインストールには、パーティション未設定のディスクまたは削除可能なパーティションのいずれかに少なくとも 10 GB の領域が必要になります。パーティションおよびディスク領域の推奨値については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 の推奨パーティションの記載を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux の必要最小限の RAM は以下の通りです:
インストールタイプ必要最小限の RAM サイズ
ローカルメディアによるインストール (USB, DVD)1,280 MiB
NFS ネットワークインストール1,280 MiB
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール1,664 MiB
キックスタートファイルを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合には、手動でのインストールの場合と同様の最低 RAM 要件があります。ただし、使用するキックスタートファイルで、新たなメモリーを必要とするコマンドやデータを RAM ディスクに書き込むコマンドを実行する場合は、追加の RAM が必要になることもあります。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 の記事を参照してください。

10.8. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux を使用する際に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

10.8.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では 1 つのドライブとして表示されます。

10.8.2. ソフトウェア RAID

複数のハードドライブを搭載するシステムの場合、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細については 「手動パーティション設定」 で説明しています。

注記

以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

10.8.3. USB ディスク

外付けの USB ストレージはインストール後でも接続、設定ができます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルで認識されたあと使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

10.9. インストーラーの起動方法を選択する

Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムの起動方法はいくつかあります。インストールメディアにより選択する方法が異なります。

注記

インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール用 DVD または USBドライブ
完全インストール用 DVD または USB ドライブは、完全インストール用 DVD の ISO イメージから作成します。作成したメディアは起動デバイスおよびソフトウェアパッケージのインストールソースの両方の役割を果たすため、そのメディアひとつでインストール全体を完了することができます。完全インストール用 DVD または USB ドライブの作成方法については 3章メディアの作成 を参照してください。
最小限の起動用 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限の起動用 CD、DVD 、USB フラッシュドライブは小さな ISO イメージを使って作成します。このイメージにはシステムを起動してインストールを開始するために必要なデータしか含まれていません。この起動用メディアを使用する場合には、パッケージをインストールするためのインストールソースが別途必要になります。起動用 CD、DVD、USB フラッシュドライブの作成方法については 3章メディアの作成 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用するとインストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができるようになります。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途に用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は 23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

10.10. キックスタートを使ってインストールを自動化する

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使ったインストールプロセスの完全自動化または部分的自動化の方法が提供されています。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザー入力を必要とせずに、インストール全体 (または一部) を自動的に行うことができるようになります。特に大量のシステムに Red Hat Enterprise Linux を同時導入する際に役立ちます。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルによりソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手作業でインストールする場合、ソフトウェアの選択は事前定義されている環境とアドオンの選択に限られます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりすることができます。
キックスタートの作成方法、作成したキックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。


[1] このセクションは以前に IBM の Linux information for IBM systems リソースにて公開されていました (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaay%2Ftools_overview.htm)。

第11章 IBM Power Systems へのインストール中にドライバーを更新する

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。 ドライバーディスクには複数の RPM パッケージ が含まれています。 一般的に、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。

重要

ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを他の方法で提供されるドライバーより優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはあまりありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、その後に新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
しかし、インストール中にデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにしたい場合などです。こうしたサポートをインストール中に追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては 「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「インストール USB の作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、 または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中からいずれか適したものを選んで更新を実行してください。インストールの実行前に、ドライバー更新用ファイルを検証するようにしてください。逆に、本当にシステムにドライバー更新が必要であることが明らかでない場合、インストール中にドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。

警告

ドライバー更新ディスクは、必要に応じて競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。

11.1. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストール開始時に inst.dd 起動オプションを指定することが可能です。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
インストール開始時に inst.dd=location 起動オプションを指定することが可能です。location にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。このオプションを指定すると、Anaconda は指定された場所にあるドライバー更新の読み込みを試行します。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPSFTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。

注記

inst.dd=locationinst.dd を同時に使用することもできます。ただし、この場合の Anaconda の動作は、使用する location のタイプによって異なります。デバイスの場合は、Anaconda は指定されたデバイスから更新するドライバーを選択するようプロンプト表示され、新たなデバイスが提示されます。location がネットワークの場合は、Anaconda はドライバー更新を含んでいるデバイスを選択するようプロンプトが出され、指定されたネットワークの場所からドライバーの更新ができるようになります。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動によるドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージを使用しても構いません。また、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。

重要

ネットワーク上の場所からドライバー更新を読み込む際は、ip= オプションを使って必ずネットワークを初期化してください。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

11.1.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使って ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスの root ディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動によるドライバー更新の場合は、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール中にドライバー更新を手動で選択する方法については、「アシスト付きのドライバー更新」 を参照してください。

11.1.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法については 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで閲覧します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 の方はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルです。各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納しているのは rpms の方になります。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

11.2. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する

重要

ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

11.2.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。

注記

Red Hat Enterprise Linux7.2 から、OEMDRV ブロックデバイスを使用してキックスタートファイルを自動的に読み込むこともできるようになっています。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスの root に格納する必要があります。キックスタートインストールについての詳細は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始されると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーを選択するよう求めるプロンプトが表示されます。
ドライバーの選択

図11.1 ドライバーの選択

数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

11.2.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、このデバイスが検出されず、起動コマンドラインで inst.dd オプションが指定されていた場合には、対話モードでドライバーディスクを検索することができます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。
対話式のドライバー選択

図11.2 対話式のドライバー選択

注記

ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

11.2.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを収納している ISO イメージを USBフラッシュドライブや web サーバーなどアクセスできる場所に配置しコンピューターに接続しておきます。「ようこそ」の画面で Tab キーを押すと起動コマンドラインが表示されるので、そのコマンドラインに inst.dd=location オプションを追加します。location にはドライバー更新ディスクのパスを入れてください。
ドライバー更新へのパスの指定

図11.3 ドライバー更新へのパスの指定

通常、イメージファイルは web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置かれますが、ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することも可能です。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

11.2.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押し起動コマンドラインを表示します。コマンドラインに modprobe.blacklist=driver_name オプションを追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
インストールの際に、modprobe.blacklist= オプションを使ってブラックリスト登録したドライバーはインストールが完了したシステムでも無効な状態のままになります。このドライバーは /etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルで確認できます。ドライバーをブラックリストに登録する方法および他の起動オプションについては 22章起動オプション を参照してください。

第12章 IBM Power Systems でのインストールの起動

IBM Power Systems サーバーを DVD から起動するには、システム管理サービス (System Management Services) (SMS) メニューでインストールブートデバイスを指定する必要があります。
システム管理サービス (System Management Services) GUI に入るには、ブートプロセスでチャイムが聞こえている間に 1 キーを押します。これにより、このセクションに説明してあるグラフィカルインターフェースと同様の画面が立ち上がります。
テキストコンソール上では、セルフテストでテスト済みのコンポーネントと一緒にバナーが表示されている時に 1 を押します。
システム管理サービスのコンソール

図12.1 システム管理サービスのコンソール

SMS メニュー内に入ったら、ブート・オプションの選択 (Select Boot Options) からオプションを選びます。このメニュー内で、インストール・デバイスまたは ブート・デバイスの選択 (Select Install or Boot a Device) を指定し、CD/DVD を選択したらバスタイプを選びます (ほとんどの場合、SCSI) 。よくわからない場合は全デバイスの表示を選択できます。ネットワークアダプターやハードドライブなど、ブートデバイスに使用できるバスがすべてスキャンされます。
最後に、インストール DVD を収納しているデバイスを選択します。ブートメニューが読み込まれます。

重要

IBM Power Systems サーバーは主にテキストコンソールを使用するため、Anaconda は自動的にはグラフィカルインストールを開始しません。ただし、グラフィカルなインストールプログラムの方が機能やカスタマイズ性に優れているため、システムにグラフィカルなディスプレイが備わっている場合はグラフィカルインストールの使用をお勧めします。
グラフィカルインストールを開始するには、inst.vnc 起動オプションを渡します (リモートアクセスを有効にする を参照)。

12.1. ブートメニュー

ブートメディアの読み込みが完了すると、GRUB2 (GRand Unified Bootloader、バージョン 2) を使用してブートメニューが表示されます。ブートメニューにはインストールプログラムの起動以外にもいくつかのオプションが表示されます。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトで起動する場合は 60 秒待つか Enter を押します。
起動画面

図12.2 起動画面

デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使います。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
他の起動オプションについては、22章起動オプション を参照してください。
ブートメニューのオプション
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使ってコンピューターに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にこのオプションを選択します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
デフォルトのオプションになります。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの健全性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting >
様々なインストール関連の問題解決に役に立つオプションが用意された別のメニューにアクセスします。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。
トラブルシューティングメニュー

図12.3 トラブルシューティングメニュー

Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
インストールプログラムがビデオカード用の正しいドライバーを読み込むことができない場合でも、このオプションを使用すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時に、画面表示が歪んだり何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動してからこのオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細については 「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動させることができます。

12.2. 異なるソースからのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスク上に保存した ISO イメージからのインストール、 また NFS、FTP、HTTP、HTTPS などを使ったネットワークからのインストールを行うことができます。 ハードディスクやネットワークサーバーからのデータ読み込みは DVD からの読み込みよりも高速なため、 経験豊富なユーザーはこれらの方法をよく使用します。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表12.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
完全インストール用メディア (DVD)インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使います
最小限の起動用メディア (CD または DVD)インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します

12.3. インストールサーバーを使ったネットワークからの起動

ネットワークブートの場合、サーバーを正しく設定しておく必要があります。また、コンピューターにインストールサーバーに対応するネットワークインターフェースが必要になります。インストールサーバーの設定方法については 「GRUB2 を使って IBM Power Systems 向けにネットワーク起動を設定する」 を参照してください。
SMS メニューで ブート・オプションの選択 (Select Boot Options)インストール・デバイスまたはブート・デバイスの選択 (Select Boot/Install Device) の順で指定して、コンピューターがネットワークインターフェースから起動するよう設定してます。 使用可能なデバイス一覧からネットワークデバイスを選択します。
インストールサーバーからの起動を正しく設定したら、コンピューターは他のメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できるようになります。
サーバーからコンピューターを起動するには以下を実行します。

手順12.1 ネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ネットワーク設定と診断に関する情報は通常、コンピューターがサーバーに接続する前に表示されます。ただし、これは使用しているハードウェアによって異なります。次に、ネットワーク起動サーバーの設定を指定するオプションがあるメニューが表示されます。目的のオプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合は、サーバー管理者に問い合わせてください。
システムがネットワークインストールサーバーから起動しない場合は、適切なネットワークインターフェースが起動順序の 1 番目に設定されているか SMS を確認してください。詳細については、そのハードウェアのマニュアルを参照してください。

重要

vmlinuz および initrd.img イメージを使用してネットワーク経由でシステムを起動します。ネットワーク経由の起動には ppc64.img イメージは使用できません。TFTP にはファイルが大きすぎるためです。

第13章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。

13.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

13.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題解決に役立ちますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

13.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境からほかに移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表13.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット内容
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表14.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、14章IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング を参照してください。

13.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

13.3. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。

重要

Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨しています。グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。24章VNC を使用したインストール を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイがあるのにグラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。22章起動オプション を参照してください。
代わりに、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
テキストモードでのインストール

図13.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、inst.text 起動オプションをブートメニュー内の起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で使用して、インストールを起動します。起動オプションの使用については、12章IBM Power Systems でのインストールの起動 を参照してください。

13.4. HMC vterm の使用

HMC vterm はパーティション設定している IBM Power システム用のコンソールです。 HMC でパーティションを右クリックしてから Open Terminal Window (ターミナルウィンドウを開く) を選択するとコンソールが開きます。一度にコンソールへ接続できる vterm は 1 つのみです。パーティション設定しているシステム用のコンソールアクセスは vterm 以外にはありません。このコンソールを指して 仮想コンソール と呼ぶことがよくありますが、「コンソールへのアクセス」 で説明している仮想コンソールとは異なります。

13.5. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要

図13.2 インストールの概要

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
また、キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを制御することもできます。以下の表では、利用可能なショートカットを示しています。

表13.2 グラフィカルインストーラーでのキーボードショートカット

ショートカットキー使用方法
Tab または Shift+Tab表示画面上でのアクティブな要素(ボタン、チェックボックスなど) を移動します。
Up または Downリストをスクロールします。
Left または Rightツールバーとテーブルエントリーを左右にスクロールします。
Space または Enter選択肢からハイライト表示したアイテムを選択または削除し、ドロップダウンメニューを展開、折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

13.6. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図13.3 言語設定

続行 ボタンをクリックすると、サポート対象外のハードウェアのダイアログが表示される場合があります。カーネルが対応していないハードウェアを使用している場合に、この可能性があります。

13.7. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図13.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

関連するバックグラウンドタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。
ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

図13.5 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」 を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」 を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法については 「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

13.8. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図上もしくはドロップダウンメニューにない場合は、同じタイムゾーン内で最も近い都市を選んでください。

注記

表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat ではこのデータベースへ都市や地域を追加することはできません。詳細については公式 web サイトをご覧ください (http://www.iana.org/time-zones)。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンを指定してください。
タイムゾーン設定画面

図13.6 タイムゾーン設定画面

ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux で使用する NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

13.9. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールしたい追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。
言語サポートの設定

図13.7 言語サポートの設定

選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

13.10. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。
キーボードの設定

図13.8 キーボードの設定

新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。一覧のチェックボックスを選択して、キーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。

重要

ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、Red Hat では 英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことを推奨しています。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これが原因でインストールが完了できない可能性もあります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

13.11. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効になっていると、この機能の提供に必要なパッケージが自動でインストールされます。ただし、デフォルトでは強制されるポリシーがなく、具体的に設定しないとインストール中およびそれ以降にチェックは実行されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide が提供するものです。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。
セキュリティーポリシー選択画面

図13.9 セキュリティーポリシー選択画面

システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択肢、プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前になされるかどうかが表示されます。

注記

デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を適用しません。ただし、下記の通りにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択したら、または画面を離れるには、左上にある 完了 をクリックして 「インストールの概要画面」 に戻ります。

13.12. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。
インストールソースの画面

図13.10 インストールソースの画面

以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、ブートメニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux を選択した場合、もしくは rd.live.check 起動オプションを使用した場合と同様のものです。
ISO ファイル
パーティションが設定されマウント可能なファイルシステムを持っているハードドライブがインストールプログラムによって検出されるとこのオプションが表示されます。このオプションを選択してから、ISO を選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワークの場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記の選択肢をネットワークの場所の URL の開始部分として使用し、残りのアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定する別のボックスが表示されます。

重要

NFS ベースのインストールソースを選択する際には、ホスト名をコロン (":") でパスから区切ったアドレスを指定する必要があります。例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は 「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、削除するには - ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

13.13. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。

重要

インストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールした際、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムが自動で検出するため、手動による追加や削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワークとホスト名の設定画面

図13.11 ネットワークとホスト名の設定画面

接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname という形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) か、hostname という形式の 短縮ホスト名 のどちらかになります。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。

重要

ホスト名を手動で割り当てる場合は、ご自分に割り当てられていないドメイン名を使用しないように注意してください。これを行うと、ネットワークリソースが利用できなくなる場合があります。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド で推奨している命名方法の実践例を参照してください。

注記

ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

13.13.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要がありません。また、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。ネットワーク設定についての詳細情報が必要な場合は、『ネットワークガイド』 を参照してください。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。
    ネットワーク自動接続機能

    図13.12 ネットワーク自動接続機能

  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。
    IP プロトコル設定

    図13.13 IP プロトコル設定

ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

13.13.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについての詳細な説明は本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。
ネットワークとホスト名の設定画面

図13.14 ネットワークとホスト名の設定画面

ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • Bond - NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • Bridge - NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
  • チーム - NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN - それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
高度なネットワークインターフェースのダイアログ

図13.15 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

注記

ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

13.14. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。各環境は特定の目的で事前定義されているパッケージセットになります。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。
サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

図13.16 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。

重要

事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小限のインストール 環境を選択することを推奨しています。最小限のインストール は、最小限の追加ソフトウェアをともなう基本的な Red Hat Enterprise Linux のみをインストールします。これにより、システムが脆弱性に影響される可能性を大幅に減らします。必要な場合は、インストール後に最初にログインした後、Yum パッケージマネージャーを使って追加ソフトウェアをインストールできます。最小限のインストール についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

13.14.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれています。
  • rsyslog サービスを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの一部の自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するよう Red Hat Enterprise Linux システムを設定することができます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

13.15. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。

重要

特殊なケース

  • RAID カードがある場合、一部の BIOS では RAID カードからの起動には対応していないため注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。そのような RAID カードでのパーティション作成には、内蔵ハードドライブを使用する必要があります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。システムのパーティション設定で自動を選択した場合は、/boot パーティションを手動で修正する必要があります。詳細については、「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • マルチパスのストレージデバイスとマルチパスではないストレージデバイス両方が接続されたシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトでマルチパスのデバイスとマルチパスではないデバイスが混在したボリュームグループが作成されてしまう可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。インストール先 の画面ではマルチパスのみ、またはマルチパス以外のみのいずれかを選択することが推奨されます。別の方法では、手動のパーティション設定を実行してください。
ストレージ領域の概要

図13.17 ストレージ領域の概要

この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。これらのデバイスについては 「ストレージデバイス」 を参照してください。
システムのパーティション設定方法がよく分からない場合は、デフォルト選択になっている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンに印を付けたままにすると、インストールプログラムがパーティションを設定します。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法とボリュームの作成方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにクリーンインストールを実行する場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定が推奨されます。自動パーティション設定を行う場合は、デフォルトで選択されている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンにチェックを入れたままにすると、インストールプログラムが必要なパーティションとボリュームをストレージに自動作成します。
    自動でのパーティション設定の場合、追加の空き領域を利用できるようにしたい のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。 完了 をクリックすると、ダイアログが表示されます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨パーティション設定を使用したインストールの完了にはストレージ領域が足りない場合、以下のダイアログが表示されます。
    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    図13.18 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    Red Hat Enterprise Linux software selection のリンクをクリックすると、Software selection セクションに移動します。ここではインストールするソフトウェアを変更して、ストレージ領域をある程度解放することができます。
    別の方法では、取り消してディスクを追加する をクリックして、インストール先 画面に戻ります。ここでは、ストレージデバイスの追加、もしくは手動でのパーティション設定が可能です。既存のファイルシステムからストレージ領域の一部を解放する場合は 領域を確保する をクリックします。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    十分な領域を確保できないと、別のダイアログが表示されます。この場合は、当初のストレージ画面でディスクを追加するか、インストールを中止することになります。
    手動による設定を行うため、パーティション構成を行いたい のラジオボタンを選択した場合は、完了 をクリックすると 手動パーティション設定 の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • 暗号化 セクションで データを暗号化する のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化することができます。暗号化についての詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

13.15.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux では、GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) をブートローダーとして使用します。ブートローダーは、コンピューターの開始時に最初に実行されるプログラムで、指示を読み込んでオペレーティングシステムに渡す役割を果たします。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであればいかなるものでも起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。

警告

GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux はそのオペレーティングシステムを自動検出して、GRUB2 で起動できるよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。
選択したディスクの要約

図13.19 選択したディスクの要約

ブートのコラムには、デバイスの一つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択してブートデバイスとして設定のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択して ブートローダーをインストールしない のボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。

警告

何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

13.15.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

図13.20 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
キックスタートを使用したインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

13.15.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。

警告

パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。
既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

図13.21 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

Red Hat Enterprise Linux で検出された既存のファイルシステムが各ディスクの一部として一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • 維持 - ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • 削除 - ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • 縮小 - ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • すべて削除/すべて保存 - 右側にある「すべて削除」のボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられ、同時にボタンのラベルが「すべて保存」に変わります。「すべて保存」ボタンを再度クリックすると、全ファイルシステムに再び保存のマークが付けられます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると 領域を確保する のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

13.15.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、パーティション構成を行いたい のオプションを選択してインストール先を 完了 すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを指定します。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
手動パーティション設定の画面

図13.22 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。

注記

各ディスクパーティションの詳細および推奨値については、付録A ディスクパーティションの概要 および 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。少なくとも、適切なサイズの root パーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

13.15.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールには少なくとも、PReP ブートパーティションと別のパーティションが必要になります。しかし、Red Hat では少なくとも 5 つのパーティションを推奨しています( PReP//home/boot および swap)。必要であれば、さらに多くのパーティションを追加作成できます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

注記

(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに関する特定の要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成したい場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから希望するパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linuxのデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成され、/boot パーティション、/ (root) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
また、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成すると、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (root パーティションに / 、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空領域がすべて使用されることになります。詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。

注記

領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。デバイスを選択して (複数可) 選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。
マウントポイントの設定

図13.23 マウントポイントの設定

全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。
ディスクの再スキャン

図13.24 ディスクの再スキャン

画面下部には、インストール先 で選択したストレージデバイス数を表すリンクがあります (「インストール先」 を参照)。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。ここでディスク情報を確認することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。
パーティションのカスタマイズ

図13.25 パーティションのカスタマイズ

  • マウントポイント - ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、このファイルシステムを root ファイルシステムにする場合は、/ と入力します。/boot ファイルシステムにする場合は、/boot と入力します。swap ファイルシステムにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで十分です。
  • 割り当てる容量 - ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ - 標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニングRAIDのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID レベル の設定も可能になります。同様に、LVM を選択すると、ボリュームグループ を指定できるようになります。
  • ファイルシステム - ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル - パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前 - LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが現れ、パーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ変更、削除などが表示されます。すべての変更を見直します。前に戻る場合は 取り消して手動パーティション設定に戻る をクリックします。変更を適用する場合は、変更を適用する をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。

重要

/usr または /var のパーティションを root ボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置しまった場合には、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりシステムが起動できなくなったりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
13.15.4.1.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプやファイルシステムを作成することができます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション - 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM) - LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームの作成方法については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
  • LVM シンプロビジョニング - シンプロビジョニングを使用すると、空き領域のストレージプール (シンプールと呼ばれる) を管理できるようになります。アプリケーションのニーズに応じてこの空き領域を任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは必要に応じて動的に拡張することができるため、ストレージ領域の費用対効果が高い割り当てを行うことができます。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。

    注記

    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用にリクエストした領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に保留します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID - 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスの作成方法については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • xfs - XFS はスケーラビリティーに優れた高いパフォーマンス性を有するファイルシステムです。最大 16 EiBのファイルシステム (約 160 億 GiB)、最大 8 EiB のファイル (約 80 億 GiB) および数千万のエントリーを格納するディレクトリー構造に対応します。クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。強く推奨されるファイルシステムであり、デフォルトではこのファイルシステムが選択されます。これまで ext4 ファイルシステムで使用していた一般的なコマンドを XFS で使用する場合の対処方法については 付録E ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux の XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは 500 TiB になります。
  • ext4 - ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、より大きなファイルに対応するようになり、またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。1 ディレクトリー内でのサブディレクトリー数に制限がなく、ファイルシステムのチェックが高速化、またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。
    Red Hat Enterprise Linux の ext4 ファイルシステムで対応できる最大サイズは現在 50 TiB になります。
  • ext3 - ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 - ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat - VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap - Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • PReP - ハードドライブの 1 番目のパーティションにある小さな起動パーティションです。PReP 起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれています。これにより、他の IBM Power Systems サーバーで Red Hat Enterprise Linux を起動できるようになります。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 」のページをご覧ください。(https://access.redhat.com/ja/articles/1271503)

13.15.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成し、組み合わせによってパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成はワンステップで行えます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。
ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

図13.26 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムタイプ」 を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 - パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 - 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4 - エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散させますが、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納します。これにより、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報は 1 ディスクに格納されるため、このディスクへのアクセスによりアレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5 - 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6 - 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 - パフォーマンス (ストライプ)、 冗長化 (ミラーリング)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

13.15.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は 付録C LVM の理解 または 『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』のガイドを参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。

重要

テキストモードによるインストールの場合は LVM 設定はできません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
論理ボリュームの設定

図13.27 論理ボリュームの設定

論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがい LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。

    注記

    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成したい場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。
    LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    図13.28 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    選択できる RAID レベルは実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループ内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。ほとんどのデータを LVM に保存する予定のため、後日、既存の論理ボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループ内に別の論理ボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

警告

LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

13.16. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
ストレージ領域の概要

図13.29 ストレージ領域の概要

13.16.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図13.30 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図13.31 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。 別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、 この画面で表示されている全てのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

13.16.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図13.32 高度なストレージオプション

13.16.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図13.33 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順13.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図13.34 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
13.16.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図13.35 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

13.17. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
IBM Power System LPAR は、Kdump の代替ダンプキャプチャーメカニズムであるファームウェア支援ダンプ (fadump) をサポートしています。fadump では、新しいカーネルのコピーで読み込まれた、完全にリセットされたシステムからダンプがキャプチャーされます。特に、PCI と I/O のデバイスは再度初期化され、クリーンかつ一貫性のある状態なので、Kdump に代わるものとして信頼できます。fadumpKdump の代替ではあるものの、fadumpKdump が有効になっている必要があります。この画面で fadump を有効にすることができます。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。
Kdump の有効化と設定

図13.36 Kdump の有効化と設定

13.18. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。
インストールの準備完了

図13.37 インストールの準備完了

警告

インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。インストールの開始 をクリックすると、インストールプログラムによりハードドライブでの領域割り当てが行われ、その領域への Red Hat Enterprise Linux の転送が開始されます。選択したパーティション設定オプションに応じて、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに指定してきた選択を訂正する場合は、インストールの概要 画面から該当セクションに戻って訂正します。インストールを完全に取り消したい場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

13.19. 設定のメニューと進捗状況の画面

インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックすると、進捗画面が表示されます。画面ではシステムへのパッケージの書き込み状況に合わせて進捗が表示されます。
パッケージのインストール

図13.38 パッケージのインストール

インストール関連の全ログは、システムの再起動後に /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log ファイルで確認できます。
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。
暗号用のエントロピーの収集

図13.39 暗号用のエントロピーの収集

パッケージのインストール中、インストール進捗バーの上にある Root パスワード メニューと ユーザーの作成 メニューでそれぞれ設定する必要があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。詳細については、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

13.19.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
Root パスワード画面

図13.40 Root パスワード画面

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では安全のため入力した文字はすべてアスタリスクで表示されます。確認 フィールドに同じパスワードを入力して設定が正しいことを確認します。root パスワードを設定したら 完了 をクリックしてユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)

注記

インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用した root パスワードの設定方法を参照してください。

13.19.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。
ユーザーアカウント設定画面

図13.41 ユーザーアカウント設定画面

各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は 「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。
高度なユーザー設定

図13.42 高度なユーザー設定

デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。

注記

通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲は将来広がって、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
キックスタートを使用してカスタム ID を持つユーザーを作成する方法については、user (オプション) を参照してください。
選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにするには、インストール後に UID と GID の下限を変更します。これについての詳細は、『システム管理のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章 を参照してください。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

13.20. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させ Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動時にインストールメディアが自動的に取り出されない場合は、忘れず取り出してください。
コンピューターの通常の電源投入シーケンスが完了すると、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定のプロセスについては 29章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。

第14章 IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda では、デバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表14.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル内容
/tmp/anaconda.logAnaconda の全般メッセージ
/tmp/program.logインストール中に実行されたすべての外部プログラム
/tmp/storage.logストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.logyum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslogハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールに失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all または inst.nosave=logs オプションを使用した場合は、これらのログはインストールプログラムの RAM ディスクにしか存在しないことになります。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。

注記

以下の手順では、インストールを実行しているシステムがネットワークにアクセス可能であり、また転送先となるシステムが ssh プロトコルでファイルを受け取ることができる必要があります。。

手順14.1 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、 192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、 /home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    転送先のシステムに初めて接続する際には、SSH クライアントは、リモートシステムのフィンガープリントが正しいか、また続行するかを尋ねます。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトにしたがいパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが永久的に転送先システムに保存され、後で確認できるようになります。

14.1. インストール開始時の問題

14.1.1. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると、問題が発生することがあります。デフォルト設定でインストールプログラムがうまく動作しないと、それより低い解像度のモードでの実行を試みます。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
ベーシックのグラフィックモードを使用する
ベーシックのグラフィックドライバーを使ったインストールを試行することができます。これを行う場合は、boot: プロンプトでインストールプログラムのオプションを編集してコマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で設定する
インストールプログラムによる画面の解像度の検出が失敗する場合は、自動検出を無効にして手動で解像度を設定します。ブートメニューで inst.resolution=x オプションを追加します。x にはディスプレイの解像度を入力します (1024x768 など)。

14.1.2. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用ようとします。
シリアルコンソールでテキストモードのインストールを行いたい場合は、inst.textconsole= の起動オプションを使用してください。詳細は、22章起動オプション を参照してください。

14.2. インストール中の問題

14.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。確認方法については、コントローラーの資料を参照してください。
iSCSI デバイスにインストールするためシステム上にはローカルのストレージがない場合は、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) を適切な HBA (ホストバスアダプター) に与えているか確認してください。iSCSI についての詳細情報は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の web サイトを確認してください。ドライバー更新の全般情報については、11章IBM Power Systems へのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。
また、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

14.2.2. トレースバックメッセージを報告する

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、遭遇した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図14.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグの方法を十分理解している場合は、デバッグ (Debug) をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。
クラッシュレポートのダイアログを展開した例

図14.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

カスタマーポータルにバグを報告する場合は、次の手順にしたがってください。

手順14.2 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。
    カスタマーポータル認証情報

    図14.3 カスタマーポータル認証情報

  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。
    Red Hat カスタマーサポートの設定

    図14.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのとき得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。
    問題の詳細を入力する

    図14.5 問題の詳細を入力する

  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。
    送信データの再確認

    図14.6 送信データの再確認

  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の発見に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。
    送信ファイルの再確認

    図14.7 送信ファイルの再確認

  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示することができます。Close (閉じる) をクリックすると、最初のクラッシュリポートのダイアログボックスに戻ります。そのダイアログボックスで 終了 (Quit) をクリックするとインストールが終了します。

14.2.3. プレインストールログファイルの作成

インストール問題をデバッグするには、インストール前に inst.debug オプションを設定して環境からログファイルを作成することができます。これらのログファイルには、たとえば、現行のストレージ設定などが含まれます。
Red Hat Enterprise Linux インストールのブートメニューでこのオプションを設定するには、以下の手順を実行します。
  1. Install Red Hat Enterprise Linux 7.3 エントリーを選択します。
  2. Tab キーを押して、ブートオプションを編集します。
  3. オプションに inst.debug を追記します。例を示します。
    > vmlinuz ... inst.debug
    詳細情報は、22章起動オプション を参照してください。
  4. Enter を押してセットアップを開始します。
システムは Anaconda が開始する前に、プレインストールのログファイルを /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに保存します。このログファイルにアクセスするには、以下を実行します。
  1. コンソールに切り替えます。「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
  2. /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp/pre-anaconda-logs/

14.2.4. IBM Power Systems ユーザー向けのパーティション作成に関するその他の問題

手動でパーティションを作成している際に次の画面へ移動できない場合は、インストールの継続に必要なすべてのパーティションが作成されていないことが考えられます。
最低必要条件として次のパーティションがあることを確認してください。
  • / (root) パーティション
  • PReP Boot パーティション
  • /boot パーティション (root パーティションが LVM 論理ボリュームまたは Btrfs サブボリュームの場合のみ)
詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

14.3. インストール後の問題

14.3.1. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順14.3 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動したら通常通りにログインします。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システム起動時に常に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順にしたがってください。

手順14.4 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. grubby ツールを使って、デフォルトの GRUB2 カーネルを見つけます。
    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.ppc64
  3. grubby ツールを使って、上記のステップで特定されたデフォルトのカーネルから GRUB2 設定で rhgb ブートオプションを削除します。例を示します。
    # grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-3.10.0-229.4.2.el7.ppc64
上記の手順が完了したらコンピューターを再起動します。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にしたい場合は、上記の同じ手順で --remove-args="rhgb" パラメーターを --args="rhgb" で置き換えます。これで rhgb ブートオプションが GRUB2 設定のデフォルトカーネルに戻されます。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

14.3.2. グラフィカル環境で起動する

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないことに注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順14.5 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

14.3.3. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルなデスクトップ環境のインストール方法については、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 にあるナレッジベースの記事を参照してください。

14.3.4. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーのログイン時に X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力で、どのパーミッションが満杯になっているかを判断します。ほとんどの場合、/home パーミッションに問題があります。df コマンドの出力例を示します。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であることがわかります。これがクラッシュの原因になっています。このパーティション上の不要なファイルを削除し適当な領域を解放します。適当な空き領域を確保したら、startx コマンドで X を開始します。
df の使い方および使用できるオプション (上記の例で使用されている -h など) の詳細については df(1) の man ページを参照してください。

14.3.5. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントを参照してください。

14.3.6. ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から起動 (IPL) できない

ネットワークストレージスペース (*NWSSTG) から起動 (IPL) しようとすると問題が発生する場合、その原因のほとんどは PReP パーティションが存在しないためです。この場合、システムを再インストールしてパーティション設定のフェーズで PReP パーティションを作り直すか、キックスタートファイルにこのパーティションの作成の記述を加えてから再インストールを行う必要があります。

14.3.7. GRUB2 の next_entry 変数が仮想化環境で予期しない動作をすることがある

仮想マシンを SLOF ファームウェアで起動する IBM Power System のユーザーは、手動で next_entry grub 環境変数をシステム再起動後に設定解除する必要があります。SLOF ファームウェアはその設計によりブロック書き込みをサポートしておらず、このためブートローダーは起動時にこの変数をクリアすることができません。

パート III. IBM System z アーキテクチャー - インストールと起動

本パートでは、IBM System z への Red Hat Enterprise Linux のインストールおよび起動 (IPL - initial program load) について説明していきます。

第15章 IBM System z へのインストールプラン

15.1. プレインストール

Red Hat Enterprise Linux 7 は、zEnterprise 196 またはそれ以降の IBM メインフレームシステムで稼働します。
IBM System z のインストールプロセスでは、ユーザーが IBM System z の操作に慣れていること、また 論理パーティション (LPAR) および z/VM ゲスト仮想マシンをセットアップできることを前提としています。System z に関する詳細については http://www.ibm.com/systems/z を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux を System z にインストールする場合、Red Hat では DASD (Direct Access Storage Device) および FCP (ファイバーチャネルプロトコル) のストレージデバイスに対応しています。
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に以下の点について決定しておいてください。
  • オペレーティングシステムを LPAR 上で稼働させるのか、z/VM ゲストの OS として稼働させるのか選択します。
  • swap 領域が必要かどうか、また必要な場合はその大きさを決定します。z/VM が必要なスワッピングを行なえるように z/VM のゲスト仮想マシンに十分なメモリーを割り当てることは可能でかつ推奨されますが、必要な RAM の大きさが予測困難な場合もあります。このような場合にはケースバイケースで検討してください。詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • ネットワーク設定について決定します。IBM System z 向けの Red Hat Enterprise Linux 7 は、以下のネットワークデバイスに対応しています。
    • 物理的および仮想の OSA (オープンシステムアダプター)
    • 物理的および仮想の HiperSockets
    • 物理的な OSA 対応の LCS (LAN チャネルステーション)
以下のハードウェアが必要になります。
  • ディスク領域。必要なディスク領域を算出して、DASD[2] または SCSI[3] ディスクに十分なディスク領域を割り当てます。 サーバーのインストールには 10 GB 以上、パッケージすべてをインストールするには 20 GB が必要です。また、アプリケーションデータ用にもディスク領域が必要になります。インストール後は、DASD と SCSI ディスクパーティションを必要に応じて追加、削除することができます。
    新規インストールの Red Hat Enterprise Linux システム (Linux インスタンス) で使用するディスク領域と、使用中のシステムにインストールしてある他の OS で使用されるディスク領域は、別にしておく必要があります。
    ディスクおよびパーティションの設定についての詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • RAM が必要です。Linux インスタンス用に 1 GB (推奨) を確保してください。一定の調整を行うと、最小限 512 MB の RAM でもインスタンスを稼働させることができる場合があります。

注記

SWAPGEN ユーティリティーを使用してFBA (Fixed Block Architecture) DASD上のスワップ領域を初期化する際には、 FBAPART オプションを使用する必要があります。

15.2. System z インストール手順の概要

Red Hat Enterprise Linux の System z へのインストールは、対話形式または無人モードで行うことが可能です。System z へのインストールは通常、ローカルメディアからではなく、ネットワーク経由で行われるという点で他のアーキテクチャーと異なります。インストールは以下の 2 つの段階で構成されます。
  1. インストールの起動

    メインフレームに接続し、その後にインストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行します。詳細は、16章IBM System z でのインストールの起動 を参照してください。
  2. Anaconda

    インストールプログラムである Anaconda を使ってネットワークの設定、言語サポートやインストールソースの指定、インストールするソフトウェアの指定、残りのインストールを実行します。詳細は、17章Anaconda を使用したインストール を参照してください。

15.2.1. インストールの起動

メインフレームとの接続を確立した後に、インストールプログラムを格納しているメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行する必要があります。本書では、System z 上での Red Hat Enterprise Linux の最も一般的なインストール方法を説明しています。通常、Linux インストールシステムは少なくとも generic.prm 内にパラメーターがある初期 RAM ディスク (initrd.img) とカーネル (kernel.img) で構成されおり、いずれの方法でも起動できます。また、generic.ins ファイルも読み込まれ、これは initrd、kernel および generic.prm のファイル名とメモリーアドレスを決定します。
本書では、Linux インストールシステムを インストールプログラム とも呼びます。
IPL プロセスを開始できる制御ポイントは Linux を実行する環境によって異なります。Linux を z/VM ゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合は、ホストである z/VM の CP (コントロールプログラム) が制御ポイントになります。Linux を LPAR モードで実行する場合は、メインフレームの SE (サポートエレメント) または接続されている IBM System z の HMC (ハードウェア管理コンソール) が制御ポイントになります。
以下の起動用メディアは、Linux を z/VM 環境でゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動用メディアは、Linux を LPAR モードで実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動用メディアは、z/VM と LPAR の両方に使用できます。
DASD および FCP 接続 SCSI デバイス (SCSI DVD を除く) を起動用メディアとして使用する場合は、設定済みの zipl ブートローダーが必要になります。

15.2.2. Anaconda を使用したインストール

インストールの第 2 段階では、Anaconda インストールプログラムをグラフィカルモード、テキストモード、コマンドラインモードのいずれかで使用します。
グラフィカルモード
グラフィカルなインストールは VNC クライアントを使います。マウスやキーボードを使って画面を移動したり、ボタンをクリックしたり、テキストフィールドへの入力を行ったりすることができます。VNC を使ったグラフィカルなインストールを行う方法については、24章VNC を使用したインストール を参照してください。
テキストベースモード
GUI のインターフェース要素は一切提供されないため、すべての設定には対応していません。VNC クライアントを使用できない場合に対話式のインストールを行うにはこのモードを使用します。テキストベースのインストールについては 「テキストモードでのインストール」 を参照してください。
コマンドラインモード
System z に自動で非対話形式のインストールを行うためのモードになります。インストールプログラムに与える必要があるキックスタートコマンドがない、または無効なコマンドを使用すると、システムが再起動されることに注意してください。自動インストールについての詳細は 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 7 では、テキストベースのインストールはユーザー介入を最小限にするように限定されています。FCP 接続の SCSI デバイスでのインストールや パーティションレイアウトのカスタマイズ、パッケージアドオンの選択などの機能は、グラフィカルユーザーインターフェースでのインストールに限られます。可能な限りグラフィカルインストールを使用してください。詳細は 17章Anaconda を使用したインストール を参照してください。


[2] DASD (Direct Access Storage Devices) とは、1 デバイスにつき最大 3 つのパーティションを設けることができるハードディスクです。たとえば、dasda には、dasda1dasda2dasda3 のパーティションを設けることができます。
[3] SCSI-over-Fibre Channel デバイスドライバー (zfcp デバイスドライバー) とスイッチを使用すると、 System z 上の Linux に対して、SCSI LUN をローカル接続の SCSI ドライブのように表示することができます。

第16章 IBM System z でのインストールの起動

Anaconda インストールプログラムの起動 (IPL) 手順は、Red Hat Enterprise Linux を稼働させる環境によって異なります (z/VM または LPAR)。

16.1. ブートパラメーターのカスタマイズ

インストールを開始する前に、ブートパラメーターを設定する必要があります。z/VM でインストールする場合、generic.prm ファイルで起動する前にこれらのパラメーターを設定する必要があります。LPAR でインストールする場合は、rd.cmdline パラメーターはデフォルトで ask に設定されており、これらのブートパラメーターを入力できるプロンプトが表示されます。いずれの場合でも、必要となるパラメーターは同じものです。

注記

ネットワーク設定に対話式ユーティリティーを使用していた Red Hat Enterprise Linux 6 とは異なり、全ネットワーク設定は以下のパラメーターを使用して指定する必要があります。これはパラメーターファイルの使用もしくはプロンプトで行います。
インストールソース
インストールソースは常に設定する必要があります。inst.repo= オプションでインストールのパッケージソースを指定します。詳細および構文については、インストールソースの指定 を参照してください。
ネットワークデバイス
インストール中にネットワークアクセスが必要となる場合は、ネットワーク設定を提供する必要があります。ハードドライブなどのローカルメディアのみを使用して無人 (キックスタートベース) インストールを行う場合は、ネットワーク設定は省略することができます。
基本的なネットワーク設定には ip= オプションを使用します。他のオプションは ネットワーク起動オプション に記載されています。
また、rd.znet= カーネルオプションを使用することもできます。このオプションは、ネットワークプロトコルタイプおよびコンマ区切りのサブチャネル一覧を取ります。また、コンマ区切りの sysfs パラメーターと値の組み合わせを追加で与えることもできます。このパラメーターは、複数のネットワークデバイスをアクティベートさせるために、複数回指定することができます。
以下に例を示します。
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portname=foo
rd.znet=ctc,0.0.0600,0.0.0601,protocol=bar
ストレージデバイス
少なくとも 1 つのストレージデバイスが常に設定される必要があります
rd.dasd= オプションは、DASD アダプターデバイスバス識別子を受け取ってデバイスを作動させます。また、コンマ区切りの sysfs パラメーターと値の組み合わせを追加で与えることもできます。複数の DASD をアクティベートするために、このパラメーターを複数回指定することができます。例を示します。
rd.dasd=0.0.0200,readonly=0
rd.dasd=0.0.0202,readonly=0
rd.zfcp= オプションは、SCSI over FCP (zFCP) アダプターデバイスバス識別子、WWPN (world wide port name)、FCP LUN を受け取ってデバイスを作動させます。複数の zFCP デバイスを作動させるために、このパラメーターを複数回指定することができます。以下に例を示します。
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
キックスタートのオプション
キックスタートファイルを使用して自動インストールを行う場合は、inst.ks= オプションでキックスタートファイルの場合を指定する必要があります。無人の完全自動キックスタートインストールでは、inst.cmdline オプションも便利です。詳細情報は、「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」 を参照してください。
必須パラメーターすべてを含むカスタマイズした generic.prm ファイルの例を以下に示します。

例16.1 カスタマイズ generic.prm ファイル

ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
inst.repo=http://example.com/path/to/repository
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=0,portname=foo
ip=192.168.17.115::192.168.17.254:24:foobar.systemz.example.com:enccw0.0.0600:none
nameserver=192.168.17.1
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
inst.ks=http://example.com/path/to/kickstart
インストール方法によっては、DVD のファイルシステム内のインストールデータの場所、もしくは FTP サーバーおよびデータのコピー先のメモリーの場所がマッピングされたファイルが必要になります。このファイルは通常 generic.ins と呼ばれ、初期 RAM ディスク、カーネルイメージ、パラメーターファイル (generic.prm) のファイル名と各ファイルのメモリーの場所が格納されています。generic.ins ファイルのサンプルは以下のようになります。

例16.2 generic.ins サンプルファイル

images/kernel.img 0x00000000
images/initrd.img 0x02000000
images/genericdvd.prm 0x00010480
images/initrd.addrsize 0x00010408
有効な generic.ins ファイルはインストーラーの起動に必要の他のファイルとともに Red Hat から提供されます。このファイルは、デフォルトとは別のカーネルバージョンを読み込みたい場合などを除いて修正しないでください。

16.2. ハードドライブを使った IBM System z へのインストールに関する注意点

ハードドライブからインストールプログラムを起動する場合は、オプションとして同じディスクまたは別のディスクに zipl ブートローダーをインストールすることができます。zipl は 1 ディスクにつき 1 つのブートレコードにしか対応していないため注意してください。1 つのディスクに複数のパーティションを設ける場合は、全パーティションが 1 つのブートレコードを「共有」します。
インストールプログラムを起動できるようにハードドライブを準備します。以下のコマンドを入力してzipl ブートローダーをハードドライブにインストールします。
# zipl -V -t /mnt/ -i /mnt/images/kernel.img -r /mnt/images/initrd.img -p /mnt/images/generic.prm
generic.prm 設定ファイルの起動パラメーターをカスタマイズする方法については 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。

16.3. z/VM 環境にインストールする

z/VM 環境にインストールする場合は、以下から起動することができます。
  • z/VM 仮想リーダー
  • DASD または FCP 接続の SCSI デバイス (zipl ブートローダーの準備が完了しているもの )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
Linux インストール用に選択した z/VM ゲスト仮想マシンにログオンします。x3270 または c3270 端末エミュレーター (Red Hat Enterprise Linux の x3270-text パッケージで入手可) を使用すると、他の Linux システムから z/VM にログオンすることができます。または、IBM System z HMC (ハードウェア管理コンソール) の IBM 3270 端末エミュレーターを使用することもできます。Microsoft Windows オペレーティングシステム搭載のマシンで作業している場合は、Jolly Giant (http://www.jollygiant.com/) が提供する SSL 対応の 3270 エミュレーターを使用できます。 wc3270 という名前の c3270 のフリーなネイティブ Windows ポートもあります。

注記

使用中の 3270 接続が割り込みを受け、それまでのセッションがまだアクティブなために再ログインができない場合、z/VM ログイン画面で以下のコマンドを入力するとそれまでのセッションを新規のセッションで置き換えることができます。
logon user here
user には z/VM ゲスト仮想マシンの名前を入れてください。RACF などの外部セキュリティマネージャーが使用されているかどうかによって、ログオンコマンドが異なる場合があります。
ゲスト内でまだ CMS (z/VM 同梱のシングルユーザー用オペレーティングシステム) を実行していない場合は、以下のコマンドを実行してここで起動します。
cp ipl cms
インストールターゲットに A ディスク (多くの場合デバイス番号は 0191) などの CMS ディスクは使用しないようにしてください。CMS で使用されているディスクを確認するには、以下のクエリーを使用します。
query disk
以下の CP (z/VM ハイパーバイザーである z/VM 制御プログラム) の query コマンドを使用すると、z/VM ゲスト仮想マシンのデバイス構成を確認することができます。
  • 利用できるメインメモリーをクエリーします。System z の用語では storage と呼ばれています。ゲストには少なくとも 1 GB のメインメモリーがあるはずです。
    cp query virtual storage
  • 利用できるネットワークデバイスを以下のタイプ別にクエリーします。
    osa
    OSA - CHPID タイプ OSD、物理的または仮想 (VSWITCH または GuestLAN)、いずれも QDIO モード
    hsi
    HiperSockets - CHPID タイプ IQD、物理的または仮想 (GuestLAN タイプ Hipers)
    lcs
    LCS - CHPID タイプ OSE
    たとえば、上記すべてのネットワークデバイスタイプを問い合わせる場合は次を実行します。
    cp query virtual osa
  • 利用できる DASD をクエリーします。インストールターゲットとして使用できるのは、RW のフラグが付いた読み取り専用モードの DASD のみです。
    cp query virtual dasd
  • 利用できる FCP チャネルをクエリーします。
    cp query virtual fcp

16.3.1. z/VM リーダーを使用する

以下の手順にしたがって z/VM リーダーから起動します。
  1. 必要であれば、z/VM の TCP/IP ツールを含んでいるデバイスを CMS ディスク一覧に追加します。例を示します。
    cp link tcpmaint 592 592
    acc 592 fm
    fm には FILEMODE 文字を入れます。
  2. コマンドを実行します。
    ftp host
    host には起動用イメージ (kernel.imginitrd.img) をホストする FTP サーバーのホスト名または IP アドレスを入れます。
  3. ログインして以下のコマンドを実行します。既存の kernel.imginitrd.imggeneric.prmredhat.exec ファイルを上書きする場合は、(repl オプションを使用します。
    cd /location/of/install-tree/images/
    ascii 
    get generic.prm (repl 
    get redhat.exec (repl 
    locsite fix 80 
    binary 
    get kernel.img (repl 
    get initrd.img (repl 
    quit
  4. オプションとして、CMS コマンド filelist を使用して受信したファイルとその形式を表示することにより、ファイルが正しく転送されたかどうかをチェックします。Format コラムで kernel.imginitrd.img のレコードの長さが固定形式を示す F になっていること、 Lrecl コラムでそのレコードの長さが 80 になっていることが重要になります。以下に例を示します。
    VMUSER FILELIST A0 V 169 Trunc=169 Size=6 Line=1 Col=1 Alt=0
    Cmd Filename	Filetype	Fm	Format	Lrecl	Records	Blocks	Date	Time
    REDHAT	EXEC		B1	V	22	1 	1	4/15/10	9:30:40
    GENERIC	PRM		B1	V	44	1	1	4/15/10	9:30:32
    INITRD	IMG		B1	F	80	118545	2316	4/15/10	9:30:25
    KERNEL	IMG		B1	F	80	74541	912	4/15/10	9:30:17
    PF3 を押して filelist を終了し、CMS プロンプトに戻ります。
  5. 必要に応じて、generic.prm 内の起動パラメーターをカスタマイズします。詳細は 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。
    ストレージとネットワークデバイスを設定する別の方法として CMS 設定ファイルを使用する方法があります。この場合、CMSDASD=CMSCONFFILE= のパラメーターを generic.prm に追加します。詳細は 「z/VM 設定ファイル」 を参照してください。
  6. 最後に、REXX スクリプト redhat.exec を実行してインストールプログラムを起動します。
    redhat

16.3.2. 設定済み DASD を使用する

準備済みの DASD から起動して、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する zipl ブートメニューのエントリーを選択します。以下の形式のコマンドを使用します。
cp ipl DASD_device_number loadparm boot_entry_number
DASD_device_number は起動デバイスのデバイス番号になります。boot_entry_number にはこのデバイスの zipl 設定メニューを入れます。以下に例を示します。
cp ipl eb1c loadparm 0

16.3.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクを使用する

次の手順にしたがって設定済み FCP 接続の SCSI ディスクから起動します。
  1. FCP ストレージエリアネットワーク内に準備した SCSI ディスクにアクセスできるよう z/VM の SCSI ブートローダーを設定します。Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照している設定済み zipl ブートメニューのエントリーを選択します。以下の形式のコマンドを使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun LUN bootprog boot_entry_number
    WWPN にはストレージシステムの WWPN (World Wide Port Name) を入れます。LUN にはディスクの論理ユニット番号 (LUN) を入れます。16 進数は 8 桁ずつ 2 組のペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 50050763 050b073d lun 40204011 00000000 bootprog 0
  2. 次のコマンドを使うとオプションで設定の確認ができます。
    query loaddev
  3. 以下のコマンドを使用して、ディスクが含まれたストレージシステムに接続している FCP デバイスを起動します。
    cp ipl FCP_device 
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

16.3.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブを使用する

SCSI DVD ドライブを FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを System z の FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定して z/VM 環境で使用できるようにしておきます。
  1. System z 用の Red Hat Enterprise Linux DVD を DVD ドライブに挿入します。
  2. FCP ストレージエリアネットワーク内にある DVD ドライブにアクセスできるよう z/VM の SCSI ブートローダーを設定し、System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD の起動エントリー 1 を指定します。以下の形式のコマンドを使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun FCP_LUN bootprog 1
    WWPN は FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN になります。FCP_LUN は DVD ドライブの LUN を入れます。16 進数は 8 桁ずつ 2 組のペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 20010060 eb1c0103 lun 00010000 00000000 bootprog 1
  3. 次のコマンドを使うとオプションで設定の確認ができます。
    cp query loaddev
  4. FCP-to-SCSI ブリッジに接続されている FCP デバイス上で起動 (IPL) します。
    cp ipl FCP_device
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

16.4. LPAR にインストールする

LPAR (論理パーティション) 内にインストールする場合は以下から起動することができます。
  • FTP サーバー
  • DASD または FCP 接続の SCSI ドライブ (zipl ブートローダーを設定済み )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
上記に共通する手順をまず実行します。
  1. LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールするために十分な権限を持つユーザーとして、IBM System z の HMC (ハードウェア管理コンソール) または SE (サポートエレメント) にログインします。SYSPROG ユーザーが推奨ユーザーになります。
  2. イメージ を選択し、インストール先となる LPAR を選択します。右側にあるフレーム内の矢印を使って CPC Recovery (CPC リカバリー) メニューに進みます。
  3. Operating System Messages (オペレーティングシステムのメッセージ) をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
インストールソースに応じて、次のいずれかの手順に進んでください。

注記

ここまでの手順を完了して、インストールソースに従って以下のいずれかの手順を終わらせると、インストールが開始されます。インストーラーは追加の起動パラメーターを入力するようプロンプト表示します。必要なパラメーターは 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 に記載されています。

16.4.1. FTP サーバーを使用する

  1. Load from CD-ROM, DVD, or Server (CD-ROM、DVD、またはサーバーからロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスで、FTP Source (FTP ソース) を選択し、以下の情報を入力します。
    • Host Computer (ホストコンピューター) - インストール元となる FTP サーバーのホスト名または IP アドレスです (例: ftp.redhat.com)。
    • User ID (ユーザー ID) - FTP サーバー上のユーザー名、または anonymous (匿名)を指定します。
    • Password (パスワード) - 上記ユーザーのパスワードです。anonymous (匿名)でログインしている場合は電子メールアドレスを使用します。
    • Account (optional) (アカウント (オプション)) - このフィールドは空のままにしておきます。
    • File location (optional) (ファイルの場所 (オプション)) - System z 向けの Red Hat Enterprise Linux が置かれている FTP サーバーのディレクトリーです (例: /rhel/s390x/)。
  3. Continue (続行) をクリックします。
  4. 次に表示されるダイアログボックスでは、generic.ins のデフォルト選択はそのままにして、Continue (続行) をクリックします。

16.4.2. 設定済み DASD を使用する

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)Normal (通常) を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には DASD のデバイス番号を入力します。
  4. Load parameter (ロードパラメーター) には、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl ブートメニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  5. OK ボタンをクリックします。

16.4.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクを使用する

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)SCSI を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には、SCSI ディスクに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  4. World wide port name には、ディスクを含むストレージシステムの WWPN の 16 進数を入力します。
  5. Logical unit number (論理ユニット番号) には、ディスクの LUN の 16 進数を入力します。
  6. Boot program selector (ブートプログラムセレクター) には、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl ブートメニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  7. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  8. OK ボタンをクリックします。

16.4.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブを使用する

SCSI DVD ドライブ を FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを System z マシンの FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定し、LPAR で使用できるようにしておきます。
  1. System z 用の Red Hat Enterprise Linux DVD を DVD ドライブに挿入します。
  2. Load (ロード) をダブルクリックします。
  3. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)SCSI を選択します。
  4. Load address (ロードアドレス)には、FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  5. World wide port name には、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN の 16 進数を入力します。
  6. Logical unit number (論理ユニット番号) には、DVD ドライブの LUN の 16 進数を入力します。
  7. Boot program selector (ブートプログラムセレクター) には、数字 1 を入力し、System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD 上のブートエントリーを選択します。
  8. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  9. OK ボタンをクリックします。

第17章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。IBM System z では、別のシステムから VNC プロトコルによってグラフィカルインターフェースにアクセスできます。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用できますが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
グラフィカルインターフェースで VNC モードが使用できない場合は、キックスタートを使った自動インストールを検討してください。キックスタートについての情報は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

17.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

17.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題解決に役立ちますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

17.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境からほかに移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表17.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカットコンテンツ
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表18.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、18章IBM System z でのインストールに関するトラブルシューティング を参照してください。

17.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

17.3. 非対話形式のラインモードでのインストール

inst.cmdline オプションがパラメーターファイル (「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」 を参照) で起動オプションとして指定されている、もしくは cmdline オプションがキックスタートファイル (26章キックスタートを使ったインストール を参照) で指定されている場合、Anaconda は非対話形式のテキストラインモードで開始します。このモードでは、キックスタートファイル内で必要な情報すべてが提供されている必要があります。インストールプログラムはユーザー介入を許可せず、必要なコマンドが欠如している場合は停止します。

17.4. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法 (自動キックスタートインストールや VNC によるグラフィカルユーザーインタフェースの使用など) を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。
テキストモードでのインストール

図17.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、パラメーターファイル (generic.prm) で inst.text ブートオプションを使用してインストールを起動します。パラメーターファイルについては、20章 IBM System z でのパラメーターと設定ファイル を参照してください。

17.5. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要 画面

図17.2 インストールの概要 画面

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
また、キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを制御することもできます。以下の表では、利用可能なショートカットを示しています。

表17.2 グラフィカルインストーラーでのキーボードショートカット

ショートカットキー使用方法
Tab または Shift+Tab表示画面上でのアクティブな要素(ボタン、チェックボックスなど) を移動します。
Up または Downリストをスクロールします。
Left または Rightツールバーとテーブルエントリーを左右にスクロールします。
Space または Enter選択肢からハイライト表示したアイテムを選択または削除し、ドロップダウンメニューを展開、折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

17.6. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図17.3 言語設定

続行 ボタンをクリックすると、サポート対象外のハードウェアのダイアログが表示される場合があります。カーネルが対応していないハードウェアを使用している場合に、この可能性があります。

17.7. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図17.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。 「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

関連するバックグラウンドタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなることがあります。

17.8. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図上もしくはドロップダウンメニューにない場合は、同じタイムゾーン内で最も近い都市を選んでください。

注記

表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat ではこのデータベースへ都市や地域を追加することはできません。詳細については公式 web サイトをご覧ください (http://www.iana.org/time-zones)。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンを指定してください。
タイムゾーン設定画面

図17.5 タイムゾーン設定画面

ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux で使用する NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

17.9. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールしたい追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。
言語サポートの設定

図17.6 言語サポートの設定

選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

17.10. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。
キーボードの設定

図17.7 キーボードの設定

新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。一覧のチェックボックスを選択して、キーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。

重要

ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、Red Hat では 英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことを推奨しています。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これが原因でインストールが完了できない可能性もあります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

17.11. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効になっていると、この機能の提供に必要なパッケージが自動でインストールされます。ただし、デフォルトでは強制されるポリシーがなく、具体的に設定しないとインストール中およびそれ以降にチェックは実行されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide が提供するものです。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。
セキュリティーポリシー選択画面

図17.8 セキュリティーポリシー選択画面

システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択肢、プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前になされるかどうかが表示されます。

注記

デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を適用しません。ただし、下記の通りにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択したら、または画面を離れるには、左上にある 完了 をクリックして 「インストールの概要画面」 に戻ります。

17.12. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。
インストールソースの画面

図17.9 インストールソースの画面

以下のオプションのいずれかを選択します。
ISO ファイル
パーティションが設定されマウント可能なファイルシステムを持っているハードドライブがインストールプログラムによって検出されるとこのオプションが表示されます。このオプションを選択してから、ISO を選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワークの場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記の選択肢をネットワークの場所の URL の開始部分として使用し、残りのアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定する別のボックスが表示されます。

重要

NFS ベースのインストールソースを選択する際には、ホスト名をコロン (":") でパスから区切ったアドレスを指定する必要があります。例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は 「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、削除するには - ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

17.13. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムが自動で検出するため、手動による追加や削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワークとホスト名の設定画面

図17.10 ネットワークとホスト名の設定画面

接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname という形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) か、hostname という形式の 短縮ホスト名 のどちらかになります。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。

重要

ホスト名を手動で割り当てる場合は、ご自分に割り当てられていないドメイン名を使用しないように注意してください。これを行うと、ネットワークリソースが利用できなくなる場合があります。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド で推奨している命名方法の実践例を参照してください。
デフォルト設定の localhost.localdomain を、使用する各 Linux インスタントごとに一意のホスト名に変更します。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

17.13.1. ネットワーク接続の編集

System z のすべてのネットワーク接続は ネットワークとホスト名 画面に一覧表示されています。デフォルトでは、このリストには起動段階で設定された接続が含まれており、これは OSA、LCS、または HiperSockets のいずれかになります。これらのインターフェースタイプの名前はすべて、enccw0.0.0a00 のように enccwdevice_id の形式をとります。System z 上では、新規の接続を追加できないことに注意してください。これは、ネットワークサブチャネルを事前にグループ化し、オンラインで設定しておく必要があるためで、この作業は現在、起動段階でのみ実行されるためです。詳細は、16章IBM System z でのインストールの起動 を参照してください。
通常、起動段階で設定済みのネットワーク接続は、インストールの後の段階で修正する必要はありません。ただし、既存の接続を修正する必要がある場合は、設定 ボタンをクリックします。 NetworkManager ダイアログが表示され、以下で説明する有線接続に適したタブのセットが現れます。ここではシステム用のネットワーク接続設定ができますが、System z に関係するのはこの一部になります。
このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要がありません。また、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。ネットワーク設定についての詳細情報が必要な場合は、『ネットワークガイド』 を参照してください。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。
    ネットワーク自動接続機能

    図17.11 ネットワーク自動接続機能

  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。
    IP プロトコル設定

    図17.12 IP プロトコル設定

ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

17.13.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについての詳細な説明は本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。
ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • Bond - NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • Bridge - NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
  • チーム - NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN - それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
高度なネットワークインターフェースのダイアログ

図17.13 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

注記

ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

17.14. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。各環境は特定の目的で事前定義されているパッケージセットになります。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。
サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

図17.14 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用するインストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。

重要

事前に定義された環境やアドオンを使用するとシステムをカスタマイズできますが、手動でのインストールでは、インストールする個別パッケージを選択する方法はありません。どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小限のインストール 環境を選択することを推奨しています。最小限のインストール は、最小限の追加ソフトウェアをともなう基本的な Red Hat Enterprise Linux のみをインストールします。これにより、システムが脆弱性に影響される可能性を大幅に減らします。必要な場合は、インストール後に最初にログインした後、Yum パッケージマネージャーを使って追加ソフトウェアをインストールできます。最小限のインストール についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

17.14.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれています。
  • rsyslog サービスを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) による電子メール
  • NFS (Network File System) によるネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) によるリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) によるリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの一部の自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するよう Red Hat Enterprise Linux システムを設定することができます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

17.15. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。
ストレージ領域の概要

図17.15 ストレージ領域の概要

この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。これらのデバイスについては 「ストレージデバイス」 を参照してください。

警告

既知の問題により、HyperPAV エイリアスとして設定された DASD をインストール後に自動的にシステムにアタッチすることはできません。これらのストレージデバイスはインストール中にこの画面で利用可能となっていますが、インストール後に再起動すると、すぐにはアクセスできません。HyperPAV エイリアスデバイスをアタッチするには、システムの /etc/dasd.conf 設定ファイルに手動で追加します。手順については、「DASD をオンラインで永続的に設定する」 を参照してください。
システムのパーティション設定方法がよく分からない場合は、デフォルト選択になっている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンに印を付けたままにすると、インストールプログラムがパーティションを設定します。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法とボリュームの作成方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにクリーンインストールを実行する場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定が推奨されます。自動パーティション設定を行う場合は、デフォルトで選択されている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンにチェックを入れたままにすると、インストールプログラムが必要なパーティションとボリュームをストレージに自動作成します。
    自動でのパーティション設定の場合、追加の空き領域を利用できるようにしたい のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。 完了 をクリックすると、ダイアログが表示されます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨パーティション設定を使用したインストールの完了にはストレージ領域が足りない場合、以下のダイアログが表示されます。
    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    図17.16 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    Red Hat Enterprise Linux software selection のリンクをクリックすると、Software selection セクションに移動します。ここではインストールするソフトウェアを変更して、ストレージ領域をある程度解放することができます。
    別の方法では、取り消してディスクを追加する をクリックして、インストール先 画面に戻ります。ここでは、ストレージデバイスの追加、もしくは手動でのパーティション設定が可能です。既存のファイルシステムからストレージ領域の一部を解放する場合は 領域を確保する をクリックします。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    十分な領域を確保できないと、別のダイアログが表示されます。この場合は、当初のストレージ画面でディスクを追加するか、インストールを中止することになります。
    手動による設定を行うため、パーティション構成を行いたい のラジオボタンを選択した場合は、完了 をクリックすると 手動パーティション設定 の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • 暗号化 セクションで データを暗号化する のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化することができます。暗号化についての詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

重要

マルチパスのストレージデバイスとマルチパスではないストレージデバイス両方が接続されたシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトでマルチパスのデバイスとマルチパスではないデバイスが混在したボリュームグループが作成されてしまう可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。
マルチパスのデバイスもしくはマルチパスではないデバイスのいずれか一方のみを インストール先 画面で選択することをお勧めします。別の方法としては、手動のパーティション設定に進む方法があります。

17.15.1. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

図17.17 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
キックスタートを使用したインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

17.15.2. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。

警告

パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。
既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

図17.18 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

Red Hat Enterprise Linux で検出された既存のファイルシステムが各ディスクの一部として一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • 維持 - ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • 削除 - ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • 縮小 - ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • すべて削除/すべて保存 - 右側にある「すべて削除」のボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられ、同時にボタンのラベルが「すべて保存」に変わります。「すべて保存」ボタンを再度クリックすると、全ファイルシステムに再び保存のマークが付けられます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると 領域を確保する のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

17.15.3. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、パーティション構成を行いたい のオプションを選択してインストール先を 完了 すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで Red Hat Enterprise Linux をインストールするファイルシステムを指定します。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
手動パーティション設定の画面

図17.19 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。

注記

各ディスクパーティションの詳細および推奨値については、付録A ディスクパーティションの概要 および 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。少なくとも、適切なサイズの root パーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。
どのデバイスが /boot に関連付けられているか注意してください。カーネルファイルとブートローダーセクターは、このデバイスに関連付けられます。最初の DASD または SCSI LUN が使用され、そのデバイス番号がインストール後のシステムを再度 IPL ブートする時に使用されます。

17.15.3.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux のインストールで必要なパーティションは最小 1 つですが、Red Hat では少なくとも 4 つのパーティションを使用することを推奨しています (//home/boot および swap)。必要に応じて、他のパーティションやボリュームを作成することもできます。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

注記

(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに関する特定の要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、インストールプログラムで必要なファイルシステムとそれらのマウントポイントを作成したい場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから希望するパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linuxのデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成され、/boot パーティション、/ (root) ボリューム、swap ボリュームがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのファイルシステムが一般的なインストールで推奨されるファイルシステムになります。ただし、必要に応じてファイルシステムとマウントポイントを追加することもできます。
また、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成すると、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (root パーティションに / 、boot パーティションに /boot など)。次にファイルシステムのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (たとえば、2GiBと入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空領域がすべて使用されることになります。詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。

注記

領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。デバイスを選択して (複数可) 選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。
マウントポイントの設定

図17.20 マウントポイントの設定

全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。
ディスクの再スキャン

図17.21 ディスクの再スキャン

画面下部には、インストール先 で選択したストレージデバイス数を表すリンクがあります (「インストール先」 を参照) 。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。ここでディスク情報を確認することができます。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。
パーティションのカスタマイズ

図17.22 パーティションのカスタマイズ

  • マウントポイント - ファイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、このファイルシステムを root ファイルシステムにする場合は、/ と入力します。/boot ファイルシステムにする場合は、/boot と入力します。swap ファイルシステムにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで十分です。
  • 割り当てる容量 - ファイルシステムに割り当てる容量を入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
  • デバイスタイプ - 標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニングRAIDのいずれかを選択します。パーティションやボリュームを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID レベル の設定も可能になります。同様に、LVM を選択すると、ボリュームグループ を指定できるようになります。
  • ファイルシステム - ドロップダウンメニューでこのパーティションまたはボリュームに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションやボリュームは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル - パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前 - LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが現れ、パーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ変更、削除などが表示されます。すべての変更を見直します。前に戻る場合は 取り消して手動パーティション設定に戻る をクリックします。変更を適用する場合は、変更を適用する をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。

重要

/usr または /var のパーティションを root ボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置しまった場合には、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりシステムが起動できなくなったりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
17.15.3.1.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプやファイルシステムを作成することができます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション - 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM) - LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームの作成方法については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
  • LVM シンプロビジョニング - シンプロビジョニングを使用すると、空き領域のストレージプール (シンプールと呼ばれる) を管理できるようになります。アプリケーションのニーズに応じてこの空き領域を任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは必要に応じて動的に拡張することができるため、ストレージ領域の費用対効果が高い割り当てを行うことができます。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。

    注記

    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用にリクエストした領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に保留します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • ソフトウェア RAID - 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスの作成方法については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • xfs - XFS はスケーラビリティーに優れた高いパフォーマンス性を有するファイルシステムです。最大 16 EiBのファイルシステム (約 160 億 GiB)、最大 8 EiB のファイル (約 80 億 GiB) および数千万のエントリーを格納するディレクトリー構造に対応します。クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。強く推奨されるファイルシステムであり、デフォルトではこのファイルシステムが選択されます。これまで ext4 ファイルシステムで使用していた一般的なコマンドを XFS で使用する場合の対処方法については 付録E ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    Red Hat Enterprise Linux の XFS ファイルシステムで現在対応可能な最大サイズは 500 TiB になります。
  • ext4 - ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、より大きなファイルに対応するようになり、またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。1 ディレクトリー内でのサブディレクトリー数に制限がなく、ファイルシステムのチェックが高速化、またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。
    Red Hat Enterprise Linux の ext4 ファイルシステムで対応できる最大サイズは現在 50 TiB になります。
  • ext3 - ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 - ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat - VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap - Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 」のページをご覧ください。(https://access.redhat.com/ja/articles/1271503)

17.15.3.2. ソフトウェア RAID の作成

注記

System z では、ストレージのサブシステムで RAID が透過的に使用されるため、ソフトウェア RAID を設定する必要はありません。
RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成し、組み合わせによってパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成はワンステップで行えます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。
ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

図17.23 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムタイプ」 を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 - パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 - 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4 - エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散させますが、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納します。これにより、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報は 1 ディスクに格納されるため、このディスクへのアクセスによりアレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5 - 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6 - 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 - パフォーマンス (ストライプ)、 冗長化 (ミラーリング)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

17.15.3.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は 付録C LVM の理解 または 『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』のガイドを参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。

重要

テキストモードによるインストールの場合は LVM 設定はできません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
論理ボリュームの設定

図17.24 論理ボリュームの設定

論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがい LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。

    注記

    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成したい場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。
    LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    図17.25 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    選択できる RAID レベルは実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループ内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。ほとんどのデータを LVM に保存する予定のため、後日、既存の論理ボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループ内に別の論理ボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

警告

LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

17.16. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
この画面の ローカルの標準ディスク のセクションには、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど、ローカルのシステムに直接接続されている基本ストレージデバイスが表示されます。System z の場合、作動している DASD (Direct Access Storage Devices) が表示されます。

警告

既知の問題により、HyperPAV エイリアスとして設定された DASD をインストール後に自動的にシステムにアタッチすることはできません。これらのストレージデバイスはインストール中にこの画面で利用可能となっていますが、インストール後に再起動すると、すぐにはアクセスできません。HyperPAV エイリアスデバイスをアタッチするには、システムの /etc/dasd.conf 設定ファイルに手動で追加します。手順については、「DASD をオンラインで永続的に設定する」 を参照してください。
ストレージ領域の概要

図17.26 ストレージ領域の概要

17.16.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。

重要

インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
単独パスで接続の FCP LUN など、SAN (Storage Area Network) で利用できる他のデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されたストレージデバイスです。このタブは、System z では該当しません。
System z デバイス
このタブには、zSeries Linux FCP (ファイバーチャネルプロトコル) ドライバーで接続された ストレージデバイスもしくは LUN (論理ユニット) が含まれています。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図17.27 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • Add ZFCP LUN - zFCP ストレージデバイスを追加する場合は、このボタンを押します。「FCP デバイス」 に進んでください。
  • Add DASD - 新たな DASD デバイスを追加する場合は、このボタンを押します。「DASD ストレージデバイス」 に進んでください。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図17.28 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

17.16.1.1. DASD の低レベルフォーマット

DASD へのインストールの場合は、Compatible Disk Layout (CDL) フォーマットでの低レベルフォーマットが推奨されます。ただし、CMS フォーマットの FBA DASD を使用することもできます。インストール先 画面で DASD を選択して 完了 をクリックすると、インストールプログラムが未フォーマットまたは互換性のないフォーマット済みのディスクを検出し、以下のダイアログが表示されます。
DASD デバイスフォーマットのダイアログ

図17.29 DASD デバイスフォーマットのダイアログ

このダイアログでは、キャンセル をクリックして インストール先 画面に戻り、ディスク選択を編集することができます。選択が正しければ、 dasdfmt でフォーマットする ボタンをクリックして、すべての未フォーマット DASD 上で dasdfmt ユーティリティーを開始します。
フォーマットプロセスが完了したら、OK ボタンをクリックして インストール先 画面に戻ります。すると、DASD リストが更新されています。この後にインストール用のディスクを再度選択して、進みます。
未フォーマットのオンライン DASD の低レベルフォーマットを自動的に許可するには、キックスタートコマンド zerombr を指定します。詳細は、zerombr (オプション) を参照してください。
FBA DASD CMS ディスクレイアウトをターゲットとして IBM System z に Red Hat Enterprise Linux をインストールする際には、3 つのパーティションしか許可されません。インストーラーは最初に msdos パーティションテーブルをターゲットの DASD に作成します。このテーブルでは、1 つの DASD デバイスに 3 つのパーティションしか許可されません。パーティションは手動で作成するか、autopart --nohome のキックスタートオプションを使用します。このオプションを使用すると、別の /home/ パーティションが作成されないようにします。home ディレクトリーがないことで、パーティションの数が 3 つに保たれます。

17.16.1.2. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックして、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは zFCP (zSeries Fibre Channel Protocol) LUN (論理ユニット) を設定します。iSCSI の導入については、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図17.30 高度なストレージオプション

17.16.1.2.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図17.31 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順17.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図17.32 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
17.16.1.2.2. DASD ストレージデバイス
インストール先 画面の DASD を追加 ボタンをクリックすると、DASD (ダイレクトアクセスストレージデバイス) を追加するためのダイアログが表示されます。このダイアログでは、インストール開始時には検出されなかった新たな DASD をアタッチすることができます。
DASD ストレージターゲットの追加

図17.33 DASD ストレージターゲットの追加

Add DASD Storage Target ダイアログでは、0.0.0204 といったデバイス番号を指定するよう求められます。アタッチする DASD のデバイス番号を入力し、探索を開始 ボタンをクリックします。
指定されたデバイス番号の DASD が見つかり、これがアタッチされていない場合は、ダイアログウィンドウが閉じて発見されたドライブが 「ストレージデバイス選択の画面」 のドライブ一覧に表示されるようになります。ここでは、画面左側にあるチェックボックスを使用してどのドライブを利用可能にするか選択します。これを実行したら、左上の 完了 ボタンを押して 「インストール先」 に戻ります。これで新たな DASD が画面の ローカルの標準ディスク セクションで選択可能となります (DASD device 0.0.xxxx とマークされます)。
無効なデバイス番号を入力した場合、または 指定したデバイス番号の DASD が既にシステムにアタッチされている場合は、ダイアログウィンドウないにエラーメッセージが表示され、その理由が説明され、別のデバイス番号で再試行するよう求められます。
17.16.1.2.3. FCP デバイス
ZFCP LUN を追加 ボタンをクリックすると、FCP (Fibre Channel Protocol) ストレージデバイスのダイアログが表示されます。
FCP デバイスは、IBM System z が DASD デバイスの代わりに、または DASD デバイスに加えて、SCSI デバイスを使用できるようにするものです。FCP デバイスは交換ファブリックスイッチを提供し、これにより System z システムが SCSI LUN を従来の DASD デバイスとして用いる使い方に加えて、ディスクデバイスとして使えるようにします。
IBM System z では、インストールプログラムが FCP LUN をアクティベートするために、いずれの FCP デバイスも手動で入力される必要があります。これは、Anaconda で対話形式で行うか、パラメーターもしくは CMS 設定ファイル内で一意のパラメーターエントリーとして指定することで可能になります。ここで入力される値は、セットアップされるそれぞれの場所に固有のものとなります。

注記

  • FCP デバイスの対話形式による作成は、グラフィカルモードでのみ可能であるため、テキストモードのインストールでは対話形式での FCP デバイス設定はできません。
  • 十六進法で小文字のみ使用してください。間違った値を入力して 探索を開始 ボタンを押すと、インストールプログラムが警告を表示して、設定情報の編集と探索の再試行ができます。
  • これらの値については、ハードウェアに添付のドキュメントを参照し、このシステムのネットワークを設定したシステム管理者に確認してください。
FCP SCSI デバイスを設定するには、16 ビットのデバイス番号、64 ビットの World Wide Port Number (WWPN)、および、64 ビットの FCP LUN の識別子を入力します。探索を開始 ボタンをクリックし、この情報を使用した FCP デバイスへ 接続します。
FCP デバイスの追加

図17.34 FCP デバイスの追加

新たに追加されたデバイスは、インストール先画面の System z Devices のタブに表示されます。

重要

SCSI のみのインストールでは DASD がないことを示すために、DASD= をパラメーターもしくは CMS 設定ファイルから削除してください。
17.16.1.2.4. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図17.35 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

17.17. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。
Kdump の有効化と設定

図17.36 Kdump の有効化と設定

17.18. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。
インストールの準備完了

図17.37 インストールの準備完了

警告

インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。インストールの開始 をクリックすると、インストールプログラムによりハードドライブでの領域割り当てが行われ、その領域への Red Hat Enterprise Linux の転送が開始されます。選択したパーティション設定オプションに応じて、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに指定してきた選択を訂正する場合は、インストールの概要 画面から該当セクションに戻って訂正します。インストールを完全に取り消したい場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

17.19. 設定のメニューと進捗状況の画面

インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックすると、進捗画面が表示されます。画面ではシステムへのパッケージの書き込み状況に合わせて進捗が表示されます。
パッケージのインストール

図17.38 パッケージのインストール

インストール関連の全ログは、システムの再起動後に /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log ファイルで確認できます。
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。
暗号用のエントロピーの収集

図17.39 暗号用のエントロピーの収集

パッケージのインストール中、インストール進捗バーの上にある Root パスワード メニューと ユーザーの作成 メニューでそれぞれ設定する必要があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。詳細については、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

17.19.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
Root パスワード画面

図17.40 Root パスワード画面

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では安全のため入力した文字はすべてアスタリスクで表示されます。確認 フィールドに同じパスワードを入力して設定が正しいことを確認します。root パスワードを設定したら 完了 をクリックしてユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)

注記

インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用した root パスワードの設定方法を参照してください。

17.19.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。
ユーザーアカウント設定画面

図17.41 ユーザーアカウント設定画面

各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は 「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。
高度なユーザー設定

図17.42 高度なユーザー設定

デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。

注記

通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲は将来広がって、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
キックスタートを使用してカスタム ID を持つユーザーを作成する方法については、user (オプション) を参照してください。
選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにするには、インストール後に UID と GID の下限を変更します。これについての詳細は、『システム管理のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章 を参照してください。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

17.20. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
インストールプログラムがシステム再起動の準備を求めるプロンプトが表示されます。
インストールプログラムにより、インストールが完了したシステムが自動的に再起動されます。
再起動されない場合、起動するデバイスの情報が表示されます。シャットダウンのオプションを選択してシャットダウンしてから、Red Hat Enterprise Linux の /boot パーティションがインストールされている DASD または SCSI LUN から起動 (IPL) します。

17.20.1. z/VM 環境での起動 (IPL)

DASD から起動 (IPL)するには、3270 コンソール上の DASD デバイスなどを使用し、次のコマンドを実行します。
#cp i 200
自動パーティション設定が行われ (全パーティションのデータを消去) DASD しかない環境では、通常、最初に作動させる DASD に /boot パーティションが配置されます。
FCP LUN にある /boot を使用する場合は、起動 (IPL) する FCP 接続のデバイスの WWPN と LUN を与える必要があります。
FCP 接続のデバイスから起動 (IPL) するには、以下を実行します。
  1. FCP 接続のデバイスに FCP ルーティング情報を与えます。例えば、 WWPN が 0x50050763050B073D、FCP LUN が 0x4020400100000000 がとします。
    #cp set loaddev portname 50050763 050B073D lun 40204001 00000000
  2. FC00 など、FCP アダプターを起動 (IPL) します。
    #cp ipl FC00

注記

仮想マシンで稼働中の Linux を停止することなく、3270 端末を切断するには、#cp logoff ではなく #cp disconnect を使用します。通常のログイン手順で仮想マシンを再接続すると、CP コンソール関数モード (CP READ) にセットされる場合があります。この場合、仮想マシン上で実行を再開するには BEGIN コマンドを入力します。

17.20.2. LPAR 上での起動 (IPL)

LPAR ベースのインストールの場合、HMC で LPAR に対して読み込みのコマンドを実行します。/boot パーティションが 配置されている FCP LUN および WWPN、FCP アダプターまたは特定の DASD を指定します。

17.20.3. 再起動後のプロセス

インストールが完了した Red Hat Enterprise Linux OS の自動再起動、または手動での起動 (IPL) を行うと、 ssh でシステムにログインできるようになります。root でログインできるのは、3270 端末または /etc/securetty に記載されている端末デバイスに限られることに注意してください。
初めて Red Hat Enterprise Linux システムをグラフィカル環境で起動すると、初期設定 を使って Red Hat Enterprise Linux の設定ができます。初期設定 で最初に環境を設定しておくことで、Red Hat Enterprise Linux システムをすぐに使い始めることができるようになります。
設定のプロセスについては 29章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。

第18章 IBM System z でのインストールに関するトラブルシューティング

本章では、よく見られるインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda ではデバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表18.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル内容
/tmp/anaconda.logAnaconda の全般メッセージ
/tmp/program.logインストール中に実行されたすべての外部プログラム
/tmp/storage.logストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.logyum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslogハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールに失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all または inst.nosave=logs オプションを使用した場合は、これらのログはインストールプログラムの RAM ディスクにしか存在しないことになります。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。

注記

以下の手順では、インストールを実行しているシステムがネットワークにアクセス可能であり、また転送先となるシステムが ssh プロトコルでファイルを受け取ることができる必要があります。。

手順18.1 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムでシェルプロンプトにアクセスします。次の手順で行います。
    • 実行中の tmux セッションで root シェルの端末を探します。Ctrl+b pCtrl+b n を使って前後の端末への切り替えを行います。
    • ssh でインストールしているシステムに接続します。
    いずれの場合も、インストールしているシステムのシェルを root として使用することができます。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、 192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、 /home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    転送先のシステムに初めて接続する際には、SSH クライアントは、リモートシステムのフィンガープリントが正しいか、また続行するかを尋ねます。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトにしたがいパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが永久的に転送先システムに保存され、後で確認できるようになりました。

18.1. インストール中の問題

18.1.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは通常、DASD (Direct Access Storage Device) デバイスに問題があることを示します。このエラーに遭遇した場合、パラメーターファイルか CMS 設定ファイルに DASD=<disks> パラメーターを追加します (disks は、インストール用に確保しておく DASD の範囲)。その後、インストールを再開します。
さらに、CMS を使用して DASD をフォーマットするのではなく、Linux ルートシェル内で dasdfmt コマンドを使用して DASD をフォーマットするようにします。Anaconda は、未フォーマットの DASD デバイスを自動的に検出し、このデバイスをフォーマットするかを尋ねます。
1 つ以上の iSCSI デバイスにインストールを実行していて、システム上にローカルストレージがない場合、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) が適切な HBA (ホストバスアダプター) に示されていることを確認してください。iSCSI についての詳細情報は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。

18.1.2. トレースバックメッセージを報告する

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、遭遇した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図18.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグの方法を十分理解している場合は、デバッグ (Debug) をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。
クラッシュレポートのダイアログを展開した例

図18.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

カスタマーポータルにバグを報告する場合は、次の手順にしたがってください。

手順18.2 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。
    カスタマーポータル認証情報

    図18.3 カスタマーポータル認証情報

  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。
    Red Hat カスタマーサポートの設定

    図18.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのとき得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。
    問題の詳細を入力する

    図18.5 問題の詳細を入力する

  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。
    送信データの再確認

    図18.6 送信データの再確認

  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の発見に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。
    送信ファイルの再確認

    図18.7 送信ファイルの再確認

  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示することができます。Close (閉じる) をクリックすると、最初のクラッシュリポートのダイアログボックスに戻ります。そのダイアログボックスで 終了 (Quit) をクリックするとインストールが終了します。

18.1.3. プレインストールログファイルの作成

インストール問題をデバッグするには、インストール前に inst.debug オプションを設定して環境からログファイルを作成することができます。これらのログファイルには、たとえば、現行のストレージ設定などが含まれます。
Red Hat Enterprise Linux インストールのブートメニューでこのオプションを設定するには、以下の手順を実行します。
  1. Install Red Hat Enterprise Linux 7.3 エントリーを選択します。
  2. Tab キーを押して、ブートオプションを編集します。
  3. オプションに inst.debug を追記します。例を示します。
    > vmlinuz ... inst.debug
    詳細情報は、22章起動オプション を参照してください。
  4. Enter を押してセットアップを開始します。
システムは Anaconda が開始する前に、プレインストールのログファイルを /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに保存します。このログファイルにアクセスするには、以下を実行します。
  1. コンソールに切り替えます。「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
  2. /tmp/pre-anaconda-logs/ ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp/pre-anaconda-logs/

18.2. インストール後の問題

18.2.1. リモートグラフィカルデスクトップと XDMCP

X Window System がインストールしてあり、グラフィカルログインマネージャーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムにログインする場合、XDMCP (X Display Manager Control Protocol) を有効にします。このプロトコルにより、ユーザーはネットワーク接続したワークステーションや X11 ターミナルなどの X 互換クライアントからデスクトップ環境にリモートでログインできるようになります。以下の手順にしたがうと、XDMCP を有効にできます。

手順18.3 IBM System z 上で XDMCP を有効にする

  1. vinano などのプレーンテキストエディターで /etc/gdm/custom.conf 設定ファイルを開きます。
  2. custom.conf ファイルで、[xdmcp] で始まるセクションを見つけます。このセクションに、以下の行を追加します。
    Enable=true
  3. ファイルを保存して、テキストエディターを終了します。
  4. X Window System を再起動します。これは、システム全体を再起動するか、root として以下のコマンドを使って GNOME Display Manager を再起動することで行います。
    # systemctl restart gdm.service
    再度ログインプロンプトが表示されるのを待ち、通常のユーザー名とパスワードを使ってログインします。
これで System z サーバーが XDMCP 用に設定されました。別のワークステーション上 (クライアント) で X コマンドを使って X セッションを開始すると、このクライアントワークステーションからサーバーに接続することができます。
$ X :1 -query address
address をリモート X11 サーバーのホスト名で置き換えます。このコマンドは XDMCP を使ってリモート X11 サーバーに接続し、X11 サーバーシステムのディスプレイ :1 にリモートのグラフィカルログイン画面を表示します (通常、Ctrl-Alt-F8 を押してアクセス可能)。
nested X11 サーバーを使用してリモートデスクトップセッションにアクセスすることもできます。この方法では、リモートデスクトップを現在の X11 セッションのウィンドウとして開きます。Xnest を使うと、ユーザーはローカルの X11 セッション内にネストされたリモートデスクトップを開くことができます。たとえば、address をリモート X11 サーバーのホスト名に置き換えて、以下のコマンドで Xnest を実行します。
$ Xnest :1 -query address
XDMCP に関する詳細情報は、X Window System のドキュメンテーションを http://www.x.org/releases/X11R7.6/doc/libXdmcp/xdmcp.html で参照してください。

18.2.2. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドのスコープ外となるため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントを参照してください。

第19章 IBM System z インスタンスでのインストール済み Linux の設定

System z 上の Linux に関する詳細情報は、21章IBM System z に関する参考文献 に一覧表示されている出版物を参照してください。一般的なタスクの一部がここで説明されています。

19.1. DASD の追加

DASD (ダイレクトアクセスストレージデバイス) は、IBM System z で一般的に使用されるタイプのストレージです。このストレージデバイスの使用方法については、IBM Knowledge Center の http://www-01.ibm.com/support/knowledgecenter/linuxonibm/com.ibm.linux.z.lgdd/lgdd_t_dasd_wrk.html を参照してください。
DASD をオンラインでセットしてフォーマットし、変更を永続化する方法の例を以下に示します。

注記

z/VM 環境下で実行する場合は、デバイスが Linux システムに接続またはリンクされていることを確認してください。
CP ATTACH EB1C TO *
アクセス可能なミニディスクをリンクするには、以下のようなコマンドを実行します。
CP LINK RHEL7X 4B2E 4B2E MR
DASD 4B2E LINKED R/W
上記のコマンドについての詳細は 『z/VM: CP Commands and Utilities Reference, SC24-6175』 を参照してください。

19.1.1. DASD の動的なオンライン設定

DASD をオンラインで設定するには、次の手順にしたがいます。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して DASD を無視されるデバイスの一覧から削除して、それを Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r device_number
    device_number は DASD のデバイス番号で置き換えます。例を示します。
    # cio_ignore -r 4b2e
  2. デバイスをオンラインで設定します。コマンドを以下の形式で使用します。
    # chccwdev -e device_number
    device_number は DASD のデバイス番号で置き換えます。例を示します。
    # chccwdev -e 4b2e
    別の方法では、sysfs 属性を使用してデバイスのオンライン設定が可能です。
    1. cd コマンドでそのボリュームを示す /sys/ ディレクトリーに移動します。
      # cd /sys/bus/ccw/drivers/dasd-eckd/0.0.4b2e/
      # ls -l
      total 0
      -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 availability
      -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 cmb_enable
      -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 cutype
      -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 detach_state
      -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 devtype
      -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 discipline
      -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 online
      -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 readonly
      -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 use_diag
    2. デバイスがすでにオンラインになっているか確認します。
      # cat online
      0
    3. オンラインでない場合、次のコマンドを実行してオンラインにします。
      # echo 1 > online
      # cat online
      1
  3. アクセスされているブロック devnode がどれか確認します。
    # ls -l
    total 0
    -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 availability
    lrwxrwxrwx  1 root root    0 Aug 25 17:07 block -> ../../../../block/dasdb
    -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 cmb_enable
    -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 cutype
    -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 detach_state
    -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 devtype
    -r--r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 discipline
    -rw-r--r--  1 root root    0 Aug 25 17:04 online
    -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 readonly
    -rw-r--r--  1 root root 4096 Aug 25 17:04 use_diag
    この例で示されているように、デバイス 4B2E は /dev/dasdb としてアクセスされています。
これらの手順により、現在のセッション用に DASD がオンラインで設定されますが、再起動後には永続性がありません。永続的に DASD をオンラインで設定する方法については、「DASD をオンラインで永続的に設定する」 を参照してください。DASD を使用して作業する場合、/dev/disk/by-path/ で永続性のあるデバイスのシンボリックリンクを使用します。ストレージデバイスを連続的に参照する別の方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド の永続的命名についての章を参照してください。

19.1.2. ローレベルフォーマットによる新規 DASD の準備

ディスクがオンラインになったら、/root ディレクトリーに戻り、このデバイスにローレベルフォーマットを施します。DASD の有効期間中に必要なローレベルフォーマットは、この 1 回のみです。
# cd /root
# dasdfmt -b 4096 -d cdl -p /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
Drive Geometry: 10017 Cylinders * 15 Heads =  150255 Tracks

I am going to format the device /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e in the following way:
Device number of device : 0x4b2e
Labelling device        : yes
Disk label              : VOL1
Disk identifier         : 0X4B2E
Extent start (trk no)   : 0
Extent end (trk no)     : 150254
Compatible Disk Layout  : yes
Blocksize               : 4096

--->> ATTENTION! <<---
All data of that device will be lost.
Type "yes" to continue, no will leave the disk untouched: yes
cyl    97 of  3338 |#----------------------------------------------|   2%
進渉バーが最後まで到達してフォーマットが完了したら、dasdfmt は以下の出力を表示します。
Rereading the partition table...
Exiting...
ここで、fdasd を使用して DASD にパーティションを設定します。DASD には最大 3 つの パーティションを作成できます。この例では、ディスク全体にまたがるパーティション 1 つを作成します。
# fdasd -a /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
auto-creating one partition for the whole disk...
writing volume label...
writing VTOC...
checking !
wrote NATIVE!
rereading partition table...
(低レベルのフォーマット化を行った) DASD をオンラインにすると、Linux 環境下の他のディスクと同様に使用することができます。たとえば、DASD のパーティション上にはファイルシステムや LVM 物理ボリューム、swap 領域などを作成することができます (例、/dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e-part1 )。dasdfmt コマンドおよび fdasd コマンド以外では、絶対に DASD デバイス全体 (dev/dasdb) を使用しないでください。DASD 全体を使用する場合は、上述の fdasd の例で示すようにドライブ全体にまたがるパーティションを 1 つ作成します。
たとえば /etc/fstab の既存のディスクエントリーの構成を壊さずに新しいディスクを後で追加するには、/dev/disk/by-path/ 配下で永続的なデバイスシンボリックリンクを使用します。

19.1.3. DASD をオンラインで永続的に設定する

上記の指示では、稼働中のシステム内で動的に DASD をアクティブにする方法を説明しています。しかし、そのような変更は永続的ではなく再起動後には維持されません。Linux システム内で DASD 設定の変更を永続的にするには、DASD が root ファイルシステムに属するかどうかによります。root ファイルシステムに必要なこれらの DASD は、ブートプロセス中に早期に initramfs でアクティベートして、root ファイルシステムをマウントできるようにする必要があります。
cio_ignore コマンドは永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるので、無視する一覧からデバイスを手動で解放する必要はありません。

19.1.3.1. root ファイルシステムの一部である DASD

root ファイルシステムの一部である DASD を追加するために修正すべき唯一のファイルは /etc/zipl.conf です。修正後に zipl ブートローダーツールを実行します。initramfs を再作成する必要はありません。
ブートプロセスの初期段階には、DASD をアクティベートする起動オプションである rd.dasd= があります。このオプションには、コンマ区切りの一覧を入力します。この一覧には、デバイスバス ID と、DASD sysfs 属性に相当するキー値ペアから構成されるオプションの追加パラメーターが含まれます。
以下に zipl.conf の例を示します。これは、LVM ボリュームグループ vg_devel1 向けの 2 つの DASD のパーティション上にある物理ボリュームを使用するシステム用で、この LVM ボリュームグループには root ファイルシステム用の lv_root が含まれています。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/

[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root rd.dasd=0.0.0200,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0 rd.dasd=0.0.0207,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0  rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev"
デバイスバス ID 0.0.202b を持つ 3 つ目の DASD のパーティション上に、もう 1 つの物理ボリュームを追加するとします。これを実行するには、rd_dasd=0.0.202bzipl.conf 内のブートカーネルのパラメーターに追加します。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/

[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root rd.dasd=0.0.0200,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0 rd.dasd=0.0.0207,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0 rd.dasd=0.0.202b  rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev"

警告

/etc/zipl.conf 内のカーネルコマンドラインの長さが 896 バイトを超えないようにしてください。これを超えてしまうとブートローダーの保存ができず、インストールに失敗します。
zipl を実行して次回の IPL 用に /etc/zipl.conf の変更を適用します。
# zipl -V
Using config file '/etc/zipl.conf'
Target device information
Device..........................: 5e:00
Partition.......................: 5e:01
Device name.....................: dasda
DASD device number..............: 0201
Type............................: disk partition
Disk layout.....................: ECKD/compatible disk layout
Geometry - heads................: 15
Geometry - sectors..............: 12
Geometry - cylinders............: 3308
Geometry - start................: 24
File system block size..........: 4096
Physical block size.............: 4096
Device size in physical blocks..: 595416
Building bootmap in '/boot/'
Building menu 'rh-automatic-menu'
Adding #1: IPL section 'linux' (default)
kernel image......: /boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
kernel parmline...: 'root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root rd.dasd=0.0.0200,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0 rd.dasd=0.0.0207,use_diag=0,readonly=0,erplog=0,failfast=0 rd.dasd=0.0.202b rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev'
initial ramdisk...: /boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
component address:
kernel image....: 0x00010000-0x00a70fff
parmline........: 0x00001000-0x00001fff
initial ramdisk.: 0x02000000-0x022d2fff
internal loader.: 0x0000a000-0x0000afff
Preparing boot device: dasda (0201).
Preparing boot menu
Interactive prompt......: enabled
Menu timeout............: 15 seconds
Default configuration...: 'linux'
Syncing disks...
Done.

19.1.3.2. root ファイルシステムの一部ではない DASD

root ファイルシステムの一部でない DASD、すなわち データディスク/etc/dasd.conf 内で永続的に設定されています。このファイルでは各行に 1 つの DASD が含まれています。各行は DASD のデバイスバス ID で始まります。オプションとして各行は、空白またはタブ文字区切りでオプションを続けられます。オプションは、キーと値がイコール記号 (=) で分けられたキー値ペアで構成されています。
このキーは、DASD にある可能性のある有効な sysfs 属性に対応しています。値はキーの sysfs 属性に書き込まれます。/etc/dasd.conf 内のエントリーは、DASD がシステムに追加された際にアクティベートされ設定されます。ブート時にはシステムから見えるすべての DASD が追加されて udev を開始します。
/etc/dasd.conf のコンテンツの例
0.0.0207
0.0.0200 use_diag=1 readonly=1
/etc/dasd.conf の変更は、システムの再起動後か、システムの I/O 設定を変更して新規の DASD を動的に追加 (つまり、DASD を z/VM 下で接続) した後でのみ反映されます。別の方法では、以下のコマンドを実行することで、アクティブではなかった DASD 用に /etc/dasd.conf 内の新規のエントリーをアクティベートできます。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して DASD を無視されるデバイスの一覧から削除して、それを Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r device_number
    例を示します。
    # cio_ignore -r 021a
  2. デバイスの uevent 属性を書き込むことでアクティベートします。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/device-bus-ID/uevent
    例を示します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.021a/uevent

19.2. FCP 接続の LUN (論理 ユニット) を追加する

FCP LUN の追加方法の例を以下に示します。

注記

z/VM 下で実行している場合は、FCP アダプターが z/VM ゲストの仮想マシンに接続されていることを確認してください。実稼働環境でのマルチパス設定には、2 つの異なる物理アダプター (CHPID) 上に少なくとも 2 つの FCP デバイスを配置することになります。
CP ATTACH FC00 TO *
CP ATTACH FCD0 TO *

19.2.1. FCP LUN を動的にアクティベートする

LUN をアクティベートするには以下の手順に従います。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して FCP アダプターを無視されるデバイスの一覧から削除し、それを Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r device_number
    device_number には FCP アダプターのデバイス番号を入れます。
  2. 以下のコマンドを使って FCP をオンラインにします。
    # chccwdev -e fc00
  3. zfcp デバイスドライバーの自動ポートスキャンで必要な WWPN が検出されたか確認します。
    # ls -l /sys/bus/ccw/drivers/zfcp/0.0.fc00/
    drwxr-xr-x.  3 root root    0 Apr 28 18:19 0x500507630040710b
    drwxr-xr-x.  3 root root    0 Apr 28 18:19 0x50050763050b073d
    drwxr-xr-x.  3 root root    0 Apr 28 18:19 0x500507630e060521
    drwxr-xr-x.  3 root root    0 Apr 28 18:19 0x500507630e860521
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 availability
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 card_version
    -rw-r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 cmb_enable
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 cutype
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 devtype
    lrwxrwxrwx.  1 root root    0 Apr 28 18:17 driver ->  ../../../../bus/ccw/drivers/zfcp
    -rw-r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 failed
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 hardware_version
    drwxr-xr-x. 35 root root    0 Apr 28 18:17 host0
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 in_recovery
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 lic_version
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 modalias
    -rw-r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 online
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 peer_d_id
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 peer_wwnn
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 peer_wwpn
    --w-------.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 port_remove
    --w-------.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 port_rescan
    drwxr-xr-x.  2 root root    0 Apr 28 18:19 power
    -r--r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:19 status
    lrwxrwxrwx.  1 root root    0 Apr 28 18:17 subsystem ->  ../../../../bus/ccw
    -rw-r--r--.  1 root root 4096 Apr 28 18:17 uevent
  4. LUN へのアクセスに使用するポート (WWPN) に FCP LUN を追加して FCP LUN をアクティベートします。
    # echo 0x4020400100000000 > /sys/bus/ccw/drivers/zfcp/0.0.fc00/0x50050763050b073d/unit_add
  5. 割り当て済みの SCSI デバイス名を見つけます。
    # lszfcp -DV
    /sys/devices/css0/0.0.0015/0.0.fc00/0x50050763050b073d/0x4020400100000000
    /sys/bus/ccw/drivers/zfcp/0.0.fc00/host0/rport-0:0-21/target0:0:21/0:0:21:1089355792

19.2.2. FCP LUN を永続的にアクティベートする

上記では、実行中のシステムで FCP LUN を動的にアクティベートする手順を説明しています。ただし、このような変更は永続的ではないため、再起動時に失われてしまいます。Linux システムにおいて FCP 設定の変更を永続化する方法は、FCP LUN が root ファイルシステムに属しているかどうかによって異なります。root ファイルシステムに必要な FCP LUN は、root ファイルシステムをマウントできるようにするために、ブートプロセスのごく初期段階に initramfs によってアクティベートされる必要があります。cio_ignore コマンドは、永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるので、無視する一覧からデバイスを手動で解放する必要はありません。

19.2.2.1. root ファイルシステムの一部である FCP LUN

root ファイルシステムの一部である FCP LUN を追加するには、/etc/zipl.conf ファイルの変更のみが必要です。その後に zipl ブートローダツールを実行します。initramfs を再作成する必要はありません。
Red Hat Enterprise Linux は、ブートプロセスの早い段階で FCP LUN をアクティブにするためのパラメーターである rd.zfcp= を提供します。この値は、コンマで区切ったデバイスバス ID と 0x で始まる 16 進法の 16 桁の数字の WWPN と 0x で始まる 16 進法の 16 桁の数字の右側にゼロの列記を持つ FCP LUN とから構成されます。
以下の例は、LVM ボリュームグループ vg_devel1 用の 2 つの FCP LUN パーティション上にある 物理ボリュームを使用するシステム用の zipl.conf です。この LVM ボリュームグループには root ファイルシステム用の論理ボリューム lv_root が含まれています。単純にするため、この例ではマルチパスなしの設定となっています。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/

[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root
rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000
rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000
rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev"
デバイスバス ID 0.0.fc00、WWPN 0x5105074308c212e9、および FCP LUN 0x401040a300000000 を持つ 3 つ目の FCP LUN のパーティション上にもう 1 つの物理ボリュームを追加するには、rd_zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000zipl.conf ファイル内のブートカーネルのパラメーター行に追加します。例を示します。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/

[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root
rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000
rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000
rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000
rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev"

警告

/etc/zipl.conf 内のカーネルコマンドラインの長さが 896 バイトを超えないようにしてください。これを超えてしまうとブートローダーの保存ができず、インストールに失敗します。
zipl を実行して次回の IPL に /etc/zipl.conf の変更を適用します。
# zipl -V
Using config file '/etc/zipl.conf'
Target device information
Device..........................: 08:00
Partition.......................: 08:01
Device name.....................: sda
Device driver name..............: sd
Type............................: disk partition
Disk layout.....................: SCSI disk layout
Geometry - start................: 2048
File system block size..........: 4096
Physical block size.............: 512
Device size in physical blocks..: 10074112
Building bootmap in '/boot/'
Building menu 'rh-automatic-menu'
Adding #1: IPL section 'linux' (default)
kernel image......: /boot/vmlinuz-2.6.32-19.el7.s390x
kernel parmline...: 'root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000 rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!condev'
initial ramdisk...: /boot/initramfs-2.6.32-19.el7.s390x.img
component address:
kernel image....: 0x00010000-0x007a21ff
parmline........: 0x00001000-0x000011ff
initial ramdisk.: 0x02000000-0x028f63ff
internal loader.: 0x0000a000-0x0000a3ff
Preparing boot device: sda.
Detected SCSI PCBIOS disk layout.
Writing SCSI master boot record.
Syncing disks...
Done.

19.2.2.2. root ファイルシステムの一部を構成しない FCP LUN

データディスクなど、root ファイルシステムの一部を構成しない FCP LUN は /etc/zfcp.conf ファイル内で永続的に設定します。1 行に 1 つの FCP LUN を設定します。各行には FCP アダプターのデバイスバス ID、0x で始まる 16 桁の数字の WWPN、0x で始まり右側にゼロの列記を持つ 16 桁の数字の FCP LUN をそれぞれ空白かタブで区切って含めます。FCP アダプターがシステムに追加されると /etc/zfcp.conf 内のエントリーが udev によってアクティベートされ設定されます。起動時には、システム側で見える FCP アダプターがすべて追加され、udev が起動されます。
/etc/zfcp.conf のコンテンツの例:
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a000000000
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a100000000
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a300000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a000000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a100000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a300000000
/etc/zfcp.conf での変更は、システムを再起動するか、システムの I/O 設定を変更して新規の FCP チャネルを動的に追加 (つまり、チャネルを z/VM 下で接続) した後でしか有効になりません。別の方法として、今までアクティブではなかった FCP アダプター用に編集した /etc/zfcp.conf 内の新規エントリーをアクティベートする場合は以下のコマンドを順番に実行します。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して FCP アダプターを無視されるデバイスの一覧から削除し、それを Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r device_number
    device_number には FCP アダプターのデバイス番号を入れます。
    # cio_ignore -r fcfc
  2. 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/device-bus-ID/uevent
    例を示します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.fcfc/uevent

19.3. ネットワークデバイスの追加

ネットワークデバイスドライバーモジュールは udev が自動的に読み込みます。
ネットワークインターフェースは、動的または永続的に IBM System z 上で追加できます。
  • 動的に追加する方法
    1. デバイスドライバーを読み込みます。
    2. 無視するデバイスの一覧からネットワークデバイスを削除します。
    3. グループデバイスを作成します。
    4. デバイスを設定します。
    5. デバイスをオンラインに設定します。
  • 永続的に追加する方法
    1. 設定スクリプトを作成します。
    2. インターフェースをアクティベートします。
以下のセクションでは、それぞれの IBM System z のネットワークデバイスドライバーのタスクに関する基本的な情報を提供しています。「qeth デバイスの追加」は、Red Hat Enterprise Linux の既存インスタンスに qeth デバイスを追加する方法を説明しています。「LCS デバイスの追加」は、Red Hat Enterprise Linux の既存インスタンスに lcs デバイスを追加する方法を説明しています。

19.3.1. qeth デバイスの追加

qeth ネットワークデバイスドライバーは、System z の OSA-Express 機能を QDIO モード、HiperSockets、z/VM ゲスト LAN および z/VM VSWITCH でサポートします
qeth デバイスドライバーは、イーサネットと Hipersockets デバイスに、enccwbus_ID という同じインターフェース名を割り当てます。バス ID は、チャネルのサブシステム ID、サブチャネルセット ID、およびデバイス番号から構成されます。たとえば、enccw0.0.0a00 のようになります。

19.3.1.1. qeth デバイスの動的な追加

qeth デバイスを動的に追加するには、以下の手順にしたがいます。
  1. qeth デバイスドライバーモジュールが読み込まれているかどうかを判定します。以下の例は、読み込み済みの qeth モジュールを示しています。
    # lsmod | grep qeth
    											qeth_l3                  127056  9
    											qeth_l2                   73008  3
    											ipv6                  492872  155ip6t_REJECT,nf_conntrack_ipv6,qeth_l3
    											qeth                  115808  2 qeth_l3,qeth_l2
    											qdio                   68240  1 qeth
    											ccwgroup               12112  2 qeth
    qeth モジュールが読み込まれていないことを lsmod コマンドの出力が表示している場合、modprobe コマンドを実行してそれらを読み込みます。
    # modprobe qeth
  2. cio_ignore ユーティリティーを使用して無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
    read_device_bus_idwrite_device_bus_iddata_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 3 つのデバイスバス ID で置き換えます。例を示します。read_device_bus_id0.0.f500 の場合、write_device_bus_id0.0.f501 に、data_device_bus_id0.0.f502 になります。
    # cio_ignore -r 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502
  3. znetconf ユーティリティーを使用して、ネットワークデバイス用の候補設定を感知して一覧表示します。
    # znetconf -u
    Scanning for network devices...
    Device IDs                 Type    Card Type      CHPID Drv.
    ------------------------------------------------------------
    0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 1731/01 OSA (QDIO)        00 qeth
    0.0.f503,0.0.f504,0.0.f505 1731/01 OSA (QDIO)        01 qeth
    0.0.0400,0.0.0401,0.0.0402 1731/05 HiperSockets      02 qeth
  4. 使用する設定を選択し、znetconf を使用してその設定を適用し、設定したグループデバイスをネットワークデバイスとしてオンラインに設定します。
    # znetconf -a f500
    Scanning for network devices...
    Successfully configured device 0.0.f500 (enccw0.0.f500)
  5. オプションとして、オンラインに設定する前にグループデバイス上で設定された引数を渡すこともできます。
    # znetconf -a f500 -o portname=myname
    Scanning for network devices...
    Successfully configured device 0.0.f500 (enccw0.0.f500)
    これで、enccw0.0.f500 ネットワークインターフェースの設定を継続できます。
別の方法として、sysfs 属性を使用して以下のようにデバイスをオンラインに設定することもできます。
  1. qeth グループデバイスを作成します。
    # echo read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
    例を示します。
    # echo 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
  2. 次に、読み込みチャネルを見つけることにより、qeth グループデバイスが正しく作成されていることを確認します。
    # ls /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500
    必要なシステムや機能を設定する方法により、オプションで追加のパラメーターや機能を設定することができます。例を示します。
    • portno
    • layer2
    • portname
  3. オンライン sysfs 属性に「1」と書き込んでデバイスをオンラインにします。
    # echo 1 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online
  4. 次に、デバイスの状態を確認します。
    # cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online
    											1
    戻り値が「1」の場合はデバイスがオンラインであることを示し、戻り値が「0」の場合はデバイスがオフラインであることを示します。
  5. デバイスに割り当てられたインターフェース名を探します。
    # cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/if_name
    enccw0.0.f500
    これで、enccw0.0.f500 ネットワークインターフェースの設定を継続できます。
    s390utils パッケージからの以下のコマンドは、qeth デバイスの最も重要な設定を表示します。
    # lsqeth enccw0.0.f500
    Device name                     : enccw0.0.f500
    -------------------------------------------------
    card_type               : OSD_1000
    cdev0                   : 0.0.f500
    cdev1                   : 0.0.f501
    cdev2                   : 0.0.f502
    chpid                   : 76
    online                  : 1
    portname                : OSAPORT
    portno                  : 0
    state                   : UP (LAN ONLINE)
    priority_queueing       : always queue 0
    buffer_count            : 16
    layer2                  : 1
    isolation               : none

19.3.1.2. qeth デバイスの動的な削除

qeth デバイスを削除するには、znetconf ユーティリティーを使用します。例を示します。
  1. znetconf ユーティリティーを使用して、設定されたすべてのネットワークデバイスを表示します。
    # znetconf -c
    Device IDs                 Type    Card Type      CHPID Drv. Name        	State
    --------------------------------------------------------------------------------------
    0.0.8036,0.0.8037,0.0.8038 1731/05 HiperSockets      FB qeth hsi1        	online
    0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2 1731/01 OSD_1000          76 qeth enccw0.0.09a0      online
    0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 1731/01 GuestLAN QDIO     00 qeth enccw0.0.f500      online
  2. 削除するネットワークを選択し、znetconf を実行してデバイスをオフラインに設定し、ccw グループデバイスをグループ解除します。
    # znetconf -r f500
    Remove network device 0.0.f500 (0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502)?
    Warning: this may affect network connectivity!
    Do you want to continue (y/n)?y
    Successfully removed device 0.0.f500 (enccw0.0.f500)
  3. 削除の完了を確認します。
    # znetconf -c
    Device IDs                 Type    Card Type      CHPID Drv. Name        	State
    --------------------------------------------------------------------------------------
    0.0.8036,0.0.8037,0.0.8038 1731/05 HiperSockets      FB qeth hsi1        	online
    0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2 1731/01 OSD_1000          76 qeth enccw0.0.09a0      online

19.3.1.3. qeth デバイスの永続的な追加

新規の qeth デバイスを永続化するには、新規のインターフェース用に設定ファイルを作成する必要があります。ネットワークインターフェースの設定ファイルは /etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリーにあります。
ネットワーク設定ファイルには、命名規則の ifcfg-device を使用します。ここでの device は、先に作成した qeth グループデバイス内の if_name ファイルにある値です。たとえば、enccw0.0.09a0 などです。cio_ignore は永続的なデバイス設定に対して透過的に処理されるので、無視する一覧からデバイスを手動で解放する必要はありません。
同じタイプの別のデバイスの設定ファイルがすでにある場合は、それを新しい名前にコピーしてから編集するのが一番簡単な方法です。
# cd /etc/sysconfig/network-scripts
# cp ifcfg-enccw0.0.09a0 ifcfg-enccw0.0.0600
お使いのネットワークデバイスの ID を確認するには、lsqeth ユーティリティーを使用します。
# lsqeth -p
devices                    CHPID interface        cardtype       port chksum prio-q'ing rtr4 rtr6 lay'2 cnt
-------------------------- ----- ---------------- -------------- ---- ------ ---------- ---- ---- ----- -----
0.0.09a0/0.0.09a1/0.0.09a2 x00   enccw0.0.09a0    Virt.NIC QDIO  0    sw     always_q_2 n/a  n/a  1     64
0.0.0600/0.0.0601/0.0.0602 x00   enccw0.0.0600    Virt.NIC QDIO  0    sw     always_q_2 n/a  n/a  1     64
同様のデバイスをこれまでに定義していない場合には、新規のファイルを作成する必要があります。テンプレートとして、この /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.09a0 の例を使用してください。
# IBM QETH
DEVICE=enccw0.0.09a0
BOOTPROTO=static
IPADDR=10.12.20.136
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.09a0,0.0.09a1,0.0.09a2
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:23:65:1a
TYPE=Ethernet
新規の ifcfg-0.0.0600 ファイルを以下のように編集します。
  1. DEVICE ステートメントを、ccw グループからの if_name ファイルの内容を反映するように変更します。
  2. IPADDR の記述を修正して、新しいインターフェースの IP アドレスを反映させます。
  3. 必要に応じて NETMASK の記述を修正します。
  4. 新しいインターフェースを起動時にアクティブにするには、ONBOOTyes に設定されていることを確認します。
  5. SUBCHANNELS の記述が qeth デバイスのハードウェアアドレスと合致していることを確認します。
  6. PORTNAME の表記を修正するか、使用環境に不要であれば除外します。
  7. 有効な sysfs 属性とその値を OPTIONS パラメーターに追加することができます。現在、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、これを使用してレイヤーモード (layer2) と qeth デバイスの関連ポート番号 (portno) を設定します。
    OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトは、現在のところレイヤー 2 モードです。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードに依存する旧式の ifcfg 定義を継続して使用するには、layer2=0OPTIONS パラメーターに追加します。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.0600
# IBM QETH
DEVICE=enccw0.0.0600
BOOTPROTO=static
IPADDR=192.168.70.87
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:b3:84:ef
TYPE=Ethernet
ifcfg ファイルの変更は、システムの再起動後かシステムの I/O 設定の変更による新規のネットワークデバイスの動的な追加 (たとえば、z/VM 下で接続) の後でのみ反映されます。別の方法では、以下のコマンドを実行することで、以前にアクティブでなかったネットワークチャネル用に ifcfg ファイルのアクティベーションを開始することができます。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
    read_device_bus_idwrite_device_bus_iddata_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 3 つのデバイスバス ID で置き換えます。例を示します。read_device_bus_id0.0.0600 ならば、write_device_bus_id0.0.0601data_device_bus_id0.0.0602 となります。
    #  cio_ignore -r 0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
  2. 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/read-channel/uevent
    例を示します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.0600/uevent
  3. ネットワークデバイスのステータスを確認します。
    # lsqeth
  4. ここで新しいインターフェースを開始します。
    # ifup enccw0.0.0600
  5. インターフェースのステータスを確認します。
    # ip addr show enccw0.0.0600
    3: enccw0.0.0600:  <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether 3c:97:0e:51:38:17 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 10.85.1.245/24 brd 10.34.3.255 scope global dynamic enccw0.0.0600
    valid_lft 81487sec preferred_lft 81487sec
    inet6 1574:12:5:1185:3e97:eff:fe51:3817/64 scope global noprefixroute dynamic
    valid_lft 2591994sec preferred_lft 604794sec
    inet6 fe45::a455:eff:d078:3847/64 scope link
    valid_lft forever preferred_lft forever
  6. 新しいインターフェースのルーティングを確認します。
    # ip route
    default via 10.85.1.245 dev enccw0.0.0600  proto static  metric 1024
    12.34.4.95/24 dev enp0s25  proto kernel  scope link  src 12.34.4.201
    12.38.4.128 via 12.38.19.254 dev enp0s25  proto dhcp  metric 1
    192.168.122.0/24 dev virbr0  proto kernel  scope link  src 192.168.122.1
  7. ping ユーティリティーを使い、ゲートウェイまたは新規デバイスのサブネット上にある別のホストを ping することによって変更を確認します。
    # ping -c 1 192.168.70.8
    PING 192.168.70.8 (192.168.70.8) 56(84) bytes of data.
    64 bytes from 192.168.70.8: icmp_seq=0 ttl=63 time=8.07 ms
  8. デフォルトのルート情報が変更している場合、それに応じて /etc/sysconfig/network も更新する必要があります。

19.3.2. LCS デバイスの追加

LCS (LAN チャネルステーション) のデバイスドライバーは、OSA-Express2 と OSA-Express 3 機能で 1000Base-T Ethernet をサポートします。
LCS デバイスドライバーは、OSA-Express Fast イーサネットと Gigabit イーサネットデバイス用に、enccwbus_ID というインターフェース名を割り当てます。バス ID は、チャネルサブシステム ID、サブチャネルセット ID、およびデバイス番号から構成されます。たとえば、enccw0.0.0a00 のようになります。

19.3.2.1. LCS デバイスの動的な追加

  1. デバイスドライバーを読み込みます。
    # modprobe lcs
  2. cio_ignore ユーティリティーを使用して無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id
    read_device_bus_idwrite_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 2 つのデバイス ID で置き換えます。例を示します。
    # cio_ignore -r 0.0.09a0,0.0.09a1
  3. グループデバイスを作成します。
    # echo read_device_bus_id,write_device_bus_id > /sys/bus/ccwgroup/drivers/lcs/group
  4. デバイスを設定します。OSA カードは、CHPID 1 つにつき最大 16 ポートまで提供することができます。デフォルトでは、LCS グループデバイスはポート 0 を使用します。別のポートを使うには、次のようなコマンドを実行します。
    # echo portno > /sys/bus/ccwgroup/drivers/lcs/device_bus_id/portno
    portno には使用するポート番号を入力します。
  5. デバイスをオンラインにセットします。
    # echo 1 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/lcs/read_device_bus_id/online
  6. 割り当て済みのネットワークデバイス名を見つけるには、以下のコマンドを入力します。
    # ls -l /sys/bus/ccwgroup/drivers/lcs/read_device_bus_ID/net/
    drwxr-xr-x 4 root root 0 2010-04-22 16:54 enccw0.0.0600

19.3.2.2. LCS デバイスの永続的な追加

cio_ignore コマンドは永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるので、無視する一覧からデバイスを手動で解放する必要はありません。
LCS デバイスを永続的に追加するには、以下の手順にしたがいます。
  1. 設定スクリプトを /etc/sysconfig/network-scripts/ 内のファイルとして、ifcfg-device のような名前を付けて作成します。ここでの device は、先に作成した qeth グループデバイス内の if_name ファイルにある値です (例: enccw0.0.09a0)。このファイルは以下のようになります。
    # IBM LCS
    DEVICE=enccw0.0.09a0
    BOOTPROTO=static
    IPADDR=10.12.20.136
    NETMASK=255.255.255.0
    ONBOOT=yes
    NETTYPE=lcs
    SUBCHANNELS=0.0.09a0,0.0.09a1
    PORTNAME=0
    OPTIONS=''
    TYPE=Ethernet
  2. PORTNAME の値を修正して、使用する LCS ポート番号 (portno) を反映します。有効な lcs sysfs 属性とその値をオプションの OPTIONS パラメーターに追加できます。構文については、「qeth デバイスの永続的な追加」 を参照してください。
  3. DEVICE パラメーターを以下のように設定します。
    DEVICE=enccwbus_ID
  4. ifup コマンドを実行してデバイスをアクティベートします。
    # ifup enccwbus_ID
ifcfg ファイルへの変更はシステムの再起動後にのみ反映されます。以下のコマンドを実行することで、ネットワークチャネル用の ifcfg ファイルのアクティベーションを開始することができます。
  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して無視するデバイスのリストから LCS デバイスアダプターを削除し、それを Linux から見えるようにします。
    # cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id
    read_device_bus_idwrite_device_bus_id は、LCS デバイスのデバイス ID で置き換えます。例を示します。
    # cio_ignore -r 0.0.09a0,0.0.09a1
  2. 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/read-channel/uevent
    例を示します。
    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.09a0/uevent

19.3.3. ネットワーク root ファイルシステム用の System z ネットワークデバイスの設定

root ファイルシステムにアクセスする必要のあるネットワークデバイスを追加するには、その起動オプションを変更することのみが必要になります。この起動オプションはパラメーターファイル (20章 IBM System z でのパラメーターと設定ファイル を参照) 内にあるか、zipl ブートローダーで準備された DASD または FCP 接続の SCSI LUN 上の zipl.conf の一部である可能性があります。initramfs を再作成する必要はありません。
Dracut (mkinitrd の後継であり、initrd の代わりとなる initramfs 内で機能を提供する) は、ブートプロセスの初期段階で System z 上のネットワークデバイスをアクティベートするブートパラメーター、rd.znet= 、を提供します。
このパラメーターは、NETTYPE (qeth, lcs, ctc) と、2 つ (lcs, ctc) または 3 つ (qeth) のデバイスバス ID とネットワークデバイス sysfs 属性に相当するキー値ペアから構成されるオプションの追加パラメーターのコンマで区切った一覧を取ります。このパラメーターは、System z のネットワークハードウェアを設定、アクティベートします。IP アドレスと他のネットワーク仕様の設定は、他のプラットフォームと同様に機能します。詳細については、dracut のドキュメントを参照してください。
ネットワークチャネルに対する cio_ignore コマンドは、起動時に透過的に処理されます。
NFS 経由のネットワークでアクセスされた root ファイルシステム用の起動オプションの例:
root=10.16.105.196:/nfs/nfs_root cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0,portname=OSAPORT ip=10.16.105.197:10.16.105.196:10.16.111.254:255.255.248.0:nfs‑server.subdomain.domain:enccw0.0.09a0:none rd_NO_LUKS rd_NO_LVM rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us

第20章 IBM System z でのパラメーターと設定ファイル

IBM System z アーキテクチャーでは、カーネルとインストールプログラムにブートパラメーターを渡すためにカスタマイズされたパラメーターファイルを使用することができます。このセクションでは、このパラメーターファイルの内容について説明します。
本セクションは、配布されているパラメーターファイルを変更する場合にのみお読みください。次のような場合にパラメーターファイルの変更が必要になります。
  • キックスタートによる無人インストール
  • レスキューモードなど、インストールプログラムの対話式ユーザーインターフェースからはアクセスできないデフォルト以外のインストール設定の選択。
パラメーターファイルは、インストールプログラム (ローダーおよび anaconda) の開始前に、非対話式にネットワークを設定するために使用することができます。
カーネルパラメーターファイルは、895 文字に行末文字を加えた長さに制限されています。パラメーターファイルには、可変長または固定長のレコードフォーマットのいずれかが使われます。固定長レコードフォーマットはレコードの長さまで各行を追加することでファイルサイズを増加させます。インストールプログラムが LPAR 環境内のすべての指定パラメーターを認識しないという問題が生じた場合は、すべてのパラメーターを1 行に収めるか、各行を空白文字で開始および終了させることを試してください。
パラメーターファイルには、ro のような カーネルパラメーターと、vncpassword=testvnc などのインストールプロセス用のパラメーターが含まれます。

20.1. 必須パラメーター

以下のパラメーターは必須となるので、パラメーターファイル内に必ず含めてください。これらのパラメーターはインストール DVD の images/ ディレクトリー内にある generic.prm ファイルでも提供されています。
ro
RAM ディスクであり、読み取り専用である root ファイルシステムをマウントします。
ramdisk_size=size
RAM ディスク用に予約されているメモリーサイズを Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムが格納できるサイズに修正します。例、ramdisk_size=40000
generic.prm ファイルには、追加のパラメーター cio_ignore=all,!condev も含まれます。この設定は、多くのデバイスを持つシステム上での起動とデバイス検出を高速化します。インストールプログラムは、無視されるデバイスのアクティベーションを透過的に処理します。

重要

スタック全体で cio_ignore サポートが実装されていないことに起因するインストールの問題を回避するには、cio_ignore= のパラメーター値を使用システムに適応させるか、インストールプログラムのブート (IPL) に使用したパラメーターファイルからこのパラメーターを完全に削除します。

20.2. z/VM 設定ファイル

以下は、z/VM 環境でのインストールにのみ適用されます。z/VM では、CMS フォーマットのディスク上で設定ファイルを使用できます。CMS 設定ファイルの目的は、パラメーターファイル内の領域を節約することにあります。これは、初期ネットワーク設定や、DASD および FCP 仕様を設定するパラメーターをパラメーターファイルから移動することによって実行されます (「インストール用ネットワークパラメーター」を参照)。
CMS 設定ファイルの各行には、変数がひとつとそれに関連する値が含まれています。 variable=value のようなシェルスタイルの構文になります。
パラメーターファイルには、CMSDASD および CMSCONFFILE のパラメーターも追加する必要があります。これらのパラメーターはインストールプログラムに設定ファイルの場所を指示します。
CMSDASD=cmsdasd_address
cmsdasd_address には設定ファイルを格納している CMS フォーマット済みディスクのデバイス番号を入れます。一般的には CMSユーザーの A ディスクになります。
例、CMSDASD=191
CMSCONFFILE=configuration_file
configuration_file は設定ファイル名になります。この値は小文字で指定してください。CMS_file_name.CMS_file_type など Linux ファイル名の形式で指定します。
CMS ファイルの REDHAT CONFredhat.conf と入力します。CMS ファイル名およびファイルタイプはそれぞれ CMS 規則にしたがって 1 から 8 文字の長さにします。
例: CMSCONFFILE=redhat.conf

20.3. インストール用ネットワークパラメーター

以下のパラメーターは準備段階のネットワークを自動的に設定するために使用され、CMS 設定ファイル内で定義することができます。このセクションで説明するパラメーターは、CMS 設定ファイルでも使用できるパラメーターのみに限定されます。他のセクションで扱われるその他すべてのパラメーターは、パラメーターファイル内で指定する必要があります。
NETTYPE="type"
typeqethlcsctc のいずれかにしてください。デフォルトは qeth です。
以下を使用する場合は lcs を選択します。
  • OSA-2 イーサネット/トークンリング
  • 非 QDIO モードの OSA-Express Fast イーサネット
  • 非 QDIO モードの OSA-Express High Speed トークンリング
  • 非 QDIO モードの Gigabit イーサネット
以下を使用する場合は qeth を選択します。
  • OSA-Express Fast イーサネット
  • Gigabit イーサネット (1000Base-T を含む)
  • High Speed トークンリング
  • HiperSockets
  • ATM (イーサネット LAN エミュレーションを実行)
SUBCHANNELS="device_bus_IDs"
ここで、device_bus_IDs は 2 つまたは 3 つのデバイスバス ID のコンマ区切りの一覧です。ID は小文字で指定する必要があります。
各種ネットワークインターフェースにそれぞれ必要なデバイスバス ID を入力します。
qeth: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id"
lcs or ctc: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id"
例を示します (qeth SUBCHANNEL ステートメントの例)。
SUBCHANNELS="0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2"
PORTNAME="osa_portname" , PORTNAME="lcs_portnumber"
この変数は qdio モードまたは non-qdio モードで動作する OSA デバイスに対応します。
qdio モード (NETTYPE="qeth")を使用する場合、qeth モードで動作している OSA デバイス上で指定するポート名は osa_portname です。
non-qdio モード (NETTYPE="lcs") を使用する場合は lcs_portnumber を使って 0 から 15 の整数で適切なポート番号を渡します。
PORTNO="portnumber"
CMS 設定ファイルに PORTNO="0" (ポート 0 を使用) または PORTNO="1" (CHPID ごとポートが 2 つある OSA 機能のポート 1 を使用) のいずれかを追加すると、モード入力が要求されなくなります。
LAYER2="value"
value0 または 1 になります。
レイヤー 3 モードで OSA または HiperSocket を動作させる場合は LAYER2="0" を使用します。レイヤー 2 モードの場合は LAYER2="1" を使用します。z/VM 環境の仮想ネットワークデバイスの場合、この設定はデバイスを接続させる GuestLAN または VSWITCH の定義と同じにしてください。
DHCP などレイヤー 2 (Data Link Layer またはその MAC サブレイヤー) で動作するネットワークサービスを使用する場合はレイヤー 2 モードを選択するとよいでしょう。
OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトがレイヤー 2 モードになります。以前デフォルトだったレイヤー 3 モードを引き続き使用する場合は LAYER2="0" を明示的に設定してください。
VSWITCH="value"
value0 または 1 になります。
z/VM VSWITCH または GuestLAN に接続する場合は VSWITCH="1" を指定します。実際の OSA または実際の HiperSocket を直接接続して使用する場合は VSWITCH="0" を指定します (または何も指定しない)。
MACADDR="MAC_address"
LAYER2="1"VSWITCH="0" を指定している場合はこのパラメーターを使って MAC アドレスを指定することもできます。Linux では小文字と 16 進数の組み合わせをコロンで区切った 6 つのオクテット形式が必要とされます (MACADDR=62:a3:18:e7:bc:5f など)。z/VM で使用される表記とは異なります。
LAYER2="1"VSWITCH="1" を指定する場合は MACADDR は指定しないでください。レイヤー 2 モードの場合、z/VM により固有の MAC アドレスが仮想ネットワークデバイスに割り当てられます。
CTCPROT="value"
value013 のいずれかになります。
NETTYPE="ctc" の CTC プロトコルを指定します。デフォルトは 0 です。
HOSTNAME="string"
string は新たにインストールした Linux インスタンスのホスト名で置き換えます。
IPADDR="IP"
IP は新しい Linux インスタンスの IP アドレスを入力します。
NETMASK="netmask"
netmask はネットマスクです。
IPv4 CIDR (クラスレス相互ドメインルーティング) で規定されているようにネットマスクではプレフィックスの整数 (1 から 32) の構文に対応しています。例えば、255.255.255.0 の代わりに 24 を指定したり、255.255.240.0 の代わりに 20 を指定することができます。
GATEWAY="gw"
gw はこのネットワークデバイスのゲートウェイ IP アドレスを入力します。
MTU="mtu"
mtu はこのネットワークデバイスの Maximum Transmission Unit (MTU) を入力します。
DNS="server1:server2:additional_server_terms:serverN"
"server1:server2:additional_server_terms:serverN" はコロンで区切った DNS サーバーの一覧です。例を示します。
DNS="10.1.2.3:10.3.2.1"
SEARCHDNS="domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN"
"domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN" はコロンで区切った検索ドメインの一覧です。例を示します。
SEARCHDNS="subdomain.domain:domain"
SEARCHDNS= の指定が必要となるのは DNS= パラメーターを使用する場合のみです。
DASD=
DASD または DASD の範囲を定義してインストールを設定します。
インストールプログラムは、コンマ区切りのデバイスバス ID の一覧、またはオプション属性である rodiagerplog、および failfast を持つデバイスバス ID の範囲についての一覧をサポートします。オプションとして、先行するゼロを除くことでデバイスバス ID を短縮することができます。いずれのオプション属性も、コロンで区切り、括弧で囲む必要があります。オプションの属性はデバイスバス ID かデバイスバス ID の範囲の後に続きます。
サポートされている唯一のグローバルオプションは autodetect です。これは、存在しない DASD の仕様をサポートして後で追加する DASD 用にカーネルデバイス名を確保するということをしません。永続性のある DASD デバイス名 (例: /dev/disk/by-path/...) を使用して、ディスクの後での透過的な追加を有効にしてください。probeonlynopav、または nofcx などの他のグローバルオプションはインストールプログラムではサポートしていません。
システムには、実際にインストールする必要のある DASD のみを指定します。ここで指定してある未フォーマットの DASD はすべて、後でインストールプログラム内で確認後にフォーマットする必要があります (「DASD の低レベルフォーマット」を参照)。root ファイルシステムまたは /boot パーティションに必要のないデータ DASD は、「root ファイルシステムの一部ではない DASD」 の説明にあるように、インストールの後で追加します。
例を示します。
DASD="eb1c,0.0.a000-0.0.a003,eb10-eb14(diag),0.0.ab1c(ro:diag)"
FCP のみの環境では、DASD が存在しないことを示すために、CMS 設定ファイルから DASD= オプションを削除します。
FCP_n="device_bus_ID WWPN FCP_LUN"
  • 通常、n は整数値になりますが (FCP_1FCP_2 など)、アルファベット、数字、下線などを使った文字列でも構いません。
  • device_bus_ID には HBA (ホストバスアダプター) (デバイス fc00 なら 0.0.fc00 など) を表す FCP デバイスのデバイスバス ID を指定します。
  • WWPN はルーティングに使用される世界共通のポート名です (マルチパスと併用されることが多い)。16 桁の 16 進数の値になります (0x50050763050b073d など)。
  • FCP_LUN はストレージの論理ユニット識別子を指し、16 桁の 16 進数の右側にゼロを加えた値で指定します (0x4020400100000000 など)。
これらの変数は FCP デバイスと共にシステム上で使用して、SCSI ディスクなどの FCP LUN をアクティベートできます。新たな FCP LUN はインストール中に対話式に、またはキックスタートファイルを介してアクティベートできます。サンプル値は以下のようになります。
FCP_1="0.0.fc00 0x50050763050b073d 0x4020400100000000"

重要

FCP パラメーターで使用する各値は (FCP_1FCP_2 など) サイト固有となるため通常は FCP ストレージ管理者から提供されます。
FCP_n 以外、必須のパラメーターがパラメーターや設定ファイル内に記載されていない場合は、インストールプログラムにより入力が求められます。

20.4. キックスタートを使ったインストールのパラメーター

以下のパラメーターはパラメーターファイル内で定義できますが、CMS 設定ファイル内では機能しません。
inst.ks=URL
通常は System z 上の Linux インストール用のネットワーク上にあるキックスタートファイルを参照します。URL をキックスタートファイルのファイル名を含む完全なパスに置き換えます。このパラメーターは、キックスタートによる自動インストールをアクティブにします。詳細は、キックスタート起動オプションおよび「キックスタートを使ったインストールを開始する」を参照してください。
RUNKS=value

重要

このパラメーターは非推奨となっています。キックスタートファイル内でこれを使用すると、無視されます。IBM System z 上でキックスタートインストールを開始するために必要となるのは、inst.ks= パラメーターのみです。
ここでは、SSH を使用したネットワーク上でログインを必要とせずに Linux コンソール上で自動的にローダーを実行する場合、value1 と定義します。RUNKS=1 を使用するには、コンソールが全画面表示をサポートしているか、以下にある cmdline オプションを使用する必要があります。後者は、z/VM 環境下の 3270 ターミナルまたは LPAR 用のオペレーティングシステムメッセージコンソールに適用されるものです。キックスタートによる完全自動インストールには RUNKS=1 が推奨されます。RUNKS=1 が設定されると、インストールプログラムはパラメーターのエラーが生じた場合でも自動的に継続されるため、ユーザーの回答を要求して無人インストールが中断されることはありません。
これ以外は変更せずそのままにしておくか RUNKS=0 を指定します。
inst.cmdline
このオプションが指定されている場合は、ラインモードターミナル (z/VM 環境下の 3270 や LPAR 用のオペレーティングシステムメッセージなど) の出力が読み取り可能になります。これは、インストールプログラムが UNIX スタイルのコンソールにのみ適用されるエスケープターミナルシーケンスを無効にするためです。インストールプログラムは cmdline モード内での対話式のユーザー入力をサポートしないため、すべての質問に回答するキックスタートファイルによるインストールが必要になります。
キックスタートファイルに必要なパラメーターがすべて含まれていることを確認してから、inst.cmdline オプションを使用してください。必要なコマンドがない場合は、インストールが失敗します。詳細は、26章キックスタートを使ったインストールを参照してください。

20.5. その他のパラメーター

以下のパラメーターはパラメーターファイル内で定義できますが、CMS 設定ファイル内では機能しません。
rd.live.check
ISO ベースのインストールソースのテストを起動します。たとえば、FCP 接続の DVD から起動した場合やローカルハードディスク上の、または NFS でマウントした ISO で inst.repo= を使用する場合などにテストします。
nompath
マルチパスデバイスのサポートを無効にします。
proxy=[protocol://][username[:password]@]host[:port]
HTTP、HTTPS、または FTP を介したインストールで使用するプロキシを指定します。
inst.rescue
RAM ディスクからレスキューシステムを起動して、インストールされたシステムの修正や復元ができます。
inst.stage2=URL
インストールソースではなく、install.img ファイルへのパスを指定します。それ以外は、inst.repo= の構文にしたがいます。inst.stage2 が指定されている場合、それが install.img を検索する他の方法よりも優先されます。 ただし、Anaconda がローカルメディア上で install.img を検出すると、inst.stage2 の URL は無視されます。
stage2 が指定されておらず、install.img がローカルで見つからない場合、Anacondainst.repo= または method= で指定された場所を検索します。
inst.repo=method= なしに stage2= だけが指定されている場合は、Anaconda は、インストール用にデフォルトで有効にされているインストールシステムのリポジトリーを使用します。
複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定する場合は、オプションを複数回使用します。複数の HTTP、HTTPS、または FTP のパスが指定されると、いずれかが成功するまで順番に試行されます。
inst.stage2=host1/install.img inst.stage2=host2/install.img inst.stage3=host3/install.img
inst.syslog=IP/hostname[:port]
ログメッセージをリモートの syslog サーバーに送信します。
ここで説明されているブートパラメーターは System z でのインストールとトラブルシューティングで非常に便利ですが、インストールプログラムに影響を与えるのはこれらのサブセットのみです。ブートパラメーターの詳細の一覧については、22章起動オプション を参照して下さい。

20.6. パラメーターファイルと CMS 設定ファイルの例

パラメーターファイルを変更する場合は、配布されている generic.prm ファイルの拡張から始めてください。
generic.prm ファイルの例:
ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
CMSDASD="191" CMSCONFFILE="redhat.conf"
vnc
inst.repo=http://example.com/path/to/repository
QETH ネットワークデバイスを設定する redhat.conf ファイルの例 (generic.prm 内の CMSCONFFILE によりポイントされている)
NETTYPE="qeth"
SUBCHANNELS="0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602"
PORTNAME="FOOBAR"
PORTNO="0"
LAYER2="1"
MACADDR="02:00:be:3a:01:f3"
HOSTNAME="foobar.systemz.example.com"
IPADDR="192.168.17.115"
NETMASK="255.255.255.0"
GATEWAY="192.168.17.254"
DNS="192.168.17.1"
SEARCHDNS="systemz.example.com:example.com"
DASD="200-203"

第21章 IBM System z に関する参考文献

21.1. IBM System z に関する出版物

Linux on System z の現行バージョンの出版物は http://www.ibm.com/developerworks/linux/linux390/documentation_red_hat.html をご覧ください。以下のようなドキュメントがご利用いただけます。

Linux on System z - How to use FC-attached SCSI devices with Linux on System z9 and zSeries (Linux on System z9 および zSeries で FC 接続した SCSI デバイスの使い方). IBM . 2008. SC33-8413.

Linux on System z - How to Improve Performance with PAV (PAV でパフォーマンスを向上させる方法). IBM . 2008. SC33-8414.

z/VM - Getting Started with Linux on System z (Linux on System z スタートガイド). IBM . 2009. SC24-6194.

21.2. System z に関する IBM Redbooks の出版物

IBM Redbooks 出版物の現行バージョンは http://www.redbooks.ibm.com/ をご覧ください。以下のようなドキュメントがご利用いただけます。

入門用の出版物

Introduction to the New Mainframe: z/VM Basics (新メインフレーム入門編: z/VM Basics). IBM Redbooks . 2007. SG24-7316.

Practical Migration to Linux on System z (Linux on System z への実践的マイグレーション). IBM Redbooks . 2009. SG24-7727.

パフォーマンスおよび高可用性

Linux on IBM System z: Performance Measurement and Tuning (パフォーマンスの測定とチューニング). IBM Redbooks . 2011. SG24-6926.

Achieving High Availability on Linux for System z with Linux-HA Release 2 (Linux for System z で Linux-HA Release 2 を使用して高可用性を実現する方法). IBM Redbooks . 2009. SG24-7711.

セキュリティ

Security for Linux on System z (Linux on System z 向けセキュリティ). IBM Redbooks . 2013. SG24-7728.

ネットワーク構築

IBM System z Connectivity Handbook (IBM System z の接続性ハンドブック). IBM Redbooks . 2013. SG24-5444.

OSA Express Implementation Guide (OSA Express 実装ガイド). IBM Redbooks . 2009. SG24-5948.

HiperSockets Implementation Guide (HiperSockets 実装ガイド). IBM Redbooks . 2007. SG24-6816.

Fibre Channel Protocol for Linux and z/VM on IBM System z (IBM System z の Linux および z/VM 向けファイバーチャネルプロトコル). IBM Redbooks . 2007. SG24-7266.

21.3. オンラインリソース

z/VM に関する出版物については http://www.vm.ibm.com/library/ を参照してください。 .

System z の I/O 接続性に関する詳細については、http://www.ibm.com/systems/z/hardware/connectivity/index.html を参照してください。 .

System z の暗号コンプレッサーに関する詳細については、http://www.ibm.com/security/cryptocards/ を参照してください。 .

System z DASD ストレージに関する情報については、http://www-01.ibm.com/support/knowledgecenter/linuxonibm/com.ibm.linux.z.lgdd/lgdd_t_dasd_wrk.html を参照してください。 .

パート IV. 高度なインストールオプション

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本セクションでは、高度なインストール方法や一般的ではない以下のようなインストール方法について説明していきます。
  • 起動オプションを指定してインストールプログラムの動作をカスタマイズする
  • ネットワーク経由でインストールプログラムを起動できるよう PXE サーバーを設ける
  • VNC を使ってリモートアクセスでインストールする
  • キックスタートファイルを使ってインストールプロセスを自動化する
  • 物理ドライブではなくディスクイメージからインストールする
  • Red Hat Enterprise Linux の旧バージョンを現在のバージョンにアップグレードする

第22章 起動オプション

Red Hat Enterprise Linux インストールシステムには、管理者用に各種の起動オプションが含まれています。これらの起動オプションを使用すると、特定の機能を有効 (または無効) にすることでインストールプログラムのデフォルト動作を変更することができます。起動オプションを使用する場合は、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 に説明されているように起動コマンドラインにそのオプションを追加します。複数のオプションを追加する場合は、それらのオプションを単一スペースで区切ってください。
本章では基本的な 2 種類のオプションタイプについて説明します。
  • 最後に「等号」(=) が付くオプションでは値を指定する必要があり、値なしで使用することはできません。たとえば、inst.vncpassword= オプションは値が必要になります (この場合の値はパスワードです)。したがって、inst.vncpassword=password が正しい入力形式になります。パスワードを指定しないでオプションだけを使用した場合、このオプションは無効になります。
  • 「等号」(=) のないオプションは、値やパラメーターを取りません。たとえば、rd.live.check オプションではインストール開始前に Anaconda によるインストールメディアの検証が強制されます。このオプションを使用すると検証が行われ、オプションを使用しない場合には検証は省略されます。

22.1. ブートメニューでインストールシステムを設定する

注記

カスタムの起動オプションの設定方法は各システムのアーキテクチャーごとに異なります。アーキテクチャーに準じた設定方法の手順については次を参照してください。
ブートメニュー (インストールメディアの起動後に表示されるメニュー) で起動オプションを編集する方法はいくつかあります。
  • boot: プロンプトは、ブートメニューで Esc キーを押すとアクセスできます。このプロンプトでは、まず先頭のオプションで読み込むべきインストールプログラムのイメージを指定する必要があります。ほとんどの場合、linux が使用されています。この文字列のあとに追加オプションを指定します。
    このプロンプトで Tab キーを押すと、そこで使える便利なコマンドがヘルプとして表示されます。Enter キーを押すと、選択したオプションでインストールを開始します。boot: プロンプトからブートメニューに戻る場合は、コンピューターを再起動してインストールメディアから起動し直します。
  • > プロンプト (BIOS ベースの AMD64 および Intel 64 システム) は、ブートメニュー内のエントリーを強調表示して Tab キーを押すとアクセスできます。boot: プロンプトとは異なり、事前に定義されている起動オプションセットを編集することができます。たとえば、Test this media & install Red Hat Enterprise Linux7.0 のラベルが付いたエントリーを強調表示すると、このメニューエントリーで使用される全オプションがプロンプトに表示され、独自のオプションを追加できるようになります。
    Enter を押すと、指定したオプションでインストールが開始します。オプションの編集を取り消してブートメニューに戻る場合は Esc キーを押します。
  • GRUB2 メニュー (UEFI ベースの AMD64 および Intel 64 のシステム) は、システムで UEFI を使用している場合にはエントリーを強調表示してから e キーを押すと起動オプションを編集することができます。編集が終わったら F10 または Ctrl+X を押して指定したオプションでインストールを開始します。
本章で説明しているオプションの他にも、ブートプロンプトは dracut カーネルオプションを受け取ります。これらのオプションの一覧は dracut.cmdline(7) の man ページを参照してください。

注記

インストールプログラムに固有となる起動オプションとして本ガイドに記載されているオプションは、必ず inst. で始まります。この inst. というプレフィックスは現時点ではオプションとなるため、inst.resolution=1024x768 と指定しても resolution=1024x768 と指定しても全く同じことになります。ただし、今後のリリースでは inst. は必須のプレフィックスとなる予定です。

インストールソースの指定

inst.repo=
インストールソースを指定します。インストールソースとは、インストールプログラムが必要なイメージやパッケージを見つけることができる場所です。例を示します。
inst.repo=cdrom
値は次のいずれかになります。
  • インストール可能なツリー (インストールプログラムのイメージ、パッケージ群、リポジトリーデータおよび有効な .treeinfo ファイルを含むディレクトリー構成)
  • DVD (システムの DVD ドライブにある物理的なディスク)
  • Red Hat Enterprise Linux の完全インストール用 DVD の ISO イメージ (ハードドライブまたはインストールシステムでアクセスできるネットワーク上の場所)
このオプションでは、異なる形式を使用することでさまざまなインストール方法を設定することができます。以下の表に構文を示します。

表22.1 インストールソース

インストールソースオプションの形式
CD/DVD ドライブ、指定なしinst.repo=cdrom
CD/DVD ドライブ、指定ありinst.repo=cdrom:device
ハードドライブinst.repo=hd:device:/path
HTTP サーバーinst.repo=http://host/path
HTTPS サーバーinst.repo=https://host/path
FTP サーバーinst.repo=ftp://username:password@host/path
NFS サーバーinst.repo=nfs:[options:]server:/path [a]
[a] デフォルトでは NFS プロトコルバージョン 3 が使用されます。別バージョンを使用する場合は options+nfsvers=X を追加します。

注記

Red Hat Enterprise Linux の以前のリリースでは、 NFS でアクセスできるインストール可能なツリー用のオプション (nfs オプション) と NFS ソースに配置した ISO イメージ用のオプション (nfsiso オプション) がそれぞれ別々に用意されていました。Red Hat Enterprise Linux7 では、ソースがインストール可能なツリーなのか ISO イメージを含むディレクトリーなのかをインストールプログラムが自動的に検出するため、nfsiso オプションは廃止予定になります。
ディスクデバイス名は次の形式で指定します。
  • カーネルデバイス名の場合、/dev/sda1 または sdb2 など
  • ファイルシステムラベルの場合、LABEL=Flash または LABEL=RHEL7 など
  • ファイルシステムの UUID の場合、UUID=8176c7bf-04ff-403a-a832-9557f94e61db など
英数字以外は \xNN で表す必要があります。NN は文字の 16 進数表示になります。たとえば、\x20 なら空白になります (" ")。
inst.stage2=
読み込み対象のインストールプログラムのランタイムイメージの場所を指定します。構文は インストールソースの指定 にあるものと同じです。このオプションは、有効な .treeinfo ファイルを格納しているディレクトリーへのパスを想定しています。このファイルが見つかる場合は、ランタイムイメージの場所がこのファイルから読み込まれます。.treeinfo ファイルが見つからない場合は、AnacondaLiveOS/squashfs.img からイメージの読み込みを試行します。
複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定する場合は、オプションを複数回使用します。
inst.stage2=host1/install.img inst.stage2=host2/install.img	inst.stage2=host3/install.img

注記

デフォルトでは、 inst.stage2= ブートオプションがインストールメデイアで使用され、特定のラベル (たとえば inst.stage2=hd:LABEL=RHEL7\x20Server.x86_64) に設定されます。ランタイムイメージを含むファイルシステムのデフォルトラベルを修正するか、インストールシステムの起動にカスタマイズした手順を使用する場合は、このオプションを正しい値に設定する必要があります。
inst.dd=
インストール時にドライバーを更新する必要がある場合は、inst.dd= オプションを使用します。このオプションは複数回使用することができます。ドライバーの RPM パッケージの場所は、インストールソースの指定で詳述されている形式を使って指定できます。inst.dd=cdrom オプションを除き、デバイス名は常に指定する必要があります。例を示します。
inst.dd=/dev/sdb1
このオプションにパラメーターを付けずに使用すると (inst.dd のみ)、対話形式のメニューでドライバー更新ディスクの選択が求められます。
ドライバーディスクは、ネットワーク経由や initrd から読み込むのではなく、ハードディスクドライブまたは同様のデバイスから読み込むことができます。以下の手順に従います。
  1. ハードディスクドライブ、USB または同様のデバイスのドライバーディスクを読み込みます。
  2. このデバイスに対して DD などのラベルを設定します。
  3. 以下でインストールを開始します。
    インストールの開始
    インストールを開始します。
DD を具体的なラベルに、dd.rpm は具体的な名前に置き換えます。LABEL には、inst.repo コマンドでサポートされている内容を使用してハードディスクドライブを指定します。
インストール時のドライバー更新についての詳細は、6章AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する (AMD64 および Intel 64 システム用)、および11章IBM Power Systems へのインストール中にドライバーを更新する (IBM Power Systems サーバー) を参照してください。

キックスタート起動オプション

inst.ks=
インストールの自動化に使用するキックスタートファイルの場所を入力します。inst.repo で有効な形式を使用して場所を指定することができます。詳細は、インストールソースの指定 を参照してください。
複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定する場合は、オプションを複数回使用します。複数の HTTP、HTTPS、または FTP の場所が指定されると、それらの場所はいずれかが成功するまで順番に試行されます。
inst.ks=host1/directory/ks.cfg inst.ks=host2/directory/ks.cfg inst.ks=host3/directory/ks.cfg
デバイスだけを指定しパスは指定しなかった場合、インストールプログラムは指定されたデバイス上にある /ks.cfg 内でキックスタートファイルを検索します。デバイスを指定せずにこのオプションを使用すると、インストールプログラムは次を使用します。
inst.ks=nfs:next-server:/filename
上記の例の next-server は、DHCP の next-server オプションか DHCP サーバー自体の IP アドレスになります。filename は DHCP の filename オプションまたは /kickstart/ です。指定したファイル名の末尾が / になっている場合、ip-kickstart が追加されます。例を示します。

表22.2 デフォルトのキックスタートファイルの場所

DHCP サーバーのアドレスクライアントのアドレスキックスタートファイルの場所
192.168.122.1192.168.122.100192.168.122.1:/kickstart/192.168.122.100-kickstart
また、Red Hat Enterprise Linux 7.2 の起動では、インストーラーは OEMDRV のラベルが付いたボリュームにks.cfg というキックスタートファイルがある場合は、これを読み込みます。ご自分のキックスタートファイルがこの場所にある場合は、inst.ks= ブートオプションを使用する必要はありません。
inst.ks.sendmac
全ネットワークインターフェースの MAC アドレスを持つ HTTP 発信要求にヘッダーを追加します。例を示します。
X-RHN-Provisioning-MAC-0: eth0 01:23:45:67:89:ab
システムのプロビジョニングに inst.ks=http を使用する場合に便利です。
inst.ks.sendsn
HTTP 発信要求にヘッダーを追加します。このヘッダーには /sys/class/dmi/id/product_serial から読み込まれるシステムのシリアル番号が含まれます。ヘッダーは次のような構文になります。
X-System-Serial-Number: R8VA23D

コンソール、環境、ディスプレイの各オプション

console=
このカーネルオプションでは、プライマリーコンソールとして使用するデバイスを指定します。たとえば、一番目のシリアルポートでコンソールを使用する場合は console=ttyS0 を使用します。inst.text オプションと併用してください。
このオプションは何回使用しても構いません。この場合、起動メッセージが指定したコンソールすべてで表示されますが、これ以降インストールプログラムが使用するのは最後のコンソールのみです。たとえば、console=ttyS0 console=ttyS1 と指定した場合、インストールプログラムでは ttyS1 が使用されます。
noshell
インストール中の root シェルへのアクセスを無効にします。自動インストール (キックスタート) の場合に便利です。このオプションを使用すると、ユーザーはインストールの進捗状況は確認できますが、Ctrl+Alt+F2 を押して root シェルにアクセスしてインストールプロセスに干渉することはできません。
inst.lang=
インストール時に使用する言語を設定します。言語コードは、「キックスタートのコマンドとオプション」で説明されている lang キックスタートコマンド内で使用するものと同じです。system-config-language パッケージがインストールされているシステム上では、/usr/share/system-config-language/locale-list でも有効な値の一覧を確認することができます。
inst.geoloc=
インストールプログラムで地理位置情報の使用を設定します。地理位置情報は言語およびタイムゾーンの事前設定に使用されます。inst.geoloc=value の形式で指定します。
value パラメーターは次のいずれかにします。

表22.3 inst.geoloc オプションに使用できる値

地理位置情報を無効にするinst.geoloc=0
Fedora GeoIP API を使用するinst.geoloc=provider_fedora_geoip
Hostip.info GeoIP API を使用するinst.geoloc=provider_hostip
このオプションが指定されていない場合、Anacondaprovider_fedora_geoip を使用します。
inst.keymap=
インストールプログラムで使用するキーボードのレイアウトを指定します。レイアウトコードは、「キックスタートのコマンドとオプション」で説明されている keyboard キックスタートコマンド内で使用しているものと同じになります。
inst.text
インストールプログラムをグラフィカルモードではなくテキストモードで強制実行します。テキストユーザーインターフェースの場合、パーティションレイアウトの変更ができなかったり、LVM を設定できないなどの制限があります。グラフィック機能に制限のあるマシンにシステムをインストールする場合は、リモートアクセスを有効にする で説明されている VNC の使用をお勧めします。
inst.cmdline
インストールプログラムをコマンドラインモードで強制実行します。このモードでは一切のやりとりができないため、オプションはすべてキックスタートファイル内またはコマンドライン上で指定する必要があります。
inst.graphical
インストールプログラムをグラフィカルモードで強制実行します。このモードがデフォルトになります。
inst.resolution=
グラフィカルモードでの画面解像度を指定します。NxM の形式をとります。N は横、M は縦になります (ピクセル単位)。対応している最小解像度は 800x600 になります。
inst.headless
インストールしているマシンにディスプレイ用ハードウェアがないことを指定します。つまり、このオプションを設定するとインストールプログラムによる画面の検出が試行されなくなります。
inst.xdriver=
インストール中およびインストール後のシステムで使用する X ドライバー名を指定します。
inst.usefbx
ハードウェア固有のドライバーではなく、フレームバッファー X ドライバーを使用するようインストールプログラムに指示します。このオプションは inst.xdriver=fbdev と同じです。
modprobe.blacklist=
ドライバーをブラックリストに登録します (完全無効)。このオプションで無効にしたドライバー (mods) はインストール開始時の読み込みから除外され、インストール終了後、インストールが完了したシステムでもこの設定が維持されます。ブラックリストに登録されたドライバーは /etc/modprobe.d/ ディレクトリーで確認することができます。
複数のドライバーを無効にする場合はコンマで区切ります。例を以下に示します。
modprobe.blacklist=ahci,firewire_ohci
inst.sshd=0
デフォルトでは、sshd は IBM System z 上でのみ自動的に起動します。その他のアーキテクチャーでは、sshdinst.sshd オプションを使用した場合にのみ、起動します。このオプションは IBM System z 上で sshd が自動的に起動しないようにします。
inst.sshd
インストール時に sshd サービスを開始します。これにより、SSH を使ってシステムに接続し、その進捗をモニターできます。SSH についての詳細は、ssh(1) の man ページおよび 『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 の該当する章を参照してください。デフォルトでは、sshd は IBM System z 上でのみ自動的に起動します。その他のアーキテクチャーでは、sshdinst.sshd オプションを使用した場合にのみ、起動します。

注記

インストール時に、デフォルトでは root アカウントにパスワードは設定されません。「キックスタートのコマンドとオプション」に説明されているように sshpw キックスタートコマンドを使用して、インストール時に使用される root のパスワードを設定することができます。
inst.kdump_addon=
インストーラーで Kdump 設定画面 (アドオン) を有効、無効にします。デフォルトでは、この画面は有効になっています。無効にする場合は、inst.kdump_addon=off としてください。このアドオンを無効にすると、%addon com_redhat_kdump キックスタートコマンドの他にも、グラフィカルとテキストベースの両方のインターフェースで Kdump 画面が無効になることに注意してください。

ネットワーク起動オプション

ネットワークの最初の初期化は dracut によって処理されます。本セクションでは、よく使用されるいくつかのオプションのみを紹介します。全オプションの一覧については dracut.cmdline(7) の man ページをご覧ください。『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』 にもネットワーク設定に関する詳細が記載されています。
ip=
ネットワークインターフェースを設定します。複数のインターフェースを設定する場合は、ip オプションを複数回、インターフェースごとに使用します。複数のインターフェースを設定した場合は、rd.neednet=1 オプションを使用し、以下に示す bootdev オプションを使ってプライマリーの起動インターフェースを指定する必要もあります。別の方法では、ip オプションを 1 度使用して、その後にキックスタートを使用して追加のインターフェースを設定することもできます。
このオプションは複数の異なる形式を受け入れます。最も一般的な形式については、表22.4「ネットワークインタフェースの設定形式」で説明されています。

表22.4 ネットワークインタフェースの設定形式

設定方法オプションの形式
全インターフェースの自動設定ip=method
特定インターフェースの自動設定ip=interface:method
静的設定ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none
特定インターフェースの自動設定と無効化[a]ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:method:mtu
[a] dhcp など指定した自動設定の方法で特定のインターフェースを設定します。一方、自動取得した IP アドレス、ゲートウェイ、ネットマスク、ホスト名、他のパラメーターなどで指定したものを無効化します。パラメーターはすべてオプションです。無効にするパラメーターだけを指定します。それ以外のパラメーターには自動取得した値が使用されます。
method パラメーターには以下のいずれかを使用します。

表22.5 自動インターフェース設定方法

自動設定の方法
DHCPdhcp
IPv6 DHCPdhcp6
IPv6 自動設定auto6
iBFT (iSCSI Boot Firmware Table)ibft

注記

inst.ks=http://host:/path など、ネットワークへのアクセスを必要とする起動オプションを使用する一方、ip オプションには指定がない場合、インストールプログラムは ip=dhcp を使用します。

重要

iSCSI ターゲットに自動接続するには、ターゲットにアクセスするネットワークデバイスがアクティベートされている必要があります。アクティベートするには ip=ibft ブートオプションの使用が推奨されます。
上記の表では ip パラメーターはクライアントの IP アドレスを指定しています。IPv6 アドレスは角カッコで囲むと指定できます ([2001:DB8::1] など)。
gateway パラメーターはデフォルトのゲートウェイになります。IPv6 アドレスはここでも使用できます。
netmask パラメーターは使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) またはプレフィックス (64 など) のどちらでも構いません。
hostname パラメーターはクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターはオプションになります。
nameserver=
ネームサーバーのアドレスを指定します。このオプションは複数回使用できます。
rd.neednet=
複数の ip オプションを使用する場合は、rd.neednet=1 オプションも使用する必要があります。別の方法では、ip を 1 回使用してその後にキックスタートを使用して追加のインターフェースを設定すると、複数のネットワークインターフェースを設定できます。
bootdev=
起動インターフェースを指定します。ip オプションを複数回使用する場合、このオプションは必須になります。
ifname=
特定の MAC アドレスを持たせた指定インターフェース名をネットワークデバイスに割り当てます。複数回の使用が可能です。構文は ifname=interface:MAC です。例を示します。
ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab

注記

ifname= オプションの使用は、インストール中にカスタムネットワークインターフェース名を設定する唯一のサポート方法となります。
inst.dhcpclass=
DHCP のベンダークラス識別子を指定します。dhcpd サービスではこの値を vendor-class-identifier として認識します。デフォルト値は anaconda-$(uname -srm) です。
inst.waitfornet=
inst.waitfornet=SECONDS 起動オプションを使用すると、インストールシステムはインストール前にネットワーク接続を待機します。SECONDS で指定する秒数は、タイムアウトして、ネットワーク接続がない場合でもインストールプロセスを継続するまでの最大秒数になります。
vlan=
仮想 LAN (VLAN) デバイスに特定の名前を付けて、指定インターフェース上にセットアップします。構文は vlan=name:interface です。例を示します。
vlan=vlan5:em1
上記により、vlan5 という名前が付けられた VLAN デバイスが em1 インターフェース上にセットアップされます。name は以下のような形式をとります。

表22.6 VLAN デバイスの命名規則

命名スキーム
VLAN_PLUS_VIDvlan0005
VLAN_PLUS_VID_NO_PADvlan5
DEV_PLUS_VIDem1.0005.
DEV_PLUS_VID_NO_PADem1.5.
bond=
bond=name[:slaves][:options] という構文で結合デバイスをセットアップします。name には結合デバイス名を入れます。slaves には物理 (イーサネット) インターフェースをコンマで区切って一覧形式で入力します。options には結合オプションをコンマで区切って一覧形式で入力します。例を示します。
bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000
利用できるオプション一覧を表示するには、modinfo bonding コマンドを実行します。
パラメーターを付けずにこのオプションを使用すると、bond=bond0:eth0,eth1:mode=balance-rr という構文になるとみなされます。
team=
team=master:slaves という構文でチームデバイスをセットアップします。master にはマスターチームのデバイス名を入れます。slaves にはチームデバイス内でスレーブとして使用する物理 (イーサネット) デバイスをコンマで区切って一覧形式で入力します。例を示します。
team=team0:em1,em2

高度なインストールオプション

inst.kexec
このオプションを指定すると、インストーラーはインストールの最後に再起動の実行ではなく、kexec システムコールを使用します。これにより新システムが即座に読み込まれ、BIOS またはファームウェアが通常実行するハードウェアの初期化が省略されます。

重要

kexec を使用したシステムブートでは、その複雑性のために明示的にテストすることができず、すべての状況で機能することが保証されるものではありません。
kexec の使用時には、(完全なシステム再起動では通常クリアされる) デバイスレジスタにデータが残り、これがデバイスドライバーによっては問題となる可能性もあります。
inst.gpt
インストールプログラムがパーティション情報を Master Boot Record (MBR) ではなく GUID Partition Table (GPT) にインストールするように強制します。UEFI ベースのシステムでは、BIOS 互換モードになっていなければ、このオプションは意味がありません。
通常、BIOS 互換モードの BIOS ベースのシステムおよび UEFI ベースのシステムでは、ディスクのサイズが 232 セクター以上でない限り、パーティション情報の格納には MBR スキーマを使用しようとします。通常はディスクの 1 セクターは 512 バイトで、これは 2 TiB にあたります。このオプションを使用することでこの動作が変更され、このサイズより小さいディスクにも GPT の書き込みが可能になります。
GPT および MBR についての詳細情報は、「MBR と GPT に関する注意点」 を参照してください。GPT、MBR およびディスクのパーミッション設定全般については、「GUID パーティションテーブル (GPT)」 を参照してください。
inst.multilib
multilib パッケージ用にシステムを設定し (つまり、64 ビットの AMD64 もしくは Intel 64 システムに 32 ビットのパッケージをインストールできるようにする)、このセクションで説明しているようにパッケージをインストールします。
通常、 AMD64 や Intel 64 システムでは、このアーキテクチャー専用となるパッケージ (x86_64 の印が付いている) と全アーキテクチャー用のパッケージ (noarch の印が付いている) がインストールされます。このオプションを使用すると、32 ビットの AMD または Intel システム用のパッケージ (i686 の印が付いている) がある場合、それらも合わせて自動的にインストールします。
これは %packages セクションで直接指定されているパッケージにのみ適用されます。依存パッケージとしてインストールされる場合は、依存パッケージに該当するものしかインストールされません。たとえば、bash パッケージをインストールするときにこのパッケージが glibc パッケージに依存している場合、bash パッケージは複数のバリアントにインストールされますが、glibc パッケージは依存パッケージとして必要とされるバリアントにしかインストールされません。
selinux=0
デフォルトでは、SELinux はインストーラーでは permissive モードで動作し、インストールされたシステムでは enforcing モードで動作します。このオプションは、インストールおよびインストールされたシステム全体での SELinux の使用を無効にします。

注記

selinux=0inst.selinux=0 のオプションは異なるものです。selinux=0 オプションは、インストーラーとインストールされたシステムにおいて SELinux の使用を無効にします。一方、inst.selinux=0 はインストーラーのみで SELinux を無効にします。デフォルトでは、SELinux はインストーラーで permissive モードでの作動になるので、無効にしても影響はほとんどありません。
inst.nosave=
Red Hat Enterprise Linux 7.3 から導入されたこのオプションは、インストールするシステムに保存するキックスタートファイルとインストールログを指定します。OEM のオペレーティングシステムのインストールを実行している場合や、内部リポジトリー URL などの機密ソースを使用してイメージを生成する場合などにこれらのデータ保存を無効にする際に特に便利なものです。無効にしないと、これらのリソースはキックスタートファイルもしくはイメージ上のログ、またはそれら両方に記述されることになるためです。使用可能な値は以下の通りです。
input_ks - 入力キックスタートファイルの保存を無効にします (ある場合)。
output_ks - Anaconda が生成する出力キックスタートファイルの保存を無効にします。
all_ks - 入出力キックスタートファイルの両方の保存を無効にします。
logs - 全インストールログの保存を無効にします。
all - 全キックスタートと全インストールログの保存を無効にします。
複数の値は以下のようにコンマ区切りにします。input_ks,logs
inst.zram
このオプションは、インストール中の zRAM swap の使用量を制御します。これはシステムの RAM の内部に圧縮ブロックデバイスを作成し、これをハードドライブではなく swap 領域向けに使用します。これにより、インストーラーが利用可能なメモリー量が実質上増えることになり、メモリーが少ないシステムでのインストールが迅速にできるようになります。
デフォルトでは、zRAM 上の swap は 2 GiB 以下の RAM のシステムで有効にされ、2 GiB を超えるメモリーのシステムでは無効になります。このオプションを使用することで、この動作を変更できます。2 GiB を超える RAM のシステムで inst.zram=1 を使用すると有効になり、2 GiB 以下のメモリーのシステムで inst.zram=0 を使用すると無効になります。

リモートアクセスを有効にする

以下は、リモートによるグラフィカルインストールを行う場合の Anaconda の設定に必要なオプションです。詳細は、24章VNC を使用したインストール を参照してください。
inst.vnc
インストールプログラムのグラフィカルインターフェースが VNC セッション内で実行されるよう指定します。このオプションを指定する場合、インストールプログラムと通信することができる VNC クライアントアプリケーションを使ってシステムを接続しておく必要があります。VNC 共有を有効にすることで、複数のクライアントを同時にシステムに接続できるようになります。

注記

VNC でインストールしたシステムは、デフォルトではテキストモードで起動します。
inst.vncpassword=
インストールプログラムが使用する VNC サーバーでパスワードを設定します。これにより、このシステムに接続を試行する VNC クライアントはすべて、正しいパスワードを入力しないとアクセスできなくなります。たとえば、inst.vncpassword=testpwd でパスワードを testpwd に設定します。VNC パスワードは 6 文字から 8 文字の長さにしてください。

注記

無効なパスワードを指定すると (長すぎるまたは短すぎるパスワード)、インストールプログラムにより別のパスワードの指定を求めるメッセージが出力されます。
VNC password must be six to eight characters long.
Please enter a new one, or leave blank for no password.

Password:
inst.vncconnect=
インストールの開始後、指定ホストのポートで待機している VNC クライアントに接続します。inst.vncconnect=host:port が正しい構文になります。host は VNC クライアントのホストへのアドレスになります。port には使用するポートを入れます。port パラメーターはオプションになります。指定しないと 5900 が使用されます。

デバッグとトラブルシューティング

inst.updates=
インストールプログラムのランタイムに適用する updates.img ファイルの場所を指定します。構文は inst.repo オプションの場合と同じです。詳細は、表22.1「インストールソース」を参照してください。ファイル名を指定せずディレクトリーだけを指定すると、いずれの形式を使用した場合も、インストールプログラムは updates.img という名前のファイルを検索します。
inst.loglevel=
ターミナルでログ表示されるメッセージの最低レベルを指定します。このオプションで設定するのはターミナル表示のみです。ログファイルには常に全レベルのメッセージが記録されます。
オプションに設定できるレベルは debuginfowarningerrorcritical です。デフォルト値は info です。つまり、デフォルトでは info から critical までの範囲のメッセージがログターミナルに表示されます。
inst.syslog=
インストールが開始されると、このオプションはログメッセージを、指定されたホスト上の syslog プロセスに送ります。リモート syslog プロセスは、着信接続を受け入れるように設定する必要があります。syslog サービスが着信接続を受け入れるように設定する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
inst.virtiolog=
ログの転送に virtio ポート (/dev/virtio-ports/name にあるキャラクターデバイス) を使用するよう指定します。デフォルト値は org.fedoraproject.anaconda.log.0 です。このポートが存在していれば使用されます。
rd.live.ram
このオプションを指定すると、ステージ 2 イメージが RAM にコピーされます。インストールは NFS リポジトリー上のステージ 2 イメージ上に構築された環境内のネットワーク再構成に影響される場合があるので、NFS 上のステージ 2 イメージが使用されると、このオプションによりインストールがスムーズに進む場合があります。
NFS サーバー上にステージ 2 イメージがある場合にこのオプションを使用すると、イメージで必要となる最小メモリーがおよそ 500 MiB 増えることに注意してください。
inst.nokill
致命的なエラーが発生した場合、またはインストールプロセスの終了時に、anaconda がリブートしないようにするデバッグオプションです。これを使用すると、リブートすると失われてしまうインストールのログが取得できます。

22.1.1. 廃止予定および削除された起動オプション

廃止予定の起動オプション

この一覧に記載されているオプションは 廃止予定 です。動作はしますが同じ機能を提供している別のオプションがあります。廃止予定のオプションの使用は推奨されせん。今後のリリースで削除される予定です。

注記

「ブートメニューでインストールシステムを設定する」で説明されているように、インストールプログラムに固有となるオプションでは、inst. のプレフィックスが使用されるようになります。たとえば、vnc= オプションは非推奨とみなされ、inst.vnc= オプションによって置き換えられます。これらの変更は、ここでは一覧表示されていません。
method=
インストール方法の設定に使用されていました。代わりに inst.repo= を使用してください。
repo=nfsiso:server:/path
NFS インストールでターゲットがインストール可能なツリーではなく、 NFS サーバーにある ISO イメージであることを指定するために使用されていました。この違いは自動的に検出されるようになったため、このオプションは inst.repo=nfs:server:/path と同じになります。
dns=
ドメインネームサーバー (DNS) の設定に使用していました。代わりに nameserver= オプションを使用してください。
netmask=gateway=hostname=ip=ipv6=
これらのオプションは ip= オプションに統合されています。
ksdevice=
インストールの初期段階で使用するネットワークデバイスを選択します。値、オプションともに変更があります。以下の表を参照してください。

表22.7 自動インターフェース設定方法

現在の動作
指定しないip= オプションまたは BOOTIF オプションで希望するデバイスと構成が指定されている場合を除き、dhcp を使用してすべてのデバイスのアクティベーションが試行されます。
ksdevice=link上記と同様ですが、(必要の有無にかかわらず) ネットワークが initramfs で常にアクティブにされる点が異なります。同じ結果を出すには、サポートされている dracut オプションの rd.neednet を使用する必要があります。
ksdevice=bootif無視されます (指定すると BOOTID= オプションがデフォルトで使用されます)。
ksdevice=ibftdracut オプションの ip=ibft に切り替わります。
ksdevice=MACBOOTIF=MAC に切り替わります。
ksdevice=devicedracut オプションの ip= を使ってデバイス名を指定する方法に切り替わります。

重要

キックスタートを使ったインストールを行う際、ローカルのメディアから起動して、キックスタートファイルもローカルのメディアに配置していると、ネットワークは初期化されません。つまり、ネットワーク上の場所にアクセスする pre-installation スクリプトや post-installation スクリプトなど、ネットワークアクセスを必要とする他のキックスタートオプションが原因でインストールが失敗することになります。これは既知の問題になります。詳細は BZ#1085310 をご覧ください。
この問題を回避するには、ksdevice=link 起動オプションを使用するか、キックスタートファイルで network コマンドに --device=link オプションを追加します。
blacklist=
指定したドライバーの無効化に使用していました。この動作は modprobe.blacklist= オプションで処理するようになります。
nofirewire=
FireWire インターフェースのサポートの無効化に使用していました。代わりに modprobe.blacklist= オプションを使うと FireWire ドライバー (firewire_ohci) を無効にできます。
modprobe.blacklist=firewire_ohci
nicdelay=
ネットワークアクティブであると認識されるまでの遅延の表示に使用されていました。ゲートウェイへの ping が正常に行えるまで、またはこのパラメーターで指定した秒数が経過するまでシステムはインストールの継続を待機します。RHEL 7 では、ネットワークデバイスは、インストールの初期ステージに dracut モジュールによって設定、アクティブ化されます。こうすることで、次に進む前にゲートウェイにアクセス可能になります。dracut についての詳細は、dracut.cmdline(7) man ページを参照してください。
linksleep=
デバイス上のリンクをアクティベートするまでの anaconda の待機時間を設定していました。この機能は dracut モジュールで可能になっており、特定の rd.net.timeout.* オプションを設定することで、ネットワークデバイスの初期化が遅いことで発生する問題を処理します。dracut についての詳細は、dracut.cmdline(7) man ページを参照してください。

削除済みの起動オプション

次のオプションは削除されました。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでは提供されていましたが、今後は使用できなくなります。
askmethod, asknetwork
インストールプログラムの initramfs は完全に非対話形式になります。つまり、これらのオプションは使用できなくなります。代わりに、インストール方法の指定には inst.repo= を、ネットワーク設定には ip= を使用してください。
serial
出力に /dev/ttyS0 コンソールを使用するよう Anaconda に強制するために使用されていました。代わりに console=/dev/ttyS0 を使用してください。
updates=
インストールプログラムの更新の場所を指定するときに使用していました。代わりに inst.updates= を使用してください。
essid=wepkey=wpakey=
ワイヤレスのネットワークアクセスを設定する際に使用していました。ネットワーク設定は dracut で処理されるようになります。しかし、dracut はワイヤレスネットワークの設定には対応しないため、これらのオプションは不要になります。
ethtool=
低レベルのネットワーク設定に使用していました。ネットワーク設定はすべて ip= オプションで処理されるようになります。
gdb
ローダーのデバッグを許可する場合に使用していました。代わりに rd.debug を使用してください。
mediacheck
インストール開始前のインストールメディアの検証に使用していました。rd.live.check オプションに切り替わります。
ks=floppy
3.5 インチのディスクをキックスタートファイルのソースとして指定していました。このドライブはサポートされていません。
display=
リモートディスプレイの設定に使用していました。inst.vnc オプションに切り替わります。
utf8
テキストモードでのインストールの際、UTF8 サポートの追加に使用していました。UTF8 サポートは自動的に動作するようになります。
noipv6
インストールプログラムで IPv6 サポートを無効化するために使用していました。IPv6 はカーネルに組み込まれるようになったため、ドライバーはブラックリストに登録できなくなります。ただし、dracut オプションの ipv6.disable を使用すれば IPv6 を無効にすることができます。
upgradeany
Red Hat Enterprise Linux でのアップグレードは別の方法で行なわれるようになります。システムをアップグレードする方法については、28章現在のシステムのアップグレードを参照してください。
vlanid=
仮想 LAN (802.1q tag) デバイスの設定に使用していました。代わりに vlan= dracut オプションを使用してください。

22.2. メンテナンス起動モードの使い方

22.2.1. メモリー (RAM) テストモードを読み込む

メモリー (RAM) モジュールでの障害が原因で、システムの予期しないフリーズやクラッシュが発生する場合があります。一方、特定のソフトウェアの組み合わせに対してエラーが発生するだけの場合もあります。この理由から、そのコンピューターで以前に別のオペレーティングシステムを稼働していた場合でも、Red Hat Enterprise Linux を初めてインストールする際には、インストールの前にコンピューターのメモリーテストを行うようにしてください。
Red Hat Enterprise Linux には Memtest86+ メモリーテストのアプリケーションが収納されています。メモリーテストモードを起動するには、ブートメニューで Troubleshooting > Memory test の順で選択します。直ちにテストが開始されます。デフォルトでは、Memtest86+ はそれぞれのパスで 10 種類のテストを実施します。別の設定を指定することもできます。c キーを使って設定画面にアクセスしてください。最初のパスが完了すると、現在の状態を示すメッセージが画面下部に表示され、自動的に次のパスが開始されます。

注記

Memtest86+ が動作するのは BIOS 上のみです。UEFI システムのサポートは現在利用できません。
Memtest86+ を使ったメモリーチェック

図22.1 Memtest86+ を使ったメモリーチェック

テスト進行中に表示されるメイン画面は主に 3 エリアに分けられます。
  • 左上には、メモリーおよびプロセッサーキャッシュ専用に割り当てられたサイズ、そのスループットとプロセッサー、チップセット情報など、システムのメモリー構成に関する情報が表示されます。この情報は Memtest86+ が起動したときに検出される情報になります。
  • 右上には、現在のパスの進捗状況、そのパスで現在実行中のテスト、テスト詳細など、テストに関する情報が表示されます。
  • 画面の中央には、合計時間、完了したパス数、検出されたエラー数、選択しているテストなど、ツールが起動した時点からの全テストに関する情報が表示されます。一部のシステムでは、インストールしているメモリー (搭載モジュール数、製造元、周波数、遅延時間など) に関する詳細情報についても表示されます。完了したパスの後ろには簡単な概要が表示されます。例を示します。
    ** Pass complete, no errors, press Esc to exit **
    Memtest86+ でエラーが検出されると、このエリアに赤色で強調表示されます。メッセージには問題を検出したテスト、障害が発生しているメモリーの場所、その他、詳細な情報が含まれます。
ほとんどの場合、一つのパスでのテスト成功で、使用している RAM の健全性を十分に確認できます (10 種類の全テストを 1 回実行)。ただし、まれに最初のパスでは検出されなかったエラーがその後のテストで出現する場合があります。重要なシステムで完全なテストを実施する場合は、複数パスを完了させるため一晩または数日、テストを実行させたままにしておきます。

注記

Memtest86+ の全パス完了に要する時間はシステムの構成により異なります (特に RAMのサイズと速度に影響されます)。たとえば、2 GiB の DDR2 メモリー、速度が 667 MHz の場合、パスをひとつ完了するのに 20 分ほどかかります。
テストを中止してコンピューターを再起動する場合は Esc キーを押します。
Memtest86+ の使い方については公式の web サイト http://www.memtest.org/ をご覧ください。README ファイルは memtest86+ パッケージをインストールしている Red Hat Enterprise Linux システムの /usr/share/doc/memtest86+-version/ でご覧頂けます。

22.2.2. 起動用メディアを検証する

ISO ベースのインストールソースは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに使用する前に、その整合性を検証することができます。インストールソースには DVD や ハードドライブ、NFS サーバーに保存している ISO イメージなどが含まれます。インストール前に ISO イメージの整合性を検証することで、インストール中に何度も遭遇する問題を回避することができます。
ISO イメージのチェックサム整合性を検証する場合は、rd.live.check をブートローダーのコマンドラインに追加します。このオプションはブートメニューからデフォルトのインストールオプション (Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0) を選択すると自動的に使用されます。

22.2.3. レスキューモードでコンピューターを起動する

コンピューターに実際には Red Hat Enterprise Linuxをインストールせずに、インストールディスクからコマンドライン Linux システムを起動することができます。これにより稼働している Linux システムのユーティリティーおよび機能を使って、すでにインストール済みのオペレーティングシステムの修正や修復を行うことができるようになります。
インストールディスクまたは USB ドライブでレスキューシステムを読み込むには、ブートメニューの Troubleshooting サブメニューから Rescue a Red Hat Enterprise Linux system を選択するか、inst.rescue 起動オプションを使用します。
次に表示される画面で、言語、キーボードのレイアウト、ネットワーク設定をレスキューシステム用に指定します。最後のセットアップ画面では、コンピューター上の既存システムへのアクセスを設定します。
デフォルトでは、既存のオペレーティングシステムはレスキューシステムの /mnt/sysimage/ ディレクトリー配下に配置されます。
レスキューモードおよび他のメンテナンスモードに関する詳細は、31章基本的なシステムの復元を参照してください。

第23章 ネットワークからのインストールの準備

インストールサーバーを使ったネットワークインストールでは、ネットワークブート サーバーを使って複数のシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすることができます。この方法では、PXE インストール設定されたシステムはすべてこのサーバーによって提供されるイメージを使用して起動し、インストールプログラムを自動的に開始します。

注記

Red Hat Satellite には、PXE サーバーを自動設定する機能があります。詳細は、 Red Hat Satellite User Guide を参照してください。
ネットワークからのインストールには、少なくとも以下の 2 つのシステムが必要になります。
  • サーバー - DHCP サーバー、起動ファイルを提供する TFTP サーバー、およびインストールイメージを格納している HTTP、FTP もしくは NFS サーバーを稼働するシステム。理論的には、これら各サーバーは別個のシステム上で稼働することが可能です。本セクションの手順では便宜上、単一のシステムがこれらすべてのサーバーを稼働していることとします。
  • クライアント - Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるシステム。インストールが開始されると、クライアントは DHCP サーバーにクエリを行い、TFTP サーバーから起動ファイルを取得し、HTTP、FTP または NFS サーバーからインストールイメージをダウンロードします。
他のインストール方法とは異なり、インストールを開始するためにクライアント (インストール先のシステム) に物理的な起動用メディアを挿入する必要はありません。本章では、ネットワークからのインストールの準備に必要となるステップを説明します。
ネットワークインストールの準備として次の手順を実行してください。
  1. インストールツリーまたはインストール ISO イメージをエクスポートするためのネットワークサーバー (NFSHTTPSHTTP、または FTP) を設定します。設定の手順については、「インストールソース - ネットワーク」 を参照してください。
  2. tftp サーバー上のファイルでネットワーク起動に必要な設定を行い、DHCP を設定してから PXE サーバー上で tftp サービスを開始します。詳細は、「ネットワークブートサービスの設定」 を参照してください。

    重要

    GRUB2 ブートローダーは、tftp サーバーからのネットワークブートとは別に、HTTP もサポートしています。ただし、このプロトコルによる起動ファイル (カーネルおよびインストーラー用初期 RAM ディスク) の取得は時間がかかり、タイムアウトになるリスクがあります。起動ファイルの取得には tftp サーバーを使用することが推奨されます。
    この注意点が適用されるのは、カーネルと初期 RAM ディスク (vmlinuz および initrd) のみです。インストールソースHTTP サーバーから取得する際には、このリスクはありません。
  3. クライアント (Red Hat Enterprise Linux をインストールするシステム) を起動し、インストールを開始します。

注記

本章の手順では、Red Hat Enterprise Linux 7 上にネットワーク起動サーバーを設定する方法を説明しています。以前の Red Hat Enterprise Linux リリースでネットワークからの起動を設定する方法については、各リリースの 『インストールガイド』 を参照してください。

23.1. ネットワークブートサービスの設定

インストールで使用するパッケージリポジトリーが収納されたネットワークサーバーの設定が完了したら、次は PXE サーバー自体を設定します。このサーバーには、Red Hat Enterprise Linux の起動とインストールの開始に必要なファイルが含まれます。さらに DHCP サーバーの設定も必要になります。また、必要なサービスをすべて有効化して開始する必要があります。

注記

Red Hat Enterprise Linux をインストールする AMD64 システムまたは Intel 64 システムが BIOS と UEFI のどちらを使用しているかによって、ネットワーク起動の設定手順が異なります。ご使用のシステムがどちらを使用しているかを製造元が提供する説明書でご確認の上、該当する手順に従ってください。
GRUB2 ブートローダーを使ってネットワークの場所から IBM Power Systems を起動する場合は、別途記載の手順に従ってください。詳細は、「GRUB2 を使って IBM Power Systems 向けにネットワーク起動を設定する」 を参照してください。
ヘッドレスシステム (ディスプレイ、キーボード、マウスが直接接続されていないシステム) で使用するためのネットワークブートサーバーの設定に関する詳細情報は、25章ヘッドレスシステム を参照してください。

23.1.1. BIOS ベースの AMD64 と Intel 64 クライアント向けに TFTP サーバーを設定する

以下の手順では、BIOS ベースの AMD64 および Intel 64 システムの起動用の PXE サーバーの準備について説明しています。UEFI ベースのシステムについては、「UEFI ベースの AMD64 と Intel 64 クライアント向けに TFTP サーバーを設定する」 を参照してください。

手順23.1 BIOS ベースのシステム向けに TFTP ブートサーバーを設定する

  1. tftp-server パッケージをインストールします。root で以下のコマンドを実行します。
    # yum install tftp-server
  2. tftp サービスへの全受信をファイアウォールで許可します。
    # firewall-cmd --add-service=tftp

    注記

    上記のコマンドが有効にするのは、次回のサーバー再起動までのアクセスのみです。永続的にアクセスを許可するには、--permanent オプションを追加します。ファイアウォール設定についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
  3. SYSLINUX に同梱されている起動イメージを使用するように DHCP サーバーを設定します。DHCP サーバーがインストールされていない場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
    /etc/dhcp/dhcpd.conf ファイルの設定例を以下に示します。
    option space pxelinux;
    option pxelinux.magic code 208 = string;
    option pxelinux.configfile code 209 = text;
    option pxelinux.pathprefix code 210 = text;
    option pxelinux.reboottime code 211 = unsigned integer 32;
    option architecture-type code 93 = unsigned integer 16;
    
    subnet 10.0.0.0 netmask 255.255.255.0 {
    	option routers 10.0.0.254;
    	range 10.0.0.2 10.0.0.253;
    
    	class "pxeclients" {
    	  match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient";
    	  next-server 10.0.0.1;
    
    	  if option architecture-type = 00:07 {
    	    filename "uefi/shim.efi";
    	    } else {
    	    filename "pxelinux/pxelinux.0";
    	  }
    	}
    }
  4. 次に、完全インストール DVD の ISO イメージファイル内にある SYSLINUX パッケージの pxelinux.0 ファイルが必要になります。このファイルにアクセスするには、次のコマンドを root で実行します。
    # mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    # cp -pr /mount_point/Packages/syslinux-version-architecture.rpm /publicly_available_directory
    # umount /mount_point
    パッケージを抽出します。
    # rpm2cpio syslinux-version-architecture.rpm | cpio -dimv
  5. tftpboot/ 内に pxelinux/ ディレクトリーを作成し、pxelinux.0 ファイルをそこにコピーします。
    # mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux
    # cp publicly_available_directory/usr/share/syslinux/pxelinux.0 /var/lib/tftpboot/pxelinux
  6. pxelinux/ ディレクトリー内に pxelinux.cfg/ ディレクトリーを作成します。
    # mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg
    pxelinux.cfg/ ディレクトリーに default という名前の設定ファイルを追加します。
    /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default にあるサンプルの設定ファイルは以下のようになります。
    default vesamenu.c32
    prompt 1
    timeout 600
    
    display boot.msg
    
    label linux
      menu label ^Install system
      menu default
      kernel images/RHEL-7.1/vmlinuz
      append initrd=images/RHEL-7.1/initrd.img ip=dhcp inst.repo=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.x/Server/x86_64/os/
    label vesa
      menu label Install system with ^basic video driver
      kernel images/RHEL-7.1/vmlinuz
      append initrd=images/RHEL-7.1/initrd.img ip=dhcp inst.xdriver=vesa nomodeset inst.repo=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.x/Server/x86_64/os/
    label rescue
      menu label ^Rescue installed system
      kernel images/RHEL-7.1/vmlinuz
      append initrd=images/RHEL-7.1/initrd.img rescue
    label local
      menu label Boot from ^local drive
      localboot 0xffff

    重要

    上記の例で示されている inst.repo= Anaconda オプションでは、常にインストールソースに加えてインストールプログラムのイメージを指定する必要があります。このオプションを使用しないと、インストールプログラムは起動できなくなります。Anaconda の起動オプションに関する詳細は、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
  7. ブートイメージファイルを格納するサブディレクトリーを /var/lib/tftpboot/ ディレクトリーに作成し、ブートイメージファイルをそのディレクトリーにコピーします。この例では、/var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/ ディレクトリーを使用します。
    # mkdir -p /var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/
    # cp /path_to_x86_64_images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/
  8. 最後に、サービスを開始して有効にします。
    • dhcpd については、以下を実行します。
      # systemctl start dhcpd
      # systemctl enable dhcpd
    • tftpd サービスを管理する xinetd サービスについては、以下を実行します。
      # systemctl start xinetd
      # systemctl enable xinetd
この手順を完了すると、PXE ブートサーバーが PXE クライアントにサービスを提供できるようになります。Red Hat Enterprise Linux をインストールするシステムを開始します。起動ソースの指定を求められたら PXE Boot を選択して、ネットワークインストールを開始します。詳細は、「AMD64 および Intel 64 のシステムで PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する」 を参照してください。

23.1.2. UEFI ベースの AMD64 と Intel 64 クライアント向けに TFTP サーバーを設定する

以下の手順では、UEFI ベースの AMD64 および Intel 64 システムの起動用の PXE サーバーの準備について説明しています。BIOS ベースのシステムについては、「BIOS ベースの AMD64 と Intel 64 クライアント向けに TFTP サーバーを設定する」 を参照してください。

手順23.2 UEFI ベースのシステム向けに TFTP での起動を設定する

  1. tftp-server パッケージをインストールします。root で以下のコマンドを実行します。
    # yum install tftp-server
  2. tftp サービスへの全受信をファイアウォールで許可します。
    # firewall-cmd --add-service=tftp

    注記

    上記のコマンドが有効にするのは、次回のサーバー再起動までのアクセスのみです。永続的にアクセスを許可するには、--permanent オプションを追加します。ファイアウォール設定についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
  3. shim に同梱されている EFI 起動イメージを使用するように DHCP サーバーを設定します。DHCP サーバーがインストールされていない場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
    /etc/dhcp/dhcpd.conf ファイルの設定例を以下に示します。
    option space pxelinux;
    option pxelinux.magic code 208 = string;
    option pxelinux.configfile code 209 = text;
    option pxelinux.pathprefix code 210 = text;
    option pxelinux.reboottime code 211 = unsigned integer 32;
    option architecture-type code 93 = unsigned integer 16;
    
    subnet 10.0.0.0 netmask 255.255.255.0 {
    	option routers 10.0.0.254;
    	range 10.0.0.2 10.0.0.253;
    
    	class "pxeclients" {
    	  match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient";
    	  next-server 10.0.0.1;
    
    	  if option architecture-type = 00:07 {
    	    filename "shim.efi";
    	  } else {
    	    filename "pxelinux/pxelinux.0";
    		}
      }
    }
  4. 次に、ISO イメージファイル内にある shim パッケージの shim.efi ファイルと grub2-efi パッケージの grubx64.efi ファイルが必要になります。これらのファイルにアクセスするには次のコマンドを root で実行します。
    # mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    # cp -pr /mount_point/Packages/shim-version-architecture.rpm /publicly_available_directory
    # cp -pr /mount_point/Packages/grub2-efi-version-architecture.rpm /publicly_available_directory
    # umount /mount_point
    パッケージを抽出します。
    # rpm2cpio shim-version-architecture.rpm | cpio -dimv
    # rpm2cpio grub2-efi-version-architecture.rpm | cpio -dimv
  5. ブートディレクトリーから EFI ブートイメージをコピーします。
    # cp publicly_available_directory/boot/efi/EFI/redhat/shim.efi /var/lib/tftpboot/
    # cp publicly_available_directory/boot/efi/EFI/redhat/grubx64.efi /var/lib/tftpboot/
  6. grub.cfg という名前の設定ファイルを tftpboot/ ディレクトリーに追加します。/var/lib/tftpboot/grub.cfg の設定ファイルの例を以下に示します。
    set timeout=60
    menuentry 'RHEL 7' {
      linuxefi images/RHEL-7.1/vmlinuz ip=dhcp inst.repo=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.1/Server/x86_64/os/
      initrdefi images/RHEL-7.1/initrd.img
    }

    重要

    上記の例で示されている inst.repo= Anaconda オプションでは、常にインストールソースに加えてインストールプログラムのイメージを指定する必要があります。このオプションを使用しないと、インストールプログラムは起動できなくなります。Anaconda の起動オプションに関する詳細は、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
  7. ブートイメージファイルを格納するサブディレクトリーを /var/lib/tftpboot/ ディレクトリーに作成し、ブートイメージファイルをそのディレクトリーにコピーします。この例では、/var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/ ディレクトリーを使用します。
    # mkdir -p /var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/# cp /path_to_x86_64_images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/images/RHEL-7.1/
  8. 最後に、サービスを開始して有効にします。
    • dhcpd については、以下を実行します。
      # systemctl start dhcpd
      # systemctl enable dhcpd
    • tftpd サービスを管理する xinetd サービスについては、以下を実行します。
      # systemctl start xinetd
      # systemctl enable xinetd
この手順を完了すると、PXE ブートサーバーが PXE クライアントにサービスを提供できるようになります。Red Hat Enterprise Linux をインストールするシステムを開始します。起動ソースの指定を求められたら PXE Boot を選択して、ネットワークインストールを開始します。詳細は、「AMD64 および Intel 64 のシステムで PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する」 を参照してください。

23.1.3. GRUB2 を使って IBM Power Systems 向けにネットワーク起動を設定する

手順23.3 GRUB2 を使って IBM Power Systems 向けにネットワーク起動サーバーを設定する

  1. tftp-server パッケージをインストールします。root で以下のコマンドを実行します。
    # yum install tftp-server
  2. tftp サービスへの全受信をファイアウォールで許可します。
    # firewall-cmd --add-service=tftp

    注記

    上記のコマンドが有効にするのは、次回のサーバー再起動までのアクセスのみです。永続的にアクセスを許可するには、--permanent オプションを追加します。ファイアウォール設定についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
  3. tftp root 内に GRUB2 ネットワーク起動ディレクトリーを作成します。
    # grub2-mknetdir --net-directory=/var/lib/tftpboot
    Netboot directory for powerpc-ieee1275 created. Configure your DHCP server to point to /boot/grub2/powerpc-ieee1275/core.elf
    このコマンドの出力では、DHCP 設定内で filename として設定する必要のあるファイルが指示されます。これはこの手順の後で重要なものです。
  4. GRUB2 設定ファイルである /var/lib/tftpboot/boot/grub2/grub.cfg を作成します。grub.cfg の構文については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
    以下は設定ファイルの例になります。
    set default=0
    set timeout=5
    
    echo -e "\nWelcome to the Red Hat Enterprise Linux 7.4 installer!\n\n"
    
    menuentry 'Red Hat Enterprise Linux 7.4' {
      linux grub2-ppc64/vmlinuz ro ip=dhcp inst.repo=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.4/Server/ppc64/os/
      initrd grub2-ppc64/initrd.img
    }

    重要

    上記の例で示されている inst.repo= Anaconda オプションでは、常にインストールソースに加えてインストールプログラムのイメージを指定する必要があります。このオプションを使用しないと、インストールプログラムは起動できなくなります。Anaconda の起動オプションに関する詳細は、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
  5. GRUB2 に同梱されている起動イメージを使用するように DHCP サーバーを設定します。DHCP サーバーがインストールされていない場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
    /etc/dhcp/dhcpd.conf ファイルの設定例を以下に示します。
    subnet 192.168.0.1 netmask 255.255.255.0 {
      allow bootp;
      option routers 192.168.0.5;
      group { #BOOTP POWER clients
        filename "boot/grub2/powerpc-ieee1275/core.elf";
        host client1 {
        hardware ethernet 01:23:45:67:89:ab;
        fixed-address 192.168.0.112;
        }
      }
    }
    サンプルのパラメーター (subnet, netmask, routers, fixed-address および hardware ethernet) を使用中のネットワーク設定のものに置き換えます。また、filename のパラメーターは、上記の手順の grub2-mknetdir コマンドの出力にあるファイル名になります。
  6. 最後に、サービスを開始して有効にします。
    • dhcpd については、以下を実行します。
      # systemctl start dhcpd
      # systemctl enable dhcpd
    • tftpd サービスを管理する xinetd サービスについては、以下を実行します。
      # systemctl start xinetd
      # systemctl enable xinetd
この手順を完了すると、PXE ブートサーバーが PXE クライアントにサービスを提供できるようになります。12章IBM Power Systems でのインストールの起動 にあるステップに従って、このサーバーから Power Systems クライアントの起動ができます。
IBM Power Systems クライアント向けにネットワーク起動を設定する詳細情報については、IBM DeveloperWorks ウェブサイトの Netbooting on POWER - An Introduction を参照してください。

第24章 VNC を使用したインストール

Red Hat Enterprise Linux のインストール方法は、グラフィカルインストールインターフェースが推奨されます。ただし、グラフィカルインターフェースへの直接のアクセスが難しかったり不可能な場合もあります。多くのエンタープライズシステム、特にサーバー (IBM Power Systems および IBM System z) では、ディスプレイやキーボードへの接続機能がなく、手動によるインストール (キックスタート以外) を行うために VNC が不可欠となります。
ヘッドレスシステム (ディスプレイやキーボード、マウスが直接接続されていないシステム) 上での手動インストールを可能にするため、Anaconda インストールプログラムには Virtual Network Computing (VNC) インストールが含まれています。これにより、インストールプログラムのグラフィカルモードをローカルで実行しながら、ネットワーク接続した別のシステムに表示することができるようになります。VNC を使用したインストールを行うと、ディスプレイや入力デバイスがない場合でもすべてのインストールオプションを選択することができます。
本章では、インストールするシステムで VNC モードを作動させ、VNC ビューアーを使ってこのシステムに接続する方法を説明しています。

24.1. VNC ビューアーのインストール

VNC を使ったインストールを行う場合、ワークステーションまたは別の端末コンピューター上で VNC ビューアーを実行しておく必要があります。VNC ビューアーはほとんどの Linux ディストリビューションのリポジトリーに含まれています。また、Windows など他のオペレーティングシステムの場合にも無料 VNC ビューアーを入手することができます。Linux システムの場合は、パッケージマネージャーを使ってディストリビューションのビューアーを検索します。
Red Hat Enterprise Linux では、以下の VNC ビューアーを利用できます。
  • TigerVNC - デスクトップ環境に依存しない基本的なビューアーです。tigervnc パッケージをインストールします。
  • Vinagre - GNOME デスクトップ環境のビューアーです。vinagre パッケージをインストールします。
  • KRDC - KDE デスクトップ環境に統合されているビューアーです。kdenetwork-krdc パッケージをインストールします。
上記のビューアーのいずれかをインストールするには、root で以下のコマンドを実行します。
# yum install package
package は使用するビューアーのパッケージ名 (tigervnc など) に置き換えてください。

注記

本章の手順では、VNC ビューアーに TigerVNC を使用していることを想定しています。他のビューアーの場合、手順が異なることがありますが全般的な原則は適用することができます。

24.2. VNC インストールの実行

Anaconda インストールプログラムでは、VNC インストール用に Direct モードConnect モードの 2 種類のモードが用意されています。Direct モードでは VNC ビューアーからインストール中のシステムへの接続を開始する必要があり、Connect モードではインストール中のシステムから VNC ビューアーへの接続を開始する必要があります。接続が確立された後は、2 つのモードによる違いは生じません。ご使用の環境の設定に応じてモードを選択してください。
Direct モード
このモードでは、Anaconda でインストールを開始したら VNC ビューアーからの通信を待機するよう設定されます。インストールするシステムで IP アドレスとポートが表示されます。この情報を使って、別のコンピューターからインストールするシステムへの接続を確立します。このため、インストールするシステムで視覚的に対話が可能なアクセスを必要とします。
Connect モード
このモードでは、まずリモートシステム上の VNC ビューアーを リスニングモード で開始し、VNC ビューアーに指定ポートでの着信接続を待機させます。次に、Anaconda を開始し、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使ってリモートシステムのホスト名とポート番号を与えます。インストールが開始されると、インストールプログラムは、与えられたホスト名とポート番号を使って待機している VNC ビューアーとの接続を確立します。このため、リモートシステムでネットーワーク上での着信接続を受け取ることができる必要があります。

VNC インストールモードを選択する際の注意点

  • システムで視覚的に対話可能なアクセス
    • インストールするシステムで視覚的に対話が可能なアクセスがない場合は、Connect モードを使用する必要があります。
  • ネットワーク接続のルールとファイアウォール
    • インストールするシステムでファイアウォールにより着信接続が許可されていない場合は、Connect モードを使用するかファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォールを無効にする場合、セキュリティー上の問題が発生する可能性があります。
    • VNC ビューアーを実行しているリモートのシステムでファイアウォールにより着信接続が許可されていない場合は、Direct モードを使用するかファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォール設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

注記

VNC を使ったインストールを開始するには、カスタムの起動オプションを指定する必要があります。オプションの指定方法はシステムのアーキテクチャーによって異なるため、以下で各アーキテクチャーごとの起動オプションの編集方法を確認してください。

24.2.1. VNC Direct モードでのインストール

Direct モードでは、VNC ビューアーがインストールされているシステムへの接続を開始することが予期されます。Anaconda は、ユーザーがこの接続を開始することを求めます。

手順24.1 Direct モードで VNC を開始する

  1. インストールされているシステムへの接続に使用するワークステーション上で VNC ビューアーを実行します。たとえば、 TigerVNC を使用している場合は、以下のようになります。
    TigerVNC の接続詳細

    図24.1 TigerVNC の接続詳細

  2. インストールシステムを起動し、ブートメニューが表示されるまで待ちます。メニュー内で Tab キーを押して起動オプションを編集します。コマンドラインの末尾に inst.vnc オプションを追加します。
    インストールシステムへの VNC アクセスを制限したい場合は、inst.vncpassword=PASSWORD 起動オプションを追加することもできます。 PASSWORD をインストールで使用するパスワードに置き換えます。VNC パスワードは、6 文字から 8 文字までの長さにしてください。

    重要

    inst.vncpassword= オプションには一時的なパスワードを使用してください。他のシステムで使用する実際のパスワードや root パスワードは使用しないでください。
    AMD64 および Intel 64 システムでの VNC 起動オプションの追加

    図24.2 AMD64 および Intel 64 システムでの VNC 起動オプションの追加

  3. Enter を押してインストールを開始します。システムがインストールプログラムを初期化し、必要なサービスを開始します。システムの準備ができると、以下のようなメッセージが画面上に表示されます。
    13:14:47 Please manually connect your VNC viewer to 192.168.100.131:1 to begin the install.
    IP アドレスとポート番号を書き留めます (上記の例では 192.168.100.131:1)。
  4. VNC ビューアーを稼働しているクライアントシステムで、先の手順で取得した IP アドレスとポート番号を Anaconda で画面表示された形式と同じ形式で Connection Details (接続詳細) ダイアログに入力します。次に、Connect (接続) をクリックします。VNC ビューアーによりインストールシステムに接続されます。VNC パスワードを設定している場合は、プロンプトに応じてこれを入力し、OK をクリックします。
    VNC クライアントを使用する詳細な方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の該当セクションを参照してください。
この手順が終了すると新しいウィンドウが開き、VNC 接続が確立され、インストールメニューが表示されます。システム上での直接インストールと同様に、このウィンドウ内で Anaconda のグラフィカルインターフェースを使用できるようになります。
次のいずれかに進みます。

24.2.2. VNC Connect モードでのインストール

Connect モードでは、インストールされているシステムがリモートシステム上で実行中の VNC ビューアーへ接続を開始します。作業の開始前に、リモートシステムで VNC に使用するポートでの着信接続が受け取れるよう設定されていることを確認してください。接続が妨害されていないことを確認する方法はネットワークやワークステーションの設定により異なります。ファイアウォール設定に関する詳細はRed Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

手順24.2 Connect モードで VNC を開始する

  1. クライアント側のシステムで VNC ビューアーをリスニングモードで開始します。たとえば、Red Hat Enterprise Linux で TigerVNC を使用する場合は以下のコマンドを実行します。
    $ vncviewer -listen PORT
    PORT には接続に使用するポート番号を入れてください。
    端末に以下のようなメッセージが表示されます。

    例24.1 TigerVNC ビューアーの待機

    TigerVNC Viewer 64-bit v1.3.0 (20130924)
    Built on Sep 24 2013 at 16:32:56
    Copyright (C) 1999-2011 TigerVNC Team and many others (see README.txt)
    See http://www.tigervnc.org for information on TigerVNC.
    
    Thu Feb 20 15:23:54 2014
    main:        Listening on port 5901
    これで VNC ビューアーの準備が整い、インストールシステムからの着信接続を待機している状態になります。
  2. インストールするシステムを起動し、ブートメニューの表示を待ちます。メニュー内で Tab キーを押して起動オプションを編集します。コマンドラインに以下のオプションを追加します。
    inst.vnc inst.vncconnect=HOST:PORT
    HOST には VNC ビューアーを待機させているシステムの IP アドレス、PORT には VNC ビューアーがリッスンしているポート番号を入力します。
  3. Enter を押してインストールを開始します。インストールプログラムが初期化され、必要なサービスが開始されます。初期化が完了すると、Anaconda により上記の手順で入力した IP アドレスとポートへの接続が試行されます。
    接続が正常に確立されると、VNC ビューアーを実行するシステム上で新規のウィンドウが開き、インストールメニューが表示されます。システム上で直接インストールする場合と同じように、このウィンドウ内で、Anaconda のグラフィカルインターフェースを使用できるようになります。
この手順の終了後は、次に進むことができます。

24.3. キックスタートに関する注意点

VNC で使用するコマンドは、キックスタートを使ったインストールでも使用できます。vnc コマンドのみを使用すると Direct モードでのインストールになります。Connect モードでのインストールでは、追加オプションが利用可能になります。キックスタートファイルで使用できる vnc コマンドとオプションについては、「キックスタートのコマンドとオプション」を参照してください。

第25章 ヘッドレスシステム

ヘッドレスのシステムをインストールする場合、選択できるオプションはキックスタートによる自動インストールまたは Connect モードでの対話式 VNC インストールのみになります。キックスタートによる自動インストールについての詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」を参照してください。以下では対話式 VNC インストールの全般的な手順について説明します。
  1. インストールを開始するためのネットワーク起動サーバーをセットアップします。ネットワーク起動サーバーのインストールおよび基本的な設定方法についての詳細情報は、23章ネットワークからのインストールの準備を参照してください。
  2. Connect モードの VNC インストール用起動オプションを使用するようサーバーを設定します。起動オプションについては 「VNC Connect モードでのインストール」を参照してください。
  3. 手順24.2「Connect モードで VNC を開始する」 に記載された手順にしたがって、Connect モードでの VNC インストールを実行します。ただし、システムを起動するよう指示されたら、ローカルメディアからではなく、ネットワークサーバーから起動します。

第26章 キックスタートを使ったインストール

26.1. キックスタートを使ったインストールとは

インストールプロセスを部分的または完全に自動化する方法がキックスタートを使ったインストールになります。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、インストールプログラムで入力を求められる一般的な質問に対する答えがすべて格納されます。このため、準備されたキックスタートファイルをインストール開始時に提供することで、ユーザーによる作業を必要としない自動インストールが実行できるようになります。これは、Red Hat Enterprise Linux を多数のシステムに一度にデプロイする場合などに特に便利です。
キックスタートファイルを 1 つのサーバーに置くことで、各コンピューターがインストール中に読み込むことができます。この方法は、ひとつのキックスタートファイルを使って複数のマシンに Red Hat Enterprise Linux をインストールできるので、ネットワークおよびシステム管理者にとって理想的な方法になります。
キックスタートスクリプトおよびそのスクリプト実行によって生成されるログファイルは、インストールに失敗した場合の原因究明のデバッグの手助けとなるよう、すべて /tmp ディレクトリーに保存されます。

注記

Red Hat Enterprise Linux の旧バージョンでは、キックスタートによるシステムのアップグレードにも対応していました。Red Hat Enterprise Linux 7 では、この機能が削除され、システムのアップグレードは特殊なツールで処理されるようになります。詳細については、28章現在のシステムのアップグレード を参照してください。

26.2. キックスタートを使ったインストールの実行方法

キックスタートを使ったインストールは、ローカルの DVD またはローカルのハードドライブを使用するか、NFS、FTP、HTTP、HTTPS などによって実行できます。
キックスタートを使用する場合、次の手順を行う必要があります。
  1. キックスタートファイルを作成する
  2. リムーバブルメディア、ハードドライブ、ネットワークの場所のいずれかの場所でキックスタートファイルを利用可能にする
  3. インストール開始に使用する起動用メディアを作成する
  4. インストールソースを準備する
  5. キックスタートを使ったインストールを開始する
本章では、これらの手順について詳しく見ていきます。

26.2.1. キックスタートファイルを作成する

キックスタートファイル自体はプレーンなテキストファイルです。「キックスタート構文の参考資料」にリストされているキーワードを含み、インストールについての指示を提供します。ファイルを ASCII テキストとして保存できるテキストエディター (Linux システムでは Geditvim など、Windows システムでは Notepad など) は、キックスタートファイルの作成や編集に使用できます。キックスタート設定ファイルには好きな名前を付けることができますが、後で他の設定ファイルやダイアログでこの名前を指定する必要があるため、シンプルな名前にしておくことが推奨されます。
まず任意のシステムに手動のインストールを行うことが、キックスタートファイル作成の推奨方法となります。インストールが完了すると、インストール中に選択された選択肢がすべて anaconda-ks.cfg という名前のファイルに保存されます。このファイルはインストールが完了したシステムの /root/ ディレクトリーに置かれます。このファイルをコピーして、必要に応じて変更を加えると、この後のインストールでこの設定ファイルを使用することができます。

重要

Red Hat カスタマーポータルのアカウントをお持ちの場合は、カスタマーポータル Labs の https://access.redhat.com/labs/kickstartconfig/ で入手可能な Kickstart Configuration Tool を使用できます。このツールは基本的な設定を説明し、作成されるキックスタートファイルのダウンロードを可能にします。ただし、このツールは現在、高度なパーティション作成をサポートしていません。
キックスタートファイル作成用のグラフィカルツールである Kickstart Configurator は、依然利用可能です。ただし、今後更新されることはなく、Red Hat Enterprise Linux 6 から 7 へのキックスタート構文における変更を反映しません。
キックスタートファイルを作成する際は次の点に注意してください。
  • 各セクションは決められた順序で指定してください。セクション内の項目については、特に指定がない限り順序は関係ありません。セクションの順序は次のようになります。

    重要

    %addon%packages%onerror%pre%post のセクションは末尾に %end を付ける必要があります。これがないとインストールプログラムはキックスタートファイルを拒否することになります。
  • 必須項目以外は省略しても構いません。
  • 必須項目が省略されている場合は、通常のインストールと同様、その関連項目についての回答が求められます。回答を入力すると、インストールが自動的に続行されます (他にも省略されている部分があればその部分まで)。
  • 記号「#」で始まる行は、コメントとして処理されるため無視されます。

26.2.2. キックスタートファイルの維持

26.2.2.1. キックスタートファイルの確認

キックスタートファイルの作成時もしくはカスタマイズ時には、ファイルをインストールで使用する前にその有効性を確認すると便利です。Red Hat Enterprise Linux 7 には ksvalidator コマンドラインユーティリティーが含まれ、この有効性の確認に使用できます。このツールは、pykickstart パッケージの一部です。このパッケージをインストールするには、以下のコマンドを root で実行します。
# yum install pykickstart
パッケージをインストールしたら、以下のコマンドを使用してキックスタートファイルを検証できます。
$ ksvalidator /path/to/kickstart.ks
/path/to/kickstart.ks を、確認するキックスタートファイルへのパスに置き換えます。
このツールの詳細情報は、ksvalidator(1) man ページを参照してください。

重要

検証ツールには制限があることに留意してください。キックスタートファイルは非常に複雑なものになる可能性があります。ksvalidator は、構文の正確性とファイルに推奨されないオプションが含まれていないことを確認しますが、インストールが正常に行われることを保証するものではありません。また、キックスタートファイルの %pre%post および %packages セクションは検証されません。

26.2.2.2. キックスタート構文の違い

Red Hat Enterprise Linux の主要リリース間では、キックスタートを使ったインストールの全般的な原則はほぼ同じですが、コマンドおよびオプションが変更されることがあります。ksverdiff コマンドを使用すると、2 バージョン間の違いを表示することができます。これは、既存のキックスタートファイルを新しいリリースで使用するための更新をする際に便利なコマンドです。Red Hat Enterprise Linux 6 と 7 の間での構文の違いを一覧表示するには、次のコマンドを使用します。
$ ksverdiff -f RHEL6 -t RHEL7
-f オプションで比較を開始するリリースを指定し、-t オプションで比較を終了するリリースを指定します。詳細は ksverdiff(1) man ページを参照してください。

26.2.3. キックスタートファイルを準備する

キックスタートファイルは次のいずれかの場所に配置しておく必要があります。
  • DVD や USB フラッシュドライブなどの リムーバブルメディア
  • インストールするシステムに接続している ハードドライブ
  • インストールするシステムからアクセスできる ネットワーク共有
通常、キックスタートファイルはリムバーブルメディアやハードドライブにコピーするか、ネットワーク上で利用できるようにしておきます。ファイルをネットワーク上の場所に置くことで、キックスタートインストールへの通常のアプローチが補完されます。通常のアプローチもネットワークベースです。PXE サーバーを使ってシステムが起動され、キックスタートファイルがネットワーク共有からダウンロードされます。そして、ファイルで指定されているソフトウェアパッケージがリモートのリポジトリーからダウンロードされます。
キックスタートファイルを準備して、インストールするシステムからアクセスできるようにする手順は、インストール ISO イメージまたはツリーの代わりにキックスタートファイルを使用する点以外は、インストールソースの準備とまったく同じになります。詳細については、「インストールソースの準備」を参照してください。

26.2.4. インストールソースを準備する

システムに必要なパッケージをインストールするため、キックスタートを使ったインストールではインストールソースにアクセスする必要があります。ソースは Red Hat Enterprise Linux の完全インストール用 DVD ISO イメージまたはインストールツリーのどちらでも構いません。インストールツリーとは、同じディレクトリー構造のバイナリー Red Hat Enterprise Linux DVD のコピーです。
DVD ベースのインストールの場合は、キックスタートを使ったインストールを開始する前に Red Hat Enterprise Linux のインストール用 DVD をコンピューターに挿入しておきます。Red Hat Enterprise Linux DVD をインストールソースとして使用する方法については、「インストールソース - DVD」を参照してください。
(ハードドライブまたは USB フラッシュドライブのいずれかを使った) ハードドライブインストールを実行する場合は、バイナリー Red Hat Enterprise Linux DVD の ISO イメージがコンピューターのハードドライブ上にあることを確認してください。ハードドライブをインストールソースとして使用する方法について詳細は、「インストールソース - ハードドライブ」 を参照してください。
ネットワークベース (NFS、FTP、HTTP など) のインストールを実行する場合は、ネットワーク経由でインストールツリーやバイナリー DVD ISO イメージ (使用するプロトコルによる) などにアクセスできることを確認してください。詳細については、「インストールソース - ネットワーク」を参照してください。

26.2.5. キックスタートを使ったインストールを開始する

注記

inst.ks= ブートオプションを指定せずにキックスタートファイルを自動的に読み込むには、ファイルを ks.cfg という名前にして、OEMDRV のラベルが付いたストレージボリュームに配置します。
キックスタートを使ったインストールを開始するには、インストールシステムの起動時に起動オプション (inst.ks=location) を使用します。 location は、キックスタートファイルの場所で置き換えます。起動オプションの具体的な指定方法は、システムアーキテクチャーによって異なります。詳細は、22章起動オプションを参照してください。
AMD64 および Intel 64 システム、および IBM Power Systems サーバーでは、PXE サーバーを使って起動する機能があります。PXE サーバーの設定時に、ブートローダー設定ファイルに起動オプションを追加することができます。これにより、インストールを自動で開始することが可能になります。このアプローチにより、ブートプロセスを含めたインストールを完全に自動化することが可能になります。PXE サーバーの設定方法についての詳細は、23章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。
本セクションでは、キックスタートファイルがインストールシステムからアクセスできる場所に既に配置されていること、また起動用メディアまたはシステムを起動しインストールを開始することができる PXE サーバーのいずれかの準備が整っていることを前提としています。記載されている手順は、一部がシステムのアーキテクチャーによって異なるため、一般的な説明としてご利用ください。また、すべてのアーキテクチャーですべてのオプションが使用できるわけではありません (IBM System z では PXE 起動は使用できないなど)。

26.2.5.1. キックスタートを使ったインストールを手動で開始する

このセクションでは、手動でキックスタートを使ったインストールを開始する方法を説明します。(boot: プロンプトで起動オプションを追加するなど) ユーザーとの対話形式が必要となります。

手順26.1 起動オプションを使ってキックスタートを使ったインストールを開始する

  1. ローカルメディア (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど) のいずれかを使ってシステムを起動します。アーキテクチャー固有の詳細については以下をご覧ください。
  2. ブートプロンプトで inst.ks= 起動オプションとキックスタートファイルの場所を指定します。キックスタートファイルをネットワーク上の場所に置いている場合は、ip= オプションを使ってネットワークも設定する必要があります。インストールが必要なパッケージを置いてあるソフトウェアソースにアクセスするため、inst.repo= オプションが必要な場合もあります。
    起動オプションおよび有効な構文についての詳細は、22章起動オプション を参照してください。
  3. 追加した起動オプションを確認してインストールを開始します。
これでキックスタートファイルで指定されているインストールオプションを使ったインストールが開始されます。キックスタートファイルに問題がなく、必要なコマンドがすべて含まれていれば、この時点からインストールは完全に自動化されます。

26.2.5.2. キックスタートを使ったインストールを自動で開始する

以下の手順では、ネットワーク起動 (PXE) サーバーと適切に設定されたブートローダーを使って、キックスタートを使ったインストールを完全に自動化する方法を説明します。この方法にしたがうと、必要な作業はシステムをオンにすることだけになります。この時点からインストールが完了するまで、他の対話形式は一切不要となります。

注記

IBM System z では PXE インストールは利用できません。

手順26.2 ブートローダー設定を編集してキックスタートを使ったインストールを開始する

  1. PXE サーバー上でブートローダー設定ファイルを開き、inst.ks= 起動オプションを適切な行に追加します。ファイル名と構文は、システムのアーキテクチャーおよびハードウェアにより異なります。
    • AMD64 および Intel 64 システムで BIOS を使用している場合、ファイル名は default またはシステムの IP アドレスをベースにしたもののいずれかになります。このケースでは、インストールエントリーにある append 行に inst.ks= オプションを追加します。設定ファイルの append 行の例を以下に示します。
      append initrd=initrd.img inst.ks=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.x/Server/x86_64/kickstarts/ks.cfg
    • GRUB2 ブートローダーを使用しているシステム (AMD64 および Intel 64 システムで UEFI ファームウェアを使用している場合、および IBM Power Systems サーバー) では、ファイル名は grubx64.cfg になります。このファイル内のインストールエントリーにある kernel 行に inst.ks= オプションを追加します。設定ファイルの kernel 行の例を以下に示します。
      kernel vmlinuz inst.ks=http://10.32.5.1/mnt/archive/RHEL-7/7.x/Server/x86_64/kickstarts/ks.cfg
  2. ネットワークサーバーからインストールを起動します。アーキテクチャー固有の手順については、以下を参照してください。
これでキックスタートファイルで指定されているインストールオプションを使ったインストールが開始されます。キックスタートファイルに問題がなく、必要なコマンドがすべて含まれていれば、インストールは完全に自動化されます。

26.3. キックスタート構文の参考資料

26.3.1. キックスタートのコマンドとオプション

注記

オプションの後に等号記号 (=)が続く場合は、その後に値を指定する必要があります。本セクションで示す例のコマンドで、角カッコ ([ ]) で囲まれたオプションは、そのコマンドにオプションとして使える引数になります。
auth または authconfig (オプション)
authconfig コマンドを 使ってシステムの認証オプションを設定します。インストール完了後もコマンドラインで実行できます。詳細は、authconfig(8) の man ページおよび authconfig --help コマンドを参照してください。パスワードはデフォルトでシャドー化されます。

警告

安全対策上、SSL プロトコルで OpenLDAP を使用する場合はサーバー設定内の SSLv2 および SSLv3 のプロトコルを必ず無効にしてください。POODLE SSL (CVE-2014-3566) 脆弱性の影響を受けないようにするためです。詳細は https://access.redhat.com/solutions/1234843 を参照してください。
  • --enablenis - NIS サポートを有効にします。デフォルトでは、--enablenis はネットワーク上で見つけた任意のドメインを使用します。ドメインはほぼ必ず、手動で --nisdomain= オプションを使って指定されるはずです。
  • --nisdomain= - NIS サービスに使用する NIS ドメイン名です。
  • --nisserver= - NIS サービスに使用するサーバーです (デフォルトではブロードキャスト)。
  • --useshadow または --enableshadow - シャドーパスワードを使用します。
  • --enableldap - /etc/nsswitch.conf 内の LDAP サポートを有効にし、システムによる LDAP ディレクトリーからのユーザー情報 (UID、ホームディレクトリー、シェルなど) の取得を許可します。このオプションを使用する場合は nss-pam-ldapd パッケージをインストールする必要があります。また、--ldapserver=--ldapbasedn= を使ってサーバーとベース DN (識別名) も指定する必要があります。
  • --enableldapauth - 認証方法に LDAP を使用します。LDAP ディレクトリーを使った認証やパスワード変更ができるよう pam_ldap モジュールを有効にします。このオプションを使用する場合は nss-pam-ldapd パッケージをインストールしておく必要があります。 また、--ldapserver=--ldapbasedn= を使ってサーバーとベース DN (識別名) も指定する必要があります。TLS (トランスポート層のセキュリティ) を使用しない環境の場合は、編集後の設定ファイルが正しく動作するよう --disableldaptls スイッチを使用します。
  • --ldapserver= - --enableldap または --enableldapauth を指定した場合には、このオプションを使って使用する LDAP サーバー名を指定します。このオプションは /etc/ldap.conf ファイルに設定されます。
  • --ldapbasedn= - --enableldap または --enableldapauth を指定した場合、このオプションを使ってユーザー情報が格納されている LDAP ディレクトリーツリー内の DN を指定します。このオプションは /etc/ldap.conf ファイルに設定されます。
  • --enableldaptls - TLS (Transport Layer Security) ルックアップを使用します。認証の前に、LDAP から LDAP サーバーに暗号化したユーザー名とパスワードを送信することができます。
  • --disableldaptls - 認証に LDAP を使用する環境では TLS ルックアップを使用できないようにします。
  • --enablekrb5 - ユーザー認証に Kerberos 5 を使用します。Kerberos 自体はホームディレクトリー、UID、シェルなどを認識しません。Kerberos を有効にする場合は、LDAP、NIS、Hesiod などを有効にする、または /usr/sbin/useradd コマンドを使用して、このワークステーションにユーザーのアカウントを認識させる必要があります。このオプションを使用する場合は、pam_krb5 パッケージをインストールしておく必要があります。
  • --krb5realm= - ワークステーションが属する kerberos 5 の領域です。
  • --krb5kdc= - 領域の要求に対応する KDC (複数可) です。領域内に複数の KDC を持たせる場合は、空白を入れずにコンマで区切って指定します。
  • --krb5adminserver= - 領域内の KDC で kadmind も実行させる KDC です。このサーバーでパスワードの変更やその他の管理要求を処理します。複数の KDC を設置する場合、このサーバーはマスターの KDC で実行する必要があります。
  • --enablehesiod - ユーザーのホームディレクトリー、UID、シェルなどを検索できるよう Hesiod サポートを有効にします。ネットワーク上に Hesiod を設定して使用する方法については、glibc パッケージに含まれている /usr/share/doc/glibc-2.x.x/README.hesiod を参照してください。Hesiod は DNS の拡張機能になります。DNS レコードを使ってユーザー、グループ、その他の情報を格納します。
  • --hesiodlhs および --hesiodrhs - /etc/hesiod.conf に設定される Hesiod の LHS (左側) の値と RHS (右側) の値です。Hesiod ライブラリーはこうした値を使用して、DNS で名前を検索します。LDAP がベース DN を使用する方法と同じです。
    ユーザー名 jim のユーザー情報を検索する場合、Hesiod ライブラリーは jim.passwdLHSRHS を検索します。これが passwd ファイルにあるそのユーザーのエントリーと同一の文字列、jim:*:1001:1001:Jungle Jim:/home/jim:/bin/bash を含む TXT レコードに転換されます。グループを検索する場合は、jim.groupLHSRHS を検索することになります。
    数字でユーザーやグループを検索する場合は、jim.passwd の CNAME を 1001.uid に、jim.group の CNAME を 1001.gid にします。検索の実行時、ライブラリーはピリオド (.) を LHS 値および RHS 値の前に配置しません。このため、LHS 値と RHS 値の前にピリオドが必要な場合は、--hesiodlhs--hesiodrhs に値を設定する際にピリオドを含める必要があります。
  • --enablesmbauth - SMB サーバー (一般的に Samba または Windows サーバー) に対するユーザー認証を有効にします。SMB 認証サポートでは、ホームディレクトリー、UID、シェルなどは認識しません。SMB を有効にする場合は、LDAP、NIS、Hesiod のいずれかを有効にする、または /usr/sbin/useradd コマンドを使用することでワークステーションにユーザーアカウントを認識させる必要があります。
  • --smbservers= - SMB 認証に使用するサーバー名です。複数のサーバーを指定する場合は、サーバー名をコンマ (,) で区切ります。
  • --smbworkgroup= - SMB サーバーのワークグループ名です。
  • --enablecache - nscd サービスを有効にします。nscd サービスによりユーザーやグループ、その他各種の情報がキャッシュされます。NISLDAPHesiod などを使ってネットワーク全体でユーザーやグループの情報を配信することにした場合などは、このキャッシュ機能が非常に役立ちます。
  • --passalgo= - SHA-256 ハッシュアルゴリズムを設定する場合は sha256 を、SHA-512 ハッシュアルゴリズムを設定する場合は sha512 を指定します。
autopart (オプション)
root (/) パーティション (1 GB 以上)、swap パーティション、アーキテクチャーに応じた /boot パーティションを自動的に作成します。十分な容量を持つドライブの場合 (50 GB 以上)、/home パーティションも作成されます。

重要

autopart オプションは、同じキックスタートファイル内では part/partitionraidlogvolvolgroup などのオプションとは併用できません。
  • --type= - 事前定義済み自動パーティション設定スキームの中から使用するスキームを選択します。次の値を取ります。
    • lvm: LVM パーティション設定スキーム
    • btrfs: Btrfs パーティション設定スキーム
    • plain: LVM や Btrfs パーティションなどがない普通のパーティション
    • thinp: LVM シンプロビジョニングのパーティション設定スキーム
    使用可能なパーティションスキームについての説明は、「ファイルシステムタイプ」を参照してください。
  • --fstype= - 利用可能なファイルシステムのタイプを選択します。利用可能な値は ext2ext3ext4xfs、および vfat です。デフォルトのファイルシステムは、xfs です。これらのファイルシステムに関する詳細は、「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
  • --nohome - /home パーティションの自動作成を無効にします。
  • --nolvm - 自動パーティション設定に LVM や Btrfs を使用しません。このオプションは --type=plain と同じです。
  • --encrypted - すべてのパーティションを暗号化します。手動によるグラフィカルインストールを行った際の初期パーティション設定画面で表示される Encrypt partitions (パーティションの暗号化) のチェックボックスと同じです。

    注記

    1 つ以上のパーティションを暗号化する際には、Anaconda は安全な暗号化を行うため 256 ビットのエントロピー (ランダムなデータ) を収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは 10 分後に終了します。
    このプロセスは、インストールシステムと対話することで (キーボードで入力またはマウスを動かす) 速めることができます。仮想マシンにインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 Virtualization Deployment and Administration Guide にあるように、 virtio-rng デバイス (仮想のランダム番号ジェネレーター) をゲストにアタッチすることもできます。
  • --passphrase= - 暗号化した全デバイスのシステムワイドなデフォルトのパスフレーズを指定します。
  • --escrowcert=URL_of_X.509_certificate - 暗号化した全ボリュームのデータ暗号化キーを /root 配下にファイルとして格納します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーは暗号化したボリュームごとに別のファイルとして格納されます。--encrypted と併用しないと意味がありません。
  • --backuppassphrase - 暗号化されたボリュームにそれぞれランダムに生成されたパスフレーズを与えます。パスフレーズは /root 配下に別々のファイルで格納されます。--escrowcert で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert と併用しないと意味がありません。
  • --cipher= - Anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に使用する暗号化の種類を指定します。このオプションは、--encrypted オプションと併用する必要があります。このオプションだけを使用しても暗号化されません。使用できる暗号化の種類については、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』に記載されていますが、Red Hat では、aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を推奨しています。

    注記

    CMS タイプの単一 FBA DASD 上にインストールする場合は、autopart --nohome のキックスタートオプションを使用することが推奨されます。これを使用すると、インストーラーが別の /home パーティションを作成せず、インストールが問題なく進みます。
autostep (オプション)
通常、キックスタートを使ったインストールでは、不要な画面は省略されます。このオプションを使用すると、すべての画面を省略せずに短時間の表示をするようになります。システム導入の際は、パッケージのインストールが中断される場合があるため、このオプションは使用しないでください。
  • --autoscreenshot — インストール中のすべてのステップでスクリーンショットを撮り、インストール中はこれを /tmp/anaconda-screenshots/ に保存します。インストール完了後は、スクリーンショットは /root/anaconda-screenshots に保存されます。
    各スクリーンは、インストーラーが次のスクリーンに切り替える直前のショットを撮ります。すべての必須のキックスタートオプションを使用せず、インストールが自動的に開始されない場合、自動的に設定されている画面に移動して、希望する設定を実行できるので、これは重要になります。完了 をクリックして続行すると、指定した設定を含む画面がキャプチャーされます。
bootloader (必須)
ブートローダーのインストール方法を指定します。

重要

Red Hat では全マシンにブートローダーのパスワードを設定することを強く推奨しています。ブートローダーが保護されていないと、攻撃者によりシステムの起動オプションが修正され、システムへの不正アクセスが許可されてしまう可能性があります。

重要

sdX (または /dev/sdX) フォーマットでのデバイス名は再起動後に維持される保証がなく、これはキックスタートコマンドの一部の使用を複雑にします。コマンドがデバイスノード名を呼び出す際には、代わりに /dev/disk からのアイテムを使用することができます。以下に例を示します。
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
これらの手順により、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは特に大型のストレージ環境で便利なものです。ストレージデバイスを連続的に参照する別の方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド の永続的命名についての章を参照してください。

注記

AMD64 および Intel 64 システムにブートローダーをインストールする際に、特殊なパーティションが必要な場合があります。このパーティションの種類およびサイズについては、ブートローダーをインストールするディスクが Master Boot Record (MBR) スキーマを使用するのか、それとも GUID Partition Table (GPT) スキーマを使用するのかによって異なります。詳細については、「ブートローダーのインストール」を参照してください。
  • --append= - 追加のカーネルパラメーターを指定します。複数のパラメーターを指定する場合は空白で区切ります。例を示します。
    bootloader --location=mbr --append="hdd=ide-scsi ide=nodma"
    rhgbquiet のパラメーターは、ここで特に指定していなくても、また --append= コマンド自体をまったく使用していない場合であっても、必ず使用されます。
  • --boot-drive= - ブートローダーの書き込み先のドライブを指定します。つまり、コンピューターが起動するドライブです。ブートドライブにマルチパスデバイスを使用する場合は、デバイスのメンバー 1 人のみを指定します。

    重要

    現在、zipl ブートローダーを使用する IBM System z システム上の Red Hat Enterprise Linux インストールでは --boot-drive= オプションは無視されます。zipl をインストールすると、それ自体に起動ドライブがあると判断されます。
  • --leavebootorder - インストーラーが Red Hat Enterprise Linux 7 をブートローダー内のインストール済みシステム一覧の最上位に追加し、その順番と既存の全エントリーを保持します。
  • --driveorder= - BIOS の起動順序で最初のドライブを指定します。例を示します。
    bootloader --driveorder=sda,hda
  • --location= - ブートレコードの書き込み先を指定します。使用できる値は以下の通りです。
    • mbr - デフォルトのオプションです。ドライブが Master Boot Record (MBR) スキームを使用しているか GUID Partition Table (GPT) スキームを使用しているかによって動作が異なります。
      • GPT フォーマット済みディスクの場合は、ブートローダーのステージ 1.5 が BIOS 起動パーティションにインストールされます。
      • MBR フォーマット済みディスクの場合は、MBR と 1 番目のパーティションの間にある空白領域にステージ 1.5 がインストールされます。
    • partition - ブートローダーをカーネルを収納するパーティションの 1 番目のセクターにインストールします。
    • none - ブートローダーをインストールしません。
    ほとんどの場合、このオプションは指定する必要がありません。
  • --password= - GRUB2 を使用した場合、このオプションで指定したパスワードをブートローダーのパスワードとして設定します。任意のカーネルオプションが渡される可能性のある GRUB2 シェルへのアクセスを限定する場合に使用してください。
    パスワードを指定すると、GRUB2 ではユーザー名の入力も求められます。ユーザー名は常に root です。
  • --iscrypted - --password= オプションを使ってブートローダーのパスワードを指定すると、通常、キックスタートファイルにプレーンテキスト形式で保存されます。このパスワードを暗合化する場合にこのオプションを使用して暗号化パスワードを生成します。
    暗合化したパスワードを生成するには、grub2-mkpasswd-pbkdf2 コマンドを使い、使用するパスワードを入力し、コマンドからの出力 (grub.pbkdf2 で始まるハッシュ) をキックスタートファイルにコピーします。暗号化したパスワードがある bootloader のエントリー例を以下に示します。
    bootloader --iscrypted --password=grub.pbkdf2.sha512.10000.5520C6C9832F3AC3D149AC0B24BE69E2D4FB0DBEEDBD29CA1D30A044DE2645C4C7A291E585D4DC43F8A4D82479F8B95CA4BA4381F8550510B75E8E0BB2938990.C688B6F0EF935701FF9BD1A8EC7FE5BD2333799C98F28420C5CC8F1A2A233DE22C83705BB614EA17F3FDFDF4AC2161CEA3384E56EB38A2E39102F5334C47405E
  • --timeout= - ブートローダーがデフォルトオプションで起動するまでの待ち時間を指定します (秒単位)。
  • --default= - ブートローダー設定内のデフォルトのブートイメージを設定します。
  • --extlinux - GRUB2 ではなく extlinux ブートローダーを使用します。このオプションが正しく動作するのは extlinux でサポートしているシステムのみです。
  • --disabled - これは --location=none のより強力なバージョンになります。--location=none は単にブートローダーのインストールを無効にしますが、--disabled だとブートローダーのインストールを無効にするほか、ブートローダーを含むパッケージのインストールを無効にするので、スペースが節約できます。
btrfs (オプション)
Btrfs ボリュームまたはサブボリュームを作成します。ボリュームを作成する場合の構文を示します。
btrfs mntpoint --data=level --metadata=level --label=label partitions
partitions には、1 つ以上のパーティションを指定できます。複数のパーティションを指定する場合、エントリーは単一スペースで区切ります。その例については、例26.1「Btrfs のボリュームとサブボリュームの作成」を参照してください。
サブボリュームを作成する場合の構文を示します。
btrfs mntpoint --subvol --name=path parent
parent はサブボリュームの親ボリュームとなる識別子です。 mntpoint はファイルシステムをマウントする場所です。
  • --data= - ファイルシステムのデータに使用する RAID レベルです (0、1、10 など)。このパラメーターは任意のもので、サブボリュームには影響ありません。複数の物理ディスクが必要になります。
  • --metadata= - ファイルシステムやボリュームのメタデータに使用する RAID レベルです (0110 など)。オプションになります。このオプションは、サブボリュームには影響ありません。複数の物理ディスクが必要になります。
  • --label= - Btrfs ファイルシステムのラベルを指定します。与えたラベルが別のファイルシステムで既に使用されている場合には、新しいラベルが作成されます。このオプションは、サブボリュームには影響ありません。
  • --noformat または --useexisting - 既存の Btrfs ボリューム (またはサブボリューム) を使用し、ファイルシステムの再フォーマットは行いません。
  • --mkfsoptions= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないので、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、ファイルシステムによって、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります。
3 つのディスク上のメンバーパーティションからひとつの Btrfs ボリュームを作成し、さらに //home のサブボリュームを作成してみます。ここではメインのボリュームはマウントされません。また、直接は使用されません。

例26.1 Btrfs のボリュームとサブボリュームの作成

part btrfs.01 --size=6000 --ondisk=sda
part btrfs.02 --size=6000 --ondisk=sdb
part btrfs.03 --size=6000 --ondisk=sdc

btrfs none --data=0 --metadata=1 --label=rhel7 btrfs.01 btrfs.02 btrfs.03
btrfs / --subvol --name=root LABEL=rhel7
btrfs /home --subvol --name=home rhel7
clearpart (オプション)
新しいパーティションを作成する前に、システムからパーティションを削除します。デフォルトでは、パーティションは削除しません。

重要

sdX (または /dev/sdX) フォーマットでのデバイス名は再起動後に維持される保証がなく、これはキックスタートコマンドの一部の使用を複雑にします。コマンドがデバイスノード名を呼び出す際には、代わりに /dev/disk からのアイテムを使用することができます。以下に例を示します。
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
これらの手順により、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは特に大型のストレージ環境で便利なものです。ストレージデバイスを連続的に参照する別の方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド の永続的命名についての章を参照してください。

注記

clearpart コマンドを使用する場合は、論理パーティションには part --onpart コマンドは使用できません。
clearpart コマンドを含むパーティション設定の詳細な例については、「高度なパーティションの例」を参照してください。
  • --all - システムにあるすべてのパーティションを消去します。

    警告

    このオプションを使用すると接続しているネットワークストレージなどインストーラーでアクセスできるディスクはすべて消去されます。使用する場合は注意してください。
    clearpart--drives= オプションを使って消去したいドライブのみを指定する、ネットワークストレージは後で接続する (キックスタートファイルの %post セクションを利用するなど)、ネットワークストレージのアクセスに使用されるカーネルモジュールをブラックリストに記載するなどの手段を取ると保持したいストレージの消去を防ぐことができます。
  • --drives= - ドライブを指定してパーティションを消去します。次の例ではプライマリー IDE コントローラーにある 1 番目と 2 番目のドライブにあるパーティションをすべて消去することになります。
    clearpart --drives=hda,hdb --all
    マルチパスのデバイスを消去する場合は、disk/by-id/scsi-WWID の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier になります。WWID が 58095BEC5510947BE8C0360F604351918 のディスクを消去する場合は次のようにします。
    clearpart --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
    マルチパスのデバイスを消去する場合はこの形式が適しています。ただし、エラーが発生する場合、そのマルチパスデバイスが 論理ボリューム管理 (LVM) を使用していないなら、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID の形式を使って消去することもできます。WWID はデバイスの world-wide identifier です。WWID が 2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017 のディスクを消去する場合は次のようにします。
    clearpart --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017

    警告

    マルチパスのデバイス消去に、mpatha などのデバイス名は絶対に使用しないでください。このようなデバイス名は特定ディスクに固有な名前ではありません。インストール中の /dev/mpatha という名前のディスクは必ずしも期待したディスクを指すとは限りません。したがって、clearpart コマンドを使用する際、間違ったディスクが対象となる可能性があります。
  • --list= - 消去するパーティションを指定します。このオプションを使用すると --all および --linux のオプションは無効になります。異なるドライブをまたいで使用することができます。例を示します。
    clearpart --list=sda2,sda3,sdb1
  • --linux - すべての Linux パーティションを消去します。
  • --none (デフォルト) - パーティションを消去しません。

注記

clearpart --all コマンドをキックスタートファイル内で使用してインストール中に既存する全パーティションを削除しようとすると、場合によっては Anaconda によりインストールが一時中断され削除の確認が求められることがあります。まったく介入せずに自動的にインストールを行う必要がある場合は zerombr コマンドをキックスタートファイルに追加します。
cmdline (オプション)
完全に非対話式のコマンドラインモードでインストールを実行します。対話のプロンプトがあるとインストールは停止します。このモードは、x3270 ターミナルと共に IBM System z システムで使用する場合に便利です。「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」を参照してください。

重要

完全に自動のインストールでは、キックスタートファイルにある利用可能なモードのいずれかを指定するか (graphicaltext、または cmdline)、コンソール、環境、ディスプレイの各オプション の説明にある console= 起動オプションを使用する必要があります。モードが指定されない場合は、システムがいずれかを選択するよう尋ねます。
device (オプション)
ほとんどの PCI システムでは、イーサネットカードや SCSI カードは自動検出されますが、旧式のシステムや一部の PCI では、適切なデバイスを検出できるようキックスタートにヒントをあたえる必要があります。追加モジュールのインストールをインストールプログラムに指示する device コマンドは、以下のような形式になります。
device moduleName --opts=options
  • moduleName - インストールが必要なカーネルモジュール名で置き換えます。
  • --opts= - カーネルモジュールに渡すオプションです。例を示します。
    device --opts="aic152x=0x340 io=11"
driverdisk (オプション)
キックスタートを使ったインストール中に、デフォルトでは含まれていないドライバーを追加する場合に使用します。ドライバーディスクのコンテンツをシステムのハードドライブ上にあるパーティションの root ディレクトリーにコピーしてから、driverdisk コマンドを使って検索すべきドライバーディスクとその場所を指定します。
driverdisk [partition|--source=url|--biospart=biospart]
ドライバーディスクにはネットワーク上の場所を指定することもできます。
driverdisk --source=ftp://path/to/dd.img
driverdisk --source=http://path/to/dd.img
driverdisk --source=nfs:host:/path/to/img
  • partition - ドライバーディスクを含むパーティションです。パーティションを指定する場合はパーティション名 (sdb1 など) だけではなく、完全パス (/dev/sdb1 など) を使用してください。
  • --source= - ドライバーディスクの URL です。NFS の場所を入力する場合は nfs:host:/path/to/img の形式になります。
  • --biospart= - ドライバーディスクを含む BIOS パーティションです ( 82p2 など)。
ドライバーディスクは、ネットワーク経由や initrd から読み込むのではなく、ハードディスクドライブまたは同様のデバイスから読み込むことができます。以下の手順に従います。
  1. ハードディスクドライブ、USB または同様のデバイスのドライバーディスクを読み込みます。
  2. このデバイスに対して DD などのラベルを設定します。
  3. キックスタートファイルに以下の行を追加します。
    driverdisk LABEL=DD:/e1000.rpm
DD を具体的なラベルに、dd.rpm は具体的な名前に置き換えます。LABEL には、inst.repo コマンドでサポートされている内容を使用してハードディスクドライブを指定します。
eula (オプション)
ユーザーの介入を必要とせず、自動的に End User License Agreement (EULA) に同意する場合にこのオプションを使用します。このオプションを使用すると、Initial Setup によるインストール後のライセンス同意および初回の再起動を求めるプロンプトが表示されなくなります。詳細は、29章初期設定 (Initial Setup)を参照してください。
  • --agreed (必須) - EULA を受諾します。このオプションは必ず使用する必要があります。使用しないと eula コマンド自体を使用する意味がなくなります。
fcoe (オプション)
Enhanced Disk Drive Services (EDD) で検出されたデバイス以外で、自動的にアクティベートする FCoE デバイスを指定します。
fcoe --nic=name [options]
  • --nic= (必須) - アクティベートするデバイス名です。
  • --dcb= - データセンターブリッジ (DCB) の設定を確立します。
  • --autovlan - VLAN を自動的に検出します。
firewall (オプション)
インストールされるシステムのファイアウォールの設定を指定します。
firewall --enabled|--disabled device [options]
  • --enabled または --enable - DNS 応答や DHCP 要求など、発信要求に対する応答ではない着信接続を拒否します。このマシンで実行中のサービスへのアクセスが必要な場合は、特定サービスに対してファイアウォールの通過許可を選択することができます。
  • --disabled または --disable - iptable ルールを一切設定しません。
  • --trust= - em1 などのデバイスを指定することで、ファイアウォールを通過するこのデバイスへの着信トラフィックおよびこのデバイスからの発信トラフィックすべてを許可します。複数のデバイスを指定する場合は、--trust em1 --trust em2 を使用します。--trust em1, em2 などのようなコンマ区切りは使用しないでください。
  • incoming - 指定したサービスがファイアウォールを通過できるよう以下のいずれかで置き換えます。複数指定が可能です。
    • --ssh
    • --smtp
    • --http
    • --ftp
  • --port= - port:protocol 形式で指定ポートのファイアウォール通過を許可することができます。たとえば、IMAP アクセスがファイアウォールを通過できるようにする場合は、imap:tcp と指定します。ポート番号を明示的に指定することもできます。ポート 1234 の UDP パケットを許可する場合は 1234:udp と指定します。複数のポートを指定する場合はコンマで区切って指定します。
  • --service= - このオプションは、高レベルでサービスのファイアウォール通過を許可する方法です。サービスの中には複数のポートを開く必要があったり (cupsavahi など)、サービスが正常に動作するよう特殊な設定を必要とするものがあります。このような場合、--port オプションでポート単位での指定を行ったり、--service= を使って必要なポートをすべて一度に開くことが可能です。
    firewalld パッケージ内の firewall-offline-cmd プログラムで認識できるオプションは、すべて使用することができます。firewalld を実行している場合は、firewall-cmd --get-services を実行すると、認識できるサービス名の一覧が表示されます。
firstboot (オプション)
初めてシステムを起動した時に、Initial Setup アプリケーションを開始するかどうかを指定します。有効にする場合は、 initial-setup パッケージをインストールする必要があります。何も指定しないとデフォルトで無効になるオプションです。
  • --enable または --enabled - システムの初回起動時に Initial Setup を開始します。
  • --disable または --disabled -システムの初回起動時に Initial Setup が開始されません。
  • --reconfig - 起動時に Initial Setup が再設定モードで開始されます。このモードでは、初期設定に加え、言語、マウス、キーボード、root パスワード、セキュリティレベル、タイムゾーン、ネットワーク設定オプションなどを設定することができます。
group (オプション)
システムに新しいユーザーグループを作成します。そのグループ名または GID がすでに存在している場合、このコマンドは失敗します。また、新たに作成したユーザーに新しいグループを作成する場合は user コマンドが使用できます。
group --name=name [--gid=gid]
  • --name= - グループ名を与えます。
  • --gid= - グループの GID です。指定しないとシステム GID 以外で次に使用可能な GID がデフォルト設定されます。
graphical (オプション)
グラフィカルモードでインストールを実行します。これがデフォルトです。

重要

完全に自動のインストールでは、キックスタートファイルにある利用可能なモードのいずれかを指定するか (graphicaltext、または cmdline)、コンソール、環境、ディスプレイの各オプション の説明にある console= 起動オプションを使用する必要があります。モードが指定されない場合は、システムがいずれかを選択するよう尋ねます。
halt (オプション)
インストールが正常に完了するとシステムを一時停止します。手動インストールと同じく、Anaconda のメッセージが表示され、ユーザーがキーを押すのを待ってから再起動が行われます。キックスタートを使ったインストールでは、完了方法の指定がない場合、このオプションがデフォルトとして使用されます。
halt コマンドは shutdown -h コマンドと同じです。
他の完了方法については、poweroffrebootshutdown などのコマンドをご覧ください。
ignoredisk (オプション)
インストールプログラムが指定ディスクを無視するようにします。自動パーティション設定を使用して、特定のディスクを無視したい場合に便利なオプションです。たとえば、ignoredisk を使用せずに SAN クラスターに導入しようとすると、インストールプログラムが SAN へのパッシブパスを検出し、パーティションテーブルがないことを示すエラーが返されるため、キックスタートが失敗します。
ignoredisk --drives=drive1,drive2,...
driveN には、sdasdbhda などのいずれかを入力します。

重要

sdX (または /dev/sdX) フォーマットでのデバイス名は再起動後に維持される保証がなく、これはキックスタートコマンドの一部の使用を複雑にします。コマンドがデバイスノード名を呼び出す際には、代わりに /dev/disk からのアイテムを使用することができます。以下に例を示します。
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
これらの手順により、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは特に大型のストレージ環境で便利なものです。ストレージデバイスを連続的に参照する別の方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド の永続的命名についての章を参照してください。
論理ボリューム管理 (LVM) を使用しないマルチパスのデバイスを無視する場合は、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID の形式を使用します。WWID にはデバイスの world-wide identifier を入力します。たとえば、WWID が 2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017 のディスクを無視するには、以下のコマンドを使用します。
ignoredisk --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Anaconda がキックスタートファイルを解析するまで、LVM を使用するマルチパスのデバイスは構成されません。したがって、これらのデバイスは dm-uuid-mpath の形式では指定できません。LVM を使用するマルチパスのデバイスを無視する場合は、代わりに disk/by-id/scsi-WWID の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier です。たとえば、WWID が 58095BEC5510947BE8C0360F604351918 のディスクを無視するには、以下のコマンドを使用します。
ignoredisk --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918

警告

マルチパスのデバイス消去に、mpatha などのデバイス名は絶対に使用しないでください。このようなデバイス名は特定ディスクに固有な名前ではありません。インストール中の /dev/mpatha という名前のディスクは必ずしも期待したディスクを指すとは限りません。したがって、clearpart コマンドを使用する際、間違ったディスクが対象となる可能性があります。
  • --only-use - インストールプログラムで使用するディスクの一覧を指定します。これ以外のディスクはすべて無視されます。たとえば、インストール中にsda ディスクを使用し、他はすべて無視する場合は以下のコマンドを使用します。
    ignoredisk --only-use=sda
    LVM を使用しないマルチパスのデバイスを指定する場合は、以下のコマンドを実行します。
    ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
    LVM を使用するマルチパスのデバイスを指定する場合は、以下のコマンドを実行します。
    ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
  • --interactive - 高度なストレージ画面を手動で操作したい場合に使用します。
install (オプション)
デフォルトのインストールモードです。インストールタイプを cdromharddrivenfsliveimgurl (FTP、HTTP または HTTPS のインストールの場合) から選択する必要があります。install コマンド自体とインストール方法を指定するコマンドは別々の行で指定してください。例を示します。
install
liveimg --url=file:///images/install/squashfs.img --noverifyssl
  • cdrom - システムの 1 番目の光学ドライブからインストールします。
  • harddrive - ローカルドライブにある完全インストール用の ISO イメージまたは Red Hat インストールツリーからインストールします。ドライブには、インストールプログラムでマウント可能な以下のファイルシステムが含まれている必要があります。 ext2ext3ext4vfat、もしくは xfs
    • --biospart= - BIOS パーティションを指定する場合に使用します (82 など)。
    • --partition= - パーティションを指定する場合に使用します (sdb2 など)。
    • --dir= - 完全インストール用 DVD の ISO イメージやインストールツリーの variant ディレクトリーを格納しているディレクトリーを指定する場合に使用します。
    以下に例を示します。
    harddrive --partition=hdb2 --dir=/tmp/install-tree
  • liveimg - パッケージではなくひとつのディスクイメージからインストールを実行します。イメージは、ライブ ISO イメージの squashfs.img ファイル、圧縮 tar ファイル (.tar.tbz.tgz.txz.tar.bz2.tar.gz、または .tar.xz)、もしくはインストールメディアでマウントできるファイルシステムであればどれでも構いません。ext2ext3ext4vfatxfs などが対応ファイルシステムになります。

    注記

    ドライバーディスクで liveimg インストールモードを使用している場合は、ディスク上のドライバーはインストールされるシステムに自動的に含まれることはありません。これらのドライバーが必要な場合は、手動でインストールするか、キックスタートスクリプトの %post セクションでインストールします。
    • --url= - インストール元の場所を指定します。HTTPHTTPSFTPfile などが対応プロトコルになります。
    • --proxy= - HTTPHTTPSFTP などインストール実行中に使用するプロキシを指定します。
    • --checksum= - 検証に使用するイメージファイルのチェックサム SHA256 を付けるオプションの引数です。
    • --noverifyssl - HTTPS サーバーに接続の際に、SSL 確認を無効にします。
    以下に例を示します。
    liveimg --url=file:///images/install/squashfs.img --checksum=03825f567f17705100de3308a20354b4d81ac9d8bed4bb4692b2381045e56197 --noverifyssl
  • nfs - 指定した NFS サーバーからインストールします。
    • --server= - インストール元となるサーバーを指定します (ホスト名または IP)。
    • --dir= - インストールツリーの variant ディレクトリーを格納しているディレクトリーを指定します。
    • --opts= - NFS エクスポートのマウントに使用するマウントポイントを指定します (オプション)。
    以下に例を示します。
    nfs --server=nfsserver.example.com --dir=/tmp/install-tree
  • url - FTP、HTTP、HTTPS のいずれかを使用して、リモートのサーバーにあるインストールツリーからインストールを実行します。
    • --url= - インストール元となる場所です。HTTPHTTPSFTPfile が対応プロトコルになります。
    • --mirrorlist= - インストール元となるミラー URL です。
    • --proxy= - HTTPHTTPSFTP などインストール実行中に使用するプロキシを指定します。
    • --noverifyssl - HTTPS サーバーに接続の際に、SSL 確認を無効にします。
    以下に例を示します。
    url --url http://server/path
    または
    url --url ftp://username:password@server/path
iscsi (オプション)
iscsi --ipaddr=address [options]
インストール中に追加で接続する iSCSI ストレージを指定します。また、iscsi コマンドを使用する場合は、iscsiname コマンドで iSCSI ノードに名前を割り当てる必要があります。iscsiname コマンドは iscsi コマンドより先に指定してください。
iSCSI ストレージの設定は、できる限り iscsi コマンドではなくシステムの BIOS またはファームウェア (Intel システムの場合は iBFT) 内で行うことを推奨しています。BIOS またはファームウェア内で設定されたディスクは Anaconda で自動的に検出、使用されるため、キックスタートファイルで特に設定する必要がありません。
iscsi コマンドを使用する必要がある場合は、インストールの開始時にネットワークがアクティブであること、clearpartignoredisk などのコマンドによる参照より先にまず iscsi コマンドがキックスタート内で指定されていることを確認してください。
  • --ipaddr= (必須) - 接続先ターゲットの IP アドレスを指定します。
  • --port= (必須) - ポート番号を指定します (通常は--port=3260) 。
  • --target= - ターゲットの IQN (iSCSI 修飾名) を指定します。
  • --iface= - ネットワーク層で確定されるデフォルトのネットワークインターフェースではなく、指定ネットワークインターフェースに接続を結合します。これを一度使用したら、キックスタート内の iscsi コマンドのインスタンスではすべて指定する必要があります。
  • --user= - ターゲットでの認証に必要なユーザー名を指定します。
  • --password= - ターゲットに指定したユーザー名のパスワードを指定します。
  • --reverse-user= - 逆 CHAP 認証を使用するターゲットのイニシエーターでの認証に必要なユーザー名を指定します。
  • --reverse-password= - イニシエーターに指定したユーザー名のパスワードを指定します。
iscsiname (オプション)
iscsi パラメーターで指定された iSCSI ノードに名前を割り当てます。キックスタートファイルで iscsi パラメーターを使用している場合は iscsiname先に指定しておく必要があります。
iscsiname iqn
%addon com_redhat_kdump (オプション)
このコマンドは、kdump カーネルクラッシュダンピングメカニズムを設定します。

注記

このコマンドは、ビルトインのキックスタートコマンドではなくアドオンであることから、構文は通常のものとは異なります。アドオンについての詳細は、「キックスタートのアドオン」 を参照してください。
Kdump とは、システムのメモリー内容を保存して後で分析できるようカーネルのクラッシュをダンプするメカニズムを指します。kexec に依存します。これは、別のカーネルのコンテキストからシステムを再起動することなく Linux カーネルを起動し、通常は失われてしまう 1 番目のカーネルメモリーの内容を維持することができます。
システムクラッシュが発生すると kexec は 2 番目のカーネルで起動します (キャプチャーカーネル)。このキャプチャーカーネルは、1 番目のカーネルからはアクセスできないシステムメモリーの予約部分に収納されています。このため、Kdumpは、クラッシュしたカーネルメモリーの内容 (クラッシュダンプ) をキャプチャーして、指定された場所に保存します。この場所は、このキックスタートコマンドを使用して設定することはできません。インストール後に /etc/kdump.conf 設定ファイルを編集して設定する必要があります。
Kdump についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド を参照してください。
利用可能なオプションは以下の通りです。
  • --enable - インストール済みのシステムで kdump を有効にします。
  • --disable - インストール済みのシステムで kdump を無効にします。
  • --reserve-mb= - kdump 用に予約するメモリーの量 (MiB 単位)。例を示します。
    %addon com_redhat_kdump --enable --reserve-mb=128
    %end
    数値の代わりに auto と使用することもできます。その場合は、インストーラーが Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダングガイド に記載の基準に基づいて自動でメモリー量を決定します。
    kdump を有効にして --reserve-mb= オプションを指定しないと、auto の値が使用されます。
  • --enablefadump - 対応するシステム (特に IBM Power Systems サーバー) へのファームウェア補助によるダンピングを有効にします。
keyboard (必須)
システムで使用可能な 1 種類または複数のキーボードレイアウトを設定します。
  • --vckeymap= - 使用する VConsole キーマップを指定します。/usr/lib/kbd/keymaps/ ディレクトリー内の各ファイル名から .map.gz 拡張子を外したものが有効なキーマップ名になります。
  • --xlayouts= - 使用する X のレイアウトを空白なしのコンマで区切った一覧で指定します。setxkbmap(1) と同じ形式、layout 形式 (cz など) または layout (variant) 形式 (cz (qwerty) など) のいずれかの形式による値を取ります。
    使用できるレイアウトは、Layoutsxkeyboard-config(7) man ページをご覧ください。
  • --switch= - レイアウト切り替えのオプション一覧を指定します (複数のキーボードレイアウト切り替え用のショートカット)。複数のオプションは空白なしのコンマで区切ってください。setxkbmap(1) と同じ形式の値を受け取ります。
    使用できる切り替えオプションは Optionsxkeyboard-config(7) man ページをご覧ください。
以下の例では、--xlayouts= オプションを使って 2 種類のキーボードレイアウト (English (US)Czech (qwerty)) を設定し、切り替えオプションは Alt+Shift を使用するよう指定しています。
keyboard --xlayouts=us,'cz (qwerty)' --switch=grp:alt_shift_toggle

重要

--vckeymap= または --xlayouts= のいずれかを使用する必要があります。
lang (必須)
インストール中に使用する言語およびインストール後のシステムで使用するデフォルトの言語を設定します。たとえば、言語を英語に設定する場合は、次の行をキックスタートファイルに含めます。
lang en_US
/usr/share/system-config-language/locale-listsystem-config-language パッケージの一部になります。使用できる言語コードはこのファイルの各行 1 番目のコラムを参照してください。
テキストモードのインストールでは、特定の言語には対応していません (中国語、日本語、韓国語、インド系言語など)。lang コマンドでこれらの言語を指定しても、インストールプロセスは英語で続行されます。ただし、インストール後のシステムでは選択した言語がデフォルトの言語として使用されます。
  • --addsupport= - 追加言語のサポートを指定します。空白を入れずコンマで区切った形式を受け取ります。例を示します。
    lang en_US --addsupport=cs_CZ,de_DE,en_UK
logging (オプション)
インストール中に Anaconda で記録されるエラーのログを制御します。インストール後のシステムには影響しません。
logging [--host=host] [--port=port] [--level=debug|info|error|critical]
  • --host= - 指定リモートホストにログ情報を送信します。ログを受けとるには、リモートホストで syslogd プロセスの実行を設定しておく必要があります。
  • --port= - リモートの syslogd プロセスがデフォルト以外のポートを使用する場合は、このオプションを使って設定します。
  • --level= - tty3 に表示されるメッセージの最低レベルを指定します。ただし、このレベルに関係なくログファイルには全メッセージが送信されます。設定できるレベルは debuginfowarningerrorcritical になります。
logvol (オプション)
次の構文を使用して、論理ボリューム管理 (LVM) の論理ボリュームを作成します。LVM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』を参照してください。
logvol mntpoint --vgname=name --name=name [options]

注記

キックスタートを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、論理ボリューム名およびボリュームグループ名にはダッシュ (「-」) 文字を使用しないでください。この文字を使用すると、インストール自体は正常に完了しますが、/dev/mapper/ ディレクトリー内の論理ボリューム名とボリュームグループ名にダッシュが二重に付いてしまうことになります。たとえば、logvol-01 という名前の論理ボリュームを格納する volgrp-01 という名前のボリュームグループなら、/dev/mapper/volgrp--01-logvol--01 というような表記になってしまいます。
この制約が適用されるのは、新規作成の論理ボリュームおよびボリュームグループ名のみです。既存の論理ボリュームまたはボリュームグループを --noformat オプションを使って再利用する場合には、名前は変更されません。
logvol の実行例の詳細については、「高度なパーティションの例」を参照してください。
  • mntpoint はパーティションをマウントする場所になります。次のいずれかの形式にしてください。
    • /path
      / または /home など
    • swap
      swap 領域として使用されます。
      自動的に swap パーティションのサイズを確定させる場合は、--recommended オプションを使用します。
      swap --recommended
      自動的に swap パーティションサイズを確定しながら、ハイバネート用に追加領域も配分するには、--hibernation オプションを使用します。
      swap --hibernation
      --recommended で割り当てられる swap 領域に加え、システムの RAM 容量が加算されたサイズが割り当てられるようになります。
      これらのコマンドで割り当てられる swap サイズについては、「推奨されるパーティション設定スキーム」 (AMD64 および Intel 64 システム用)、「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM Power Systems サーバー用)、および「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM System z 向け) を参照してください。
オプションは次の通りです。
  • --noformat - 既存の論理ボリュームを使用し、そのボリュームのフォーマットは行いません。
  • --useexisting - 既存の論理ボリュームを使用し、そのボリュームを再フォーマットします。
  • --fstype= - 論理ボリュームのファイルシステムのタイプを設定します。xfsext2ext3ext4swapvfat が使用できる値になります。
  • --fsoptions= - ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプション文字列を自由形式で指定します。この文字列はインストール後の /etc/fstab ファイルにコピーされるため、引用符で囲んでください。
  • --mkfsoptions= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないので、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、ファイルシステムによって、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります。
  • --label= - 論理ボリュームのラベルを設定します。
  • --grow - 指定された場合は、最大利用可能サイズまでパーティションを拡張する、または指定限度サイズまで拡張するように指示します。--percent= または --size= のいずれかのオプションを使用して最小サイズを指定する必要があります。
  • --size= - 論理ボリュームの最小サイズを MiB 単位で指定します。このオプションは --percent= オプションと併用することはできません。
  • --percent= - 静的にサイズ指定した論理ボリュームを考慮に入れた後のボリュームグループにある空き領域を表すパーセンテージとして、論理ボリュームのサイズを指定します。このオプションは --size= オプションと併用することはできません。

    重要

    新規の論理ボリューム作成時には、--size= オプションで静的なサイズを指定するか、--percent= オプションで残りの空きスペースをパーセンテージとして指定する必要があります。同一の論理ボリュームでこれら両方のオプションを使用することはできません。
    これは Red Hat Enterprise Linux 7.1 以降にのみ適用されることに留意してください。Red Hat Enterprise Linux 7.0 ではこれらのオプションは異なる動作をします。
  • --maxsize= - grow が設定された場合の最大サイズを MiB 単位で指定します。500 など整数値を入力してください (単位は不要)。
  • --recommended - swap 論理ボリュームを作成して、使用中のシステムのハードウェアに基づいてそのボリュームのサイズを自動的に確定するためにこのオプションを使用します。推奨スキームについての詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 (AMD64 および Intel 64 システム用)、「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM Power Systems 用)、および「推奨されるパーティション設定スキーム」 (IBM System z 向け) を参照してください。
  • --resize - 論理ボリュームのサイズを変更します。このオプションを使用する場合は、--useexisting--size も指定する必要があります。
  • --encrypted - この論理ボリュームを --passphrase= オプションで入力したパスフレーズを使って暗号化します。このパスフレーズを指定しない場合、インストールプログラムは autopart --passphrase コマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断されてパスフレーズの入力が求められます。

    注記

    1 つ以上のパーティションを暗号化する際には、Anaconda は安全な暗号化を行うため 256 ビットのエントロピー (ランダムなデータ) を収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは 10 分後に終了します。
    このプロセスは、インストールシステムと対話することで (キーボードで入力またはマウスを動かす) 速めることができます。仮想マシンにインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 Virtualization Deployment and Administration Guide にあるように、 virtio-rng デバイス (仮想のランダム番号ジェネレーター) をゲストにアタッチすることもできます。
  • --passphrase= - この論理ボリュームを暗号化する時に使用するパスフレーズを指定します。--encrypted オプションと併用してください。単独では意味がありません。
  • --cipher= - Anaconda のデフォルトとなる aes-xts-plain64 では不十分な場合に使用する暗号化の種類を指定します。このオプションは --encrypted オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。使用できる暗号化の種類については『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を推奨しています。
  • --escrowcert=URL_of_X.509_certificate - 暗号化した全ボリュームのデータ暗号化キーを /root 配下にファイルとして保存します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーは暗号化したボリュームごとに別のファイルとして格納されます。--encrypted と併用しないと意味がありません。
  • --backuppassphrase - 暗号化されたボリュームにそれぞれランダムに生成されたパスフレーズを与えます。パスフレーズは /root 配下に別々のファイルで格納されます。--escrowcert で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert と併用しないと意味がありません。
  • --thinpool - シンプール論理ボリュームを作成します (none のマウントポイントを使用)。
  • --metadatasize=size - 新しいシンプールデバイスのメタデータ領域サイズを指定します (MiB 単位)。
  • --chunksize=size - 新しいシンプールデバイスのチャンクサイズを指定します (KiB 単位)。
  • --thin - シン論理ボリュームを作成します (--poolname と併用する必要があります)。
  • --poolname=name - シン論理ボリュームを作成するシンプール名を指定します。--thin オプションが必要です。
  • --profile=name - シン論理ボリュームで使用する設定ファイル名を指定します。これを使用する場合は、この名前は当該論理ボリュームのメタデータにも含まれることになります。デフォルトで使用できるプロファイルは defaultthin-performance です。/etc/lvm/profile/ ディレクトリー内で定義します。詳細については lvm(8) の man ページを参照してください。
  • --cachepvs= - 該当ボリュームのキャッシュとして使用する物理ボリュームをコンマ区切りで記入します。
  • --cachemode= - 当該論理ボリュームのキャッシュに使用するモードを指定します。writeback または writethrough になります。

    注記

    キャッシュ済み論理ボリュームおよびそれらのモードについての詳細は、lvmcache(7) man ページを参照してください。
  • --cachesize= - 論理ボリュームにアタッチするキャッシュのサイズを MiB 単位で指定します。このオプションは --cachepvs= オプションと併用する必要があります。
まず最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、論理ボリュームを作成します。例を示します。
part pv.01 --size 3000
volgroup myvg pv.01
logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol
まず最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、ボリュームグループに残っている領域の 90 % を占める論理ボリュームを作成します。例を示します。
part pv.01 --size 1 --grow
volgroup myvg pv.01
logvol / --vgname=myvg --name=rootvol --percent=90
mediacheck (オプション)
このコマンドを使用すると、インストール開始前にメディアチェックの実行が強制されます (rd.live.check)。インストール時の介入が必要とされるため、デフォルトでは無効になっています。
network (オプション)
ターゲットとなるシステムのネットワーク情報を設定し、インストール環境でネットワークデバイスを作動させます。1 番目の network コマンドで指定しているデバイスが自動的にアクティベートされます。また、デバイスの作動は --activate オプションでの明示的な指定が必要な場合もあります。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
  • --activate - インストール環境でこのデバイスを作動させます。
    既に作動しているデバイスに対して --activate オプションを使用すると (たとえば、キックスタートファイルを取得できるよう起動オプションで設定したインターフェースなど)、キックスタートファイルで指定している詳細を使用するようデバイスが再起動されます。
    デバイスにデフォルトのルートを使用させないようにする場合は --nodefroute オプションを使用します。
  • --bootproto= - dhcpbootpibftstatic のいずれかを指定します。dhcp がデフォルトのオプションになります。dhcpbootp は同じように処理されます。デバイスの ipv4 設定を無効にするには、--noipv4 オプションを使用します。

    注記

    このオプションは、デバイスの ipv4 設定を行います。ipv6 の設定には、--ipv6 および --ipv6gateway のオプションを使用します。
    DHCP メソッドでは DHCP サーバーシステムを使ってネットワーク構成を取得します。BOOTP メソッドも同様で、BOOTP サーバーがネットワーク構成を提供する必要があります。システムに DHCP を使用させる場合は以下のように指定します。
    network --bootproto=dhcp
    BOOTP を使ってネットワーク構成を取得させる場合は、キックスタートファイルで次の行を使用します。
    network --bootproto=bootp
    iBFT で指定されている設定を使用する場合は、以下のようにします。
    network --bootproto=ibft
    static メソッドの場合、キックスタートファイルで IP アドレスとネットマスクをキックスタートファイルで指定する必要があります。これらの情報は静的となるため、インストール中およびインストール後にも使用されます。
    静的なネットワーク構成情報はすべて一行で指定する必要があります。コマンドライン上のようにバックスラッシュ (\) を使って行を折り返すことはできません。
    network --bootproto=static --ip=10.0.2.15 --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.0.2.254 --nameserver=10.0.2.1
    ネームサーバーは同時に複数設定することもできます。以下のように --nameserver= オプションを 1 度使用し、ネームサーバーの IP アドレスをコンマ区切りで指定します。
    network --bootproto=static --ip=10.0.2.15 --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.0.2.254 --nameserver=192.168.2.1,192.168.3.1
  • --device= - network コマンドで設定する (また最終的に Anaconda でアクティベートさせる) デバイスを指定します。
    1 番目 に使用される network コマンドに --device= オプションがない場合、ksdevice= Anaconda の起動オプションを指定していればその値が使用されます。ただし、この動作は廃止が予定されているため注意してください。ほとんどの場合において、すべての network コマンドには必ず --device= オプションを指定してください。
    同じキックスタートファイル内に記載される 2 番目以降の network コマンドの動作は、--device= オプションを指定しないと詳細不明になってしまいます。2 番目およびそれ以降の network コマンドには、必ずこのオプションを指定してください。
    作動させるデバイスは以下のいずれかの方法で指定します。
    • インターフェースのデバイス名を使って指定する (em1 など)
    • インターフェースの MAC アドレスを使って指定する (01:23:45:67:89:ab など)
    • link キーワードを使って指定する (リンクが up 状態になっている 1 番目のインターフェース)
    • bootif キーワードを使って指定する、(pxelinux により BOOTIF 変数内に設定される MAC アドレスになります。pxelinux.cfg ファイルで IPAPPEND 2 を設定し、 pxelinux により BOOTIF 変数が設定されるようにします。)
    以下に例を示します。
    network --bootproto=dhcp --device=em1
  • --ip= - デバイスの IP アドレスを指定します。
  • --ipv6= - デバイスの IPv6 アドレスを address[/prefix length] の形式で指定します (3ffe:ffff:0:1::1/128 など)。 prefix を省略すると 64 が使用されます。auto を使用すると自動設定に、dhcp を使用すると DHCPv6 限定の設定になります (ルーター広告なし)。
  • --gateway= - 単一 IPv4 アドレスのデフォルトゲートウェイを指定します。
  • --ipv6gateway= - 単一 IPv6 アドレスのデフォルトゲートウェイを指定します。
  • --nodefroute - インターフェースがデフォルトのルートとして設定されないようにします。iSCSI ターゲット用に用意した別のサブネット上にある NIC など、--activate= オプションで追加デバイスを作動させる場合はこのオプションを使用してください。
  • --nameserver= - IP アドレスとしての DNS ネームサーバーを指定します。複数のサーバーを指定する場合は、このオプション を 1 回使い、IP アドレスをコンマ区切りで記入します。
  • --nodns - DNS サーバーを設定しません。
  • --netmask= - インストール後のシステムのネットワークマスクを指定します。
  • --hostname= - インストールシステムのホスト名。ホスト名は、host_name.domainname の形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) またはドメインなしの短縮ホスト名のいずれかにします。多くのネットワークには、接続システムにドメイン名を自動的に供給する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスが備わっています。DHCP によるドメイン名の割り当てを許可する場合は、短縮ホスト名のみを指定してください。

    重要

    ネットワークが DHCP サービスを提供しない場合は、システムのホスト名に FQDN を必ず使用してください。
  • --ethtool= - ethtool プログラムに渡されるネットワークデバイスの低レベルの追加設定を指定します。
  • --essid= - ワイヤレスネットワークのネットワーク ID を指定します。
  • --wepkey= - ワイヤレスネットワークの WEP 暗号化キーを指定します。
  • --wpakey= - ワイヤレスネットワークの WPA 暗号化キーを指定します。
  • --onboot= - 起動時にデバイスを有効にするかどうかを指定します。
  • --dhcpclass= - DHCP クラスを指定します。
  • --mtu= - デバイスの MTU を指定します。
  • --noipv4 - このデバイス上で IPv4 を無効にします。
  • --noipv6 - このデバイス上で IPv6 を無効にします。
  • --bondslaves= - このオプションを使用する場合、--bondslaves= オプションで定義されたスレーブを使って --device= オプションで指定したネットワークデバイスが作成されます。例を示します。
    network --device=mynetwork --bondslaves=em1,em2
    上記のコマンドは、em1 および em2 インターフェースをスレーブとして使用し、mynetwork という名前のボンドデバイスを作成します。
  • --bondopts= - --bondslaves=--device= のオプションを使って指定される結合インターフェース用のオプションパラメーターの一覧です。この一覧内のオプションは必ずコンマ (",") またはセミコロン (";") で区切ってください。オプション自体にコンマが含まれている場合はセミコロンを使用してください。例を示します。
    network --bondopts=mode=active-backup,balance-rr;primary=eth1
    使用できるオプションのパラメーターについては、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』の「カーネルモジュールでの作業」の章に一覧があります。

    重要

    --bondopts=mode= パラメーターは balance-rrbroadcast などのフルモード名にしか対応しません。03 などの数値による表記には対応していません。
  • --vlanid= - --device= で指定したデバイスを親として作成される仮想デバイスの仮想 LAN (VLAN) の ID 番号 (802.1q タグ) を指定します。たとえば、network --device=em1 --vlanid=171 を使用すると仮想 LAN デバイスの em1.171 が作成されます。
  • --interfacename= - 仮想 LAN デバイスのカスタムのインターフェース名を指定します。--vlanid= オプションで生成されるデフォルト名が望ましくない場合に使用してください。--vlanid= と併用する必要があります。例を示します。
    network --device=em1 --vlanid=171 --interfacename=vlan171
    上記のコマンドにより、em1 デバイス上に 171 という ID を持つ vlan171 という名前の仮想 LAN インターフェースが作成されます。
    インターフェース名は任意の名前を付けることができますが (my-vlan など)、場合によって次の規則にしたがう必要があります。
    • 名前にドット (.) を含める場合は、NAME.ID の形式にする必要があります。NAME は任意の名前で構いませんが ID は VLAN ID にする必要があります。たとえば、em1.171my-vlan.171 などにします。
    • vlan で開始する名前を付ける場合は、vlanID の形式にする必要があります。たとえば、vlan171 などにします。
  • --teamslaves= - このオプションで指定したスレーブを使って、--device= オプションで指定したチームデバイスを作成します。スレーブとスレーブの間はコンマで区切ってください。各スレーブの後ろにその設定を指定することができます。二重引用符と\ 記号でエスケープした JSON 文字列を一重引用符で囲っている部分が設定になります。例を示します。
    network --teamslaves="p3p1'{\"prio\": -10, \"sticky\": true}',p3p2'{\"prio\": 100}'"
    --teamconfig= オプションも参照してください。
  • --teamconfig= - チームデバイスの設定を二重引用符で囲って指定します。二重引用符と \ 記号でエスケープした JSON 文字列を一重引用符で囲っている部分が実際の設定になります。デバイス名は --device= オプションで、使用するスレーブとその設定は --teamslaves= オプションでそれぞれ指定します。例を示します。
    network --device team0 --activate --bootproto static --ip=10.34.102.222 --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.34.102.254 --nameserver=10.34.39.2 --teamslaves="p3p1'{\"prio\": -10, \"sticky\": true}',p3p2'{\"prio\": 100}'" --teamconfig="{\"runner\": {\"name\": \"activebackup\"}}"
  • --bridgeslaves= - このオプションを使用すると、--device= オプションで指定したデバイス名でネットワークブリッジが作成され、このネットワークブリッジに --bridgeslaves= オプションで指定したデバイスが追加されます。例を示します。
    network --device=bridge0 --bridgeslaves=em1
  • --bridgeopts= - オプションでブリッジしたインターフェース用パラメーターの一覧をコンマで区切って指定します。使用できる値は stppriorityforward-delayhello-timemax-ageageing-time などです。パラメーターの詳細については nm-settings(5) man ページの 『bridge setting』 テーブル、または https://developer.gnome.org/NetworkManager/0.9/ref-settings.html を参照してください。
    ネットワークブリッジについての全般的な情報については、『 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
%addon org_fedora_oscap (オプション)
OpenSCAP インストーラーアドオンは、インストールシステム上で SCAP (Security Content Automation Protocol) のコンテンツ、セキュリティーポリシーを適用するために使用されます。Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降、このアドオンはデフォルトで有効になっています。有効時には、この機能の提供に必要なパッケージが自動的にインストールされます。ただし、デフォルトではポリシーが強制されることがなく、明確に設定されている場合を除いて、インストール中およびインストール後にチェックは実行されません。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
多くのコマンドとは異なり、このアドオンは通常のオプションは受け付けず、%addon 定義の本文で鍵と値のペアを使用します。値は一重引用符 (') または二重引用符 (") で囲みます。
アドオンは以下の鍵を認識します。
  • content-type - セキュリティーコンテンツのタイプ。値は、datastreamarchiverpm、または scap-security-guide になります。
    content-typescap-security-guide にすると、アドオンは scap-security-guide パッケージが提供するコンテンツを使用します。このパッケージは起動メディアにあります。つまり、profile を除く他のすべての鍵の影響がなくなります。
  • content-url - セキュリティーコンテンツの場所。コンテンツは、HTTP、HTTPS、FTP のいずれかを使用してアクセスできる必要があります。ローカルストレージは現在、サポートされていません。リモートの場所にあるコンテンツ定義に達するネットワーク接続が必要になります。
  • datastream-id - content-url の値で言及されるデータストリームの ID 。content-typedatastream の場合にのみ、使用します。
  • xccdf-id - 使用するベンチマークの ID 。
  • xccdf-path - 使用する XCCDF ファイルへのパスをアーカイブ内の相対パスで指定します。
  • profile - 適用するプロファイルの ID。デフォルトのプロファイルを使用する場合は default を使用してください。
  • fingerprint - content-url で言及されるコンテンツの MD5、SHA1 または SHA2 チェックサム。
  • tailoring-path - 使用するテーラリングファイルへのパスをアーカイブ内の相対パスで指定します。
インストールメディア上の scap-security-guide からのコンテンツを使用する %addon org_fedora_oscap セクションの例は、以下のようになります。

例26.2 SCAP Security Guide を使用した OpenSCAP アドオン定義の例

%addon org_fedora_oscap
content-type = scap-security-guide
profile = pci-dss
%end
Web サーバーからカスタムプロファイルを読み込むより複雑な例は、以下のようになります。

例26.3 データストリームを使用した OpenSCAP アドオン定義の例

%addon org_fedora_oscap
content-type = datastream
content-url = http://www.example.com/scap/testing_ds.xml
datastream-id = scap_example.com_datastream_testing
xccdf-id = scap_example.com_cref_xccdf.xml
profile =  xccdf_example.com_profile_my_profile
fingerprint = 240f2f18222faa98856c3b4fc50c4195
%end
OpenSCAP インストーラーアドオンについての追加情報は、https://www.open-scap.org/tools/oscap-anaconda-addon/ で確認できます。SCAP セキュリティーガイドで利用可能なプロファイルとその機能については、OpenSCAP Portal を参照してください。
part または partition (必須)
システムにパーティションを作成します。

警告

--noformat および --onpart を使用しないと、作成されたパーティションはすべてインストールプロセスの一部としてフォーマット化されます。

重要

sdX (または /dev/sdX) フォーマットでのデバイス名は再起動後に維持される保証がなく、これはキックスタートコマンドの一部の使用を複雑にします。コマンドがデバイスノード名を呼び出す際には、代わりに /dev/disk からのアイテムを使用することができます。以下に例を示します。
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
これらの手順により、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは特に大型のストレージ環境で便利なものです。ストレージデバイスを連続的に参照する別の方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド の永続的命名についての章を参照してください。
part の実行例の詳細については、「高度なパーティションの例」を参照してください。
part|partition mntpoint --name=name --device=device --rule=rule [options]
  • mntpoint - パーティションをマウントする場所です。次のいずれかの形式になります。
    • /path
      //usr/home など
    • swap
      swap 領域として使用されます。
      自動的に swap パーティションのサイズを確定させる場合は、--recommended オプションを使用します。
      swap --recommended
      有効なサイズが割り当てられますが、システムに対して正確に調整されたサイズではありません。
      自動的に swap パーティションサイズを確定しながら、ハイバネート用に余剰領域も割り当てる場合には、--hibernation オプションを使用します。
      swap --hibernation
      --recommended で割り当てられる swap 領域に加え、システムの RAM 容量が加算されたサイズが割り当てられるようになります。
      これらのコマンドで割り当てられる swap サイズについては、「推奨されるパーティション設定スキーム」 (AMD64 および Intel 64 システム用)、「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM Power Systems サーバー用)、および「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM System z 向け) を参照してください。
    • raid.id
      このパーティションはソフトウェア RAID に使用されます (raid を参照)。
    • pv.id
      このパーティションは LVM に使用されます (logvol を参照)。
    • biosboot
      このパーティションは BIOS 起動パーティションに使用されます。GPT (GUID Partition Table) を使用する BIOS ベースの AMD64 および Intel 64 システムには 1 MiB の BIOS 起動パーティションが必要になります。ブートローダーはこのパーティション上にインストールされます。UEFI システムには必要ありません。詳細は bootloader コマンドをご覧ください。
    • /boot/efi
      EFI システムパーティションです。UEFI ベースの AMD64 および Intel 64 システムには 50 MiB の EFI パーティションが必要になります。推奨サイズは 200 MiB です。BIOS システムには必要ありません。詳細は bootloader コマンドをご覧ください。
  • --size= - パーティションの最小サイズを MiB 単位で指定します。500 など整数値を使用してください (単位は不要)。

    重要

    --size の値が小さすぎる場合は、インストールは失敗します。--size 値は、必要となる領域の最小値として設定します。推奨サイズについては、「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。
  • --grow - これを指定すると、最大利用可能サイズまでパーティションを拡張する、または指定限度サイズまで拡張するように指示します。

    注記

    swap パーティションに --maxsize= を設定せずに --grow= を使用すると、swap パーティションの最大サイズは Anaconda によって制限されます。物理メモリーが 2 GB 未満のシステムの場合、物理メモリー量の 2 倍に制限されます。物理メモリーが 2 GB 以上のシステムの場合は、物理メモリー量に 2GB を足した量に制限されます。
  • --maxsize= - grow が設定されている場合の最大サイズを MiB 単位で指定します。500 などの整数値を使用してください (単位は不要)。
  • --noformat - パーティションをフォーマットしない場合に指定します。--onpart コマンドと併用してください。
  • --onpart= または --usepart= - パーティションを配置するデバイスを指定します。例を示します。
    partition /home --onpart=hda1
    上記では、/home パーティションが /dev/hda1 に配置されます。
    このオプションを使ってパーティションを論理ボリュームに追加することもできます。例を示します。
    partition pv.1 --onpart=hda2
    この場合、デバイスがシステム上に存在している必要があります。--onpart オプションでデバイスを作成しているわけではありません。
    パーティションではなく、ドライブ全体を指定することも可能です。その場合、Anaconda はパーティションテーブルを作成せずに、ドライブをフォーマットして使用します。ただし、この方法でフォーマットされたデバイスでは GRUB2 のインストールはサポートされないので、パーティションテーブルのあるドライブに置かれる必要があります。
  • --ondisk= または --ondrive= - 特定のディスク上にパーティションの作成を強制します。たとえば、--ondisk=sdb を使用すると、パーティションは 2 番目の SCSI ディスクに作成されます。
    論理ボリューム管理 (LVM) を使用しないマルチパスのデバイスを指定する場合は、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier です。WWID が 2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017 のディスクを指定する場合は、以下のコマンドを使用します。
    part / --fstype=xfs --grow --asprimary --size=8192 --ondisk=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
    LVM を使用するマルチパスのデバイスは、anaconda がキックスタートファイルの解析を完了するまで構成されません。したがって、このようなデバイスは dm-uuid-mpath の形式では指定できないため、代わりに disk/by-id/scsi-WWID の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier です。WWID が 58095BEC5510947BE8C0360F604351918 のディスクを指定する場合は、以下のコマンドを使用します。
    part / --fstype=xfs --grow --asprimary --size=8192 --ondisk=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918

    警告

    マルチパスのデバイス消去に、mpatha などのデバイス名は絶対に使用しないでください。このようなデバイス名は特定ディスクに固有な名前ではありません。インストール中の /dev/mpatha という名前のディスクは必ずしも期待したディスクを指すとは限りません。したがって、clearpart コマンドを使用する際、間違ったディスクが対象となる可能性があります。
  • パーティションが プライマリー パーティションとして割り当てられるように強制実行します。(通常、すでに割り当てられているプライマリーパーティションが多すぎるという理由で) パーティションをプライマリーとして割り当てられない場合は、パーティション設定のプロセスが失敗します。このオプションは、Master Boot Record (MBR) をディスクが使用する場合にのみ意味があり、GUID Partition Table (GPT) ラベルが付いたディスクでは意味がありません。プライマリー (および拡張) パーティションについての情報は、「パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする」を参照してください。
  • --fsprofile= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す 使用タイプ を指定します。ファイルシステムの作成時に使用される様々なチューニングパラメーターは、この使用タイプによって定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2ext3ext4 の場合、この設定ファイルは /etc/mke2fs.conf になります。
  • --mkfsoptions= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。これは --fsprofile と似ていますがすべてのファイルシステムで機能するものです。ただし、プロファイルの概念には対応していません。引数のリストでは処理が行われないので、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、ファイルシステムによって、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります。
  • --fstype= - パーティションのファイルシステムの種類を設定します。使用できる値は、xfsext2ext3ext4swapvfatefibiosboot になります。
  • --fsoptions - ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプション文字列を自由形式で指定します。この文字列はインストール後の /etc/fstab ファイルにコピーされるため、引用符で囲んでください。
  • --label= - 個別パーティションにラベルを割り当てます。
  • --recommended - パーティションのサイズを自動的に確定します。推奨スキームについての詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 (AMD64 および Intel 64 システム用)、「推奨されるパーティション設定スキーム」(IBM Power Systems 用)、および「推奨されるパーティション設定スキーム」 (IBM System z 向け) を参照してください。

    重要

    このオプションは、/boot パーティションや swap スペースといったファイルシステムになるパーティションにのみ使用することができます。LVM 物理ボリュームや RAID メンバーの作成には使用できません。
  • --onbiosdisk - BIOS で検出された特定のディスク上に強制的にパーティションを作成します。
  • --encrypted - このパーティションを --passphrase オプションで入力したパスフレーズを使って暗号化します。このパスフレーズを指定していない場合、Anacondaautopart --passphrase コマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断され、パスフレーズの入力が求められます。

    注記

    1 つ以上のパーティションを暗号化する際には、Anaconda は安全な暗号化を行うため 256 ビットのエントロピー (ランダムなデータ) を収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは 10 分後に終了します。
    このプロセスは、インストールシステムと対話することで (キーボードで入力またはマウスを動かす) 速めることができます。仮想マシンにインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 Virtualization Deployment and Administration Guide にあるように、 virtio-rng デバイス (仮想のランダム番号ジェネレーター) をゲストにアタッチすることもできます。
  • --passphrase= - このパーティションの暗号化を行う際に使用するパスフレーズを入力します。--encrypted オプションと併用してください。単独では機能しません。
  • --cipher= - Anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に使用する暗号化の種類を指定します。このオプションは、--encrypted オプションと併用する必要があります。このオプションだけを使用しても暗号化されません。使用できる暗号化の種類については、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』に記載されていますが、Red Hat では、aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を推奨しています。
  • --escrowcert=URL_of_X.509_certificate - 暗号化した全パーティションのデータ暗号化キーを /root 配下にファイルとして格納します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーは暗号化したパーティションごと別々のファイルとして格納されます。--encrypted と併用しないと意味がありません。
  • --backuppassphrase - 暗号化されたパーティションにそれぞれランダムに生成されたパスフレーズを与えます。パスフレーズは /root 配下に別々のファイルで格納されます。--escrowcert で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert と併用しないと意味がありません。
  • --resize= - 既存パーティションのサイズを変更します。このオプションを使用する際は、--size= オプションで目的のサイズ (MiB 単位) と --onpart= オプションで目的のパーティションを指定します。

注記

何らかの理由でパーティションの設定ができなかった場合には、診断メッセージが仮想コンソール 3 に表示されます。
pwpolicy (オプション)
このコマンドは、カスタムのパスワードポリシーを強制します。このポリシーは、パスワードの長さや強度などの要素に基づいて、インストール中に作成されるパスワードの要件を指定するものです。
pwpolicy name [--minlen=length] [--minquality=quality] [--strict|--nostrict] [--emptyok|--noempty] [--changesok|--nochanges]
namerootuser または luks で置き換え、それぞれ root パスワード、ユーザーパスワード、もしくは LUKS パスフレーズのポリシーを強制します。
libpwquality ライブラリーは、パスワードの最低要件 (長さおよび質) の確認に使用されます。libpwquality パッケージが提供する pwscorepwmake のコマンドを使用してパスワードの質のスコアを確認するか、特定スコアのパスワードをランダムに作成することができます。これらのコマンドの詳細については、pwscore(1) および pwmake(1) の man ページを参照してください。

重要

このコマンドは、%anaconda セクション内でのみ使用可能になります。
  • --minlen= - パスワードの最低文字数を設定します。デフォルト値は 6 です。
  • --minquality= - libpwquality ライブラリーで定義されるパスワードの最低限の質を設定します。デフォルト値は 1 です。
  • --strict - 厳密なパスワード強制を有効にします。--minquality=--minlen= で指定された要件を満たさないパスワードは拒否されます。このオプションはデフォルトで無効になっています。
  • --notstrict - 完了 を 2 回クリックすると、--minquality=-minlen=で指定された要件を 満たさないパスワードが許可されます。
  • --emptyok - 空のパスワードの使用を許可します。デフォルトでユーザーパスワードに有効となっています。
  • --notempty - 空のパスワードの使用を許可しません。root パスワードと LUKS パスフレーズについて、デフォルトで有効になっています。
  • --changesok - キックスタートファイルでパスワードが設定されていても、ユーザーインターフェースでのパスワード変更を許可します。デフォルトでは無効です。
  • --nochanges - キックスタートファイルで設定されているパスワードの変更を許可しません。デフォルトでは有効です。
poweroff (オプション)
インストールが正常に完了したら、システムをシャットダウンして電源を切ります。通常、手動のインストールでは Anaconda によりメッセージが表示され、ユーザーがキーを押すのを待ってから再起動が行われます。キックスタートを使ったインストールでは、完了の方法が指定されていないと、デフォルトで halt オプションが使用されます。
poweroff オプションは shutdown -p コマンドと同じです。

注記

poweroff オプションは、使用中のハードウェアに大きく依存します。特に、BIOS、APM (advanced power management)、ACPI (advanced configuration and power interface) など特定のハードウェアコンポーネントはシステムカーネルと交信できる必要があります。使用システムの APM/ACPI 能力に関しては、製造元発行のドキュメントをご覧ください。
他の完了方法については、haltrebootshutdown などのキックスタートコマンドをご覧ください。
raid (オプション)
ソフトウェア RAID デバイスを構成します。このコマンドの形式は次の通りです。
raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*
  • mntpoint - RAID ファイルシステムをマウントする場所です。 / にマウントする場合、boot パーティション (/boot) がなければ RAID レベルは 1 にする必要があります。boot パーティションがある場合は、/boot パーティションをレベル 1 にしてください。root (/) パーティションのタイプはどれでも構いません。partitions* (複数パーティションの指定が可能) には RAID アレイに追加する RAID 識別子を指定します。

    重要

    IBM Power Systems で RAID デバイスの準備は行ったものの、インストール中には再フォーマットを行っていない場合で、この RAID デバイスに /boot パーティションと PReP パーティションの配置を予定している場合は、RAID メタデータのバージョンが 0.90 になっているか確認してください。
    デフォルトの Red Hat Enterprise Linux 7 mdadm メタデータバージョンは、ブートデバイスではサポートされていません。
    raid の実行例の詳細については、「高度なパーティションの例」を参照してください。
  • --level= - 使用する RAID レベルを指定します (0、1、4、5、6、10 のいずれか)。利用可能な RAID レベルについての詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。
  • --device= - 使用する RAID デバイス名を指定します。例: --device=root

    重要

    mdraid 名を md0 の形式で使用しないでください。このような名前は永続性が保証されていません。代わりに、rootswap など意味のある名前にしてください。意味のある名前を使用すると、/dev/md/name からアレイに割り当てられている /dev/mdXノードへのシンボリックリンクが作成されます。
    名前を割り当てることができない旧アレイ (v0.90 メタデータ) を所有している場合には、ファイルシステムのラベルまたは UUID でアレイを指定することができます (--device=rhel7-root --label=rhel7-root など)。
  • --chunksize= - RAID ストレージのチャンクサイズを KiB 単位で設定します。場合によっては、デフォルトサイズ (512 Kib) ではないチャンクサイズを使用すると、RAID のパフォーマンスが向上することもあります。
  • --spares= - RAID アレイに割り当てられるスペアのドライブ数を指定します。スペアドライブは、ドライブに障害が発生した場合にアレイの再構成に使用されます。
  • --fsprofile= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す 使用タイプ を指定します。ファイルシステムの作成時に使用される様々なチューニングパラメーターはこの使用タイプによって定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2、ext3、ext4 の場合、この設定ファイルは /etc/mke2fs.conf にあります。
  • --fstype= - RAID アレイのファイルシステムタイプを設定します。使用できる値は、xfsext2ext3ext4swapvfat になります。
  • --fsoptions= - ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプション文字列を自由形式で指定します。この文字列はインストール後の /etc/fstab ファイルにコピーされるため、引用符で囲んでください。
  • --mkfsoptions= - このパーティション上でファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないので、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、ファイルシステムによって、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります。
  • --label= - 作成するファイルシステムのラベルを指定します。指定ラベルが別のファイルシステムで既に使用されている場合は、新しいラベルが作成されます。
  • --noformat - 既存の RAID デバイスを使用し RAID アレイのフォーマット化はしません。
  • --useexisting - 既存の RAID デバイスを使用し、再フォーマット化を行います。
  • --encrypted - この RAID デバイスを --passphrase オプションで入力したパスフレーズを使って暗号化します。このパスフレーズを指定していない場合、Anacondaautopart --passphrase コマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断され、パスフレーズの入力が求められます。

    注記

    1 つ以上のパーティションを暗号化する際には、Anaconda は安全な暗号化を行うため 256 ビットのエントロピー (ランダムなデータ) を収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは 10 分後に終了します。
    このプロセスは、インストールシステムと対話することで (キーボードで入力またはマウスを動かす) 速めることができます。仮想マシンにインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 Virtualization Deployment and Administration Guide にあるように、 virtio-rng デバイス (仮想のランダム番号ジェネレーター) をゲストにアタッチすることもできます。
  • --cipher= - Anaconda のデフォルトとなる aes-xts-plain64 では不十分な場合に使用する暗号化の種類を指定します。このオプションは --encrypted オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。使用できる暗号化の種類については『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を推奨しています。
  • --passphrase= - この RAID デバイスの暗号化を行う際に使用するパスフレーズを入力します。--encrypted オプションと併用してください。単独では機能しません。
  • --escrowcert=URL_of_X.509_certificate - このデバイス用のデータ暗号化キーを /root 配下にファイルとして格納します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。--encrypted と併用しないと意味がありません。
  • --backuppassphrase - このデバイスにランダムに生成されたパスフレーズを与えます。パスフレーズは /root 配下にファイルとして格納されます。--escrowcert で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert と併用しないと意味がありません。
以下の例では、/ には RAID レベル 1 のパーティション、/home には RAID レベル 5 のパーティションを作成しています。システムには SCSI ディスクが 3 つあると仮定しています。また、各ドライブに 1 つずつ、3 つの swap パーティションを作成しています。

例26.4 raid キックスタートコマンドの使用例

part raid.01 --size=6000 --ondisk=sda
part raid.02 --size=6000 --ondisk=sdb
part raid.03 --size=6000 --ondisk=sdc

part swap --size=512 --ondisk=sda
part swap --size=512 --ondisk=sdb
part swap --size=512 --ondisk=sdc

part raid.11 --size=1 --grow --ondisk=sda
part raid.12 --size=1 --grow --ondisk=sdb
part raid.13 --size=1 --grow --ondisk=sdc

raid / --level=1 --device=rhel7-root --label=rhel7-root raid.01 raid.02 raid.03
raid /home --level=5 --device=rhel7-home --label=rhel7-home raid.11 raid.12 raid.13
realm (オプション)
Active Directory や IPA ドメインをジョインさせます。このコマンドについては realm(8) man ページの join のセクションを参照してください。
realm join [options] domain
  • --computer-ou=OU= - コンピューターアカウントを作成するため、組織単位の識別名を指定します。識別名の形式はクライアントソフトウェアおよびメンバーシップのソフトウェアにより異なります。通常、識別名の root DSE の部分は省略しても構いません。
  • --no-password - パスワードの入力なしで自動的にジョインします。
  • --one-time-password= - ワンタイムパスワードを使ってジョインします。すべてのレルムで使用できるとは限りません。
  • --client-software= - ここで指定したクライアントソフトウェアを実行できるレルムにしかジョインしません。使用できる値は sssdwinbind などになります。すべてのレルムがすべての値に対応しているとは限りません。デフォルトでは、クライアントソフトウェアは自動的に選択されます。
  • --server-software= - ここで指定したサーバーソフトウェアを実行できるレルムにしかジョインしません。使用できる値は active-directoryfreeipa などになります。
  • --membership-software= - レルムにジョインする際に、ここに指定したソフトウェアを使用します。使用できる値は sambaadcli などになります。すべてのレルムがすべての値に対応しているとは限りません。デフォルトでは、メンバーシップソフトウェアは自動的に選択されます。
reboot (オプション)
インストールが正常に完了したら再起動します (引数なし)。通常、キックスタートではメッセージが表示され、ユーザーがキーを押すのを待ってから再起動が行われます。
reboot オプションは shutdown -r コマンドと同じです。
System z でコマンドラインによるインストールを行う際は、reboot を指定してインストールを完全自動化します。
これ以外の完了方法については、haltpoweroffshutdown などのキックスタートオプションをご覧ください。
キックスタートファイルにどの完了方法も明示的には指定されていない場合、halt オプションがデフォルトの完了方法になります。

注記

インストールメディアやインストール方法によっては、reboot オプションを使用するとインストールプロセスがループして完了しなくなる場合があります
  • --eject - 再起動の前にインストール用 DVD の取り出しを試行します (DVD からインストールしている場合)。
  • --kexec - 完全な再起動を実行する代わりに kexec システムコールを使用します。BIOS やファームウェアが通常実行するハードウェアの初期化をせずに、インストールされたシステムを即座にメモリーに読み込みます。

    重要

    kexec を使用したシステムブートでは、その複雑性のために明示的にテストすることができず、すべての状況で機能することが保証されるものではありません。
    kexec の使用時には、(完全なシステム再起動では通常クリアされる) デバイスレジスタにデータが残り、これがデバイスドライバーによっては問題となる可能性もあります。
repo (オプション)
パッケージインストール用のソースとして使用可能な追加の yum リポジトリーを設定します。複数の repo 行を追加することが可能です。
repo --name=repoid [--baseurl=<url>|--mirrorlist=url] [options]
  • --name= - リポジトリー ID を入力します。このオプションは必須になります。以前に追加したリポジトリーと名前が競合する場合は無視されます。インストールプログラムでは事前設定したリポジトリーの一覧が使用されるため、この一覧にあるリポジトリーと同じ名前のものは追加できません。
  • --baseurl= - リポジトリーの URL を入力します。yum のリポジトリー設定ファイル内で使用可能な変数には対応していません。同一リポジトリーの定義内では、このオプションは --mirrorlist オプションと一緒に使用することはできません。
  • --mirrorlist= - リポジトリーのミラーの一覧を指す URL を入力します。yum のリポジトリー設定ファイル内で使用可能な変数はサポートされません。このオプションと --baseurl オプションを同一リポジトリー定義内で使用することはできません。
  • --install - 指定したリポジトリーの設定をインストールしたシステムの /etc/yum.repos.d/ ディレクトリーに保存します。このオプションを使用しない場合は、キックスタートファイルで設定したリポジトリーの使用はインストール中に限られ、インストール後のシステムでは使用できません。
  • --cost= - このリポジトリーに割り当てるコストを整数で入力します。複数のリポジトリーで同じパッケージを提供している場合、リポジトリーの使用優先順位がこの数値で決まります。小さい数値の方が優先順位が高くなります。
  • --excludepkgs= - このリポジトリーからは読み出しをしてはならないパッケージ名の一覧をコンマ区切りで指定します。複数のリポジトリーで同じパッケージが提供されていて、特定のリポジトリーから読み出したい場合に便利なオプションです。(publican といった) 完全なパッケージ名と (gnome-* といった) グロブの両方が使えます。
  • --includepkgs= - このリポジトリーからプルする必要のあるパッケージ名およびグロブの一覧をコンマ区切りで指定します。複数のリポジトリーで同じパッケージが提供されていて、このリポジトリーからプルしたい場合に便利なオプションです。
  • --proxy=[protocol://][username[:password]@]host[:port] - このリポジトリーにだけ使用する HTTP/HTTPS/FTP プロキシを指定します。この設定は他のリポジトリーには影響しません。また HTTP インストールでの install.img の読み込みについても影響はありません。
  • --ignoregroups=true - インストールツリーの構成時に使用されるオプションです。インストールプロセス自体には影響しません。不要な大量のデータをミラーリングしないよう、ツリーのミラーリングを行う際にパッケージグループの情報を検索しないよう構成用ツールに指示します。
  • --noverifyssl - HTTPS サーバーに接続の際に、SSL 確認を無効にします。

重要

インストールに使用するリポジトリーは安定した状態を維持してください。インストールが終了する前にリポジトリーに変更が加えられると、インストールが失敗する可能があります。
rescue (オプション)
自動的にインストールプログラムのレスキューモードに入ります。問題が発生している場合、システムを修復することができるようになります。
rescue [--nomount|--romount]
  • --nomount または --romount - インストールを完了したシステムをレスキュー環境でマウントする方法を制御します。デフォルトでは、インストールプログラムによりシステムの検出が行われてから、読み取りと書き込みのモードでシステムのマウントが行われ、マウントされた場所が通知されます。オプションでマウントを行わない ( --nomount オプション)、または読み取り専用モードでマウントする ( --romount オプション) のいずれかを選択することができます。指定できるのはどちらか一方です。
reqpart (オプション)
使用中のハードウェアプラットホームで必要となるパーティションを自動的に作成します。UEFI ファームウェアのシステム向けに /boot/efi パーティション、BIOS ファームウェアおよび GPT のシステム向けに biosboot パーティション、IBM Power Systems 向けに PRePBoot パーティションが作成されます。
reqpart [--add-boot]
  • --add-boot - ベースコマンドが作成するプラットホーム固有のパーティションとは別に、/boot パーティションを作成します。

注記

このコマンドは autopart と併用することはできません。autopartreqpart コマンドの実行内容に加えて他のパーティションや / および swap といった論理ボリュームも作成するためです。autopart とは異なり、このコマンドは、プラットホーム固有のパーティションを作成するだけで、ドライブの残りは空のままにするので、カスタムレイアウトの作成が可能になります。
rootpw (必須)
システムの root パスワードを password 引数に設定します。
rootpw [--iscrypted|--plaintext] [--lock] password
  • --iscrypted - このオプションを含めると、パスワード引数は既に暗号化済みと仮定されます。--plaintext と相互排他的になります。暗号化したパスワードを作成する場合は python を使用します。
    $ python -c 'import crypt,getpass;pw=getpass.getpass();print(crypt.crypt(pw) if (pw==getpass.getpass("Confirm: ")) else exit())'
    上記の例では、ランダムの salt を使用して、パスワードの sha512 暗号と互換性があるハッシュが生成されます。
  • --plaintext - このオプションを含めると、パスワード引数はプレーンテキストであると仮定されます。--iscrypted と相互排他的になります。
  • --lock - このオプションを含めると、root アカウントはデフォルトでロックされます。つまり、root ユーザーはコンソールからログインできなくなります。また、グラフィカルとテキストベースの両方の手動インストールにおいて、Root Password 画面が無効になります。
selinux (オプション)
インストールを完了したシステムに SELinux の状態を設定します。デフォルトで設定されるポリシーは enforcing になります。
selinux [--disabled|--enforcing|--permissive]
  • --enforcing - SELinux をデフォルトの targeted ポリシーである enforcing で有効にします。
  • --permissive - SELinux のポリシーに基づく警告を発します。ただし、実際にはポリシーは実施されません。
  • --disabled - SELinux を完全に無効にします。
SELinux について詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 SELinux User's and Administrator's Guide』を参照してください。
services (オプション)
デフォルトの systemd ターゲット下で実行するデフォルトのサービスセットを変更します。無効 (disabled) サービスの一覧が処理されてから、有効 (enabled) サービスの一覧が処理されます。したがって、両方の一覧に記載されているサービスは有効になります。
services [--disabled=list] [--enabled=list]
  • --disabled= - 無効にするサービスをコンマ区切りで指定します。
  • --enabled= - 有効にするサービスをコンマで区切りで指定します。

重要

サービスを指定時には空白を入れないでください。空白があると、キックスタートは最初の空白の直前のサービスまでしか有効または無効にしません。例を示します。
services --disabled=auditd, cups,smartd, nfslock
上記の例の場合、auditd サービスしか無効になりません。4 つのサービスすべてを無効にするためエントリーから空白を取り除きます。
services --disabled=auditd,cups,smartd,nfslock
shutdown (オプション)
インストールが正常に完了したらシステムをシャットダウンします。キックスタートを使ったインストールでは、完了方法が指定されていない場合、halt コマンドが使用されます。
shutdown キックスタートオプションは shutdown コマンドと同じです。
これ以外の完了方法については、haltpoweroffreboot などのキックスタートオプションをご覧ください。
skipx (オプション)
このオプションを指定すると、インストールを完了したシステムに X が設定されなくなります。

重要

パッケージ選択のオプションでディスプレイマネージャーをインストールすると、このパッケージにより X の設定が作成されるため、インストールが完了したシステムは graphical.target にデフォルト設定されることになります。このため、skipx オプションは無効になります。
snapshot (オプション)
snapshot コマンドを使用すると、インストール中にシン論理ボリュームのスナップショットを作成できます。これにより、インストール前後の論理ボリュームのバックアップ作成が可能になります。
複数のスナップショットを作成するには、snaphost キックスタートコマンドを複数回追加します。
snapshots vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-install
  • vg_name/lv_name - スナップショットの作成元となるボリュームグループや論理グループの名前を設定します。
  • --name=snapshot_name - スナップショットの名前を設定します。この名前は、ボリュームグループ内で一意のものである必要があります。
  • --when=pre-install|post-install - インストール前もしくは後にスナップショットを作成することを指定します。
sshpw (オプション)
インストール中に、SSH 接続によりインストールプログラムと対話操作を行い、その進捗状況を監視することができます。sshpw コマンドを使用して、ログオンするための一時的なアカウントを作成します。コマンドの各インスタンスにより、インストール環境でしか存在しない個別アカウントが作成されます。ここで作成されたアカウントはインストールが完了したシステムへは転送されません。
sshpw --username=name password [--iscrypted|--plaintext] [--lock]
  • --username - ユーザー名を入力します。このオプションは必須です。
  • --iscrypted - このオプションを含めると、パスワード引数は既に暗号化済みと仮定されます。--plaintext と相互排他的になります。暗号化したパスワードを作成する場合は python を使用します。
    $ python -c 'import crypt,getpass;pw=getpass.getpass();print(crypt.crypt(pw) if (pw==getpass.getpass("Confirm: ")) else exit())'
    上記の例では、ランダムの salt を使用して、パスワードの sha512 暗号と互換性があるハッシュが生成されます。
  • --plaintext - このオプションを含めると、パスワード引数はプレーンテキストであると仮定されます。--iscrypted と相互排他的になります。
  • --lock - このオプションを含めると、このアカウントはデフォルトでロックされます。つまり、ユーザーはコンソールからログインできなくなります。

重要

デフォルトでは、インストール時に ssh サーバーは起動されません。インストール時に ssh を使用できるようにするには、カーネル起動オプション inst.sshd を使ってシステムを起動させます。詳細は、コンソール、環境、ディスプレイの各オプションを参照してください。

注記

インストール中、別のユーザーの ssh アクセスを許可する一方で、root の ssh アクセスを無効にする場合は、以下のコマンドを実行します。
sshpw --username=example_username example_password --plaintext
sshpw --username=root example_password --lock
単に root の ssh アクセスを無効にするには、以下のコマンドを使用します。
sshpw --username=root --lock
text (オプション)
キックスタートを使ったインストールをテキストモードで実行します。デフォルトではグラフィカルモードで実行されます。

重要

完全に自動のインストールでは、キックスタートファイルにある利用可能なモードのいずれかを指定するか (graphicaltext、または cmdline)、コンソール、環境、ディスプレイの各オプション の説明にある console= 起動オプションを使用する必要があります。モードが指定されない場合は、システムがいずれかを選択するよう尋ねます。
timezone (必須)
システムのタイムゾーンを timezone に設定します。利用可能なタイムゾーン一覧を表示するには、timedatectl list-timezones コマンドを使います。
timezone timezone [options]
  • --utc - これを指定すると、ハードウェアクロックが UTC (グリニッジ標準) 時間に設定されているとシステムはみなします。
  • --nontp - NTP サービスの自動スタートを無効にします。
  • --ntpservers= - 使用する NTP サーバーを空白を入れないコンマ区切りのリストで指定します。
unsupported_hardware (オプション)
インストールプログラムに Unsupported Hardware Detected (サポート外のハードウェアを検出) 警告を表示しないように指示します。このコマンドが含まれず、サポート外のハードウェアが検出された場合は、インストールはこの警告で停止します。
user (オプション)
システム上で新規ユーザーを作成します。
user --name=username [options]
  • --name= - ユーザー名を入力します。このオプションは必須です。
  • --gecos= - ユーザーの GECOS 情報を提供します。これは、コンマ区切りの様々なシステム固有フィールドの文字列です。ユーザーのフルネームやオフィス番号などを指定するためによく使われます。詳細は、passwd(5) man ページを参照してください。
  • --groups= - デフォルトグループの他にもユーザーが所属すべきグループ名のコンマ区切りのリストです。このグループはユーザーアカウントの作成前に存在する必要があります。詳細は、group コマンドを参照してください。
  • --homedir= - ユーザーのホームディレクトリーです。これが設定されない場合は、/home/username がデフォルトになります。
  • --lock - このオプションを含めると、このアカウントはデフォルトでロックされます。つまり、ユーザーはコンソールからログインできなくなります。また、グラフィカルとテキストベースの両方の手動インストールにおいて、Create User 画面が無効になります。
  • --password= - 新規のユーザーパスワードです。提供されない場合、そのアカウントはデフォルトでロックされます。
  • --iscrypted - このオプションを含めると、パスワード引数は既に暗号化済みと仮定されます。--plaintext と相互排他的になります。暗号化したパスワードを作成する場合は python を使用します。
    $ python -c 'import crypt,getpass;pw=getpass.getpass();print(crypt.crypt(pw) if (pw==getpass.getpass("Confirm: ")) else exit())'
    上記の例では、ランダムの salt を使用して、パスワードの sha512 暗号と互換性があるハッシュが生成されます。
  • --plaintext - このオプションを含めると、パスワード引数はプレーンテキストであると仮定されます。--iscrypted と相互排他的になります。
  • --shell= - ユーザーのログインシェルです。提供されない場合、システムデフォルトが使用されます。
  • --uid= - ユーザーの UID (User ID) です。提供されない場合、次に利用可能なシステム以外の UID をデフォルトにします。
  • --gid= - ユーザーのグループで使用される GID (Group ID) です。提供されない場合、次に利用可能なシステム以外のグループ ID をデフォルトにします。

    注記

    --uid--gid のオプションを使用して、通常のユーザーとそのデフォルトグループに 1000 ではなく 5000 から始まる範囲の ID を設定することを検討してください。これは、システムユーザーおよびグループに予約してある 0-999 の範囲は将来広がって、通常のユーザーの ID と重複する可能性があるためです。
    選択した UID と GID の範囲がユーザー作成時に自動的に適用されるようにするには、インストール後に UID と GID の下限を変更します。これについての詳細は、『システム管理のガイド』の「ユーザーとグループの概要」の章 を参照してください。

注記

ファイルおよびディレクトリーは様々なパーミッションと作成され、パーミッションはファイルまたはディレクトリーを作成するアプリケーションによる影響を受けます。たとえば、mkdir コマンドは、すべてのパーミッションを有効にしてディレクトリーを作成します。ただし、アプリケーションは新規作成ファイルへ特定パーミッションを付与しないよう、user file-creation mask 設定で指定されます。
user file-creation mask は、umask コマンドで管理できます。新規ユーザー向けの user file-creation mask のデフォルト設定は、インストールシステム上の /etc/login.defs 設定ファイルの UMASK 変数で定義されます。これが設定されない場合は、022 のデフォルト値を使用します。このデフォルト値の場合、アプリケーションがファイルを作成すると、ファイル所有者以外のユーザーに書き込みパーミッションは付与されません。ただし、これは他の設定やスクリプトで無効にすることが可能です。詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理のガイド』を参照してください。
vnc (オプション)
VNC 経由のリモートでグラフィカルインストールを表示できるようにします。テキストインストールではサイズと言語の一部が制限されるため、この方法が通常はテキストモードよりも好まれます。追加のオプション指定がない場合は、このコマンドはパスワードなしでインストールシステム上で VNC サーバーを開始し、接続に必要な詳細を表示します。
vnc [--host=host_name] [--port=port] [--password=password]
  • --host= - Connect to the VNC viewer process listening on the given host name.
  • --port= - リモート VNC ビューアープロセスがリッスンしているポートを提供します。提供されない場合、Anaconda は VNC のデフォルトポートである 5900 を使用します。
  • --password= - VNC セッションへの接続に提供が必要なパスワードを設定します。これはオプションですが、推奨されます。
インストールシステムへの接続方法を含む VNC インストールについて詳細は、24章VNC を使用したインストールを参照してください。
volgroup (オプション)
LVM (論理ボリューム管理) グループを作成します。
volgroup name partition [options]

重要

キックスタートを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、論理ボリューム名およびボリュームグループ名にはダッシュ (「-」) 文字を使用しないでください。この文字を使用すると、インストール自体は正常に完了しますが、/dev/mapper/ ディレクトリー内の論理ボリューム名とボリュームグループ名にダッシュが二重に付いてしまうことになります。たとえば、logvol-01 という名前の論理ボリュームを格納する volgrp-01 という名前のボリュームグループなら、/dev/mapper/volgrp--01-logvol--01 というような表記になってしまいます。
この制約が適用されるのは、新規作成の論理ボリュームおよびボリュームグループ名のみです。既存の論理ボリュームまたはボリュームグループを --noformat オプションを使って再利用する場合には、名前は変更されません。
volgroup を含む詳細なパーティション設定例については、「高度なパーティションの例」を参照してください。
オプションは次の通りです。
  • --noformat - 既存のボリュームグループを使用し、フォーマットは行いません。
  • --useexisting - 既存のボリュームグループを使用しそのボリュームグループを再フォーマットします。このオプションを使用する場合は partition は指定しないでください。例を示します。
    volgroup rhel00 --useexisting --noformat
  • --pesize= - ボリュームグループの物理エクステントのサイズをキビバイト (KiB) 単位で設定します。デフォルト値は 4096 (4 MiB)、最小値は 1024 (1 MiB) になります。
  • --reserved-space= - ボリュームグループに未使用で残す領域を MiB 単位で指定します。新規作成のボリュームグループにのみ適用されます。
  • --reserved-percent= - 未使用で残すボリュームグループ全体の割合を指定します。新規作成のボリュームグループにのみ適用されます。
最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、論理ボリュームを作成します。例を示します。
part pv.01 --size 10000
volgroup volgrp pv.01 
logvol / --vgname=volgrp --size=2000 --name=root
xconfig (オプション)
X Window System を設定します。xconfig コマンドを含まないキックスタートファイルで X Window System をインストールする場合は、インストール時に手動で X を設定する必要があります。
X Window System をインストールしないキックスタートファイルでは、このコマンドを使用しないでください。
  • --defaultdesktop= - GNOME または KDE を指定してデフォルトのデスクトップを設定します (GNOME Desktop Environment または KDE Desktop Environment のいずれかの選択された環境が %packages セクションにインストールされていることが前提)。

    重要

    現時点では、このオプションを使用して KDE をデフォルトのデスクトップ環境に指定することはできません。これは既知の問題です。回避策については、https://access.redhat.com/solutions/1125833 を参照してください。この回避策は、「インストール後のスクリプト」 にあるキックスタートのインストール後のスクリプトに使用できます。
  • --startxonboot - インストールされたシステムでグラフィカルログインを使用します。
zerombr (オプション)
zerombr が指定されると、ディスク上で検出された無効なパーティションテーブルが初期化されます。これにより無効なパーティションテーブルのあるディスクのコンテンツすべてが破棄されます。このコマンドは、既に初期化されたディスクのシステム上で無人インストールを実行する際に必要となります。

警告

IBM System z では zerombr が指定された場合、インストールプログラムに見えている Direct Access Storage Device (DASD) でまだ低レベルフォーマット処理がなされていないものは、自動的に dasdfmt で低レベルフォーマット処理がなされます。このコマンドは、対話型インストール中のユーザー選択も阻止します。
zerombr が指定されておらず、少なくとも 1 つの未フォーマットの DASD がインストールプログラムに見えている場合、非対話形式のキックスタートを使ったインストールは失敗に終わります。
zerombr が指定されておらず、少なくとも 1 つの未フォーマットの DASD がインストールプログラムに見えている場合、ユーザーがすべての見えている未フォーマットの DASD のフォーマットに同意しなければ、対話形式のインストールは終了します。この状況を避けるには、インストール中に使用する DASD のみをアクティベートします。DASD は、インストール完了後にいつでも追加できます。
zfcp (オプション)
ファイバーチャネルデバイスを定義します。このオプションは、IBM System z にのみ適用されます。下記のオプションすべてを指定する必要があります。
zfcp --devnum=devnum --wwpn=wwpn --fcplun=lun
  • --devnum - デバイス番号 (zFCP アダプターデバイスバス ID) になります。
  • --wwpn - デバイスのワールドワイドポートネーム (WWPN)。0x で始まる 16 桁の番号になります。
  • --fcplun - デバイスの論理ユニット番号 (LUN)。0x で始まる 16 桁の番号になります。
以下に例を示します。
zfcp --devnum=0.0.4000 --wwpn=0x5005076300C213e9 --fcplun=0x5022000000000000
%include (オプション)
%include /path/to/file コマンドを使用して、キックスタートファイル内の別のファイルのコンテンツが、まるでキックスタートファイルの %include コマンドの場所にあるかのように含めます。

26.3.2. パッケージの選択

%packages コマンドを使用して、インストールするソフトウェアパッケージを記述するキックスタートファイルのセクションを開始します。
パッケージは、環境グループ、もしくはパッケージ名で指定できます。関連パッケージを含むいくつかの環境およびグループが定義されます。環境およびグループの一覧については、Red Hat Enterprise Linux 7 インストール DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルを参照してください。
*-comps-variant.architecture.xml ファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグでマーク) およびグループ (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。各エントリーには、ID、ユーザー可視性の値、名前、説明、パッケージ一覧があります。グループがインストールに選択されていると、パッケージ一覧で mandatory とマークされたパッケージが常にインストールされ、default とマークされたパッケージは他で個別に除外されていない場合にインストールされます。また、optional とマークされたパッケージは、グループが選択されている場合でも、他で明確に含める必要があります。
パッケージグループや環境は、その ID (<id> タグ) もしくは名前 (<name> タグ) を使って指定することができます。

重要

どのパッケージをインストールすればよいか分からない場合は、Red Hat では 最小限のインストール 環境を選択することを推奨しています。最小限のインストール は、Red Hat Enterprise Linux 7 の実行に必須のパッケージのみを提供します。これにより、システムが脆弱性に影響される可能性を大幅に減らします。必要な場合は、インストール後に追加パッケージを追加できます。最小限のインストール についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』の「必要なパッケージの最小限のインストール」のセクションを参照してください。

重要

32 ビットパッケージを 64 ビットシステムにインストールするには、glibc.i686 のように、そのパッケージの構築対象である 32 ビットアーキテクチャーをパッケージ名に追記します。--multilib オプションもキックスタートファイルで指定する必要があります。利用可能なオプションについては、下記を参照してください。

重要

Initial Setup は、デスクトップ環境と X Window System がインストールに含まれていてグラフィカルログインが有効になっていないと、システムがキックスタートファイルからインストールされた後には実行されません。つまり、デフォルトでは、root 以外のユーザーは作成されません。追加のシステムをインストールする前にキックスタートファイル内の user オプションでユーザーを作成する (詳細は「キックスタートのコマンドとオプション」を参照) か root として仮想コンソールでインストール済みのシステムにログインして useradd コマンドでユーザーを追加します。
%packages セクションは %end コマンドで終了する必要があります。
環境の指定
グループのほかに、インストールする環境全体を指定することができます。
%packages
@^Infrastructure Server
%end
このコマンドは、Infrastracture Server 環境の一部となっているすべてのパッケージをインストールします。利用可能な環境は、Red Hat Enterprise Linux 7 Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルに記載されています。キックスタートファイルでは、単一の環境のみが指定可能です。
グループの指定
1 行に 1 エントリーずつグループを指定します。*-comps-variant.architecture.xml ファイルで指定されたとおり @ 記号で始め、完全なグループ名またはグループ ID を続けます。例を示します。
%packages
@X Window System
@Desktop
@Sound and Video
%end
Core グループは常に選択されるので、%packages セクションで指定する必要はありません。
*-comps-variant.architecture.xml ファイルは、Red Hat Enterprise Linux 用に Conflicts (variant) も定義します。このグループにはファイル競合を引き起こす既知のパッケージすべてが含まれ、除外されることを意図しています。
個別パッケージの指定
1 行に 1 エントリーで、名前で個別のパッケージを指定します。アスタリスク記号 (*) をパッケージ名の ワイルドカードとして使用することができます。例を示します。
%packages
sqlite
curl
aspell
docbook*
%end
docbook* エントリーとしては、docbook-dtdsdocbook-simpledocbook-slides パッケージの他に、ワイルドカードを使ったパターンに適合するものが含まれます。
環境、グループ、パッケージの除外
ダッシュ (-) を先頭に付け、インストールから除外するパッケージやグループを指定します。例えば以下のようになります。
%packages
-@Graphical Internet
-autofs
-ipa*fonts
%end

重要

@Conflicts (variant) グループを除外した場合でも、キックスタートファイルで * のみを使用してすべての利用可能なパッケージをインストールする方法は、サポートされていません。
%packages セクションのデフォルト動作は、オプションを使って変更する方法がいくつかあります。オプションの中にはパッケージ選択全体で機能するものと、特定のグループのみで機能するものがあります。

一般的なパッケージ選択のオプション

%packages では、以下のオプションが使用可能です。オプションを使用するには、パッケージ選択セクションの最初に追加します。例を示します。
%packages --multilib --ignoremissing
--default
パッケージのデフォルトセットをインストールします。これは、対話式インストールの Package Selection 画面で選択がなされない場合にインストールされるパッケージセットに対応するものです。
--excludedocs
パッケージに含まれているドキュメンテーションをインストールしません。ほとんどの場合、通常 /usr/share/doc ディレクトリーにインストールされるファイルを除外しますが、個別に除外されるファイルは個別のパッケージによります。
--ignoremissing
インストールを停止してインストールの中止または続行を確認する代わりに、インストールソースにないパッケージ、グループおよび環境を無視します。
--instLangs=
インストールする言語リストを指定します。これはパッケージグループレベルの選択とは異なることに注意してください。このオプションでは、インストールするパッケージグループを記述するのではなく、RPM マクロを設定することで個別パッケージからインストールする翻訳ファイルを制御します。
--multilib
multilib パッケージ用にインストールされたシステムを設定し (つまり、64 ビットのシステムに 32 ビットのパッケージをインストールできるようにする)、このセクションで説明しているようにパッケージをインストールします。
通常、AMD64 および Intel 64 システムでは、このアーキテクチャー専用となるパッケージ (x86_64 の印が付いている) と全アーキテクチャー用のパッケージ (noarch の印が付いている) がインストールされます。このオプションを使用すると、32 ビットの AMD および Intel システム用のパッケージ (i686 の印が付いている) がある場合、それらも合わせて自動的にインストールします。
これは %packages セクションで明示的に指定されているパッケージにのみ適用されます。キックスタートファイルで指定されずに依存関係としてのみインストールされるパッケージは、他のアーキテクチャーで利用可能な場合でも、必要とされるアーキテクチャーのバージョンにのみインストールされます。
--nocore
@Core パッケージグループのインストールを無効にします。これを使用しない場合は、デフォルトでインストールされます。@Core パッケージグループの無効化は、軽量コンテナの作成にのみ使用してください。--nocore を使ってデスクトップやサーバーシステムをインストールすると、使用できないシステムになってしまいます。

注記

@Core パッケージグループ内のパッケージを -@Core を使って除外することはできません。@Core パッケージグループを除外する唯一の方法は、--nocore オプションの使用になります。

特定パッケージグループ用のオプション

以下のオプションは、単一パッケージグループにのみ適用されます。キックスタートファイルの %packages コマンドで使用する代わりに、グループ名に追加します。例を示します。
%packages
@Graphical Internet --optional
%end
--nodefaults
デフォルト選択ではなく、グループの必須パッケージのみをインストールします。
--optional
デフォルトの選択に加えて、*-comps-variant.architecture.xml ファイルのグループ定義でオプションの印が付けられているパッケージをインストールします。
Scientific Support のようなパッケージグループは、必須もしくはデフォルトのパッケージが指定されておらず、オプションのパッケージのみであることに注意してください。この場合、--optional オプションを常に使用する必要があり、これを使用しないとこのグループからパッケージをインストールすることができません。

26.3.3. インストール前のスクリプト

%pre スクリプトは、キックスタートファイルの解析直後、ただしインストールの開始前に、システムで実行されます。このセクションは、「キックスタートのコマンドとオプション」で説明されているとおり、キックスタートコマンドの後に、キックスタートファイルの末尾に配置する必要があります。また、%pre で開始し、%end で終了する必要があります。キックスタートファイルに %post セクションも含まれる場合は、%pre および %post セクションが含まれる順番は重要ではありません。
%pre スクリプトは、ネットワークおよびストレージデバイスのアクティベートと設定に使用できます。また、インストール環境で利用可能なインタープリターを使用して、スクリプトを実行することもできます。インストールを進める前に特定の設定を必要とするネットワークやストレージがある場合や、追加のログパラメーターや環境変数などを設定するスクリプトがある場合には、%pre スクリプトが便利になります。%pre スクリプトでの問題のでバッグは難しくなる可能性があるので、%pre スクリプトは必要な場合にのみ使用することが推奨されます。
%pre スクリプトでは、ネットワーク、ストレージ、ファイルシステムに関連するコマンドが利用でき、また、インストール環境の /sbin および /bin ディレクトリーにあるほとんどのユーティリティーも使用できます。
%pre セクションのネットワークにアクセスすることは可能ですが、この時点では ネームサービス は設定されていないため、機能するのは IP アドレスのみで、URL は機能しません。
キックスタートのインストール前のスクリプトセクションは、複数のインストールツリーやソースメディアを管理できません。インストール前のスクリプトはインストールプロセスの第 2 段階で実行されるため、このような情報は作成された各キックスタートファイルに含める必要があります。

注記

インストール後のスクリプトとは違って、インストール前のスクリプトは chroot 環境では実行されません。
以下のオプションを使ってインストール前のスクリプトの動作を変更することができます。オプションを使用するには、スクリプトの最初の部分で %pre 行にオプションを追加してください。例を示します。
%pre --interpreter=/usr/bin/python
--- Python script omitted --
%end
--interpreter=
Python などの異なるスクリプト言語を指定できます。システムで利用可能なスクリプト言語は、どれでも使用できます。ほとんどの場合、/usr/bin/sh/usr/bin/bash、および /usr/bin/python になります。
--erroronfail
スクリプトが失敗した場合にエラーを表示し、インストールを停止します。エラーメッセージは、失敗の原因がログ記録されている場所を示します。
--log=
スクリプトの出力を指定されたログファイルにログします。例を示します。
%pre --log=/mnt/sysimage/root/ks-pre.log
以下は %pre セクションの例です。

例26.5 %pre スクリプトの例

%pre
#!/bin/sh
hds=""
mymedia=""
for file in /proc/ide/h* do
mymedia=`cat $file/media`
if [ $mymedia == "disk" ] ; then
hds="$hds `basename $file`"
fi
done
set $hds
numhd=`echo $#`
drive1=`echo $hds | cut -d' ' -f1`
drive2=`echo $hds | cut -d' ' -f2`

#Write out partition scheme based on whether there are 1 or 2 hard drives
if [ $numhd == "2" ] ; then
#2 drives
echo "#partitioning scheme generated in %pre for 2 drives" > /tmp/part-include
echo "clearpart --all" >> /tmp/part-include
echo "part /boot --fstype xfs --size 75 --ondisk hda" >> /tmp/part-include
echo "part / --fstype xfs --size 1 --grow --ondisk hda" >> /tmp/part-include
echo "part swap --recommended --ondisk $drive1" >> /tmp/part-include
echo "part /home --fstype xfs --size 1 --grow --ondisk hdb" >> /tmp/part-include
else
#1 drive
echo "#partitioning scheme generated in %pre for 1 drive" > /tmp/part-include
echo "clearpart --all" >> /tmp/part-include
echo "part /boot --fstype xfs --size 75" >> /tmp/part-include
echo "part swap --recommended" >> /tmp/part-include
echo "part / --fstype xfs --size 2048" >> /tmp/part-include
echo "part /home --fstype xfs --size 2048 --grow" >> /tmp/part-include
fi
%end
このスクリプトはシステム内のハードドライブ数を判定して、ドライブ数に応じて異なるパーティション設定スキームでテキストファイルを書き込みます。キックスタートファイルにパーティション設定コマンドのセットではなく、以下の行を含めます。
%include /tmp/part-include
スクリプト内で選択されたパーティション設定コマンドが使用されるようになります。

26.3.4. Anaconda の設定

追加のインストールオプションは、キックスタートファイルの %anaconda セクションで設定できます。このセクションでは、インストールシステムのユーザーインターフェースの動作を制御します。
このセクションは、「キックスタートのコマンドとオプション」 にあるキックスタートコマンドの後で、キックスタートファイルの終わりの方に配置し、%anaconda で始まり %end で終了します。
現時点で %anaconda セクションで使用可能なコマンドは、pwpolicy のみです。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。
以下は %anaconda セクションの例です。

例26.6 %anaconda スクリプトのサンプル

%anaconda
pwpolicy root --minlen=10 --strict
%end
上記の例では、%anaconda セクションではパスワードポリシーを設定します。root パスワードは 10 文字以上である必要があり、この要件に一致しないものは厳密に禁止されます。

26.3.5. インストール後のスクリプト

インストールが完了した後、ただしシステムを最初に再起動する前にシステム上で実行するコマンドを追加するというオプションがあります。このセクションは 「キックスタートのコマンドとオプション」で説明されているように、キックスタートコマンドの後に、キックスタートファイルの末尾に配置する必要があります。また、%post で開始し、%end で終了する必要があります。キックスタートファイルに %pre セクションも含まれる場合は、%pre%post セクションの順番は重要ではありません。
このセクションは、追加ソフトウェアのインストールや追加のネームサーバーの設定といった機能で便利です。インストール後のスクリプトは chroot 環境で実行されるので、インストールメディアからスクリプトや RPM をコピーするなどの作業はデフォルトでは機能しません。この動作は、以下に記載のように --nochroot オプションを使用することで変更できます。
インストール後のスクリプトは chroot 環境で実行されるので、systemctl コマンドはいかなるアクションも拒否します。詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 の『システム管理者のガイド』の 「"Behavior of systemctl in a chroot Environment" section」のセクションを参照してください。

重要

ネームサーバを含めて、ネットワークを静的 IP 情報で設定した場合は、ネットワークにアクセスして、%post セクション内で IP アドレスを解決できます。ネットワークを DHCP 用に設定した場合は、インストールが %post セクションを実行する時点では /etc/resolv.conf ファイルは完了していません。ネットワークにアクセスできますが、IP アドレスは解決できません。このため、DHCP を使用する場合は、%post セクションに IP アドレスを指定する必要があります。
以下のオプションを使ってインストール後のスクリプトの動作を変更することができます。オプションを使用するには、スクリプトの最初の部分で %post 行にオプションを追加してください。例を示します。
%post --interpreter=/usr/bin/python
--- Python script omitted --
%end
--interpreter=
Python などの異なるスクリプト言語を指定できます。例を示します。
%post --interpreter=/usr/bin/python
システムで利用可能なスクリプト言語は、どれでも使用できます。ほとんどの場合、/usr/bin/sh/usr/bin/bash、および /usr/bin/python になります。
--nochroot
chroot 環境外で実行するコマンドを指定することができます。
以下の例では、ファイル /etc/resolv.conf をインストールされたばかりのファイルシステムにコピーします。
%post --nochroot
cp /etc/resolv.conf /mnt/sysimage/etc/resolv.conf
%end
--erroronfail
スクリプトが失敗した場合にエラーを表示し、インストールを停止します。エラーメッセージは、失敗の原因がログ記録されている場所を示します。
--log=
スクリプトの出力を指定されたログファイルにログ記録します。ログファイルのパスは、ユーザーが --nochroot オプションを使用しているかどうかを考慮に入れる必要があることに注意して下さい。--nochroot なしの場合の例を示します。
%post --log=/root/ks-post.log
--nochroot がある場合は以下のようになります。
%post --nochroot --log=/mnt/sysimage/root/ks-post.log
以下は %post セクションの例です。

例26.7 %post スクリプトの例

# Start of the %post section with logging into /root/ks-post.log
%post --log=/root/ks-post.log

# Mount an NFS share
mkdir /mnt/temp
mount -o nolock 10.10.0.2:/usr/new-machines /mnt/temp
openvt -s -w -- /mnt/temp/runme
umount /mnt/temp

# End of the %post section
%end
上記の例では、NFS シェアをマウントし、そのシェア上で /usr/new-machines/ にある runme という名前のスクリプトを実行します。NFS ファイルロッキングはキックスタートモードではサポートされておらず、このため -o nolock オプションが必要となることに注意してください。
キックスタートを使ったインストールで最もよく使われるインストール後のスクリプトの一つは、Red Hat Subscription Manager を使ったインストール済みシステムの自動登録です。以下は、%post スクリプトの自動サブスクリプションの例です。

例26.8 インストール後のスクリプトで subscription-manager を実行する

%post --log=/root/ks-post.log
/usr/sbin/subscription-manager register --username=admin@example.com --password=secret --serverurl=sam-server.example.com --org="Admin Group" --environment="Dev" --servicelevel=standard --release="7.0"
%end
subscription-manager のコマンドラインスクリプトで、システムが Red Hat Subscription Management サーバー (カスタマーポータルによるサブスクリプション管理、Subscription Asset Manager、CloudForms System Engine など) に登録されます。このスクリプトは、システムに最も適したサブスクリプションをそのシステムに自動的にアタッチしたり割り当てたりする場合にも使用できます。
カスタマーポータルに登録する場合は、Red Hat ネットワークのログインに使用する認証情報を使用します。Subscription Asset Manager や CloudForms System Engine に登録する場合には、ローカルの管理者が作成したユーザーアカウントを使用します。
登録コマンドで追加オプションを使用してシステムに適したサービスレベルを設定し、また特定のオペレーティングシステムのバージョンに対する更新やエラータを制限することができます。
キックスタートファイルの %post セクションにおける subscription-manager の使用方法については、Red Hat カスタマーポータルの How do I use subscription-manager in a kickstart file? の記事も参照してください。

26.3.6. キックスタートでのエラー処理

Red Hat Enterprise Linux 7 から、インストーラーが致命的なエラーに遭遇した場合に実行されるカスタムスクリプトをキックスタートインストールに含めることができるようになりました。たとえば、インストールにリクエストされたパッケージにエラーがあったり、指定した VNC が起動に失敗したり、ストレージデバイスのスキャン中にエラーが発生する場合などです。インストーラーは、キックスタートで提供された順番で、すべての %onerror スクリプトを実行します。また、%onerror スクリプトは、トレースバックの際にも実行されます。
%onerror スクリプトは %end で終える必要があります。
--erroronfail
スクリプトが失敗した場合にエラーを表示し、インストールを停止します。エラーメッセージは、失敗の原因がログ記録されている場所を示します。
--interpreter=
Python などの異なるスクリプト言語を指定できます。例を示します。
%post --interpreter=/usr/bin/python
システムで利用可能なスクリプト言語は、どれでも使用できます。ほとんどの場合、/usr/bin/sh/usr/bin/bash、および /usr/bin/python になります。
--log=
スクリプトの出力を指定されたログファイルにログします。

26.3.7. キックスタートのアドオン

Red Hat Enterprise Linux 7 からは、キックスタートインストールでアドオンをサポートするようになりました。これらのアドオンは、多くの方法でキックスタート (および Anaconda) の機能を拡張できます。
キックスタートファイルでアドオンを使用するには、%addon addon_name options コマンドを使用し、%end ステートメントでコマンドを終了します。これは既出のプレインストールおよびポストインストールスクリプトと同様のものです。たとえば Anaconda とデフォルトで同梱されている Kdump アドオンを使用するには、以下のコマンドを使用します。
%addon com_redhat_kdump --enable --reserve-mb=auto
%end
%addon コマンドには独自のオプションが含まれず、オプションはすべて実際のアドオンに依存します。アドオンの詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 Anaconda カスタマイズガイド を参照してください。

26.4. キックスタート設定の例

26.4.1. 高度なパーティションの例

以下に、clearpartzerombrpartraidvolgroup、および logvol キックスタートオプションを使用した例を示します。

例26.9 高度なパーティションの例

clearpart --drives=hda,hdc
zerombr
# Raid 1 IDE config
part raid.11 --size 1000 --asprimary --ondrive=hda
part raid.12 --size 1000 --asprimary --ondrive=hda
part raid.13 --size 2000 --asprimary --ondrive=hda
part raid.14 --size 8000 --ondrive=hda
part raid.15 --size 16384 --grow --ondrive=hda
part raid.21 --size 1000 --asprimary --ondrive=hdc
part raid.22 --size 1000 --asprimary --ondrive=hdc
part raid.23 --size 2000 --asprimary --ondrive=hdc
part raid.24 --size 8000 --ondrive=hdc
part raid.25 --size 16384 --grow --ondrive=hdc

# You can add --spares=x
raid / --fstype xfs --device root --level=RAID1 raid.11 raid.21
raid /safe --fstype xfs --device safe --level=RAID1 raid.12 raid.22
raid swap --fstype swap --device swap --level=RAID1 raid.13 raid.23
raid /usr --fstype xfs --device usr --level=RAID1 raid.14 raid.24
raid pv.01 --fstype xfs --device pv.01 --level=RAID1 raid.15 raid.25

# LVM configuration so that we can resize /var and /usr/local later
volgroup sysvg pv.01
logvol /var --vgname=sysvg --size=8000 --name=var
logvol /var/freespace --vgname=sysvg --size=8000 --name=freespacetouse
logvol /usr/local --vgname=sysvg --size=1 --grow --name=usrlocal
この高度な例では、RAID を使用した LVM や、将来的なデータの増加に応じてさまざまなディレクトリーのサイズを変更できる機能が実装されています。
まず、clearpart コマンドを使って hda および hdc のドライブを消去します。zerombr コマンドは、未使用のパーティションテーブルを初期化します。
次に 2 つのドライブにパーティション設定がなされ、RAID 設定の準備をします。各ドライブは 5 つのパーティションに分割され、同一のレイアウトでパーティション設定されます。
次の部分では、これらの物理パーティションのペアを使って RAID1 レベル (ミラーリング) で ソフトウェア RAID デバイスを作成します。最初の 4 つのRAID デバイスは、/ (root)、/safeswap および /usr に使用されます。5 番目の一番大きいパーティションは pv.01 と命名され、以下の部分で LVM 用の物理ボリュームとして使用されます。
最後のコマンドセットは、まずpv.01 物理ボリューム上に sysvg という名前のボリュームグループを作成します。次に、3 つの論理 ボリューム (/var/var/freespace および /usr/local) が作成され、sysvg ボリュームグループに追加されます。/var および /var/freespace ボリュームは 8 GB の決まったサイズで、/usr/local ボリュームは --grow オプションを使って利用可能な残りの領域すべてを満たします。

26.4.2. ユーザー入力の例

以下では、bash を使用してユーザーに入力を要求し、その入力を読み込み変数として保存する例を示します。

例26.10 ユーザー入力の例

exec < /dev/tty6 > /dev/tty6 2> /dev/tty6
chvt 6
IFS=$'\n'
echo -n "Enter input: "
read USERINPUT
echo
echo -n "You entered:" "$USERINPUT"
echo
chvt 1
exec < /dev/tty1 > /dev/tty1 2> /dev/tty1
キックスタートが作動する方法のために、スクリプトはユーザー入力を読み込む前に新規の仮想マシンに切り替える必要があります。これは、exec < /dev/tty6 > /dev/tty6 2> /dev/tty6chvt 6 のコマンドで実行されています。read USERINPUT が enter を押すまで入力を読み取り、変数 USERINPUT で保存します。echo -n "You entered:" "$USERINPUT" コマンドが You entered: とその後に続くユーザー入力を表示します。最後に、chvt 1exec < /dev/tty1 > /dev/tty1 2> /dev/tty1 のコマンドが元の端末に切り替え、キックスタートインストールの続行を可能にします。

26.4.3. RNG デーモンをインストールして起動するキックスタートファイルの例

以下では、サービスをインストールして有効にするキックスタートファイルの例を説明します。ここでは、システムカーネルにエントロピーを提供する Random Number Generator (RNG) デーモンを使っています。

例26.11 RNG デーモンをインストールして起動するキックスタートファイルの例

services --enabled=rngd

%packages
rng-tools
%end
services --enabled=rngd コマンドは、システム起動時にインストール済みのシステムに RNG デーモンを起動するよう指示します。RNG デーモンが含まれている rng-tools パッケージがインストールで指定されます。

第27章 ディスクイメージへのインストール

本章では、いくつか異なるタイプのカスタムかつ起動可能なイメージの作成プロセスと、他の関連トピックについて説明します。イメージ作成とインストールプロセスは、通常のハードドライブインストールと同様の手順で手動で実行する方法と、キックスタートファイルおよび livemedia-creator ツールを使用して自動で実行するいずれかの方法でできます。

注記

livemedia-creator を使ったカスタムイメージの作成は現在、AMD64 および Intel 64 (x86_64) システム、および IBM POWER (big endian) システム上でのみサポートされています。
また、Red Hat がサポートするのは、Red Hat Enterprise Linux 7 のカスタムイメージの作成のみになります。
手動で行う場合は、グラフィカルインストールプログラムを使用して対話形式でインストールを実行できます。このプロセスは、Red Hat Enterprise Linux の起動可能なメディアおよびグラフィカルインストールプログラムを使用したインストールと同様のものです。しかし、インストール開始前に 1 つ以上の空のイメージファイルを手動で作成する必要があります。
livemedia-creator を使った自動のディスクイメージへのインストールは、ネットワークブートによるキックスタートインストールと多少似通っています。このアプローチを使用するには、livemedia-creator がインストール実行時に使用する有効なキックスタートファイルを準備する必要があります。ディスクイメージファイルは、自動で作成されます。
ディスクイメージへのインストールでは、どちらのアプローチでも別個のインストールソースが必要になります。ほとんどの場合、バイナリ Red Hat Enterprise Linux DVD の ISO イメージの使用が最善のアプローチになります。インストール ISO イメージを取得する情報については、2章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。

重要

現時点では、Red Hat Enterprise Linux のインストール ISO イメージを追加の準備なしに使用することはできません。ディスクイメージインストール用のインストールソースは、通常のインストール実行用に準備される方法と同様に準備する必要があります。インストールソースの準備については、「インストールソースの準備」 を参照してください。

27.1. 手動でのディスクイメージへのインストール

ディスクイメージへの手動でのインストールは、既存システム上の Anaconda インストールプログラムを実行して、1 つ以上のディスクイメージファイルをインストールターゲットとして指定することで行います。追加オプションを使って Anaconda をさらに設定することもできます。利用可能なオプションは、anaconda -h コマンドを実行すると確認できます。

警告

Anaconda を使ったイメージのインストールには、潜在的な危険が伴います。これは、既にインストール済みのシステム上でインストールプログラムを使用するためです。現時点では問題を引き起こす可能性のある既知のバグはありませんが、このプロセスによりシステム全体が使用できなくなる可能性があります。ディスクイメージへのインストールは、価値のあるデータを保持しているシステム上ではなく、この目的にのみ確保されたシステムもしくは仮想マシン上で常に行うべきです。
このセクションでは、空のディスクイメージ作成と、Anaconda インストールプログラムを使って Red Hat Enterprise Linux をこのイメージにインストールする方法について説明します。

27.1.1. ディスクイメージの準備

手動でのディスクイメージへのインストールの最初のステップは、1 つ以上のイメージファイルを作成することです。これは、物理ストレージデバイスのようなインストールターゲットとして使用されることになります。Red Hat Enterprise Linux では、ディスクイメージファイルは以下のコマンドを使って作成できます。
$ fallocate -l size name
size を(10G5000M などの) イメージサイズの値で置き換え、name を作成するイメージのファイル名で置き換えます。たとえば、サイズが 30GB でファイル名が myimage.raw のディスクイメージファイルを作成するには、以下のコマンドを使用します。
$ fallocate -l 30G myimage.raw

注記

fallocate コマンドを使うと、使用する接尾辞により異なる方法で作成するファイルのサイズを指定できます。サイズの指定方法に関する詳細については、fallocate(1) man ページを参照してください。
作成するディスクイメージファイルのサイズは、インストール中に作成されるファイルシステムの最大容量を制限することになります。イメージの最小サイズは常に 3GB 以上である必要がありますが、ほとんどの場合、領域の要件はこれよりも大きいものです。インストールに必要な正確なサイズはインストールするソフトウェアやスワップ領域、インストール後に必要とする領域の大きさによって異なります。パーティション設定についての詳細は、以下を参照してください。
1 つ以上の空のディスクイメージファイルを作成したら、「ディスクイメージへの Red Hat Enterprise Linux のインストール」 に進んでください。

27.1.2. ディスクイメージへの Red Hat Enterprise Linux のインストール

重要

Anaconda でカスタムイメージを作成する前に、Security Enhanced Linux (SELinux) を permissive (または disabled) モードに設定してください。SELinux のモード設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 SELinux User's and Administrator's Guide を参照してください。
ディスクイメージファイルへのインストールを開始するには、root で以下のコマンドを実行します。
# anaconda --image=/path/to/image/file
/path/to/image/file を先に作成したイメージファイルへの 完全 パスで置き換えます。
このコマンドを実行すると、Anaconda がシステム上でスタートします。インストールインターフェースは通常のインストール (Red Hat Enterprise Linux メディアからのシステムの起動) と同じですが、ブートメニューを省略してグラフィカルインストールが直接スタートします。つまり、起動オプションを anaconda コマンドへの追加引数として指定する必要があります。サポートされるコマンドの完全な一覧は、コマンドラインで anaconda -h を実行すると表示されます。
非常に重要なオプションの 1 つが --repo= です。これを使うと、インストールソースの指定ができます。このオプションは、inst.repo= 起動オプションと同じ構文を使用します。詳細は、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
--image= オプションを使うと、指定されたディスクイメージファイルのみ がインストールターゲットととして利用可能になります。インストール先 のダイアログでは、他のデバイスは表示されません。複数のディスクイメージの使用を希望する場合は、各イメージファイルごとに --image= オプションを別個に指定する必要があります。例を示します。
# anaconda --image=/home/testuser/diskinstall/image1.raw --image=/home/testuser/diskinstall/image2.raw
上記のコマンドで Anaconda がスタートし、インストール先 の画面では、指定された両方のイメージファイルがインストールターゲットとして利用可能となります。
オプションとして、インストールで使用されるディスクイメージファイルにカスタム名を割り当てることもできます。ディスクイメージファイルに名前を割り当てるには、:name をディスクイメージファイル名の最後に加えます。たとえば、/home/testuser/diskinstall/image1.raw にあるディスクイメージファイルを使用して、これに myimage をいう名前を付けるには、以下のコマンドを実行します。
# anaconda --image=/home/testuser/diskinstall/image1.raw:myimage

27.2. 自動でのディスクイメージへのインストール

livemedia-creator を使うと、ディスクイメージの作成とそこへのインストールが自動でできるようになります。自動インストールを実行するには、インストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムとキックスタートファイルが必要になります。ディスクイメージ自体は手動で作成する必要はありません。キックスタートファイルの作成および使用についての情報は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

27.2.1. livemedia-creator の概要

livemedia-creator を使ったカスタムイメージの作成は通常、2 段階のプロセスです。最初の段階では、一時ディスクイメージファイルが作成され、Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムである Anaconda がキックスタートファイルで提供されるパラメーターを基に、このイメージ上にシステムをインストールします。そして次の段階で、livemedia-creator がこの一時システムを使って最終的な起動可能イメージを作成します。
この動作は、追加オプションを指定することで変更可能です。たとえば、最初の段階のみを実行してディスクイメージファイルを作成したり、最初の段階を省略して既存のディスクやファイルシステムイメージを使用して最終的な起動可能な ISO イメージを作成するといったことができます。
livemedia-creator の使用例は 「カスタムイメージの作成」 で説明されています。lorax パッケージがインストールされているシステムでは、livemedia-creator --help コマンドを使うと使用可能なオプションがすべて一覧表示されます。また、以下の追加ドキュメンテーションが lorax パッケージとともにインストールされています。livemedia-creator(1) man ページおよび README.livemedia-creator ファイル (/usr/share/doc/lorax-version/ ディレクトリーにあります。 version はインストールされている lorax のバージョンになります)。

27.2.2. livemedia-creator のインストール

livemedia-creator ツールは、lorax パッケージの一部です。このパッケージをインストールするには、root で以下のコマンドを実行します。
# yum install lorax
また、lorax に加えてほかのパッケージをいくつかインストールする必要もあります。これらのパッケージは lorax の依存項目ではないので自動的にはインストールされませんが、livemedia-creator の使用目的によって必要となる可能性があります。以下のパッケージになります。
  • virt-install: 新規の仮想マシンを構築するツールを提供するパッケージです。--no-virt オプションが指定されていなければ、ライブメディア作成の第 1 段階で使用されます。
  • libvirtqemu-kvmlibvirt-client およびその他の仮想化ツール: virt-install を使用する際に、ご使用のマシンで仮想マシンの作成、稼働、管理ができる必要があります。Red Hat Enterprise Linux における仮想化についての情報および仮想化ツールのインストールと作業についての資料は、Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド を参照してください。
  • anaconda: Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムで、--no-virt オプションが使用される場合、virt-install ではなくこちらが第 1 段階で使用されます。
本章のスコープ外となりますが、他のアプリケーションが必要となる場合もあります。livemedia-creator を使用し、指定したオプションで必要となるパッケージがない場合は、このプログラムは停止して、先に進む前にインストールが必要となるパッケージを知らせるエラーメッセージが表示されます。

27.2.3. キックスタートファイルのサンプル

カスタムのライブイメージを正常に作成するには、有効なキックスタート設定ファイルが必要になります。lorax では、2 つのサンプルが自動的にインストールされます。カスタムイメージの作成時には、これらのサンプルを参照するか、これらをコピーしてから使用目的に合わせてサンプルを修正することができます。提供されるサンプルは両方とも /usr/share/doc/lorax-version/ ディレクトリーにあり、version はシステムにインストールされた lorax パッケージのバージョン番号になります。
利用可能なサンプルは、以下のものです。
  • rhel7-minimal.ks: 最小限のインストール (@core グループ) およびカーネルや GRUB2 ブートローダーなどの必須のもののみを提供する設定ファイルです。root 以外のユーザーは作成されず、グラフィカルインターフェースや追加パッケージはインストールされません。
  • rhel7-livemedia.ks: グラフィカルインターフェースでライブシステムを作成する、より高度な設定ファイルです。root に加えて、liveuser という名前のユーザーが作成されます。
これらのサンプルをインストールソースとして有効な場所で使用するには、両方とも修正する必要があります。これには、ファイルを修正し、url コマンドが有効なインストールソースを参照するように更新します。キックスタートについての詳細情報は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。これらのサンプルが機能するためには、これ以外の変更は必要ありません。

重要

サンプルは、元の場所で修正しないでください。別のディレクトリーにコピーしてから、そのコピーされたものを修正してください。

注記

Red Hat では、Red Hat がインストールソースとして提供しているリポジトリーのみをサポートしています。

27.2.4. カスタムイメージの作成

このセクションでは、lorax パッケージのツールの共通使用パターンについて説明します。これは、使用可能なオプションの完全なリストを意味するものではありません。livemedia-creator の使用可能なオプションすべてを表示するには、livemedia-creator --help を実行するか、livemedia-creator(1) man ページを参照してください。lorax についての詳細情報は、https://rhinstaller.github.io/lorax/lorax.html を参照してください。

27.2.4.1. lorax を使用した boot.iso ファイルの作成

Red Hat Enterprise Linux のインストールシステムは、lorax というツールで作成されます。この lorax を使用して、更新済みカーネルや追加パッケージなどを含む独自のインストールメディアを作成することもできます。

注記

lorax を使用するシステムは、作成する Red Hat Enterprise Linux のイメージと同じリリースであることが推奨されます。
以下の手順を root で実行すると、boot.iso という名前のインストールイメージが results/images ディレクトリーに作成されます。-s= または --source= オプションを複数回使用すると、独自のリポジトリーを追加することができます。異なるリポジトリーで同一パッケージの複数バージョンが利用可能になっている場合は、最新版のパッケージが使用されます。
yum install lorax
setenforce 0
lorax --noverifyssl -p RHEL -v 7 -r 3 \
-s https://cdn.redhat.com/content/dist/rhel/server/7/3/x86_64/os \
./results/
setenforce 1

注記

上記のコマンドを使用するシステムは、Red Hat Subscription Manager に登録済みで、サブスクライブしている必要があります。詳細情報は、Red Hat Subscription Management を参照してください。

27.2.4.2. virt-install を使用したライブイメージの作成

livemedia-creator の最も一般的な使用方法では、virt-install を使ってライブイメージ作成プロセス用に使用する一時的な仮想マシンが作成されます。virt-install を使用してライブ ISO を作成するには、有効なキックスタートファイルと、Anaconda インストールプログラムを含む起動可能な ISO イメージが必要になります。これらのイメージは、Red Hat が 「最小限の起動用メディア」として提供しています。詳細は、「インストール USB の作成」 を参照してください。
以下のコマンドは、virt-install を使用してライブイメージを作成する際に最小限必要となるものです。
# livemedia-creator --make-iso --iso=/path/to/boot.iso --ks=/path/to/valid/kickstart.ks
/path/to/boot.iso を最小限の起動用メディアへのパスに置き換え、/path/to/valid/kickstart.ks をイメージ作成プロセスで使用する有効なキックスタートファイルへのパスに置き換えます。
このケースでは、以下のオプションがよく使用されます。
  • --vnc vnc: このオプションを使うと、TigerVNC などの VNC クライアントを使ってインストールプロセスを見ることができます。このオプションは、virt-install の --graphics オプションに引き継がれます。詳細情報は、24章VNC を使用したインストール を参照してください。
  • --ram x: 一時的な仮想マシン用の RAM の大きさを MiB 単位で指定できます。
  • --vcpus x: 仮想マシンのプロセッサーの数です。

27.2.4.3. Anaconda のイメージインストールを使用したライブイメージの作成

livemedia-creator アプリケーションでは、virt-install が使用できない場合でも、Anaconda パッケージを使用してライブイメージを作成できます。この場合、インストールプログラムを含むイメージは必要ありませんが、Anaconda パッケージがシステムにインストールされている必要があります。プロセスはこの場合も 2 段階です。まず、一時ディスクイメージを作成し、システムをそのイメージにインストールします。次に、このイメージを使って最終的な起動用の ISO を作成します。

警告

Anaconda を使ったライブイメージの作成には、潜在的な危険が伴います。これは、仮想マシンの内部ではなく、システム自体の上でインストールプログラムを使用するためです。現時点では問題を引き起こす可能性のある既知のバグはありませんが、このプロセスによりシステム全体が使用できなくなる可能性があります。このため、--no-virt オプションを使った livemedia-creator の実行が推奨されるのは、この目的にのみ特別に確保された仮想マシン (ゲスト) 上のみとなります。

重要

Anaconda でカスタムイメージを作成する前に、Security Enhanced Linux (SELinux) を permissive (または disabled) モードに設定してください。SELinux のモード設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 SELinux User's and Administrator's Guide を参照してください。
Anaconda を使ってライブイメージを作成するには、--no-virt オプションを使用します。例を示します。
# livemedia-creator --make-iso --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --no-virt

27.2.4.4. ディスクまたはファイルシステムのイメージ作成

livemedia-creator を使って、ディスクまたはファイルシステムのイメージを作成することもできます。この場合、イメージ作成プロセスの第 1 段階のみを実行することになります。最終的な ISO は作成されず、一時的なディスクもしくはファイルシステムのイメージファイルへのインストールプロセスが終了した時点で、プログラムは停止します。その後に、このイメージをマウントしてエラーがないか検査します。これは、修正されたキックスタートファイルのトラブルシューティングの際に役立ちます。また、今後のイメージ作成時のために保存しておくと時間の節約にもなります。

注記

このセクションにある例ではすべて、--no-virt オプションを使うこともできます。
第 1 段階後に作成プロセスを停止するには、いくつか方法があります。以下の例に示すように --image-only オプションを使うことができます。
	# livemedia-creator --make-iso --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --iso=/path/to/boot.iso --image-only
また、--make-iso の代わりに --make-disk オプションを使うこともできます。
	# livemedia-creator --make-disk --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --iso=/path/to/boot.iso
--make-fsimage オプションを使用して、パーティション設定されたディスクイメージの代わりにファイルシステムイメージを作成することもできます。
	# livemedia-creator --make-fsimage --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --iso=/path/to/boot.iso
これらのケースではすべて、パーティション設定されたディスクイメージかファイルシステムイメージがデフォルトで /var/tmp/ ディレクトリーに作成されます。この場所を変更するには、--tmp /path/to/temporary/directory/ オプションを使用します。/path/to/temporary/directory/ は、ターゲットディレクトリーへのパスになります。

27.2.4.5. 以前に作成されたディスクもしくはファイルシステムのイメージの使用

すでにディスクもしくはファイルシステムのイメージがある場合 (「ディスクまたはファイルシステムのイメージ作成」 を参照)、これを livemedia-creator に提供して、最終的な起動用 ISO イメージを作成することができます。その場合、キックスタートファイルや Anaconda インストールイメージは必要ありません。これらが必要となるのは、イメージ作成プロセスの第 1 段階のみで、これはこのケースでは省略されています。
既存のパーティション設定されたディスクイメージファイルから最終的なイメージを作成するには、--disk-image オプションを使用します。例を示します。
# livemedia-creator --make-iso --disk-image=/path/to/disk/image.img
ディスクイメージではなくファイルシステムのイメージを使用する場合は、代わりに --fs-image オプションを使用します。
# livemedia-creator --make-iso --fs-image=/path/to/filesystem/image.img

27.2.4.6. アプライアンスの作成

livemedia-creator ユーティリティーを使用すると、アプライアンスイメージ (パーティション設定されたディスクイメージ) を作成することができます。これには、テンプレート使用で生成された記述を含む XML ファイルが含まれます。このケースでは、イメージインストールに加えて、仮想マシンのインストールがサポートされます。アプライアンスイメージと記述を作成するには、--make-iso の代わりに --make-appliance オプションを使用します。例を示します。
# livemedia-creator --make-appliance --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --iso=/path/to/boot.iso
イメージと記述の XML ファイルは、--resultdir オプションを使って別の保存場所を指定しなければ、両方とも /var/tmp/ ディレクトリーに保存されます。
アプライアンス作成に固有の追加オプションには、以下のものがあります。
  • --app-name name: アプライアンス名を指定し、これが <name> タグでマークされて XML 記述ファイルに現れます。デフォルト値は None です。
  • --app-template /path/to/template.tmpl: 使用するテンプレートを指定します。デフォルトは、/usr/share/lorax/appliance/libvirt.tmpl です。
  • --app-file /path/to/app/file.xml: 生成される記述 XML ファイル名を指定します。デフォルト値は、appliance.xml です。

27.2.4.7. Amazon Machine Image (AMI) の作成

Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) 内で使用する Amazon Machine Image (AMI) を作成するには、--make-ami オプションを使います。仮想およびイメージインストールの両方がサポートされています。
# livemedia-creator --make-ami --ks=/path/to/valid/kickstart.ks --iso=/path/to/boot.iso
--resultdir オプションで別の場所を指定しなければ、ami-root.img という名前のイメージファイルが /var/tmp/ ディレクトリーに格納されます。

27.2.4.8. 追加の引数

以下のオプションは、上記のユースケースすべてで使用可能です (仮想インストール、Anaconda イメージインストール、およびその他)。
  • --keep-image: このオプションを指定すると、インストールの第 1 段階で使用される一時ディスクイメージファイルは削除されません。/var/tmp/ ディレクトリーに格納され、diskgU42Cq.img のようなランダム生成された名前が付けられます。
  • --image-only: このオプションを使用すると、イメージ作成プロセスの第 1 段階のみが実行されます。最終的な起動用 ISO イメージを作成する代わりに、livemedia-creator は一時的なディスクイメージファイルのみを作成し、そのファイルへのインストールを実行します。このオプションを使用すると時間のかかる第 2 段階を省略し、一時的なディスクイメージファイルを検査するので、キックスタートファイルに加えた修正をテストする際に時間を節約できます。
  • --image-name name: 一時的なディスクイメージファイルのカスタム名を指定できます。デフォルト名は、ランダム生成されたものになります (たとえば、disk1Fac8G.img)。
  • --tmp /path/to/temporary/directory/: トップレベルの一時ディレクトリーを指定します。デフォルト値は、/var/tmp/ です。このオプションを使う場合は、既存のディレクトリーを指定する必要があります。
  • --resultdir /path/to/results/directory/: livemedia-creator の完了後に生成される起動用 ISO イメージが表示されるディレクトリーを指定します。既存のディレクトリーは指定できません。デフォルトは、/var/tmp/ です。このオプションは、最終的な ISO イメージにのみ適用されます。ディスクもしくはファイルシステムのイメージを作成していて、特定の場所に保存したい場合は、--tmp オプションを使用します。
  • --logfile /path/to/log/file/: プログラムのログファイルの場所を指定します。

27.2.5. livemedia-creator のトラブルシューティング

このセクションでは、livemedia-creator 使用時によく発生する様々な問題の解決方法を提案しています。ここで触れられていない問題が発生した場合は、問題のログファイルを見てください。これは、実行時に毎回自動的に生成され、--logfile オプションを使って別のディレクトリーを指定しなければ、ツールを実行したディレクトリーに保存されます。ログファイルは、使用するオプションによって異なります。たとえば、--no-virt オプションを使用すると、virt-install.log は生成されません (代わりに、Anaconda からのログファイルが anaconda/ ディレクトリーに生成されます)。livemedia.log および program.log という他のファイルが毎回生成されます。
問題を発見して解決策を探るもうひとつの方法は、このユーティリティー実行時に --image-only オプションを使用することです。このオプションは第 1 段階後にプログラムを停止するので、最終的な起動用 ISO ではなく、ディスクイメージファイルのみが生成されます。すると、第 2 段階の終了を待たずにディスクイメージファイルをマウントし、コンテンツを調べることができます。また、--keep-image オプションを使うと両方の段階を実行しますが、その後の分析用に一時ディスクイメージが保存されます。
キックスタートファイルへの変更をテストする際は、--vnc オプションの使用が推奨されます。このオプションを使うと、VNC クライアントを使って仮想マシンに接続し、インストールプロセスを見ることができます。詳細は、24章VNC を使用したインストール を参照してください。

27.2.5.1. 仮想マシンのインストールが停止する場合

仮想インストールの第 1 段階中に何らかの理由でインストールプログラムが停止する場合、 livemedia-creator もインストールの完了を待機して停止することになります。プログラムに直接割り込むか、一時仮想マシンを停止することでこの問題を解決することができます。Livemedia-creator は、ゲストのオペレーティングシステムが停止したことを検出し、存在するすべての一時ファイルを削除します。
一時仮想マシンを停止するには、以下の手順にしたがいます。

手順27.1 一時仮想マシンを停止する

  1. virsh を使って、システム上で現在使用可能な仮想マシン (ゲスト) をすべて一覧表示します。出力は次のようになります。
    # virsh list --all
    	Id    Name                           State
    	----------------------------------------------------
    	93    LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7 running
    	-     RHEL7                      shut off
    一時仮想マシンを特定します。名前が常に LiveOS で始まり、ランダムの数字および文字の文字列が続きます。
  2. 一時仮想マシンを特定したら、virsh destroy name コマンドを使ってこれを停止します。name は仮想マシンの名前になります。
    # virsh destroy LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7
    Domain LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7 destroyed

27.2.5.2. 仮想マシンを使用したインストールの失敗

仮想インストールを実行中、初期段階に何らかの理由でプロセスが中断されてしまうと (ハードウェア障害や停電、キーボードによる中断など)、以前に作成した一時ディスクイメージおよび仮想マシンを削除するまで virt-install によるインストールを再開することができなくなります。一時ディスクイメージおよび仮想マシンの削除方法を以下で説明します。
すべてのステップが毎回必要とは限りません。たとえば、システム障害後の復元を実行している場合は、一時仮想マシンを停止する必要はなく、代わりに virsh undefine name コマンドを使用するだけで済みます。また、livemedia-creator で作成した一時ファイルの消去だけが目的であれば、ステップ 4 と 5 を使用することもできます。

手順27.2 一時ゲストおよびディスクイメージファイルの削除

  1. virsh を使って、システム上で現在使用可能な仮想マシン (ゲスト) をすべて一覧表示します。出力は次のようになります。
    # virsh list --all
    Id    Name                           State
    ----------------------------------------------------
    93    LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7 running
    -     RHEL7                      shut off
    一時仮想マシンを特定します。名前が常に LiveOS で始まり、ランダムの数字および文字の文字列が続きます。
  2. 一時仮想マシンを特定したら、virsh destroy name コマンドを使ってこれを停止します。name は仮想マシンの名前になります。
    # virsh destroy LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7
    Domain LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7 destroyed
  3. virsh undefine name を使って一時仮想マシンを削除します。name には上記のステップと同じものを使います。
    # virsh undefine LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7
    Domain LiveOS-2a198971-ba97-454e-a056-799f453e1bd7 has been undefined
  4. 一時ファイルシステムのマウント先を見つけます。/var/tmp/ ディレクトリー配下にあり、ファイル名は lorax.imgutils の後ろに 6 桁のランダムな数字または文字が続いています。
    # findmnt -T /var/tmp/lorax.imgutils*
    TARGET                         SOURCE     FSTYPE  OPTIONS
    /var/tmp/lorax.imgutils.bg6iPJ /dev/loop1 iso9660 ro,relatime
    umount コマンドを使ってアンマウントします。
    # umount /var/tmp/lorax.imgutils.bg6iPJ
  5. virt-install によって /var/tmp/ ディレクトリー内に作成された一時ディスクイメージを見つけます。イメージファイルの名前は、--image-name オプションを使って指定していなければ、インストールプロセスの開始時にランダムに生成され、コマンドラインに表示されます。例を示します。
    2013-10-30 09:53:03,161: disk_size = 5GB
    2013-10-30 09:53:03,161: disk_img = /var/tmp/diskQBkzRz.img
    2013-10-30 09:53:03,161: install_log = /home/pbokoc/lorax/virt-install.log
    mount: /dev/loop1 is write-protected, mounting read-only
    上記の例では、/var/tmp/diskQBkzRz.img が一時ディスクイメージになります。
    最初のメッセージを見つけられない場合は、手動で一時ファイルを特定することができます。ls コマンドを使って /var/tmp/ ディレクトリーのコンテンツを一覧表示し、名前に disk を含むファイルを出力からフィルターします。
    # ls /var/tmp/ | grep disk
    diskQBkzRz.img
    その後に一時ディスクイメージを削除します。
    # rm -f /var/tmp/diskQBkzRz.img
この手順のステップをすべて実行すると、virt-install を使って新たなインストールを開始することができます。

27.2.5.3. Anaconda を使用したインストールの失敗

Anaconda イメージインストール機能 (--no-virt オプション) を使って実行していたインストールが中断されてしまった場合、anaconda-cleanup スクリプトを使用して回復させることができます。このスクリプトは anaconda パッケージと一緒にインストールされ、/usr/bin/ ディレクトリーに格納されます。
以下のコマンドを使用して、クリーンアップスクリプトを実行します。これには、root 権限が必要になります。
# anaconda-cleanup

第28章 現在のシステムのアップグレード

現在のシステムにインプレースアップグレードを実施する場合は、次のユーティリティーを使います。
  • Preupgrade Assistant、現在のシステムを評価して、アップグレード中またはアップグレード後に遭遇する可能性のある問題点を特定する診断ユーティリティーです。
  • Red Hat Upgrade Tool ユーティリティー、Red Hat Enterprise Linux バージョン 6 からバージョン 7 へのアップグレードに使用します。

注記

インプレースアップグレードは現在、AMD64 および Intel 64 (x86_64) システムと IBM System z (s390x) システムでのみサポートされています。また、Red Hat Upgrade Tool でアップグレードできるのは Server のバリアントのみとなります。
Red Hat Enterprise Linux の以前のリリースから Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレードプロセスに関するドキュメントは、Red Hat Enterprise Linux  7 移行計画ガイド を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 6 から 7 への移行には、Red Hat Enterprise Linux Upgrade Helper も使用できます。

パート V. インストール後

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本パートでは、以下のようなインストールの最終段階、今後に行う可能性のあるインストール関連の作業などについて説明しています。
  • Red Hat Subscription Management サービスへのシステムの登録などインストール後の一般的な作業
  • Red Hat Enterprise Linux インストールディスクを使った、破損したシステムの復元
  • コンピューターからの Red Hat Enterprise Linux の削除

第29章 初期設定 (Initial Setup)

サーバーを以下の方法でインストールしている場合、新規の Red Hat Enterprise Linux システムの初回起動後に、初期設定 アプリケーションが立ち上がります。
  • Red Hat Enterprise Linux設定で Server with GUI のベース環境を使用している場合。
  • Kickstart ファイルの %packages セクションに以下のいずれかのエントリーがある場合。
    • グラフィカルモード用の initial-setup-gui パッケージ
    • テキストモード用の initial-setup パッケージ
    • x11 グループ
    • gnome-desktop グループ
    • kde-desktop グループ

初期設定でのオプション

初期設定 アプリケーションでは、以下のオプションを表示できます。
オプショングラフィカルユーザーインターフェーステキスト形式のユーザーインターフェース
ライセンス同意 [a]はいはい
言語設定 [b]いいえはい
日付と時刻[b]はいはい [c]
サブスクリプションマネージャーはいいいえ
ネットワークおよびホスト名 [b]はいいいえ
Root パスワード [b]はいはい [c]
ユーザーの作成 [b]はいはい
[a] このオプは、以前にライセンスに同意していない場合にのみ、表示されます。
[b] 言語が設定されていない場合にのみ、表示されます。
[c] 初期設定 を再設定モードで実行している場合にのみ、このオプションは利用可能になります。

重要

セットアップ時に設定されたオプションは、初期設定 では表示されません。初期設定 ですべてのオプションを表示するには、以下のコマンドを含んでいるキックスタートファイルを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする必要があります。
firstboot --enable --reconfig
--reconfig オプションは、全オプションの表示を指定します。キックスタートインストールについての情報は、26章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

29.1. グラフィカルモード

グラフィカルモードの 初期設定 画面は以下のようになります。
初期設定のメイン画面

図29.1 初期設定のメイン画面

ライセンス契約 の画面では Red Hat Enterprise Linux の全契約条件が表示されます。
ライセンス契約条件の画面

図29.2 ライセンス契約条件の画面

設定のプロセスを続行するには、ライセンス契約に同意する必要があります。この手順を完了せずに 初期設定 を終了するとシステムが再起動されます。再起動後、再びライセンス契約の同意が求められます。
ライセンス契約をよくお読みいただいてから、ライセンス契約に同意します を選択し 完了 をクリックして続行します。
ユーザー作成 画面はインストール中のアカウント作成と同じものになります。詳細は、「ユーザーアカウントの作成」 を参照してください。
同様に、ネットワークとホスト名 の画面もネットワーク設定時に使用したものと同じものになります。詳細は、「ネットワークとホスト名」 を参照してください。
サブスクリプションマネージャー 画面では、ご使用のシステムを Red Hat に登録して、更新の受信と Red Hat が提供するリポジトリーから追加パッケージをインストールできるようになります。システムの登録方法については、「サブスクリプションマネージャー」 を参照してください。
準備が整ったら 設定の完了 をクリックしてシステムを登録し、初期設定 のプロセスを完了します。
初期設定 を再度開始する方法については、「初期設定を手動で開始する」 を参照してください。

29.1.1. サブスクリプションマネージャー

サブスクリプションマネージャー 画面では、ご使用のシステムを Red Hat に登録して、更新の受信とパッケージリポジトリーへのアクセスができるようになります。

注記

初期設定サブスクリプションマネージャー 画面は、Red Hat Enterprise Linux 7.1 以前のシステム登録に使用されていた Firstboot ツールに代わるものです。
サブスクリプションマネージャーの画面

図29.3 サブスクリプションマネージャーの画面

システムにインストールした製品 (オペレーティングシステム自体を含む) は サブスクリプション の対象になります。サブスクリプションサービスを使用して、登録したシステム、システムにインストールした製品、その製品に適用するためシステムに割り当てられているサブスクリプション、などを追跡します。Red Hat では、システムが登録可能な複数のサブスクリプションサービスを提供しています。
  • カスタマーポータルサブスクリプション管理。Red Hat がホストしているサービスです (デフォルト)。
  • Subscription Asset Manager。オンプレミスのサブスクリプションサーバーです。プロキシとして動作し、コンテンツ配信をカスタマーポータルのサービスに送信します。
  • CloudForms System Engine。オンプレミスのサービスです。サブスクリプションサービスとコンテンツ配信の両方を処理します。
サブスクリプションマネージャー 画面では、ほとんどのユースケースに適した基本的なインターフェースが提供されます。場合によっては、初期設定 にはないオプションが必要となる場合もあります。その場合は、インストール後の登録プロセスを省略し、コマンドラインから サブスクリプションマネージャー を使用するか、グラフィカルインターフェースを提供する subscription-manager-gui パッケージを使用してください。
また、CloudForms System Engine を使用した登録などの登録シナリオでは、システムを登録する前に登録サーバーを準備する必要があることに注意してください。
システムを登録するには、画面の指示に従い、要求される認証情報を提供します。サブスクリプションマネージャー 画面を離れてメインの 初期設定 画面に戻るには、メインウィンドウの 戻る のボタンでなはく、画面左上にある 完了 ボタンを使用する必要があることに注意してください。
システム登録および管理用の各種ツールについてのドキュメンテーションは、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Subscription Management セクションを参照してください。また、Registration Assistant を使用して対話式で登録プロセスを進めることもできます。

29.2. テキストモード

X Window System なしで Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、初期設定 はテキストモードで開始されます。
テキストモードの 初期設定

図29.4 テキストモードの 初期設定

エントリーを設定するには、メニュー番号を入力して、Enter を押します。または、以下のキーを押すこともできます。
  • q を押すと、このアプリケーションが閉じられます。ライセンス契約に同意するまで、アプリケーションを閉じるとシステムが再起動します。
  • c を押すと、次に進みます。サブメニューでこのキーを押すと、メインメニューに戻ります。メインメニューで c を押すと、設定が保存され、アプリケーションが閉じます。ライセンス契約に同意しないと次に進むことができないことに注意してください。
  • r を押すと、メニューがリフレッシュされます。
メニューエントリーには以下のステータスがあります。
  • [x]: 設定済みであることを示します。ただし、これは変更可能です。
  • [!]: 必須ですが、まだ設定済みでないことを示します。
  • [ ]: これはオプションで、設定済みでないことを示します。
初期設定 を再度開始する方法については、「初期設定を手動で開始する」 を参照してください。

29.3. 初期設定を手動で開始する

初期設定 が完了したら、このアプリケーションはシステム起動時には再度開始することはありません。システム起動時に 初期設定 を手動で起動するには、以下の手順を実行します。
  1. サービスを有効化します。
    # systemctl enable initial-setup.service
  2. 既に設定したものを含め、すべてのメニューオプションを表示したい場合は、空の /.unconfigured ファイルを作成して 初期設定 を再構築モードで起動します。
    # touch /.unconfigured
    この設定に関係に関係なく、ライセンス契約のエントリーは、すでに同意してる場合は、再度表示されることはありません。
  3. システムを再起動します。

注記

初期設定 の実行には、initial-setup-gui (グラフィカルモード) または initial-setup (テキストモード) パッケージがインストールされている必要があります。

第30章 次のステップ

本章では、インストール後に必要となる一般的なステップを列記しています。ここに記載されている作業がすべて常に必要になるわけではありません。必要な作業について詳しく記載されている別のマニュアルを検索する場合に、このステップ一覧をお役立てください。
ヘルプや答えを見つけ、診断サービスを活用する
Red Hat Access は GUI アプリケーションで、Red Hat のナレッジやソリューションに簡単にアクセスできるようにします。エラーコードやメッセージ、興味のあるトピックの検索ができるほか、Red Hat カスタマーポータルから関連するナレッジを表示できます。Red Hat Access についての詳細は、Red Hat Access GUI のアーティクルを参照してください。
紛失した root パスワードのリカバリー
インストール中に設定する root パスワードは、root ユーザーとしてシステムにアクセスする際に必要になります。root パスワードがないと、システムを設定したり、追加のソフトウェアをインストールすることができません。root パスワードを紛失したり忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 で説明されている手順にしたがってリセットすることができます。
ドライバー更新のインストール
通常、システムのデバイス用ドライバーは、Red Hat Enterprise Linux で提供されるカーネル内ですでにサポートされています。しかし、最近リリースされたデバイスのサポートの場合は含まれていないことがあります。このようなケースでは、該当のデバイスを有効にするドライバー更新が利用できるようになっている可能性があります。
インストール開始前に、インストールの完了に必要となるデバイスにドライバー更新が提供されている場合があります。デバイスにドライバーがなくとも、インストール中に不可欠なドライバーでなければ、インストールの完了を待ってから後で追加のドライバーをインストールすることをお勧めします。インストールが完了したシステムに RPMYum を使って追加のドライバーをインストールし有効化する方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
ネットワークの設定
ほとんどの場合、ネットワークアクセスは、インストールプロセス中にインストールプログラムやキックスタートファイルで設定されます。インストール後に設定する場合は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
Kdump の設定
Kdump とは、カーネルのクラッシュをダンプするメカニズムを指します。システムで重大なエラーが発生した場合、Kdump がシステムのメモリー内容を カーネルクラッシュダンプ に保存し、このダンプを分析してエラーの原因を見つけることができます。
Kdump は、インストールプロセス中に有効にすることができます (「Kdump」 を参照)。また、インストール後、必要に応じて設定することも可能です。Kdump の機能および設定方法の理解に必要な詳細については、 Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド を参照してください。
システムの登録
システムにインストールする製品 (オペレーティングシステム自体も含む) はサブスクリプションの対象となります。サブスクリプションサービスは、登録したシステム、インストールした製品、製品に付属のサブスクリプションなどの追跡に使用します。登録は Initial Setup 設定プロセスの一部になります (「サブスクリプションマネージャー」 を参照)。
ただし、Initial Setup プロセス中にシステムの登録を行わなかった場合でも、後日、登録を行うことができます。詳細は Using and Configuring Red Hat Subscription Manager および Red Hat Satellite User Guide を参照してください。

注記

また、Registration Assistant アプリケーションを使用して登録プロセスを進めることもできます。
cloud-init を使用してクラウドインスタンスの初期設定を自動化する
クラウドインスタンスの初期設定には、cloud-init パッケージを使用することができます。新規クラウドインスタンスでは、cloud-init は以下を自動化できます。
  • デフォルトロケールの設定
  • ホスト名の設定
  • ネットワークインターフェースの設定
  • プライベート SSH キーの生成
  • SSH キーのユーザーの .ssh/authorized_keys ファイルへの追加
  • 一時的なマウントポイントの設定
Cloud-init は Red Hat のクラウド製品と使用します。これらの製品における cloud-init の使用については、以下のドキュメントを参照してください。
また、upstream cloud-init documentation も参照してください。
初期システム更新の実行
Red Hat では、インストール完了後に初期システムの更新を実行することを推奨しています。このプロセスでは、インストールしたパッケージがすべて利用可能な最新バージョンに更新されます。パッケージを更新することでセキュリティ修正、バグ修正、機能強化などを受けることができます。
Red Hat Enterprise Linux では、インストールしたパッケージの更新には Yum パッケージマネージャーが使用されます。Yum を使ってシステム更新を行う方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
リポジトリーの設定
新しいソフトウェアは パッケージリポジトリー からインストールされます。パッケージリポジトリーはソフトウェアとメタデータのセットで構成され、Yum パッケージマネージャーでアクセスできるようになっています。システムを Red Hat に登録すると、更新用リポジトリーが自動的に構成され、このリポジトリーから追加ソフトウェアや更新をインストールすることができます。しかし、独自ソフトウェアを収納するリポジトリーなど、リポジトリーを追加で設定する場合には、手順に従ってリポジトリーを設定する必要があります。
追加のソフトウェアリポジトリー設定についての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
追加パッケージのインストール
グラフィカルインストールの場合、ソフトウェア選択 のダイアログで環境を選択するとインストールするパッケージを管理することができます。このダイアログでは事前に定義されたパッケージセットを選択します。パッケージごとの選択はできません。ただし、インストール後に Yum パッケージマネージャーを使用すれば、追加でパッケージをインストールすることができます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
グラフィカルログインへの切り替え
インストールプロセスで選択するオプションにより、システムにグラフィカルインターフェースを持たせず、テキストベースのプロンプトのみを表示することが可能です。このような場合、インストール後にグラフィカルなデスクトップを有効にするには、X Window System と好みのデスクトップ環境 (GNOME または KDE) をインストールする必要があります。
これらのパッケージも他のソフトウェアと同様、Yum パッケージマネージャーでインストールすることができます。Yum を使って新たなパッケージをインストールする方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。デフォルトでグラフィカルログインを有効にする方法については、「グラフィカル環境で起動する」 をご覧ください。
GNOME 3 拡張の有効化と無効化
Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのデスクトップ環境は、GNOME Shell および GNOME Classic ユーザーインターフェースを提供する GNOME 3 になります。GNOME 3 拡張を有効または無効にすることで、これらのインターフェースをカスタマイズすることが可能です。詳細は、 Red Hat Enterprise Linux 7 Desktop Migration and Administration Guide を参照してください。

第31章 基本的なシステムの復元

問題が発生しても、それを解決する方法はあります。しかし、それらの方法を実行するには、システムを十分に理解している必要があります。本章では、発生する可能性のある一般的な問題についての情報を扱い、さらにそれらの問題を修復するために使用できる インストールプログラムレスキューモード について説明します。

31.1. 一般的な問題

以下のような場合は、インストールプログラムレスキューモードで起動する必要があります。
  • 正常に Red Hat Enterprise Linux を起動できない。
  • ハードウェアまたはソフトウェアの問題があり、システムのハードディスクドライブからデータを回収したい。
  • root パスワードを忘れてしまった。

31.1.1. Red Hat Enterprise Linux を起動できない。

Red Hat Enterprise Linux をインストールした後に別のオペレーティングシステムをインストールすることで、この問題はよく発生します。他のオペレーティングシステムの中には、コンピューターに他のオペレーティングシステムがないものととみなし、元々 GRUB ブートローダーを収納しているマスターブートレコード (MBR) を上書きしてしまうものがあります。このようにブートローダーが上書きされてしまうと、インストールプログラムレスキューモードで起動し、ブートローダーを再設定しない限り、Red Hat Enterprise Linux を起動できなくなります。
もう 1 つの一般的な問題は、インストール後にパーティション設定ツールを使用してパーティションのサイズ変更や空き領域を使って新規パーティションを作成する際に発生します。これにより、パーティションの順番が変更されてしまいます。「/」 パーティションのパーティション番号が変更された場合、ブートローダーはパーティションを見つけることができず、マウントできなくなることがあります。この問題を修復するには、ブートローダーを再インストールする必要があります。これを実行する方法については、「ブートローダーの再インストール」を参照してください。

31.1.2. ハードウェアおよびソフトウェアの問題

このカテゴリーにはさまざまな状況が含まれます。例として、ハードドライブが機能しない場合と、ブートローダーの設定ファイル内に無効なルートデバイスまたはカーネルを指定する場合を挙げることができます。これらのどちらかが発生すると、Red Hat Enterprise Linux を再起動することができなくなる可能性があります。しかし、インストールプログラムレスキューモードシステムで起動すると、問題を解決するか、あるいは少なくとも重要なファイルのコピーを取得できる可能性があります。

31.1.3. root パスワードのリセット

Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の該当セクションを参照してください。

31.2. Anaconda のレスキューモード

Anaconda インストールプログラムのレスキューモードは、Red Hat Enterprise Linux 7 の DVD や他の起動用メディアを使って起動できる最小限の Linux 環境です。これには、多岐にわたる問題を修復するためのコマンドラインユーティリティーが含まれています。このレスキューモードは、ブートメニューの Troubleshooting サブメニューからアクセスできます。このモードでは、ファイルシステムを読み取り専用としてマウントしたりマウント自体をしない選択や、ドライバーディスクで提供されるドライバーのブラックリスト登録または追加、さらにはシステムパッケージのインストールやアップグレード、またはパーティションの管理を実行することができます。

注記

Anaconda のレスキューモードは、systemd システムやサービスマネージャーの一部として提供される レスキューモード (シングルユーザーモード と同等) や 緊急モードとは異なるものです。これらのモードについて詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
Anaconda のレスキューモードで起動するには、最小限の起動ディスクや USB ドライブ、完全インストール DVD といった Red Hat Enterprise Linux の起動メディアのいずれかを使用してシステムを起動できる必要があります。
Red Hatが提供するメディアを使用してシステムを起動する詳細な情報については、該当する章を参照してください。

重要

iSCSI や zFCP デバイスといった高度なストレージは、dracut 起動オプション (rd.zfcp=root=iscsi:options など)、または IBM System z 上の CMS 設定ファイルを使って設定する必要があります。レスキューモードで起動した後は、これらのストレージデバイスを対話形式で設定することはできなくなります。
dracut 起動オプションについての詳細情報は、dracut.cmdline(7) man ページを参照してください。CMS 設定ファイルについては、20章 IBM System z でのパラメーターと設定ファイル を参照してください。

手順31.1 Anaconda レスキューモードでの起動

  1. 最小限の起動メディアまたは完全インストール DVD もしくは USB ドライブからシステムを起動し、ブートメニューが表示されるまで待ちます。
  2. ブートメニューから、Troubleshooting サブメニューの Red Hat Enterprise Linux system オプションを選択するか、inst.rescue オプションをブートコマンドラインに追加します。ブートコマンドラインを入力するには、BIOS ベースのシステム上で TAB キーを押すか、UEFI ベースのシステム上で e キーを押します。
  3. システムの起動に ドライバーディスク で提供されるサードパーティーのドライバーが必要な場合は、inst.dd=driver_name をブートコマンドラインに追加します。
    inst.rescue inst.dd=driver_name
    起動時にドライバーディスクを使用する方法の詳細については、「手動によるドライバー更新」 (AMD64 および Intel 64 システム用) または 「手動によるドライバー更新」 (IBM Power Systems サーバー用) を参照してください。
  4. Red Hat Enterprise Linux 7 ディストリビューションの一部として組み込まれているドライバーが原因でシステムが起動しない場合は、modprobe.blacklist= オプションをブートコマンドラインに追加します。
    inst.rescue modprobe.blacklist=driver_name
    ドライバーのブラックリスト登録についての詳細は、「ブラックリストへのドライバーの登録」を参照してください。
  5. 準備ができたら、Enter (BIOS ベースのシステム) または Ctrl+X (UEFI ベースのシステム) を押して、変更したオプションを起動します。以下のメッセージが表示されるまで待機します。
    The rescue environment will now attempt to find your Linux installation and mount it under the /mnt/sysimage/ directory. You can then make any changes required to your system. If you want to proceed with this step choose 'Continue'. You can also choose to mount your file systems read-only instead of read-write by choosing 'Read-only'. If for some reason this process fails you can choose 'Skip' and this step will be skipped and you will go directly to a command line.
    続行 を選択すると、ファイルシステムを /mnt/sysimage/ ディレクトリーにマウントしようとします。パーティションのマウントが失敗した場合、その旨が通知されます。読み取り専用 を選択すると、ファイルシステムを /mnt/sysimage/ ディレクトリーにマウントしようとしますが、読み取り専用モードで試行されます。スキップ を選択すると、ファイルシステムはマウントされません。ファイルシステムが破損していると思われる場合は、スキップ を選択します。
  6. システムをレスキューモードに切り替えた後に、VC (仮想コンソール) 1 と VC 2 にプロンプトが表示されます (VC 1 にアクセスするには、Ctrl+Alt+F1 キーの組み合わせを使用し、VC 2 にアクセスするには、Ctrl+Alt+F2 を使用します)。
    sh-4.2#
ファイルシステムがマウントされていても、Anaconda のレスキューモードにしている間のデフォルトの root パーティションは一時的な root パーティションであり、通常のユーザーモード (multi-user.target または graphical.target) で使用するファイルシステムの root パーティションではありません。ファイルシステムをマウントする選択をして正常にマウントした後には、以下のコマンドを実行して、Anaconda のレスキューモード環境の root パーティションをファイルシステムの root パーティションに変更することができます。
sh-4.2# chroot /mnt/sysimage
これは、root パーティションが 「/」 としてマウントされることが要求される rpm などのコマンドを実行する必要がある場合に役に立ちます。chroot 環境を終了するには、exit と入力してプロンプトに戻ります。
スキップ を選択した場合でも、Anaconda のレスキューモード内でパーティションや LVM2 論理ボリュームの手動によるマウントを試行できます。これは /directory/ のようなディレクトリーを作成し、次のコマンドを入力して実行します。
sh-4.2# mount -t xfs /dev/mapper/VolGroup00-LogVol02 /directory
上記のコマンドで、/directory/ はユーザーが作成したディレクトリーであり、/dev/mapper/VolGroup00-LogVol02 はマウントする LVM2 論理ボリュームです。パーティションが XFS とは異なるタイプの場合、xfs の文字列を適切なタイプ (ext4 など) に置き換えます。
すべての物理パーティションの名前が不明な場合は、次のコマンドを実行すると一覧が表示されます。
sh-4.2# fdisk -l
LVM2 物理ボリュームやボリュームグループ、論理ボリュームの名前がすべて不明な場合はそれぞれ、pvdisplayvgdisplaylvdisplay のコマンドを使用します。
プロンプトから、以下のような多くの便利なコマンドが実行できます。

31.2.1. sosreport のキャプチャー

sosreport コマンドラインユーティリティーは、実行中のカーネルのバージョン、ロードされているモジュール、システムおよびサービスの設定ファイルなどの設定や診断に関する情報をシステムから収集します。このユーティリティーの出力は、/var/tmp/ ディレクトリーの tar アーカイブに保存されます。
sosreport ユーティリティーは、システムエラーの分析に役立ち、トラブルシューティングを容易にする場合があります。以下の手順は、Anaconda のレスキューモードで sosreport 出力をキャプチャーする方法について説明します。

手順31.2 Anaconda のレスキューモードでの sosreport の使用

  1. Anaconda レスキューモードで起動するには、手順31.1「Anaconda レスキューモードでの起動」にある手順に従います。インストール済みのシステムの / (root) パーティションは必ず「読み取りと書き込み (read-write)」モードでマウントしてください。
  2. root ディレクトリーを /mnt/sysimage/ ディレクトリーに変更します。
    sh-4.2# chroot /mnt/sysimage/
  3. sosreport を実行し、システム設定および診断情報を含むアーカイブを生成します。
    sh-4.2# sosreport

    重要

    sosreport は実行時に、ユーザーにユーザー名とユーザーが Red Hat サポートサービスに問い合わせた際に取得するケース番号の入力を求めます。以下に示す文字やスペースを追加するとレポートが使用不可能になる可能性があるため、文字と数字のみを使用してください。
    # % & { } \ < > > * ? / $ ~ ' " : @ + ` | =
  4. オプション: 生成されたアーカイブをネットワークを使用して新たなロケーションに転送する場合、ネットワークインターフェースを設定しておく必要があります。動的 IP 設定を使用する場合、必要な手順はこれ以外にありません。ただし、静的アドレス指定を使用する場合は、以下のコマンドを実行して、IP アドレス (10.13.153.64/23 など) をネットワークインターフェース (dev eth0 など) に対して実行します。
    bash-4.2# ip addr add 10.13.153.64/23 dev eth0
    静的アドレス指定についての詳細は、『 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』を参照してください。
  5. chroot 環境を終了します。
    sh-4.2# exit
  6. 生成されたアーカイブを新たな場所に保存し、その場所からアーカイブへのアクセスを容易にします。
    sh-4.2# cp /mnt/sysimage/var/tmp/sosreport new_location
    ネットワークを介したアーカイブの転送については、scp ユーティリティーを使用します。
    sh-4.2# scp /mnt/sysimage/var/tmp/sosreport username@hostname:sosreport
詳細は、以下の参考情報をご覧ください。

31.2.2. ブートローダーの再インストール

GRUB2 ブートローダーが誤って削除されたり、破損したり、または他のオペレーティングシステムによって置き換えられたりする場合があります。以下の手順は、マスターブートレコードに GRUB を再インストールするプロセスについて詳述しています。

手順31.3 GRUB2 ブートローダーの再インストール

  1. Anaconda レスキューモードで起動するには、手順31.1「Anaconda レスキューモードでの起動」にある手順に従います。インストール済みのシステムの / (root) パーティションは必ず「読み取りと書き込み (read-write)」モードでマウントしてください。
  2. root パーティションを変更します。
    sh-4.2# chroot /mnt/sysimage/
  3. 以下のコマンドを使用して GRUB2 ブートローダーを再インストールします。ここで、install_device はブートデバイス (通常は /dev/sda) になります。
    sh-4.2# /sbin/grub2-install install_device
  4. システムを再起動します。

31.2.3. RPM によるドライバーの追加、削除、置換

ドライバーが誤作動する場合やドライバーが不足している場合は、システムの起動時に問題が生じる可能性があります。Anaconda レスキューモードは、システムが起動に失敗した場合でもドライバーの追加、削除または置き換えを実行できる環境を提供します。誤作動するドライバーを削除したり、更新されたドライバーや不足しているドライバーを追加したりする際には、可能な場合は RPM パッケージマネージャーを使用することが推奨されます。

注記

ドライバーディスクからドライバーをインストールする場合、ドライバーディスクはこのドライバーを使用するためにシステム上のすべての initramfs イメージを更新します。ドライバーが原因でシステムが起動できない場合は、別の initramfs イメージからシステムを起動する方法は使用できません。

手順31.4 RPM によるドライバーの削除

  1. システムを Anaconda レスキューモードで起動します。手順31.1「Anaconda レスキューモードでの起動」にある説明に従ってください。インストール済みのシステムは必ず「読み取りと書き込み (read-write)」モードでマウントしてください。
  2. root ディレクトリーを /mnt/sysimage/ に変更します。
    sh-4.2# chroot /mnt/sysimage/
  3. rpm -e コマンドを使って、ドライバーパッケージを削除します。たとえば、xorg-x11-drv-wacom ドライバーパッケージを削除するには、以下を実行します。
    sh-4.2# rpm -e xorg-x11-drv-wacom
  4. chroot 環境を終了します。
    sh-4.2# exit
誤作動を起こすドライバーを何らかの理由で削除できない場合は、ドライバーが起動時に読み込まれないようにするため、代わりにドライバーを ブラックリスト に登録することができます。ドライバーのブラックリスト登録についての詳細は、「ブラックリストへのドライバーの登録」 および22章起動オプション を参照してください。
ドライバーをインストールするプロセスもこれに似ていますが、RPM パッケージがシステム上で利用できる状態である必要があります。

手順31.5 RPM パッケージからのドライバーのインストール

  1. システムを Anaconda レスキューモードで起動します。手順31.1「Anaconda レスキューモードでの起動」にある説明に従ってください。インストール済みのシステムは、読み取り専用でマウントしないでください
  2. ドライバーを含む RPM パッケージを利用できるようにします。たとえば、CD または USB フラッシュドライブをマウントして、RPM パッケージを /mnt/sysimage/ の下の希望する場所にコピーします。たとえば、/mnt/sysimage/root/drivers/ のようになります。
  3. root ディレクトリーを /mnt/sysimage/ に変更します。
    sh-4.2# chroot /mnt/sysimage/
  4. rpm -ivh コマンドを使用して、ドライバーパッケージをインストールします。たとえば、xorg-x11-drv-wacom ドライバーパッケージを /root/drivers/ からインストールするには、以下を実行します。
    sh-4.2# rpm -­ivh /root/drivers/xorg-x11-drv-wacom-0.23.0-6.el7.x86_64.rpm

    注記

    この chroot 環境の /root/drivers/ ディレクトリーは、元のレスキュー環境の /mnt/sysimage/root/drivers/ になります。
  5. chroot 環境を終了します。
    sh-4.2# exit
ドライバーの削除、インストールが終了したら、システムを再起動します。

第32章 Red Hat Subscription Management からの登録解除

システムが登録できるは、単一のサブスクリプションサービスに対してのみです。登録先のサブスクリプションサービスを変更する必要がある、または登録を取り消したい場合、登録先のサブスクリプションサービスのタイプによって取り消しの手続きが異なります。

32.1. Red Hat Subscription Management に登録している場合

いくつかのサブスクリプションサービスでは、システムやインストール済み製品、アタッチされているサブスクリプションなどを特定する際に、証明書を基にした同一のフレームワークを使用します。カスタマーポータルによるサブスクリプション管理 (ホスト型)、Subscription Asset Manager (オンプレミスのサブスクリプションサービス)、CloudForms System Engine (オンプレミスのサブスクリプションおよびコンテンツ配信サービス) などがこれに該当し、すべて Red Hat Subscription Management の一部となります。
Red Hat Subscription Managementのサービスの場合、 システムは Red Hat サブスクリプションマネージャーというクライアントツールで管理されます。
Red Hat Subscription Management サーバーへのシステム登録を取り消すには、rootunregister コマンドをパラメーターなしで使用します。
# subscription-manager unregister
詳細は Using and Configuring Red Hat Subscription Manager をご覧ください。

32.2. Red Hat Satellite に登録している場合

サーバー上で Satellite 登録している場合は、 システム タブでそのシステムを探し、該当するプロファイルを削除します。
詳細は Red Hat Satellite User Guide をご覧ください。

第33章 Red Hat Enterprise Linux のアンインストール

33.1. AMD64 および Intel 64 システムから Red Hat Enterprise Linux を削除する

Red Hat Enterprise Linux がコンピューターにインストールされている唯一のオペレーティングシステムであるかどうかにより、Red Hat Enterprise Linux をコンピューターから削除する方法が異なります。
削除を行う前に、次の点を考慮してください。
  • 場合によっては、このプロセスの完了後に、システムで使用する予定の Red Hat Enterprise Linux 以外のオペレーティングシステム用のインストールメディアが必要になる可能性があります。
  • 複数のオペレーティングシステムをインストールしている場合には、各オペレーティングシステムを個別に起動できること、またコンピューターの製造元やオペレーティングシステムの製造元で自動設定されている可能性のあるパスワードなどを含め、管理者用のすべてのパスワードが手元にあることを確認してください。
  • 削除しようとしている Red Hat Enterprise Linux のインストールで残しておきたいデータがある場合、別の場所にバックアップを取っておく必要があります。機密データを含んでいるインストールを削除する場合は、必ず所属組織のセキュリティポリシーに準じたデータの破棄を行ってください。バックアップ媒体が、データ復元先となるオペレーティングシステム上で読み取り可能であることを確認してください。たとえば、ext2、ext3、ext4、または XFS などのファイルシステムを使用するよう Red Hat Enterprise Linux でフォーマット化した外付けハードドライブは、サードパーティーのソフトウェアがないと Microsoft Windows では読み取ることができません。

    警告

    念のために、同じコンピューターにインストールされている Red Hat Enterprise Linux も含め、すべてのオペレーティングシステムのデータのバックアップを取ってください。予期せぬ事態が生じると、すべてのデータを喪失してしまう可能性があります。
  • アンインストールするのは Red Hat Enterprise Linux のみで、コンピューター全体を再インストールするわけではない場合、パーティションレイアウトを十分に理解しておく必要があります。特に mount コマンドの出力が役に立つことがあります。また、grub.cfg 内で Red Hat Enterprise Linux インストールの起動に使用する menuitem を書き留めておくことも役に立ちます。
一般的には、AMD64 または Intel 64 システムから Red Hat Enterprise Linux をアンインストールする場合、次の 2 つの手順を実行します。
  1. MBR (マスターブートレコード) から Red Hat Enterprise Linux ブートローダー情報を削除します。
  2. Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステムを格納しているパーティションをすべて削除します。
ここでの説明では、コンピューターのあり得るすべての構成を対象とすることはできないため、以下に一般的な構成をあげておきます。
ご使用の構成が一覧にない場合や、高度にカスタマイズされたパーティションスキームである場合、一般的な参考として以下のセクションを使用してください。これらの状況では、選択したブートローダーを設定する方法を理解しておく必要もあります。GRUB2 ブートローダーについての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux および他のオペレーティングシステムもすべてアンインストールする場合は、Red Hat Enterprise Linux のみインストールされているコンピューターについて説明している手順を実行してください。

33.1.1. Red Hat Enterprise Linux のみがインストールされている場合

以下の手順は、システムにインストールされているオペレーティングシステムが Red Hat Enterprise Linux のみである場合にこれを削除する方法について示しています。Red Hat Enterprise Linux の代わりに使用するオペレーティングシステム用のインストールメディアを使って Red Hat Enterprise Linux の削除を行います。インストールメディアの例としては、Windows XP のインストール CD、Windows Vista のインストール DVD、または別の Linux ディストリビューションのインストール CD または DVD などがあります。
Microsoft Windows をプレインストールしている工場組み立てのコンピューター製造会社の一部には、コンピューターに Windows インストール用の CD または DVD を同梱していない会社があるため注意してください。こうした製造会社では通常、代わりに独自の「システム復元ディスク」を提供していたり、初回の起動でユーザー自身に「システム復元ディスク」を作成するソフトウェアを同梱しています。また、「システム復元ソフトウェア」がシステムのハードドライブに設けられた独立パーティションに保存されていることもあります。コンピューターにプレインストールされていたオペレーティングシステムのインストール用メディアの形態がわからない場合は、マシンに同梱された資料を参照するか、製造元にお問い合わせください。
該当オペレーティングシステムのインストール用メディアが見つけたら、以下を実行します。
  1. 残したいデータのバックアップを作成します。
  2. コンピューターをシャットダウンします。
  3. 代わりに使用するオペレーティングシステムのインストール用ディスクを使ってコンピューターを起動します。
  4. インストール中に表示されるプロンプトに従います。Windows、OS X、およびほとんどの Linux インストールディスクでは、インストール中にハードドライブのパーティション設定を手動で行うことができます。または、すべてのパーティションを一旦削除してから新たにパーティション設定を開始するオプションを選択することもできます。この段階で、インストールソフトウェアによって検出された既存のパーティションをすべて削除するか、インストールプログラムにパーティションの自動削除を任せます。Microsoft Windows がプリインストールされているコンピューターの「システム復元」用メディアでは、 何も入力しなくても自動的にデフォルトのレイアウトでパーティションが作成される場合があります。

    警告

    システム復元ソフトウェアがハードドライブ上のパーティションに収納されているコンピューターの場合は、他のメディアからオペレーティングシステムをインストールする際のパーティション削除には充分注意してください。パーティションの削除でシステム復元ソフトウェアを収納しているパーティションまで破棄してしまう恐れがあります 。

33.1.2. Red Hat Enterprise Linux の他に、別の Linux ディストリビューションがインストールされている場合

以下の手順は、別の Linux ディストリビューションと共にインストールされているシステム上の Red Hat Enterprise Linux を削除する方法について示しています。他の Linux ディストリビューションを使用して、ブートローダーのエントリーを削除したり、Red Hat Enterprise Linux パーティションを削除することができます。
多くの Linux ディストリビューション間では違いがあるため、以下の手順は一般的な参考としてご利用ください。具体的な内容については、Red Hat Enterprise Linux とデュアルブートする Linux ディストリビューションおよびシステムの構成によって異なります。

重要

ここでは、システムが使用しているブートローダーが GRUB2 であると仮定しています。別のブートローダー  (LILO など) を使用している場合は、該当ソフトウェアのマニュアルで、起動対象となるオペレーティングシステムの一覧から Red Hat Enterprise Linux のエントリーを見つけて削除する方法や、デフォルトのオペレーティングシステムが正しく指定されていることを確認する方法について参照してください。
  1. ブートローダーから Red Hat Enterprise Linux のエントリーを削除します。
    1. コンピューター上に保持している (Red Hat Enterprise Linux ではない) Linux ディストリビューションを起動します。
    2. コマンドラインで su - と入力し、Enter を押します。root パスワードの入力が求められたら、パスワードを入力して Enter を押します。
    3. vim などのテキストエディターを使用し、/boot/grub2/grub.cfg 設定ファイルを開きます。このファイルで、削除しようとしているシステムのエントリーを探します。grub.cfg 内の Red Hat Enterprise Linux のエントリーの一般的な例を以下に示します。

      例33.1 grub.cfg 内の Red Hat Enterprise Linux エントリー

      menuentry 'Red Hat Enterprise Linux Server (3.10.0-57.el7.x86_64) 7.4 (Maipo)' --class red --class gnu-linux --class gnu --class os $menuentry_id_option 'gnulinux-3.10.0-53.el7.x86_64-advanced-9eecdce6-58ce-439b-bfa4-76a9ea6b0906' {
        load_video
        set gfxpayload=keep
        insmod gzio
        insmod part_msdos
        insmod xfs
        set root='hd0,msdos1'
        if [x$feature_platform_search_hint = xy ]; then
          search --no-floppy --fs-uuid --set=root --hint='hd0,msdos1' 0c70bc74-7675-4989-9dc8-bbcf5418ddf1
        else
          search --no-floppy --fs-uuid --set=root 0c70bc74-7675-4989-9dc8-bbcf5418ddf1
        fi
        linux16 /vmlinuz-3.10.0-57.el7.x86_64 root=/dev/mapper/rhel-root ro rd.lvm.lv=rhel/root vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=rhel/swap crashkernel=auto vconsole.keymap=us rhgb quiet LANG=en_US.UTF-8
        initrd16 /initramfs-3.10.0-57.el7.x86_64.img
      }
    4. menuentry から } までのエントリー全体を削除します。
      システムの設定によっては、grub.cfg 内に、Linux カーネルの各バージョンに対応する複数の Red Hat Enterprise Linux エントリーが存在することがあります。ファイルからそれぞれの Red Hat Enterprise Linux エントリーを削除してください。
    5. grub.cfg ファイルを保存して vim を終了します。
  2. マルチブート環境で Red Hat Enterprise Linux パーティションを削除します。

    注記

    他のインストールがまだ使用しているパーティションを削除しないように注意してください。
    1. コンピューター上に保持している (Red Hat Enterprise Linux ではない) Linux ディストリビューションを起動します。
    2. 不要なパーティションをすべて削除します。その際、標準的なパーティションの場合は fdisk、または論理ボリュームおよびボリュームグループを削除するには lvremove および vgremove などを使用します。これらのユーティリティーに関する追加の情報は、それぞれの man ページまたは 『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

33.1.3. Red Hat Enterprise Linux の他に、Microsoft Windows オペレーティングシステムがインストールされている場合

以下の手順は、Windows 2000、Windows Server 2000、Windows XP、Windows Server 2003、Windows Vista または Windows Server 2008 と共にインストールされているシステム上の Red Hat Enterprise Linux を削除する方法について示しています。Microsoft Windows インストールとそのインストールメディアを使って、ブートローダーと Red Hat Enterprise Linux パーティションを削除することができます。
MS-DOS または Windows XP 以前の Microsoft Windows バージョン (Windows 2000 を除く) をインストールしているシステムでの Red Hat Enterprise Linux の削除については、本ガイドの対象外となります。これらのオペレーティングシステムのパーティション管理は堅牢ではないため、Linux パーティションを削除することはできません。
Microsoft Windows のバージョン間には違いがあるため、以下の手順を実行する際は十分注意してください。以下の手順で使用するのは、ご使用の Microsoft Windows オペレーティングシステムのユーティリティーのみなので、Microsoft Windows オペレーティングシステムのマニュアルも合わせて参照してください。

警告

この手順は、Windows のインストール用ディスクから読み込まれる Windows 回復コンソール または Windows 回復環境 に依存しています。このため、Windows のインストール用ディスクにアクセスできないと、この手順を終了できません。一旦、手順を開始したらそれを完了させない限り、コンピューターが起動できない状態になってしまう可能性があります。Windows をプレインストールしている工場組み立てのコンピューターで「システム復元ディスク」を同梱している一部のコンピューターでは、このシステム復元ディスクに Windows 回復コンソールWindows 回復環境 が提供されていないことがあります。
Windows 2000、Windows Server 2000、Windows XP、Windows Server 2003 のユーザーが本手順を実行すると、Windows システムの管理者用パスワードの入力が求められます。システムの管理者用パスワードがわかっている、またはシステムの管理者用パスワードは一切作成されていない (製造元でも作成および設定されていない) ことが確かな場合以外は、この手順を実行しないでください。
  1. Red Hat Enterprise Linux パーティションを削除します。
    1. コンピューターを Microsoft Windows 環境で起動します。
    2. Start (スタート)>Run (ファイル名を指定して実行) とクリックし、diskmgmt.msc と入力して、Enter を押します。その後に Disk Management (ディスクの管理) ツールが開きます。
      各パーティションをバーで表したグラフが表示されます。1 番目のパーティションは通常、NTFS のラベルが付いていて C: ドライブを表しています。Red Hat Enterprise Linux パーティションは少なくとも 2 種類が表示されます。Windows ではこれらのパーティションのファイルシステムタイプは表示されませんが、ドライブ用の文字が割り当てることができます。
    3. Red Hat Enterprise Linux パーティションのいずれか 1 つを右クリックしてから、Delete Partition (パーティションの削除) をクリックし、Yes (はい) をクリックして削除を確認します。もう一方のシステムにある Red Hat Enterprise Linux パーティションも同様に削除します。パーティションを削除すると、Windows はそれらのパーティションが占有していたハードドライブの領域に unallocated (未割り当て) とラベル付けします。
      この未割り当て領域を既存の Windows パーティションに追加したり、別の用途に利用することができます。これを実行する方法については、Red Hat Enterprise Linux 以外の該当オペレーティングシステムのマニュアルをご覧ください。
  2. Windows のブートローダーを復元する
    1. Windows 2000、Windows Server 2000、Windows XP、および Windows Server 2003 の場合
      1. Windows インストール用ディスクをコンピューターに挿入して再起動します。コンピューターが起動すると、画面に以下のメッセージが数秒間表示されます。
        Press any key to boot from CD
        このメッセージが表示されている間にいずれかのキーを押すと、Windows インストールソフトウェアが読み込まれます。
      2. セットアップにようこそ の画面が表示されたら、Windows 回復コンソールを開始できます。この手順は Windows のバージョンごとに若干異なります。
        1. Windows 2000 および Windows Server 2000 の場合は、R キーを押してから C キーを押します。
        2. Windows XP および Windows Server 2003 の場合は、R キーを押します。
      3. Windows 回復コンソール により、ハードドライブのスキャン、Windows インストールの検索が行われ、各インストールに番号が割り当てられます。各 Windows インストールが表示され、いずれかひとつの選択を求められます。復元したい Windows インストールの番号を入力します。
      4. その Windows インストールの管理者用パスワードの入力が求められます。管理者用パスワードを入力して Enter キーを押します。システムに管理者用パスワードがない場合は Enter キーを押すだけです。
      5. プロンプトで、コマンド fixmbr と入力して Enter を押します。fixmbr ツールによりシステムのマスターブートレコードが復元されます。
      6. プロンプトが再度表示されたら、exit と入力して Enter キーを押します。
      7. コンピューターが再起動し、Windows オペレーティングシステムを起動させます。
    2. Windows Vista および Windows Server 2008 の場合
      1. Windows インストール用ディスクをコンピューターに挿入して再起動します。コンピューターが起動すると、画面に以下のメッセージが数秒間表示されます。
        Press any key to boot from CD or DVD
        このメッセージが表示されている間にいずれかのキーを押すと、Windows インストールソフトウェアが読み込まれます。
      2. Windows のインストール ダイアログで言語、時刻と通貨の形式、およびキーボードのタイプを選択してから をクリックします。
      3. コンピューターの修復 をクリックします。
      4. Windows リカバリ環境 (WRE) により、システムで検出できた Windows インストールが表示されます。復元したいインストールを選択して をクリックします。
      5. コマンドプロンプト をクリックします。コマンドウィンドウが開きます。
      6. bootrec /fixmbr と入力して Enter を押します。
      7. プロンプトが再度表示されたら、コマンドウィンドウを閉じてから 再開始をクリックします。
      8. コンピューターが再起動し、Windows オペレーティングシステムを起動させます。

33.2. IBM System z から Red Hat Enterprise Linux を削除する

Linux ディスクに秘密データが含まれている場合、既存のオペレーティングシステムのデータを削除する際、必ず所属組織のセキュリティポリシーに準じてデータを破棄してください。以下の選択肢を検討した上で、削除の手順に進んでください。
  • 新規インストールでディスクを上書きします。
  • Linux がインストールされていた DASD または SCSI ディスクを他のシステムから見えるようにしてから、データを削除します。しかし、この操作には特別な権限が必要になる可能性があります。システム管理者に確認してください。dasdfmt (DASD のみ) や partedmke2fsdd などの Linux コマンドを使用できます。これらのコマンドについての詳細は該当の man ページを参照してください。

33.2.1. z/VM ゲストまたは LPAR 上で別のオペレーティングシステムを実行する

z/VM ゲスト仮想マシンまたは LPAR の環境下で、現在インストール済みのシステムが存在している場所とは異なる DASD または SCSI ディスクから起動したい場合、インストール済みの Red Hat Enterprise Linux をシャットダウンし、起動させたい別の Linux インスタンスがインストールされているディスクを使用します。この操作でインストール済みのシステムのコンテンツが変更されることはありません。

パート VI. 技術解説

本セクションの付録には Red Hat Enterprise Linux のインストール方法についての説明は記載されていません。ここでは、インストールの過程で利用できる各種オプションの理解に役立つと思われる技術的な背景について解説しています。

付録A ディスクパーティションの概要

注記

AMD64 または Intel 64 以外のアーキテクチャーの場合、一部解説内容が該当しないこともありますが、ここでは基本概念として該当する内容を解説しています。
このセクションでは、基本的なディスクの概念、ディスクパーティションの再設定、Linux システムで使用されるパーティション命名スキーム、および関連トピックについて説明しています。
ディスクパーティションについて充分理解している場合は本章を省略しても構いません。Red Hat Enterprise Linux インストールの準備としてディスク領域を解放する手順を 「ディスクのパーティション再設定に関する戦略」 で確認してください。

A.1. ハードディスクの基本概念

ハードディスクの機能は、データを保存し、命令に応じて確実に取得するという非常に簡単なものです。
ディスクパーティション設定などの問題を論議する場合、基礎となるハードウェアについての理解があることが重要となります。しかし、理論は非常に複雑で広範にわたるものなので、ここでは基本的な概念のみが説明されています。この付録では、簡素化されたディスクドライブの図を使用してパーティションにおけるプロセスと理論を説明しています。
図A.1「未使用のディスクドライブ」は、新しい未使用のディスクドライブを示しています。
未使用のディスクドライブ

図A.1 未使用のディスクドライブ

A.1.1. ファイルシステム

ディスクドライブにデータを保存するには、最初にディスクドライブを フォーマット する必要があります。フォーマット (通常「ファイルシステムを作る」という意味で知られています) とは、ドライブに情報を書き込んで、未フォーマットのドライブの空白領域に順番を付けることです。
ファイルシステムを持たせたディスクドライブ

図A.2 ファイルシステムを持たせたディスクドライブ

上記の図で示されるように、ファイルシステムが与える順序により、いくつかのトレードオフが生じます。
  • ファイルシステムに関連するデータを保存するためドライブの使用可能領域の数パーセントが使用され、オーバーヘッドになります。
  • 残りの領域は小規模で均一なサイズのセグメントに分割されます。Linux の場合、これらのセグメントは ブロック[4]と呼ばれます。
万能な単一のファイルシステムは存在しないことに留意してください。下記の図が示すように、ディスクドライブには多くの異なるファイルシステムが書き込まれている可能性があります。異なるファイルシステムには互換性がない傾向があります。つまり、あるファイルシステム (または、関連した一部のファイルシステムタイプ) をサポートするオペレーティングシステムが別のタイプをサポートしない可能性があります。ただし、たとえば Red Hat Enterprise Linux は多様なファイルシステム (他のオペレーティングシステムで通常使用されている多くのタイプを含む) をサポートしているので、異なるファイルシステム間でのデータ交換が容易になります。
別のファイルシステムを持つディスクドライブ

図A.3 別のファイルシステムを持つディスクドライブ

ディスクへのファイルシステムの書き込みは最初のステップに過ぎません。このプロセスの最終目標は実際にデータを 保存 して 取り出す ことです。下図は、データが書き込まれたディスクドライブを示しています。
データの書き込まれたディスクドライブ

図A.4 データの書き込まれたディスクドライブ

上記の図では、以前に空白だったブロックにデータが保管されています。しかし、この図を見るだけではこのドライブに存在する正確なファイル数は分かりません。すべてのファイルは最低でも 1 つのブロックを使用し、ファイルによっては複数ブロックを使用するものもあるので、ドライブに存在するファイルは1 つかもしれないし、複数あるかもしれません。もう 1 つ注意すべき点は、使用済みのブロックは連続領域を形成する必要がないということです。使用ブロックと未使用ブロックが交互に混ざっている場合があります。これが 断片化 と呼ばれるものです。既存パーティションのサイズを変更する際に影響する可能性があります。
多くのコンピューター関連の技術と同じように、ディスクドライブは導入されてから常に変化し続けており、特に大型化しています。物理的サイズが大きくなっているわけではなく、情報保存の容量が大きくなっています。さらに、この容量の増加がディスクドライブの使用方法を根本的に変化させてきました。

A.1.2. パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする

ディスクドライブは、複数の パーティション に分割することができます。各パーティションは個々のディスクのように、別々にアクセスできます。パーティションテーブル を追加することでディスクドライブを複数パーティションに分割します。
ディスク領域を個別のディスクパーティションに割り当てる理由には以下のようなものがあります。
  • オペレーティングシステムのデータをユーザーのデータから論理的に分離させるため。
  • 異なるファイルシステムを使用するため。
  • 1 台のマシン上で複数のオペレーティングシステムを稼働させるため。
物理ハードディスクには現在、マスターブートレコード (MBR) および GUID パーティションテーブル (GPT) という 2 つのパーティションレイアウト標準があります。MBR は、BIOS ベースのコンピューターで使われている旧式のディスクパーティション方式です。GPT は新たなパーティションレイアウトで、Unified Extensible Firmware Interface (UEFI) の一部です。このセクションおよび 「パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要」 では、主に マスターブートレコード (MBR) のディスクパーティションスキームを説明しています。GUID パーティションテーブル (GPT) のパーティションレイアウトについての詳細は、「GUID パーティションテーブル (GPT)」 を参照してください。

注記

ここで示す図ではパーティションテーブルが実際のディスクドライブから離れていますが、本来の状況を正確に表しているわけではありません。実際には、パーティションテーブルはそのディスクの先頭部分となる、他のファイルシステムまたはユーザーデータの前に格納されています。ただし、わかりやすくするために図では別々に表示します。
パーティションテーブルがあるディスクドライブ

図A.5 パーティションテーブルがあるディスクドライブ

上記のずでは、パーティションテーブルは 4 つのセクション、つまり 4 つの プライマリ パーティションに分割されています。プライマリパーティションは、1 つの論理ドライブ (またはセクション) しか含まれない、ハードドライブ上のパーティションです。各セクションには、単一パーティションの定義に必要な情報が保持できます。つまり、パーティションテーブルが定義できるパーティションは、4 つまでということになります。
各パーティションテーブルのエントリーにはパーティションに関する重要な特徴が記載されています。
  • ディスク上のパーティションの開始点と終了点
  • パーティションが「アクティブ」かどうか
  • パーティションのタイプ
開始点と終了点により、パーティションサイズとディスク上の位置が定義されます。「アクティブ」フラグは特定のオペレーティングシステムのブートローダーによって使用されます。つまり、「アクティブ」の印が付いたパーティションにあるオペレーティングシステムが起動されます。
タイプとは、パーティションの用途を識別する番号です。オペレーティングシステムのなかには、特定のファイルシステムタイプを示す、特定のオペレーティングシステムに関連しているパーティションとしてフラグを付ける、起動可能なオペレーティングシステムを含んでいるパーティションであることを示す、などの目的でパーティションタイプを使用するものがあります。
以下の図は、1 つのパーティションがあるディスクドライブのイメージです。
パーティションが 1 つのディスクドライブ

図A.6 パーティションが 1 つのディスクドライブ

この例の単一パーティションは、DOS とラベル付けされています。このラベルは パーティションタイプ を示すもので、DOS は最も一般的なものの 1 つです。以下の表では、一般的なパーティションタイプとそれらを示す 16 進数を記載しています。

表A.1 パーティションタイプ

パーティションタイプパーティションタイプ
空白00Novell Netware 38665
DOS 12-bit FAT01PIC/IX75
XENIX root02Old MINIX80
XENIX usr03Linux/MINUX81
DOS 16-bit <=32M04Linux swap82
Extended05Linux native83
DOS 16-bit >=3206Linux extended85
OS/2 HPFS07Amoeba93
AIX08Amoeba BBT94
AIX bootable09BSD/386a5
OS/2 Boot Manager0aOpenBSDa6
Win95 FAT320bNEXTSTEPa7
Win95 FAT32 (LBA)0cBSDI fsb7
Win95 FAT16 (LBA)0eBSDI swapb8
Win95 Extended (LBA)0fSyrinxc7
Venix 8028640CP/Mdb
Novell51DOS accesse1
PReP Boot41DOS R/Oe3
GNU HURD63DOS secondaryf2
Novell Netware 28664BBTff

A.1.3. パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要

4 つのパーティションで不十分な場合、拡張パーティション を使って新たなパーティションを作成することができます。これは、パーティションのタイプを「Extended (拡張)」とすることで行います。
拡張パーティションは、それ自体がディスクドライブのようなもので、独自のパーティションテーブルを持っています。このパーティションテーブルは、拡張パーティション自体の中に設定した 1 つまたは複数のパーティションを指します (4 つの プライマリーパーティション に対して、これらのパーティションは 論理パーティションと呼ばれる)。下の図では 1 つのプライマリーパーティションと 1 つの拡張パーティションを示しています。この拡張パーティションには 2 つの論理パーティションが含まれています (また、パーティション未設定の空き領域も存在)。
拡張パーティションのあるディスクドライブ

図A.7 拡張パーティションのあるディスクドライブ

この図が示すように、プライマリーパーティションと論理パーティションには違いがあります。プライマリーパーティションは 4 つしかできませんが、論理パーティションの数にはその制限がありません。しかし、Linux でのパーティションへのアクセス方法を考慮すると、1 つのディスクドライブに 12 個を超える論理パーティションを定義するのは避けてください。

A.1.4. GUID パーティションテーブル (GPT)

GUID パーティションテーブル (GPT) は、グローバルに固有となる識別子 (GUID) の使用を基本とする新しいパーティション設定スキームです。GPT は、MBR パーティションテーブルの限界、特に 1 ディスクで対応可能な最大ストレージ領域の上限に対処するため開発されました。2 TiB (ほぼ 2.2 TB と同様) を超えるストレージ領域には対応できない MBR とは異なり、GPT はこのサイズよりも大きなハードディスクでも使用することができます。対応可能な最大ディスクサイズは 2.2 ZiB になります。また、GPT はデフォルトで最大 128 個のプライマリーパーティションの作成にも対応します。パーティションテーブルへの領域割り当てを増やすことで、128 個以上のプライマリーパーティションを作成することも可能です。
GPT ディスクは論理ブロックアドレス指定 (LBA) を使用し、パーティションレイアウトは以下のようになります。
  • MBR ディスクとの後方互換性を保つため、GPT の最初のセクター (LBA 0) は MBR データ用に予約されています。このセクターは protective MBR と呼ばれます。
  • プライマリー GPT ヘッダー は、デバイスの 2 つ目の論理ブロック (LBA 1) から始まります。このヘッダーには、ディスク GUID、プライマリーパーティションテーブルの位置、セカンダリー GPT ヘッダーの位置、それ自体の CRC32 チェックサムおよびプライマリーパーティションテーブルが含まれます。また、テーブルのパーティションエントリー数もこのヘッダーで指定します。
  • プライマリー GPT テーブル には、サイズが 128 バイト、パーティションタイプが GUID、固有パーティションが GUID のパーティションがデフォルトで 128 エントリー含まれています。
  • セカンダリー GPT テーブル はプライマリー GPT テーブルとまったく同じものになります。主に、プライマリーパーティションテーブルが破損した場合の復元用バックアップテーブルとして使われます。
  • セカンダリー GPT ヘッダー はディスクの最後の論理セクターに位置し、プライマリヘッダーが破損した場合に GPT 情報を復元する際に使用できます。ディスク GUID、セカンダリーパーティションテーブルの位置、プライマリー GPT ヘッダーの位置、それ自体の CRC32 チェックサムおよびセカンダリーパーティションテーブルが含まれます。また、作成可能なパーティションエントリー数も含まれます。

重要

GPT (GUID パーティションテーブル) を含むディスクには、ブートローダー用の BIOS 起動パーティションを正しくインストールしておく必要があります。Anaconda で初期化するディスクが含まれます。ディスクにすでに BIOS 起動パーティションが含まれている場合は、これを再利用することができます。

A.2. ディスクのパーティション再設定に関する戦略

ディスクのパーティションを再設定する場合、いくつか異なる方法があります。このセクションでは以下の状況について説明します。
  • パーティションが未設定の空き領域がある
  • 未使用のパーティションがある
  • 使用中のパーティションの中に空き領域がある
このセクションでは、上記の概念を理論的に説明しているだけで、実際にパーティションを再設定する詳細な手順については本セクションの対象外となります。

注記

以下のイラストは分かりやすくするために簡素化されており、実際に Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合に遭遇するようなパーティションレイアウトとは異なります。

A.2.1. パーティションが未設定の空き領域を使用する

この状況では、既に定義されているパーティションはハードディスク全体に及んでおらず、定義済みのパーティションの一部ではない未割り当ての領域が残っています。以下の図では、このような状況を示しています。
パーティションが未設定の空き領域を持つディスクドライブ

図A.8 パーティションが未設定の空き領域を持つディスクドライブ

上記の例の 1 では、パーティションが未定義で領域も割り当てられていない状態を示しています。2 では、パーティションが定義され領域も割り当てられている状態を示しています。
未使用のハードディスクもこれに該当します。唯一の違いは、すべての 領域がいずれの設定済みパーティションにも属さないという点です。
いずれの場合も、未使用の領域を使って必要なパーティションを作成することができます。しかし、Red Hat Enterprise Linux 用に新しいディスクを購入したばかりというような状況でない限り、このような非常に単純な状況になる可能性はあまりありません。ほとんどのプレインストールのオペレーティングシステムは、ディスクドライブで使用できる領域をすべて占有するよう構成されています (「使用中のパーティションの空き領域を使用する」 を参照)。

A.2.2. 未使用のパーティションの領域を使用する

この場合、すでに使用しなくなったパーティションがあることを想定しています。以下の図では、そのような状況を示しています。
未使用のパーティションがあるディスクドライブ

図A.9 未使用のパーティションがあるディスクドライブ

上記の例の 1 では、未使用のパーティションがある状態を示しています。2 では、未使用のパーティションをLinux 用に再割り当てした状態を示しています。
この場合、未使用のパーティションに割り当てられている領域を使用します。まず、未使用のパーティションを削除し、次に、その場所に適切な Linux パーティションを作成します。未使用のパーティションの削除および新規パーティションの作成はインストール中に手動で行うことができます。

A.2.3. 使用中のパーティションの空き領域を使用する

これが最も一般的な状況です。ただし、最も扱いにくい状況でもあります。一番の問題は、たとえ十分な空き領域がある場合でも、それがすでに使用中のパーティションに割り当てられているということです。ソフトウェアが事前にインストールされているコンピューターを購入した場合、通常はハードディスクに OS とデータを格納した 1 つの大きなパーティションがあります。
システムに新しくハードディスクドライブを追加する以外に、2 つの選択肢があります。
破壊的なパーティション再設定
このケースでは、単一の大きなパーティションを削除して、いくつかの小さなパーティションを作成します。元のパーティションに格納されていたデータはすべて失われます。このため、完全なバックアップが必要になります。パーティションを削除するに、バックアップを 2 部作成し、検証機能 (ソフトウェアにこの機能がある場合) を使用してバックアップデータを読み込めるかどうかを試してください。

警告

パーティションにオペレーティングシステムがインストールされていて、そのシステムも使用する場合は、そのシステムの再インストールが必要になります。プレインストールのオペレーティングシステムが搭載されたコンピューターの場合、オリジナルのオペレーティングシステムを再インストールするためのインストールメディアが含まれていないことがあるので注意してください。オリジナルのパーティションおよびオペレーティングシステムの破棄を行う前に、ご使用のコンピューターがこれに該当するかどうか必ず確認してください。
既存のオペレーティングシステム用に小さめのパーティションを作成した後は、ソフトウェアの再インストール、データの復元、Red Hat Enterprise Linux のインストールが可能になります。
破壊的なパーティション再設定が行われたディスクドライブ

図A.10 破壊的なパーティション再設定が行われたディスクドライブ

上記の例では、1 は「前」を示し、2 は「後」を示します。

警告

オリジナルのパーティションにあったデータはすべて失われます。
非破壊的なパーティション再設定
非破壊的なパーティション再設定を行う場合、パーティションに含まれるファイルを失うことなくその大きなパーティションを小さくするプログラムを実行します。一般的に、プログラムの動作は確実で信頼できますが、大容量ドライブの場合にはかなり時間がかかることがあります。
非破壊的なパーティションの再設定は比較的簡単ですが、以下の 3 つの手順が必要となります。
  1. 既存データの圧縮とバックアップ
  2. 既存パーティションのサイズ変更
  3. 新規パーティションの作成
各ステップについて詳しく説明していきます。

A.2.3.1. 既存データの圧縮

下図で示しているように、最初のステップでは既存パーティション内でデータを圧縮します。これを実行する理由は、データを再構成することでパーティションの 「後部にある」 使用可能な空き領域を最大化するためです。
圧縮する前と後のディスクドライブ

図A.11 圧縮する前と後のディスクドライブ

上記の例では、1 は「前」を示し、2 は「後」を示します。
この手順は非常に重要です。この手順を実行しないと、データが存在する場所によっては希望通りにパーティションのサイズを変更できなくなります。様々な理由で移動できないデータがあることにも留意してください。そのような場合 (また、新しいパーティションのサイズも厳密に制限される場合) には、ディスクのパーティションを削除して作り直すことを要求される場合があります。

A.2.3.2. 既存パーティションのサイズ変更

図A.12「既存パーティションのサイズを変更したディスクドライブ」 では、実際のサイズ変更のプロセスを示しています。実際のサイズ変更の結果は使用するソフトウェアによって異なりますが、ほとんどの場合、新たに解放された領域を使用して、元のパーティションと同じタイプのフォーマットされていないパーティションが作成されます。
既存パーティションのサイズを変更したディスクドライブ

図A.12 既存パーティションのサイズを変更したディスクドライブ

上記の例では、1 は「前」を示し、2 は「後」を示します。
使用しているサイズ変更用ソフトウェアが、新たに解放された領域をどのように処理するのか理解すると、それに準じて適切なステップに進むことができます。ここでは、新しくできた DOS パーティションを削除して、目的の Linux パーティションを作成します。

A.2.3.3. 新規パーティションの作成

前の手順で示されるように、新しいパーティションの作成が必要な場合とそうでない場合があります。しかし、使用しているサイズ変更ソフトウェアが Linux をインストールしたシステムに対応している場合を除き、サイズ変更のプロセスで作成されたパーティションは削除する必要があるでしょう。
目的のパーティション持たせた最終構成のディスクドライブ

図A.13 目的のパーティション持たせた最終構成のディスクドライブ

上記の例では、1 は「前」を示し、2 は「後」を示します。

A.3. パーティション命名スキームおよびマウントポイント

Linux に馴染みがないユーザーにとって混乱の元となるのは、Linux オペレーティングシステムにおけるパーティションの使い方とアクセスの仕方です。DOS/Windows の場合、各パーティションに「ドライブ文字」が与えられるので、比較的簡単です。パーティション上のファイルやディレクトリーを参照する場合は該当する「ドライブ文字」を使用します。これは Linux でのパーティションの扱い方、またディスクストレージ全般に関しても全く異なります。このセクションでは、パーティション命名スキームの主要原理、Red Hat Enterprise Linux におけるパーティションへのアクセス方法について説明していきます。

A.3.1. パーティションの命名スキーム

Red Hat Enterprise Linux ではファイルベースの命名スキームが使用され、ファイル名の形式は /dev/xxyN となります。
以下は、デバイスおよびパーティションの名前の構成要素です。
/dev/
全デバイスのファイルが配置されるディレクトリー名です。パーティションはハードディスク上に存在し、ハードディスクはデバイスとなるため、パーティションを表すファイルは /dev/ に配置されます。
xx
パーティション名の最初の 2 文字は、パーティションが存在するデバイスのタイプを示します。これは通常、sd になります。
y
この文字はパーティションがあるデバイスを示します。例えば、/dev/sda は最初のハードディスク、/dev/sdb は 2 番目のハードディスク、というようになります。
N
最後の数字はパーティションを示します。最初の 4 つ (プライマリもしくは拡張) のパーティションには、1 から 4 までの数字が付けられます。論理パーティションは 5 から始まります。たとえば、/dev/sda3 は最初のハードディスクの 3 番目のプライマリーもしくは拡張パーティションで、/dev/sdb6 は 2 番目のハードディスク上の 2 番目の論理パーティションになります。

注記

Red Hat Enterprise Linux で すべての タイプのディスクパーティションの識別および参照が可能であっても、ファイルシステムを読み込むことができないためすべてのタイプのパーティションにある保存データにはアクセスできない場合があります。ただし、多くの場合、別のオペレーティングシステム専用のパーティションにあるデータには問題なくアクセスすることができます。

A.3.2. ディスクパーティションとマウントポイント

Red Hat Enterprise Linux では、各パーティションを使って、ファイルやディレクトリーのセットに対応するために必要なストレージを構成します。マウント と呼ばれるプロセスでパーティションとディレクトリーを関連付けることで行います。パーティションをマウントすると、指定されたディレクトリー (マウントポイント と呼ばれる) を開始点としてそのストレージが利用可能になります。
たとえば、パーティション /dev/sda5/usr/ にマウントされている場合、/usr/ 下にあるすべてのファイルとディレクトリーは物理的に /dev/sda5 上に存在することになります。このため、ファイル /usr/share/doc/FAQ/txt/Linux-FAQ/dev/sda5 に保存されますが、ファイル /etc/gdm/custom.conf はそこには保存されません。
さらにこの例では、/usr/ 以下の 1 つまたは複数のディレクトリーを別のパーティションのマウントポイントとすることも可能です。たとえば、あるパーティション (例 /dev/sda7) を /usr/local/ にマウントすると、/usr/local/man/whatis/dev/sda5 上ではなく /dev/sda7 上に存在することになります。

A.3.3. パーティションの数

Red Hat Enterprise Linux のインストール準備を行っている段階で、新しいオペレーティングシステムで使用するパーティションの数とサイズを考慮しておく必要があります。ただし、あらゆる状況に対応する絶対的に正しい数やサイズというのは存在しません。パーティションの数やサイズは使用する側のニーズや要件によって異なってきます。
必要とされるニーズや要件を考慮し、特に別のパーティション構成でなければならない理由がない限り、Red Hat では、少くとも swap/boot/、および / (root) パーティションの作成を推奨しています。
AMD64 および Intel 64 システムについての詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。IBM Power Systems サーバーについての詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。IBM System z についての詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。


[4] ブロックのサイズは図とは異り実際には 均一なサイズです。また、平均的なディスクドライブには数千個のブロックが含まれていますが、この図は説明用に簡略されています。

付録B iSCSI ディスク

iSCSI (Internet Small Computer System Interface) は、SCSI の要求と応答を TCP/IP 上で運用することでコンピューターとストレージデバイスとの通信を可能にするプロトコルです。iSCSI は標準の SCSI プロトコルを土台にしているため、 SCSI の用語を一部使用します。要求の送信先であり、その要求に応える SCSI バス上のデバイスは ターゲット と呼ばれます。要求を発信する側のデバイスは イニシエーター と呼ばれます。言い替えると、iSCSI ディスクがターゲットで、 SCSI コントローラや SCSI Host Bus Adapter (HBA) に相当する iSCSI ソフトウェアがイニシエーターです。 この付録での説明は、iSCSI イニシエーターとしての Linux に iSCSI ディスクを使用させる方法に限定しています。したがって、Linux に iSCSI ディスクをホストさせる方法については触れていません。
Linux には、SCSI HBA ドライバーの代わりとなるソフトウェア iSCSI イニシエーターがカーネルに内蔵されています。Linux ではこれを利用して iSCSI ディスクを使用します。ただし、iSCSI は完全にネットワークベースのプロトコルとなるため、iSCSI イニシエーターに対応するには、ネットワーク上で単に SCSI パケットを送信するだけではなくそれ以上の能力が必要とされます。Linux で iSCSI ターゲットを使用する前に、Linux 側からネットワーク上のターゲットを検出して接続を行わなければなりません。ターゲットへのアクセスを得るため、Linux 側から認証情報を送信しなければならない場合もあります。また、ネットワーク接続に障害が発生した場合には、Linux 側で障害の検出および新規接続の確立を行う必要があります。また必要に応じて再ログインも必要になります。
検出、接続およびログインは iscsiadm ユーティリティーによってユーザー領域で処理され、エラーはユーザー領域で iscsid ユーティリティーによって処理されます。
iscsiadm および iscsid はいずれも Red Hat Enterprise Linux の iscsi-initiator-utils パッケージの一部になります。

B.1. Anaconda での iSCSI ディスク

Anaconda インストールプログラムで iSCSI ディスクを検出しログインする方法が 2 通りあります。
  1. Anaconda が起動すると、システムの BIOS またはアドオンの起動 ROM 側で、iSCSI で起動できる BIOS 拡張の iBFT (iSCSI Boot Firmware Table) に対応しているかがチェックされます。BIOS が iBFT に対応している場合、Anaconda は BIOS から設定されている起動ディスクの iSCSI ターゲット情報を読み込み、そのターゲットにログインしてインストールターゲットとして使用できるようにします。

    重要

    iSCSI ターゲットに自動接続するには、ターゲットにアクセスするネットワークデバイスがアクティベートされている必要があります。アクティベートするには ip=ibft ブートオプションの使用が推奨されます。
  2. Anaconda では、グラフィカルユーザーインターフェースで iSCSI ターゲットの検出と追加を手動で行うことができます。メインメニューの「インストールの概要」画面で「インストール先」オプションをクリックします。特殊なディスクおよびネットワークディスク セクションの ディスクの追加 をクリックします。タブが付いたストレージデバイスの一覧が表示されます。右下にある iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックして検出のプロセスに進みます。詳細については、「ストレージデバイス選択の画面」 を参照してください。
    この方法を使って手動で追加された iSCSI ターゲットには、/boot パーティションを配置することはできません。/boot を含んでいる iSCSI ターゲットは、iBFT で設定する必要があります。
Anacondaiscsiadm を使用して iSCSI ターゲットの検出とログインを行い、iscsiadm はこれらターゲットの情報を iscsiadm iSCSI データベースに自動的に格納します。Anaconda はこのデータベースをインストール済みシステムにコピーし、/ に使用されていない iSCSI ターゲットに印を付けます。システムを起動すると、これらのターゲットに自動的にログインするようになります。/ が iSCSI ターゲット上に配置されている場合は、initrd がこのターゲットにログインするため Anaconda では同じターゲットに複数のログイン試行が起こらないよう起動スクリプトにこのターゲットを含ませないようにします。

B.2. スタートアップ時の iSCSI ディスク

iSCSI 関連のイベントがシステム開始時に各所で発生する可能性があります。
  1. initrd 内の init スクリプトは 「/」 に使用される iSCSI ターゲットが存在していればログインを行います。ログインは iscsistart ユーティリティーを使用して実行されます。iscsid を実行する必要はありません。

    注記

    root ファイルシステムが IPv6 を使用して接続されている iSCSI ディスク上にある場合、インストールされたシステムが ip=eth0:auto6 などの適切な ip= 起動オプションを使用していることを確認してください。このオプションが設定されていないと、インストールされたシステムは起動時に接続を確立するまでに最大 20 分間かかる場合があります。適切な ip= オプションを使用することでこの遅延をなくすことができます。
  2. root ファイルシステムがマウントされて、各種サービスの init スクリプトが実行されると、iscsi の init スクリプトが呼び出されます。/ に iSCSI ターゲットが使用されていたり、iSCSI データベース内のターゲットに自動ログインのマークが付けられている場合、このスクリプトにより iscsid デーモンが起動されます。
  3. クラッシックネットワークサービススクリプトが実行された後、iscsi の init スクリプトが実行されます。ネットワークへのアクセスが可能であれば、自動ログインのマークが付いた iSCSI データベース内のターゲットにログインを行います。ネットワークへのアクセスができない場合には、スクリプトは何も表示せずに終了します。
  4. ネットワークへのアクセスにクラッシックネットワークサービススクリプトではなく、 NetworkManager を使用している場合、iscsi の init スクリプトは NetworkManager によって呼び出されます。詳細は /etc/NetworkManager/dispatcher.d/04-iscsi ファイルを参照してください。

    重要

    NetworkManager/usr ディレクトリーにインストールされているため、/usr ディレクトリーが iSCSI ターゲットなどのネットワーク接続のストレージに置かれている場合、このディレクトリーを使ったネットワーク設定はできません。
システムの起動時に iscsid が必要とされない場合は自動的には開始されません。iscsiadm を開始すると、今度は iscsiadm によって iscsid が開始されます。

付録C LVM の理解

LVM (Logical Volume Management、論理ボリューム管理) パーティションは標準のパーティションに比べ便利な点がいくつかあります。LVM パーティションは、物理ボリューム としてフォーマット化し、ひとつまたは複数の物理ボリュームを結合させて ボリュームグループ を形成します。このボリュームグループの合計容量を再びひとつまたは複数の 論理ボリューム に分割します。論理ボリュームは標準のパーティションとほぼ同じように機能します。xfs などのファイルシステムタイプやマウントポイントを持たせることができます。

重要

AMD64 および Intel 64 システム、IBM Power Systems サーバーなどでは、ブートローダーは LVM ボリュームを読み込むことができません。このため、 /boot パーティションは、LVM ではなく標準のパーティションで作成してください。
IBM System z の場合は、zipl ブートローダーによりリニアマッピングを使用した LVM 論理ボリューム上の /boot に対応しています。
デフォルトのインストールプロセスでは、/ パーティションと swap パーティションは常に LVM ボリューム内に、/boot パーティションは別途、物理ボリューム上に作成されます。
物理ボリュームを積み重なった ブロック の山として考えるとわかりやすいでしょう。1 ブロックがデータ格納に使用される 1 ストレージユニットになります。複数のブロックの山を集めてさらに大きなひとつの山を作ることができるのと同じように、物理ボリュームを結合して一つのボリュームグループを作ります。できた大きな山から今度は目的にあった大きさの山をいくつか作ることができます。同じように、結合してできたボリュームグループを目的にあったいくつかの論理ボリュームに分割します。
標準のパーティションとは異なり、管理者はデータを破壊することなく論理ボリュームを拡張したり縮小したりすることができます。ボリュームグループに属する複数の物理ボリュームが別のドライブや RAID アレイに散在する場合、複数のディスクをまたぐ論理ボリュームを作ることもできます。
ボリューム上にあるデータによって必要とされるサイズより少ない容量まで論理ボリュームを縮小してしまうと、データが失われる可能性があります。柔軟性を最大限確保するため、現在のニーズに対応する論理ボリュームを作成し、余分のストレージ領域は未割り当てのまま残しておきます。必要に応じて、未割り当ての領域を使用することで安全に論理ボリュームを拡張することができます。

付録D その他のテクニカルドキュメント

Anaconda、Red Hat Enterprise Linux システムはいずれも一般的なソフトウェアコンポーネント一式を使用しています。重要なテクノロジーに関する詳細は、以下に示す web サイトを参照してください。
ブートローダー
Red Hat Enterprise Linux では、GRUB2 ブートローダーを使用しています。Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の該当する箇所を参照してください。
ストレージ管理
論理ボリューム管理 (LVM) では、ストレージを管理する機能を管理者に提供しています。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスにより、ドライブが LVM ボリュームとしてフォーマットされます。詳細は http://www.tldp.org/HOWTO/LVM-HOWTO/ を参照してください。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
リモートディスプレイ
Red Hat Enterprise Linux および Anaconda にはグラフィカルなディスプレイへのリモートによるアクセスを可能にするため VNC (Virtual Network Computing) ソフトウェアが含まれています。VNC の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の TigerVNC の章を参照してください。
Red Hat カスタムの VNC Configurator アプリケーションを使って VNC サーバーとクライアントを設定することもできます。
リモートシステムアクセス
Red Hat Enterprise Linux にはシステムへのリモートアクセスを提供するため OpenSSH スィートが収納されています。SSH サービスにより、他のシステムからのコマンドラインへのアクセス、遠隔からのコマンド実行、ネットワークファイルの転送などの機能が利用できるようになります。インストール中、Anaconda はクラッシュレポートをリモートのシステムに転送するため OpenSSH の scp 機能を使用する場合があります。詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
アクセス制御
SELinux では、標準の Linux セキュリティー機能を補完する Mandatory Access Control (MAC) 機能を提供しています。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 SELinux User's and Administrator's Guide を参照してください。
ファイアウォール
Red Hat Enterprise Linux では、ファイアウォール機能の提供に firewalld を使用しています。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 SELinux ユーザーおよび管理者のガイド を参照してください。
ソフトウェアのインストール
Red Hat Enterprise Linux では、システムを構成する RPM パッケージの管理に yum を使用しています。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
仮想化
同じコンピューター上で複数のオペレーティングシステムを同時に稼働させる機能は仮想化によって提供されます。Red Hat Enterprise Linux には Red Hat Enterprise Linux ホスト上に二次的なシステムをインストールし管理を行うためのツールも収納されています。仮想化のサポートはインストール中でも、インストール後でも選択可能です。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド を参照してください。

付録E ext4 と XFS コマンドの参照表

Red Hat Enterprise Linux 7 では、XFS が ext4 に代わってデフォルトのファイルシステムになります。一般的なファイルシステム操作の作業に対する ext4 でのコマンドと XFS でのコマンドとの違いを以下の相互参照表で示します。

表E.1 ext4 と XFS コマンドの参照表

作業ext4XFS
ファイルシステムを作成するmkfs.ext4mkfs.xfs
ファイルシステムをマウントするmountmount
ファイルシステムのサイズを変更するresize2fsxfs_growfs [a]
ファイルシステムの準備を整えるe2fsckxfs_repair
ファイルシステムのラベルを変更するe2labelxfs_admin -L
ディスク領域およびファイル使用量を報告するquotaquota
ファイルシステムをデバッグするdebugfsxfs_db
ファイルシステムの重要なメタデータをファイルに保存するe2imagexfs_metadump
[a] XFS ファイルシステムのサイズは縮小できません。サイズを拡大する場合にのみコマンドを使用します。

付録F データサイズ用語の参照表

表F.1 データサイズ用語の参照表

用語省略形サイズ (バイト単位)
バイナリー (バイト)  
キビバイトKiB1024
メビバイトMiB10242
ギビバイトGiB10243
テビバイトTiB10244
ペビバイトPiB10245
エクスビバイトEiB10246
ゼビバイトZiB10247
ヨビバイトYiB10248
十進法 (バイト)  
キロバイトKB1000
メガバイトMB10002
ギガバイトGB10003
テラバイトTB10004
ペタバイトPB10005
エクサバイトEB10006
ゼタバイトZB10007
ヨタバイトYB10008
十進法 (ビット)  
キロビットKb125
メガビットMb125,000
ギガビットGb125,000,000

付録G 改訂履歴

改訂履歴
改訂 1.4-2.5Tue Mar 6 2018Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-2 と同期
改訂 1.4-2.4Thu Mar 1 2018Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-2 と同期
改訂 1.4-2.3Thu Mar 1 2018Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-2 と同期
改訂 1.4-2.2Thu Mar 1 2018Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-2 と同期
改訂 1.4-2.1Thu Jan 11 2018Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-2 と同期
改訂 1.4-2Thu Nov 23 2017Petr Bokoč
非同期のアップデート。
改訂 1.4-1Fri Oct 13 2017Petr Bokoč
非同期のアップデート。
改訂 1.4-0.1Sun Sep 24 2017Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 1.4-0 と同期
改訂 1.4-0Tue Aug 1 2017Petr Bokoč
7.4 GA公開用ドキュメントの準備
改訂 1.3-9Mon May 15 2017Petr Bokoč
7.4 ベータ公開用ドキュメントの準備
改訂 1.3-8Tue Apr 4 2017Petr Bokoč
非同期のアップデート。
改訂 1.3-7Sun Nov 6 2016Robert Kratky
7.3 GA 公開用バージョン
改訂 1.3-4Mon Nov 16 2015Petr Bokoč
7.2 GA 公開用バージョン
改訂 1.2-2Wed Feb 18 2015Petr Bokoč
7.1 GA 公開用バージョン
改訂 1.0-0Tue Jun 03 2014Petr Bokoč
7.0 GA 公開用バージョン

索引

シンボル

/boot パーティション
推奨のパーティション設定, 推奨されるパーティション設定スキーム, 推奨されるパーティション設定スキーム
/var/ パーティション
推奨のパーティション設定, 推奨されるパーティション設定スキーム, 推奨されるパーティション設定スキーム
アップグレード
Preupgrade Assistant を使用する, 現在のシステムのアップグレード
Red Hat Enterprise Linux 6 からの, 現在のシステムのアップグレード
Red Hat Upgrade を使用する, 現在のシステムのアップグレード
アレイ (参照 RAID)
アンインストール
IBM System z から, IBM System z から Red Hat Enterprise Linux を削除する
アンインストールする
x86_64 ベースのシステムから, AMD64 および Intel 64 システムから Red Hat Enterprise Linux を削除する
インストール
GRUB2, ブートローダーのインストール, ブートローダーのインストール
VNC の使用, VNC を使用したインストール
キックスタート (参照 キックスタートを使ったインストール)
テキストモード, ブートメニューでインストールシステムを設定する
ディスク領域, ディスク領域およびメモリーに関する要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件
パーティション設定, 手動パーティション設定, 手動パーティション設定, 手動パーティション設定
プログラム
起動, インストールプログラムの起動
メモリー要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件
インストールプラン
System z, プレインストール
インストールプログラム
AMD64 および Intel 64
起動, AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する
インストールプログラムの起動
IBM Power Systems, IBM Power Systems でのインストールの起動
インストールプログラムレスキューモード
利用可能なユーティリティー, Anaconda のレスキューモード
定義, Anaconda のレスキューモード
インストールメディア
ダウンロード, Red Hat Enterprise Linux のダウンロード
インストールログファイル
anaconda.packaging.log , 設定のメニューと進捗状況の画面, 設定のメニューと進捗状況の画面, 設定のメニューと進捗状況の画面
カスタムイメージ
作成, ディスクイメージへのインストール
キックスタート
System z パラメーターファイルのパラメーター, キックスタートを使ったインストールのパラメーター
サブスクリプション, インストール後のスクリプト
ファイルの検索方法, キックスタートを使ったインストールを開始する
キックスタートを使ったインストール, キックスタートを使ったインストール
LVM, キックスタートのコマンドとオプション
インストールソース, インストールソースを準備する
ネットワークベース, インストールソースを準備する
ファイルの場所, キックスタートファイルを準備する
ファイル形式, キックスタートファイルを作成する
検証, キックスタートファイルの確認
確認, キックスタートファイルの確認
開始, キックスタートを使ったインストールを開始する
キックスタートファイル
%anaconda, Anaconda の設定
%include, キックスタートのコマンドとオプション
%post, インストール後のスクリプト
%pre, インストール前のスクリプト
anaconda の設定, Anaconda の設定
auth, キックスタートのコマンドとオプション
authconfig, キックスタートのコマンドとオプション
autopart, キックスタートのコマンドとオプション
autostep, キックスタートのコマンドとオプション
bootloader, キックスタートのコマンドとオプション
btrfs, キックスタートのコマンドとオプション
clearpart, キックスタートのコマンドとオプション
cmdline, キックスタートのコマンドとオプション
device, キックスタートのコマンドとオプション
driverdisk, キックスタートのコマンドとオプション
eula, キックスタートのコマンドとオプション
fcoe, キックスタートのコマンドとオプション
firewall, キックスタートのコマンドとオプション
firstboot, キックスタートのコマンドとオプション
graphical, キックスタートのコマンドとオプション
group, キックスタートのコマンドとオプション
halt, キックスタートのコマンドとオプション
ignoredisk, キックスタートのコマンドとオプション
install, キックスタートのコマンドとオプション
iscsi, キックスタートのコマンドとオプション
iscsiname, キックスタートのコマンドとオプション
kdump, キックスタートのコマンドとオプション
keyboard, キックスタートのコマンドとオプション
lang, キックスタートのコマンドとオプション
logging, キックスタートのコマンドとオプション
logvol, キックスタートのコマンドとオプション
mediacheck, キックスタートのコマンドとオプション
network, キックスタートのコマンドとオプション
org_fedora_oscap, キックスタートのコマンドとオプション
part, キックスタートのコマンドとオプション
partition, キックスタートのコマンドとオプション
poweroff, キックスタートのコマンドとオプション
pwpolicy, キックスタートのコマンドとオプション
raid , キックスタートのコマンドとオプション
realm, キックスタートのコマンドとオプション
reboot, キックスタートのコマンドとオプション
rescue, キックスタートのコマンドとオプション
rootpw, キックスタートのコマンドとオプション
selinux, キックスタートのコマンドとオプション
services , キックスタートのコマンドとオプション
shutdown, キックスタートのコマンドとオプション
skipx, キックスタートのコマンドとオプション
sshpw, キックスタートのコマンドとオプション
text, キックスタートのコマンドとオプション
timezone, キックスタートのコマンドとオプション
unsupported_hardware, キックスタートのコマンドとオプション
user, キックスタートのコマンドとオプション
vnc, キックスタートのコマンドとオプション
volgroup, キックスタートのコマンドとオプション
xconfig, キックスタートのコマンドとオプション
zerombr, キックスタートのコマンドとオプション
zfcp, キックスタートのコマンドとオプション
その外観, キックスタートファイルを作成する
の形式, キックスタートファイルを作成する
インストールソース, キックスタートのコマンドとオプション
インストール前の設定, インストール前のスクリプト
インストール後の設定, インストール後のスクリプト
インストール方法, キックスタートのコマンドとオプション
オプション, キックスタートのコマンドとオプション
パーティション設定の例, 高度なパーティションの例
ユーザー入力, ユーザー入力の例
パッケージ選択の仕様, パッケージの選択
リポジトリー設定, キックスタートのコマンドとオプション
作成, キックスタートのコマンドとオプション
別のファイルのコンテンツを含める, キックスタートのコマンドとオプション
別途ワークベース, インストールソースを準備する
必要なパーティションを作成, キックスタートのコマンドとオプション
構文の違い, キックスタート構文の違い
キーボード
設定, キーボードの設定, キーボードの設定, キーボードの設定
キーマップ
キーボードタイプの選択, キーボードの設定, キーボードの設定, キーボードの設定
言語の選択, 「ようこそ」の画面と言語設定, 「ようこそ」の画面と言語設定, 「ようこそ」の画面と言語設定
クロック, 日付と時刻, 日付と時刻, 日付と時刻
サブスクリプション
インストール後, サブスクリプションマネージャー
キックスタートの使用, インストール後のスクリプト
初期設定, サブスクリプションマネージャー
サブスクリプションサービス, Red Hat Subscription Management からの登録解除
システムの復元, 基本的なシステムの復元
一般的な問題, 一般的な問題
Red Hat Enterprise Linux を起動できない場合, Red Hat Enterprise Linux を起動できない。
sosreport, sosreport のキャプチャー
ハードウェアおよびソフトウェアの問題, ハードウェアおよびソフトウェアの問題
ブートローダーの再インストール, ブートローダーの再インストール
ステップ
IBM Power Systems サーバーのハードウェアの準備, IBM Power Systems サーバーの準備
ディスク領域, ディスク領域およびメモリーに関する要件
ストレージデバイス
基本的ストレージデバイス, ストレージデバイス, ストレージデバイス, ストレージデバイス
特殊化したストレージデバイス, ストレージデバイス, ストレージデバイス, ストレージデバイス
タイムゾーン
設定, 日付と時刻, 日付と時刻, 日付と時刻
チェーンロードする, ストレージデバイス選択の画面, ストレージデバイス選択の画面
テキストモード
インストール, ブートメニューでインストールシステムを設定する
ディスクパーティショナ
パーティションの追加
ボリュームの追加, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定
ディスクパーティション設定, インストール先, インストール先, インストール先
ディスク領域, ディスク領域およびメモリーに関する要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件
トラブルシューティング
AMD64 および Intel 64, AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング
GNOME または KDE で起動する
AMD64 および Intel 64, グラフィカル環境で起動する
IBM Power Systems, グラフィカル環境で起動する
GRUB2
next_entry, GRUB2 の next_entry 変数が仮想化環境で予期しない動作をすることがある
GUI によるインストール方法が使用できない
AMD64 および Intel 64, グラフィカルインストールの起動に関連する問題
GUI インストール方法が利用不可能
BM Power Systems, グラフィカルインストールの起動に関連する問題
IBM Power Systems, IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング
IBM System z, IBM System z でのインストールに関するトラブルシューティング
IPL NWSSTG
IBM Power Systems, ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から起動 (IPL) できない
RAM が認識されない
AMD64 および Intel 64, RAM が認識されない
Signal 11 エラー
AMD64 および Intel 64, Signal 11 エラーが表示される
signal 11 エラー
IBM Power Systems, Signal 11 エラーが表示される
IBM System z, Signal 11 エラーが表示される
X (X Window System)
AMD64 および Intel 64, グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない
IBM Power Systems, グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない
X Window System で起動する
AMD64 および Intel 64, グラフィカル環境で起動する
IBM Power Systems, グラフィカル環境で起動する
X サーバーがクラッシュする
AMD64 および Intel 64, ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする
IBM Power Systems, ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする
インストール中
AMD64 および Intel 64, インストール中の問題
IBM Power Systems, インストール中の問題
IBM System z, インストール中の問題
インストール後
AMD64 および Intel 64, インストール後の問題
IBM Power Systems, インストール後の問題
IBM System z, インストール後の問題, リモートグラフィカルデスクトップと XDMCP
インストール開始時
AMD64 および Intel 64, インストール開始時の問題
IBM Power Systems, インストール開始時の問題
グラフィカルな起動
AMD64 および Intel 64, グラフィカルな起動シーケンスに関する問題
IBM Power Systems, グラフィカルな起動シーケンスに関する問題
グラフィカル環境で起動する
AMD64 および Intel 64, グラフィカル環境で起動する
IBM Power Systems, グラフィカル環境で起動する
コンソールが利用不可能
IBM Power Systems, シリアルコンソールが検出されない
コンソールが検出されない
AMD64 および Intel 64, シリアルコンソールが検出されない
ディスクが検出されない
AMD64 および Intel 64, ディスクが検出されない
IBM Power Systems, ディスクが検出されない
IBM System z, ディスクが検出されない
パーティション完了
IBM Power Systems, IBM Power Systems ユーザー向けのパーティション作成に関するその他の問題
リムーバブルメディアがない場合のトレースバックメッセージの保存
AMD64 および Intel 64, トレースバックメッセージを報告する
IBM Power Systems, トレースバックメッセージを報告する
IBM System z, トレースバックメッセージを報告する
リモートデスクトップ
IBM System z, リモートグラフィカルデスクトップと XDMCP
起動
RAID カード, RAID カードから起動できない
トレースバックメッセージ
リムーバブルメディアがない場合のトレースバックメッセージの保存
AMD64 および Intel 64, トレースバックメッセージを報告する
IBM Power Systems, トレースバックメッセージを報告する
IBM System z, トレースバックメッセージを報告する
ネットワークブートのインストール
概要, ネットワークからのインストールの準備
ネットワーク起動のインストール
設定, ネットワークブートサービスの設定
ハードウェア
サポート, インストール先として対応しているターゲット, 対応しているインストールターゲット
互換性, ハードウェアの互換性について, ハードウェアの互換性について
設定, システム仕様一覧, システム仕様一覧
ハードウェアの準備、IBM Power Systems サーバー, IBM Power Systems サーバーの準備
ハードディスク
そのパーティション設定, ディスクパーティションの概要
パーティションのタイプ, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする
パーティション入門, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする
ファイルシステムの形式, ファイルシステム
基本概念, ハードディスクの基本概念
拡張パーティション, パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要
パスワード
root の設定, Root パスワードの設定, Root パスワードの設定, Root パスワードの設定
パッケージ
インストール, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択
グループ, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択
選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択
選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択
パッケージのインストール, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択
パラメーターファイル, IBM System z でのパラメーターと設定ファイル
インストール用ネットワークパラメーター, インストール用ネットワークパラメーター
キックスタートパラメーター, キックスタートを使ったインストールのパラメーター
パラメーターファイルの例, パラメーターファイルと CMS 設定ファイルの例
必須パラメーター, 必須パラメーター
パーティション
マウントポイントと, ディスクパーティションとマウントポイント
拡張, パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要
パーティションの追加
ファイルシステムのタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ
ボリュームの追加, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定
パーティション設定, 手動パーティション設定, 手動パーティション設定, 手動パーティション設定
その入門, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする
パーティションのタイプ, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする
パーティションの命名, パーティションの命名スキーム
パーティションの数, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする, パーティションの数
パーティションの番号付け, パーティションの命名スキーム
パーティションの追加
ファイルシステムのタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ
パーティション用に空き領域を作成, ディスクのパーティション再設定に関する戦略
プライマリーパーティション, パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする
使用中のパーティションを使用, 使用中のパーティションの空き領域を使用する
基本概念, ディスクパーティションの概要
拡張パーティション, パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要
推奨, 推奨されるパーティション設定スキーム, 推奨されるパーティション設定スキーム
新規の作成, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定, ファイルシステムの追加とパーティションの設定
ファイルシステムのタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ
未使用パーティションを使用, 未使用のパーティションの領域を使用する
破壊的, 使用中のパーティションの空き領域を使用する
空き領域の使用, パーティションが未設定の空き領域を使用する
自動, インストール先, インストール先, インストール先
非破壊的, 使用中のパーティションの空き領域を使用する
ファイアウォール
ドキュメント, その他のテクニカルドキュメント
ファイルシステム
形式、その概要, ファイルシステム
ファイルシステムのタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ, ファイルシステムタイプ
ブート
レスキューモード, Anaconda のレスキューモード
ブートメニュー
オプション, 起動オプション
ブートローダー, ブートローダーのインストール, ブートローダーのインストール
GRUB2, ブートローダーのインストール, ブートローダーのインストール
インストール, ブートローダーのインストール, ブートローダーのインストール
ホスト名, ネットワークとホスト名, ネットワークとホスト名, ネットワークとホスト名
マウントポイント
パーティションと, ディスクパーティションとマウントポイント
マスターブートレコード, ブートローダーのインストール, ブートローダーのインストール, Red Hat Enterprise Linux を起動できない。
再インストール, ブートローダーの再インストール
マルチパスデバイス
非マルチパスデバイスとの混在, インストール先
メモリー
最低要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件, ディスク領域およびメモリーに関する要件
メモリーテストモード, メモリー (RAM) テストモードを読み込む
ライブイメージ
作成, ディスクイメージへのインストール
リモートインストール
VNC の使用, VNC を使用したインストール
レスキューモード, レスキューモードでコンピューターを起動する
インストールプログラムの使用, Anaconda のレスキューモード
ログファイル
AMD64 および Intel 64, AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング
IBM Power Systems, IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング
IBM System z, IBM System z でのインストールに関するトラブルシューティング
キックスタートを使ったインストール, キックスタートを使ったインストールとは
仮想化
ドキュメント, その他のテクニカルドキュメント
初期設定
サブスクリプション, サブスクリプションマネージャー
削除する
Red Hat Enterprise Linux
IBM System z から, IBM System z から Red Hat Enterprise Linux を削除する
x86_64-ベースのシステムから, AMD64 および Intel 64 システムから Red Hat Enterprise Linux を削除する
手順
CD-ROM または DVD を使って起動する, インストーラーの起動方法を選択する, インストーラーの起動方法を選択する
ディスク領域, ディスク領域およびメモリーに関する要件
ハードウェアの互換性, ハードウェアの互換性について, ハードウェアの互換性について
対応しているハードウェア, インストール先として対応しているターゲット, 対応しているインストールターゲット
拡張パーティション, パーティションの中のパーティション - 拡張パーティションの概要
登録
キックスタートの使用, インストール後のスクリプト
初期設定, サブスクリプションマネージャー
登録解除, Red Hat Subscription Management からの登録解除
自動パーティション設定, インストール先, インストール先, インストール先
言語
設定, 「ようこそ」の画面と言語設定, 言語サポート, 「ようこそ」の画面と言語設定, 言語サポート, 「ようこそ」の画面と言語設定, 言語サポート
設定
タイムゾーン, 日付と時刻, 日付と時刻, 日付と時刻
ハードウェア, システム仕様一覧, システム仕様一覧
時刻, 日付と時刻, 日付と時刻, 日付と時刻
設定ファイル
CMS 設定ファイル, IBM System z でのパラメーターと設定ファイル
z/VM 設定ファイル, z/VM 設定ファイル
起動
インストール, インストールプログラムの起動
インストールプログラム
AMD64 および Intel 64, AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する
起動オプション, 起動オプション
gpt, ブートメニューでインストールシステムを設定する
GUID パーティションテーブル, ブートメニューでインストールシステムを設定する
kexec, ブートメニューでインストールシステムを設定する
multilib, ブートメニューでインストールシステムを設定する
selinux, ブートメニューでインストールシステムを設定する
VNC, ブートメニューでインストールシステムを設定する
zram, ブートメニューでインストールシステムを設定する
zRAM, ブートメニューでインストールシステムを設定する
インストールソース, ブートメニューでインストールシステムを設定する
インストールプログラムランタイムイメージ, ブートメニューでインストールシステムを設定する
コンソール, ブートメニューでインストールシステムを設定する
テキストモード, ブートメニューでインストールシステムを設定する
ディスクデバイス名, ブートメニューでインストールシステムを設定する
デバッグ, ブートメニューでインストールシステムを設定する
トラブルシューティング, ブートメニューでインストールシステムを設定する
ドライバーの更新, ブートメニューでインストールシステムを設定する
ネットワーク, ブートメニューでインストールシステムを設定する
メディアの検証, 起動用メディアを検証する
メモリーテストモード, メモリー (RAM) テストモードを読み込む
リモートアクセス, ブートメニューでインストールシステムを設定する
レスキューモード, レスキューモードでコンピューターを起動する
ログ記録, ブートメニューでインストールシステムを設定する
選択
パッケージ, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択, ソフトウェアの選択

M

multilib
インストール中に有効にする, ブートメニューでインストールシステムを設定する

N

NTP (ネットワーク時刻プロトコル), 日付と時刻, 日付と時刻, 日付と時刻

R

RAID
RAID カードに接続しているドライブから起動できない
AMD64 および Intel 64, RAID カードから起動できない
キックスタートを使ったインストール, キックスタートのコマンドとオプション
ソフトウェア, RAID と他のディスクデバイス, RAID と他のディスクデバイス
ハードウェア, RAID と他のディスクデバイス, RAID と他のディスクデバイス
root / パーティション
推奨のパーティション設定, 推奨されるパーティション設定スキーム, 推奨されるパーティション設定スキーム
root パスワード, Root パスワードの設定, Root パスワードの設定, Root パスワードの設定