Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux
デスクトップの移行および管理ガイド
RHEL 7 における GNOME 3 デスクトップの移行計画、デプロイメント、設定、および管理
Jana Heves
概要
第1章 GNOME 3 デスクトップの紹介
1.1. GNOME 3 とは
図1.1 GNOME 3 デスクトップ (GNOME クラシック)

- GNOME Shell
- GNOME Shell は最新かつ直感的なグラフィカルユーザーインターフェイスです。これは、視覚効果およびハードウェアアクセラレーションサポートを含む⾼品質のユーザーエクスペリエンスを提供します。詳細は、「GNOME Shell とは」 を参照してください。
- GNOME クラシック
- GNOME クラシックは新旧機能を組み合わせたものであり、GNOME 2 の慣れ親しんだルックアンドフィールを維持しつつ GNOME Shell の強力な新機能と 3-D 機能を提供します。GNOME クラシックは Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME セッションおよび GNOME Shell モードです。詳細は、「GNOME クラシックとは」 セクションを参照してください。
- GSettings
- GSettings は設定ストレージシステムで、古い GNOME バージョンにある
GConf
を置き換えます。GConf
から GSettings への移行に関する詳細は、3章GSettings および dconf を参照してください。GSettings を使用したデスクトップの設定の詳細については、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。 - GVFS
GVFS
は完全な仮想ファイルシステムインフラストラクチャーを提供し、GNOME デスクトップのストレージを処理します。GVFS
により、GNOME 3 はオンラインドキュメントストレージサービス、カレンダー、連絡先リストと適切に統合されるため、すべてのデータが同じ場所からアクセスできます。GVFS
の詳細は 15章仮想ファイルシステムおよびディスク管理 を参照してください。- GTK+
GTK+
は、グラフィカルユーザーインターフェイスを作成するためのマルチプラットフォームツールキットで、優れた機能豊富な API を提供します。GTK+
により、GNOME 3 はアプリケーションの外観を変更したり、グラフィックのスムーズな外観を提供したりできます。さらに、GTK+
には、オブジェクト指向プログラミングサポート(GObject)、国際文字セットおよびテキストレイアウトの幅広いサポート(Pango)、アクセシビリティインターフェイス(ATK)のセットなど、多くの機能が含まれています。
1.2. GNOME Shell とは
- トップバー
- 画面上部の水平バーからは、
アクティビティー
画面、クロックとカレンダー、システムステータスアイコン、画面の左上隅のシステムメニューなど、GNOME Shell の基本的な機能の一部にアクセスできます。 - システムメニュー
システムメニュー
は右上隅にあります。このメニューからは、設定の更新や Wi-Fi 接続情報の確認、ユーザーの切り替え、コンピューターのシャットダウンなどができます。- アクティビティー画面
アクティビティー画面
は、ユーザーがアプリケーションやウィンドウを実行したり、それらの切り替えを可能にするウィンドウおよびアプリケーションビューを特長としています。上部の検索エントリー
を使用すると、アプリケーション、ドキュメント、ファイル、設定ツールなど、デスクトップで利用可能なさまざまな項目を検索できます。左側の垂直バーはダッシュ
と呼ばれ、お気に入りの実行中のアプリケーションのリストが含まれています。ワークスペースの一覧
は右側に表示され、ユーザーは複数のワークスペースを切り替えるか、アプリケーションやウィンドウをあるワークスペースから別のワークスペースに移動できます。- メッセージトレイ
メッセージトレイ
は画面の下部の水平バーで、ユーザーが Super+M を押すと表示されます。ここから保留中の通知にアクセスできます。- GNOME クラシック固有のコンポーネント
- GNOME クラシック は Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME Shell モードです。これは、GNOME Shell の外観と共に GNOME Shell 動作のいくつかの側面を変更しています。これには、ウィンドウ一覧の下部バーと、トップバーの アプリケーション および 場所 メニューが含まれます。GNOME クラシックの詳細は、「GNOME クラシックとは」 を参照してください。
1.2.1. ハードウェアアクセラレーションおよびソフトウェアレンダリング
Clutter
が提供するハードウェアアクセラレーションサポートを利用します。
llvmpipe
ドライバーによって提供されます。
llvmpipe
ドライバーを使用しているかどうかを確認するには、glxinfo コマンドを実行できます。
$ glxinfo | grep renderer
OpenGL renderer string: Gallium 0.4 on llvmpipe (LVVM 3.3, 128 bits)
1.3. GNOME クラシックとは
- アプリケーション および 場所 メニュー
- アプリケーションの メニューが画面の左上に表示されます。ユーザーはここから、カテゴリー別にまとまっているアプリケーションにアクセスできます。また、ユーザーはそのメニューから
アクティビティー画面
を開くこともできます。場所 メニューは、トップバー の アプリケーション メニューの 横に表示されます。ユーザーは、Downloads や Pictures などの重要なフォルダーにすばやくアクセスできます。 - タスクバー
- タスクバーは画面の一番下に表示されます。以下の機能が含まれます。
- ウィンドウリスト
- ウィンドウリストの横に表示される通知アイコン。
- 通知アイコンの横に表示される現在のワークスペースの短い識別子および利用可能なワークスペースの合計数。
- 4 つの使用可能なワークスペース
- GNOME クラシックでは、ユーザーが利用できるワークスペースの数はデフォルトで 4 に設定されています。
- 最小化および最大化ボタン
- GNOME クラシックのウィンドウのタイトルバーは、ユーザーがウィンドウリストに対してウィンドウを簡単に最小化したり、デスクトップ上のすべてのスペースを占めるようにウィンドウを最大化したりすることを可能にする最小化ボタンおよび最大化ボタンを特長としています。
- 従来の Super+Tab ウィンドウスイッチャー。
- GNOME クラシックでは、Super+Tab ウィンドウスイッチャーのウィンドウはアプリケーションごとにグループ化されません。
- システムメニュー
システムメニュー
は右上隅にあります。このメニューからは、設定の更新や Wi-Fi 接続情報の確認、ユーザーの切り替え、コンピューターのシャットダウンなどができます。
図1.2 電卓アプリケーションおよびアプリケーションメニューにアクセサリサブメニューのある GNOME クラシック

1.3.1. GNOME クラシックの拡張機能
- AlternateTab (
alternate-tab@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com
), - アプリケーションメニュー(
apps-menu@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com
) - 新規インスタンスの起動(
)
- Places Status Indicator (
places-menu@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com
) - ウィンドウリスト(
window-list@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com
)
1.3.2. GNOME クラシックと GNOME 間の切り替え
$ gnome-shell --mode=user -r &
$ gnome-shell --mode=classic -r &
1.3.3. デフォルトセッションとしての GNOME クラシックを無効にする
/var/lib/AccountsService/users/ ユーザー名
ファイルでユーザーのアカウントサービスを変更する必要があります。その方法は、「ユーザーデフォルトセッションの設定」 を参照してください。
詳細情報の入手
概要に入り
、help
と 入力 して Enter キーを押します。
1.4. アクセシビリティーに関する注意点

アクティビティーの概要
を開き、help を入力して簡単にアクセスできます。GNOME Help メニューから Universal access
を選択します。
パート I. 移行計画
GRUB 2
ブートローダー、パッケージ管理、systemd
、またはプリンター設定などのコンポーネント用の 『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』- 『Red Hat Enterprise Linux 7 移行計画ガイド』: Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 間の動作における主な変更点および互換性についての概要は、このガイドを参照してください。また移行計画ガイドでは、Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレードを支援する Red Hat 提供のツールを紹介しています。
- 『Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールおよび Anaconda インストーラーの使用に関する詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』 を参照してください。
第2章 logind
logind
(具体的には systemd-logind
)は、ユーザーログインを管理するシステムサービスです。このサービスは以下を行います。
- ユーザーおよびセッション、それらのセッションおよびアイドル状態の追跡
- ユーザープロセスの制御グループの作成
- システムのシャットダウンまたはスリープなどの操作のために PolicyKit ベースのアクセスをユーザーに提供
- アプリケーション用にシャットダウン/スリープを抑止するロジックの実装
- 電源/スリープハードウェアキーの処理
- 複数のユーザー用のマルチシート管理、セッション切り替え管理、およびデバイスアクセス管理
- 仮想端末 (コンソール) のアクティブ化時のテキストログイン (getty) の自動起動およびユーザーランタイムディレクトリーの管理
logind
サービスは、Red Hat Enterprise Linux 7 の新しい初期化システムである systemd
と密接に統合されており、Red Hat Enterprise Linux 6 の upstart
初期化システムに代わるものです。この変更により、数多くの新機能が導入されました。以下は、これらの内のとりわけ大きな変更点の要約です。
- ConsoleKit
ConsoleKit
フレームワークは Red Hat Enterprise Linux 7 で非推奨になりました。同等の機能がsystemd
によって提供されるようになりました。ConsoleKit
とlogind
はいずれも、現在実行中のユーザーセッションを追跡するためのサービスです。注記ConsoleKit
には、システム上のアクティブなセッションが変更されるたびに任意のシェルスクリプトを実行する機能がありました(仮想端末の切り替えを使用)。この機能は提供されなくなりました。- /var/log/ConsoleKit/history ファイル
- 以前は、
ConsoleKit
はログファイルを/var/log/ConsoleKit/history
に送信していましたが、現在のlogind
はサポートしません。このファイルは、システム上のすべてのログインとログアウトを追跡する従来のwtmp
ファイルおよびutmp
ファイルに置き換えられました。/var/log/ConsoleKit/history
は、別の形式でwtmp
ファイルと同様の情報を提供していました。機能が重複している場合、logind
はwtmp
ファイルのロールのみを採用しました。 - seat.d スクリプト
ConsoleKit
は使用されなくなったため、seat.d
スクリプトはConsoleKit
フレームワークを補完しなくなり、systemd-logind
に置き換えられました。- ck-list-sessions コマンド
ConsoleKit
は、最近のユーザーに関する拡張情報を返す ck-list-sessions コマンドを提供していました。このコマンドは、通常のユーザーだけでなく、GDM
を使用した GUI アクセスも表示しました。loginctl
コマンドを実行して、比較可能な結果に到達できるようになりました。$
loginctl list-sessions
- マルチシートサポート
logind
とGDM
には、ユーザーが別のモニター、マウス、キーボードをマシンにアタッチできる マルチシート 機能を提供します。これを実行すると、追加のログイン画面が表示され、ユーザーは別のマシンを使用しているかのようにログインできます。システム上で利用可能なシートを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。$
loginctl list-seats
システム上で特定のシートのステータスを表示するには、以下のコマンドを実行します。$
loginctl seat-status seat
ここで、seat はseat0
などのシートの名前です。特定のハードウェアを特定のシートに割り当てるには、以下のコマンドを実行します。#
loginctl attach seat device
ここで、seat はseat1
などのシートの名前で、device は /sys/devices/pci0000:00/0000:00:02.0/drm/card0 のように、/sys
/devices/pci0000:00/0000:00:02.0/drm/card0 で指定したデバイス
名です。割り当てを変更するには、ハードウェアを別のシートに割り当てるか、loginctl flush-devices コマンドを使用します。
詳細情報の入手
logind
.service(8)- logind の man ページは、logind
の使用方法および機能に関する詳細情報を提供します。また、systemd-logind
が提供する API についても説明します(logind D-Bus API ドキュメント)。
logind.conf
の man ページでは、ログインマネージャーの設定ファイルが説明されています。
systemd
ログインマネージャーの man ページには、マルチシート機能の詳細情報が記載されています。
第3章 GSettings および dconf
GConf
(ユーザー設定の保存用)から GSettings
の高レベル設定システムと dconf
バックエンドの組み合わせへの移行です。
- GConf
- 上記のように、
GConf
設定システムは 2 つのシステムに置き換えられました。GSettings
APIdconf
バックエンド:単一のコンパクトなバイナリー形式でシステムのハードウェアおよびソフトウェア設定の詳細を収集する低レベルの設定システムおよびプログラムとして機能します。
gsettings
コマンドラインツールとdconf
ユーティリティーはどちらもユーザー設定を表示および変更するために使用されます。gsettings
ユーティリティーは端末で直接これを行いますが、dconf
ユーティリティーは設定データベースの編集にdconf-editor
GUI を使用します。dconf-editor
およびgsettings
ユーティリティーの詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。 - gconftool
gconftool-2
ツールはgsettings
およびdconf
に置き換えられました。同様に、gconf-editor
はdconf-editor
に置き換えられました。- 上書き
- キーファイル の概念が Red Hat Enterprise Linux 7 で導入されました。dconf ユーティリティーを使用すると、システム管理者は、デフォルトオーバーライド を直接インストールすることでデフォルト設定を 上書き できます。たとえば、すべてのユーザーのデフォルト背景の設定は、
/etc/ dconf /db/local.d/)
などの keyfile ディレクトリーのキーファイルに置かれ、dconf オーバーライドを使用して実行されるようになりました。デフォルト値と上書きについての詳細は、「カスタムデフォルト値の設定」 を参照してください。 - 設定のロック
dconf
システムにより、ユーザーのカスタマイズを防ぐために個々の設定または設定サブパスをロックダウンできるようになりました。設定のロック方法は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。- NFS および dconf
詳細情報の入手
第4章 PolicyKit
PolicyKit
ユーティリティーは、サービスを特権のないプログラム(サブジェクト とも呼ばれる)に提供する特権プログラム( メカニズムとも呼ばれる)が使用する承認 API を提供するフレームワーク です。以下は、PolicyKit
またはそのシステム名 polkit
の変更点の詳細です。
4.1. ポリシー設定
pkla と *
.conf
の 2 つの異なるファイルに保存されていました。これは、キー/値のペアを使用して追加のローカル認証を定義していました。
polkit
ルールは /etc/polkit-1/rules.d/
ディレクトリーに保存されますが、サードパーティーパッケージは /usr/share/polkit-1/rules.d/
に保存されます。
.conf
および .pkla
設定ファイルは保持され、.rules ファイルとともに存在します。Red Hat Enterprise Linux 7 の polkit
は、互換性の問題を念頭にアップグレードしました。
polkitd
は、.rules ファイルを辞書式順序で /etc/polkit-1/rules.d
および / usr/share/polkit-1/rules.d
ディレクトリーから読み取るようになりました。2 つのファイルに同一の名前が付けられる場合、/etc
内のファイルは、/usr
内のファイルの前に処理されます。さらに、既存のルールは /etc/polkit-1/rules.d/49-polkit-pkla-compat.rules
ファイルにより適用されます。したがって、これらは /usr
または /etc
の .rules ファイルでオーバーライドできます。その名前は、辞書式順序で 49-polkit-pkla-compat の前に付けられます。古いルールが上書きされないようにする最も簡単な方法は、その他すべての .rules ファイルの名前を 49 よりも大きな数字で始めることです。
/etc/polkit-1/rules.d/10-enable-mount.rules ファイルに保存されます。
例4.1 システムデバイスへのファイルシステムのマウントの許可
polkit.addRule(function(action, subject) { if (action.id == "org.freedesktop.udisks2.filesystem-mount-system" && subject.isInGroup("storage")) { return polkit.Result.YES; } });
詳細は、以下を参照してください。
- polkit(8): JavaScript ルールおよび優先順位ルールの説明の man ページです。
- pkla-admin-identities(8)および pkla-check-authorization(8)-
.conf
および.pkla
ファイル形式のドキュメントの man ページです。
4.2. デフォルトポリシー
/etc/polkit-1/rules.d/50-default.rules
で定義されます。
sudo
ユーザーは別のユーザーのセキュリティー権限でプログラムを実行できますが、Administrator は wheel グループのメンバーであり、ユーザーが制限されたコマンドを実行するようにユーザーに特別なシステム特権を提供します。
4.3. スクリプトでの権限の検査
pkcheck
ユーティリティーは、プロセスがアクションに対して承認されているかどうかを確認する pkcheck ユーティリティーが、--process
オプションで指定したパラメーターの新しい形式をサポートするようになりました。これにより、競合状態を回避することで、pkcheck
をより安全に実行できるようになります。新しい形式は以下のようになります。 $
pkcheck --process pid,start-time,uid
--process
オプションには、pid
または pid,start-time
形式は使用しないでください。pkcheck
を呼び出すすべてのスクリプトは、競合状態を回避するために、新しい形式 pid
、start-time
、uid
を使用する必要があります。
4.4. polkit 設定の拡張
.rules
ファイルを作成して、同様のレベルの柔軟性を実現できます。
PolkitBackendActionLookup
実装(認証にデータを提供するために使用されるインターフェイス)を置き換えるためのサポートも、Red Hat Enterprise Linux 7 の polkit
から削除されました。
polkit
(8) man ページを参照してください。
第5章 GDM
GDM
は GNOME Display Manager
で、グラフィカルログイン環境を提供します。GNOME 2 から GNOME 3 への移行後には、他の init システムがサポートされなくなったため、GDM
の設定は systemd
からしかできません。
- gdm パッケージ
- gdm パッケージが、X Window System の従来の表示ログインマネージャーを提供していた xorg-x11-xdm に置き換わりました。前述のように、gdm パッケージは、起動、ログアウトのすぐ後やユーザーの切り替え時に表示されるグラフィカルログイン画面を提供します。
- GDM および logind
GDM
は、ユーザーの定義および追跡にlogind
を使用するようになりました。詳細は、2章logind を参照してください。システム管理者は、GDM カスタム設定ファイル/etc/gdm/custom.conf
で自動ログインを手動で設定することもできます。- custom.conf
- GDM 設定は
/etc/gdm/custom.conf
に表示されます。ただし、後方互換性のために、/etc/gdm/gdm.conf
が見つかると、custom.conf
の代わりに使用されます。アップグレード時に、Red Hat は、古いgdm.conf
ファイルを削除し、カスタム設定をcustom.conf
に移行することを推奨します。
詳細情報の入手
GDM
の詳細は、「GDM とは」 を参照してください。
第6章 GNOME Shell 拡張機能
6.1. 時計アプレットの置き換え
図6.1 時計を開く

詳細情報の入手
第7章 gnome-session
gnome-session
プログラムも Red Hat Enterprise Linux 7 で更新されました。このプログラムはこれまでと同じ方法で GNOME デスクトップを起動しますが、そのコンポーネントの一部は変更されました。
- gnome-session-properties
- gnome-session-properties アプリケーションは、引き続き gnome-session パッケージに含まれます。ただし、その機能は個々のユーザーの起動プログラムを管理したり、ログアウト時に現在実行中のアプリケーションを保存することに制限されています。後者の機能については Red Hat Enterprise Linux 6 の機能が保持されています。
- 名前付きセッション
- Save now ボタンは、特定の時間内にセッションを保存し、それに名前を付けることができます。保存されたセッションはログイン時に復元されます。gnome-session-properties で ログアウトする際に実行中のアプリケーションを自動的に記憶 する をクリックすると、保存されたアプリケーションの一覧もログイン時に表示されます。この更新により、複数のレイアウトを作成したり、それらの名前を変更したり、1 つのユーザーアカウントに対して複数のユーザーセッションを選択することも可能になりました。
詳細情報の入手
第8章 国際化
8.1. 入力メソッド
8.1.1. 入力メソッドの設定および切り替え
概要に入り
、help
と 入力 して Enter キーを押します。
8.1.2. IBus の予測的入力メソッド
ibus-typing-booster
は、IBus プラットフォームの予測的入力メソッドです。これは部分的な入力に基づいて完全な単語を予測し、より迅速で正確なテキスト入力を可能にします。ユーザーは、提案の一覧から必要な単語を選択できます。ibus-typing-booster
は、言語の提案を作成するために Hunspell ディクショナリーを使用することもできます。
8.1.3. im-chooser に置き換わる GNOME デスクトップの IBus
im-chooser
は非推奨になりました。
8.2. ファイルの場所の変更
.xinputrc
ファイルはユーザーのホームディレクトリーから~/.config/imsettings/
ディレクトリーに移動しました。.imsettings.log
ファイルはユーザーのホームディレクトリーから移動し、~/.cache/imsettings/log
にあります。~/.fonts.conf
ファイルが非推奨になりました。ユーザーには、ファイルを~/.config/fontconfig/
ディレクトリーに移動することが推奨されます。~/.fonts.conf.d
ディレクトリーが非推奨になりました。ユーザーには、ディレクトリーを~/.config/fontconfig/
ディレクトリーに移動します。/etc/fonts/conf.avail/
ディレクトリーのすべての無効にされたfontconfig
設定ファイルは、/usr/share/fontconfig/conf.avail/
ディレクトリーに移動しています。古い場所を参照するローカルのシンボリックリンクがある場合は、それらを必ず更新するようにしてください。
パート II. 設定および管理
第9章 GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定
9.1. 用語の説明: GSettings、gsettings、および dconf
- dconf
dconf
は、ユーザー設定を管理するキーベースの設定システムです。これは、Red Hat Enterprise Linux 7 で使用されるGSettings
のバックエンドです。dconf
は、GDM
、アプリケーション、プロキシー設定など、さまざまな設定を管理します。- dconf
dconf
コマンドラインユーティリティーは、dconf
データベースから個別の値またはディレクトリー全体を読み書きするために使用されます。- GSettings
- GSettings は、アプリケーション設定用の高レベルの API、
dconf
のフロントエンドです。 - gsettings
gsettings
コマンドラインツールは、ユーザー設定を表示および変更するために使用されます。
9.2. ユーザーおよびシステム設定
dconf
を使用すると、システム管理者およびユーザーは、設定に対するいくつかのレベルの制御が可能になります。
- 管理者は、すべてのユーザーに適用されるデフォルト設定を定義できます。
- ユーザーは、各自の設定でデフォルトを上書きできます。
- オプションで、管理者はユーザーが上書きできないように設定をロックすることもできます。詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。
9.3. デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照
GSettings
値の表示および編集に使用できるツールは 2 つあります。
- dconf-editor GUI ツール。
- gsettings コマンドラインユーティリティー。
#
yum install dconf-editor
dconf
の値を表示および設定できます。また、コマンドおよび設定に対する Bash 補完も含まれます。GSettings を使用すると、シェルスクリプトで設定を自動化できます。
図9.1 org.gnome.destop.background GSettings キーを表示する dconf-editor

詳細情報の入手
9.4. dconf プロファイルとは
dconf
システムが収集するシステムのハードウェアおよびソフトウェア設定データベースの一覧です。dconf
プロファイルを使用すると、同一のシステムを比較して、ハードウェアまたはソフトウェアの問題をトラブルシューティングできます。
dconf
システムは、そのプロファイルをテキストファイルに保存します。$DCONF_PROFILE
環境変数は、/etc/dconf/profile/
ディレクトリーからファイルへの相対パス、またはユーザーのホームディレクトリーにある などの絶対パスを指定できます。
dconf
プロファイル で設定されるキーのペアは、設定した値に問題がある場合を除き、デフォルト設定を上書きします。
9.4.1. dconf プロファイルの選択
dconf
は、変数が設定されているかどうかを $DCONF_PROFILE
環境変数に確認します。設定されている場合、dconf
は名前付きプロファイルを開こうとし、失敗した場合は中断します。
dconf
は user という名前のプロファイルを開こうとします。このステップがまだ失敗すると、dconf
は内部のハード有線設定にフォールバックします。
dconf
データベースを指定します。最初の行は変更を書き込むために使用されるデータベースを示し、残りの行は読み取り専用データベースを表示しています。以下は、/etc/dconf/profile/user
に保存されているプロファイルの例です。
user-db:user system-db:local system-db:site
~/.config/dconf
にあるユーザーデータベースの名前です。local および site は、/etc/dconf/db/
にあるシステムデータベースです。
dconf
プロファイルはログイン時に決定されるため、ユーザーはログアウトし、新しい dconf
ユーザープロファイルをセッションに適用する必要があります。
9.5. カスタムデフォルト値の設定
dconf
プロファイルにキーのデフォルトを指定して設定できます。これらのデフォルトはユーザーが上書きできます。
ユーザー
プロファイルが存在し、キーの値を dconf
データベースに追加する必要があります。
例9.1 デフォルト背景の設定
- まだ存在しない場合は、
/etc/dconf/profile/
にユーザープロファイルを作成します。user
user-db:user system-db:local
local はdconf
データベースの名前です。 - ローカルデータベースの キーファイル を
/etc/dconf/db/local.d/01-backgroundに作成します。
これには、以下のデフォルト設定が含まれます。# dconf path [org/gnome/desktop/background] # GSettings key names and their corresponding values picture-uri='file:///usr/local/share/backgrounds/wallpaper.jpg' picture-options='scaled' primary-color='000000' secondary-color='FFFFFF'
キーファイル のデフォルト設定では、以下の GSettings キーが使用されます。表9.1 org.gnome.desktop.background スキーマの GSettings キー
キー名 設定可能な値 説明 picture-options "none"、"wallpaper"、"centered"、"scaled"、"stretched"、"zoom"、"spanned" wallpaper_filename で指定したイメージをどのように描画するか設定します。 picture-uri ファイル名とパス 背景のイメージに使用する URI。背景はローカル (file://) URI のみをサポートすることに注意してください。 primary-color デフォルト: 000000 グラデーション時の左側または上側の色、あるいは単色時の色です。 secondary-color デフォルト: FFFFFF グラデーション時の右側または下側の色です。単色時には使用されません。 - 設定に応じて キーファイル を編集します。詳細は、「デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照」 を参照してください。
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
ユーザー
プロファイルを作成または変更したら、変更が適用される前に、ユーザーはログアウトして再度ログインする必要があります。
ユーザー
プロファイルを作成しないようにするには、dconf コマンドラインユーティリティーを使用して、dconf
データベースとの間で個別の値またはディレクトリー全体を読み書きできます。詳細は、dconf(1)の man ページを参照してください。
9.5.1. 特定の設定のロックダウン
dconf
のロックダウンモードは、ユーザーが特定の設定を変更できないようにするのに役立つツールです。
GSettings
キーをロックダウンするには、キーファイルディレクトリーに locks
サブディレクトリーを作成する必要があります(例: /etc/dconf/db/local.d/locks/
)。このディレクトリー内のファイルには、ロックするキーの一覧が含まれ、このディレクトリーには任意の数のファイルを追加することができます。
例9.2 デフォルトの壁紙のロックダウン
- 「デフォルトデスクトップ背景のカスタマイズ」 の手順に従って、デフォルトの壁紙を設定します。
/etc/dconf/db/local.d/locks/
という名前の新しいディレクトリーを作成します。/etc/dconf/db/local.d/locks/00-default-wallpaper に新しいファイルを作成します。
次の内容で、1 行に 1 つのキーを一覧表示します。# Prevent users from changing values for the following keys: /org/gnome/desktop/background/picture-uri /org/gnome/desktop/background/picture-options /org/gnome/desktop/background/primary-color /org/gnome/desktop/background/secondary-color
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
9.6. GSettings キーのプロパティー
dconf
データベースに 1 回のみ設定できます。同じキーを dconf
データベースの異なる場所の異なる値に設定すると、それらのいずれか 1 つのみが有効になります。つまり、1 つのキー設定が別の設定で上書きされます。
dconf
システムデータベースでは、各キーに 1 つの値のみを指定できます。一部のキーに複数の値がある場合、配列タイプという値のタイプが使用されています。この値タイプでは、値を複数要素のコンマ区切りの一覧として指定できます。以下は、配列値の例になります。
key=['option1', 'option2']
例9.3 org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options
GSettings キー
org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options
GSettings キーを設定すると、以下のようになります。これは 1 回のみ設定できるため、値に 2 つの要素が必要な場合、それらを同じ設定ファイルに指定する必要があります。この値は配列タイプであるため、これには複数の要素を持たせることができます。
[org/gnome/desktop/input-sources] # Enable Ctrl-Alt-Backspace for all users # Set the Right Alt key as the Compose key and enable it xkb-options=['terminate:ctrl_alt_bksp', 'compose:ralt']
9.7. NFS でのユーザー設定の保存
Network File System
(NFS
)のホームディレクトリーの使用時に dconf
が正常に機能するには、dconf
キーファイルバックエンド を使用する必要があります。
dconf
キーファイルバックエンド を使用する場合は、glib2-fam パッケージをシステムにインストールする必要があります。そうでない場合は、リモートマシンに対する設定変更についての通知は適切に機能しません。
手順9.1 dconf キーファイルバックエンドの設定
- システムに glib2-fam パッケージがインストールされていることを確認します。
- システムが
Optional
チャンネルにサブスクライブされている必要があります。システムをOptional
チャンネルにサブスクライブするには、次のリソースを参照してください。How to access Optional and Supplementary channels, and -devel packages using Red Hat Subscription Management (RHSM)? - 以下のコマンドを実行して glib2-fam パッケージをインストールします。
#
yum install glib2-fam
- すべてのクライアントで
/etc/dconf/profile/user
ファイルを作成または編集します。 - このファイルの先頭に、以下の行を追加します。
service-db:keyfile/user
dconf
キーファイルバックエンド は、ユーザーが次回ログインしたときにのみ有効になります。キーファイルをポーリングして更新が行われたかどうかを判断するため、設定が即座に更新されないことがあります。
第10章 デフォルトの外観
GRUB
、Plymouth
)、ログイン画面、フォント、キーボードレイアウト、スクリーンシールド、デスクトップの背景をカスタマイズする方法を説明します。
10.1. Anaconda のブランド化
10.2. ブートローダー画面
GRUB 2
です。GRUB 2
の外観の複数の部分を変更できます。以下のセクションでは、ディストリビューション名、メニューの色、および背景のイメージを変更する方法を示します。
10.2.1. ディストリビューション名
GRUB 2
はディストリビューション名を含むタイトルを表示します。/etc/default/grub
ファイルの GRUB_DISTRIBUTOR
変数をカスタマイズして、タイトルを変更できます。
手順10.1 ディストリビューション名の設定
- root で
/etc/default/grub
ファイルを開きます。 GRUB_DISTRIBUTOR
変数を使用して独自のディストリビューション名を指定します。以下は、/etc/default/grub
ファイルの抜粋です。GRUB_DISTRIBUTOR
変数で 2 番目の行を更新します。GRUB_TIMEOUT=5 GRUB_DISTRIBUTOR=Our Corporate Distro V1.2 GRUB_DEFAULT=saved GRUB_DISABLE_SUBMENU=true ...
- root として以下のコマンドを実行して、変更が有効になるようにします。
grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
注記移動するたびに/etc/default/grub
ディレクトリーを更新する必要があります。
GRUB 2
画面に表示されるテキストの色またはフォントを変更するには、プレーンテキストファイル /etc/grub.d/40_custom
を変更するか、別のファイルを /etc/grub.d/
ディレクトリーに追加します。以下のディレクティブから選択します。
- set color_normal=foreground/background
- set color_highlight=foreground/background
- set menu_color_normal=foreground/background
- set menu_color_highlight=foreground/background
10.2.2. GRUB 2 の背景
GRUB
の背景は設定されません。しかし、イメージをブートローダー画面に追加することはできます。
GRUB 2
Unicode フォントを gfxterm
グラフィカル端末用にインストールしておく必要があります。デフォルトではフォントが提供されないため、既存の TTF ファイルまたは OTF ファイルを GRUB 2
が使用する PF2 形式に変換することが前提条件となります。
unicode.pf2
に名前を付けます。
例10.1 TTF ファイルの PF2 形式への変換
LiberationSerif-Bold.ttf
から .pf2 形式への変換を示しています。新しい .pf2 形式のファイルは、/grub2/fonts/ ディレクトリー内の既存の unicode.pf2
と混同しないように unicode2
と
呼ばれます。
grub2-mkfont --output=/boot/grub2/fonts/unicode2.pf2 --size=24 /usr/share/fonts/liberation/LiberationSerif-Bold.ttf
GRUB 2
のバックグラウンドイメージを設定できるようになりました。イメージファイルは、boot/
ディレクトリーの外に置くことができます。
手順10.2 イメージのブートローダー画面への追加
- root で
/etc/default/grub
ファイルを開きます。 - ファイル内の以下の設定変数を編集します。
GRUB_TERMINAL=gfxterm GRUB_BACKGROUND=path_to_the_image.png
サポートされる形式は PNG、JPG、JPEG、および TGA です。 - 背景イメージを使用して新しい設定ファイルを作成します。
grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
- システムを再起動します。
10.3. Plymouth
Plymouth
は、Red Hat Enterprise Linux 7 のグラフィカルブートシステムおよびロガーで、カーネルベースモード設定(KMS)およびダイレクトレンダリングマネージャー(DRM)を使用します。また、Plymouth
は、システムの起動時にユーザーの対話を処理します。
10.3.1. テーマのブランド化
Plymouth
の各テーマは、テーマデータファイルとコンパイルされた スプラッシュプラグインモジュール で設定されています。データファイルには .plymouth
拡張子があり、/usr/share/plymouth/themes/
ディレクトリーにインストールされます。
[Plymouth Theme]
セクションに指定されます。グループの有効なキーは、Name、Description、および ModuleName です。最初の 2 つのキーは簡単に説明できますが、3 つ目は Plymouth
スプラッシュプラグインモジュールの名前を指定します。複数の異なるプラグインが起動時に異なるアニメーションと各種テーマの基礎となる実装を提供します。
例10.2 サンプル .plymouth ファイル
[Plymouth Theme] Name=Charge Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form. ModuleName=two-step
手順10.3 Plymouth テーマの変更
- 既存の
Plymouth
テーマを検索し、最も適したテーマを選択します。次のコマンドを実行します。#
yum search plymouth-theme
または、plymouth-set-default-theme --list コマンドを実行してインストールされたテーマを表示します。plymouth パッケージのインストール時にすべてのテーマをインストールすることもできます。ただし、これは不必要なパッケージを数多くインストールすることにもなります。#
yum install plymouth\*
- plymouth-set-default-theme theme_nameコマンドを使用して、新しいテーマをデフォルト として設定します。
例10.3 デフォルトテーマとしての spinfinity の設定
spinfinity テーマを選択してから、以下を実行します。#
plymouth-set-default-theme spinfinity - 編集後に
initrd
デーモンを再構築します。そうしないと、テーマがブート画面に表示されません。以下を実行してこれを実行します。#
dracut -f
10.3.2. 新規 Plymouth テーマの作成
手順10.4 既存テーマから独自テーマを作成
plymouth/
ディレクトリーのコンテンツ全体をコピーします。テンプレートディレクトリーとして、たとえば、Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのテーマである/usr/share/plymouth/themes/charge/charge.plymouth
を使用します。このテーマは、2 段階のスプラッシュプラグインを使用します(2ステップ で、起動時間と同期し、短い 1 回限りのアニメーションで終了する 2 フェーズ起動プロセスの一般的なブートロード機能です)。[Plymouth Theme] Name=Charge Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form. ModuleName=two-step [two-step] ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/charge HorizontalAlignment=.5 VerticalAlignment=.5 Transition=none TransitionDuration=0.0 BackgroundStartColor=0x202020 BackgroundEndColor=0x202020
/usr/share/plymouth/themes/newtheme/ ディレクトリーに新しい名前で
ファイルを保存します。charge.plymouth
newtheme.plymouth
/usr/share/plymouth/themes/newtheme /newtheme.plymouth
ファイルの設定を、設定に応じて更新し、色、調整、または遷移を変更します。- 以下のコマンドを実行して newtheme をデフォルトとして設定します。
#
plymouth-set-default-theme newtheme - 以下のコマンドを実行して、テーマを変更した後に
initrd
デーモンを再構築します。#
dracut -f
10.3.2.1. ブランド化されたロゴの使用
手順10.5 ログのテーマへの追加
- ロゴと共に
logo.png
という名前のイメージファイルを作成します。 - ステップ 1 で作成した
logo.png
イメージファイルを持つディレクトリーを参照するように ImageDir キーを更新して、/usr/share/plymouth/themes/newtheme.plymouth
ファイルを編集します。ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/newtheme
Plymouth
の詳細は、plymouth(8)の man ページを参照してください。
10.4. ログイン画面のカスタマイズ
10.4.1. Greeter ロゴの追加
org.gnome.login-screen.logo
GSettings キーによって制御されます。GDM
は独自の dconf
プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することにより greeter ロゴを追加できます。
dconf
の詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。
- サポートされているすべての主な形式: ANI、BPM、GIF、ICNS、ICO、JPEG、JPEG 2000、PCX、PNM、PBM、PGM、PPM、GTIFF、RAS、TGA、TIFF、XBM、WBMP、XPM および SVG。
- イメージのサイズは 48 ピクセルの高さに比例して調整されます。そのため、たとえばロゴを 1920x1080 に設定すると、元のイメージの 85x48 サムネイルに変更されます。
手順10.6 ログイン画面へのログの追加
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/01-logo
に作成します。[org/gnome/login-screen] logo='/usr/share/pixmaps/logo/greeter-logo.png'
/usr/share/pixmaps/logo/greeter-logo.png を、Greeter ロゴに使用するイメージファイルへのパスに置き換えます。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
GDM
の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。
10.4.2. テキストバナーの表示
org.gnome.login-screen.banner-message-enable
- バナーメッセージの表示を有効にします。
org.gnome.login-screen.banner-message-text
- ログイン画面にテキストバナーのメッセージを表示します。
GDM
は独自の dconf
プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することにより、テキストバナーを設定できます。
手順10.7 ログイン画面上のテキストバナーの表示
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/01-banner-message
に作成します。[org/gnome/login-screen] banner-message-enable=true banner-message-text='Type the banner message here'
注記バナーメッセージには文字数の制限はありません。GNOME Shell は長いテキストを自動検出して、2 行にします。ただし、バナーメッセージのテキストを外部ファイルから読み取ることはできません。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
10.4.2.1. バナーメッセージが更新されなかったら ?
GDM
の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。
10.4.3. 複数のキーボードレイアウトの表示
手順10.8 システムのキーボードレイアウト設定の変更
! layout
という名前のセクションの下にある/usr/share/X11/xkb/rules/base.lst
ファイルで、必要な言語レイアウトのコードを見つけます。- 以下のように localectl ツールを使用して、システムのキーボードレイアウト設定を変更します。
$
localectl set-x11-keymap layoutコンマ区切りの一覧で複数のレイアウトを指定することができます。たとえば、es
をデフォルトのレイアウトに、us
をセカンダリーレイアウトとして設定するには、以下のコマンドを実行します。$
localectl set-x11-keymap es,us
- ログアウトし、定義されたレイアウトがログイン画面のトップバーで利用可能な状態にあることを確認します。
10.4.4. ログイン画面ユーザー一覧の無効化
org.gnome.login-screen.disable-user-list
を設定すると、ログイン画面に表示されるユーザー一覧を無効にできます。
手順10.9 org.gnome.login-screen.disable-user-list キーの設定
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/00-login-screen
に作成します。[org/gnome/login-screen] # Do not show the user list disable-user-list=true
dconf
ユーティリティーを更新してシステムデータベースを更新します。#
dconf update
10.5. デスクトップ背景のカスタマイズ
dconf
ユーティリティーを使用して、デフォルトの背景を設定したり、背景を追加したり、複数の背景を追加したりできます。
10.5.1. デフォルトデスクトップ背景のカスタマイズ
org.gnome.desktop.background
スキーマに設定して、デフォルトのデスクトップ背景とその外観を設定できます。
手順10.10 デフォルト背景の設定
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-background
に作成します。# Specify the dconf path [org/gnome/desktop/background] # Specify the path to the desktop background image file picture-uri='file:///usr/local/share/backgrounds/wallpaper.jpg' # Specify one of the rendering options for the background image: # 'none', 'wallpaper', 'centered', 'scaled', 'stretched', 'zoom', 'spanned' picture-options='scaled' # Specify the left or top color when drawing gradients or the solid color primary-color='000000' # Specify the right or bottom color when drawing gradients secondary-color='FFFFFF'
- ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/background
で設定を変更できないように、ユーザーの設定を上書きします。# List the keys used to configure the desktop background /org/gnome/desktop/background/picture-uri /org/gnome/desktop/background/picture-options /org/gnome/desktop/background/primary-color /org/gnome/desktop/background/secondary-color
詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
10.5.2. 背景の追加
- org.gnome.desktop.background スキーマ で追加の背景の外観を指定する filename.xml ファイルを作成します (ファイル名に関する要件はありません)。以下は最も頻繁に使用されるスキーマの一覧です。
表10.1 org.gnome.desktop.background スキーマの GSettings キー
キー名 設定可能な値 説明 picture-options "none"、"wallpaper"、"centered"、"scaled"、"stretched"、"zoom"、"spanned" wallpaper_filename で指定したイメージをどのように描画するか設定します。 color-shading-type "horizontal"、"vertical"、および "solid" 背景の色調をどのように変化させるか設定します。 primary-color default: #023c88 グラデーション時の左側または上側の色、あるいは単色時の色です。 secondary-color default: #5789ca グラデーション時の右側または下側の色です。単色時には使用されません。 オプションの完全な範囲は、dconf-editor
GUI またはgsettings
コマンドラインユーティリティーにあります。詳細は、「デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照」 を参照してください。 - ファイル 名.xml ファイルを
/usr/share/gnome-background-properties/
ディレクトリーに保存します。
例10.4 追加の背景ファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE wallpapers SYSTEM "gnome-wp-list.dtd"> <wallpapers> <wallpaper deleted="false"> <name>Company Background</name> <name xml:lang="de">Firmenhintergrund</name> <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper.jpg</filename> <options>zoom</options> <shade_type>solid</shade_type> <pcolor>#ffffff</pcolor> <scolor>#000000</scolor> </wallpaper> </wallpapers>
<wallpaper>
要素を指定して複数の背景を追加することができます。
<wallpaper>
要素を含み、2 つの異なる背景を追加する .xml ファイルの例については以下を参照してください。
例10.5 2 つの壁紙要素を含む追加の背景ファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE wallpapers SYSTEM "gnome-wp-list.dtd"> <wallpapers> <wallpaper deleted="false"> <name>Company Background</name> <name xml:lang="de">Firmenhintergrund</name> <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper.jpg</filename> <options>zoom</options> <shade_type>solid</shade_type> <pcolor>#ffffff</pcolor> <scolor>#000000</scolor> </wallpaper> <wallpaper deleted="false"> <name>Company Background 2</name> <name xml:lang="de">Firmenhintergrund 2</name> <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper-2.jpg</filename> <options>zoom</options> <shade_type>solid</shade_type> <pcolor>#ff0000</pcolor> <scolor>#00ffff</scolor> </wallpaper> </wallpapers>
10.5.3. スクリーンシールドの設定
org.gnome.desktop.screensaver.picture-uri
GSettings キーによって制御されます。GDM
は独自の dconf
プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することによりデフォルトの背景を設定できます。
dconf
の詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。
手順10.11 スクリーンシールドへのロゴの追加
- マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/01-screensaver
に作成します。[org/gnome/desktop/screensaver] picture-uri='file:///opt/corp/background.jpg'
/opt/corp/background.jpg を、スクリーンシールドとして使用するイメージファイルへのパスに置き換えます。サポートされる形式は PNG、JPG、JPEG、および TGA です。イメージのサイズは、画面のサイズに合わせる必要がある場合に調整されます。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システムワイドの設定を有効にするには、ログアウトする必要があります。
10.5.3.1. スクリーンシールドが更新されなかったら ?
GDM
の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。
10.6. フォントの設定
fontconfig
ユーティリティーを使用します。fontconfig
はフォント管理を単純化し、アンチエイリアスなどの表示機能を提供します。本セクションでは、以下のフォント管理タスクについて説明します。
- 新規フォントの追加 (特定ユーザー向けおよび全ユーザー向けの両方)
- 見つからないフォントの代わりに使用するフォントの指定
- フォントエイリアスの設定
- 言語ごとのフォント設定の定義
- フォントのプロパティーのカスタマイズ
fontconfig
は /etc/fonts/fonts.conf
設定ファイルにデフォルトでリストされているディレクトリーを検索します。
fontconfig
が認識しているシステムにインストールされているすべてのフォントを一覧表示するには、fc-list コマンドを使用できます。
$
fc-list : file
fontconfig
およびその設定の詳細は、fonts-conf(5)の man ページを参照してください。
10.6.1. すべてのユーザー用のフォントの追加
fontconfig
を使用するアプリケーションのユーザーが利用できる追加のフォントをインストールできます。
手順10.12 追加フォントのインストール
root
ユーザーとして、/usr/local/share/fonts/
ディレクトリーを作成し、フォントをコピーします。一部のフォントには、太字、イタリックなどの複数のファイルがあるため、インストールしている各フォントファミリーのサブディレクトリーを作成します。- 以下のコマンドを実行してフォントキャッシュが更新されていることを確認します。
#
fc-cache /usr/local/share/fonts/
fontconfig
は新しいフォントを検出し、それらを利用可能にします。一部のアプリケーションは、ユーザーセッションとは異なり、新規フォントの使用を可能にするために再起動する必要があることがあります。
10.6.2. 代替ディレクトリーを使用したすべてのユーザー用のフォントの追加
/etc/fonts/fonts.conf
ファイルに一覧表示されている場合は、/usr/local/share/fonts/
以外のシステムディレクトリーにフォントをインストールすることもできます。
/etc/fonts/fonts.conf
ファイルに ない 場合は、/etc/fonts/local.conf
にマシン全体の独自の設定ファイルを作成する必要があります。
/etc/fonts/fonts.conf
ファイルは、fontconfig
ライブラリーの更新時に置き換えられるため、編集しないでください。
手順10.13 追加フォントのインストール
root
ユーザーとして、フォントのあるディレクトリーを含む独自のマシン全体の/etc/fonts/local.conf
設定ファイルを作成します。<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <dir>/PATH/TO/YOUR/DIRECTORY_NAME</dir> </fontconfig>
- ディレクトリーのパーミッションが
755
に設定されていることを確認します。# chmod -R 755 /PATH/TO/YOUR/DIRECTORY_NAME
- fc-cache コマンドでフォントキャッシュを更新する際にディレクトリー名を指定します。
# fc-cache DIRECTORY_NAME
10.6.3. 個別ユーザー用のフォントの追加
fontconfig
を使用するアプリケーションで、特定のユーザーが利用できる追加のフォントをシステムにインストールできます。
手順10.14 追加フォントのインストール
- フォントを
~/.local/share/fonts/
ディレクトリーにコピーしてインストールします。 - 以下のコマンドを実行してフォントキャッシュが更新されていることを確認します。
$
fc-cache ~/.local/share/fonts
fontconfig
は新しいフォントを検出し、それらを利用可能にします。変更を確認するには、実行中のアプリケーションの再起動が必要になることがあります。ユーザーセッションを再起動する必要はありません。
10.6.4. フォントの置き換え
fontconfig
は /etc/fonts/fonts.conf
設定ファイルを読み取り、要求されたフォントの代わりとなる最も同様の利用可能なフォントを判別します。個別の文字も、要求されるフォントにない場合は置き換えが可能です。
図10.1 Fonts Tweak Tool を使用したフォントの置き換え

#
yum install fonts-tweak-tool
手順10.15 フォントの置き換え
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Fonts Tweak Tool
と入力して Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。 - Font Substitutions タブをクリックします。
- 左側のペインの左下にある + ボタンをクリックし、置き換えるフォントの名前を選択または入力してから、Add をクリックします。
- 右側のペインの左下にある + ボタンをクリックし、最初のフォントの置き換えに使用するフォントの名前を選択してから 追加 をクリックします。
- Close をクリックします。
10.6.5. フォントエイリアスの設定
- Sans Serif
- Serif
- Monospace
- Cursive
- Fantasy
#
yum install fonts-tweak-tool
図10.2 Fonts Tweak Tool を使用したフォントエイリアスの設定

手順10.16 フォントエイリアスの設定
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Fonts Tweak Tool
と入力して Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。 - Font Aliases タブをクリックします。
- 左側のペインの左下にある + ボタンをクリックし、フォントエイリアスを設定するロケールの名前を選択または入力してから、Add をクリックします。使用されているロケールかどうかにかかわらず、デフォルトのフォントエイリアスを設定するには、ロケールの一覧からデフォルトを選択します。
- 右側のペインで、システムのデフォルトの上書きに必要なフォントエイリアスを見つけ、ドロップダウンリストからカスタムフォントを選択します。
- Close をクリックします。
10.6.6. 複数言語の順序
#
yum install fonts-tweak-tool
手順10.17 複数言語の設定
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Fonts Tweak Tool
と入力して Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。 - Language Ordering タブをクリックします。
- ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、プライマリーとして設定する言語の名前を選択または入力してから、Add をクリックします。
- 別の言語を追加するには、ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、セカンダリーとして設定する言語の名前を選択してから 追加 をクリックします。このステップを繰り返して言語を追加します。
- Close をクリックします。
Xft
アプリケーションなど)は、ユーザーの言語のすべての文字を適切に表示しない場合があります。これは、それらのアプリケーションまたはアプリケーションが使用しているレンダリングライブラリーにフォールバックフォントのサポートがないためです。
10.6.7. フォントプロパティーの設定
#
yum install fonts-tweak-tool
手順10.18 フォントプロパティーの変更
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Fonts Tweak Tool
と入力して Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。 - Fonts Properties タブをクリックします。
- ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、プロパティーを変更するフォントの名前を選択または入力してから、Add をクリックします。このステップを繰り返してフォントを追加します。
- 必要に応じてフォントのプロパティーを変更します。
- Close をクリックします。
- Use the embedded bitmap font if available (組み込みビットマップフォントの使用 (ある場合))。
- これは、アウトラインフォントよりもビットマップフォントを好むユーザーにとって便利です。埋め込みビットマップフォントを使用するには、適切なフォントを追加し、場合は Use embedded bitmap font をクリックします。
- Use the JIS X 2013:2004 glyphs (JIS X 2013:2004 グリフの使用)。
- JIS X 2013:2000 以前からではなく、JIS X 2013:2004 規格からの日本語グリフを使用するには、JIS X 2013:2004 をサポートするフォントを追加し、Features 一覧で jp04 をクリックします。
第11章 GNOME Shell 拡張機能
dconf
を使用します。
org.gnome.shell.enabled-extensions
org.gnome.shell.development-tools
11.1. GNOME Shell 拡張機能とは
~/.local/share/gnome-shell/extensions/uuid
にインストールすることも、マシン全体で /usr/share/gnome-shell/extensions/uuid
でインストールすることもできます。
- UUID にはユニコード文字を含めることはできません。
- GNOME プロジェクトと関連付けられているものとして表示することができないため、UUID には gnome.org の末尾を含めることはできません。
- UUID には英数字文字、ピリオド (.)、at (@) の記号、および下線 (_) のみを含める必要があります。
手順11.1 インストールされた拡張機能の表示
- Alt+F2 を押します。
lg
を入力し、Enter を押して Looking Glass を開きます。- Looking Glass のトップバーで Extensions をクリックし、インストールされた拡張機能のリストを開きます。
図11.1 Looking Glass でインストールされている拡張機能を表示

11.2. マシン全体の拡張機能の有効化
/usr/share/gnome-shell/extensions
ディレクトリーにインストールします。
org.gnome.shell.enabled-extensions
キーを設定する必要があります。ただし、現在すでにログインしているユーザーに対して追加の拡張機能を有効にする方法はありません。また、独自の GNOME 拡張機能をインストールして有効にした既存のユーザーには適用されません。
手順11.2 マシン全体の拡張機能の有効化
- マシン全体の設定用に
local
データベースファイルを/etc/dconf/db/local.d/00-extensions に作成します。
[org/gnome/shell] # List all extensions that you want to have enabled for all users enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com']
enabled-extensions
キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にした拡張機能を指定します。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
11.3. 有効にされた拡張機能のロックダウン
org.gnome.shell.enabled-extensions
および org.gnome.shell.development-tools
キーをロックすることにより、ユーザーが拡張機能を有効または無効にすることができます。
org.gnome.shell.development-tools
キーをロックダウンすると、ユーザーは GNOME Shell の統合デバッガーおよびインスペクターツール(Looking Glass)を使用して必須の拡張機能を無効にできなくなります。
手順11.3 有効にした拡張機能のロックダウン
- マシン全体の設定用に
local
データベースファイルを/etc/dconf/db/local.d/00-extensions に作成します。
[org/gnome/shell] # List all extensions that you want to have enabled for all users enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com'] # Disable access to Looking Glass development-tools=false
enabled-extensions
キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にした拡張機能を指定します。development-tools
キーは、Looking Glass へのアクセスを無効にするために false に設定されます。 - ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/extensions
で設定を変更できないようにします。# Lock the list of mandatory extensions and access to Looking Glass /org/gnome/shell/enabled-extensions /org/gnome/shell/development-tools
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
org.gnome.shell.enabled-extensions
キーおよび org.gnome.shell.development-tools
キーをロックすると、~/.local/share/gnome-shell/extensions
または /usr/share/gnome-shell/extensions
にインストールされる拡張機能は GNOME Shell で読み込まれないため、ユーザーは使用できなくなります。org.gnome.shell.enabled-extensions
11.4. 必須の拡張機能のセットアップ
/usr/share/gnome-shell/extensions
ディレクトリーにインストールしてから、org.gnome.shell.enabled-extensions
キーおよび org.gnome.shell.development-tools
キーをロックします。
org.gnome.shell.development-tools
キーをロックダウンすると、ユーザーは GNOME Shell の統合デバッガーおよびインスペクターツール(Looking Glass)を使用して必須の拡張機能を無効にできなくなります。
手順11.4 必須の拡張機能の設定
- マシン全体の設定用に
local
データベースファイルを/etc/dconf/db/local.d/00-extensions-mandatory
に作成します。[org/gnome/shell] # List all mandatory extensions enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com'] # Disable access to Looking Glass development-tools=false
enabled-extensions
キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にした拡張機能を指定します。development-tools
キーは、Looking Glass へのアクセスを無効にするために false に設定されます。 - ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/extensions-mandatory
で設定を変更できないようにします。# Lock the list of mandatory extensions and access to Looking Glass /org/gnome/shell/enabled-extensions /org/gnome/shell/development-tools
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
第12章 アプリケーションの統合
- サブメニューを作成または変更して、アプリケーションのメニュー項目を追加または変更したり、Applications メニュー構造をカスタマイズします。メニューのカスタマイズについての詳細は、「メニューのカスタマイズ」 を参照してください。
アクティビティー
画面 の GNOME Shell ダッシュボードに表示されるデフォルトのお気に入りのアプリケーションをカスタマイズします。その方法は、「デフォルトのお気に入りアプリケーションのカスタマイズ」 を参照してください。- アプリケーションの MIME タイプを追加または変更し、アプリケーションを特定の MIME タイプに関連付けます。MIME タイプの設定方法の詳細は、「ファイルの関連付けの設定」 を参照してください。
12.1. メニューのカスタマイズ
- デスクトップエントリーファイル(
.desktop
) .desktop
ファイルは、各メニュー項目の名前、実行するコマンド、およびそのアイコンなどの各メニュー項目に関するデータを提供します。.desktop
エントリーファイルは、メニュー階層のメニュー項目の場所と、アクティビティーの概要
でのアプリケーション検索に使用されるキーワードも指定します。システムの.desktop
ファイルは/usr/share/applications/
ディレクトリーにあります。ユーザー固有の.desktop
ファイルは~/.local/share/applications/
ディレクトリーにあります。以下は、~/.local/share/applications/myapplication1
ファイルです。.desktop
という名前のサンプルの .desktop[Desktop Entry] Type=Application Name=My Application 1 Icon=myapplication1 Exec=myapplication1 Categories=Network;WebBrowser; MimeType=application/x-newtype
上記のファイルは、アプリケーションの名前(My Application 1)、アプリケーションのアイコン(myapplication1
)、およびアプリケーションを実行するコマンド(myapplication1)を指定します。また、アプリケーションを指定されたカテゴリー(Network;WebBrowser;
)に配置し、アプリケーションをapplication/x-newtype
MIME タイプに関連付けます。- メニュー定義ファイル(
.menu
) .menu
ファイルは、メニューとメニュー項目の両方の順序、階層、マージを指定する XML 設定ファイルです。マシン全体の.menu
ファイルは/etc/xdg/menus/
ディレクトリーにあります。ユーザー固有の.menu
~/.config/menus/
ディレクトリーにあり、マシン全体の .menu ファイルで指定される値を上書きするために使用できます。特に、/etc/xdg/menus/applications.menu
ファイルには、Applications メニューレイアウトの定義が含まれます。- ディレクトリーエントリーファイル(
.directory
) .directory
ファイルは、名前などの各メニューに関するデータを提供し、/usr/share/desktop-directory/
にあります。
詳細情報の入手
12.1.1. 個別ユーザーのメニュー項目の削除
~/.config/menus/gnome-applications.menu
定義ファイルに保存されます。このファイルの場所は、$XDG_DATA_HOME
環境変数を設定して上書きできます。
gnome-applications.menu
ファイルを作成する必要があります。アプリケーション メニューおよびそのサブメニューから項目を削除すると、アクティビティー
画面 の アプリケーション ビューからアイテムが削除されるため、ユーザーがアクティビティー画面 内からその項目を検索できなく なります
。
手順12.1 例: アクセサリサブメニューから電卓メニュー項目を削除
/usr/share/applications/
ディレクトリーの内容を確認し、削除するメニュー項目に対応する.desktop
ファイルを確認します。$
grep -r "Name=Calculator" /usr/share/applications/
/usr/share/applications/gcalctool.desktop:Name=Calculator上記のように、計算機 メニュー項目は/usr/share/applications/gcalctool.desktop
ファイルに対応しています。~/.config/menus/gnome-applications.menu
ファイルを作成します。<!DOCTYPE Menu PUBLIC "-//freedesktop//DTD Menu 1.0//EN" "http://www.freedesktop.org/standards/menu-spec/1.0/menu.dtd"> <Menu> <Name>Applications</Name> <MergeFile type="parent">/etc/xdg/menus/gnome-applications.menu</MergeFile> <!-- Removes the Calculator from the Accessories submenu --> <Menu> <Name>Accessories</Name> <Exclude> <Filename>gcalctool.desktop</Filename> </Exclude> </Menu> <!-- END of Calculator removal content --> </Menu>
上記のように、ファイルには、サブメニューの名前(アクセサリ)、.desktop ファイルの名前(gcalctool.desktop
)を指定する<Menu>
セクションが含まれており、<Exclude>
要素が含まれます。
12.1.2. すべてのユーザーのメニュー項目の削除
/etc/xdg/menus/applications.menu
定義ファイルに保存されます。このファイルの場所は、$XDG_CONFIG_DIRS
環境変数を設定して上書きできます。
.menu
ファイルを編集する必要があります。アプリケーション メニューおよびそのサブメニューから項目を削除すると、アクティビティー
画面 の アプリケーション ビューからアイテムが削除されるため、ユーザーがアクティビティー画面 内からその項目を検索できなく なります
。
手順12.2 例: アクセサリサブメニューから電卓メニュー項目を削除
/usr/share/applications/
ディレクトリーの内容を確認し、削除するメニュー項目に対応する.desktop
ファイルを確認します。$
grep -r "Name=Calculator" /usr/share/applications/
/usr/share/applications/gcalctool.desktop:Name=Calculator上記のように、計算機 メニュー項目は/usr/share/applications/gcalctool.desktop
ファイルに対応しています。/etc/xdg/menus/applications
ファイルを編集し、以下に示すように.menu
<Exclude>
要素を使用して、その .menu の末尾にある最後の</Menu>
タグの前に新しい<Menu>
セクションを追加します。<!-- Removes the Calculator from the Accessories submenu --> <Menu> <Name>Accessories</Name> <Exclude> <Filename>gcalctool.desktop</Filename> </Exclude> </Menu> <!-- END of Calculator removal content --> </Menu> <!-- End Applications -->
12.1.3. 個別ユーザーのサブメニューの削除
~/.config/menus/gnome-applications.menu
定義ファイルに保存されます。このファイルの場所は、$XDG_DATA_HOME
環境変数を設定して上書きできます。
gnome-applications.menu
ファイルを作成する必要があります。アプリケーション メニューからサブメニューを削除すると、アクティビティー
画面 の アプリケーション ビュー からそのサブメニュー内に含まれるすべてのメニュー項目も削除されるため、ユーザーはアクティビティー画面 内からこれらの項目を検索できなく なります
。
例12.1 アプリケーションメニューからシステムツールサブメニューを削除
~/.config/menus/gnome-applications.menu
ファイルを作成します。
<!DOCTYPE Menu PUBLIC "-//freedesktop//DTD Menu 1.0//EN" "http://www.freedesktop.org/standards/menu-spec/1.0/menu.dtd"> <Menu> <Name>Applications</Name> <MergeFile type="parent">/etc/xdg/menus/gnome-applications.menu</MergeFile> <!-- Removes the System Tools submenu from the Applications menu--> <Menu> <Name>System Tools</Name> <Deleted/> </Menu> <!-- END of System Tools removal content --> </Menu>
<Menu>
) の名前を指定する System Tools セクションが含まれ、<Deleted/>
タグが組み込まれます。
12.1.4. すべてのユーザーのサブメニューの削除
/etc/xdg/menus/applications.menu
定義ファイルに保存されます。このファイルの場所は、$XDG_CONFIG_DIRS
環境変数を設定して上書きできます。
.menu
ファイルを編集する必要があります。アプリケーション メニューからサブメニューを削除すると、アクティビティー
画面 の アプリケーション ビュー からそのサブメニュー内に含まれるすべてのメニュー項目も削除されるため、ユーザーはアクティビティー画面 内からこれらの項目を検索できなく なります
。
例12.2 アプリケーションメニューからシステムツールサブメニューを削除
/etc/xdg/menus/applications .menu
ファイルを編集し、以下に示すように <Deleted/>
要素を使用して、その .menu の末尾にある最後の </Menu>
タグの前に新しい <Menu>
セクションを追加します。
<!-- Removes the System Tools submenu from the Applications menu--> <Menu> <Name>System Tools</Name> <Deleted/> </Menu> <!-- END of System Tools removal content --> </Menu>
12.2. デフォルトのお気に入りアプリケーションのカスタマイズ
アクティビティー
画面 の GNOME Shell ダッシュボード に表示されます。dconf
を使用して個々のユーザーにお気に入りのアプリケーションを設定するか、またはすべてのユーザーに同じお気に入りのアプリケーションを設定できます。
12.2.1. 個別ユーザーの異なるお気に入りアプリケーションを設定
~/.config/dconf/user
にあるユーザーデータベースファイルを変更することで、個々のユーザーにデフォルトのお気に入りのアプリケーションを設定できます。以下の例では、dconf
を使用して、gedit、Terminal、および Nautilus をユーザーのデフォルトお気に入りとして設定します。ユーザーは、このサンプルコードを使用して、一覧を後で変更することもできます。
例12.3 /etc/dconf/profile
の内容:
# This line allows the user to change the default favorites later user-db:user
例12.4 ~/.config/dconf/user
の内容:
# Set gedit, terminal and nautilus as default favorites [org/gnome/shell] favorite-apps = ['gedit.desktop'
,'gnome-terminal.desktop'
,'nautilus.desktop'
]
12.2.2. すべてのユーザーに同じお気に入りアプリケーションを設定
dconf
キーファイルを使用してシステムデータベースファイルを変更する必要があります。以下の例では、dconf
プロファイルを編集してから、キーファイルを作成して、組織の最初のフロア内のすべての従業員にデフォルトのお気に入りのアプリケーションを設定します。
例12.5 /etc/dconf/profile
の内容:
user-db:user # This line defines a system database called first_floor system-db:first_floor
ユーザー
データベースファイルの設定は first_floor
データベースファイルの設定よりも優先されますが、first_floor
データベースファイルに導入されたロックは、ユーザー
にあるものよりも優先されます。ロックについての詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。
例12.6 /etc/dconf/db/first_floor.d/00_floor1_settings
の内容:
# This sample sets gedit, terminal and nautilus as default favorites # for all users in the first floor [org/gnome/shell] favorite-apps = ['gedit.desktop'
,'gnome-terminal.desktop'
,'nautilus.desktop'
]
12.3. ファイルの関連付けの設定
12.3.1. MIME タイプとは
- デフォルトで特定のファイル形式を開くアプリケーションを決定します。
- 特定のファイル形式を開くことができる他のアプリケーションの登録。
- ファイル アプリケーションのファイルプロパティーダイアログなどで、ファイルのタイプを記述する文字列を指定します。
- ファイル アプリケーションのファイルプロパティーダイアログなどで、特定のファイル形式を表すアイコンを指定します。
media-type/subtype-identifier
例12.7 MIME タイプの形式
image/jpeg
は MIME タイプの例です。ここで、image
はメディアタイプで、jpeg
はサブタイプの識別子です。
- すべての MIME タイプ仕様ファイルを保存するためのマシン全体およびユーザー固有の場所。
- 特定のファイル形式を開くために使用できるアプリケーションをデスクトップ環境で認識できるように MIME タイプを登録する方法。
- どのアプリケーションがどのファイル形式を開くかをユーザーが変更する方法。
12.3.1.1. MIME データベースとは
/usr/share/mime/packages/
ディレクトリーです。このディレクトリーは、既知の MIME タイプの情報を指定する MIME タイプ関連のファイルです。このようなファイルの一例として、/usr/share/mime/packages/freedesktop.org.xml
があります。デフォルトでは、システムで利用可能な標準の MIME タイプの情報が指定されます。このファイルは、shared-mime-info パッケージによって提供されます。
詳細情報の入手
12.3.2. 全ユーザー用のカスタム MIME タイプの追加
/usr/share/mime/packages/
ディレクトリーに新規の MIME タイプ仕様ファイルを作成し、/usr/share/applications/
ディレクトリーに .desktop
ファイルを作成する必要があります。
手順12.3 すべてのユーザー用のカスタム application/x-newtype
MIME タイプの追加
/usr/share/mime/packages/application-x-newtype.xml
ファイルを作成します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <mime-info xmlns="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info"> <mime-type type="application/x-newtype"> <comment>new mime type</comment> <glob pattern="*.xyz"/> </mime-type> </mime-info>
上記のサンプルapplication-x-newtype.xml
ファイルは、新規の MIME タイプapplication/x-newtype
を定義し、.xyz
拡張子の付いたファイル名をその MIME タイプに割り当てます。myapplication1
ファイルを作成し、これを.desktop
などの名前の付いた新しい .desktop/usr/share/applications/
ディレクトリーに置きます。[Desktop Entry] Type=Application MimeType=application/x-newtype Name=My Application 1 Exec=myapplication1 field_code
上記のサンプルmyapplication1.desktop
ファイルは、application/x-newtype
MIME タイプを My Application 1 という名前のアプリケーションに関連付けます。これは、コマンド myapplication1 で実行されます。myapplication1
の起動方法に基づいて、Desktop Entry Specification からそれぞれのフィールドコードを 1 つ選択します。たとえば、複数のファイルを開けるアプリケーションで、以下を使用します。Exec=myapplication1 %F
- 変更を有効にするには、root として MIME データベースを更新します。
#
update-mime-database /usr/share/mime
- root としてアプリケーションデータベースを更新します。
#
update-desktop-database /usr/share/applications
*.xyz
ファイルを MIME タイプapplication/x-newtype
に正常に関連付けたことを確認するには、まずtest.xyz
などの空のファイルを作成します。$
touch test.xyz
次に、gvfs-info コマンドを実行します。$
gvfs-info test.xyz | grep "standard::content-type"
standard::content-type: application/x-newtypemyapplication1.desktop
がapplication/x-newtype
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションとして正しく設定されていることを確認するには、gvfs-mime --query コマンドを実行します。$
gvfs-mime --query application/x-newtype
Default application for 'application/x-newtype': myapplication1.desktop Registered applications: myapplication1.desktop Recommended applications: myapplication1.desktop
12.3.3. 個別ユーザー用のカスタム MIME タイプの追加
share/mime/packages/ ディレクトリーに新規の MIME タイプ仕様ファイルを作成し、~/.local
/ share/applications/
ディレクトリーに .desktop
ファイルを作成する必要があります。
手順12.4 個別ユーザー用のカスタム application/x-newtype
MIME タイプの追加
~/.local/share/mime/packages/application-x-newtype.xml
ファイルを作成します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <mime-info xmlns="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info"> <mime-type type="application/x-newtype"> <comment>new mime type</comment> <glob pattern="*.xyz"/> </mime-type> </mime-info>
上記のサンプルapplication-x-newtype.xml
ファイルは、新規の MIME タイプapplication/x-newtype
を定義し、.xyz
拡張子の付いたファイル名をその MIME タイプに割り当てます。myapplication1
ファイルを作成し、これを.desktop
などの名前の付いた新規の .desktop~/.local/share/applications/
ディレクトリーに置きます。[Desktop Entry] Type=Application MimeType=application/x-newtype Name=My Application 1 Exec=myapplication1 field_code
上記のサンプルmyapplication1.desktop
ファイルは、application/x-newtype
MIME タイプを My Application 1 という名前のアプリケーションに関連付けます。これはコマンド myapplication1 で実行されます。myapplication1
の起動方法に基づいて、Desktop Entry Specification からそれぞれのフィールドコードを 1 つ選択します。たとえば、複数のファイルを開けるアプリケーションで、以下を使用します。Exec=myapplication1 %F
- 変更を有効にするために MIME データベースを更新します。
$
update-mime-database ~/.local/share/mime
- アプリケーションデータベースを更新します。
$
update-desktop-database ~/.local/share/applications
*.xyz
ファイルを MIME タイプapplication/x-newtype
に正常に関連付けたことを確認するには、まずtest.xyz
などの空のファイルを作成します。$
touch test.xyz
次に、gvfs-info コマンドを実行します。$
gvfs-info test.xyz | grep "standard::content-type"
standard::content-type: application/x-newtypemyapplication1.desktop
がapplication/x-newtype
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションとして正しく設定されていることを確認するには、gvfs-mime --query コマンドを実行します。$
gvfs-mime --query application/x-newtype
Default application for 'application/x-newtype': myapplication1.desktop Registered applications: myapplication1.desktop Recommended applications: myapplication1.desktop
12.3.4. 全ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き
/usr/share/applications/mimeapps.list
ファイルおよび /usr/share/applications/[desktop environment name]-mimeapps.list
ファイルは、パッケージによってインストールされたデフォルトです。デフォルトでは、特定の MIME タイプを開くために登録されるアプリケーションを指定します。
/etc/xdg/mimeapps.list
ファイルまたは /etc/xdg/[desktop environment name]-mimeapps.list
ファイルを作成する必要があります。
/usr/share/applications/
/etc/xdg/
mimeapps.list
[desktop environment name]-mimeapps.list
mimeapps.list
ファイルの代わりに defaults.list
ファイルを使用していました。
手順12.5 全ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き
- デフォルトの登録アプリケーションを変更する MIME タイプを確認するには、
/usr/share/applications/mimeapps.list
ファイルを参照してください。たとえば、mimeapps.list
ファイルの以下のサンプルは、text/html
およびapplication/xhtml+xml
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを指定します。[Default Applications] text/html=firefox.desktop application/xhtml+xml=firefox.desktop
デフォルトアプリケーション(Firefox)は、対応する .desktop ファイル(firefox
)を指定して定義されます。他のアプリケーションの.desktop
.desktop
ファイルのデフォルトの場所は/usr/share/applications/
です。 /etc/xdg/mimeapps.list
ファイルを作成します。このファイルで、MIME タイプとそれらの対応するデフォルトの登録アプリケーションを指定します。[Default Applications] text/html=myapplication1.desktop application/xhtml+xml=myapplication2.desktop
これにより、text/html
MIME タイプのデフォルト登録アプリケーションがmyapplication1.desktop
に設定され、application/xhtml+xml
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションがmyapplication2.desktop
に設定されます。これらの設定が適切に機能するには、myapplication1.desktop およびmyapplication
2.desktop/usr/share/applications/
ディレクトリーに置かれていることを確認します。- gvfs-mime query コマンドを使用して、デフォルトの登録アプリケーションが正しく設定されていることを確認できます。
$
gvfs-mime query text/html
Default application for 'text/html': myapplication1.desktop Registered applications: myapplication1.desktop firefox.desktop Recommended applications: myapplication1.desktop firefox.desktop
12.3.5. 個別ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き
/usr/share/applications/mimeapps.list
ファイルおよび /usr/share/applications/[desktop environment name]-mimeapps.list
ファイルは、パッケージによってインストールされたデフォルトです。デフォルトでは、特定の MIME タイプを開くために登録されるアプリケーションを指定します。
~/.local/share/applications/mimeapps.list
ファイルまたは ~/.local/share/applications/[desktop environment id]-mimeapps.list
ファイルを作成する必要があります。
/usr/share/applications/
/etc/xdg/
~/.local/share/application/
mimeapps.list
[desktop environment name]-mimeapps.list
mimeapps.list
ファイルの代わりに defaults.list
ファイルを使用していました。
手順12.6 個別ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き
- デフォルトの登録アプリケーションを変更する MIME タイプを確認するには、
/usr/share/applications/mimeapps.list
ファイルを参照してください。たとえば、mimeapps.list
ファイルの以下のサンプルは、text/html
およびapplication/xhtml+xml
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを指定します。[Default Applications] text/html=firefox.desktop application/xhtml+xml=firefox.desktop
デフォルトアプリケーション(Firefox)は、対応する .desktop ファイル(firefox
)を指定して定義されます。他のアプリケーションの.desktop
.desktop
ファイルのシステムデフォルトの場所は/usr/share/applications/
です。個々のユーザーの.desktop
ファイルは~/.local/share/applications/
に保存できます。 ~/.local/share/applications/mimeapps.list
ファイルを作成します。このファイルで、MIME タイプとそれらの対応するデフォルトの登録アプリケーションを指定します。[Default Applications] text/html=myapplication1.desktop application/xhtml+xml=myapplication2.desktop
これにより、text/html
MIME タイプのデフォルト登録アプリケーションがmyapplication1.desktop
に設定され、application/xhtml+xml
MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションがmyapplication2.desktop
に設定されます。これらの設定が適切に機能するには、myapplication1.desktop およびmyapplication
2.desktop/usr/share/applications/
ディレクトリーに置かれていることを確認します。- gvfs-mime --query コマンドを使用して、デフォルトの登録アプリケーションが正しく設定されていることを確認できます。
$
gvfs-mime --query text/html
Default application for 'text/html': myapplication1.desktop Registered applications: myapplication1.desktop firefox.desktop Recommended applications: myapplication1.desktop firefox.desktop
第13章 GNOME デスクトップ機能のカスタマイズ
dconf
ユーティリティーを更新する必要があります。ログアウトしてから再びログインすると変更点が反映されます。
13.1. オンラインアカウントの有効化および無効化
- すべてのオンラインアカウントの有効化
- いくつかのオンラインアカウントの選択的な有効化
- すべてのオンラインアカウントの無効化
手順13.1 オンラインアカウントの設定
- システムに gnome-online-accounts パッケージがない場合は、root で以下のコマンドを実行してインストールします。
#
yum install gnome-online-accounts
- ローカルデータベースのキーファイルを
/etc/dconf/db/local.d/goa
に作成します。これには以下の設定が含まれます。- 一部のプロバイダーのみを選択的に有効にする場合:
[org/gnome/online-accounts] whitelisted-providers= ['google', 'facebook']
- すべてのプロバイダーを無効にする場合:
[org/gnome/online-accounts] whitelisted-providers= ['']
- すべての利用可能なプロバイダーを許可する場合:
[org/gnome/online-accounts] whitelisted-providers= ['all']
- 設定をロックダウンして、ユーザーが設定を上書きできないようにします。
- 存在しない場合は、
/etc/dconf/db/local.d/locks/
という名前の新しいディレクトリーを作成します。 - 以下の内容で
/etc/dconf/db/local.d/locks/goa
に新しいファイルを作成します。# Prevent users from changing values for the following key: /org/gnome/online-accounts
- システムデータベースを更新して、変更を適用します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
13.2. Ctrl+Alt+Backspace ショートカットの有効化
- プログラムが X サーバーの動作を終了させた。
- すぐにログインセッションから切り替える必要がある。
- 障害のあるプログラムを起動した。
- 各種の理由で現行セッションで操作できない。
- 画面がフリーズした。
org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options
GSettings キーを設定する必要があります。(GSettings キーの詳細は、「GSettings キーのプロパティー」 を参照してください。)
手順13.2 Ctrl-Alt-Backspace ショートカットの有効化
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-input-sources
に作成します。[org/gnome/desktop/input-sources] # Enable Ctrl-Alt-Backspace for all users xkb-options=['terminate:ctrl_alt_bksp']
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/input-sources
で設定を変更できないようにします。# Lock the list of enabled XKB options /org/gnome/desktop/input-sources/xkb-options
- システムデータベースを更新して、変更を適用します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
13.3. Compose キーの有効化
Compose キー
は、キーボードにない特殊記号または文字を入力できる機能です。GNOME デスクトップでは、キーボード上の既存のキーの 1 つを Compose キー
として定義できます。Compose キー
は、Compose キーシーケンスと呼ばれる他のキーと組み合わせて使用され、頻繁に入力する特殊文字を入力します。
例13.1 Compose キーの使用
Compose キー
を押し、リリースすると、AE (大文字)を入力すると "splunk" が取得されます。これを小文字で入力するとæを取得できます。
Compose キー
を有効にし、キーボード上の特定のキーを Compose
キー として設定するには、org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options
GSettings キーを設定します。これで設定はシステム上のすべてのユーザー用にデフォルトで有効にされます。(GSettings キーの詳細は、「GSettings キーのプロパティー」 を参照してください。)
手順13.3 Compose キーとして右側の Alt キーを設定
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-input-sources
に作成します。[org/gnome/desktop/input-sources] # Set the Right Alt key as the Compose key and enable it xkb-options=['compose:ralt']
右の Alt 以外のキーを設定する場合は、ralt を xkeyboard-config(7) man ページの 『Compose key position』 セクションで指定されているキーの名前に置き換えます。 - ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/input-sources
で設定を変更できないようにします。# Lock the list of enabled XKB options /org/gnome/desktop/input-sources/xkb-options
- システムデータベースを更新して、変更を適用します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
Compose キー
として使用できるようになりました。Compose キーを押して解放してから、キー
の組み合わせを入力して特定のシンボルを取得します。
13.4. コマンドラインアクセスの無効化
org.gnome.desktop.lockdown.disable-command-line
GSettings キーを設定します。これにより、ユーザーが端末にアクセスしたり、実行するコマンドラインを指定したりできなくなります( Alt+F2 コマンドプロンプト)。- X サーバー設定を変更 して、Ctrl+Alt+関数キー ショートカットを使用して、仮想端末(VT)への切り替えを無効にします。
- GNOME Shell の Applications メニューおよび
Activities Overview
から、ターミナルおよび 端末 へのアクセスを提供するその他のアプリケーションを削除します。これは、削除するアプリケーションのメニュー項目を削除することにより行われます。メニュー項目の削除方法は、「すべてのユーザーのメニュー項目の削除」 を参照してください。
13.4.1. org.gnome.desktop.lockdown.disable-command-line キーの設定
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-lockdown に作成します。
[org/gnome/desktop/lockdown] # Disable command-line access disable-command-line=true
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown
で設定を変更できないようにします。# Lock the disabled command-line access /org/gnome/desktop/lockdown
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
13.4.2. 仮想端末切り替えの無効化
/etc/X11/xorg.conf.d/
ディレクトリーの X 設定ファイルの Serverflags
セクションに DontVTSwitch
オプションを追加します。
手順13.4 仮想端末へのアクセスの無効化
/etc/X11/xorg.conf.d/ ディレクトリーに X 設定ファイルを作成または編集します。
注記通常これらのホスト固有の設定ファイル名は 2 けたの数字とハイフンで始まり、常に .conf 拡張子が付きます。したがって、以下のファイル名は/etc/X11/xorg.conf.d/10-xorg.conf
になります。Section "Serverflags" Option "DontVTSwitch" "yes" EndSection
- 変更を有効にするには、X サーバーを再起動します。
13.5. 印刷のロックダウン
org.gnome.desktop.lockdown.disable-printing
キーをロックすると、アプリケーションが表示されなくなります。以下の手順に従います。
手順13.5 org.gnome.desktop.lockdown.disable-printing
鍵のロックダウン
- ユーザープロファイルが存在しない場合は作成します(
/etc/dconf/profile/user
)。user-db:user system-db:local
- マシン全体の設定用に
local
データベースをetc/dconf/db/local.d/00-lockdown に作成します。
[org/gnome/desktop/lockdown] # Prevent applications from printing disable-printing=true
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown
で設定を変更できないようにします。# List the keys used to configure lockdown /org/gnome/desktop/lockdown/disable-printing
- 以下を実行してシステムデータベースを更新します。
#
dconf update
13.6. ディスク上のファイル保存のロック
org.gnome.desktop.lockdown.disable-save-to-disk
キーをロックして、アプリケーションが保存されないようにすることができます。以下の手順に従います。
手順13.6 org.gnome.desktop.lockdown.disable-save-to-disk
鍵のロックダウン
user
プロファイルがない場合は、/etc/dconf/profile/user
に作成します。user-db:user system-db:local
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-lockdown
ファイルに作成します。[org/gnome/desktop/lockdown] # Prevent the user from saving files on disk disable-save-to-disk=true
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown
で設定を変更できないようにします。# Lock this key to disable saving files on disk /org/gnome/desktop/lockdown/disable-save-to-disk
- 以下を実行してシステムデータベースを更新します。
#
dconf update
13.7. パーティション再設定のロック
polkit
により、個々の操作のパーミッションを設定できます。udisks2
の場合、ディスク管理サービスのユーティリティーは /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy
にあります。このファイルには、システム管理者が上書きできる操作およびデフォルト値のセットが含まれます。
/etc
に保存されている polkit
設定が、/usr/share/
のパッケージで提供される設定を上書きすることに注意してください。
手順13.7 ユーザーによるディスク設定の変更を回避する
/usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy
と同じ内容のファイルを作成します。cp /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy /etc/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy
/usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy ファイルは変更しないでください。
変更は、次のパッケージの更新で上書きされます。- 不要なアクションを削除し、以下の行を
/etc/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy ファイルに追加します
。<action id="org-freedesktop-udisks2-modify-device"> <message>Authentication is required to modify the disks settings</message> <defaults> <allow_any>no</allow_any> <allow_inactive>no</allow_inactive> <allow_active>yes</allow_active> </defaults> </action>
root ユーザーのみがこの操作を実行できるようにする必要がある場合は、no
をauth_admin
に置き換えます。 - 変更を保存します。
Authentication is required to modify the disks settings
13.8. ユーザーのログアウトおよび切り替えのロックダウン
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/user
プロファイルを作成します。user-db:user system-db:local
local
dconf
データベースの名前です。 /etc/dconf/db/local.d/
ディレクトリーがない場合は作成します。- キーファイル
/etc/dconf/db/local.d/00-logout
を作成して、ローカル
データベースに情報を提供します。[org/gnome/desktop/lockdown] # Prevent the user from user switching disable-log-out=true
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown
で設定を変更できないようにします。# Lock this key to disable user logout /org/gnome/desktop/lockdown/disable-log-out
- システムデータベースを更新します。
# dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
手順13.8 ユーザーが別のユーザーアカウントに切り替えられないようにする
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/user
プロファイルを作成します。user-db:user system-db:local
local
dconf
データベースの名前です。 /etc/dconf/db/local.d/
ディレクトリーがない場合は作成します。- キーファイル
/etc/dconf/db/local.d/00-user-switching
を作成して、ローカル
データベースに情報を提供します。[org/gnome/desktop/lockdown] # Prevent the user from user switching disable-user-switching=true
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown
で設定を変更できないようにします。# Lock this key to disable user switching /org/gnome/desktop/lockdown/disable-user-switching
- システムデータベースを更新します。
# dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
13.9. シングルアプリケーションモード
手順13.9 シングルアプリケーションモードの設定
- 以下の内容で以下のファイルを作成します。
/usr/bin/redhat-kiosk
#!/bin/sh if [ ! -e ~/.local/bin/redhat-kiosk ]; then mkdir -p ~/.local/bin ~/.config cat > ~/.local/bin/redhat-kiosk << EOF #!/bin/sh # This script is located in ~/.local/bin. # It's provided as an example script to show how # the kiosk session works. At the moment, the script # just starts a text editor open to itself, but it # should get customized to instead start a full screen # application designed for the kiosk deployment. # The "while true" bit just makes sure the application gets # restarted if it dies for whatever reason. while true; do gedit ~/.local/bin/redhat-kiosk done EOF chmod +x ~/.local/bin/redhat-kiosk touch ~/.config/gnome-initial-setup-done fi exec ~/.local/bin/redhat-kiosk "$@"
重要/usr/bin/redhat-kiosk
ファイルは実行可能である必要があります。gedit ~/.local/bin/redhat-kiosk コードを kiosk セッションで実行するコマンドに置き換えます。この例では、http://mine-kios-web-app という名前の kiosk デプロイメント用に設計されたフルスクリーンアプリケーションを起動します。[...] while true; do firefox --kiosk http://mine-kios-web-app done [...]
/usr/share/applications/com.redhat.Kiosk.Script.desktop
[Desktop Entry] Name=Kiosk Type=Application Exec=redhat-kiosk
/usr/share/applications/com.redhat.Kiosk.WindowManager.desktop
[Desktop Entry] Type=Application Name=Mutter Comment=Window manager Exec=/usr/bin/mutter Categories=GNOME;GTK;Core; OnlyShowIn=GNOME; NoDisplay=true X-GNOME-Autostart-Phase=DisplayServer X-GNOME-Provides=windowmanager; X-GNOME-Autostart-Notify=true X-GNOME-AutoRestart=false X-GNOME-HiddenUnderSystemd=true
/usr/share/gnome-session/sessions/redhat-kiosk.session
[GNOME Session] Name=Kiosk RequiredComponents=com.redhat.Kiosk.WindowManager;com.redhat.Kiosk.Script;
/usr/share/xsessions/com.redhat.Kiosk.desktop
[Desktop Entry] Name=Kiosk Comment=Kiosk mode Exec=/usr/bin/gnome-session --session=redhat-kiosk DesktopNames=Red-Hat-Kiosk;GNOME;
GDM
サービスを再起動します。systemctl restart gdm.service
- kiosk セッション用に別のユーザーを作成し、kiosk セッションのセッションタイプとして
Kiosk
を選択します。図13.1 kiosk セッションの選択
Kiosk
セッションを開始すると、ユーザーは kiosk デプロイメント用に設計された完全な screen アプリケーションを起動します。
13.10. ノート PC を閉じた際にコンピューターがサスペンドしないようにする
手順13.10 ノート PC を閉じた際のスイッチ設定
/etc/systemd/logind.conf
ファイルを開いて編集します。- ファイルで
HandleLidSwitch=suspend
行を探します。開始時に#
文字で引用されている場合は、引用符を解除されます。この行がファイルにない場合は、行を追加します。 - デフォルトの
suspend
パラメーターを に置き換えます。lock
ロックする画面の場合ignore
何もしない場合はpoweroff
コンピューターをオフにする場合。
以下に例を示します。[Login] HandleLidSwitch=
lock
- 変更を保存してエディターを終了します。
- 次のコマンドを実行して、次回の再起動時に変更が保存されるようにします。
# systemctl restart systemd-logind.service
警告サービスを強制的に再起動すると、ログインしているデスクトップユーザーの現在実行中の GNOME セッションが割り込まれることに留意してください。これにより、ユーザーが保存していないデータは削除される可能性があります。
/etc/systemd/logind.conf
ファイルの詳細は、logind.conf (5)
の man ページを参照してください。
13.11. グラフィカルターゲットモードで電源ボタンを押した際の動作の変更
手順13.11 dconf を使用して 電源 ボタンを押した後にシャットダウンするようにシステムを設定する手順
- システム全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/01-power
ファイルに作成します。[org/gnome/settings-daemon/plugins/power] power-button-action='interactive'
- ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/01-power ファイルで設定を変更できないようにします。
/org/gnome/settings-daemon/plugins/power/power-button-action
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
特定ボタンのオプション
nothing
- 何も実行しません。
suspend
- システムをサスペンドします。
hibernate
- システムを休止状態にします。
interactive
- 何を実行するかをユーザーに質問するポップアップクエリーを表示します。対話モードでは、電源ボタンを押すと、60 秒後に自動的にシステムの電源がオフになります。ただし、次の図のように、ポップアップクエリーとは別の動作を選択できます。
図13.2 対話モードのポップアップクエリー

第14章 セッション管理
14.1. GDM とは
GNOME Display Manager
(GDM
)は、ローカルログインとリモートログインの両方に対して X サーバーを実行および管理する、バックグラウンドで実行中のグラフィカルログインプログラムです。
GDM
は、X ディスプレイマネージャー XDM
に代わるものです。ただし、GDM
は XDM
から派生するものではなく、元の XDM
コードは含まれません。さらに、GDM
にはグラフィカル設定ツールのサポートがないため、GDM
設定を変更するには /etc/gdm/custom.conf
設定ファイルを編集する必要があります。
14.1.1. GDM の再起動
GDM
を再起動する必要があります。
GDM
サービスを再起動するには、以下のコマンドを実行します。
#
systemctl restart gdm.service
14.1.2. GDM 設定の結果を表示
GDM
設定の結果を表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ DCONF_PROFILE=gdm gsettings list-recursively org.gnome.login-screen
14.2. 認証
14.2.1. エンタープライズ資格情報を使用した GNOME へのログイン
@
記号、ドメイン名を入力します。たとえば、ドメイン名が example.com で、ユーザー名が User の場合、以下を入力します。
User@example.com
14.2.1.1. ようこそ画面でエンタープライズ資格情報を選択
手順14.1 エンタープライズ資格情報の設定
- ログインのようこそ画面で、Use Enterprise Login を選択し ます。
- 事前に入力されていない場合は 、 ドメイン フィールドにドメインの名前を入力します。
- 関連フィールドにドメインアカウントのユーザーおよびパスワードを入力します。
- Next をクリックします。
14.2.1.2. GNOME へのログインにエンタープライズ資格情報を使用するように変更する
手順14.2 エンタープライズ資格情報の設定
- トップバーで名前をクリックし、メニューから Settings を選択します。
- 項目の一覧から ユーザー を選択し ます。
- ロック解除 ボタンをクリックして、コンピューター管理者のパスワードを入力します。
- ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックします。
- Enterprise Login ペインを選択します。
- Enterprise アカウントのドメイン、ユーザー、およびパスワードを入力し、Add をクリックします。
14.2.1.3. トラブルシューティングおよび詳細セットアップ
$
realm list
詳細情報の入手
14.2.2. スマートカード認証の有効化
- スマートカードのプロンプトを許可するよう GDM を設定する
- スマートカードを使用したログインを許可するようオペレーティングシステムを設定する
1.スマートカードのプロンプトを許可するよう GDM を設定する
手順14.3 dconf エディター GUI を使用してスマートカード認証を有効にする
- org.gnome.login-screen enable-password-authentication dcof キーのチェックボックスを外します。
- org.gnome.login-screen enable-smartcard-authentication dcof キーのボックスにチェックを入れます。
手順14.4 dconf-tool を使用してスマートカード認証を有効にする
/etc/dconf/db/gdm.d
ディレクトリーにキーファイルを作成します。- 以下の内容をキーファイルに追加します。
[org/gnome/login-screen] enable-password-authentication='false' enable-smartcard-authentication='true'
- システム dconf データベースを更新します。
#
dconf update
2.スマートカードを使用したログインを許可するようオペレーティングシステムを設定する
14.2.3. 指紋認証の有効化
14.3. ユーザーセッション
14.3.1. ユーザーセッションにおける標準プロセス
- dbus-daemon
- dbus-daemon は、プログラムがメッセージを相互に交換するために使用できるメッセージバスデーモンを提供します。dbus-daemon は、2 つのアプリケーション間の 1 対 1 の通信を提供する D-Bus ライブラリーで実装されます。詳細は、dbus-daemon(1)の man ページを参照してください。
- gnome-keyring-daemon
- さまざまなプログラムや Web サイトのユーザー名とパスワードなどの認証情報は、
gnome-keyring-daemon
を使用して安全に保存されます。この情報は、キーリングファイルと呼ばれる暗号化されたファイルに書き込まれ、ユーザーのホームディレクトリーに保存されます。詳細は、gnome-keyring-daemon(1)の man ページを参照してください。 - gnome-session
- gnome-session プログラムは、GDM などのディスプレイマネージャーを使用して GNOME デスクトップ環境を実行します。ユーザーのデフォルトのセッションは、システム管理者によるシステムのインストール時に設定されます。gnome-session は通常、システムで正常に実行された最後のセッションを読み込みます。詳細は、gnome-session(1)の man ページを参照してください。
- gnome-settings-daemon
gnome-settings-daemon
は、GNOME セッションとセッション内で実行されるすべてのプログラムの設定を処理します。詳細は、gnome-settings-daemon(1)の man ページを参照してください。- gnome-shell
gnome-shell
は、プログラムの起動、ディレクトリーの閲覧、ファイルの表示など、GNOME のコアユーザーインターフェイス機能を提供します。詳細は、gnome-shell(1)の man ページを参照してください。- pulseaudio
- pulseaudio は Red Hat Enterprise Linux のサウンドサーバーで、プログラムが Pulseaudio デーモンを使用してオーディオを出力できるようにします。詳細は、pulseaudio(1)の man ページを参照してください。
dconf-service
ibus
at-spi2-dbus-launcher
at-spi2-registryd
gnome-shell-calendar-server
goa-daemon
gsd-printer
- さまざまな Evolution ファクトリープロセス
- 各種の
GVFS
プロセス
14.3.2. ユーザーデフォルトセッションの設定
/var/lib/ AccountsService /users/
ディレクトリーに保存します。
.dmrc
ファイルがデフォルトのセッションを作成するために使用されていました。この .dmrc
ファイルは使用されなくなりました。
手順14.5 ユーザーのデフォルトセッションの指定
- 以下のコマンドを実行して、gnome-session-xsession パッケージがインストールされていることを確認します。
#
yum install gnome-session-xsession
- 利用可能な各セッションで
.desktop
ファイルがある/usr/share/xsessions
ディレクトリーに移動します。使用するセッションを確認するには、.desktop
ファイルの内容を確認してください。 - ユーザーのデフォルトセッションを指定するには、
/var/lib/AccountsService/users/ ユーザー名 ファイル
でユーザーのアカウントサービス
を更新します。[User] Language= XSession=gnome
このサンプルでは、GNOME は/usr/share/xsessions/gnome.desktop
ファイルを使用してデフォルトセッションとして設定されました。Red Hat Enterprise Linux 7 のシステムのデフォルトは GNOME クラシック(/usr/share/xsessions/gnome-classic.desktop
ファイル)であることに注意してください。
14.3.3. カスタムセッションの作成
/etc/X11/sessions/new-session
ファイルを作成します。ファイルが以下のエントリーを指定していることを確認します。.desktop
に .desktop[Desktop Entry] Encoding=UTF-8 Type=Application Name=Custom Session Comment=This is our custom session Exec=gnome-session --session=new-session
Exec
エントリーは、実行するコマンドを、場合によっては引数と共に指定します。gnome-session --session=new-sessionコマンドを使用してカスタムセッション を実行できます。gnome-session で使用できるパラメーターの詳細は、 gnome-session (1)の man ページを参照してください。/usr/share/gnome-session/sessions/new-session.session にカスタムセッションファイルを作成します。このファイルには、セッション
の名前と必要なコンポーネントを指定できます。[GNOME Session] Name=Custom Session RequiredComponents=gnome-shell-classic;gnome-settings-daemon;
RequiredComponents
に指定するアイテムは、/usr/share/applications/
に対応する.desktop
ファイルを持つ必要があることに注意してください。
GDM
ログイン画面のセッションリストに表示されます。
14.3.4. ユーザーセッションログの表示
systemd
ジャーナルを表示できます。Red Hat Enterprise Linux 7 は systemd
ベースのシステムであるため、ユーザーセッションのログデータはバイナリー形式で systemd
ジャーナルに直接保存されます。
~/.xsession-errors
ファイルに保存されていましたが、このファイルは使用されなくなりました。
手順14.6 ユーザーセッションログの表示
- 次のコマンドを実行して、ユーザー ID (
uid
)を確認します。$
id --user
1000 - 上記で判別されたユーザー ID のジャーナルログを表示します。
$
journalctl _UID=1000
詳細情報の入手
systemd
ジャーナルの使用に関する詳細情報が記載されています。
systemd
ジャーナルを使用する方法は、 Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイドを参照してください。
14.3.5. 全ユーザー用の自動起動アプリケーションの追加
.desktop
ファイルを /etc/xdg/autostart/
ディレクトリーに作成する必要があります。
手順14.7 全ユーザー用の自動起動 (スタートアップ) アプリケーションの追加
/etc/xdg/autostart/
ディレクトリーに.desktop
ファイルを作成します。[Desktop Entry] Type=Application Name=Files Exec=nautilus -n OnlyShowIn=GNOME; AutostartCondition=GSettings org.gnome.desktop.background show-desktop-icons
- Files をアプリケーションの名前に置き換えます。
- nautilus -n をアプリケーションを実行するために使用するコマンドに置き換えます。
AutostartCondition
キーを使用して GSettings キーの値を確認することができます。セッションマネージャーは、キーの値が true である場合にアプリケーションを自動的に実行します。キーの値が実行中のセッションで変更される場合、セッションマネージャーは、直前のキーの値に基づいてアプリケーションを起動または停止します。
14.3.6. 自動ログインの設定
GDM
カスタム設定ファイルで自動ログインを手動で設定することもできます。
例14.1 ユーザー john の自動ログインの設定
/etc/gdm/custom.conf
ファイルを編集し、ファイル内の [daemon]
セクションが以下が指定されていることを確認します。
[daemon]
AutomaticLoginEnable=True
AutomaticLogin=john
14.3.7. 自動ログアウトの設定
手順14.8 電源搭載マシンの自動ログアウトの設定
- マシン全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-autologout
に作成します。[org/gnome/settings-daemon/plugins/power] # Set the timeout to 900 seconds when on mains power sleep-inactive-ac-timeout=
900
# Set action after timeout to be logout when on mains power sleep-inactive-ac-type='logout
' - ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/autologout
で設定を変更できないようにします。# Lock automatic logout settings /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/sleep-inactive-ac-timeout /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/sleep-inactive-ac-type
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-ac-timeout
コンピューターが AC 電源から実行している場合にスリープ状態に切り替わる前に非アクティブな状態にする必要がある秒数です。org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-ac-type
コンピューターが AC 電源から実行している場合にタイムアウトが経過するとどうなるかを設定します。org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-battery-timeout
コンピューターが電源から実行している場合にスリープ状態に切り替わる前に非アクティブな状態にする必要のある秒数です。org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-battery-type
コンピューターがバッテリー電源から実行している場合にタイムアウトが経過したらどうなるかを設定します。
$
gsettings range org.gnome.settings-daemon.plugins.power sleep-inactive-ac-type
enum 'blank' 'suspend' 'shutdown' 'hibernate' 'interactive' 'nothing' 'logout'
14.3.8. 画面の明るさとアイドル時間の設定
例14.2 明るさのレベルを下げる設定
/etc/dconf/db/local.d/00-power
にマシン全体の設定用に local
データベースを作成します。
[org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
idle-dim=true
例14.3 明るさのレベルの設定
/etc/dconf/db/local.d/00-power
でマシン全体の設定用に local
データベースを作成し、30 を使用する整数値に置き換えます。
[org/gnome/settings-daemon/plugins/power] idle-brightness=30
例14.4 アイドル時間の設定
/etc/dconf/db/local.d/00-session
にマシン全体の設定用に local
データベースを作成し、900 を使用する整数値に置き換えます。
[org/gnome/desktop/session] idle-delay=uint32 900
uint32
が含まれている必要があります。
14.3.9. ユーザーのアイドル時の画面のロック
手順14.9 スクリーンセーバーの有効化および画面のロック
- システム全体の設定用に
local
データベースを/etc/dconf/db/local.d/00-screensaver に作成します。
[org/gnome/desktop/session] # Set the lock time out to 180 seconds before the session is considered idle idle-delay=uint32
180
[org/gnome/desktop/screensaver] # Set this to true to lock the screen when the screensaver activates lock-enabled=true
# Set the lock timeout to 180 seconds after the screensaver has been activated lock-delay=uint32180
以下に示すように、整数キーの値と共にuint32
を組み込む必要があります。 - ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが
/etc/dconf/db/local.d/locks/screensaver
ファイルで設定を変更できないようにします。# Lock desktop screensaver settings /org/gnome/desktop/session/idle-delay /org/gnome/desktop/screensaver/lock-enabled /org/gnome/desktop/screensaver/lock-delay
- システムデータベースを更新します。
#
dconf update
- システム全体の設定に変更を適用するために、ユーザーは、一度ログアウトしてログインし直す必要があります。
14.3.10. スクリーンキャストの録画
webm
形式の高解像度ビデオファイルとして配布できるようにする組み込みスクリーンレコーダーを特長としています。
手順14.10 スクリーンキャストの作成
- 録画を開始するには、Ctrl+Alt+Shift+R を押します。レコーダーがスクリーンアクティビティーをキャプチャーする際に、画面の右下の隅に赤い円が表示されます。
- 録画を停止するには、Ctrl+Alt+Shift+R を押します。画面の右下隅にあった赤い円は表示されなくなります。
~/Videos
フォルダーに移動します。ここでは、Screencast
で始まるファイル名で録画されたビデオがあり、録画の日時が含まれます。
第15章 仮想ファイルシステムおよびディスク管理
15.1. GVFS
GVFS
(GNOME Virtual File System
)は、GNOME デスクトップがビルドされているライブラリーによって提供される仮想ファイルシステムインターフェイスの拡張です。GVFS
は完全な仮想ファイルシステムインフラストラクチャーを提供し、GNOME デスクトップのストレージを処理します。
GVFS
は、Web ブラウザーで使用される URL アドレスと構文的に似た URI (Uniform Resource Identifier)標準仕様に基づいて完全な識別のためにアドレスを使用します。schema://user@server/path 形式のこれらのアドレスは、サービスの種類を判別する主要な情報です。
15.2. GVFS のバックエンド
GVFS
には数多くのバックエンドがあり、特定タイプのリソースへのアクセスを提供します。以下は、利用可能な GVFS
バックエンドおよびそれらの仕様の一覧です。
表15.1 利用可能なバックエンド
バックエンド | 説明 |
---|---|
afc | MTP (メディア転送プロトコル) と同様。ファイルを Apple iDevice で表示します (USB 経由で接続)。 |
afp | Mac オペレーションシステム X およびオリジナルの Mac オペレーションシステムのファイルサービスにアクセスする Apple Filing Protocol (AFP) クライアント。 |
archive | 読み取り専用で各種のアーカイブファイル (ZIP、TAR) を処理します。 |
burn | 新規の CD/DVD/BD メディアコンテンツの一時ストレージとしてアプリケーションを書き込んで使用される仮想バックエンド。 |
cdda | 別個の Waveform オーディオファイル形式 (WAV) ファイルでオーディオ CD を表示します。 |
computer | アクティブなマウントと物理ボリュームを統合している仮想バックエンド。signpost と同様の動作になります。以前は、Computer ビューに Nautilus によって使用されていました。 |
dav、davs | セキュアなバリアントを含む WebDAV クライアント。認証はマウント時にのみ可能であり、後で実行されるフォルダーごとの再認証はサポートしません。 |
dns-sd | ネットワークの参照時に使用される DNS Service Discovery – Avahi クライアント。検出されたサービスに対する永続的な URI を形成します。 |
ftp | 当面の間は FTPS サポートのない、全機能が搭載された FTP (ファイル転送プロトコル) クライアント。デフォルトでは、パッシブ転送に対応します。 |
gphoto2 | USB または FireWire 経由で割り当てられたカメラにアクセスするイメージ転送プロトコル (PTP) クライアント。 |
http | すべての HTTP 要求を処理します。クライアントアプリケーションの Web からファイルを簡単にダウンロードできます。 |
locatest | 単純なテストバックエンドプロキシーファイル:/// URI(エラー挿入サポートあり)。 |
mtp | メディアプレーヤーおよびスマートフォンのメモリーにアクセスするためのメディア転送プロトコルバックエンド。 |
network | ネットワークのブラウズ用。周辺の Avahi および Samba サーバーを表示。 |
obexftp | Bluetooth クライアント。 |
recent | GNOME アプリケーションが使用する最近のファイルを一覧表示するために GtkFileChooser で使用されるバックエンド。 |
sftp | 完全機能搭載の SFTP (SSH ファイル転送プロトコル) クライアント。 |
smb | Samba および Windows 共有にアクセス。 |
trash | 削除されたファイルの復元を可能にする trash バックエンド。 |
yum
パッケージマネージャーを使用します。
GVFS
で使用される基本的な識別子で、サービスのタイプ(バックエンド ID)、絶対パス、およびユーザー名(必要な場合)など、固有の識別に必要なすべての情報が含まれます。この情報は、Nautilus アドレスバーと GTK+ のオープンダイアログまたは保存ダイアログに表示されます。
例15.1 root ディレクトリーを参照する URI 文字列
ftp://ftp.myserver.net/
例15.2 テキストファイルを参照する URI 文字列
ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt
15.3. マウント、アンマウントおよび取り出し
手順15.1 手動マウント
- Nautilus でファイル(つまり、ファイル アプリケーション)を 開き ます。
- 画面の上部にある場所バーに、整形式の URI 文字列を入力します。ロケーションバーが表示されない場合は、Ctrl+L を押します。または、Nautilus では、サーバーへ接続 ダイアログを提供します。このダイアログは Files → Connect to server に移動します。
- ログイン資格情報が要求される際は、名前およびパスワードを関連するエントリーボックスに入力します。
- マウントプロセスが完了すると、ファイルを使って作業することができます。
手順15.2 アンマウント
- 選択されたマウントの取り出しアイコンをクリックします。
- マウントが表示されなくなるか、または安全な削除についての通知が表示されるまで待機します。
GVFS
マウント(および物理ボリューム)は所有者のみに制限され、他のユーザーはプライバシーを悪用することはできません。
15.4. ブックマークの管理
手順15.3 場所をブックマークする方法:
- ブックマークするフォルダーまたはファイルを選択します。
- Ctrl+D を押します。
GVFS
サブシステムは既存のマウントを検索し、存在しない場合は新規のマウントを生成します。このように、オープンまたは保存ダイアログ内であっても認証を行うことができます。
また、Nautilus
とそのクローンはサイドバーにブックマークを表示するか、より汎用的には Files メニューに表示されます。
GVFS
ボリュームおよびマウントは GtkFileChooser サイドバーに一覧表示されます。ブックマークおよび GVFS
ボリュームは単一の項目に統合され、重複や混乱を防ぐことができます。ブックマーク には GVFS
マウントと同様に取り出しアイコンを指定できます。
~/.config/gtk-3.0/bookmarks
ファイルにあります。以下の例では、ブックマークの場所は ~/Music
、~/Pictures
、~/Videos
、~/Downloads、および ~/
bin
であるため、~/.config/gtk-3.0/bookmarks
ファイルの内容は以下のようになります。
例15.3 ~/.config/gtk-3.0/bookmarks ファイル
file:///home/username/Music file:///home/username/Pictures file:///home/username/Videos file:///home/username/Downloads file:///home/username/bin
手順15.4 ブックマークを編集する方法:
- トップバーの ファイル メニューを開きます。
- ブックマークエディターを開くには、ブックマーク をクリックします。
15.5. デフォルトサーバー一覧の設定
~/.config/nautilus/servers
ファイルにファイル共有サーバーの一覧を保存します。ファイル共有サーバー一覧をこのファイルに追加すると、ユーザーはファイル共有に簡単にアクセスできるようになります。
ftp://ftp.gnome.org/
を使用して GNOME FTP というタイトルのブックマークを ~/.config/nautilus/servers
ファイルに作成します。
例15.4 ~/.config/nautilus/servers ファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <xbel version="1.0" xmlns:bookmark="http://www.freedesktop.org/standards/desktop-bookmarks" xmlns:mime="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info"> <bookmark href="<input>ftp://ftp.gnome.org/</input>"> <title><input>GNOME FTP</input></title> </bookmark> </xbel>
15.6. GNOME 仮想ファイルシステムをその他すべてのアプリケーションに表示する
GVFS
マウントを公開する FUSE
デーモンも提供します。つまり、すべてのアプリケーションは標準の POSIX API を使用してアクティブな GVFS
マウントにアクセスできます。
GVFS
は FUSE
(Filein Userspace
)デーモンを提供します。これは、標準 POSIX (Portable Operating System Interface)アクセスのマウントを介してアクティブなマウントを公開します。このデーモンは、受信要求を透過的に変換して、アプリケーションのローカルファイルシステムを模倣します。
GVFS
バックエンドの特定の組み合わせで問題が発生する可能性があります。
FUSE
デーモンは GVFS
マスターデーモンで自動的に起動し、マウントをフォールバックとして /run/user/UID/gvfs
または ~/.gvfs
ファイルのいずれかに配置します。手動ブラウズは、各 GVFS
マウントの個別のディレクトリーがあることを示しています。ネイティブ以外のアプリケーションで GVFS
の場所からドキュメントを開く場合、変換されたパスを引数として渡されます。ネイティブ GIO アプリケーションの場合、このパスをネイティブの URI に自動的に変換し直すことに注意してください。
15.7. GVFS マウントのパスワード管理
GVFS
マウントは、リソースが匿名認証を許可するか、または何も要求しない限り、そのアクティブ化時に認証情報を要求します。標準の GTK+ ダイアログに表示されるため、ユーザーはパスワードを保存するかどうかを選択することができます。
手順15.5 例: 認証されたマウントプロセス
- ファイル を 開き、Ctrl+L を押してアドレスバーをアクティブにします。
- 認証が必要なサービスの整形式の URI 文字列を入力します(例:
sftp://localhost/
)。 - 資格情報ダイアログが表示され、ユーザー名、パスワードおよびパスワード保存オプションが尋ねられます。
- 認証情報を入力し、確認します。
GNOME Keyring
は、シークレットストレージの中心となる場所です。これは、ログイン時にデフォルトで提供されるパスワードを使用してデスクトップのセッション開始時に暗号化され、自動的にロック解除されます。これが異なるパスワードで保護される場合、パスワードは初回の使用時に設定されます。
GNOME Keyring
自体を管理するために、Seahorse アプリケーションが提供されます。このアプリケーションでは、個々のレコードを削除したり、パスワードを変更したりすることができます。Seahorse の詳細は、デスクトップに直接組み込まれた Seahorse のヘルプマニュアルを参照してください。
15.8. GNOME における GVFS ツールおよび xdg-utils
GVFS
には、スクリプトやテストに役立つ可能性のある複数のコマンドが同梱されています。POSIX コマンドに相当するコマンドのセットが提供されます。
- gvfs-cat
- gvfs-less
- gvfs-mkdir
- gvfs-mount
- gvfs-rename
- gvfs-set-attribute
- gvfs-copy
- gvfs-ls
- gvfs-move
- gvfs-rm
- gvfs-trash
- gvfs-info
- gvfs-save
- gvfs-tree
GVFS
固有の制御をより詳細にするために、追加のコマンドが提供されます。
- gvfs-monitor-dir
- gvfs-monitor-file
- gvfs-mime
- gvfs-open
FUSE
デーモンを実行する必要はありません。この目的は、POSIX コマンドのドロップイン置換ではなく、実際にはスイッチの範囲はほとんどサポートされていません。基本的な形態として、URI 文字列 (ローカルパスの代わり) が引数として取られます。
xdg-tools
(freedesktop.org 相互運用性プロジェクト)で適切にサポートされます。たとえば、一般的に使用される xdg-open
は、実行中の GNOME セッションが検出されたときに実際に gvfs-open
を呼び出し、正しい場所からファイルタイプの関連付けを読み取ります。
- ローカルファイルシステムの
/tmp
にあるすべてのファイルを一覧表示するには、次のコマンドを実行します。$
gvfs-ls file:///tmp
- 以下のコマンドは、リモートマシンからテキストファイルの内容を一覧表示します。
$
gvfs-cat ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt
- 参照されたテキストファイルをローカルの
/tmp
ディレクトリーにコピーするには、以下を実行します。$
gvfs-copy ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt /tmp/
bash
補完は パッケージの一部として提供されます。
15.9. GVFS メタデータの使用
GVFS
にはメタデータストレージが実装され、特定のファイルにバインドされた単純なキー/値のペアのセットとして実装されます。そのため、アイコンの位置、最後に再生された場所、ドキュメントの場所、メール、メモなど、ランタイム情報用に設計された小規模なデータを保存するためのユーザーまたはアプリケーション用のツールがあります。
GVFS
はすべてのメタデータをプライベートに保存するため、マシン上でのみ利用可能になります。ただし、GVFS
マウントおよびリムーバブルメディアも追跡されます。
/media
ディレクトリーではなく、/run/media/
にマウントされるようになりました。
- gvfs-info コマンド
- gvfs-set-attribute コマンド
- その他ネイティブ GIO で属性を使用する方法。
例15.5 カスタムメタデータ属性の設定
$ touch /tmp/myfile $ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/myfile attributes: $ gvfs-set-attribute -t string /tmp/myfile 'metadata::mynote' 'Please remember to delete this file!' $ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/myfile attributes: metadata::mynote: Please remember to delete this file! $ gvfs-move /tmp/myfile /tmp/newfile $ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/newfile attributes: metadata::mynote: Please remember to delete this file!
15.10. トラブルシューティング
15.10.1. アクティブな VFS マウントが表示されない
gvfs-fuse
サービスがあります。
gvfs-fuse
プロセスが実行されているかどうかを確認します。gvfs-fuse
は自動的に実行され、独自に開始することは推奨されないため、ログアウトしてから最初のオプションとしてログインしてみてください。
- id コマンドを実行して、
/run/user/
パスのUID(システムユーザー ID)を検索します(UID
/gvfs/gvfsd-fuse
デーモンには、サービスを公開することが予想されるパスが必要です)。または、/run/user/UID/gvfs/
パスが利用できない場合、gvfsd-fuse
はホームディレクトリーの.gvfs
パスを使用します。 - /usr/libexec/
gvfsd-fuse
-f /run/user/UID/gvfs コマンドを実行して、gvfsd-fuse デーモンを起動します。 - これで VFS マウントが利用可能になり、アプリケーション内でパスを手動で参照することができます。
15.10.2. 接続されている USB デバイスが表示されない
- Disks アプリケーションでデバイスを表示できません。
udisksctl dump
コマンドを実行して、udisks
デーモンの現在の状態を一覧表示し、すべてのオブジェクトに関する情報を表示しますが、フラッシュドライブはその中にありません。- dmesg コマンドを実行している。ログの末尾には USB デバイスの検出に関連するメッセージと検出されたパーティションの一覧があるが、フラッシュドライブはその中に含まれていない。
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Disks
と 入力 してから Enter キーを押します。 - Volumes アクションメニューで、Edit Mount Options... をクリックします。
- Show in user interface をクリックします。
- OK をクリックして確定します。
15.10.3. Nautilus が不明または不要なパーティションを表示する
/etc/fstab
ファイルに一覧表示されているかどうかを確認します。/etc/fstab
ファイルは通常、オペレーティングシステムで使用する予定のディスクパーティションを一覧表示し、それらがマウントされる方法を示します。特定のマウントオプションによって、ボリュームをユーザーインターフェイスに表示したり、または表示しないようにすることができます。
- Super キーを押してアクティビティーの
概要に入り
、Disks
と 入力 してから Enter キーを押します。 - Volumes アクションメニューで、Edit Mount Options... をクリックします。
- Show in user interface の選択を解除し、OK をクリックして確認します。
15.10.4. リモートファイルシステムへの接続が使用できない
- 接続が割り込まれる (たとえば、ラップトップが Wi-Fi 接続から切断される)。
- ユーザーが一定の期間非アクティブになり、サーバーによって接続が切断される (アイドルタイムアウト)。
- コンピューターがスリープモードから再起動する。
15.10.5. ディスクが使用中の場合はどうすればよいか
システムのプロセスを表示する場所と表示方法
- lsof コマンドを実行して、開いているファイルの一覧とプロセスを取得します。lsof が利用できない場合は、実行中のプロセスの一覧を提供する ps ax コマンドを実行します。
- または、System Monitor アプリケーションを使用して GUI で実行中のプロセスを表示できます。
- 次のコマンドを実行して、
iotop
がインストールされていることを確認します。#
yum install iotop
次に、root としてiotop
を実行して、システムプロセスを表示します。
- コマンドラインで kill コマンドを実行します。
- System Monitor で、プログラムのプロセス名のある行を右クリックし、プロセスの終了 または 強制 終了 ドロップダウンメニュー項目をクリックします。
第16章 ハードウェアの設定
16.1. タブレット
16.1.1. 新規タブレット向けサポートの追加
libwacom
は、Wacom モデルに関するデータを保存するタブレット情報クライアントライブラリーです。このライブラリーは、GNOME の gnome-settings-daemon
コンポーネントと Wacom Tablet 設定パネルの両方で使用されます。
libwacom
に追加するには、新しいタブレット定義ファイルを作成する必要があります。タブレット定義ファイルは libwacom-data パッケージに含まれています。このパッケージがインストールされている場合、タブレット定義ファイルは /usr/share/libwacom/
ディレクトリーでローカルで利用できます。
libwacom
データベースおよび udev
ルールファイルにタブレットのサポートを含める必要があります。
libwacom
でサポートされていない一般的なインジケーターは、GNOME セッションで正常に機能することですが、デバイスは画面に正しくマッピングされません。
手順16.1 タブレット記述の追加
libwacom-list-local-devices
ツールを使用して、libwacom
が認識するすべてのローカルデバイスを一覧表示します。お使いのデバイスが一覧にないものの、カーネル(/proc/bus/input/devices
を参照)および X セッション(xinput 一覧を参照)でイベントデバイスとして利用できる場合は、libwacom
のデータベースにデバイスがありません。- 新規のタブレット定義ファイルを作成します。以下の data/wacom.example を使用して必要な行を編集します。注記新規の .tablet ファイルはすでに利用可能な場合があるので、まずアップストリームのリポジトリー https://sourceforge.net/p/linuxwacom/libwacom/ci/master/tree/ を確認してください。お使いのタブレットモデルが一覧にある場合は、そのファイルをローカルマシンにコピーすれば十分です。
# Example model file description for a tablet [Device] # The product is the product name announced by the kernel Product=Intuos 4 WL 6x9 # Vendor name of this tablet Vendor=Wacom # DeviceMatch includes the bus (usb, serial), the vendor ID and the actual # product ID DeviceMatch=usb:056a:00bc # Class of the tablet. Valid classes include Intuos3, Intuos4, Graphire, Bamboo, Cintiq Class=Intuos4 # Exact model of the tablet, not including the size. Model=Intuos 4 Wireless # Width in inches, as advertised by the manufacturer Width=9 # Height in inches, as advertised by the manufacturer Height=6 # Optional features that this tablet supports # Some features are dependent on the actual tool used, e.g. not all styli # have an eraser and some styli have additional custom axes (e.g. the # airbrush pen). These features describe those available on the tablet. # # Features not set in a file default to false/0 [Features] # This tablet supports styli (and erasers, if present on the actual stylus) Stylus=true # This tablet supports touch. Touch=false # This tablet has a touch ring (Intuos4 and Cintiq 24HD) Ring=true # This tablet has a second touch ring (Cintiq 24HD) Ring2=false # This tablet has a vertical/horizontal scroll strip VStrip=false HStrip=false # Number of buttons on the tablet Buttons=9 # This tablet is built-in (most serial tablets, Cintiqs) BuiltIn=false
- .tablet の接尾辞を付けて新規ファイルを追加、インストールします。
cp the-new-file.tablet /usr/share/libwacom/
インストールが完了すると、タブレットはlibwacom
のデータベースの一部になります。タブレットは、libwacom-list-local-devices
から利用できます。 - 以下の内容で新しいファイル
/etc/udev/rules/99-libwacom-override.rules
を作成し、設定が上書きされないようにします。ACTION!="add|change", GOTO="libwacom_end" KERNEL!="event[0-9]*", GOTO="libwacom_end" [new tablet match entries go here] LABEL="libwacom_end"
- システムを再起動します。
16.1.2. ワコムタブレット設定の保存場所
/org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/machine-id-device-id
キーの GSettings に保存されます。machine-id は D-Bus マシン ID で、device-id はタブレットデバイス ID です。タブレットの設定スキーマは org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom
です。
/org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/device-id/tool-id
キーに保存されます。tool-id は、プロフェッショナルで使用されるスタイラスの識別子です。tool-id に対応しないコンシューマーでは、代わりに汎用識別子が使用されます。スタイラスの設定スキーマは org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom.stylus
で、イレーサー org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom.eraser
用です。
Optional
チャンネルにサブスクライブされていることを確認し、以下のコマンドを実行します。
#
yum install gnome-settings-daemon-devel
Optional
チャンネルにサブスクライブする方法については、以下のリソースを参照してください。
$
/usr/libexec/gsd-list-wacom
16.1.3. マシン間でホームディレクトリーを共有する際にワコムの設定は 1 台のマシンのみに適用される
/org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/machine-id-device-id
GSettings キーの設定パスに組み込まれているためです。
付録A KDE Plasma ワークスペース
付録B Red Hat ドキュメントへのアクセス
B.1. 製品ドキュメント
- から https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html-single/System_Administrators_Guide/index.html 入手可能な 『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 には、
GRUB 2
ブートローダー、パッケージ管理、systemd
、またはプリンター設定など、さまざまなシステムコンポーネントに関する詳細情報が記載されています。 - から https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html/Installation_Guide/index.html 入手可能な 『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』 には、Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールおよび Anaconda インストーラーの使用に関する詳細情報が記載されています。
- https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html-single/Migration_Planning_Guide/index.html で利用できる『Red Hat Enterprise Linux 7 移行計画ガイド』は、Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 間の動作における主な変更点および互換性についての概要が含まれます。また移行計画ガイドでは、Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレードを支援する Red Hat 提供のツールを紹介しています。
- 『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』 は https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html-single/Networking_Guide/index.html から入手できます。Red Hat Enterprise Linux 7 のネットワークの設定および管理についての情報が記載されています。
- 『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化の導入および管理ガイド』 は https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html/Virtualization_Deployment_and_Administration_Guide/ から入手可能で、Red Hat Enterprise Linux 仮想化のインストール、設定、および管理についての情報が記載されています。
B.2. Red Hat Access GUI
付録C 謝辞
付録D 改訂履歴
改訂履歴 | |||
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改訂 0.1-95 | Mon Aug 05 2018 | Marie Doleželová | |
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改訂 0.1-87 | Wed Jul 26 2017 | Jana Heves | |
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改訂 0.1-86 | Mon Oct 17 2016 | Marie Doleželová | |
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改訂 0.1-85 | Mon Oct 17 2016 | Marie Doleželová | |
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改訂 0.1-84 | Wed 17 Aug 2016 | Marie Doleželová | |
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改訂 0.1-83 | Fri 01 Apr 2016 | Jana Heves | |
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改訂 0.1-82 | Wed 11 Nov 2015 | Jana Heves | |
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改訂 0.1-80 | Wed 24 Jun 2015 | Petr Kovář | |
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改訂 0.1-78 | Tue 07 Apr 2015 | Petr Kovář | |
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改訂 0.1-76 | Tue 17 Feb 2015 | Petr Kovář | |
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改訂 0.1-74 | Thu 04 Dec 2014 | Petr Kovář | |
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改訂 0.1-69 | Mon 02 Jun 2014 | Petr Kovář | |
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改訂 0.1-35 | Wed 11 Dec 2013 | Petr Kovář | |
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