インストールガイド

Red Hat Enterprise Linux 7

全アーキテクチャーでの Red Hat Enterprise Linux 7 と Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール

Red Hat Customer Content Services

Petr Bokoč

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Clayton Spicer

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Tomáš Čapek

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Zac Dover

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概要

本ガイドでは、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラム (Anaconda) の起動方法、および AMD64 および Intel 64 のシステム、64 ビットの IBM Power Systems サーバー、IBM System z などでの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール方法について解説しています。また、キックスタートインストール、PXE インストール、VNC 経由のインストールなど高度なインストール方法についても触れています。後半では、インストール後に行う一般的な作業やインストール関連のトラブルシューティングについて説明しています。
また、Anaconda を使用して Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を AMD64 および Intel 64 システムにインストールする方法と、このシステムでの高度インストール方法についての考慮点も説明されています。付録では、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を Red Hat Enterprise Virtualization、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform、Microsoft Hyper-V、VMware、Google Compute Engine (GCE) および Amazon Web Services (AWS) といった異なる環境にインストールする方法についても解説しています。

第1章 Red Hat Enterprise Linux のダウンロード

Red Hat サブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Enterprise Linux 7 インストール DVD の ISO イメージファイル をダウンロードすることができます。サブスクリプションをお持ちでない方は、サブスクリプションをご購入頂くか https://access.redhat.com/downloads/ の「ソフトウェアおよびダウンロードセンター」で無料の評価版サブスクリプションを入手してください。
AMD64、Intel 64 (x86_64) および IBM Power Systems (ppc64) のアーキテクチャーで使用できるインストールメディアのベーシックタイプは 2 種類あります。
バイナリー DVD
完全インストール用イメージです。インストールプログラムを起動して、全インストール工程を実施することができるイメージです。パッケージ用のリポジトリーを別途に用意する必要はありません。
boot.iso
最小限の起動用イメージです。インストールプログラムを起動することはできますが、インストールするソフトウェアを収納しているパッケージレポジトリーにアクセスする必要があります。Red Hat ではこのようなリポジトリーは提供しておらず、完全インストール ISO イメージを使用して作成する必要があります。
補助 DVD
IBM Java ランタイム環境や追加の仮想化ドライバーなどの追加パッケージが含まれるイメージ。

注記

バイナリー DVD は IBM System z でもご利用頂くことができます。SCSI DVD ドライブを使ってインストールプログラムを起動する場合に使用できます。また、インストールソースとして使用することもできます。
以下の表では、 起動用とインストール用それぞれのメディアの作成に必要なイメージファイルをアーキテクチャーごとに示します。

表1.1 起動用とインストール用のメディア

アーキテクチャー最小限の起動用イメージ完全インストール用イメージ
上記の variant の部分は Red Hat Enterprise Linux の種類に置き換えてください (serverworkstation など)。
AMD64 および Intel 64rhel-variant-7.3-x86_64-boot.isorhel-variant-7.3-x86_64-dvd.iso
IBM Power Systems (ビッグエンディアン)rhel-variant-7.3-ppc64-boot.isorhel-variant-7.3-ppc64-dvd.iso
IBM Power Systems (リトルエンディアン)rhel-variant-7.3-ppc64le-boot.isorhel-variant-7.3-ppc64le-dvd.iso
IBM System zなしrhel-variant-7.3-s390x-dvd.iso
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host には以下の異なるインストールイメージが提供されます。
Red Hat Atomic クラウドイメージ
この .qcow2 イメージを使って Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 仮想マシンを互換性のある Linux ホストにインストールできます。インストールの手順については、「qcow2 メデイアを使用した Linux ハイパーバイザーのインストール」 を参照してください。
RHEV 向け Red Hat Atomic イメージ
この .ova (Open Virtualization Appliance) イメージを使用すると、Red Hat Enterprise Virtualization または Red Hat Enterprise Linux OpenStack プラットフォーム環境で Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を仮想マシンとして迅速にデプロイできます。本イメージ固有の指示については、「Red Hat Enterprise Virtualization 環境での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 または 「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 を参照してください。
vSphere 向け Red Hat Atomic イメージ
この .ova イメージを使用すると、VMware vSphere クライアントを使用して Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を仮想マシンとしてデプロイできます。手順については、「VMware での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 を参照してください。
Microsoft Hyper-V 向け Red Hat Atomic イメージ
この .vhd イメージを使用すると、Microsoft Hyper-V ハイパーバイザーを使用して Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を仮想マシンとしてデプロイできます。手順については、「Microsoft Hyper-V 環境 での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 を参照してください。
Red Hat Atomic インストーラー
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のベアメタルもしくは仮想化インスタンスを Anaconda インストーラーを使用して手動でインストールまたは設定済みキックスタートファイルを使用して自動でインストールする際に使用できる ISO イメージです。インストールプロセスは、本ガイドに記載の Red Hat Enterprise Linux 7 インストールとまったく同じになります。インストーラー ISO イメージを起動可能な CD、DVD もしくは USB フラッシュドライブにする方法については、2章メディアの作成 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host をデプロイしたら、Red Hat が提供するコンテナープラットフォームイメージのいずれかを使用して Docker を開始することができます。プラットフォームイメージは、Red Hat カスタマーポータル から入手できます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 7 と Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のイメージは、クラウドプラットフォームである Amazon Web Services (AWS) および Google Compute Engine (GCE) でも利用可能です。これらのイメージは Amazon および Google の各サービス内から入手でき、Red  Hat からダウンロードする必要はありません。詳細情報は、「Amazon Web Services での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 および 「Google Compute Engine での Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の使用」 を参照してください。
サブスクリプションまたは評価版サブスクリプションをお持ちの場合は、次のステップに従い Red Hat Enterprise Linux 7 ISO イメージファイルを取得してください。

手順1.1 Red Hat Enterprise Linux ISO イメージのダウンロード

  1. カスタマーポータル https://access.redhat.com/home に行きます。ログインしていない場合はページ右側の ログイン をクリックします。プロンプトに従いアカウント認証情報を入力します。
  2. ページ上部の ダウンロード をクリックします。
  3. Red Hat Enterprise Linux をクリックします。
  4. Product VariantArchitecture がそれぞれ適切な選択になっているか確認します。デフォルトでは Red Hat Enterprise Linux Serverx86_64 が選択されます。どれを選択してよいのかわからない場合は http://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux を参照してください。また、各バリアントで利用可能なパッケージ一覧は、Red Hat Enterprise Linux 7 パッケージマニフェスト で確認できます。
  5. 利用可能なダウンロード一覧が表示されます。特に、最小限のブート ISOイメージと完全インストール用 バイナリー DVD ISO イメージが表示されます。これが上記で説明したメディアです。事前設定済みの仮想マシンイメージなど、これ以外のイメージが表示される場合もあります。これについては本ガイドの対象外になります。
  6. 使用するイメージファイルを選択します。カスタマーポータルからダウンロードする方法は、2 通りあります。
    • web ブラウザを使ってイメージ名をクリックしコンピューターにそのイメージをダウンロードします。
    • イメージ名を右クリックして リンクの URL をコピー などのメニューアイテムをクリックします (メニューアイテムの表示はブラウザによって異なる)。ファイルの URL がクリップボードにコピーされ、別のアプリケーションを使ってファイルをコンピューターにダウンロードすることができるようになります。インターネット接続が不安定な場合にはこの方法が役に立ちます (接続不安定のため中断されブラウザでファイル全体をダウンロードできず、またダウンロードリンクに含まれている認証キーの有効期間が短いため中断されたダウンロードプロセスの再開試行が失敗してしまうような場合)。curl などの特殊アプリケーションを使用するとカスタマーポータルからのダウンロードなど中断されたプロセスを再開することができます。つまり、ファイル全体を再度ダウンロードする必要がなく時間や回線容量を節約することができます。

      手順1.2 curl を使ってインストールメディアをダウンロードする

      1. 次のコマンドを root で実行し curl パッケージを必ずインストールしてください。
        # yum install curl
        ご使用の Linux ディストリビューションでは yum を使用していない、または Linux 自体をまったく使用していないなどの場合は curl web site で最適となるソフトウェアパッケージをダウンロードしてください。
      2. ターミナルウィンドウを開きダウンロード先となるディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力します。
        $ curl -o filename.iso 'copied_link_location'
        filename.iso には rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso などカスタマーポータルで表示される ISO イメージの名前を入力します。カスタマーポータル内のダウンロードリンクには curl でダウンロードしたファイル名にも使用する追加文字が含まれているため入力には注意してください。次のパラメーターの単一引用符は付けたまま copied_link_location にはカスタマーポータルからコピーしたリンクを入力します。Linux ではウィンドウ内で中央ボタンをクリックするか、Shift+Insert を押すとクリップボードの内容をターミナルウィンドウに貼り付けることができます。Enter を押してコマンドを実行、ISO イメージの転送を開始します。単一引用符を使用するのはダウンロードリンクに特殊な文字が含まれていた場合などにコマンドが誤解釈をしないよう防ぐためです。

        例1.1 curl で ISO イメージをダウンロードする

        curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...7bf'
        実際のダウンロードリンクには複雑な識別子が含まれるため非常に長い記述になる点に注意してください。
      3. 転送が完了する前にインターネット接続が中断された場合はカスタマーポータル内のダウンロードページを更新し、必要であればログインし直します。新しいダウンロードリンクをコピー、先ほどと同じ curl コマンドラインパラメーターに新しいダウンロードリンクを使用します。-C - を追加して既にダウンロードしたファイルのサイズに応じて継続するポイントを自動的に確定するよう curl に指示します。

        例1.2 中断されたダウンロードを再開する

        選択した ISO イメージが一部しかダウンロードされていない場合に使用する curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...963' -C -
  7. オプションで sha256sum などのチェックサムを使用し、ダウンロード完了後にイメージファイルの整合性を検証することもできます。ダウンロード Red Hat Enterprise Linux のページのダウンロードはすべてチェックサム付きで提供されています。
    $ sha256sum rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    85a...46c rhel-server-7.0-x86_64-dvd.iso
    Microsoft WindowsMac OS X 向けにも同様のツールがあります。また、インストールの開始時にインストールプログラムを使用してメディアの検証を行うこともできます。詳細は 「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
カスタマーポータルから ISO イメージファイルをダウンロードすると、以下が可能になります。

第2章 メディアの作成

本章では、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード の手順に従って入手した ISO イメージファイルを使って、DVD や USB フラッシュドライブなどの起動可能な物理メディアを作成する方法について解説しています。メディアの作成後、そのメディアを使ってインストールプログラムを起動し、インストールを開始します。このような物理的な起動用メディアを使用するインストール手順は、AMD64 システム、Intel 64 システム、または IBM Power Systems サーバーへの Red Hat Enterprise Linux のインストールに限られます。IBM System z サーバーへのインストールについては、14章IBM System z でのインストールの起動 をご覧ください。Preboot Execution Environment (PXE) サーバーを設定して PXE ベースのインストールを行う方法については、21章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

注記

デフォルトでは、 inst.stage2= ブートオプションがインストールメデイアで使用され、特定のラベル (たとえば inst.stage2=hd:LABEL=RHEL7\x20Server.x86_64) に設定されます。ランタイムイメージを含むファイルシステムのデフォルトラベルを修正するか、インストールシステムの起動にカスタマイズした手順を使用する場合は、このオプションを正しい値に設定する必要があります。詳細は インストールソースの指定 を参照してください。

2.1. インストール CD または DVD の作成

インストール CD または DVD の作成は、ご使用のコンピューター上にあるディスク書き込みソフトウェアや CD/DVD バーナーを使用して行います。ISO イメージファイルから光学ディスクを作成する手順は、インストールしているオペレーティングシステムやディスク書き込みソフトウェアの種類などによりコンピューターごと大きく異なります。ISO イメージファイルの CD または DVD への書き込み方についての詳しい手順は各ソフトウェアのドキュメントを参照してください。

注記

最小限の起動用メディアと完全インストール用のメディアは、いずれも光学ディスク (CD および DVD) を使用して作成することができます。ただし、完全インストール用の ISO イメージはサイズが非常に大きいため (4 GB から 4.5 GB)、DVD のみが使用可能となります。最小限の起動用 ISO の場合、サイズはほぼ 300 MB になるため、CD または DVD のいずれかに書き込むことができます。
まず搭載されているディスク書き込みソフトウェアでイメージファイルをディスクに書き込みことができるかどうか確認してください。ほとんどのソフトウェアで行うことができるはずですが、例外となるソフトウェアも存在します。特に、Windows XP と Windows Vista に搭載されているディスク書き込み機能では DVD への書き込みはできません。また、Windows XP および Windows Vista より旧式の Windows オペレーティングシステムの場合はディスクへの書き込みを行うような機能がデフォルトでは搭載されていません。つまり、Windows 7 より旧式の Windows オペレーティングシステムをインストールしている場合にはディスクへの書き込みを行うためのソフトウェアが別途必要になります。Nero Burning ROMRoxio Creator などの書き込みソフトウェアは Windows 対応で一般的なソフトウェアになるため、お使いのコンピューターにすでにインストールされている場合もあります。Linux 対応として最も広範囲に使用されているディスク書き込みソフトウェアの BraseroK3b にも ISO イメージファイルをディスクに書き込むことができる機能が搭載されています。
一部のコンピューターでは、ISO ファイルからのディスク書き込み機能がファイルブラウザ内のコンテキストメニューに一体化されていることがあります。たとえば、GNOME デスクトップを稼働している Linux または UNIX オペレーティングシステムのコンピューターで ISO ファイルを右クリックすると、Nautilus ファイルブラウザで 書き込む オプションが表示されます。

2.2. インストール USB の作成

CD や DVD ではなく、USB ドライブで起動可能なメディアを作成し、AMD64 システムや Intel 64 システムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすることができます。Linux システム上で作成するのか Windows システム上で作成するのかにより、作成手順が異なります。最小限の起動用メディア、完全インストール用のメディアはいずれも同じ手順で作成できます。USB ドライブを使用する場合はその容量に注意してください。イメージ全体を収納できる十分な容量、つまり最小限の起動用メディアなら大体 350 MB、完全インストール用のメディアなら 4.5 GB の容量の USB ドライブが必要になります。

2.2.1. Linux でインストール USB を作成する

次の手順では、Linux システムを使用していること、また 1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード で説明されているように適切な ISO イメージをすでにダウンロードしていることを前提としています。ほとんどの Linux ディストリビューションでは、特に追加のパッケージをインストールしなくても記載の手順で正しく動作します。

警告

この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて破棄されます。警告は発せられません。このため、正しいドライブを指定していること、またドライブに保存の必要があるデータが含まれていないことを必ず確認しておいてください。
Linux ディストリビューションの多くで USB メディアを作成するための独自ツールが提供されています。Fedora なら liveusb-creator、Ubuntu なら usb-creator などです。こうしたツールの説明については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ここでは説明していません。次の手順に従うと、ほとんどの Linux システムで USB メディアを作成することができます。

手順2.1 Linux で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  2. root でログインします。
    $ su -
    プロンプトに従い root パスワードを入力します。
  3. デバイスがマウントされていないことを確認します。まず、findmnt device コマンドと前の手順でメモしておいたデバイス名を使います。デバイス名が sdb なら、コマンドは次のようになります。
    # findmnt /dev/sdb
    コマンドから何も出力されなければ次の手順に進むことができます。何らかの出力がある場合は、デバイスが自動的にマウントされたことを示しているため、次に進む前にそのデバイスをアンマウントしておく必要があります。出力の例を示します。
    # findmnt /dev/sdb
    TARGET   SOURCE   FSTYPE  OPTIONS
    /mnt/iso /dev/sdb iso9660 ro,relatime
    
    TARGET のコラムをメモしておきます。次に umount target コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。
    # umount /mnt/iso
  4. dd コマンドを使ってインストール用の ISO イメージを 直接 USB デバイスに書き込みます。
    # dd if=/path/to/image.iso of=/dev/device bs=blocksize
    /path/to/image.iso にはダウンロードした ISO イメージファイルの完全パスを入れてください。device には前の手順の dmesg コマンドで確認したデバイス名を入れます。 blocksize には書き込みのプロセスが迅速に行われるよう適当なブロックサイズを入力します (512k など)。bs パラメーターはオプションですが、このオプションを使用するとプロセス速度を大幅に向上させることができます。

    重要

    デバイス名には、デバイスのパーティション名 (/dev/sda1) ではなく、コマンドからの出力を指定してください (/dev/sda など)。
    たとえば、ISO イメージが /home/testuser/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が sdb の場合、コマンドは次のようになります。
    # dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso of=/dev/sdb bs=512k
  5. dd によるデバイスへのイメージ書き込みが終了するまで少し時間がかかります。進捗バーは表示されないので注意してください。# プロンプトが再表示されたらデータ転送は完了です。プロンプトの表示後、root アカウントからログアウトし USB ドライブを取り外します。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

2.2.2. Windows で USB インストールメディアを作成する

Windows で起動可能な USB メディアを作成する手順は使用するツールによって異なります。ISO イメージを USBドライブに書き込むことができるユーティリティーは数多くあります。Red Hat では Fedora LiveUSB Creator の使用をお勧めしています。https://fedorahosted.org/liveusb-creator/ よりダウンロードが可能です。

重要

Windows の Explorer または同様のファイルマネージャーを使った USB ドライブへの ISO イメージファイルの転送は正しく動作しないため、そのデバイスからの起動は行えません。

手順2.2 Windows で USB メディアを作成する

  1. Fedora LiveUSB Creator をダウンロードしてインストールします。
  2. メディアの作成に使用する Red Hat Enterprise Linux ISO イメージをダウンロードします。(ISO イメージの入手方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。)
  3. 起動可能なメディアの作成に使用する USB ドライブを挿入します。
  4. Fedora LiveUSB Creator を開きます。
  5. メインウィンドウ内で Browse ボタンをクリックして、ダウンロードした Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
  6. Target Device ドロップダウンメニューから使用するドライブを選択します。一覧にデバイスが表示されない場合はメニューの右側にあるリフレッシュボタンをクリックしてからやり直してみてください。
  7. Create Live USB をクリックします。起動用メディア作成プロセスが開始されます。ウィンドウ下部にあるメッセージボックスに Complete! のメッセージが表示されるまでドライブは抜き取らないでください。ドライブの書き込み速度、USB 仕様バージョン、使用している ISO イメージのサイズなどによりプロセスの完了までに最長 15 分ほどかかります。
    Fedora LiveUSB Creator

    図2.1 Fedora LiveUSB Creator

  8. 作成プロセスが完了し Complete! のメッセージが表示されたら、システムの通知エリアにある ハードウェアの安全な取り出し アイコンを使って USB ドライブをアンマウントします。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

2.2.3. Mac OS X で USB インストールメディアを作成する

この手順では、dd コマンドラインツールを使用してインストールイメージを USB フラッシュドライブに書き込みます。

警告

この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて削除されます。

手順2.3 Mac OS X で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに接続し、diskutil list コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスは /dev/disknumber という形式で、number はディスク番号になります。ディスクはゼロ (0) から番号が付けられます。デバイス 0 は通常、OS X リカバリーディスクになり、ディスク 1 はご自分のメインの OS X インストールになります。以下の例では、USB フラッシュドライブは disk2 になります。
    $ diskutil list
    /dev/disk0
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:      GUID_partition_scheme                        *500.3 GB   disk0
       1:                        EFI EFI                     209.7 MB   disk0s1
       2:          Apple_CoreStorage                         400.0 GB   disk0s2
       3:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s3
       4:          Apple_CoreStorage                         98.8 GB    disk0s4
       5:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s5
    /dev/disk1
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:                  Apple_HFS YosemiteHD             *399.6 GB   disk1
                                     Logical Volume on disk0s1
                                     8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2
                                     Unlocked Encrypted
    /dev/disk2
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:     FDisk_partition_scheme                        *8.0 GB     disk2
       1:               Windows_NTFS SanDisk USB             8.0 GB     disk2s1
    ご自分の USB フラッシュドライブを特定する場合、NAMETYPE および SIZE のコラムをご自分の USB フラッシュドライブのものと比較します。たとえば、NAMEFinder にあるフラッシュドライブのタイトルと同じものであるはずです。またこれらの値をフラッシュドライブの情報パネルと比べることもできます。ドライブのアイコンを右クリックして、情報を見る を選択します。
  2. diskutil unmountDisk コマンドを使用してフラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。
    $ diskutil unmountDisk /dev/disknumber
    Unmount of all volumes on disknumber was successful
    これを実行すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。消えない場合は、間違ったディスクを指定した可能性があります。間違ってシステムディスクをアンマウントしようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
  3. dd コマンドを sudo コマンドのパラメーターとして使用し、ISO イメージをフラッシュドライブにコピーします。
    $ sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/disknumber bs=1m
    /path/to/image.iso をダウンロードした ISO イメージファイルへの完全パスで、number をディスク番号で置き換えます。たとえば、ISO イメージが /Users/jdoe/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が 2 の場合、コマンドは次のようになります。
    $ sudo dd if=/Users/jdoe/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso of=/dev/disk2 bs=1m
  4. コマンドが完了するまで待機します。進捗バーは表示されませんが、端末で Ctrl+t を押すと実行中の操作の状況を確認できます。
    load: 1.02  cmd: dd 3668 uninterruptible 0.00u 1.91s
    112+0 records in
    111+0 records out
    116391936 bytes transferred in 114.834860 secs (1013559 bytes/sec)
  5. データ送信の速度は、USB ポートとフラッシュドライブの速度に依存します。プロンプトが再度表示されたら、データ転送が完了しています。これでフラッシュドライブを外すことができます。
これでフラッシュドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

2.3. インストールソースの準備

1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード で説明されているように、Red Hat Enterprise Linux には最小限の起動用イメージと完全インストール用イメージ (別名: バイナリー DVD) の 2 種類のメディアタイプがあります。バイナリー DVD をダウンロードしてから DVD-ROM または USB ドライブを作成した場合、このメディアにはシステムのインストールに必要なすべてのアイテムが含まれているため、直ちにインストールを開始することができます。
しかし、最小限の起動用イメージを使用してインストールする場合には、インストールソースを別途に設定する必要があります。最小限の起動用イメージには、システムを起動してインストールを開始するために必要なインストールプログラム自体しか含まれておらず、システムにインストールするソフトウェアパッケージは含まれていません。
このため、インストールソースとして完全インストール用の DVD ISO イメージを使用することができます。提供元がRed Hat 以外のソフトウェアを必要とする場合には、追加リポジトリーを設定して インストールの終了後 にインストールを行ってください。インストールが完了したシステムで追加の Yum リポジトリーを設定する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
インストールソースは以下のいずれでも構いません。
  • DVD: バイナリー DVD ISO イメージを DVD に書き込み、インストールプログラムにそのディスクからパッケージをインストールするよう指示することができます。
  • ハードドライブ: バイナリー DVD ISO イメージをハードドライブに配置して、そこからパッケージをインストールすることができます。
  • ネットワーク: バイナリー DVD ISO イメージまたは インストールツリー (バイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツ) をインストールするシステムからアクセスできるネットワーク上の場所にコピーし、次のプロトコルを使ってネットワーク経由でインストールすることができます。
    • NFS: バイナリー DVD ISO イメージを ネットワークファイルシステム (NFS) 共有に配置します。
    • HTTPSHTTPFTP: ネットワーク上でアクセスできる場所にインストールツリーを配置します (HTTPHTTPSFTP 経由)。
最小限の起動用メディアから起動する場合は、追加のインストールソースを常に設定しておく必要があります。完全インストール用バイナリー DVD から起動する場合は、別のインストールソースを設定することも可能ですが、必要性はありません。バイナリー DVD ISO イメージ自体にシステムのインストールに必要なパッケージがすべて収納されているため、インストールプログラムはバイナリー DVD をソースとして自動的に認識します。
インストールソースは以下のいずれかの方法で指定します。
  • インストールプログラムのグラフィカルインターフェース内で指定する: グラフィカルインストールを開始して言語を選択すると、インストールの概要 が表示されます。インストールソース 画面に移動し、設定したいソースを選択します。詳細については次を参照してください。
  • 起動オプションを使って指定する: インストールプログラムが開始する前に、カスタムの起動オプションを使って指定することができます。以下のいずれかのオプションで使用するインストールソースを指定します。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」inst.repo= オプションを参照してください。
  • キックスタートファイルを使って指定する: キックスタートファイル内で install コマンドを使ってインストールソースを指定します。install キックスタートコマンドについては 「キックスタートのコマンドとオプション」 をご覧ください。キックスタートを使ったインストール全般については 23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

2.3.1. インストールソース - DVD

バイナリーの DVD ISO イメージを DVD に書き込み、起動は別のドライブから行い (USB フラッシュドライブにある最小限の起動用 ISO で起動)、パッケージのインストールはこのディスクから行うようインストールプログラムを設定することができます。この手順は、起動可能な光学メディアを作成する手順と同じです。詳細は、「インストール CD または DVD の作成」を参照してください。
DVD をインストールソースとして使用する場合、インストールの開始時に DVD がドライブに挿入されていることを確認してください。Anaconda インストールプログラムは、インストール開始後に挿入されるメディアは検出できません。

2.3.2. インストールソース - ハードドライブ

ハードドライブのインストールではバイナリーインストール DVD の ISO イメージを使用します。ハードドライブをインストールソースとして使用する場合は、バイナリー DVD ISO イメージをドライブに転送し、そのハードドライブをインストールするシステムに接続します。このあと、Anaconda インストールプログラムを起動します。
USB フラッシュドライブを含め、インストールプログラムにアクセスできるハードドライブならいずれの種類のハードドライブでも構いません。ハードドライブ内でバイナリー ISO イメージを配置するディレクトリー、またイメージに付ける名前に制限はありません。ただし、ISO イメージをドライブのトップレベルのディレクトリーに配置させたときそのディレクトリーに複数のイメージが存在している場合、またドライブのトップレベルのディレクトリーにはイメージを配置しない場合、使用するイメージを指定する必要があります。起動オプションやキックスタートファイル内のエントリーを使って指定するか、グラフィカルインストールを行っているときに表示される インストールソース の画面で手作業で指定することができます。
インストールソースにハードドライブを使う場合は、Anaconda がマウントできるファイルシステムのパーティション上にバイナリー DVD ISO イメージを配置しなければならないという制限があります。Anaconda がマウントできるファイルシステムは xfsext2ext3ext4 および vfat (FAT32) になります。Microsoft Windows システムでは、ハードドライブのフォーマットに使用されるデフォルトのファイルシステムが NTFS であり、exFAT ファイルシステムでのフォーマットも可能ですが、いずれのファイルシステムも Anaconda ではマウントできません。Microsoft Windows 上でインストールソースとして使用するハードドライブや USBドライブを作成している場合は、必ず FAT32 でドライブをフォーマットするようにしてください。

重要

FAT32 ファイルシステムは、サイズが 4 GiB (4.29 GB) を超えるファイルをサポートしません。Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールメディアの中にはこれより大きなものがある場合もあり、その場合、このファイルシステムではそれらのインストールメディアをドライブにコピーすることはできません。
インストールソースにハードドライブや USB フラッシュドライブを使用する場合、インストールを開始する時点でシステムに接続されていることを確認してください。インストール開始後に挿入されたメディアはインストールプログラムでは検出されません。

2.3.3. インストールソース - ネットワーク

インストールソースをネットワーク上に配置することで、物理インストールメディアを挿入したり取り出したりする必要なく、1 つのインストールソースから複数のシステムへのインストールを行うことができるようになります。ネットワークベースのインストールは、特にネットワークからのインストールプログラムの起動も可能な PXE (Preboot Execution Environment) サーバーと併用する場合に便利です。この方法を使用すると、物理的なメディアを一切作成する必要がなくなるため、複数のシステムへの Red Hat Enterprise Linux の同時導入が容易になります。PXE サーバーの設定については、21章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

2.3.3.1. NFS サーバーにインストールソースを配置

NFS インストール方法では、 Red Hat Enterprise Linux バイナリー DVD の ISO イメージを Network File System サーバーの エクスポートディレクトリー に配置して使用します。このディレクトリーはインストールするシステムで読み取りが可能でなければなりません。NFS ベースのインストールを実行する場合は、NFS ホストとして動作する別のシステムを用意する必要があります。
NFS サーバーの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 Storage Administration Guide』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみ説明しています。実際の NFS サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャーおよびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの 『インストールガイド』 を参照してください。

手順2.4 NFS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して nfs-utils パッケージをインストールします。
    # yum install nfs-utils
  2. 完全な Red Hat Enterprise Linux 7 バイナリー DVD ISO イメージを NFS サーバー上の適切なディレクトリーにコピーします。たとえば、/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、ここに ISO イメージを保存します。
  3. テキストエディターで /etc/exports ファイルを開き、以下の構文の行を追加します。
    /path/to/exported/directory clients
    /path/to/exported/directory を ISO イメージが格納されているディレクトリーの完全パスで置き換えます。clients は、この NFS サーバーからインストールされるコンピューターのホスト名または IP アドレス、ISO イメージに全コンピューターがアクセスする際にそのアクセス元となるサブネットワーク、またはネットワークアクセスのあるコンピューターが NFS サーバーにアクセスして ISO イメージを使用できるようにする場合はアスタリスク記号 (*) で置き換えます。このフィールドの形式についての詳細情報は、exports(5) の man ページを参照してください。
    以下に、全クライアントに対して /rhel7-install/ ディレクトリーを読み取り専用でアクセスできるようにしている基本的な設定を示します。
    /rhel7-install *
    
  4. 設定が終わったら /etc/exports ファイルを保存してテキストエディターを終了します。
  5. nfs サービスを開始します。
    # systemctl start nfs.service
    /etc/exports ファイルに変更を加える前にサービスを稼働していた場合は、代わりに以下のコマンドを実行して、実行中の NFS サーバーが設定をリロードするようにします。
    # systemctl reload nfs.service
上記の手順を完了すると、NFS 経由による ISO イメージへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、nfs: プロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号 (:)、および ISO イメージを格納しているディレクトリーを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com で ISO イメージを /rhel7-install/ に保存している場合、インストールソースを nfs:myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

2.3.3.2. HTTPS、HTTP または FTP サーバーにインストールソースを配置

このインストール方法は、インストールツリー (有効な .treeinfo ファイルとバイナリー DVD ISO イメージから抽出したコンテンツを含むディレクトリー) を使用する、ネットワークベースのインストールに使用できます。インストールソースには HTTPSHTTPFTP などを使ってアクセスします。
HTTP および FTP サーバーについての詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。
以下の手順は基本的な概要のみ説明しています。実際の FTP サーバーの設定手順はシステムのアーキテクチャー、オペレーティングシステム、パッケージマネージャー、サービスマネージャーおよびその他の各要素によって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合、手順は記載されている手順と全く同じになります。Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでインストールソースを作成する方法については、該当するリリースの 『インストールガイド』 を参照してください。

手順2.5 HTTP または HTTPS を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して httpd パッケージをインストールします。
    # yum install httpd
    HTTPS サーバーには追加設定が必要となります。詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドの SSL サーバーのセットアップ のセクションを参照してください。ただし、ほとんどのケースでは HTTPS は不要になります。これは、インストールソースとインストールプログラム間では機密データは送信されず、HTTP で十分なためです。

    警告

    Apache web サーバーの設定により SSL セキュリティーが有効になる場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。これは POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためです。詳細は https://access.redhat.com/ja/solutions/1232613 を参照してください。

    重要

    HTTPS を使用することにして、サーバーが自己署名証明書を使用している場合は、noverifyssl オプションを使ってインストールプログラムを起動する必要があります。
  2. Red Hat Enterprise Linux 7 の全バイナリー DVD ISO イメージを HTTP(S) サーバーにコピーします。
  3. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /path/to/image.iso /path/to/mount-point/
    ここでは /path/to/image.iso をバイナリー DVD ISO イメージに、/path/to/mount-point/ を ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  4. マウントされたイメージから HTTP サーバーの root にファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/www/html/
    これでイメージのコンテンツが格納された /var/www/html/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  5. httpd サービスを起動します。
    # systemctl start httpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、http:// もしくは https:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、HTTP サーバー root への相対パスを使用します。たとえば、HTTP を使用していて、サーバーのホスト名が myserver.example.com で イメージからのファイルを /var/www/html/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを http://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

手順2.6 FTP を使用したインストールの準備

  1. root で以下のコマンドを実行して vsftpd パッケージをインストールします。
    # yum install vsftpd
  2. オプションとして、テキストエディターで /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを開き、変更するオプションを編集します。利用可能なオプションについては、vsftpd.conf(5) の man ページを参照してください。この手順の残りの部分では、デフォルトのオプションを使用していると仮定しています。この手順を行う場合は、FTP サーバーの匿名ユーザーにファイルのダウンロードを許可しておく必要があります。

    警告

    vsftpd.conf ファイルで SSL/TLS セキュリティーを設定している場合は TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。これは POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためです。詳細は https://access.redhat.com/ja/solutions/1232613 を参照してください。
  3. Red Hat Enterprise Linux 7 の全バイナリー DVD ISO イメージを FTP サーバーにコピーします。
  4. mount コマンドを使ってバイナリー DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
    # mount -o loop,ro -t iso9660 /path/to/image.iso /path/to/mount-point
    ここでは /path/to/image.iso をバイナリー DVD ISO イメージに、/path/to/mount-point を ISO イメージのコンテンツを表示するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、この目的で /mnt/rhel7-install/ というディレクトリーを作成し、これを mount コマンドのパラメーターとして使用します。
  5. マウントされたイメージから FTP サーバーの root にファイルをコピーします。
    # cp -r /mnt/rhel7-install/ /var/ftp/
    これでイメージのコンテンツが格納された /var/ftp/rhel7-install/ ディレクトリーが作成されます。
  6. vsftpd サービスを開始します。
    # systemctl start vsftpd.service
    /etc/vsftpd/vsftpd.conf 設定ファイルを変更する前から、このサービスがすでに実行されていた場合は、再実行して必ず編集後のファイルを読み込ませてください。再実行する場合は、次のコマンドを使用します。
    # systemctl restart vsftpd.service
上記の手順を完了すると、インストールツリーへのアクセスが可能になり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストール前またはインストール中にインストールソースを設定する場合は、ftp:// のプロトコル、サーバーのホスト名または IP アドレス、ISO イメージからのファイルを保存したディレクトリー、FTP サーバー root への相対パスを使用します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com でイメージからのファイルを /var/ftp/rhel7-install/ にコピーしている場合、インストールソースを ftp://myserver.example.com:/rhel7-install/ と指定します。

2.3.3.3. ネットワークベースのインストールを行う場合にファイアウォール設定で注意すべき事項

ネットワークベースのインストールソースを使用する場合、選択したプロトコルが使用するポートで着信接続を受け取れるよう必ずサーバーのファイアウォールを設定してください。各ネットワークベースのインストールに応じて開く必要のあるポートをそれぞれ以下の表に示します。

表2.1 ネットワークプロトコルが使用するポート

使用プロトコル開くべきポート
NFS204911120048
HTTP80
HTTPS443
FTP21
システムでのポートの開き方は使用するオペレーティングシステムやファイアウォールソフトウェアによって異なるため、詳しくはご使用のシステムまたはファイアウォールの製造元より提供されるマニュアルを参照してください。Red Hat Enterprise Linux 7 システムで特定のポートを開く方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。

パート I. AMD64 および Intel 64 - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本セクションでは、64 ビットの Intel および AMD システムへの Red Hat Enterprise Linux 7 and Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストールと基本的なトラブルシューティングについて説明します。高度なインストールオプションについては パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

第3章 AMD64 および Intel 64 システムへのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

3.1. アップグレードまたはインストールの選択

現行システムを Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーなバージョンにアップグレードする方法は 2 通りあります。以下の説明をよくお読みの上、ご使用のシステムに適した方法をご利用ください。
クリーンインストール
クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。

注記

Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でのアップグレードには、この方法が推奨されます。
インプレースアップグレード
インプレースアップグレードとは、旧バージョンを残したままシステムをアップグレードする方法です。ご使用のシステムで使用できる移行ユーティリティーをインストールして、他のソフトウェアと同様に稼働させておく必要があります。Red Hat Enterprise Linux では、Preupgrade Assistant で現行システムを評価し、アップグレード中またはその後に発生する可能性がある問題を特定します。また、システムに対し若干の修正および変更も行われます。実際にパッケージをダウンロードしてアップグレードを実行するのは Red Hat Upgrade Tool ユーティリティーになります。インプレースアップグレードにはかなりのトラブルシューティングやプラニングが必要になるため、ほかに選択がない場合に限定してください。Preupgrade Assistant については26章現在のシステムのアップグレード を参照してください。

警告

システムのクローンとなるバックアップコピーでのテストを行なわないまま実稼働中のシステムにインプレースアップグレードを適用することは絶対に避けてください。

3.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 は、最近 2 年間に工場生産されたシステムのハードウェアならそのほとんどで互換性があるはずです。これより古いシステム、または自作のシステムを使用する場合には、ハードウェアの互換性が特に重要になります。ハードウェアの仕様はほとんど毎日のように変化するので、システムはすべて互換性のチェックを行うことを推奨しています。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。また、システム要件についての全般的な情報は、Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 を参照してください。

3.3. インストール先として対応しているターゲット

インストール先として対応しているターゲットとは、Red Hat Enterprise Linux を格納してシステムを起動させるストレージデバイスを指します。AMD64 および Intel 64 のシステムに対してインストールする場合、Red Hat Enterprise Linux では以下のターゲットに対応しています。
  • SCSI、SATA、SAS など標準的な内蔵インターフェースで接続するストレージ
  • BIOS/ファームウェア RAID デバイス
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス (ハードウェアによっては製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります)
  • Xen ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで Xen の仮想マシン
  • VirtIO ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで KVM の仮想マシン
Red Hat では USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。

3.4. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするので、通常はインストールプログラムにご使用のシステムの詳細を提供する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの特定の詳細が必要となる場合があります。このため、インストールのタイプにより、インストール中に参照するための以下のシステム仕様を記録しておくことが推奨されます。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、 以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続しているハードドライブのモデル番号、サイズ、タイプ、インターフェースなど。たとえば、SATA0 上には Seagate 社製 ST3320613AS (320 GB) のハードドライブ、 SATA1 上には Western Digital 社製 WD7500AAKS (750 GB) のハードドライブ、などとメモしておきます。こうすることで、パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールする場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用されているパーティション情報、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベルおよびサイズなど。これにより、パーティションの設定プロセスで該当するパーティションが識別できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの識別方法は異なるため、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux で表示されるデバイス名は異なる可能性があるので注意してください。通常、こうした該当情報は、/etc/fstab ファイル内や、mount コマンドおよび blkid コマンドに相当するコマンドを実行することで見つけることができます。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して、そのオペレーティングシステムを起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (たとえば、Netgear 社製の GA311 など)。ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります。
    • IP、DHCP、および BOOTP のアドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IP アドレス
    • ネームサーバーの IP アドレス (DNS)、複数あり
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語が不明な場合は、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所 (ネットワークに応じた CHAP ユーザー名とパスワード、またリバース CHAP ユーザー名とパスワードも必要になる場合があります)。
  • 使用コンピューターがドメインの一部である場合は、以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーによって提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

3.5. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など最近のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用しています。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションの設定作業が必要になることがあります。ディスクパーティションの詳細については 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、システムにインストールしている可能性のある他のオペレーティングシステムで使用されるディスク領域とは別々にしてください。

注記

AMD64 および Intel 64 システムでは、少なくとも 2 つのパーティション (/ および swap) を Red Hat Enterprise Linux 専用にする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux  のインストールには、パーティション未設定のディスクまたは削除可能なパーティションのいずれかに少なくとも 10 GB の領域が必要になります。パーティションおよびディスク領域の推奨値については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 の推奨パーティションサイズを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 7 の場合は、少なくとも 8GB のディスク領域が必要になります。インストールプログラムはインストール中に 2 つの論理ボリュームを作成します。3GB が root ボリューム専用となり、残りの領域の 60% をコンテナーイメージ専用となる docker-pool ボリュームが占めることになります。docker-pool のサイズは、予定されるコンテナーのワークロードに依存します。docker-pool の拡張は LVM で動的に管理され、再起動中に自動的にサイズ変更されるわけではありません。root 論理ボリュームはインストールされると約 900MB を占めることになるオペレーティングシステムとコンテナーが使用するデータを保存します。root に 3GB 以上が必要な場合は、インストール中にカスタムのサイズを設定できます。詳細については、Managing Storage with Docker Formatted Containers on Red Hat Enterprise Linux and Red Hat Enterprise Linux Atomic Host (英語) の記事を参照してください。
インストールプログラムでは、グラフィカルまたはテキストインターフェースを使用して対話形式でインストールを実行する場合でも、キックスタートを使ってインストールを自動化する場合でも、システム上に 1 GB の RAM を必要とします。インストール後に Red Hat Enterprise Linux Atomic Host を実行するには 1 GB のメモリーを必要としますが、 (仮想ホストとしてでななく) ベアメタルのハードウェアにインストールする場合は 2 GB の RAM を必要とします。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 の記事を参照してください。

3.6. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux を使用する際に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

3.6.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成されるひとつのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードまたは接続したコントローラーカードで提供されている RAID 機能の設定を行ってください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では一つのドライブとして表示されます。

3.6.2. ソフトウェア RAID

複数のハードドライブを搭載するシステムの場合、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細については 「手動パーティション設定」 で説明しています。

注記

以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

3.6.3. USB ディスク

外付けの USB ストレージはインストール後でも接続、設定ができます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルで認識されたあと使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

3.6.4. Intel の BIOS RAID に関する注意点

Intel の BIOS RAID にインストールする場合、Red Hat Enterprise Linux 7 では mdraid が使用されます。BIOS RAID セットは起動プロセスで自動検出されるため、デバイスノードパスが起動するたびに変わる可能性があります。このため、デバイスノードパスを使ってデバイスを参照する /etc/fstab/etc/crypttab、その他の設定ファイルに対してローカルな変更を加えても Red Hat Enterprise Linux 7 では役に立たない可能性があります。したがって、デバイスノードパス (/dev/sda など) の代わりにファイルシステムのラベルまたはデバイスの UUID を使用してください。ファイルシステムのラベルおよびデバイスの UUID は、blkid コマンドを使用すると確認できます。

3.6.5. Intel BIOS iSCSI Remote Boot に関する注意点

Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。

3.7. インストーラーの起動方法を選択する

Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムの起動方法はいくつかあります。インストールメディアにより選択する方法が異なります。
DVD や USB フラッシュドライブなどのリムーバブルメディアからの起動を可能にするため、ご使用のシステムのファームウェア (UEFI の BIOS) の設定を変更する必要がある可能性があります。詳細は、「AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する」 を参照してください。

注記

インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール用 DVD または USBドライブ
完全インストール用 DVD または USB ドライブは、完全インストール用 DVD の ISO イメージから作成します。作成したメディアは、起動デバイスとソフトウェアパッケージのインストールソース両方の役割を果たすため、そのメディアひとつでインストール全体を完了することができます。完全インストール用 DVD または USB ドライブの作成方法については 2章メディアの作成 を参照してください。
最小限の起動用 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限の起動用 CD、DVD 、USB フラッシュドライブは小さな ISO イメージを使って作成します。このイメージにはシステムを起動してインストールを開始するために必要なデータしか含まれていません。この起動用メディアを使用する場合には、パッケージをインストールするためのインストールソースが別途必要になります。起動用 CD、DVD、USB フラッシュドライブの作成方法については 「インストール USB の作成」 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用すると、インストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができるようになります。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途に用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は 21章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

3.8. キックスタートを使ってインストールを自動化する

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使ったインストールプロセスの完全自動化または部分自動化の方法が提供されています。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザー入力を必要とせずに、インストール全体 (または一部) を自動的に行うことができるようになります。特に大量のシステムに Red Hat Enterprise Linux を同時導入する際に役立ちます。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルによりソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手作業でインストールする場合、ソフトウェアの選択は事前定義されている環境とアドオンの選択に限られます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりすることができます。
キックスタートファイルの作成方法、作成したキックスタートファイルを使ってインストールを自動化する方法については、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

第4章 AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。 ドライバーディスクには複数の RPM パッケージ が含まれています。 一般的に、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。

重要

ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを他の方法で提供されるドライバーより優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはあまりありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、その後に新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
しかし、インストール中にデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにしたい場合などです。こうしたサポートをインストール中に追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては 「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「インストール USB の作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、 または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中からいずれか適したものを選んで更新を実行してください。インストールの実行前に、ドライバー更新用ファイルを検証するようにしてください。逆に、本当にシステムにドライバー更新が必要であることが明らかでない場合、インストール中にドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。

4.1. インストール中にドライバーを更新する場合の制約

Secure Boot テクノロジーが有効になっている UEFI システムの場合、読み込むドライバーはすべて有効な証明書で署名されている必要があります。署名がないドライバーはシステムが拒否します。Red Hat で提供しているドライバーはすべて、Red Hat のプライベートキーで署名され、カーネルにある対応する Red Hat パブリックキーで承認されます。他のドライバー (Red Hat Enterprise Linux インストール DVD では提供していないドライバーなど) を読み込む場合は、署名されていることを確認してください。
カスタムドライバーの署名については Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド の「カーネルモジュールでの作業」の章をご覧ください。

4.2. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストール開始時に inst.dd 起動オプションを指定することが可能です。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
インストール開始時に inst.dd=location 起動オプションを指定することが可能です。location にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。このオプションを指定すると、Anaconda は指定された場所にあるドライバー更新の読み込みを試行します。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPSFTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。

注記

inst.dd=locationinst.dd を同時に使用することもできます。ただし、この場合の Anaconda の動作は、使用する location のタイプによって異なります。デバイスの場合は、Anaconda は指定されたデバイスから更新するドライバーを選択するようプロンプト表示され、新たなデバイスが提示されます。location がネットワークの場合は、Anaconda はドライバー更新を含んでいるデバイスを選択するようプロンプトが出され、指定されたネットワークの場所からドライバーの更新ができるようになります。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動によるドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージを使用しても構いません。また、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。

重要

ネットワーク上の場所からドライバー更新を読み込む際は、ip= オプションを使って必ずネットワークを初期化してください。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

4.2.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使って ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスの root ディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。手動によるインストールの場合、OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動インストールでは、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール中にドライバー更新を手動で選択する方法については、「手動によるドライバー更新」 を参照してください。

4.2.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法については 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで閲覧します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 の方はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルです。各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納しているのは rpms の方になります。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

4.3. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する

重要

ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

4.3.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 7.2 から、OEMDRV ブロックデバイスを使用してキックスタートファイルを自動的に読み込むこともできるようになっています。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスの root に格納する必要があります。キックスタートインストールについての詳細は、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始されると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーを選択するよう求めるプロンプトが表示されます。
ドライバーの選択

図4.1 ドライバーの選択

数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

4.3.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、このデバイスが検出されず、起動コマンドラインで inst.dd オプションが指定されていた場合には、対話モードでドライバーディスクを検索することができます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。
対話式のドライバー選択

図4.2 対話式のドライバー選択

注記

ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

4.3.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを収納している ISO イメージを USBフラッシュドライブや web サーバーなどアクセスできる場所に配置しコンピューターに接続しておきます。「ようこそ」の画面で Tab キーを押すと起動コマンドラインが表示されるので、そのコマンドラインに inst.dd=location オプションを追加します。location にはドライバー更新ディスクのパスを入れてください。
ドライバー更新へのパスの指定

図4.3 ドライバー更新へのパスの指定

通常、イメージファイルは web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置かれますが、ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することも可能です。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

4.3.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押し起動コマンドラインを表示します。コマンドラインに modprobe.blacklist=driver_name オプションを追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
インストールの際に、modprobe.blacklist= オプションを使ってブラックリスト登録したドライバーはインストールが完了したシステムでも無効な状態のままになります。このドライバーは /etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルで確認できます。ドライバーをブラックリストに登録する方法および他の起動オプションについては 20章起動オプション を参照してください。

第5章 AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスクに格納している ISO イメージからインストールするか、NFSFTPHTTPHTTPS を使用したネットワークからインストールすることができます。完全インストール用 DVD から起動してインストールする方法がもっとも簡単な方法になります。これ以外のインストール方法の場合、いくつか別途にセットアップが必要にはなりますが、それぞれ異なる利点があります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux を大量のマシンに同時にインストールする場合は、PXE サーバーから起動し、ネットワーク上の共有の場所に配置したソースからのインストールが最適な方法になります。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表5.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
完全インストール用メディア (DVD または USB)インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使います
最小限の起動用メディア (CD または USB)インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動 (PXE)インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
起動用 CD-ROM の作成方法、起動またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備などについて 「インストール USB の作成」 を参照してください。
本章では次のトピックについて説明しています。

5.1. インストールプログラムの起動

インストールプログラムを起動するには、まずインストールに必要なリソースがすべて揃っていることを確認します。3章AMD64 および Intel 64 システムへのインストールプラン の指示通りに手順を実行している場合は、インストールの開始準備が整っているはずです。開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux DVD または作成した起動用メディアを使ってインストールプログラムを起動します。

重要

起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。

注記

時折、インストール中に ドライバー更新 を必要とするハードウェアコンポーネントがあります。ドライバー更新により、インストールプログラムでは対応していないハードウェアに対応できるようになります。詳細については、4章AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。

5.1.1. AMD64 および Intel 64 のシステムで物理メディアからインストールプログラムを起動する

次の手順で Red Hat Enterprise Linux DVD または最小限の起動用メディアからインストールプログラムを起動します。

手順5.1 物理メディアからのインストールプログラムの起動

  1. インストールに必要のないドライブはすべて取り外します。詳細は 「USB ディスク」 を参照してください。
  2. コンピューターシステムの電源を入れます。
  3. コンピューターにメディアを挿入します。
  4. 起動用メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
  5. コンピューターシステムの電源をオンにします。メディアから起動するため特定のキーやキーの組み合わせを押さなければならなかったり、メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定しなければならない場合があります。詳細はシステムに同梱されているドキュメントをご覧ください。
しばらくすると、各種の起動オプションの詳細が記載された起動画面が表示されます。1 分以内に何も操作を行わなければ、自動的にインストールプログラムが開始されます。この画面に表示されるオプションの詳細については、「ブートメニュー」 を参照してください。

5.1.2. AMD64 および Intel 64 のシステムで PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する

To boot with PXE, you need a properly configured server, and a network interface in your computer that supports PXE. For information on how to configure a PXE server, see 21章ネットワークからのインストールの準備.
ネットワークインターフェースから起動するようコンピューターを設定します。このオプションは BIOS 内にあります。Network BootBoot Services などのラベルが付いている可能性があります。また、正しいネットワークインターフェースから最初に起動するよう BIOS が設定されていることを確認します。BIOS システムの中には、起動デバイスとしてネットワークインターフェースが含まれているにも関わらず PXE 標準には対応していないものがあります。詳細はハードウェアのドキュメントをご覧ください。PXE 起動を正しく有効にすると、メディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動することができるようになります。
次の手順にしたがい PXE サーバーからインストールプログラムを起動します。Ethernet など物理的なネットワーク接続を使用する必要があるので注意してください。ワイヤレス接続では正しく動作しません。

手順5.2 PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ハードウェアによって PXE サーバーに接続する前にネットワーク設定と診断情報が表示される場合があります。接続すると、PXE サーバーの設定に応じたメニューが表示されます。目的オプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合はサーバーの管理者に問い合わせてください。
これでインストールプログラムが正常に起動し、起動画面が表示されます。この画面には各種の起動オプションの詳細が表示されます。1 分以内に何も操作を行わなければ、インストールプログラムが自動的に開始されます。この画面に表示されるオプションについては、「ブートメニュー」 を参照してください。

5.2. ブートメニュー

起動用メディアからの起動が完了すると、ブートメニューが表示されます。ブートメニューにはインストールプログラムの起動以外にもいくつかのオプションが表示されます。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトで起動する場合は 60 秒待つか Enter を押します。
起動画面

図5.1 起動画面

デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使います。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、以下を実行します。
  • BIOS ベースのシステムの場合、Tab キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加する方法を推奨しています。Esc キーを押して boot: プロンプトにアクセスすることもできますが、プロンプトには不必要な起動オプションが表示されます。この場合、いずれの起動オプションを使用する場合もその前に linux オプションを必ず指定する必要があります。
  • UEFI ベースのシステムの場合、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
他の起動オプションについては、20章起動オプション を参照してください。
ブートメニューのオプションは、以下のようになります。
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使ってコンピューターに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にこのオプションを選択します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
デフォルトのオプションになります。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの健全性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting
様々なインストール関連の問題解決に役に立つオプションが用意された別のメニューにアクセスします。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。
トラブルシューティングメニュー

図5.2 トラブルシューティングメニュー

Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
インストールプログラムがビデオカード用の正しいドライバーを読み込むことができない場合でも、このオプションを使用すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時、画面表示が歪んだり何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動してからこのオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細については 「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動させることができます。

第6章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用可能ですが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。

6.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

6.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題の解決時に有用となりますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

6.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

通常、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から他に移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表6.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット内容
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表7.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、7章AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング を参照してください。

6.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

6.3. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。

重要

Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨しています。グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。22章VNC を使用したインストール を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイがあるのにグラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。–20章起動オプション を参照してください。
代わりに、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
テキストモードでのインストール

図6.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、inst.text 起動オプションをブートメニュー内の起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で使用して、インストールを起動します。起動オプションの使用については、5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動 を参照してください。

6.4. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要

図6.2 インストールの概要

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを操作することもできます。Tab および Shift+Tab キーを使って画面上のアクティブなコントロール要素 (ボタンやチェックボックスなど) を移動し、上向き および 下向き の矢印キーで一覧をスクロールし、左向き および 右向き の矢印キーで水平方向のツールバーや表エントリーをスクロールします。Space または Enter キーで強調表示アイテムを選択肢から選択または削除したり、ドロップダウンメニューを展開または折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

6.5. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux 7.3 へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図6.3 言語設定

6.6. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図6.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の場合は インストールの概要 画面は異なります。これは、ソフトウェア選択関連のメニューアイテムや kdump ユーティリティーが含まれていないためです。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の インストールの概要 画面

図6.5 Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の インストールの概要 画面

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

バックグラウンドでタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的にグレーで表示され使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。
ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

図6.6 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」 を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」 を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法については 「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

6.7. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図上もしくはドロップダウンメニューにない場合は、同じタイムゾーン内で最も近い都市を選んでください。

注記

表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat ではこのデータベースへ都市や地域を追加することはできません。詳細については公式 web サイトをご覧ください (http://www.iana.org/time-zones)。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンの指定を行ってください。
タイムゾーン設定画面

図6.7 タイムゾーン設定画面

ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux に使用させる NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

6.8. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールしたい追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。
言語サポートの設定

図6.8 言語サポートの設定

選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

6.9. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。
キーボードの設定

図6.9 キーボードの設定

新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。一覧のチェックボックスを選択して、キーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。

重要

ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これが原因でインストールが完了できない恐れがあります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

6.10. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効になっていると、この機能の提供に必要なパッケージが自動でインストールされます。ただし、デフォルトでは強制されるポリシーがなく、具体的に設定しないとインストール中およびそれ以降にチェックは実行されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide が提供するものです。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。
セキュリティーポリシー選択画面

図6.10 セキュリティーポリシー選択画面

システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択肢、プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前になされるかどうかが表示されます。

注記

デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を実施しません。ただし、下記の通りにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択したら、または画面を離れるには、左上にある 完了 をクリックして 「インストールの概要画面」 に戻ります。

6.11. インストールソース

重要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール時には、この画面は利用できません。
Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。
インストールソースの画面

図6.11 インストールソースの画面

以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、ブートメニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 を選択した場合、もしくは rd.live.check 起動オプションを使用した場合と同様のものです。
ISO ファイル
パーティションが設定されマウント可能なファイルシステムを持っているハードドライブがインストールプログラムによって検出されるとこのオプションが表示されます。このオプションを選択してから、ISO を選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワーク上にある場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記のオプションいずれかを選んだら、後ろに続くアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定するための別のボックスが表示されます。

重要

NFS ベースのインストールソースを選択する場合には、アドレスにコロン (:) を付けてパスとホスト名を区切ってください。以下に例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は 「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、削除するには - ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

6.12. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。

重要

Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールした際、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムが自動で検出するため、手動による追加や削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワークとホスト名の設定画面

図6.12 ネットワークとホスト名の設定画面

接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname という形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) か、hostname という形式の 短縮ホスト名 のどちらかになります。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。

重要

ホスト名を手動で割り当てる場合は、ご自分に割り当てられていないドメイン名を使用しないように注意してください。これを行うと、ネットワークリソースが利用できなくなる場合があります。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド で推奨している命名方法の実践例を参照してください。

注記

ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

6.12.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要がありません。また、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。システムの 設定 ダイアログの ネットワーク セクションで行える全設定に関する詳細については本ガイドの範疇を超えてしまうためここでは説明していません。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。
    ネットワーク自動接続機能

    図6.13 ネットワーク自動接続機能

  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。
    IP プロトコル設定

    図6.14 IP プロトコル設定

  • 接続をローカルネットワークのみに限定するには、そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 のチェックボックスを選択します。この設定はインストールされるシステムに引き継がれ、全体の接続に適用されます。追加のルートが設定されていなくても、この選択をすることができます。
    IPv4 ルートの設定

    図6.15 IPv4 ルートの設定

ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

6.12.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについての詳細な説明は本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。
ネットワークとホスト名の設定画面

図6.16 ネットワークとホスト名の設定画面

ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • Bond - NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • Bridge - NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
  • チーム - NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN - それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
高度なネットワークインターフェースのダイアログ

図6.17 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

注記

ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

6.13. ソフトウェアの選択

重要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール時には、この画面は利用できません。
インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。各環境は特定の目的で事前定義されているパッケージセットになります。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。
サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

図6.18 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用する Red Hat Enterprise Linux 7 インストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux 7 Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。
事前に設定されている環境とアドオンでシステムをカスタマイズすることはできますが、手動のインストールではインストールするパッケージを個別に選択する方法はありません。インストール後のシステムを完全にカスタマイズするため、最低限のソフトウェアと Red Hat Enterprise Linux 7 の基本的なバージョンのみをインストールする 最小限のインストール 環境を選択することができます。インストールが完了して初回ログインしてから、Yum パッケージマネージャーを使って必要な追加ソフトウェアをインストールします。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

6.13.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれます。
  • syslog ユーティリティーを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 経由の電子メール
  • NFS (Network File System) 経由のネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) 経由のリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) 経由のリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの一部の自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するよう Red Hat Enterprise Linux システムを設定することができます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

6.14. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。

重要

RAID カードがある場合、一部の BIOS では RAID カードからの起動には対応していないため注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。内蔵ハードドライブは RAID カードでのパーティション作成に必要となります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。
システムの自動パーティション設定を選択した場合は、手動で /boot パーティションを編集してください。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
ストレージ領域の概要

図6.19 ストレージ領域の概要

重要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストールには、自動構成のパーティション構成 オプションの使用が強く推奨されます。

重要

Red Hat Enterprise Linux のブートローダーを別のブートローダーから チェーンロード するよう設定するには、インストール先 の画面で すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックして、手動で起動ドライブを指定する必要があります。起動ドライブの指定方法については 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。これらのデバイスについては 「ストレージデバイス」 を参照してください。
画面上部のペインにあるディスクのアイコンをクリックして、Red Hat Enterprise Linux をインストールするディスクを選択します。各ディスクには、ラベル、サイズ、使用可能な領域が示されています。この画面で選択しなかったディスクについては一切変更されません。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにインストールする場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定を推奨します。自動パーティションを設定する場合は、デフォルトで選択されている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンにチェックを付けたまま必要なパーティションの作成はインストールプログラムに任せます。
    自動でのパーティション設定の場合、追加の空き領域を利用できるようにしたい のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨パーティション設定を使用したインストールの完了にはストレージ領域が足りない場合、 完了 をクリックすると以下のダイアログが表示されます。
    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    図6.20 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    インストール先 画面に戻るには、取り消してディスクを追加する をクリックします。ここでは、ストレージデバイスの追加、もしくは手動でのパーティション設定が可能です。既存のパーティションからストレージ領域の一部を解放する場合は 領域を確保する をクリックします。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    手動による設定を行うため、パーティション構成を行いたい のラジオボタンを選択した場合は、完了 をクリックすると 手動パーティション設定 の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • 暗号化 セクションで データを暗号化する のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化することができます。暗号化についての詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

重要

マルチパスのストレージデバイスとマルチパスではないストレージデバイス両方が接続されたシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトでマルチパスのデバイスとマルチパスではないデバイスが混在したボリュームグループが作成されてしまう可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。
マルチパスのデバイスもしくはマルチパスではないデバイスのいずれか一方のみを インストール先 画面で選択することをお勧めします。別の方法としては、手動のパーティション設定に進む方法があります。

6.14.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux 7 では、GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) をブートローダーとして使用します。ブートローダーは、コンピューターの開始時に最初に実行されるプログラムで、指示を読み込んでオペレーティングシステムに渡す役割を果たします。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであればいかなるものでも起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。

警告

GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux はそのオペレーティングシステムを自動検出して、GRUB2 で起動できるよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。
選択したディスクの要約

図6.21 選択したディスクの要約

ブートのコラムには、デバイスの一つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択してブートデバイスとして設定のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択してブートローダーをインストールしないのボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。

警告

何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

6.14.1.1. MBR と GPT に関する注意点

インストールプログラムにより root ファイルシステムのデバイスの マスターブートレコード (MBR) または GUID パーティションテーブル (GPT) に GRUB2 がインストールされます。いずれを使用するかは、次のような状況によって判断されます。
BIOS システム、および BIOS 互換性モードの UEFI システム
ディスクが既にフォーマットされている場合、パーティションスキームは維持されます。
ディスクがフォーマットされていない場合、もしくはユーザーがディスクからすべてのパーティションを削除した場合は、Anaconda は以下を使用します。
  • ディスクに 232 未満のセクターしかない場合、MBR を使用。一般的にディスクセクターは 512 バイトで、これは 2.2 TB に当たります。
  • ディスクに 232 以上のセクターがある場合、GPT を使用。

    注記

    デフォルトの動作を無効にしてサイズが 232 セクター未満のディスクで GPT を使用する場合は、inst.gpt オプションを起動コマンドラインに追加します。232 セクター以上のディスク上で MBR を使用するよう Anaconda を手動で無効にすることはできないことに注意してください。
ブートローダーが GPT を使用するディスクの BIOS システム上にインストールするには、BIOS Boot (biosboot) パーティションを作成する必要があります。biosboot パーティションのサイズは 1 MB にしてください。ただし、ブートローダーが MBR を使用するディスクの場合には、biosboot パーティションは必要 ありません
UEFI システム
UEFI のシステム上で使用できるのは GPT のみです。MBR があるフォーマット済みディスクにインストールするには、まずディスクの再フォーマットが必要になります。
パーティションスキームに関係なく、EFI System Partition ((/boot/efi) を作成する必要があります。(/boot/efi のサイズは少なくとも 50 MB にしてください。推奨サイズは 200 MB になります。

注記

biosbootefi パーティション、どちらも LVM ボリュームには格納できません。このパーティションは標準の物理パーティションに格納してください。

6.14.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

図6.22 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
キックスタートを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

6.14.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。

警告

パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。
既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

図6.23 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

Red Hat Enterprise Linux で検出された既存のファイルシステムが各ディスクの一部として一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • 維持 - ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • 削除 - ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • 縮小 - ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • すべて削除/すべて保存 - 右側にある「すべて削除」のボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられ、同時にボタンのラベルが「すべて保存」に変わります。「すべて保存」ボタンを再度クリックすると、全ファイルシステムに再び保存のマークが付けられます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると 領域を確保する のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

6.14.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、パーティション構成を行いたい のオプションを選択してインストール先を 完了 すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールするファイルシステムを指定します。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール時には、このオプションの使用は推奨されません。代わりに自動パーティション設定を使用してください。
手動パーティション設定の画面

図6.24 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。

注記

各ディスクパーティションの詳細および推奨値については、付録A ディスクパーティションの概要 および 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。最低限、適切なサイズの root パーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

6.14.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールで必要なパーティションは最小 1 つですが、Red Hat では少なくとも 4 つのパーティションを推奨しています (//home/boot および swap)。必要であれば、さらに多くのパーティションを追加作成しても構いません。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

注記

(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに関する特定の要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、必要なパーティションとマウントポイントをインストールプログラムに作成させたい場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから希望するパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成され、/boot パーティション、/ (root) パーティション、swap パーティションがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのパーティションが一般的なインストールに推奨されるパーティションになります。ただし、必要に応じてさらにパーティションを追加することもできます。
また、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成すると、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (root パーティションに / 、boot パーティションに /boot など)。次にメガバイトやギガバイト、テラバイトなど一般的なサイズ単位を使ってパーティションのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (2 ギガバイトのパーティションを作成するなら 2GB と入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空領域がすべて使用されることになります。詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。

注記

領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。デバイスを選択して (複数可) 選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。
マウントポイントの設定

図6.25 マウントポイントの設定

全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。
ディスクの再スキャン

図6.26 ディスクの再スキャン

画面下部のリンクには、インストール先 (「インストール先」 を参照) で選択したストレージデバイス数が表示されます。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。ここでディスク情報を確認することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。
パーティションのカスタマイズ

図6.27 パーティションのカスタマイズ

  • マウントポイント - パーティションのマウントポイントを入力します。たとえば、このパーティションを root パーティションにする場合は、/ と入力します。/boot パーティションにする場合は、/boot と入力します。swap パーティションにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで十分です。
  • 割り当てる容量 - パーティションに割り当てる容量を入力します。単位にはキロバイトやメガバイト、ギガバイト、テラバイトなどの一般的なサイズ単位が使用できます。単位を指定しない場合は、メガバイトがデフォルトのオプションになります。
  • デバイスタイプ - 標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニングRAIDのいずれかを選択します。パーティションを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID レベル の設定も可能になります。同様に、LVM を選択すると、ボリュームグループ を指定できるようになります。
  • ファイルシステム - ドロップダウンメニューでこのパーティションに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル - パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前 - LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが現れ、パーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ変更、削除などが表示されます。すべての変更を見直します。前に戻る場合は 取り消して手動パーティション設定に戻る をクリックします。変更を適用する場合は、変更を適用する をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。

重要

/usr または /var のパーティションを root ボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置しまった場合には、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりシステムが起動できなくなったりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
6.14.4.1.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプやファイルシステムを作成することができます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション - 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM) - LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームの作成方法については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
  • LVM シンプロビジョニング - シンプロビジョニングを使用すると、空き領域のストレージプール (シンプールと呼ばれる) を管理できるようになります。アプリケーションのニーズに応じてこの空き領域を任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは必要に応じて動的に拡張することができるため、ストレージ領域の費用対効果が高い割り当てを行うことができます。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。

    注記

    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用にリクエストした領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に保留します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • BTRFS - Btrfs はデバイスのような機能を備えたファイルシステムになります。ext2、ext3、および ext4 のファイルシステムに比べ、より大容量のボリューム、より大きなファイルサイズ、より多数のファイルの処理、管理ができます。Btrfs ボリュームの作成方法については 「Btrfs サブボリュームの作成」 を参照してください。
  • ソフトウェア RAID - 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスの作成方法については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • xfs - XFS はスケーラビリティーに優れた高いパフォーマンス性を有するファイルシステムです。最大 16 エクサバイトのファイルシステム (約 1600万 テラバイト)、最大 8 エクサバイトのファイル (約 800万 テラバイト) および数千万のエントリーを格納するディレクトリー構造に対応します。クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。強く推奨されるファイルシステムであり、デフォルトではこのファイルシステムが選択されます。これまで ext4 ファイルシステムで使用していた一般的なコマンドを XFS で使用する場合の対処方法については 付録E ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    XFS パーティションで対応できる最大サイズは 500 TB になります。
  • ext4 - ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、より大きなファイルに対応するようになり、またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。1 ディレクトリー内でのサブディレクトリー数に制限がなく、ファイルシステムのチェックが高速化、またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。
    Red Hat Enterprise Linux 7 での ext4 ファイルシステムで対応できる最大サイズは現在 50 TB になります。
  • ext3 - ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 - ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat - VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap - Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • BIOS Boot - BIOS システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さなパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • EFI System Partition - UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要となる小さいパーティションです。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 」のページをご覧ください。(https://access.redhat.com/ja/articles/1271503)

6.14.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成し、組み合わせによってパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成はワンステップで行えます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。
ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

図6.28 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムタイプ」 を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 - パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 - 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4 - エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散させますが、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納します。これにより、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報は 1 ディスクに格納されるため、このディスクへのアクセスによりアレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5 - 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6 - 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 - パフォーマンス (ストライプ)、 冗長化 (ミラーリング)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

6.14.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は 付録C LVM の理解 または 『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』のガイドを参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。

重要

テキストモードによるインストールの場合は LVM 設定はできません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
論理ボリュームの設定

図6.29 論理ボリュームの設定

論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがい LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。

    注記

    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成したい場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。
    LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    図6.30 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    選択できる RAID レベルは実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループ内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。ほとんどのデータを LVM に保存する予定のため、後日、既存の論理ボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループ内に別の論理ボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

警告

LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

6.14.4.4. Btrfs サブボリュームの作成

Btrfs はファイルシステムの種類の 1 つですが、ストレージデバイスの特徴である機能をいくつか備えています。エラーに対して耐性のある設計になっています。また、エラーが発生した場合には迅速な検出と修復が行われます。チェックサムを使ってデータおよびメタデータの有効性を検証し、バックアップや修復時に利用できるファイルシステムのスナップショットを維持します。
手動でのパーティションを設定する際に、ボリュームではなく Btrfs サブボリュームを作成すると、このサブボリュームを格納するための Btrfs ボリュームがインストールプログラムによって自動的に作成されます。手動パーティション設定 画面の左側ペインに表示される Btrfs の各マウントポイントのサイズはすべて同じサイズで表示されます。それぞれのサブボリュームを表しているのではなく、ボリューム全体の合計サイズを反映しているためです。
Btrfs サブボリュームの設定

図6.31 Btrfs サブボリュームの設定

Btrfs サブボリュームの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして BTRFS を選択すると、ファイルシステム のドロップダウンメニューは自動的に灰色表示になり選択できなくなります。一方、Volume のドロップダウンメニューが出現して新規作成したボリューム名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume ダイアログが表示されることになります。このダイアログでサブボリュームの名前を変更したり、RAID レベルを追加することができます。
    Btrfs ボリュームのカスタマイズ

    図6.32 Btrfs ボリュームのカスタマイズ

    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 (パフォーマンス)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体が壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 (冗長化)
    1 つのディスク上のデータを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 (パフォーマンス、冗長化)
    RAID0 と RAID1 を組み合わせ、高いパフォーマンス性と冗長性を同時に提供します。冗長化を提供しているアレイ (ミラーリング - RAID1) に対してデータを分散させ (ストライプ - RAID0) パフォーマンスを向上させます。少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    また、ボリュームの暗号化に印を付けたり、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームのサイズは自動で設定されるので、設定したサブボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリューム内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定したサブボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームが作成されます。ほとんどのデータを Btrfs に保存する予定のため、後日、既存のサブボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのボリューム内に別のサブボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームのサイズを正確に設定することができます。設定しているサブボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    ボリューム設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

警告

Btrfs サブボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。
同様に、別の /usr パーティションを Btrfs で作成することはサポートされていません。システムは起動に失敗します。

6.15. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
ストレージ領域の概要

図6.33 ストレージ領域の概要

注記

インストール中には、mdeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスのモニタリングは実行されません。

6.15.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図6.34 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図6.35 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。 別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、 この画面で表示されている全てのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

6.15.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図6.36 高度なストレージオプション

6.15.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図6.37 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順6.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図6.38 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
6.15.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図6.39 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

6.16. Kdump

重要

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host のインストール時には、この画面は利用できません。
この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする(Enable kdump) のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。
Kdump の有効化と設定

図6.40 Kdump の有効化と設定

6.17. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。
インストールの準備完了

図6.41 インストールの準備完了

警告

インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。インストールの開始 をクリックすると、インストールプログラムによりハードドライブでの領域割り当てが行われ、その領域への Red Hat Enterprise Linux の転送が開始されます。選択したパーティション設定オプションに応じて、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに指定してきた選択を訂正する場合は、インストールの概要 画面から該当セクションに戻って訂正します。インストールを完全に取り消したい場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

6.18. 設定のメニューと進捗状況の画面

インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックすると、進捗画面が表示されます。画面ではシステムへのパッケージの書き込み状況に合わせて進捗が表示されます。
パッケージのインストール

図6.42 パッケージのインストール

For your reference, a complete log of your installation can be found in the /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log file, once you reboot your system.
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。
暗号用のエントロピーの収集

図6.43 暗号用のエントロピーの収集

パッケージのインストール中、インストール進捗バーの上にある Root パスワード メニューと ユーザーの作成 メニューでそれぞれ設定する必要があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。詳細については、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

6.18.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
Root パスワード画面

図6.44 Root パスワード画面

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では安全のため入力した文字はすべてアスタリスクで表示されます。確認 フィールドに同じパスワードを入力して設定が正しいことを確認します。root パスワードを設定したら 完了 をクリックしてユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)

注記

インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用した root パスワードの設定方法を参照してください。

6.18.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。
ユーザーアカウント設定画面

図6.45 ユーザーアカウント設定画面

各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は 「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。
高度なユーザー設定

図6.46 高度なユーザー設定

デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

6.19. インストールの完了

おめでとうございます。これで Red Hat Enterprise Linux のインストールは完了です。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させ Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動でインストールメディアが自動的にイジェクトされない場合は忘れず取り出してください。
コンピューターの通常の電源シーケンスが完了すると、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定プロセスについては、27章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。インストール後の Red Hat Enterprise Linux Atomic Host の手順、設定および更新については、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host スタートガイド を参照してください。

第7章 AMD64 および Intel 64 システムでのインストールに関連するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda ではデバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表7.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル内容
/tmp/anaconda.logAnaconda の全般メッセージ
/tmp/program.logインストール中に実行された全外部プログラム
/tmp/storage.logストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.logyum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslogハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールに失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all または inst.nosave=logs オプションを使用した場合は、これらのログはインストールプログラムの RAM ディスクにしか存在しないことになります。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。USB フラッシュドライブやその他のリムーバブルメディアを使用している場合は、以下の手順を開始する前のそれらのデータのバックアップを作成するようにしてください。

手順7.1 ログファイルを USB ドライブに転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  3. /mnt ディレクトリーに移動してから、USB ドライブをマウントするための新規ディレクトリーを作成します。ディレクトリー名は何でも構いません。以下の例では usb という名前を使用しています。
    # mkdir usb
  4. USB フラッシュドライブを新規作成したディレクトリーにマウントします。ドライブ全体をマウントするのではなく、ドライブ上の一つのパーティションにマウントするのが一般的です。したがって、sdb という名前ではなく、ログファイルを書き込みたいパーティションの名前を使用します。以下の例では sdb1 という名前を使用しています。
    # mount /dev/sdb1 /mnt/usb
    マウントしたデバイスにアクセスして内容を一覧表示し、その内容が期待通りのものであるかを確認することで、正しいデバイスをマウントしているかがわかります。
    # cd /mnt/usb
    # ls
  5. ログファイルをマウントしたデバイスにコピーします。
    # cp /tmp/*log /mnt/usb
  6. USB フラッシュドライブをアンマウントします。ドライブがビジー状態であるというようなメッセージを受け取る場合は、アンマウントしようとしているディレクトリーで作業している可能性があるので、それ以外のディレクトリーに移動します (/ など)。
    # umount /mnt/usb
これでインストールによるログファイルが USB フラッシュドライブに保存されました。

手順7.2 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、 192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、 /home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    初めて転送先のシステムに接続する場合は、次のようなメッセージが表示されることがあります。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトに従いパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが永久的に転送先システムに保存され、あとで確認できるようになりました。

7.1. インストール開始時の問題

7.1.1. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると問題が発生することがあります。デフォルト設定での実行がうまく動作しないと、それより低い解像度のモードで実行しようとします。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
ベーシックのグラフィックモードを使用する
ベーシックのグラフィックドライバーを使ったインストールを試行することができます。これを行う場合は、ブートメニューで Troubleshooting > Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode を選択するか、インストールプログラムの起動オプションを編集してコマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で設定する
インストールプログラムによる画面の解像度の検出が失敗する場合は、自動検出を無効にして手動で解像度を設定します。ブートメニューで inst.resolution=x オプションを追加します。x にはディスプレイの解像度を入力します (1024x768 など)。
代替のビデオドライバーを使用する
カスタムのビデオドライバーを設定し、インストールプログラムの自動検出を無効にすることもできます。ドライバーを設定する場合は、inst.xdriver=x オプションを使用します。x には使用するデバイスドライバーを入力します (nouveau など)。

注記

Anaconda は、ご使用のハードウェアを自動検出して適切なドライバーを使用することができるため、ユーザーによる操作は必要としないはずです。カスタムのビデオドライバーを設定したら問題が解決する場合には、https://bugzilla.redhat.com でバグを報告してください。バグのコンポーネントは anaconda にしてください。
VNC を使用したインストールを行う
上記で説明したオプションがいずれも失敗する場合は、別のシステムと Virtual Network Computing (VNC) プロトコルを使用して、ネットワーク経由でグラフィカルインストールにアクセスできます。VNC を使用したインストールについては、22章VNC を使用したインストール を参照してください。

7.1.2. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用しようとします。
シリアルコンソールでテキストモードのインストールを行いたい場合は、inst.textconsole= の起動オプションを使用してください。詳細は、20章起動オプション を参照してください。

7.2. インストール中の問題

7.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合は、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。確認方法については、コントローラーの資料を参照してください。
iSCSI デバイスにインストールするためシステム上にはローカルのストレージがない場合は、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) を適切な HBA (ホストバスアダプター) に与えているか確認してください。iSCSI についての詳細情報は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の web サイトを確認してください。ドライバー更新の全般情報については、4章AMD64 および Intel 64 のシステムへのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。
また、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

7.2.2. トレースバックメッセージを報告する

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、遭遇した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図7.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグの方法を十分理解している場合は、デバッグ (Debug) をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。
クラッシュレポートのダイアログを展開した例

図7.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

カスタマーポータルにバグを報告する場合は次の手順に従ってください。

手順7.3 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。
    カスタマーポータル認証情報

    図7.3 カスタマーポータル認証情報

  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。
    Red Hat カスタマーサポートの設定

    図7.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのとき得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。
    問題の詳細を入力する

    図7.5 問題の詳細を入力する

  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。
    送信データの再確認

    図7.6 送信データの再確認

  6. 添付ファイルとしてバグ報告に含ませて送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の修正に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。
    送信ファイルの再確認

    図7.7 送信ファイルの再確認

  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示することができます。Close (閉じる) をクリックすると、最初のクラッシュリポートのダイアログボックスに戻ります。そのダイアログボックスで 終了 (Quit) をクリックするとインストールが終了します。

7.3. インストール後の問題

注記

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 固有のトラブルシュート情報は、Red Hat Enterprise Linux リリースノートの既知の問題セクションにあります。最新の Red Hat Enterprise Linux リリースノートは、Red Hat Enterprise Linux Product Documentation on the Red Hat Customer Portal にあります。

7.3.1. RAID カードから起動できない

インストールの実行後、システムを正常に起動できない場合、再インストールと、システムのストレージに異なるパーティション設定を実行する必要がある可能性があります。
BIOS のなかには RAID カードでの起動に対応していないタイプがあります。インストールを完了したあと初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub> など) と点滅するカーソルしか表示されない場合があります。このような場合、システムのパーティションを再設定し、/boot パーティションとブートローダーを RAID アレイの外側に移動する必要があります。/boot パーティションとブートローダーは同じドライブ上に配置してください。
上記の変更を加えると、インストールを完了して、システムを正しく起動できるようになるはずです。パーティション設定については、「インストール先」 を参照してください。

7.3.2. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順7.4 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16linuxefi の場合もあり) で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動したら通常通りにログインします。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システムが起動する度に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順にしたがってください。

手順7.5 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. vim などプレーンなテキストエディターを使って /etc/default/grub 設定ファイルを開きます。
  3. grub ファイル内で GRUB_CMDLINE_LINUX から始まる行を探します。次のような行になります。
    GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root rd.md=0 rd.dm=0 vconsole.keymap=us $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel-param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) rd.luks=0 vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=vg_rhel/swap rhgb quiet"
    
    この行から rhgb オプションを削除します。
  4. 編集した設定ファイルを保存します。
  5. 次のコマンドを実行してブートローダーの設定を更新します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
上記の手順が完了したらコンピューターを再起動します。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にしたい場合は、次の手順にしたがって rhgb オプションを /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX の行に追加し、grub2-mkconfig コマンドでブートローダー設定の更新を再度実行します。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

7.3.3. グラフィカル環境で起動する

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないので注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順7.6 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

7.3.4. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルなデスクトップ環境のインストール方法については、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 にあるナレッジベースの記載を参照してください。

7.3.5. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
出力から満杯状態のパーティションを突き止めます。問題のほとんどが /home に見られます。df の出力例を示します。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であることがわかります。これがクラッシュの原因になっています。このパーティション上の不必要なファイルを削除し適当な領域を解放します。適当な空き領域を確保したら、startx コマンドで X を開始します。
df の使い方および使用できるオプション (上記の例で使用されている -h など) の詳細については df(1) の man ページを参照してください。

7.3.6. RAM が認識されない

カーネルがメモリー (RAM) すべてを認識しないことがあり、これが原因でシステムは実際にインストールされているメモリーより少ないメモリーしか使用しなくなります。free -m コマンドを使用すると、使用されているメモリーを確認できます。表示されるメモリー合計が期待と異なる場合、少なくとも 1 つのメモリーモジュールで障害が発生している可能性が高くなります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+ ユーティリティーを使ってシステムのメモリーテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。

注記

システム用に RAM としてメモリーの一部が予約され、メインシステムではその部分が使用できなくなっているハードウェア構成があります。特に、統合型グラフィックカードが搭載されているラップトップコンピューターなどは、GPU 用としてメモリーの一部が予約されます。例えば、4 GB の RAM と統合型 Intel グラフィックカードを搭載しているラップトップでは、約 3.7 GB しか使用可能なメモリーとして表示されません。
また、kdump クラッシュカーネルダンプのメカニズムにより、プライマリーカーネルのクラッシュ時に使用されるセカンダリーカーネル用にもメモリーの一部が予約されます。このメカニズムはほとんどの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっています。この予約メモリーも free コマンドを使った場合には使用可能なメモリーとしては表示されません。kdump およびそのメモリー要件については、 Red Hat Enterprise Linux 7 カーネルクラッシュダンプガイド を参照してください。
メモリーに問題がないことを確認したら、メモリーの値を mem= カーネルオプションで手作業で設定することができます。

手順7.7 メモリーを手作業で設定する

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は linux (または linux16) などの文字列で始まっています。次のオプションを行末に追加します。
    mem=xxM
    
    xx の部分は実際の容量をメガバイト単位で入力してください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して編集を行ったオプションでシステムを起動します。
  5. システムの起動を待ってログインします。コマンドラインを開き、再度 free -m コマンドを実行します。コマンドで表示される RAM の合計数が期待通りなら、この変更を永続的にするため /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX で始まる行に次を追加します。
    mem=xxM
    
    xx の部分は実際の容量をメガバイト単位で入力してください。
  6. ファイルの更新、保存が終了したら、ブートローダー設定を更新して変更を反映させます。次のコマンドを root 権限で実行します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
/etc/default/grub ファイルを開いた一例を以下に示します。
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_DISTRIBUTOR="$(sed 's, release.*$,,g' /etc/system-release)"
GRUB_DEFAULT=saved
GRUB_DISABLE_SUBMENU=true
GRUB_TERMINAL_OUTPUT="console"
GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=rhel/swap $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel.param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) vconsole.keymap=us rhgb quiet mem=1024M"
GRUB_DISABLE_RECOVERY="true"
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

7.3.7. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールしているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
メディアチェックではエラーは検出されず、それでもセグメンテーション違反を受け取る場合は、通常、ハードウェア関連のエラーに遭遇していることを意味します。このような場合、システムのメモリー (RAM) に問題がある可能性がもっとも高いと言えます。同じコンピューターで過去に別のオペレーティングシステムを使用したときは何のエラーも発生していなかった場合でも、システムのメモリーが原因となっている場合があります。BIOS ベースのシステムであれば、インストールメディアに含まれている Memtest86+ メモリーテストモジュールを使ってシステムメモリー全体のテストを行うことができます。詳細は、「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントや 『Red Hat Hardware Compatibility List (Red Hat ハードウェア互換性一覧)』 (https://hardware.redhat.com) などを参照してください。

パート II. IBM Power Systems - インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本パートでは、IBM Power Systems サーバーへのインストールおよびインストール後のトラブルシューティングについて説明していきます。 IBM Power Systems サーバーには、IBM PowerLinux サーバーおよび Linux を稼働する POWER7 および POWER8 の Power Systems サーバーが含まれます。高度なインストールオプションについては、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

重要

Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでは 32 ビットおよび 64 ビットの Power Systems サーバーに対応していました (ppcppc64)。 Red Hat Enterprise Linux 7 では、64 ビットの Power Systems サーバーのみの対応になります (ppc64)。

第8章 IBM Power Systems へのインストールプラン

本章では、インストールする上で決定しておく必要のある各種の事項について説明しています。

8.1. アップグレードまたはインストールの選択

自動インプレースアップグレードがサポートされるようになりましたが、サポートは現在 AMD64 および Intel 64 システムに限定されます。IBM Power Systems サーバーに Red Hat Enterprise Linux の旧リリースのインストールが存在する場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 に移行するためにクリーンインストールを実行する必要があります。クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux のインストール、ユーザーデータの復元を指します。

8.2. ハードウェアの互換性について

Red Hat Enterprise Linux 7 (ビッグエンディアン) は、POWER6 および POWER7 のプロセッサーシリーズを使用する IBM Power Systems サーバーと互換性があります。POWER6 およびそれ以前のプロセッサーはサポートされなくなります。
Red Hat Enterprise Linux バージョン 7.1 から IBM Power Systems 向けにリトルエンディアンのバリアントも提供されるようになっています。このバリアントは POWER8 プロセッサーとのみ互換性があり、ベアメタルハードウェア上ではなく KVM ゲストとしてのみサポートされます。
対応しているハードウェアの最新一覧は、https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server にある 『Red Hat Hardware Compatibility List』 で確認できます。また、システム要件についての全般的な情報は、Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 を参照してください。

8.3. IBM インストールツール

IBM Installation Toolkit はオプションのユーティリティーで、 IBM Power Systems への Linux のインストールを迅速化するため、特に Linux に不慣れな方に便利なツールになります。 IBM Installation Toolkit は次のような作業に使用できます。 [1]
  • 仮想化していない IBM Power Systems サーバーで Linux のインストールと設定を行います。
  • 論理パーティション (LPAR、仮想化サーバーとも呼ばれる) を設定済みのサーバーに Linux のインストールと設定を行います。
  • 新しい Linux システムまたは既にインストール済みの Linux システムに IBM サービスと生産性ツールをインストールします。 IBM サービスと生産性ツールには動的な論理パーティション (DLPAR) ユーティリティが含まれています。
  • IBM Power Systems サーバーでシステムのファームウェアレベルをアップグレードします。
  • 既にインストール済みのシステムで診断またはメンテナンスを行います。
  • LAMP サーバー (ソフトウェアスタック) とアプリケーションのデータを System x から System p のシステムに移行します。LAMP サーバーはオープンソースソフトウェアのバンドルになります。LAMP は、Linux、Apache HTTP ServerMySQL リレーショナルデータベース、 PHP (または Perl、Python の場合もあり) 言語の頭文字をとった略語になります。
PowerLinux 向けの IBM Installation Toolkit に関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaan/powerpack.htm)。
PowerLinux サービスと生産性ツールはオプションのツールセットです。ハードウェアサービス診断支援ツール、生産性ツール、インストール支援ツール、および POWER7、POWER6、POWER5、POWER4 をベースとした IBM サーバーへの Linux OS インストール支援ツールなどが含まれています。
このサービスおよび生産性ツールに関するドキュメントは Linux Information Center でご覧ください (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/topic/liaau/liaauraskickoff.htm)。

8.4. IBM Power Systems サーバーの準備

重要

real-base のブートパラメーターが c00000 にセットされているか必ず確認してください。このパラメーターがセットされていないと以下のようなエラーが表示される可能性があります。
DEFAULT CATCH!, exception-handler=fff00300
IBM Power Systems サーバーでは、パーティション設定、仮想デバイス、ネイティブのデバイス、コンソールなどで多くのオプションが提供されています。
パーティション設定されていないシステムを使用する場合、インストール前のセットアップは必要ありません。HVSI シリアルコンソールを使用するシステムの場合には、コンソールを T2 シリアルポートに接続します。
パーティション設定されたシステムを使用する場合、パーティション作成およびインストール開始の手順はほぼ同じです。HMC でパーティションを作成し、CPU、メモリーのリソース、SCSI、イーサネットのリソースなどを適宜割り当てます。 仮想、ネイティブいずれでも構いません。HMC のパーティション作成ウィザードを使用すると手順を追って作成することができます。
パーティションの作成方法については、IBM Systems Hardware Information Center が提供している 『Partitioning for Linux with an HMC』 を参照してください。http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/powersys/v3r1m5/topic/iphbi_p5/iphbibook.pdf でご覧いただけます。
ネイティブではなく仮想の SCSI リソースを使用する場合には、まず先に仮想 SCSI によるパーティションへの「リンク」を設定してから、パーティション自体を設定してください。HMC で仮想 SCSI クライアントとサーバーのスロット間に「リンク」を作成します。仮想 SCSI サーバーは VIOS (Virtual I/O Server) または IBM i のいずれで設定しても構いません。ご使用のモデルやオプションによります。
Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合は、接続されているすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールしたシステムが起動しなくなります。
仮想デバイスの使用方法については、 IBM Redbooks publication の「Virtualizing an Infrastructure with System p and Linux」を参照してください (http://publib-b.boulder.ibm.com/abstracts/sg247499.html)。
システムの設定が完了したら、HMC から Activate するか電源をオンにする必要があります。実行しているインストールの種類により、SMS が正しくインストールプログラムをブートするよう設定する必要があるかもしれません。

8.5. 対応しているインストールターゲット

インストールターゲットとは、Red Hat Enterprise Linux を格納しシステムを起動するストレージデバイスを指します。AMD64 および Intel 64 のシステムに対して、Red Hat Enterprise Linux では以下のインストールターゲットをサポートしています。
  • 標準の内部インターフェースで接続しているストレージ (SCSI、SATA、SAS など)
  • ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス (ハードウェアによっては製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります)
  • 仮想化クライアントの LPAR 内の仮想 SCSI (vSCSI) を使用する場合は、Power Systems サーバーへの仮想化インストールにも対応します
Red Hat では、USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートについては、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を参照してください。

重要

IBM Power Systems サーバーでは、16GB の huge pages (大容量ページ) がシステムまたはパーティションに割り当てられているのにカーネルコマンド行に huge page のパラメーターが含まれていないと、eHEA モジュールによる初期化が失敗します。このため、IBM eHEA イーサネットアダプターを使ってネットワークインストールを行う際は、インストール時にシステムやパーティションに対して huge page を割り当てることはできません。代わりに large pages を使用してください。

8.6. システム仕様一覧

インストールプログラムは自動的にコンピューターのハードウェアを検出してインストールするため、通常はシステムに関する詳細を入力する必要はありません。ただし、特定のタイプのインストールを実行する際には、ハードウェアの詳細が必要になる場合があります。このため、インストールのタイプにより、インストールに備えて以下のようなシステムの仕様を記録しておくことをお勧めします。
  • パーティションのレイアウトをカスタマイズする予定の場合は、 以下の詳細をメモしておきます。
    • システムに接続しているハードドライブのモデル番号、 サイズ、 タイプ、 インターフェースなど。 例えば、 SATA0 上には Seagate 社製 ST3320613AS (320 GB) のハードドライブを接続、 SATA1 上には Western Digital 社製 WD7500AAKS (750 GB) のハードドライブを接続というふうにメモしておきます。 これにより、 パーティション設定の段階で該当するハードドライブが識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールする場合は、以下を記録しておきます。
    • システムで使用されているパーティション情報、ファイルシステムのタイプ、デバイスのノード名、ファイルシステムのラベルおよびサイズなど。これにより、パーティションの設定プロセスで該当するパーティションが識別できるようになります。オペレーティングシステムによってパーティションとドライブの識別方法は異なるため、別のオペレーティングシステムが Unix であったとしても、Red Hat Enterprise Linux で表示されるデバイス名は異なる可能性があるので注意してください。通常、こうした該当情報は、/etc/fstab ファイル内や、mount コマンドおよび blkid コマンドに相当するコマンドを実行することで見つけることができます。
      すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動検出して、そのオペレーティングシステムを起動するよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
  • ローカルのハードドライブ上にあるイメージからのインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • 該当のイメージを格納しているハードドライブとディレクトリー
  • ネットワーク上の場所からのインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (例えば、 Netgear 社製の GA311 など、ネットワークを手動で設定する場合にアダプターを特定できるようになります)
    • IP アドレス、 DHCP アドレス、 BOOTP アドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IPアドレス
    • ネームサーバーの IP アドレス (DNS)、複数あり
    • FTP サーバー、HTTP (web) サーバー、HTTPS (web) サーバー、または NFS サーバー上にあるインストールソースの場所
    上記のネットワークに関する要件や用語がわからない場合は、 ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • iSCSI ターゲットにインストールを予定している場合は、 以下をメモしておきます。
    • iSCSI ターゲットの場所 (ネットワークに応じた CHAP ユーザー名とパスワード、またリバース CHAP ユーザー名とパスワードも必要になる場合があります)。
  • コンピューターがドメインの一部を構成している場合は、 以下をメモしておきます。
    • ドメイン名が DHCP サーバーによって提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を手動で入力する必要があります。

8.7. ディスク領域およびメモリーに関する要件

Red Hat Enterprise Linux など最近のオペレーティングシステムは ディスクパーティション を使用しています。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションの設定作業が必要になることがあります。ディスクパーティションの詳細については 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、システムにインストールしている可能性のある他のオペレーティングシステムで使用されるディスク領域とは別々にしてください。

注記

IBM Power Systems サーバーでは、少なくとも 3 つのパーティション (/swap および PReP ブートパーティション) を Red Hat Enterprise Linux 専用にする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux のインストールには、パーティション未設定のディスクまたは削除可能なパーティションのいずれかに少なくとも 10 GB の領域が必要になります。パーティションおよびディスク領域の推奨値については、「推奨されるパーティション設定スキーム」 の推奨パーティションの記載を参照してください。
インストールプログラムも 2 GB の RAM がシステム上で利用可能になっている必要があります。
Red Hat Enterprise Linux 7 の最小要件および技術的制限については、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 の記事を参照してください。

8.8. RAID と他のディスクデバイス

Red Hat Enterprise Linux を使用する際に、特別な注意を必要とするストレージ技術があります。一般的には、こうした技術の構成方法、Red Hat Enterprise Linux からの可視性、またこのストレージ技術に対するサポートのメジャーバージョン間での変更などを理解することが重要になります。

8.8.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成されるひとつのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードまたは接続したコントローラーカードで提供されている RAID 機能の設定を行ってください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では一つのドライブとして表示されます。

8.8.2. ソフトウェア RAID

複数のハードドライブを搭載するシステムの場合、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブをひとつの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御されることになります。機能の詳細については 「手動パーティション設定」 で説明しています。

注記

以前から存在している RAID アレイのメンバーデバイスがすべてパーティション設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストーラーはアレイ自体をディスクとして扱い、アレイを削除する方法は提供しません。

8.8.3. USB ディスク

外付けの USB ストレージはインストール後でも接続、設定ができます。こうしたデバイスのほとんどはカーネルで認識されたあと使用できるようになります。
一部の USB ドライブはインストールプログラムで認識されないことがあります。インストール時にこのような USB ドライブの設定がどうしても必要な場合以外、問題が発生するのを避けるため取り外しておいてください。

8.9. インストーラーの起動方法を選択する

Red Hat Enterprise Linux 7 インストールプログラムの起動方法はいくつかあります。インストールメディアにより選択する方法が異なります。

注記

インストールメディアはインストール中に継続してマウントされている必要があります。これには、キックスタートファイルの %post セクションの実行時も含まれます。
完全インストール用 DVD または USBドライブ
完全インストール用 DVD または USB ドライブは、完全インストール用 DVD の ISO イメージから作成します。作成したメディアは起動デバイスおよびソフトウェアパッケージのインストールソースの両方の役割を果たすため、そのメディアひとつでインストール全体を完了することができます。完全インストール用 DVD または USB ドライブの作成方法については 2章メディアの作成 を参照してください。
最小限の起動用 CD、DVD または USB フラッシュドライブ
最小限の起動用 CD、DVD 、USB フラッシュドライブは小さな ISO イメージを使って作成します。このイメージにはシステムを起動してインストールを開始するために必要なデータしか含まれていません。この起動用メディアを使用する場合には、パッケージをインストールするためのインストールソースが別途必要になります。起動用 CD、DVD、USB フラッシュドライブの作成方法については 2章メディアの作成 を参照してください。
PXE サーバー
PXE (preboot execution environment) サーバーを使用するとインストールプログラムをネットワーク経由で起動させることができるようになります。システムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の場所など、別途に用意したインストールソースを使ってインストールを完了させます。PXE サーバーの詳細は 21章ネットワークからのインストールの準備 を参照してください。

8.10. キックスタートを使ってインストールを自動化する

Red Hat Enterprise Linux 7 では、キックスタートファイル を使ったインストールプロセスの完全自動化または部分自動化の方法が提供されています。キックスタートファイルには、システムで使用するタイムゾーン、ドライブのパーティション設定、インストールするパッケージなど、通常、インストールプログラムで入力が求められる質問すべてに対する答えが含まれています。このため、インストール開始時にキックスタートファイルが用意されていると、ユーザー入力を必要とせずに、インストール全体 (または一部) を自動的に行うことができるようになります。特に大量のシステムに Red Hat Enterprise Linux を同時導入する際に役立ちます。
インストールを自動化する以外にも、キックスタートファイルによりソフトウェア選択の幅を広げることができます。グラフィカルインターフェースで Red Hat Enterprise Linux を手作業でインストールする場合、ソフトウェアの選択は事前定義されている環境とアドオンの選択に限られます。キックスタートファイルを使用すると、パッケージを個別にインストールしたり、除外したりすることができます。
キックスタートの作成方法、作成したキックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。


[1] このセクションは以前に IBM の Linux information for IBM systems リソースにて公開されていました (http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaay%2Ftools_overview.htm)。

第9章 IBM Power Systems へのインストール中にドライバーを更新する

ほとんどの場合、Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新は Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手することができる場合があります。 ドライバーディスクには複数の RPM パッケージ が含まれています。 一般的に、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。

重要

ドライバーの更新は、そのドライバーがないとインストールを正常に完了できない場合に限定してください。常に、カーネルに含まれるドライバーを他の方法で提供されるドライバーより優先させてください。
インストールプロセス中に新しいハードウェアが必要になることはあまりありません。たとえば、ローカルのハードドライブへのインストールにDVD を使用する場合は、ネットワークカード用のドライバーがなくてもインストールは成功します。このような場合、インストールを完了してから、その後に新しいハードウェアのサポートを追加します。サポート追加に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
しかし、インストール中にデバイスのドライバーを追加して特定の構成に対応する必要がある場合があります。たとえば、ネットワークデバイス用のドライバーやストレージのアダプターカードなどをインストールして、インストールプログラムがシステムで使用するストレージデバイスにアクセスできるようにしたい場合などです。こうしたサポートをインストール中に追加するには、次のいずれかの方法でドライバーディスクを使用します。
  1. インストールプログラムがアクセスできる場所に直接ドライバーディスクの ISO イメージファイルを配置します (ローカルのハードドライブ、USB フラッシュドライブ、CD、DVD など)。
  2. イメージファイルからドライバーディスクを作成します (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど)。ISO イメージファイルの CD/DVD への書き込み方法などについては 「インストール CD または DVD の作成」 でインストールディスクの作り方を、USB ドライブへの書き込み方法に関しては 「インストール USB の作成」 を参照してください。
Red Hat、ハードウェアの製造元、 または信頼できるサードパーティなどによってインストール中のドライバー更新が必要であることが明示されている場合には、本章で説明している方法の中からいずれか適したものを選んで更新を実行してください。インストールの実行前に、ドライバー更新用ファイルを検証するようにしてください。逆に、本当にシステムにドライバー更新が必要であることが明らかでない場合、インストール中にドライバーは更新しないでください。システム上に対象外のドライバーが存在すると、サポートが複雑になる可能性があります。

9.1. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新が必要で、その更新が利用可能になっている場合、通常、Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーから ISO 形式のイメージファイルが提供されます。ISO イメージを取得したら、ドライバー更新の実行に使用する方法を決める必要があります。
次のような方法があります。
ドライバーの自動更新
インストールを開始すると、接続されている全ストレージデバイスの検出が Anaconda インストールプログラムによって試行されます。インストール開始時に OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスが検出されると、Anaconda は常にこのデバイスをドライバー更新用ディスクと認識して、このデバイス上のドライバーの読み込みを試行します。
アシスト付きのドライバー更新
インストール開始時に inst.dd 起動オプションを指定することが可能です。パラメーターなしでこのオプションを使用すると、Anaconda によりシステムに接続されている全ストレージデバイスの一覧が表示され、ドライバー更新を含むデバイスを選択するよう求められます。
手動によるドライバー更新
インストール開始時に inst.dd=location 起動オプションを指定することが可能です。location にはドライバー更新用ディスクもしくは ISO イメージへのパスを入力してください。このオプションを指定すると、Anaconda は指定された場所にあるドライバー更新の読み込みを試行します。手動のドライバー更新では、ローカルで使用できるストレージデバイス、またはネットワーク上にある場所 (HTTPHTTPSFTP のいずれかのサーバー) を指定することができます。

注記

inst.dd=locationinst.dd を同時に使用することもできます。ただし、この場合の Anaconda の動作は、使用する location のタイプによって異なります。デバイスの場合は、Anaconda は指定されたデバイスから更新するドライバーを選択するようプロンプト表示され、新たなデバイスが提示されます。location がネットワークの場合は、Anaconda はドライバー更新を含んでいるデバイスを選択するようプロンプトが出され、指定されたネットワークの場所からドライバーの更新ができるようになります。
ドライバーの自動更新の方法を使用する場合は、OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを作成し、インストールするシステムに物理的に接続しておく必要があります。アシスト付きのドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージデバイスを使用しても構いません。手動によるドライバー更新の方法を使用する場合は、OEMDRV 以外のラベルならローカルのいずれのストレージを使用しても構いません。また、インストールするシステムからアクセスが可能なネットワーク上の場所を使用することもできます。

重要

ネットワーク上の場所からドライバー更新を読み込む際は、ip= オプションを使って必ずネットワークを初期化してください。詳細は 「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

9.1.1. ドライバー更新用の ISO ファイルをローカルのストレージデバイスで使用するための準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなど、ローカルのストレージデバイスを使って ISO ファイルを提供する場合は、デバイスに適切なラベルを付けることでインストールプログラムがデバイスを自動的に認識するようにできます。これができない場合に限り、以下のように手動でドライバー更新をインストールしてください。
  • インストールプログラムに自動的にドライバーディスクを認識させるため、ストレージデバイスのボリュームラベル名を OEMDRV にします。また、ISO イメージ自体をコピーするのではなく、その内容をストレージデバイスの root ディレクトリーに抽出します。「ドライバーの自動更新」 を参照してください。OEMDRV というラベルが付いたデバイスからのドライバーのインストールの方が手動によるインストールより常に優先され、また推奨されています。
  • 手動によるドライバー更新の場合は、ストレージデバイスに ISO イメージを単一ファイルとしてコピーするだけです。ファイル名の変更は可能ですが、ファイル名の拡張子は変更せず .iso のままにしておいてください (dd.iso など)。インストール中にドライバー更新を手動で選択する方法については、「アシスト付きのドライバー更新」 を参照してください。

9.1.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

CD または DVD にドライバー更新用ディスクを作成することができます。イメージファイルをディスクへ書き込む方法については 「インストール CD または DVD の作成」 を参照してください。
ドライバー更新用ディスクの CD または DVD を作成したら、そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入し、ファイルマネージャーで閲覧します。rhdd3 というファイルが 1 つと rpms というディレクトリーが 1 つ見えるはずです。rhdd3 の方はドライバーディスクの詳細が記載されているシンプルな署名ファイルです。各種アーキテクチャー用の実際のドライバーの RPM パッケージを収納しているのは rpms の方になります。
末尾が .iso のファイルが 1 つしかない場合は、ディスクが正しく作成されていないので作成し直してください。GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、イメージの書き込み などのオプションを選択しているか確認してください。

9.2. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストールプロセスの冒頭で、以下のいずれかの方法でドライバーを更新します。
  • ドライバー更新の検出と実行をインストールプログラムで自動的に行う
  • ドライバー更新の検索プロンプトをインストールプログラムが表示する
  • ドライバー更新用のイメージまたは RPM パッケージへのパスを手動で指定する

重要

ドライバー更新ディスクは、必ず標準のディスクパーティションに配置してください。ドライバー更新を行うインストールの初期段階では、RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージにはアクセスできない場合があります。

9.2.1. ドライバーの自動更新

インストールプログラムにドライバー更新用のディスクを自動的に認識させるため、インストールプロセスを開始する前に OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスをコンピューターに接続しておきます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 7.2 から、OEMDRV ブロックデバイスを使用してキックスタートファイルを自動的に読み込むこともできるようになっています。このファイルは ks.cfg と命名し、デバイスの root に格納する必要があります。キックスタートインストールについての詳細は、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールが開始されると、インストールプログラムはシステムに接続している全ストレージを検出します。OEMDRV というラベルが付いたストレージデバイスを見つけると、ドライバー更新ディスクとみなし、このデバイスからのドライバー更新の読み込みを試行します。読み込むドライバーを選択するよう求めるプロンプトが表示されます。
ドライバーの選択

図9.1 ドライバーの選択

数字キーを使ってドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールしてから、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

9.2.2. アシスト付きのドライバー更新

インストール中にドライバーをインストールする場合は、必ず OEMDRV というボリュームラベルが付いたブロックデバイスを使用できるようにしておくことが推奨されます。ただし、このデバイスが検出されず、起動コマンドラインで inst.dd オプションが指定されていた場合には、対話モードでドライバーディスクを検索することができます。まず最初に、Anaconda で ISO ファイルのスキャンをするため、一覧からローカルのディスクパーティションを選択します。次に、検出された ISO ファイルの中から更新用のファイルを選択します。最後にドライバーを選択します (複数可)。以下の図では、テキストユーザーインターフェースでこのプロセスを強調表示しています。
対話式のドライバー選択

図9.2 対話式のドライバー選択

注記

ISO イメージファイルを抽出して CD または DVD に書き込んだものの、そのメディアに OEMDRV というボリュームラベルが付いていない場合は、引数なしで inst.dd オプションを使用してメニューからそのデバイスを選択します。また、次のようにインストールプログラムの起動オプションを使ってメディアのスキャンを行いドライバーを検索することもできます。
inst.dd=/dev/sr0
数字キーでドライバー間を移動します。ドライバーが決まったら c を押して選択したドライバーをインストールします。このあと、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェースに移行します。

9.2.3. 手動によるドライバー更新

手動でドライバーをインストールする場合は、ドライバーを収納している ISO イメージを USBフラッシュドライブや web サーバーなどアクセスできる場所に配置しコンピューターに接続しておきます。「ようこそ」の画面で Tab キーを押すと起動コマンドラインが表示されるので、そのコマンドラインに inst.dd=location オプションを追加します。location にはドライバー更新ディスクのパスを入れてください。
ドライバー更新へのパスの指定

図9.3 ドライバー更新へのパスの指定

通常、イメージファイルは web サーバー (http://server.example.com/dd.iso など) または USB フラッシュドライブ (/dev/sdb1 など) に置かれますが、ドライバー更新を含む RPM パッケージ (http://server.example.com/dd.rpm など) を指定することも可能です。
準備が整ったら、Enter を押して起動コマンドを実行します。すると、選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが正常に進みます。

9.2.4. ブラックリストへのドライバーの登録

正常に動作しないドライバーが原因でインストール時にシステムを起動できない場合があります。このような場合、起動コマンドラインをカスタマイズしてそのドライバーを無効にすることができます (ブラックリストに登録する)。ブートメニューで Tab キーを押し起動コマンドラインを表示します。コマンドラインに modprobe.blacklist=driver_name オプションを追加します。driver_name の部分に無効にするドライバー名を入力します。例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
インストールの際に、modprobe.blacklist= オプションを使ってブラックリスト登録したドライバーはインストールが完了したシステムでも無効な状態のままになります。このドライバーは /etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf ファイルで確認できます。ドライバーをブラックリストに登録する方法および他の起動オプションについては 20章起動オプション を参照してください。

第10章 IBM Power Systems でのインストールの起動

IBM Power Systems サーバーを DVD から起動するには、システム管理サービス (System Management Services) (SMS) メニューでインストールブートデバイスを指定する必要があります。
システム管理サービス (System Management Services) GUI に入るには、ブートプロセスでチャイムが聞こえている間に 1 キーを押します。これにより、このセクションに説明してあるグラフィカルインターフェースと同様の画面が立ち上がります。
テキストコンソール上では、セルフテストでテスト済みのコンポーネントと一緒にバナーが表示されている時に 1 を押します。
システム管理サービスのコンソール

図10.1 システム管理サービスのコンソール

SMS メニュー内に入ったら、ブート・オプションの選択 (Select Boot Options) からオプションを選びます。このメニュー内で、インストール・デバイスまたは ブート・デバイスの選択 (Select Install or Boot a Device) を指定し、CD/DVD を選択したらバスタイプを選びます (ほとんどの場合、SCSI) 。よくわからない場合は全デバイスの表示を選択できます。ネットワークアダプターやハードドライブなど、ブートデバイスに使用できるバスがすべてスキャンされます。
最後に、インストール DVD を収納しているデバイスを選択します。ブートメニューが読み込まれます。

重要

IBM Power Systems サーバーは主にテキストコンソールを使用するため、Anaconda は自動的にはグラフィカルインストールを開始しません。ただし、グラフィカルなインストールプログラムの方が機能やカスタマイズ性に優れているため、システムにグラフィカルなディスプレイが備わっている場合はグラフィカルインストールの使用をお勧めします。
グラフィカルインストールを開始するには、inst.vnc 起動オプションを渡します (リモートアクセスを有効にする を参照)。

10.1. ブートメニュー

起動用メディアからの起動が完了すると、ブートメニューが表示されます。ブートメニューにはインストールプログラムの起動以外にもいくつかのオプションが表示されます。60 秒以内に何のキーも押さなければデフォルトの起動オプションが実行されます (白色で強調表示されているオプション)。デフォルトで起動する場合は 60 秒待つか Enter を押します。
起動画面

図10.2 起動画面

デフォルト以外のオプションを選択する場合は、キーボード上の矢印キーを使います。目的のオプションを強調表示したら Enter を押します。
特定のメニューエントリーの起動オプションをカスタマイズするには、e キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備が整ったら Ctrl+X を押して修正したオプションを起動します。
他の起動オプションについては、20章起動オプション を参照してください。
ブートメニューのオプション
Install Red Hat Enterprise Linux 7.0
グラフィカルなインストールプログラムを使ってコンピューターに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にこのオプションを選択します。
Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.0
デフォルトのオプションになります。インストールプログラムを開始する前に、インストールメディアの健全性をチェックするユーティリティが起動します。
Troubleshooting
様々なインストール関連の問題解決に役に立つオプションが用意された別のメニューにアクセスします。強調表示した状態で Enter を押すとメニュー内容が表示されます。
トラブルシューティングメニュー

図10.3 トラブルシューティングメニュー

Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 in basic graphics mode
インストールプログラムがビデオカード用の正しいドライバーを読み込むことができない場合でも、このオプションを使用すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 オプションの使用時、画面表示が歪んだり何も表示されなくなってしまう場合は、コンピューターを再起動してからこのオプションでやり直してみてください。
Rescue a Red Hat Enterprise Linux system
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合にこのオプションを選択します。このレスキュー環境には、こうした多様な問題を修復するためのユーティリティプログラムが用意されています。
Run a memory test
システムでメモリーテストを実行するオプションです。詳細については 「メモリー (RAM) テストモードを読み込む」 を参照してください。
Boot from local drive
インストールが完了した 1 番目のディスクからシステムを起動するオプションです。誤ってインストールディスクから起動してしまった場合、このオプションを使用するとインストールプログラムを起動させず直ちにハードディスクから起動させることができます。

10.2. 異なるソースからのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスク上に保存した ISO イメージからのインストール、 また NFS、FTP、HTTP、HTTPS などを使ったネットワークからのインストールを行うことができます。 ハードディスクやネットワークサーバーからのデータ読み込みは DVD からの読み込みよりも高速なため、 経験豊富なユーザーはこれらの方法をよく使用します。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表10.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
完全インストール用メディア (DVD)インストールも起動した完全インストール用メディア自体を使います
最小限の起動用メディア (CD または DVD)インストールは、ネットワーク上もしくはハードドライブ上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します
ネットワーク起動インストールは、ネットワーク上に配置しておいた完全インストール用 DVD ISO イメージ、またはこのイメージから抽出したインストールツリーを使用します

10.3. インストールサーバーを使ったネットワークからの起動

ネットワークブートの場合、サーバーを正しく設定しておく必要があります。また、コンピューターにインストールサーバーに対応するネットワークインターフェースが必要になります。インストールサーバーの設定方法については 「GRUB2 を使って IBM Power Systems 向けにネットワーク起動を設定する」 を参照してください。
SMS メニューで ブート・オプションの選択 (Select Boot Options)インストール・デバイスまたはブート・デバイスの選択 (Select Boot/Install Device) の順で指定して、コンピューターがネットワークインターフェースから起動するよう設定してます。 使用可能なデバイス一覧からネットワークデバイスを選択します。
インストールサーバーからの起動を正しく設定したら、コンピューターは他のメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できるようになります。
サーバーからコンピューターを起動するには以下を実行します。

手順10.1 ネットワークからインストールプログラムを起動する

  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. ネットワーク設定と診断に関する情報は通常、コンピューターがサーバーに接続する前に表示されます。ただし、これは使用しているハードウェアによって異なります。次に、ネットワーク起動サーバーの設定を指定するオプションがあるメニューが表示されます。目的のオプションに該当する数字キーを押します。どのオプションを選択したらよいかわからない場合は、サーバー管理者に問い合わせてください。
システムがネットワークインストールサーバーから起動しない場合は、適切なネットワークインターフェースが起動順序の 1 番目に設定されているか SMS を確認してください。詳細については、そのハードウェアのマニュアルを参照してください。

重要

vmlinuz および initrd.img イメージを使用してネットワーク経由でシステムを起動します。ネットワーク経由の起動には ppc64.img イメージは使用できません。TFTP にはファイルが大きすぎるためです。

第11章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用可能ですが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
お使いのシステムにグラフィカルモードを使用する機能がない場合は、以下が可能です。

11.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

11.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題の解決時に有用となりますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

11.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境からほかに移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表11.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカット内容
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表12.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、12章IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング を参照してください。

11.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

11.3. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。

重要

Red Hat では、Red Hat Enterprise Linux のインストールにはグラフィカルインターフェースの使用を推奨しています。グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、VNC 接続によるインストールを検討してください。22章VNC を使用したインストール を参照してください。テキストモードでのインストールプログラムでは、VNC ベースのインストールが可能であることを検出すると、テキストモードでのインストールの確認を求めるプロンプトが表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイがあるのにグラフィカルなインストールが失敗する場合は、inst.xdriver=vesa オプションを使った起動を試してください。–20章起動オプション を参照してください。
代わりに、キックスタートを使ったインストールも検討してください。詳細は、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
テキストモードでのインストール

図11.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、inst.text 起動オプションをブートメニュー内の起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で使用して、インストールを起動します。起動オプションの使用については、10章IBM Power Systems でのインストールの起動 を参照してください。

11.4. HMC vterm の使用

HMC vterm はパーティション設定している IBM Power システム用のコンソールです。 HMC でパーティションを右クリックしてから Open Terminal Window (ターミナルウィンドウを開く) を選択するとコンソールが開きます。一度にコンソールへ接続できる vterm は 1 つのみです。パーティション設定しているシステム用のコンソールアクセスは vterm 以外にはありません。このコンソールを指して 仮想コンソール と呼ぶことがよくありますが、「コンソールへのアクセス」 で説明している仮想コンソールとは異なります。

11.5. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要

図11.2 インストールの概要

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを操作することもできます。Tab および Shift+Tab キーを使って画面上のアクティブなコントロール要素 (ボタンやチェックボックスなど) を移動し、上向き および 下向き の矢印キーで一覧をスクロールし、左向き および 右向き の矢印キーで水平方向のツールバーや表エントリーをスクロールします。Space または Enter キーで強調表示アイテムを選択肢から選択または削除したり、ドロップダウンメニューを展開または折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

11.6. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux 7.3 へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図11.3 言語設定

11.7. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図11.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

バックグラウンドでタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的にグレーで表示され使用できなくなることがあります。
キックスタートのオプションまたは起動コマンドラインのオプションを使用し、ネットワーク上にあるインストールリポジトリーを指定したもののインストール開始時にネットワークが利用できない状態になっている場合には、インストールの概要 画面が表示される前にネットワーク接続の設定を求める設定画面が表示されます。
ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

図11.5 ネットワークが検出されない場合のネットワーク設定画面

インストール DVD もしくはローカルでアクセス可能なメディアからインストールするため、インストールの完了にネットワークアクセスは必要ないことが明らかな場合はこのステップを省略しても構いません。しかし、ネットワークインストール (「インストールソース」 を参照) や高度なストレージデバイスの設定 (「ストレージデバイス」 を参照) を行う場合にはネットワーク接続が必要になります。インストールプログラムでネットワークを設定する方法については 「ネットワークとホスト名」 を参照してください。

11.8. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
ご自分の都市が地図上もしくはドロップダウンメニューにない場合は、同じタイムゾーン内で最も近い都市を選んでください。

注記

表示される都市や地域の一覧は Time Zone Database (tzdata) パブリックドメインのものを使用しています。このドメインは Internet Assigned Numbers Authority (IANA) で管理されています。Red Hat ではこのデータベースへ都市や地域を追加することはできません。詳細については公式 web サイトをご覧ください (http://www.iana.org/time-zones)。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンの指定を行ってください。
タイムゾーン設定画面

図11.6 タイムゾーン設定画面

ネットワークに接続している場合は ネットワーク時間 のスイッチが有効になります。NTP を使って日付と時刻を設定するには、ネットワーク時間 のスイッチを オン にしたまま、設定アイコンをクリックして Red Hat Enterprise Linux に使用させる NTP サーバーを選択します。日付と時刻を手動で設定する場合はスイッチを オフ にします。システムクロックにより選択タイムゾーンに応じた正しい日付と時刻が画面下部に表示されるはずです。表示された時刻が正しくない場合は手動で調整してください。
インストール時に NTP サーバーが利用できない場合があります。このような場合はネットワーク時間を有効にしても自動設定は行われません。サーバーが利用できるようになると日付と時刻が更新されます。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にタイムゾーン設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 日付と時刻 セクションで行います。

11.9. 言語サポート

言語およびロケールのサポートを追加でインストールする場合は、インストールの概要 画面から 言語サポート を選択します。
インストールしたい追加の言語サポートをマウスで選びます。左側のパネルで Español などのように言語を選択します。次に右側のパネルで Español (Costa Rica) などのように地域固有のロケールを選択します。言語とロケールはどちらも複数選択が可能です。選択された言語は左側のパネルで太字で強調表示されます。
言語サポートの設定

図11.7 言語サポートの設定

選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後に言語サポート設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの 地域と言語 セクションで行います。

11.10. キーボードの設定

システムに複数のキーボードレイアウトを追加するには、インストールの概要 画面から キーボード を選択します。保存されたレイアウトは、インストールプログラムで即座に利用可能となり、画面右上に常時表示されるキーボードアイコンを使って切り替えることができます。
初めは、「ようこそ」の画面で選択された言語のみが左のペインにキーボードレイアウトとして表示されます。当初のレイアウトを置き換えたり、または新たなレイアウトを追加することができます。ただし、選択した言語が ASCII 文字を使用しない場合、暗号化されたディスクパーティションや root ユーザーのパスワードを正しく設定できるよう ASCII 文字を使用するキーボードレイアウトを追加する必要があります。
キーボードの設定

図11.8 キーボードの設定

新たなレイアウトを追加するには、+ ボタンをクリックしてレイアウトを選び、追加 をクリックします。レイアウトを消去するには、該当するレイアウトを選び、- ボタンをクリックします。矢印ボタンを使ってレイアウトの優先順位を調整します。キーボードレイアウトの視覚的プレビューを表示するには、レイアウトを選択してからキーボードのボタンをクリックします。
レイアウトを試すには、マウスで右側のテキストボックス内をクリックします。テキストを入力してみて、選択した機能が正常に機能するか確認します。
追加したレイアウトを試す場合は、画面上部の言語セレクターをクリックしてそのレイアウトに切り替えます。ただし、レイアウト切り替え用のキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。右側の オプション ボタンをクリックして レイアウト切り替えのオプション ダイアログを開きます。一覧のチェックボックスを選択して、キーの組み合わせを選択します。キーの組み合わせが オプション ボタンの上に表示されます。この組み合わせはインストール中およびインストール後のシステムの両方に適用されるため、インストール後に使用できるようここで組み合わせを設定しておく必要があります。また、レイアウトの切り替えには、複数の組み合わせを選択することもできます。

重要

ロシア語 などのようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、英語 (US) レイアウトも追加して 2 つのレイアウト間を切り替えるキーの組み合わせを設定しておくことが推奨されます。ラテン文字を含まないレイアウトのみを選択した場合、インストールプロセスの後半で有効な root パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない可能性があります。これが原因でインストールが完了できない恐れがあります。
選択を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

注記

インストール完了後にキーボード設定を変更するには、設定 ダイアログウィンドウの キーボード セクションで行います。

11.11. セキュリティーポリシー

セキュリティーポリシー では、Security Content Automation Protocol (SCAP) 標準で定義された制限および推奨事項 (コンプライアンスポリシー) に従ってインストールされたシステムを設定することができます。この機能はアドオンが提供するもので、これは Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降デフォルトで有効になっています。有効になっていると、この機能の提供に必要なパッケージが自動でインストールされます。ただし、デフォルトでは強制されるポリシーがなく、具体的に設定しないとインストール中およびそれ以降にチェックは実行されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド では、バックグラウンド情報、実用的な例、および追加リソースを含むセキュリティーコンプライアンスについての詳細情報を提供しています。

重要

セキュリティーポリシーの適用は必ずしもすべてのシステムで必要なわけではありません。この画面は、所定のポリシーの適用が業務規定や法令で義務付けられている場合にのみ使用してください。
セキュリティーポリシーをシステムに適用する場合は、選択したプロファイル内で定義される制限および推奨事項を使用してインストールされます。また、openscap-scanner パッケージもパッケージセクションに追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプレインストール済みツールを提供します。インストールが終わると、システムは自動的にコンプライアンスを確認するためにスキャンされます。このスキャンの結果はインストールされたシステムの /root/openscap_data ディレクトリーに保存されます。
この画面で利用可能な事前定義ポリシーは、SCAP Security Guide が提供するものです。利用可能な各プロファイルについての詳細情報は、OpenSCAP Portal にあるリンクを参照してください。
HTTPS、HTTP または FTP サーバーから追加プロファイルを読み込むこともできます。
セキュリティーポリシー選択画面

図11.9 セキュリティーポリシー選択画面

システム上のセキュリティーポリシーの使用を設定するには、まず セキュリティーポリシーの適用 スイッチを ON にして設定を有効にします。スイッチが OFF になっていると、この画面の残りの部分は有効になりません。
スイッチを使ってセキュリティーポリシー設定を有効にしたら、画面上部のウィンドウ内にあるプロファイルを 1 つ選択肢、プロファイルの選択 をクリックします。プロファイルが選択されたら、右側に緑色のチェックが表示され、下のフィールドに変更がインストール開始前になされるかどうかが表示されます。

注記

デフォルトで使用可能となっているプロファイルは、インストール開始前に変更を実施しません。ただし、下記の通りにカスタムプロファイルを読み込むとインストール前のアクションが必要になる場合があります。
カスタムプロファイルを使用するには、左上にある コンテンツの変更 ボタンをクリックします。これで別の画面が開き、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力します。デフォルトのセキュリティーコンテンツ選択画面に戻るには、左上の SCAP セキュリティーガイドを使用 をクリックします。
カスタムプロファイルは、HTTPHTTPS または FTP サーバーから読み込むことができます。(http:// といった) プロトコルを含む、コンテンツの完全なアドレスを使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります (「ネットワークとホスト名」 で有効にする)。コンテンツタイプはインストーラーが自動的に検出します。
プロファイルを選択したら、または画面を離れるには、左上にある 完了 をクリックして 「インストールの概要画面」 に戻ります。

11.12. インストールソース

Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルもしくは場所を指定するには、インストールの概要 画面から インストールソース を選びます。この画面では、DVD や ISO ファイルなどローカルで使用するインストールメディア、またはネットワーク上の場所のいずれかを選択することができます。
インストールソースの画面

図11.10 インストールソースの画面

以下のオプションのいずれかを選択します。
自動検出したインストールメディア
完全インストール用の DVD もしくは USB ドライブを使用してインストールを開始している場合は、そのメディアが検出されメディアの基本的な情報がこのオプションに表示されます。検証 ボタンをクリックして、メディアがインストールに適していることを確認します。この整合性のテストは、ブートメニューで Test this media & Install Red Hat Enterprise Linux 7.0 を選択した場合、もしくは rd.live.check 起動オプションを使用した場合と同様のものです。
ISO ファイル
パーティションが設定されマウント可能なファイルシステムを持っているハードドライブがインストールプログラムによって検出されるとこのオプションが表示されます。このオプションを選択してから、ISO を選択 ボタンをクリックし、システム上にあるインストール ISO ファイルの場所を選択します。検証 ボタンをクリックして、ファイルがインストールに適していることを確認します。
ネットワーク上
ネットワーク上にある場所を指定するには、このオプションを選択して、ドロップダウンメニューから以下のオプションのいずれかを選びます。
  • http://
  • https://
  • ftp://
  • nfs
上記のオプションいずれかを選んだら、後ろに続くアドレスをアドレスボックスに入力します。NFS を選択した場合は、NFS マウントオプションを指定するための別のボックスが表示されます。

重要

NFS ベースのインストールソースを選択する場合には、アドレスにコロン (:) を付けてパスとホスト名を区切ってください。以下に例を示します。
server.example.com:/path/to/directory
HTTP または HTTPS ソース用のプロキシを設定するために プロキシの設定 ボタンをクリックします。HTTP プロキシを有効にする にチェックを入れ、URL を プロキシ URL ボックスに入力します。プロキシで認証が必要な場合は、認証を使用する にチェックを入れ、ユーザー名とパスワードを入力します。追加 をクリックします。
使用する HTTP もしくは HTTPS の URL がリポジトリーのミラーの一覧を参照する場合は、入力するフィールドの下のチェックボックスにチェックを入れます。
また、追加のリポジトリーを指定して、別のインストール環境やソフトウェアアドオンにアクセスすることもできます。詳細は 「ソフトウェアの選択」 を参照してください。
リポジトリーを追加するには + ボタンを、削除するには - ボタンをクリックします。リポジトリー一覧を元に戻すには、矢印のアイコンをクリックします。これにより、現在あるエントリーが インストールソース の画面を開いた時点にあったエントリーに置き換えられます。リポジトリーを有効化、無効化するには、一覧内の各エントリーにある 有効 コラムのチェックボックスをクリックします。
画面の右側で追加したリポジトリーに名前を付け、ネットワーク上のプライマリーのリポジトリーを設定したときと同じように設定することができます。
インストールソースを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

11.13. ネットワークとホスト名

システムに必須のネットワーク機能を設定するには、インストールの概要 画面で ネットワークとホスト名 を選択します。

重要

Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール完了後に初めてシステムを起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースが作動します。ただし、Red Hat Enterprise Linux を DVD からローカルのハードドライブにインストールした場合など、一般的なインストールを行った場合は、ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトは表示されません。
Red Hat Enterprise Linux 7 をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールした際、システムの初回起動時にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、少なくとも 1 つのネットワークインターフェースを手動で設定してください。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
ローカルでアクセスできるインターフェースはインストールプログラムが自動で検出するため、手動による追加や削除はできません。検出されたインターフェースは左側のペインに一覧表示されます。一覧内のインターフェースをクリックすると、右側にその詳細が表示されます。ネットワークインターフェースを有効または無効にするには、画面右上にあるスイッチを オン または オフ にします。

注記

em1wl3sp0 といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名標準にはいくつかのタイプがあります。これらの標準については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワークとホスト名の設定画面

図11.11 ネットワークとホスト名の設定画面

接続一覧の下にある ホスト名 の入力フィールドにこのコンピューター用のホスト名を入力します。ホスト名は、hostname.domainname という形式の 完全修飾ドメイン名 (FQDN) か、hostname という形式の 短縮ホスト名 のどちらかになります。多くのネットワークには、自動的に接続されたシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのマシンにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定してください。localhost.localdomain の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、インストールされるシステムの実際のホスト名はネットワーク設定時 (たとえば、DHCP または DNS を使用した NetworkManager) に設定されることを示しています。

重要

ホスト名を手動で割り当てる場合は、ご自分に割り当てられていないドメイン名を使用しないように注意してください。これを行うと、ネットワークリソースが利用できなくなる場合があります。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド で推奨している命名方法の実践例を参照してください。

注記

ネットワークの設定は、インストール完了後にシステムの 設定ネットワーク セクションでダイアログを使って変更することもできます。
ネットワークの設定を終えたら、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

11.13.1. ネットワーク接続の編集

このセクションでは、インストール中に使用される一般的な有線接続の場合に最も重要となる設定についてのみ説明します。ほとんどの場合、オプションの多くは変更する必要がありません。また、インストールされるシステムにも引き継がれません。これ以外のネットワーク設定についてもほぼ同じですが、当然、特定の設定パラメーターは異なります。インストール後のネットワーク設定については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
ネットワーク接続を手作業で設定するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。ダイアログが表示され、選択された接続の設定ができるようになります。表示される設定オプションは、有線、無線、モバイルブロードバンド、VPN、DSL など接続タイプによって異なります。システムの 設定 ダイアログの ネットワーク セクションで行える全設定に関する詳細については本ガイドの範疇を超えてしまうためここでは説明していません。
インストール中に設定しておくと便利なネットワーク設定オプションを以下に示します。
  • システム起動時に常にこの接続を使用する場合は、この接続が利用可能になったときは自動的に接続する のチェックボックスにマークを入れます。自動的に接続するネットワークは、複数の接続を使用することができます。この設定は、インストールされるシステムに引き継がれます。
    ネットワーク自動接続機能

    図11.12 ネットワーク自動接続機能

  • デフォルトでは、IPv4 パラメーターが DHCP サービスにより自動的に設定されます。同時に、IPv6 設定は 自動 方式に設定されます。ほとんどの場合、この組み合わせが最適で通常は変更する必要はありません。
    IP プロトコル設定

    図11.13 IP プロトコル設定

  • 接続をローカルネットワークのみに限定するには、そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 のチェックボックスを選択します。この設定はインストールされるシステムに引き継がれ、全体の接続に適用されます。追加のルートが設定されていなくても、この選択をすることができます。
    IPv4 ルートの設定

    図11.14 IPv4 ルートの設定

ネットワーク設定の編集が終了したら、保存 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでに作動していたデバイスを再設定した場合、その新しい設定をインストール環境で使用するためにはデバイスの再起動を行う必要があります。ネットワークとホスト名 の画面にある オン/オフ のスイッチを使ってデバイスを再起動してください。

11.13.2. 高度なネットワークインターフェース

高度なネットワークインターフェースもインストールに使用できます。これには仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) と集約リンクを使用する 3 つの方法が含まれます。これらのインターフェースについての詳細な説明は本ドキュメントの対象外となります。詳細情報は、 Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。
高度なネットワークインターフェースを作成するには、ネットワークとホスト名 の画面の左下にある + ボタンをクリックします。
ネットワークとホスト名の設定画面

図11.15 ネットワークとホスト名の設定画面

ダイアログが表示され、以下のオプションがドロップダウンメニューから選択できます。
  • Bond - NIC (ネットワークインターフェースコントローラー) のボンドです。複数のネットワークインターフェースを一つのチャネルに結合する方式です。
  • Bridge - NIC ブリッジングです。複数の別個のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
  • チーム - NIC のチームです。複数のリンクを集約する新しい実装になります。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがすべてのタスクをユーザー領域で行うよう設計されています。
  • VLAN - それぞれ孤立している異なる複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
高度なネットワークインターフェースのダイアログ

図11.16 高度なネットワークインターフェースのダイアログ

注記

ローカルでアクセスできるインターフェースは有線、無線に関わらずインストールプログラムにより自動的に検出されるため、上記の操作手順で手動による追加や削除はできません。
オプションを選択して 追加 ボタンをクリックすると、新規インターフェースを設定する別のダイアログが表示されます。詳細な手順については、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド を参照してください。既存の高度なインターフェースの設定を変更するには、画面右下の 設定 ボタンをクリックします。- ボタンをクリックすると手動で追加したインターフェースを削除することもできます。

11.14. ソフトウェアの選択

インストールするパッケージを指定するには、インストールの概要 画面で ソフトウェアの選択 を選びます。パッケージは ベース環境 に応じてグループ化されています。各環境は特定の目的で事前定義されているパッケージセットになります。たとえば、仮想化ホスト の場合、システムで仮想マシンを実行するために必要なソフトウェアパッケージ一式が含まれています。インストール時に選択できる環境は一つのみです。
各環境には、アドオン という形で追加パッケージが選択できるようになっています。アドオンは画面の右側に表示され、環境を選び直すとアドオンの一覧も更新されます。アドオンは複数選択が可能です。
アドオン一覧は横線で上下に分割されています。
  • 横線の に表示されるアドオンは、選択した環境に固有のものです。いずれかのアドオンを選択してから環境の選択を変更すると、アドオンの選択は失われます。
  • 横線の に表示されるアドオンは、すべての環境で同じものです。別の環境を選択し直しても、ここでの選択は失われません。
サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

図11.17 サーバーインストールでのソフトウェア選択の例

選択できるベース環境およびアドオンの種類は、インストールソースとして使用する Red Hat Enterprise Linux 7 インストール ISO イメージの種類によります。たとえば、server の場合はサーバー向けの環境が提供され、workstation の場合は開発者向けワークステーションとしての導入を対象とした選択肢が提供されます。
インストールプログラムでは各環境に含まれているパッケージは表示されません。特定の環境やアドオンに含まれている各パッケージを確認する場合は、インストールソースとして使用している Red Hat Enterprise Linux 7 Installation DVD の repodata/*-comps-variant.architecture.xml ファイルをご覧ください。このファイルには、利用可能な環境 (<environment> タグ) およびアドオン (<group> タグ) を記述した構造が含まれています。
事前に設定されている環境とアドオンでシステムをカスタマイズすることはできますが、手動のインストールではインストールするパッケージを個別に選択する方法はありません。インストール後のシステムを完全にカスタマイズするため、最低限のソフトウェアと Red Hat Enterprise Linux 7 の基本的なバージョンのみをインストールする 最小限のインストール 環境を選択することができます。インストールが完了して初回ログインしてから、Yum パッケージマネージャーを使って必要な追加ソフトウェアをインストールします。
代わりに、キックスタートファイルを使ってインストールを自動化することによりインストールパッケージをより高度なレベルで管理することもできます。キックスタートファイルの %packages のセクションでは、環境、グループ、各パッケージなどを指定することができます。キックスタートファイルでインストールするパッケージを選択する方法については 「パッケージの選択」 を参照してください。キックスタートを使ってインストールを自動化する方法については 23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
インストールする環境とアドオンを選択したら、完了 をクリックして インストールの概要 に戻ります。

11.14.1. コアとなるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには、以下のネットワークサービスが含まれます。
  • syslog ユーティリティーを利用した集中ログ記録機能
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 経由の電子メール
  • NFS (Network File System) 経由のネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) 経由のリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) 経由のリソースのアドバタイズ
Red Hat Enterprise Linux システムの一部の自動化プロセスは、システム管理者へのレポートやメッセージの送信に電子メールサービスを利用するものがあります。デフォルトでは、電子メール、ログ記録、印刷などのサービスは他のシステムからの接続は受信しません。
インストール後に電子メール、ファイル共有、ログ記録、印刷、リモートによるデスクトップへのアクセスなどのサービスを提供するよう Red Hat Enterprise Linux システムを設定することができます。SSH サービスはデフォルトで有効になっています。また、NFS 共有サービスを有効にしなくても、NFS を使って他のシステム上のファイルにアクセスすることもできます。

11.15. インストール先

Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるディスクを選択してストレージ領域のパーティションを設定するには、インストールの概要 画面から インストール先 を選択します。ディスクのパーティション設定に慣れていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合は、このセクションで説明しているデフォルトのパーティション設定スキームしか使用できません。インストールプログラムで自動的に追加や削除が行われるもの以外、パーティションやファイルシステムの追加または削除はできません。

重要

RAID カードがある場合、一部の BIOS では RAID カードからの起動には対応していないため注意してください。このような場合、/boot パーティションは別のハードドライブなど、RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。内蔵ハードドライブは RAID カードでのパーティション作成に必要となります。また、/boot パーティションはソフトウェア RAID の設定にも必要になります。
システムの自動パーティション設定を選択した場合は、手動で /boot パーティションを編集してください。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
ストレージ領域の概要

図11.18 ストレージ領域の概要

この画面では、ご使用のコンピューターでローカルの使用が可能なストレージデバイスを確認することができます。ディスクの追加 ボタンをクリックすると、特殊デバイスやネットワークデバイスを新たに追加することもできます。これらのデバイスについては 「ストレージデバイス」 を参照してください。
システムのパーティション設定方法がよく分からない場合は、デフォルト選択になっている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンに印を付けたままにすると、インストールプログラムがパーティションを設定します。
ストレージデバイスのペインの下には、その他のストレージオプション というラベルが付いた設定オプションがあります。
  • パーティション構成 のセクションでは、ストレージデバイスのパーティション設定方法を選択することができます。パーティションを手動で設定する、またはインストールプログラムによる自動設定を選択することができます。
    今まで使用したことがないストレージにインストールする場合、またはストレージに保存されているデータは一切必要ない場合には、自動パーティション設定を推奨します。自動パーティションを設定する場合は、デフォルトで選択されている 自動構成のパーティション構成 のラジオボタンにチェックを付けたまま必要なパーティションの作成はインストールプログラムに任せます。
    自動でのパーティション設定の場合、追加の空き領域を利用できるようにしたい のチェックボックスを選択すると、他のファイルシステムの領域をこのインストールに再配分する方法を選択できます。自動パーティション設定を選択しているものの、推奨パーティション設定を使用したインストールの完了にはストレージ領域が足りない場合、 完了 をクリックすると以下のダイアログが表示されます。
    インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    図11.19 インストールオプションのダイアログ内の「領域を確保する」オプション

    インストール先 画面に戻るには、取り消してディスクを追加する をクリックします。ここでは、ストレージデバイスの追加、もしくは手動でのパーティション設定が可能です。既存のパーティションからストレージ領域の一部を解放する場合は 領域を確保する をクリックします。詳細は 「ディスク領域の獲得」 を参照してください。
    手動による設定を行うため、パーティション構成を行いたい のラジオボタンを選択した場合は、完了 をクリックすると 手動パーティション設定 の画面に移動します。詳細は 「手動パーティション設定」 を参照してください。
  • 暗号化 セクションで データを暗号化する のチェックボックスを選択すると、/boot パーティション以外、すべてのパーティションを暗号化することができます。暗号化についての詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
画面下部の すべてのディスクの要約とブートローダー ボタンでは、ブートローダーをインストールするディスクを設定することができます。
詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
選択を終えたら 完了 ボタンをクリックして、インストールの概要 画面に戻るか、手動パーティション設定 画面に進みます。

重要

マルチパスのストレージデバイスとマルチパスではないストレージデバイス両方が接続されたシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトでマルチパスのデバイスとマルチパスではないデバイスが混在したボリュームグループが作成されてしまう可能性があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。
マルチパスのデバイスもしくはマルチパスではないデバイスのいずれか一方のみを インストール先 画面で選択することをお勧めします。別の方法としては、手動のパーティション設定に進む方法があります。

11.15.1. ブートローダーのインストール

Red Hat Enterprise Linux 7 では、GRUB2 (GRand Unified Bootloader バージョン 2) をブートローダーとして使用します。ブートローダーは、コンピューターの開始時に最初に実行されるプログラムで、指示を読み込んでオペレーティングシステムに渡す役割を果たします。GRUB2 は互換性のあるオペレーティングシステムであればいかなるものでも起動可能で、チェーンロード で未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。

警告

GRUB 2 をインストールすると既存のブートローダーを上書きする可能性があります。
すでに他のオペレーティングシステムをインストールしている場合、Red Hat Enterprise Linux はそのオペレーティングシステムを自動検出して、GRUB2 で起動できるよう設定します。他のオペレーティングシステムが正しく検出されない場合は手作業で設定することができます。
ブートローダーをインストールするデバイスを指定するには、インストール先 の画面下部にある すべてのディスクの要約とブートローダー のリンクをクリックします。選択したディスクのダイアログが表示されます。ドライブのパーティションを手作業で設定している場合は、手動パーティション設定 の画面の ストレージデバイスが選択されています をクリックすると同じダイアログに行きます。
選択したディスクの要約

図11.20 選択したディスクの要約

ブートのコラムには、デバイスの一つに起動デバイスを示すため緑のチェックマークアイコンが付けられています。起動デバイスを変更するには、一覧からデバイスを選択してブートデバイスとして設定のボタンをクリックしそのデバイスにブートローダーがインストールされるようにします。
新しいブートローダーのインストールを拒否する場合は、印が付いているデバイスを選択してブートローダーをインストールしないのボタンをクリックします。チェックマークアイコンが外れ、いずれのデバイスにも GRUB2 はインストールされなくなります。

警告

何らかの理由でブートローダーをインストールしない選択をした場合、直接システムを起動することができなくなるため、市販のブートローダーアプリケーションなど別の起動方法を使用しなければならなくなります。「ブートローダーをインストールしない」選択は、システムを起動させるための別の方法が確保されている場合に限定してください。

11.15.2. パーティションの暗号化

データを暗号化する のオプションを選択した場合、クリックして次の画面に進むと暗号化するパーティションのパスフレーズ入力が求められます。
パーティションの暗号化は LUKS (Linux Unified Key Setup) を使用して行われます。詳細は Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。
暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

図11.21 暗号化したパーティションのパスフレーズ入力

パスフレーズが決まったらダイアログボックスの 2 つのフィールドに入力します。パスフレーズの設定に使用するキーボードレイアウトは、後でパーティションのロック解除に使用するキーボードレイアウトと同じものを使用してください。言語レイアウトのアイコンで正しいレイアウトが選択されていることを確認します。このパスフレーズはシステムが起動するたび、毎回入力する必要があります。再入力するには パスフレーズ の入力フィールドにカーソルがある状態で Tab を押します。パスフレーズが脆弱すぎる場合はフィールドに警告アイコンが表示され、2 番目のフィールドに入力ができません。カーソルを警告アイコンの上に持って行くと、パスフレーズの改善方法が分かります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
キックスタートを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストールを行っている場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存してバックアップしておくことができます。ディスク暗号化の詳細については Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

11.15.3. ディスク領域の獲得

インストール先 で選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux のインストールに十分な領域がないため、インストールオプション のダイアログで 領域を確保する を選択した場合、ディスク領域の獲得 ダイアログが表示されます。

警告

パーティションの縮小を選択していなければ、領域の確保によりそのパーティション上のデータはすべて消去されます。このため、保持しておく必要があるデータのバックアップがすでに用意されていることを必ず確認してください。
既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

図11.22 既存ファイルシステムからのディスク領域の確保

Red Hat Enterprise Linux で検出された既存のファイルシステムが各ディスクの一部として一覧表示されます。獲得可能な領域 のコラムには、インストールで再配分が可能な領域が表示されます。アクション のコラムには、領域確保のため実行される動作が表示されます。
表の下にはボタンが 4 つあります。
  • 維持 - ファイルシステムの現状を維持します。データは消去されません。これがデフォルト動作です。
  • 削除 - ファイルシステムを完全に消去します。ファイルシステムが占めていた領域をすべてインストールで使用できるようにします。
  • 縮小 - ファイルシステムから空の領域を回収し、このインストールで使用できるようにします。スライダーを使って選択したパーティションの新たなサイズを設定します。LVM または RAID が使用されていない、サイズ変更可能なパーティションでしか使用できません。
  • すべて削除/すべて保存 - 右側にある「すべて削除」のボタンをクリックすると、デフォルトで全ファイルシステムに削除のマークが付けられ、同時にボタンのラベルが「すべて保存」に変わります。「すべて保存」ボタンを再度クリックすると、全ファイルシステムに再び保存のマークが付けられます。
マウスを使ってテーブル内のファイルシステムまたはディスク全体を選択したら、ボタンをクリックします。クリックしたボタンに応じて アクション コラムのラベルが変わり、表の下部に表示されている 選択した獲得する領域合計 のサイズが調整されます。この値の下にはインストールに必要となる領域サイズが表示されます。このサイズはインストールの選択をしたパッケージの量に基づいています。
インストールを続行するために十分な領域が確保されると 領域を確保する のボタンがクリックできるようになります。このボタンをクリックしてインストールの概要画面に戻り、インストールを続行します。

11.15.4. 手動パーティション設定

手動パーティション設定 の画面は、パーティション構成を行いたい のオプションを選択してインストール先を 完了 すると表示されます。各ディスクパーティションおよびマウントポイントの設定はこの画面で行います。ここで Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールするファイルシステムを指定します。

警告

Red Hat では、システム上の全データを常にバックアップしておくことを推奨しています。たとえば、デュアルブートシステムをアップグレードする、または作成する場合には、保存しておきたいストレージデバイスのデータはすべてバックアップをとってください。万一、何らかのミスが発生した場合、全データを喪失してしまう可能性があります。
手動パーティション設定の画面

図11.23 手動パーティション設定の画面

手動パーティション設定 では最初にマウントポイントを表示するペインが左側に現れます。このペインは、マウントポイント作成についての情報以外は空であるか、インストールプログラムが検出した既存のマウントポイントを表示します。これらのマウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。このため、パーティションがいくつかのインストールで共有されている場合は、複数回表示されるファイルシステムもあります。選択されたストレージデバイスの合計領域と利用可能な領域がこのペインの下に表示されます。
システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。不要なパーティションを削除するには - ボタンを使用します。

注記

各ディスクパーティションの詳細および推奨値については、付録A ディスクパーティションの概要 および 「推奨されるパーティション設定スキーム」 をご覧ください。少なくとも、適切なサイズの root パーティションと、通常、システムの RAM のサイズに応じた swap パーティションが必要です。

11.15.4.1. ファイルシステムの追加とパーティションの設定

Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールには少なくとも、PReP パーティションと別のパーティションが必要になります。しかし、Red Hat では少なくとも 5 つのパーティションを推奨しています( PReP//home/boot および swap)。必要であれば、さらに多くのパーティションを追加作成しても構いません。詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

注記

(特定のパーティションを特定のディスクに配置するなど) 特定のパーティションに関する特定の要件があり、他のパーティションにはそのような要件がない場合は、要件のあるパーティションを先に作成します。
ファイルシステムの追加手順は 2 つに分かれます。まず、特定のパーティションスキームにマウントポイントを作成します。マウントポイントが左側のペインに表示されます。次に、右側のペインのオプションを使ってこのマウントポイントをカスタマイズします。ここではマウントポイント、デバイスタイプやファイルシステムタイプ、ラベルなどを変更する、該当パーティションを暗号化するまたは再フォーマットすることなどができます。
既存のファイルシステムがなく、必要なパーティションとマウントポイントをインストールプログラムに作成させたい場合は、左側のペインのドロップダウンメニューから希望するパーティション設定スキームを選択します (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM)。次に、ペインの上部にあるリンクをクリックするとマウントポイントが自動的に作成され、/boot パーティション、/ (root) パーティション、swap パーティションがストレージのサイズに合わせて生成されます。これらのパーティションが一般的なインストールに推奨されるパーティションになります。ただし、必要に応じてさらにパーティションを追加することもできます。
また、ペイン下部の + ボタンを使ってマウントポイントを個別に作成すると、新規マウントポイントの追加 ダイアログが開きます。マウントポイント ドロップダウンメニューから既存のパスを選ぶか、独自のパスを入力します (root パーティションに / 、boot パーティションに /boot など)。次にメガバイトやギガバイト、テラバイトなど一般的なサイズ単位を使ってパーティションのサイズを 割り当てる容量 のテキストフィールドに入力します (2 ギガバイトのパーティションを作成するなら 2GB と入力する)。フィールドを空白のままにしたり、利用可能な領域よりも大きいサイズを指定すると、残りの空領域がすべて使用されることになります。詳細を入力したら、マウントポイントの追加 ボタンをクリックしてパーティションを作成します。

注記

領域の割り当てに関する問題を避けるには、最初に /boot のような既知の固定サイズの小型パーティションを作成し、それから残りのパーティションを作成することで、インストールプログラムが残りの領域をそれらのパーティションに割り当てられるようにします。
同様に、システムが置かれることになる複数のディスクがあり、これらのサイズが異なり、また特定のパーティションが BIOS に検出される最初のディスク上で作成される必要がある場合、そのパーティションを最初に作成するようにしてください。
左側のペインにあるドロップダウンメニューを使うと、手作業で作成する新しいマウントポイントにパーティションスキームを設定することができます。標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニング のオプションが選択できます。/boot パーティションは、このメニューで選択した値に関わらず、常に標準パーティションに配置されるので注意してください。
配置させるデバイスをマウントポイント (LVM 以外) ごとに変更する場合は、マウントポイントを選択してから右のペインの 変更... ボタンをクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。デバイスを選択して (複数可) 選択 をクリックします。ダイアログが閉じたら、手動パーティション設定 画面の右側にある 設定の更新 ボタンをクリックしてこの設定を確定する必要があるので注意してください。
マウントポイントの設定

図11.24 マウントポイントの設定

全ローカルディスクおよびそのディスク上のパーティションに関する情報をリフレッシュするには、ツールバーの 再スキャン ボタン (環状矢印が付いたアイコン) をクリックします。この作業が必要になるのはインストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。ディスクの再スキャン ボタンをクリックすると、インストールプログラム内でこれまでに行った設定変更はすべて失われます。
ディスクの再スキャン

図11.25 ディスクの再スキャン

画面下部には、インストール先 で選択したストレージデバイス数を表すリンクがあります (「インストール先」 を参照)。このリンクをクリックすると、選択したディスク のダイアログが開きます。ここでディスク情報を確認することができます。詳細は 「ブートローダーのインストール」 を参照してください。
パーティションまたはボリュームをカスタマイズする場合は、左側のペインでパーティションまたはボリュームを選択すると、右側にカスタム可能な詳細が表示されます。
パーティションのカスタマイズ

図11.26 パーティションのカスタマイズ

  • マウントポイント - パーティションのマウントポイントを入力します。たとえば、このパーティションを root パーティションにする場合は、/ と入力します。/boot パーティションにする場合は、/boot と入力します。swap パーティションにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで十分です。
  • 割り当てる容量 - パーティションに割り当てる容量を入力します。単位にはキロバイトやメガバイト、ギガバイト、テラバイトなどの一般的なサイズ単位が使用できます。単位を指定しない場合は、メガバイトがデフォルトのオプションになります。
  • デバイスタイプ - 標準パーティションBTRFSLVMLVM シンプロビジョニングRAIDのいずれかを選択します。パーティションを暗号化するには、横にある 暗号化 ボックスにチェックを入れます。パスワードを設定するようプロンプトが後で表示されます。パーティション設定に複数のディスクが選択されている場合にのみ、RAID が使用可能になります。このタイプを選択すると、RAID レベル の設定も可能になります。同様に、LVM を選択すると、ボリュームグループ を指定できるようになります。
  • ファイルシステム - ドロップダウンメニューでこのパーティションに適切なファイルシステムタイプを選択します。既存のパーティションをフォーマットする場合は、横の 再フォーマット ボックスにチェックを入れます。データをそのまま維持する場合は空白にしておきます。新規作成されたパーティションは再フォーマットが必要で、この場合はチェックボックスのチェックを外すことはできません。
  • ラベル - パーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使うと、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
  • 名前 - LVM または Btrfs ボリュームに名前を割り当てます。標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため名前の変更はできません。たとえば、/home には sda1 という名前が付けられます。
ファイルシステムおよびデバイスタイプの詳細については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
設定の更新 ボタンをクリックして変更を保存してから、次のパーティションのカスタマイズに進みます。インストールの概要ページからインストールを開始するまで、実際には変更は適用されません。全パーティションに加えた変更をすべて破棄して最初からやり直す場合は、すべてリセット ボタンをクリックします。
すべてのファイルシステムとマウントポイントの作成およびカスタマイズが終了したら、完了 ボタンをクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択した場合はパスフレーズの作成が求められます。次に、インストールプログラムが受け取るストレージ関連の全アクションの概要を示すダイアログが現れ、パーティションおよびファイルシステムの作成、サイズ変更、削除などが表示されます。すべての変更を見直します。前に戻る場合は 取り消して手動パーティション設定に戻る をクリックします。変更を適用する場合は、変更を適用する をクリックして、インストールの概要ページに戻ります。他のデバイスのパーティションを設定するには、インストール先 画面でそのデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻って本セクションで説明している新規デバイス用の手順を繰り返します。

重要

/usr または /var のパーティションを root ボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置しまった場合には、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりシステムが起動できなくなったりする可能性があります。
これらの制限は /usr/var のみに適用されるもので、これらの下のディレクトリーには該当しません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは問題なく機能します。
11.15.4.1.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるデバイスタイプやファイルシステムを作成することができます。各種のデバイスタイプおよびファイルシステムの種類とその使い方を以下に簡単に示します。

デバイスタイプ

  • 標準のパーティション - 標準のパーティションにはファイルシステムや swap 領域を含めることができます。また、ソフトウェア RAID や LVM の物理ボリューム用コンテナーになる場合もあります。
  • 論理ボリューム (LVM) - LVM パーティションを作成すると、自動的に LVM 論理ボリュームが生成されます。LVM は、物理ディスクを使用する場合にパフォーマンスを向上させることができます。論理ボリュームの作成方法については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。
  • LVM シンプロビジョニング - シンプロビジョニングを使用すると、空き領域のストレージプール (シンプールと呼ばれる) を管理できるようになります。アプリケーションのニーズに応じてこの空き領域を任意の数のデバイスに割り当てることができます。シンプールは必要に応じて動的に拡張することができるため、ストレージ領域の費用対効果が高い割り当てを行うことができます。LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理 を参照してください。

    注記

    インストーラーは、LVM シンプール論理ボリューム用にリクエストした領域の 20% を、これを格納しているボリュームグループ内で自動的に保留します。これは、シンプロビジョニングした論理ボリュームのデータボリュームやメタデータボリュームを拡張する場合に備えた安全対策です。
  • BTRFS - Btrfs はデバイスのような機能を備えたファイルシステムになります。ext2、ext3、および ext4 のファイルシステムに比べ、より大容量のボリューム、より大きなファイルサイズ、より多数のファイルの処理、管理ができます。Btrfs ボリュームの作成方法およびその詳細については 「Btrfs サブボリュームの作成」 を参照してください。
  • ソフトウェア RAID - 複数のソフトウェア RAID パーティションを作成して 1 台の RAID デバイスとして構成します。システム上の各ディスクに対して RAID パーティションを 1 つずつ割り当てます。RAID デバイスの作成方法については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。RAID の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • xfs - XFS はスケーラビリティーに優れた高いパフォーマンス性を有するファイルシステムです。最大 16 エクサバイトのファイルシステム (約 1600万 テラバイト)、最大 8 エクサバイトのファイル (約 800万 テラバイト) および数千万のエントリーを格納するディレクトリー構造に対応します。クラッシュからの回復が早いメタデータジャーナル機能に対応します。また、マウント中でアクティブな場合でも、最適化やサイズ変更を行うことができます。強く推奨されるファイルシステムであり、デフォルトではこのファイルシステムが選択されます。これまで ext4 ファイルシステムで使用していた一般的なコマンドを XFS で使用する場合の対処方法については 付録E ext4 と XFS コマンドの参照表 を参照してください。
    XFS パーティションで対応できる最大サイズは 500 TB になります。
  • ext4 - ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースとし、いくつか改善が加えられています。より大きなファイルシステム、より大きなファイルに対応するようになり、またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。1 ディレクトリー内でのサブディレクトリー数に制限がなく、ファイルシステムのチェックが高速化、またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。
    Red Hat Enterprise Linux 7 での ext4 ファイルシステムで対応できる最大サイズは現在 50 TB になります。
  • ext3 - ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリング機能を使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、クラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 - ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
  • vfat - VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステム上の Microsoft Windows の長いファイル名との互換性があります。
  • swap - Swap パーティションは仮想メモリーに対応するため使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
  • PReP - ハードドライブの 1 番目のパーティションにある小さな起動パーティションです。PReP 起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれています。これにより、他の IBM Power Systems サーバーで Red Hat Enterprise Linux を起動できるようになります。
各ファイルシステムには、そのファイルシステムにより異なるサイズ制限があります。また、ファイルシステムごと個別のファイルを格納しています。対応している最大ファイルサイズおよび最大ファイルシステムサイズなどの一覧はカスタマーポータルの「Red Hat Enterprise Linux テクノロジの機能と制限 」のページをご覧ください。(https://access.redhat.com/ja/articles/1271503)

11.15.4.2. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のディスクで構成し、組み合わせによってパフォーマンスを向上させます。また、一部の設定では、より高い耐障害性を得ることができます。各種 RAID の詳細は以下をご覧ください。
RAID デバイスの作成はワンステップで行えます。また、ディスクは必要に応じて追加や削除ができます。1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により利用できる RAID デバイスのレベルが確定されます。たとえば、システムに 2 つのハードドライブがある場合、RAID10 デバイスを作成することはできません。これには 4 つの別個のパーティションが必要になります。
ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

図11.27 ソフトウェア RAID パーティションの作成 - デバイスタイプ メニューを展開した例

RAID 設定オプションはインストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ、表示されます。RAID デバイスの作成には少なくともディスクが 2 つ必要になります。
RAID デバイスの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. 左側のペインでパーティションを選択した状態で、ペイン下部にある設定ボタンを選択し マウントポイントの設定 ダイアログを開きます。RAID デバイスに含めるディスクを選択してから 選択 をクリックします。
  3. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして RAID を選択します。
  4. ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして目的のファイルシステムタイプを選択します (「ファイルシステムタイプ」 を参照)。
  5. RAID レベル のドロップダウンメニューをクリックして目的の RAID レベルを選択します。
    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 - パフォーマンス (ストライプ)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 - 冗長化 (ミラーリング)
    1 つのディスク上の全データを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID4 - エラーチェック (パリティー)
    データを複数のディスクに分散させますが、アレイ内の 1 ディスクにパリティー情報を格納します。これにより、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報は 1 ディスクに格納されるため、このディスクへのアクセスによりアレイのパフォーマンスにボトルネックが発生します。RAID 4 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID5 - 分散エラーチェック
    データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数ディスクにデータを分散させパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体で分散されるため、RAID レベル 4 のようにパフォーマンスにボトルネックが発生しません。RAID 5 には少なくとも 3 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID6 - 冗長エラーチェック
    RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、パリティーデータが 1 セットではなく 2 セット格納されます。RAID 6 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 - パフォーマンス (ストライプ)、 冗長化 (ミラーリング)
    RAID レベル 10 はネスト化した RAID または ハイブリッド RAID になります。ミラーリングしているディスクセットに対してデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID レベル 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
  6. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

11.15.4.3. LVM 論理ボリュームの作成

論理ボリューム管理 (LVM) では、ハードドライブや LUN などのベースとなっている物理ストレージ領域を論理的な観点から表示します。物理ストレージ上のパーティションは 物理ボリューム として表示され、ボリュームグループ にグループ化することができます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリューム に分割することができます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
LVM の詳細は 付録C LVM の理解 または 『Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理』のガイドを参照してください。LVM の設定はグラフィカルインストールプログラムでしかできないため注意してください。

重要

テキストモードによるインストールの場合は LVM 設定はできません。LVM 設定を新規で行う必要がある場合は、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールを使って lvm コマンドを実行します。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
論理ボリュームの設定

図11.28 論理ボリュームの設定

論理ボリュームを作成して新規または既存のボリュームグループに追加するには、以下を実行します。
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがい LVM ボリュームにマウントポイントを作成します。
  2. デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして LVM を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成されたボリュームグループ名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume group を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume group を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume Group ダイアログが表示されることになります。このダイアログで論理ボリュームグループの名前を変更したり、含めるディスクを選択することができます。

    注記

    設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成したい場合は、対話シェルに切り替え、vgcreate コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルで volgroup --pesize=size コマンドを使用して作成します。
    LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    図11.29 LVM ボリュームグループのカスタマイズ

    選択できる RAID レベルは実際の RAID デバイスと同じです。詳細は、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。またボリュームグループの暗号化に印を付けて、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームグループのサイズは自動で設定されるので、設定した論理ボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリュームグループ内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。ほとんどのデータを LVM に保存する予定のため、後日、既存の論理ボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループ内に別の論理ボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定することができます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    グループ設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。

警告

LVM ボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。

11.15.4.4. Btrfs サブボリュームの作成

Btrfs はファイルシステムの種類の 1 つですが、ストレージデバイスの特徴である機能をいくつか備えています。エラーに対して耐性のある設計になっています。また、エラーが発生した場合には迅速な検出と修復が行われます。チェックサムを使ってデータおよびメタデータの有効性を検証し、バックアップや修復時に利用できるファイルシステムのスナップショットを維持します。
手動でのパーティションを設定する際に、ボリュームではなく Btrfs サブボリュームを作成すると、このサブボリュームを格納するための Btrfs ボリュームがインストールプログラムによって自動的に作成されます。手動パーティション設定 画面の左側ペインに表示される Btrfs の各マウントポイントのサイズはすべて同じサイズで表示されます。それぞれのサブボリュームを表しているのではなく、ボリューム全体の合計サイズを反映しているためです。
Btrfs サブボリュームの設定

図11.30 Btrfs サブボリュームの設定

Btrfs サブボリュームの作成
  1. 「ファイルシステムの追加とパーティションの設定」 の説明にしたがいマウントポイントを作成します。このマウントポイントを設定することで、RAID デバイスを設定していることになります。
  2. デバイスタイプ のドロップダウンメニューをクリックして BTRFS を選択すると、ファイルシステム のドロップダウンメニューは自動的に灰色表示になり選択できなくなります。一方、Volume のドロップダウンメニューが出現して新規作成したボリューム名が表示されます。
  3. また、必要に応じて、メニューをクリックし 新規 volume を作成中... を選択するか、変更 をクリックして新規に作成したボリュームグループを設定します。新規 volume を作成中... オプション、変更 ボタンのいずれを使用しても Configure Volume ダイアログが表示されることになります。このダイアログでサブボリュームの名前を変更したり、RAID レベルを追加することができます。
    Btrfs ボリュームのカスタマイズ

    図11.31 Btrfs ボリュームのカスタマイズ

    利用できる RAID レベルは以下の通りです。
    RAID0 (パフォーマンス)
    データを複数のディスクに分散させます。RAID レベル 0 は、標準パーティションでのパフォーマンスを向上させます。複数のディスクを 1 つの大きな仮想デバイスにまとめることができます。RAID レベル 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 ディスクに障害が発生するとアレイ全体が壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID1 (冗長化)
    1 つのディスク上のデータを別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のディスクを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つの RAID パーティションが必要です。
    RAID10 (パフォーマンス、冗長化)
    RAID0 と RAID1 を組み合わせ、高いパフォーマンス性と冗長性を同時に提供します。冗長化を提供しているアレイ (ミラーリング - RAID1) に対してデータを分散させ (ストライプ - RAID0) パフォーマンスを向上させます。少なくとも 4 つの RAID パーティションが必要です。
    また、ボリュームの暗号化に印を付けたり、サイズポリシーを設定することもできます。設定できるポリシーオプションを以下に示します。
    • 自動 - ボリュームのサイズは自動で設定されるので、設定したサブボリュームを格納する適切なサイズになります。ボリューム内に空の領域が必要ない場合に最適です。
    • できるだけ大きく - 設定したサブボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームが作成されます。ほとんどのデータを Btrfs に保存する予定のため、後日、既存のサブボリュームサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのボリューム内に別のサブボリュームを追加作成する必要がある場合などに最適です。
    • 固定 - このオプションではボリュームのサイズを正確に設定することができます。設定しているサブボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームに設定したい容量が正確に分かっている場合に便利です。
    ボリューム設定が終わったら、保持します をクリックします。
  4. 設定の更新 をクリックして変更を保存し、別のパーティションの設定に移動するか、完了 をクリックして インストールの概要 画面に戻ります。
ディスク数が指定した RAID レベルで必要なディスク数より少ない場合、選択した構成に必要とされるディスク数を示すメッセージがウィンドウ下部に表示されます。

警告

Btrfs サブボリュームへの /boot パーティションの配置には対応していません。
同様に、別の /usr パーティションを Btrfs で作成することはサポートされていません。システムは起動に失敗します。

11.16. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなストレージデバイスにインストールすることができます。「インストール先」 で説明しているように、インストール先 のページではローカルでアクセスできる基本的なストレージデバイスを確認することができます。特殊なストレージデバイスを追加する場合は、画面の 特殊なディスクおよびネットワークディスク のセクションにある ディスクの追加 ボタンをクリックします。
ストレージ領域の概要

図11.32 ストレージ領域の概要

11.16.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、Anaconda インストールプログラムがアクセスしている全ストレージデバイスが表示されます。
デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。
インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
他の SAN デバイス
SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

図11.33 タブを使ってグループ分けされている特殊ストレージデバイスの概要

画面右下にボタンが表示されます。これらのボタンを使用して、新たなストレージデバイスを追加します。以下のボタンが利用可能です。
  • iSCSI ターゲットを追加 - iSCSI デバイスをアタッチする場合は、このボタンを押します。「iSCSI パラメーターの設定」 に進んでください。
  • FCoE SAN を追加 - Fibre Channel Over Internet ストレージデバイスを設定する場合は、このボタンを押します。「FCoE パラメーターの設定」 に進んでください。
概要ページには 検索 タブもあり、アクセスする World Wide Identifier (WWID)、ポート、ターゲット、論理ユニット番号 (LUN) 別にストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図11.34 ストレージデバイスの検索タブ

検索タブには、ポート/ターゲット/LUN 番号での検索または WWID での検索を選択する 検索項目 のドロップダウンメニューがあります。LUN 番号または WWID で検索する場合は、それぞれ追加のテキスト入力フィールドに値を入れて検索します。検索 ボタンをクリックして検索を開始します。
左側にチェックボックスが付いたデバイスが列ごとに表示されます。インストールプロセス中にそのデバイスを使用可能にする場合は、このチェックボックスをクリックします。インストールプロセスの後半では、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として、ここで選択したデバイスのいずれかを指定することができます。また、インストール完了後のシステムの一部として、ここで選択したデバイスの自動マウントを指定することができます。
ここで選択するデバイスのデータがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択しても、それだけでデバイスに保存されているデータが抹消されるわけではありません。また、ここでインストールシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを変更すればシステムに追加することができます。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて Anaconda では完全に表示されなくなります。 別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、 この画面で表示されている全てのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、完了 をクリックしてインストール先の画面に戻ります。

11.16.1.1. 高度なストレージオプション

高度なストレージデバイスを使用する場合は、インストール先の画面の右下にあるボタンをクリックすると、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) SAN (Storage Area Network) を設定することができます。iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図11.35 高度なストレージオプション

11.16.1.1.1. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加 ボタンをクリックすると、iSCSI ターゲットの追加 ダイアログが表示されます。
iSCSI 検出詳細のダイアログ

図11.36 iSCSI 検出詳細のダイアログ

インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、Anaconda 側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッション を作成できる必要があります。検出、セッションの作成それぞれで CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。また、検出、セッションの作成いずれの場合も、 iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエータを認証するよう設定することもできます (リバース CHAP)。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保することができます。

注記

iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順11.1 iSCSI の検出と iSCSI セッションの開始

iSCSI ターゲットの追加 ダイアログを使って iSCSI ターゲット検出に必要な情報を Anaconda に提供します。
  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI イニシエーター名 フィールドに iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエータを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. 認証のタイプの探索 ドロップダウンメニューを使って iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。
    • 証明書なし
    • CHAP 秘密鍵
    • CHAP 秘密鍵と逆順鍵
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵 を選択した場合は CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドにユーザー名とパスワードを入力します。
    • 認証タイプに CHAP 秘密鍵と逆順鍵 を選択した場合は、CHAP ユーザー名CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード の各フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
  4. オプションで ターゲットをネットワークインターフェースへバインドする というラベルが付いたボックスにチェックを付けることができます。
  5. 探索を開始 ボタンをクリックします。入力情報を使って Anaconda による iSCSI ターゲットの検索が試行されます。検出に成功すると、ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  6. 各ノードにはチェックボックスが付いています。インストールに使用するノードのチェックボックスをクリックします。
    検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

    図11.37 検出された iSCSI ノードを表示しているダイアログ

  7. ノードのログイン認証のタイプ には、ステップ 3 で説明した 認証のタイプの探索 メニューと同じオプションが表示されます。ただし、認証タイプの検索に認証情報を必要とした場合、検出したノードへのログインにも同じ認証情報を使用するのが一般的です。これを行うため、メニューから 探索時の証明書を使用 オプションを使用します。適切な認証情報が提供されると、ログイン ボタンがクリックできるようになります。
  8. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。
11.16.1.1.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を追加 ボタンをクリックすると、検出している FCoE ストレージデバイスのネットワークインターフェースを設定するダイアログが表示されます。
まず、NIC ドロップダウンメニューで FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 ボタンをクリックして SAN デバイス用のネットワークをスキャンします。
FCoE パラメーターの設定

図11.38 FCoE パラメーターの設定

追加オプションには、以下のものがあります。
DCB を使用する
Data Center Bridging (DCB) とは、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このダイアログのチェックボックスを使って、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェースでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを実装するインターフェース上での設定の場合には、このチェックボックスは空のままにしておいてください。
自動 vlan を使用する
自動 VLAN では、 VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このボックスにチェックを入れると、リンク設定が検証された後、FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。まだ設定が行なわれていない場合には、検出された FCoE VLAN 全てに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。このオプションはデフォルトで有効になります。
検出された FCoE デバイスがインストール先の画面内の 他の SAN デバイス タブに表示されます。

11.17. Kdump

この画面を使ってシステムで Kdump を使用するかどうかを選択します。Kdump とは、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムです。システムクラッシュが発生した際には、Kdump がシステムから情報を収集します。この情報は、クラッシュの原因究明に極めて重要となる可能性があります。
Kdump を有効にした場合は、システムメモリーの一定量を Kdump 用に確保する必要があります。このため、プロセスに利用可能なメモリー容量は少なくなります。
IBM Power System LPAR は、Kdump の代替ダンプキャプチャーメカニズムであるファームウェア支援ダンプ (fadump) をサポートしています。fadump では、新しいカーネルのコピーで読み込まれた、完全にリセットされたシステムからダンプがキャプチャーされます。特に、PCI と I/O のデバイスは再度初期化され、クリーンかつ一貫性のある状態なので、Kdump に代わるものとして信頼できます。fadumpKdump の代替ではあるものの、fadumpKdump が有効になっている必要があります。この画面で fadump を有効にすることができます。
このシステムで Kdump を使用しない場合は、kdump を有効にする(Enable kdump) のチェックを外します。チェックを入れたままにしておくと、Kdump 用に保持されるメモリー容量が設定されます。インストーラーで自動的に保持する容量を決定するか、手動で任意の容量を設定することができます。設定が終了したら 完了 をクリックして設定を保存し、前の画面に戻ります。
Kdump の有効化と設定

図11.39 Kdump の有効化と設定

11.18. インストールの開始

インストールの概要 メニューで必要な設定をすべて完了すると、メニュー画面の下部にある警告が消えて インストールの開始 ボタンがクリックできるようになります。
インストールの準備完了

図11.40 インストールの準備完了

警告

インストールプロセスのこの時点までは、コンピューターに対して永続的となる変更は行われていません。インストールの開始 をクリックすると、インストールプログラムによりハードドライブでの領域割り当てが行われ、その領域への Red Hat Enterprise Linux の転送が開始されます。選択したパーティション設定オプションに応じて、コンピューターに存在しているデータの消去が行われる場合があります。
この時点までに指定してきた選択を訂正する場合は、インストールの概要 画面から該当セクションに戻って訂正します。インストールを完全に取り消したい場合は、終了 をクリックするかコンピューターの電源を切ります。この時点で電源を切る場合、ほとんどのコンピューターでは電源ボタンを数秒間、押し続けると電源が切れます。
インストールのカスタマイズが完了し、インストールを続行する場合は インストールの開始 をクリックします。
インストールの開始 をクリックしたら、インストールプロセスが完了するのを待ちます。コンピューターの電源を切ったり、リセットしたり、または停電になったりしてプロセスが中断されると、Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセスをやり直す、または別のオペレーティングシステムをインストールするまで、そのコンピューターは使用できなくなります。

11.19. 設定のメニューと進捗状況の画面

インストールの概要 画面で インストールの開始 をクリックすると、進捗画面が表示されます。画面ではシステムへのパッケージの書き込み状況に合わせて進捗が表示されます。
パッケージのインストール

図11.41 パッケージのインストール

For your reference, a complete log of your installation can be found in the /var/log/anaconda/anaconda.packaging.log file, once you reboot your system.
パーティション設定中に 1 つ以上のパーティションを暗号化することを選択すると、インストールプロセスの初期に進捗バーを表示するダイアログウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、暗号化が安全となるように十分なエントロピー (ランダムデータ) をインストーラーが収集していることを知らせます。256 ビットのエントロピーが収集されるか 10 分間経過すると、このウィンドウは表示されなくなります。マウスを動かしたり、キーボードでランダムに入力すると、この収集プロセスが短縮されます。ウィンドウが消えるとインストールプロセスが続行されます。
暗号用のエントロピーの収集

図11.42 暗号用のエントロピーの収集

パッケージのインストール中、インストール進捗バーの上にある Root パスワード メニューと ユーザーの作成 メニューでそれぞれ設定する必要があります。
Root パスワード 画面では、システムの root アカウントを設定します。このアカウントでは、重要なシステム管理と管理タスクを実行できます。wheel グループメンバーシップを持つユーザーアカウントでも、同様のタスクを実行できます。このユーザーアカウントをインストール中に作成した場合は、root パスワードの設定は必須ではなくなります。
ユーザーアカウントの作成はオプションのため、インストール後に行うことも可能ですが、この画面で作成しておくことが推奨されます。ユーザーアカウントは通常の業務およびシステムへのアクセスに使用します。システムへのアクセスは root アカウントではなく、常にユーザーアカウントでアクセスすることがベストプラクティスになります。
Root パスワードユーザーの作成 画面へのアクセスを無効にすることもできます。キックスタートファイルに rootpw --lock または user --lock のコマンドを含めます。詳細については、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

11.19.1. Root パスワードの設定

root アカウントとパスワードの設定は、インストールにおける重要なステップです。root アカウント (スーパーユーザーとも呼ぶ) は、パッケージのインストールや RPM パッケージ更新、ほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。root アカウントを使用することにより、システム全体を完全に制御することができるようになります。このため、root アカウントの使用は システムのメンテナンスもしくは管理を行う場合に限る のが最適です。root ユーザーでログインするまたは root ユーザーに切り替える方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。
Root パスワード画面

図11.43 Root パスワード画面

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
root パスワード メニューアイテムをクリックして root パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。Red Hat Enterprise Linux では安全のため入力した文字はすべてアスタリスクで表示されます。確認 フィールドに同じパスワードを入力して設定が正しいことを確認します。root パスワードを設定したら 完了 をクリックしてユーザー設定画面に戻ります。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
  • 最低でも 8 文字の長さが 必要
  • 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
  • 大文字と小文字を区別するため、これらの組み合わせを使用する
  • 覚えやすいが他人からは簡単に推測できないものにする
  • ユーザーまたはユーザーが属する組織と関連のある単語や略語、数字、また辞書にある単語 (外国語も含む) などは避ける
  • パスワードは書き留めない (書き留めておく必要がある場合は、安全な所に保管してください)

注記

インストール終了後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は、「root パスワードのリセット」 にあるレスキューモードを使用した root パスワードの設定方法を参照してください。

11.19.2. ユーザーアカウントの作成

インストール時に root ではない普通のユーザーを作成するには、進捗の画面で ユーザーの設定 をクリックします。ユーザーの作成 画面が表示されるので、この画面でユーザーアカウントおよびそのユーザーのパラメーターを設定します。ユーザーの作成はインストール時に行うことを推奨していますが、この作業はオプションとなるためインストール完了後に行うこともできます。

注記

インストールされたシステムへの root 権限を確保する方法を少なくとも 1 つ設定する必要があります。root アカウントを使用する、または管理者権限のあるユーザーアカウントを作成する(wheel グループのメンバー)、もしくはこれら両方です。
ユーザー作成画面を開いた後に、ユーザーを作成せずにこの画面を離れる場合は、すべてのフィールドを空にしてから 完了 をクリックしてください。
ユーザーアカウント設定画面

図11.44 ユーザーアカウント設定画面

各フィールドにフルネームとユーザー名を入力します。システムのユーザー名は 32 文字以内の長さにしてください。空白を含めることはできません。新しいアカウントにはパスワードを設定することを強く推奨します。
root 以外のユーザーにも強固なパスワードを設定する場合は 「Root パスワードの設定」 に記載のガイドラインに従います。
高度 ボタンをクリックすると詳細な設定が行える新しいダイアログが開きます。
高度なユーザー設定

図11.45 高度なユーザー設定

デフォルトでは、各ユーザーにはユーザー名に対応するホームディレクトリーが作成されます。ほとんどの場合、この設定を変更する必要はありません。
また、手動でチェックボックスを選択すると、新規ユーザーとそのデフォルトグループのシステム ID 番号を指定することができます。一般ユーザーの ID 番号は 1000 から始まります。ダイアログの下部では、この新規ユーザーが所属することになる追加グループをコンマで区切った一覧形式で入力することができます。この新規グループがシステム内に作成されます。グループ ID をカスタマイズする場合は、ID 番号を括弧で囲んで指定します。
ユーザーアカウントのカスタマイズが終了したら、変更を保存する をクリックして ユーザーの設定 の画面に戻ります。

11.20. インストールの完了

おめでとうございます。これで Red Hat Enterprise Linux のインストールは完了です。
再起動 ボタンをクリックしてシステムを再起動させ Red Hat Enterprise Linux の使用を開始します。再起動でインストールメディアが自動的にイジェクトされない場合は忘れず取り出してください。
コンピューターの通常の電源シーケンスが完了すると、Red Hat Enterprise Linux が読み込まれて起動します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最後に GUI ログイン画面が表示されます (X Window System がインストールされていない場合は login: プロンプト)。
インストールプロセス中、システムに X Window System をインストールしている場合は、Red Hat Enterprise Linux システムの初回の起動でシステムをセットアップするアプリケーションが起動されます。このアプリケーションを使用すると、システムの時刻と日付の設定、Red Hat Network へのマシンの登録など、順を追って Red Hat Enterprise Linux の初期設定を行うことができます。
設定のプロセスについては 27章初期設定 (Initial Setup) を参照してください。

第12章 IBM Power Systems でのインストールに関するトラブルシューティング

本章では、一般的なインストール関連の問題とその解決法について説明していきます。
Anaconda では、デバッグ用にインストール動作を /tmp ディレクトリー内のファイルにログ記録しています。以下の表に各種のログファイルを示します。

表12.1 インストール中に生成されるログファイル

ログファイル内容
/tmp/anaconda.logAnaconda の全般メッセージ
/tmp/program.logインストール中に実行されたすべての外部プログラム
/tmp/storage.logストレージモジュールの詳細情報
/tmp/packaging.logyum および rpm パッケージのインストールメッセージ
/tmp/syslogハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、こうしたログファイルのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に集約されます。identifier はランダムな文字列です。
デフォルトでは、インストールが成功するとこれらのファイルはインストールしたシステムの /var/log/anaconda/ ディレクトリーにコピーされます。ただし、インストールに失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all または inst.nosave=logs オプションを使用した場合は、これらのログはインストールプログラムの RAM ディスクにしか存在しないことになります。つまり、ファイルは永久的には保存されず、システムの電源を切ると失われることになります。ファイルを永続的に保存するには、インストールプログラムを実行しているシステムで scp を使ってネットワーク上の別のシステムにファイルをコピーするか、マウントしたストレージデバイスにコピーします (USB フラッシュドライブなど)。ネットワーク経由でログファイルを転送する方法を以下に示します。

注記

以下の手順では、インストールを実行しているシステムがネットワークにアクセス可能であり、また転送先となるシステムが ssh プロトコルでファイルを受け取ることができる必要があります。。

手順12.1 ネットワークを介してログファイルを転送する

  1. インストールしているシステムで Ctrl+Alt+F2 を押してシェルプロンプトにアクセスします。インストールプログラムの一時ファイルシステムへのアクセス権を持つ root アカウントでログインします。
  2. ログファイルが格納されている /tmp ディレクトリーに移動します。
    # cd /tmp
  3. scp コマンドを使ってネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。
    # scp *log user@address:path
    user には転送先システムで有効なユーザー名を入力します。address には転送先システムのアドレスまたはホスト名を入力します。path にはログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、john というユーザー名で、 192.168.0.122 という IP アドレスのシステムにある、 /home/john/logs/ というディレクトリーにログファイルを転送する場合のコマンドは次のようになります。
    # scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
    転送先のシステムに初めて接続する際は、次のようなメッセージが表示されることがあります。
    The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established.
    ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
    yes と入力して Enter を押し、作業を続行します。プロンプトにしたがいパスワードを入力します。転送先システムの指定ディレクトリーへのファイル転送が開始されます。
これでインストールによるログファイルが永久的に転送先システムに保存され、後で確認できるようになります。

12.1. インストール開始時の問題

12.1.1. グラフィカルインストールの起動に関連する問題

特定のビデオカードを搭載するシステムでグラフィカルなインストールプログラムを起動すると、問題が発生することがあります。デフォルト設定でインストールプログラムがうまく動作しないと、それより低い解像度のモードでの実行を試みます。それでも動作が失敗する場合、インストールプログラムはテキストモードによる実行を試行します。
ディスプレイに関する問題の解決策はいくつかありますが、そのほとんどはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。詳細は「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。
ベーシックのグラフィックモードを使用する
ベーシックのグラフィックドライバーを使ったインストールを試行することができます。これを行う場合は、boot: プロンプトでインストールプログラムのオプションを編集してコマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。
ディスプレイの解像度を手動で設定する
インストールプログラムによる画面の解像度の検出が失敗する場合は、自動検出を無効にして手動で解像度を設定します。ブートメニューで inst.resolution=x オプションを追加します。x にはディスプレイの解像度を入力します (1024x768 など)。

12.1.2. シリアルコンソールが検出されない

シリアルコンソールを使ってテキストモードでインストールしようとすると、コンソールに何も出力されないことがあります。これは、システムにグラフィックカードが搭載されているのにモニターが接続されていない場合に発生します。Anaconda はグラフィックカードを検出すると、ディスプレイが接続されていなくてもそのグラフィックカードを使用ようとします。
シリアルコンソールでテキストモードのインストールを行いたい場合は、inst.textconsole= の起動オプションを使用してください。詳細は、20章起動オプション を参照してください。

12.2. インストール中の問題

12.2.1. ディスクが検出されない

インストール先 の画面では、以下のエラーメッセージが下部に表示される場合があります: No disks detected. Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation (ディスクが検出できません。コンピューターをシャットダウンしてから、少なくともひとつのディスクに接続を行ってからインストールを再開してください。)
このメッセージは、Anaconda でインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスがひとつも見つからなかったことを示しています。このような場合、まずストレージデバイスが少なくとも 1 つはシステムに接続されていることを確認します。
ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合、そのコントローラーが正しく設定され動作していることを確認してください。確認方法については、コントローラーの資料を参照してください。
iSCSI デバイスにインストールするためシステム上にはローカルのストレージがない場合は、必要なすべての LUN (論理ユニット番号) を適切な HBA (ホストバスアダプター) に与えているか確認してください。iSCSI についての詳細情報は、付録B iSCSI ディスク を参照してください。
ストレージデバイスが接続され正しく設定されていることを確認してから、システムを再起動してインストールを再実行したのにまだ同じメッセージが表示されてしまう場合、インストールプログラムがストレージの検出に失敗していることを示しています。インストールプログラムで認識されていない SCSI デバイスにインストールしようとすると、このようなメッセージがよく表示されます。
このような場合には、インストール開始前にドライバーを更新する必要があります。この問題を解決するドライバー更新が入手可能になっていないかハードウェア製造元の web サイトを確認してください。ドライバー更新の全般情報については、9章IBM Power Systems へのインストール中にドライバーを更新する を参照してください。
また、https://hardware.redhat.com でオンラインの 『Red Hat Hardware Compatibility List』 (Red Hat ハードウェア互換性一覧) を確認してください。

12.2.2. トレースバックメッセージを報告する

グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生すると、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って、遭遇した問題に関する情報を Red Hat に送信することができます。クラッシュレポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルのアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録していただくことができます。自動クラッシュレポートの機能を利用する場合には、動作しているネットワーク接続も必要になります。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図12.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

ダイアログボックスが表示されたら、問題を報告する場合は バグの報告 (Report Bug) を選択します。インストールを終了する場合は 終了 (Quit) を選択します。
オプションで、詳細 (More Info) をクリックし、エラーの原因を究明する場合に役立つ詳細出力を表示することもできます。デバッグの方法を十分理解している場合は、デバッグ (Debug) をクリックします。仮想ターミナル tty1 に移動するので、そこでバグ報告を補強するより正確な情報を入手することができます。tty1 からグラフィカルインターフェースに戻るときは continue コマンドを使用します。
クラッシュレポートのダイアログを展開した例

図12.2 クラッシュレポートのダイアログを展開した例

カスタマーポータルにバグを報告する場合は、次の手順にしたがってください。

手順12.2 Red Hat カスタマーポータルにエラーを報告する

  1. 表示されるメニューで Report a bug to Red Hat Customer Portal (Red Hat カスタマーポータルに報告する) を選択します。
  2. Red Hat にバグを報告するには、まずカスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。Red Hat カスタマーサポートを設定する(Configure Red Hat Customer Support) をクリックします。
    カスタマーポータル認証情報

    図12.3 カスタマーポータル認証情報

  3. 新しいウィンドウが開き、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの入力が求められます。Red Hat カスタマーポータル認証情報を入力してください。
    Red Hat カスタマーサポートの設定

    図12.4 Red Hat カスタマーサポートの設定

    HTTP または HTTPS プロキシを必要とするネットワーク設定の場合は、高度 (Advanced) メニューを展開すると、プロキシサーバーのアドレスを入力することができます。
    必要な認証情報をすべて入力したら OK をクリックして先に進みます。
  4. テキストフィールドがある新しいウィンドウが表示されます。ここに関連情報やコメントを入力します。クラッシュレポートのダイアログが表示されるまでに行った動作を一つずつ入力し、どのようにしたらエラーが再現できるかを説明してください。できるだけ具体的に、デバッグを行った場合はそのとき得られた情報も入力してください。ここに入力された情報はカスタマーポータルで公開される可能性があるので注意してください。
    エラーの原因がわからない場合は、ダイアログの下部にある この問題の原因がわかりません。(I don't know what caused this problem) というラベルが付いたボックスに印を付けます。
    Forward (進む) をクリックします。
    問題の詳細を入力する

    図12.5 問題の詳細を入力する

  5. 次に、カスタマーポータルに送信する情報を再確認します。入力した状況詳細は comment (コメント) タブにあります。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などが含まれています。Red Hat に送信したくない情報は削除することができます。ただし、報告していただく内容が限られると、問題の調査に影響するため注意してください。
    送信情報の再確認が終わったら Forward (進む) をクリックします。
    送信データの再確認

    図12.6 送信データの再確認

  6. バグ報告に含めて添付ファイルとして送信するファイルの一覧を確認します。このファイルには調査に役立つシステム関連情報が含まれています。特定のファイルを送信したくない場合は、そのファイルの横にあるボックスのチェックマークを外します。問題の修正に役立つ可能性のあるファイルを追加で送信する場合は ファイルの添付 (Attach a file) をクリックします。
    送信ファイルを再確認したら、データを見直しました、送信に同意します(I have reviewed the data and agree with submitting it) というラベルが付いたボックスに印を付けます。Forward (進む) をクリックして、レポートと添付ファイルをカスタマーポータルに送信します。
    送信ファイルの再確認

    図12.7 送信ファイルの再確認

  7. ダイアログに処理完了の通知が表示されたら、ログの表示 (Show log) をクリックして報告プロセスの詳細を表示することができます。Close (閉じる) をクリックすると、最初のクラッシュリポートのダイアログボックスに戻ります。そのダイアログボックスで 終了 (Quit) をクリックするとインストールが終了します。

12.2.3. IBM Power Systems ユーザー向けのパーティション作成に関するその他の問題

手動でパーティションを作成している際に次の画面へ移動できない場合は、インストールの継続に必要なすべてのパーティションが作成されていないことが考えられます。
最低必要条件として次のパーティションがあることを確認してください。
  • / (root) パーティション
  • PReP Boot パーティション
  • /boot パーティション (root パーティションが LVM 論理ボリュームまたは Btrfs サブボリュームの場合のみ)
詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。

12.3. インストール後の問題

12.3.1. グラフィカルな起動シーケンスに関する問題

インストール完了後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンスの途中でシステムが反応しなくなり、リセットが必要となることがあります。このような場合、ブートローダーは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとするとシステムが停止してしまいます。ほとんどの場合、これはグラフィカルな起動のシーケンスに関する問題を示しています。この問題を解決するには、グラフィカルな起動を無効にする必要があります。まずブートタイムの設定を一時的に変更してから、そのあと永続的に変更します。

手順12.3 グラフィカルな起動を一時的に無効にする

  1. コンピューターを起動してブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。ブートローダーのタイムアウト期限を 0 に設定している場合は、Esc キーを押すとアクセスできます。
  2. ブートローダーメニューが表示されたら、カーソル移動キー (矢印キー) を使って起動するエントリーを強調表示し、e キーを押してそのエントリーのオプションを編集します。
  3. オプション一覧内でカーネル行を探します。カーネル行は linux で始まります。この行で rhgb オプションを探して削除します。オプションが隠れて見えないこともあります。カーソル移動キーを使って画面をスクロールしてみてください。
  4. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動したら通常通りにログインします。このあと、グラフィカルな起動を永続的に無効にする必要があります。永続的に無効にしておかないと、システム起動時に常に上述の手順を繰り返さなければなりません。起動オプションを永続的に変更するには次の手順にしたがってください。

手順12.4 グラフィカルな起動を永続的に無効にする

  1. su - コマンドで root アカウントにログインします。
    $ su -
  2. vim などプレーンなテキストエディターを使って /etc/default/grub 設定ファイルを開きます。
  3. grub ファイル内で GRUB_CMDLINE_LINUX から始まる行を探します。次のような行になります。
    GRUB_CMDLINE_LINUX="rd.lvm.lv=rhel/root rd.md=0 rd.dm=0 vconsole.keymap=us $([ -x /usr/sbin/rhcrashkernel-param ] && /usr/sbin/rhcrashkernel-param || :) rd.luks=0 vconsole.font=latarcyrheb-sun16 rd.lvm.lv=vg_rhel/swap rhgb quiet"
    
    この行から rhgb オプションを削除します。
  4. 編集した設定ファイルを保存します。
  5. 次のコマンドを実行してブートローダーの設定を更新します。
    # grub2-mkconfig --output=/boot/grub2/grub.cfg
上記の手順が完了したらコンピューターを再起動します。Red Hat Enterprise Linux はグラフィカルな起動シーケンスを使用しなくなります。グラフィカルな起動を有効にしたい場合は、同じ手順で rhgb オプションを /etc/default/grub ファイル内の GRUB_CMDLINE_LINUX の行に追加し、grub2-mkconfig コマンドでブートローダー設定の更新を再度実行します。
GRUB2 ブートローダーの設定方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

12.3.2. グラフィカル環境で起動する

X Window System をインストールしているのにログインしてもグラフィカルなデスクトップ環境が表示されない場合、startx コマンドで手動による起動ができます。ただし、手動による起動はその場限りで、次回からのログインプロセスを変更するわけではないことに注意してください。
グラフィカルなログイン画面でログインできるようシステムを設定する場合は、デフォルトの systemd のターゲットを graphical.target に変更する必要があります。設定を終えたらコンピューターを再起動します。システムが再起動すると、グラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。

手順12.5 グラフィカルなログインをデフォルトとして設定する

  1. シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントでログインしている場合は su - コマンドで root になります。
  2. デフォルトのターゲットを graphical.target に変更します。次のコマンドを実行します。
    # systemctl set-default graphical.target
これでグラフィカルログインがデフォルトで有効になります。次回の再起動からグラフィカルなログインプロンプトが表示されるようになります。変更を元に戻してテキストベースのログインプロンプトを維持する場合は、次のコマンドを root で実行します。
# systemctl set-default multi-user.target
systemd のターゲットについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド を参照してください。

12.3.3. グラフィカルユーザーインターフェースが表示されない

X (X Window システム) の起動に問題がある場合、X 自体がインストールされていない可能性があります。インストール中に選択できる事前設定済みのベース環境の中には 最小限のインストール (Minimal install)Web サーバー (Web Server) など、グラフィカルなインターフェースを持たないものがあります (手動によるインストールが必要)。
X が必要な場合は、後で必要なパッケージをインストールすることができます。グラフィカルなデスクトップ環境のインストール方法については、https://access.redhat.com/site/solutions/5238 にあるナレッジベースの記事を参照してください。

12.3.4. ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする

ユーザーがログインすると X サーバーがクラッシュする問題が発生している場合、ファイルシステムのいずれかが満杯状態 (または満杯に近い状態) の可能性があります。原因がファイルシステムにあるかどうかを確認するため次のコマンドを実行します。
$ df -h
出力から満杯状態のパーティションを突き止めます。問題のほとんどが /home パーティションに見られます。df コマンドの出力例を示します。
Filesystem                                  Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/vg_rhel-root                     20G  6.0G   13G  32% /
devtmpfs                                    1.8G     0  1.8G   0% /dev
tmpfs                                       1.8G  2.7M  1.8G   1% /dev/shm
tmpfs                                       1.8G 1012K  1.8G   1% /run
tmpfs                                       1.8G     0  1.8G   0% /sys/fs/cgroup
tmpfs                                       1.8G  2.6M  1.8G   1% /tmp
/dev/sda1                                   976M  150M  760M  17% /boot
/dev/dm-4                                    90G   90G     0 100% /home
上記の例では /home パーティションが満杯状態であることがわかります。これがクラッシュの原因になっています。このパーティション上の不要なファイルを削除し適当な領域を解放します。適当な空き領域を確保したら、startx コマンドで X を開始します。
df の使い方および使用できるオプション (上記の例で使用されている -h など) の詳細については df(1) の man ページを参照してください。

12.3.5. Signal 11 エラーが表示される

セグメンテーション違反 と呼ばれる signal 11 エラーとは、割り当てられていないメモリーにプログラムがアクセスを行ったという意味です。インストールされているソフトウェアプログラムのいずれかにバグがあったり、ハードウェアに障害があると signal 11 エラーが発生する場合があります。
インストール中に致命的な signal 11 を受け取った場合は、まず最新のインストールイメージを使用しているか確認し、Anaconda によるインストールイメージの検証を行ってイメージ自体に破損がないか確認します。signal 11 エラーの原因として不良インストールメディア (書き込みが不適切だったり、傷が付いている光学ディスクなど) がよく見られます。インストールする前に、必ずインストールメディアの整合性を検証することをお勧めします。
最新のインストールメディアの入手方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。インストールを開始する前にメディアチェックを行うには、ブートメニューに rd.live.check 起動オプションを追加します。詳細は、「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
これ以外に考えられる原因については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ハードウェアの製造元より提供されているドキュメントを参照してください。

12.3.6. ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から起動 (IPL) できない

ネットワークストレージスペース (*NWSSTG) から起動 (IPL) しようとすると問題が発生する場合、その原因のほとんどは PReP パーティションが存在しないためです。この場合、システムを再インストールしてパーティション設定のフェーズで PReP パーティションを作り直すか、キックスタートファイルにこのパーティションの作成の記述を加えてから再インストールを行う必要があります。

12.3.7. GRUB2 の next_entry 変数が仮想化環境で予期しない動作をすることがある

仮想マシンを SLOF ファームウェアで起動する IBM Power System のユーザーは、手動で next_entry grub 環境変数をシステム再起動後に設定解除する必要があります。SLOF ファームウェアはその設計によりブロック書き込みをサポートしておらず、このためブートローダーは起動時にこの変数をクリアすることができません。

パート III. IBM System z アーキテクチャー - インストールと起動

本パートでは、IBM System z への Red Hat Enterprise Linux のインストールおよび起動 (IPL - initial program load) について説明していきます。

第13章 IBM System z へのインストールプラン

13.1. プレインストール

Red Hat Enterprise Linux 7 は、zEnterprise 196 またはそれ以降の IBM メインフレームシステムで稼働します。
IBM System z のインストールプロセスでは、ユーザーが IBM System z の操作に慣れていること、また 論理パーティション (LPAR) および z/VM ゲスト仮想マシンをセットアップできることを前提としています。System z に関する詳細については http://www.ibm.com/systems/z を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux を System z にインストールする場合、Red Hat では DASD (Direct Access Storage Device) および FCP (ファイバーチャネルプロトコル) のストレージデバイスに対応しています。
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に以下の点について決定しておいてください。
  • オペレーティングシステムを LPAR 上で稼働させるのか、z/VM ゲストの OS として稼働させるのか選択します。
  • swap 領域が必要かどうか、また必要な場合はその大きさを決定します。z/VM が必要なスワッピングを行なえるように z/VM のゲスト仮想マシンに十分なメモリーを割り当てることは可能でかつ推奨されますが、必要な RAM の大きさが予測困難な場合もあります。このような場合にはケースバイケースで検討してください。詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • ネットワーク設定について決定します。IBM System z 向けの Red Hat Enterprise Linux 7 では、以下のネットワークデバイスに対応します。
    • 物理的および仮想の OSA (オープンシステムアダプター)
    • 物理的および仮想の HiperSockets
    • 物理的な OSA 対応の LCS (LAN チャネルステーション)
以下のハードウェアが必要になります。
  • ディスク領域。必要なディスク領域を算出して、DASD[2] または SCSI[3] ディスクに十分なディスク領域を割り当てます。 サーバーのインストールには 10 GB 以上、パッケージすべてをインストールするには 20 GB が必要です。また、アプリケーションデータ用にもディスク領域が必要になります。インストール後、DASD と SCSI ディスクパーティションは必要に応じて追加、削除することができます。
    新規インストールの Red Hat Enterprise Linux システム (Linux インスタンス) で使用されるディスク領域と、別途インストールしている他の OS で使用されるディスク領域とは別々にしておく必要があります。
    ディスクおよびパーティションの設定についての詳細は 「推奨されるパーティション設定スキーム」 を参照してください。
  • RAM が必要です。Linux インスタンス用に 1 GB (推奨) を確保してください。一定の調整を行うと、最小限 512 MB の RAM でもインスタンスを稼働させることができる場合があります。

重要

FBA (Fixed Block Architecture) DASD がある IBM System z に Red Hat Enterprise Linux を再インストールする際には、特別な注意が必要になります。詳細は、「FBA DASD に再インストールするとインストーラーがクラッシュする」 を参照してください。

13.2. System z インストール手順の概要

Red Hat Enterprise Linux の System z へのインストールは、対話形式または無人モードで行うことが可能です。System z へのインストールは通常、ローカルメディアからではなくネットワーク経由で行われるという点で他のアーキテクチャーと異なります。インストールは以下の 2 段階からなります。
  1. インストールの起動

    メインフレームに接続し、その後にインストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行します。詳細は、14章IBM System z でのインストールの起動 を参照してください。
  2. Anaconda

    インストールプログラムである Anaconda を使ってネットワークの設定、言語サポートやインストールソースの指定、インストールするソフトウェアの指定、残りのインストールを実行します。詳細は、15章Anaconda を使用したインストール を参照してください。

13.2.1. インストールの起動

メインフレームとの接続を確立した後に、インストールプログラムを格納しているメディア IPL (initial program load)、つまり起動を実行する必要があります。本書では、System z 上での Red Hat Enterprise Linux の最も一般的なインストール方法を説明しています。通常、Linux インストールシステムは少なくとも generic.prm 内にパラメーターがある初期 RAM ディスク (initrd.img) とカーネル (kernel.img) で構成されおり、いずれの方法でも起動できます。また、generic.ins ファイルも読み込まれ、これは initrd、kernel および generic.prm のファイル名とメモリーアドレスを決定します。
本書では、Linux インストールシステムを インストールプログラム とも呼びます。
IPL プロセスを開始できる制御ポイントは Linux を実行する環境によって異なります。Linux を z/VM ゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合は、ホストである z/VM の CP (コントロールプログラム) が制御ポイントになります。Linux を LPAR モードで実行する場合は、メインフレームの SE (サポートエレメント) または接続されている IBM System z の HMC (ハードウェア管理コンソール) が制御ポイントになります。
以下の起動用メディアは、Linux を z/VM 環境でゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動用メディアは、Linux を LPAR モードで実行する場合にのみ使用できます。
以下の起動用メディアは、z/VM と LPAR の両方に使用できます。
DASD および FCP 接続 SCSI デバイス (SCSI DVD を除く) を起動用メディアとして使用する場合は、設定済みの zipl ブートローダーが必要になります。

13.2.2. Anaconda を使用したインストール

インストールの第 2 段階では、Anaconda インストールプログラムをグラフィカルモード、テキストモード、コマンドラインモードのいずれかで使用します。
グラフィカルモード
グラフィカルなインストールは VNC クライアントを使います。マウスやキーボードを使って画面を移動したり、ボタンをクリックしたり、テキストフィールドへの入力を行ったりすることができます。VNC を使ったグラフィカルなインストールを行う方法については、22章VNC を使用したインストール を参照してください。
テキストベースモード
GUI のインターフェース要素は一切提供されないため、すべての設定には対応していません。VNC クライアントを使用できない場合に対話式のインストールを行うにはこのモードを使用します。テキストベースのインストールについては 「テキストモードでのインストール」 を参照してください。
コマンドラインモード
System z に自動で非対話形式のインストールを行うためのモードになります。インストールプログラムに与える必要があるキックスタートコマンドがない、または無効なコマンドを使用すると、システムが再起動されることに注意してください。自動インストールについての詳細は 23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 7 では、テキストベースのインストールはユーザー介入を最小限にするように限定されています。FCP 接続の SCSI デバイスでのインストールや パーティションレイアウトのカスタマイズ、パッケージアドオンの選択などの機能は、グラフィカルユーザーインターフェースでのインストールに限られます。可能な限りグラフィカルインストールを使用してください。詳細は 15章Anaconda を使用したインストール を参照してください。


[2] DASD (Direct Access Storage Devices) とは、1 デバイスにつき最大 3 つのパーティションを設けることができるハードディスクです。たとえば、dasda には、dasda1dasda2dasda3 のパーティションを設けることができます。
[3] SCSI-over-Fibre Channel デバイスドライバー (zfcp デバイスドライバー) とスイッチを使用すると、 System z 上の Linux に対して、SCSI LUN をローカル接続の SCSI ドライブのように表示することができます。

第14章 IBM System z でのインストールの起動

Anaconda インストールプログラムの起動 (IPL) 手順は、Red Hat Enterprise Linux を稼働させる環境によって異なります (z/VM または LPAR)。

14.1. ブートパラメーターのカスタマイズ

インストールを開始する前に、必須のブートパラメーター設定があります。z/VM でインストールする場合、generic.prm ファイルで起動する前にこれらのパラメーターを設定する必要があります。LPAR でインストールする場合は、rd.cmdline パラメーターはデフォルトで ask に設定されており、これらのブートパラメーターを入力できるプロンプトが表示されます。いずれの場合でも、必要となるパラメーターは同じものです。

注記

ネットワーク設定に対話式ユーティリティーを使用していた Red Hat Enterprise Linux 6 とは異なり、全ネットワーク設定は以下のパラメーターを使用して指定する必要があります。これはパラメーターファイルの使用もしくはプロンプトで行います。
インストールソース
インストールソースは常に設定する必要があります。inst.repo= オプションでインストールのパッケージソースを指定します。詳細および構文については、インストールソースの指定 を参照してください。
ネットワークデバイス
インストール中にネットワークアクセスが必要となる場合は、ネットワーク設定を提供する必要があります。ハードドライブなどのローカルメディアのみを使用して無人 (キックスタートベース) インストールを行う場合は、ネットワーク設定は省略することができます。
基本的なネットワーク設定には ip= オプションを使用します。他のオプションは ネットワーク起動オプション に記載されています。
また、rd.znet= カーネルオプションを使用することもできます。このオプションは、ネットワークプロトコルタイプおよびコンマ区切りのサブチャネル一覧を取ります。また、コンマ区切りの sysfs パラメーターと値の組み合わせを追加で与えることもできます。このパラメーターは、複数のネットワークデバイスをアクティベートさせるために、複数回指定することができます。
以下に例を示します。
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portname=foo
rd.znet=ctc,0.0.0600,0.0.0601,protocol=bar
ストレージデバイス
少なくとも 1 つのストレージデバイスが常に設定される必要があります
rd.dasd= オプションは、DASD アダプターデバイスバス識別子を受け取ってデバイスを作動させます。また、コンマ区切りの sysfs パラメーターと値の組み合わせを追加で与えることもできます。複数の DASD をアクティベートするために、このパラメーターを複数回指定することができます。例を示します。
rd.dasd=0.0.0200,readonly=0
rd.dasd=0.0.0202,readonly=0
rd.zfcp= オプションは、SCSI over FCP (zFCP) アダプターデバイスバス識別子、WWPN (world wide port name)、FCP LUN を受け取ってデバイスを作動させます。複数の zFCP デバイスを作動させるために、このパラメーターを複数回指定することができます。以下に例を示します。
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
キックスタートのオプション
キックスタートファイルを使用して自動インストールを行う場合は、inst.ks= オプションでキックスタートファイルの場合を指定する必要があります。無人の完全自動キックスタートインストールでは、inst.cmdline オプションも便利です。詳細情報は、「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」 を参照してください。
必須パラメーターすべてを含むカスタマイズした generic.prm ファイルの例を以下に示します。

例14.1 カスタマイズ generic.prm ファイル

ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
inst.repo=http://example.com/path/to/repository
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=0,portname=foo
ip=192.168.17.115::192.168.17.254:24:foobar.systemz.example.com:enccw0.0.0600:none
nameserver=192.168.17.1
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000
inst.ks=http://example.com/path/to/kickstart
インストール方法によっては、DVD のファイルシステム内のインストールデータの場所、もしくは FTP サーバーおよびデータのコピー先のメモリーの場所がマッピングされたファイルが必要になります。このファイルは通常 generic.ins と呼ばれ、初期 RAM ディスク、カーネルイメージ、パラメーターファイル (generic.prm) のファイル名と各ファイルのメモリーの場所が格納されています。generic.ins ファイルのサンプルは以下のようになります。

例14.2 generic.ins サンプルファイル

images/kernel.img 0x00000000
images/initrd.img 0x02000000
images/genericdvd.prm 0x00010480
images/initrd.addrsize 0x00010408
有効な generic.ins ファイルはインストーラーの起動に必要の他のファイルとともに Red Hat から提供されます。このファイルは、デフォルトとは別のカーネルバージョンを読み込みたい場合などを除いて修正しないでください。

14.2. ハードドライブを使った IBM System z へのインストールに関する注意点

ハードドライブからインストールプログラムを起動する場合は、オプションとして同じディスクまたは別のディスクに zipl ブートローダーをインストールすることができます。zipl は 1 ディスクにつき 1 つのブートレコードにしか対応していないため注意してください。1 つのディスクに複数のパーティションを設ける場合は、全パーティションが 1 つのブートレコードを「共有」します。
インストールプログラムを起動できるようにハードドライブを準備します。以下のコマンドを入力してzipl ブートローダーをハードドライブにインストールします。
# zipl -V -t /mnt/ -i /mnt/images/kernel.img -r /mnt/images/initrd.img -p /mnt/images/generic.prm
generic.prm 設定ファイルの起動パラメーターをカスタマイズする方法については 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。

14.3. z/VM 環境にインストールする

z/VM 環境にインストールする場合は、以下から起動することができます。
  • z/VM 仮想リーダー
  • DASD または FCP 接続の SCSI デバイス (zipl ブートローダーの準備が完了している )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
Linux インストール用に選択した z/VM ゲスト仮想マシンにログオンします。x3270 または c3270 端末エミュレーター (Red Hat Enterprise Linux の x3270-text パッケージで入手可) を使用すると、他の Linux システムから z/VM にログオンすることができます。または、IBM System z HMC (ハードウェア管理コンソール) の IBM 3270 端末エミュレーターを使用することもできます。Microsoft Windows オペレーティングシステム搭載のマシンで作業している場合は、Jolly Giant (http://www.jollygiant.com/) が提供する SSL 対応の 3270 エミュレーターを使用できます。 wc3270 という名前の c3270 のフリーなネイティブ Windows ポートもあります。

注記

使用中の 3270 接続が割り込みを受け、それまでのセッションがまだアクティブなために再ログインができない場合、z/VM ログイン画面で以下のコマンドを入力するとそれまでのセッションを新規のセッションで置き換えることができます。
logon user here
user には z/VM ゲスト仮想マシンの名前を入れてください。RACF などの外部セキュリティマネージャーが使用されているかどうかによって、ログオンコマンドが異なる場合があります。
ゲスト内でまだ CMS (z/VM 同梱のシングルユーザー用オペレーティングシステム) を実行していない場合は、以下のコマンドを実行してここで起動します。
cp ipl cms
インストールターゲットに A ディスク (多くの場合デバイス番号は 0191) などの CMS ディスクは使用しないようにしてください。CMS で使用されているディスクを確認するには、以下のクエリーを使用します。
query disk
以下の CP (z/VM ハイパーバイザーである z/VM 制御プログラム) の query コマンドを使用すると、z/VM ゲスト仮想マシンのデバイス構成を確認することができます。
  • 利用できるメインメモリーを問い合わせます。System z の用語では storage と呼ばれています。ゲストには少なくとも 1 GB のメインメモリーがあるはずです。
    cp query virtual storage
  • 利用できるネットワークデバイスを以下のタイプ別に問い合わせます。
    osa
    OSA - CHPID タイプ OSD、物理的または仮想 (VSWITCH または GuestLAN)、いずれも QDIO モード
    hsi
    HiperSockets - CHPID タイプ IQD、物理的または仮想 (GuestLAN タイプ Hipers)
    lcs
    LCS - CHPID タイプ OSE
    たとえば、上記すべてのネットワークデバイスタイプを問い合わせる場合は次を実行します。
    cp query virtual osa
  • 利用できる DASD を問い合わせます。インストールターゲットとして使用できるのは、RW のフラグが付いた読み取り専用モードの DASD のみです。
    cp query virtual dasd
  • 利用できる FCP チャネルを問い合わせます。
    cp query virtual fcp

14.3.1. z/VM リーダーを使用する

以下の手順にしたがって z/VM リーダーから起動します。
  1. 必要であれば、z/VM の TCP/IP ツールを含んでいるデバイスを CMS ディスク一覧に追加します。例を示します。
    cp link tcpmaint 592 592
    acc 592 fm
    fm には FILEMODE 文字を入れます。
  2. コマンドを実行します。
    ftp host
    host には起動用イメージ (kernel.imginitrd.img) をホストする FTP サーバーのホスト名または IP アドレスを入れます。
  3. ログインして以下のコマンドを実行します。既存の kernel.imginitrd.imggeneric.prmredhat.exec ファイルを上書きする場合は、(repl オプションを使用します。
    cd /location/of/install-tree/images/
    ascii 
    get generic.prm (repl 
    get redhat.exec (repl 
    locsite fix 80 
    binary 
    get kernel.img (repl 
    get initrd.img (repl 
    quit
  4. オプションとして、CMS コマンド filelist を使用して受信したファイルとその形式を表示することにより、ファイルが正しく転送されたかどうかをチェックします。Format コラムで kernel.imginitrd.img のレコードの長さが固定形式を示す F になっていること、 Lrecl コラムでそのレコードの長さが 80 になっていることが重要になります。以下に例を示します。
    VMUSER FILELIST A0 V 169 Trunc=169 Size=6 Line=1 Col=1 Alt=0
    Cmd Filename	Filetype	Fm	Format	Lrecl	Records	Blocks	Date	Time
        REDHAT	EXEC		B1	V	22	1 	1	4/15/10	9:30:40
        GENERIC	PRM		B1	V	44	1	1	4/15/10	9:30:32
        INITRD	IMG		B1	F	80	118545	2316	4/15/10	9:30:25
        KERNEL	IMG		B1	F	80	74541	912	4/15/10	9:30:17
    
    PF3 を押して filelist を終了し、CMS プロンプトに戻ります。
  5. 必要に応じて、generic.prm 内の起動パラメーターをカスタマイズします。詳細は 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 を参照してください。
    ストレージとネットワークデバイスを設定する別の方法として CMS 設定ファイルを使用する方法があります。この場合、CMSDASD=CMSCONFFILE= のパラメーターを generic.prm に追加します。詳細は 「z/VM 設定ファイル」 を参照してください。
  6. 最後に、REXX スクリプト redhat.exec を実行してインストールプログラムを起動します。
    redhat

14.3.2. 設定済み DASD を使用する

準備済みの DASD から起動して、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する zipl ブートメニューのエントリーを選択します。以下の形式のコマンドを使用します。
cp ipl DASD_device_number loadparm boot_entry_number
DASD_device_number は起動デバイスのデバイス番号になります。boot_entry_number にはこのデバイスの zipl 設定メニューを入れます。以下に例を示します。
cp ipl eb1c loadparm 0

14.3.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクを使用する

次の手順にしたがって設定済み FCP 接続の SCSI ディスクから起動します。
  1. FCP ストレージエリアネットワーク内に準備した SCSI ディスクにアクセスできるよう z/VM の SCSI ブートローダーを設定します。Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照している設定済み zipl ブートメニューのエントリーを選択します。以下の形式のコマンドを使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun LUN bootprog boot_entry_number
    WWPN にはストレージシステムの WWPN (World Wide Port Name) を入れます。LUN にはディスクの論理ユニット番号 (LUN) を入れます。16 進数は 8 桁ずつ 2 組のペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 50050763 050b073d lun 40204011 00000000 bootprog 0
  2. 次のコマンドを使うとオプションで設定の確認ができます。
    query loaddev
  3. 以下のコマンドを使用して、ディスクが含まれたストレージシステムに接続している FCP デバイスを起動します。
    cp ipl FCP_device 
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

14.3.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブを使用する

SCSI DVD ドライブを FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを System z の FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定して z/VM 環境で使用できるようにしておきます。
  1. System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD を DVD ドライブに挿入します。
  2. FCP ストレージエリアネットワーク内にある DVD ドライブにアクセスできるよう z/VM の SCSI ブートローダーを設定し、System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD の起動エントリー 1 を指定します。以下の形式のコマンドを使用します。
    cp set loaddev portname WWPN lun FCP_LUN bootprog 1
    WWPN は FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN になります。FCP_LUN は DVD ドライブの LUN を入れます。16 進数は 8 桁ずつ 2 組のペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
    cp set loaddev portname 20010060 eb1c0103 lun 00010000 00000000 bootprog 1
  3. 次のコマンドを使うとオプションで設定の確認ができます。
    cp query loaddev
  4. FCP-to-SCSI ブリッジに接続されている FCP デバイス上で起動 (IPL) します。
    cp ipl FCP_device
    以下に例を示します。
    cp ipl fc00

14.4. LPAR にインストールする

LPAR (論理パーティション) 内にインストールする場合は以下から起動することができます。
  • FTP サーバー
  • DASD または FCP 接続の SCSI ドライブ (zipl ブートローダーを設定済み )
  • FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
上記に共通する手順をまず実行します。
  1. LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールするために十分な権限を持つユーザーとして、IBM System z の HMC (ハードウェア管理コンソール) または SE (サポートエレメント) にログインします。SYSPROG ユーザーが推奨ユーザーになります。
  2. イメージ を選択し、インストール先となる LPAR を選択します。右側にあるフレーム内の矢印を使って CPC Recovery (CPC リカバリー) メニューに進みます。
  3. Operating System Messages (オペレーティングシステムのメッセージ) をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
インストールソースに応じて、次のいずれかの手順に進んでください。

注記

ここまでの手順を完了して、インストールソースに従って以下のいずれかの手順を終わらせると、インストールが開始されます。インストーラーは追加の起動パラメーターを入力するようプロンプト表示します。必要なパラメーターは 「ブートパラメーターのカスタマイズ」 に記載されています。

14.4.1. FTP サーバーを使用する

  1. Load from CD-ROM, DVD, or Server (CD-ROM、DVD、またはサーバーからロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスで、FTP Source (FTP ソース) を選択し、以下の情報を入力します。
    • Host Computer (ホストコンピューター) - インストール元となる FTP サーバーのホスト名または IP アドレスです (例: ftp.redhat.com)。
    • User ID (ユーザー ID) - FTP サーバー上のユーザー名、または anonymous (匿名)を指定します。
    • Password (パスワード) - 上記ユーザーのパスワードです。anonymous (匿名)でログインしている場合は電子メールアドレスを使用します。
    • Account (optional) (アカウント (オプション)) - このフィールドは空のままにしておきます。
    • File location (optional) (ファイルの場所 (オプション)) - System z 向けの Red Hat Enterprise Linux が置かれている FTP サーバーのディレクトリーです (例: /rhel/s390x/)。
  3. Continue (続行) をクリックします。
  4. 次に表示されるダイアログボックスでは、generic.ins のデフォルト選択はそのままにして、Continue (続行) をクリックします。

14.4.2. 設定済み DASD を使用する

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)Normal (通常) を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には DASD のデバイス番号を入力します。
  4. Load parameter (ロードパラメーター) には、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl ブートメニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  5. OK ボタンをクリックします。

14.4.3. 設定済み FCP 接続の SCSI ディスクを使用する

  1. Load (ロード) をダブルクリックします。
  2. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)SCSI を選択します。
  3. Load address (ロードアドレス) には、SCSI ディスクに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  4. World wide port name には、ディスクを含むストレージシステムの WWPN の 16 進数を入力します。
  5. Logical unit number (論理ユニット番号) には、ディスクの LUN の 16 進数を入力します。
  6. Boot program selector (ブートプログラムセレクター) には、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動するために準備した zipl ブートメニューのエントリーに対応する数字を入力します。
  7. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  8. OK ボタンをクリックします。

14.4.4. FCP 接続の SCSI DVD ドライブを使用する

SCSI DVD ドライブ を FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを System z マシンの FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定し、LPAR で使用できるようにしておきます。
  1. System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD を DVD ドライブに挿入します。
  2. Load (ロード) をダブルクリックします。
  3. 次に表示されるダイアログボックスの Load type (ロードタイプ)SCSI を選択します。
  4. Load address (ロードアドレス)には、FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
  5. World wide port name には、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN の 16 進数を入力します。
  6. Logical unit number (論理ユニット番号) には、DVD ドライブの LUN の 16 進数を入力します。
  7. Boot program selector (ブートプログラムセレクター) には、数字 1 を入力し、System z 向けの Red Hat Enterprise Linux DVD 上のブートエントリーを選択します。
  8. Boot record logical block address (ブートレコードの論理ブロックアドレス)0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters (オペレーティングシステム固有のロードパラメーター) は空のままにしておきます。
  9. OK ボタンをクリックします。

第15章 Anaconda を使用したインストール

本章では、Anaconda インストーラーを使って Red Hat Enterprise Linux をインストールするステップごとの手順を説明しています。本章の大部分では、グラフィカルユーザーインタフェースを使用したインストールを説明しています。IBM System z では、別のシステムから VNC プロトコルによってグラフィカルインターフェースにアクセスできます。グラフィカルディスプレイのないシステムではテキストモードが利用可能ですが、このモードは特定の機能 (カスタマイズのパーティション設定ができないなど) に制限があります。
グラフィカルインターフェースで VNC モードが使用できない場合は、キックスタートを使った自動インストールを検討してください。キックスタートについての情報は、23章キックスタートを使ったインストール を参照してください。

15.1. Anaconda の概要

Red Hat Enterprise Linux のインストーラーである Anaconda は、その並立的な性質のために他のオペレーティングシステムインストールプログラムとは異なるものになっています。ほとんどのインストーラーは、決まった方法を実行します。例えば、最初に言語を選択、次にネットワークを設定、それからインストールタイプ、パーティション設定、といったようにです。ある時点における進行方法は通常、1 つのみです。
Anaconda で最初に選択する必要があるものは言語とロケールのみで、次に中央画面が表示されます。ここでは、好きな順序でインストールのほとんどの要素を設定することができます。ただし、これはインストールのすべての部分に該当するわけではありません。例えば、ネットワークからインストールする場合は、インストールするパッケージが選択可能となる前にネットワークを設定する必要があります。
お使いのハードウェアやインストールを開始するメディアタイプによっては、自動で設定される画面もいくつかあります。その場合でも、検出された設定は変更することが可能です。自動設定されず、インストール前にユーザーの作業が必要となる画面には、感嘆符が付いています。実際のインストールプロセスを開始するには、これらの設定を完了する必要があります。
特定の画面ではさらなる違いがあります。特に、カスタムのパーティション設定プロセスは他の Linux ディストリビューションとは非常に異なります。これらの違いについては、各画面のサブセクションで説明します。

15.2. インストール中のコンソールとロギング

以下のセクションでは、インストール中にログと対話式のシェルにアクセスする方法を説明しています。これは問題の解決時に有用となりますが、ほとんどの場合では必要ないはずです。

15.2.1. コンソールへのアクセス

Red Hat Enterprise Linux インストーラーは tmux ターミナルマルチプレクサーを使用して、メインのインターフェース以外に使用可能な複数のウィンドウを表示、制御します。これらのウィンドウはそれぞれ個別の目的を実行するもので、異なるログを表示します。これはインストール中のトラブルシュートに使用可能です。このうちの 1 つは root 権限のある対話式シェルプロンプトを提供するもので、これはブートオプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効となっていなければ使用可能となります。

注記

一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境からほかに移動する必要はありません。
ターミナルマルチプレクサーは仮想コンソール 1 で実行されています。グラフィカルインストール環境から tmux に切り替えるには、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想 コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェースに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。

注記

テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えるとグラフィカルインターフェースではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、5 つの利用可能なウィンドウがあります。それらのコンテンツとアクセスに使用するキーボードショートカットは、以下の表の通りです。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押してからこれら両方を離し、その後に使用するウィンドウの数字キーを押すことに留意してください。
また、Ctrl+b n を使って次の tmux ウィンドウ、Ctrl+b p で前のウィンドウに切り替えることもできます。

表15.1 利用可能な tmux ウィンドウ

ショートカットコンテンツ
Ctrl+b 1メインのインストールプログラムウィンドウ。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC ダイレクトモードを使用の場合) とデバッグ情報があります。
Ctrl+b 2root 権限のある対話式シェルプロンプト。
Ctrl+b 3インストールログ ; /tmp/anaconda.log に保存されているメッセージを表示します。
Ctrl+b 4ストレージログ ; /tmp/storage.log に保存されているカーネルおよびシステムサービスからのストレージデバイス関連のメッセージを表示します。
Ctrl+b 5プログラムログ ; /tmp/program.log に保存されている他のシステムユーティリティーからのメッセージを表示します。
tmux ウィンドウに診断情報を表示することに加えて、Anaconda はインストールシステムから転送可能なログファイルも生成します。これらのログについての説明は 表16.1「インストール中に生成されるログファイル」 にあります。インストールシステムからの転送方法については、16章IBM System z でのインストールに関するトラブルシューティング を参照してください。

15.2.2. スクリーンショットの保存

グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーすることができます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots/ に保存されます。
またキックスタートファイルで autostep --autoscreenshot コマンドを使用すると、インストールの各ステップを自動的にキャプチャーし、保存することができます。詳細は、「キックスタートのコマンドとオプション」 を参照してください。

15.3. 非対話形式のラインモードでのインストール

inst.cmdline オプションがパラメーターファイル (「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」 を参照) で起動オプションとして指定されている、もしくは cmdline オプションがキックスタートファイル (23章キックスタートを使ったインストール を参照) で指定されている場合、Anaconda は非対話形式のテキストラインモードで開始します。このモードでは、キックスタートファイル内で必要な情報すべてが提供されている必要があります。インストールプログラムはユーザー介入を許可せず、必要なコマンドが欠如している場合は停止します。

15.4. テキストモードでのインストール

テキストモードのインストールでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールに対話式の非グラフィカルのインターフェースを使用します。これはグラフィカル機能のないシステムでは便利ですが、テキストベースのインストールを開始する前に、常に利用可能な別の方法 (自動キックスタートインストールや VNC によるグラフィカルユーザーインタフェースの使用など) を検討してください。テキストモードでは、インストール中の選択肢の数に限りがあります。
テキストモードでのインストール

図15.1 テキストモードでのインストール

テキストモードでのインストールは、グラフィカルインストールと同様のパターンになります。決まった 1 つの方法ではなく、メインのステータス画面を使用して多くの設定を好きな順序で設定することができます。自動またはユーザーにより設定済みとなった画面には [x] マークが表示され、インストールの開始前にユーザーの作業が必要な画面には [!] マークが表示されます。利用可能なコマンドは、利用可能なオプション一覧の下に表示されます。

注記

バックグラウンドで関連タスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的に使用できなくなったり、Processing... のラベルが表示されることがあります。テキストメニューアイテムの状態を更新するには、テキストモードのプロンプトで r オプションを使用します。
テキストモード画面の下部には、5 つのメニューオプションを表示する緑色のバーがあります。これらのオプションは、tmux ターミナルマルチプレクサーの個別の画面を表しています。デフォルトでは画面 1 から開始し、キーボードショートカットを使用して、ログや対話式コマンドプロンプトを含む他の画面に切り替えることができます。利用可能な画面やそれらへの切り替えに使用するショートカットについては、「コンソールへのアクセス」 を参照してください。
対話式テキストモードでのインストールには以下のような制限があります。
  • インストーラーは常に言語に英語を使用し、キーボードも US English のキーボードレイアウトになります。言語とキーボードレイアウトは設定可能ですが、これはインストールされるシステムに適用されるもので、インストール自体には適用されません。
  • 高度なストレージメソッド (LVM、software RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI) の設定はできません。
  • カスタムのパーティション設定はできません。自動パーティション設定のいずれかを使用する必要があります。また、ブートローダーのインストール場所を設定することもできません。
  • インストールするパッケージアドオンを選択することはできません。それらはインストール完了後に Yum パッケージマネージャーを使用して追加する必要があります。
テキストモードのインストールを開始するには、パラメーターファイル (generic.prm) で inst.text ブートオプションを使用してインストールを起動します。パラメーターファイルについては、18章 IBM System z でのパラメーターと設定ファイル を参照してください。

15.5. グラフィカルユーザーインターフェースでのインストール

Red Hat Enterprise Linux の手動でのインストールでは、グラフィカルインターフェースが望ましい方法になります。カスタムのパーティション設定や高度なストレージ設定を含むすべての設定に対して完全な制御ができ、英語以外の多くの言語にローカライズされているので、インストール全体を好きな言語で実行できます。ローカルメディア (CD、DVD または USB フラッシュドライブ) からシステムを起動すると、グラフィカルモードがデフォルトで使用されます。
インストールの概要 画面

図15.2 インストールの概要 画面

以下のセクションでは、インストールプロセスで使用可能な各画面について説明しています。インストーラーには並立的な性質があるため、ほとんどの画面は表示されている順序で完了する必要はないことに留意してください。
グラフィカルインターフェースの各画面には ヘルプ ボタンがあります。このボタンをクリックすると Yelp のヘルプブラウザーが開き、現行画面に関連する 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のセクションが表示されます。
キーボードを使ってグラフィカルインストーラーを操作することもできます。Tab および Shift+Tab キーを使って画面上のアクティブなコントロール要素 (ボタンやチェックボックスなど) を移動し、上向き および 下向き の矢印キーで一覧をスクロールし、左向き および 右向き の矢印キーで水平方向のツールバーや表エントリーをスクロールします。Space または Enter キーで強調表示アイテムを選択肢から選択または削除したり、ドロップダウンメニューを展開または折りたたみます。
さらに、各画面の要素をそれぞれのショートカットで切り替えることもできます。これらのショートカットは Alt キーを押すと強調表示 (下線付き) されます。要素を切り替えるには、Alt+X を押します。ここでの X は強調表示されている文字になります。
使用中のキーボードレイアウトは、画面右上に表示されます。デフォルトで設定されるのは 1 つのレイアウトだけで、キーボードレイアウト 画面で 2 つ以上のレイアウトを設定すると (「キーボードの設定」)、レイアウトインジケーターをクリックすることでそれらの切り替えが可能になります。

15.6. 「ようこそ」の画面と言語設定

インストールプログラムの最初の画面は、Red Hat Enterprise Linux 7.3 へようこそ という画面になります。ここでは、Anaconda がインストールで使用する言語を選択します。ここでの選択は、これ以降で変更されなければ、インストール後のシステムでのデフォルトにもなります。左側のパネルでは、English のように、希望する言語を選択します。そして、右側のパネルでその言語の特定の地域を選びます。たとえば、 English (United States) となります。

注記

一覧の先頭にはデフォルトで言語が 1 つ事前に選択されています。この時点でネットワークへのアクセスが設定されていれば (ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、GeoIP モジュールを使った位置自動検出情報に基づき事前選択の言語が確定されます。
また、下図で示すように、検索ボックスに希望する言語を入力することもできます。
選択を終えたら、続行 ボタンをクリックして インストールの概要 画面に進みます。
言語設定

図15.3 言語設定

15.7. インストールの概要画面

インストールの概要 画面は、インストール設定の中心となる画面です。
インストールの概要

図15.4 インストールの概要

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、画面が次々と表示されるのではなく、ユーザーが選択する順番でインストールを設定できます。
マウスを使って、設定するインストールセクションのメニューアイテムを選択します。そのセクションの設定が完了したら、あるいは他のセクションを先に設定したい場合は、画面の左上にある完了 ボタンをクリックします。
警告マークのついているセクションのみが必須となります。インストール開始前にこれらのセクションを完了させる必要があることを、画面下のメッセージで警告しています。その他のセクションはオプションになります。各セクションのタイトルの下には、現行設定の概要が示されています。これを参考にして、該当セクションの設定が必要かどうかを決めることができます。
必須セクションすべてが完了したら、インストールの開始 ボタンをクリックします。 「インストールの開始」 も参照してください。
インストールを取り消す場合は 終了 ボタンをクリックします。

注記

バックグラウンドでタスクが実行されている間は、特定のメニューアイテムが一時的にグレーで表示され使用できなくなることがあります。

15.8. 日付と時刻

タイムゾーンと日付、さらにオプションでネットワーク時間を設定するには、インストールの概要 画面で 日付と時刻 を選択します。
タイムゾーンを選択するには、3 つの方法があります。
  • マウスを使って対話式マップをクリックし特定の都市を選択します。選択した都市を示す赤いピンが表示されます。
  • また、画面上部の 地域都市 のドロップダウンメニューをスクロールしてタイムゾーンを選ぶこともできます。
  • 地域 ドロップダウンメニューの一番下にある Etc を選ぶと、都市のメニューが GMT/UTC になり、たとえば GMT+1 を選択できるようになります。
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