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デスクトップの移行および管理ガイド

Red Hat Enterprise Linux 7

Red Hat Enterprise Linux 7 における GNOME 3 デスクトップ移行計画および管理ガイド

Marie Doleželová

Red Hat Customer Content Services

Petr Kovář

Red Hat Customer Content Services

Jana Heves

Red Hat Customer Content Services

概要

本書 『デスクトップの移行および管理ガイド』 では、Red Hat Enterprise Linux 7 における GNOME 3 デスクトップの移行計画、導入、設定および管理について説明します。本書は Red Hat Enterprise Linux システムに関する基本的な知識を有するシステム管理者を対象としています。

第1章 GNOME 3 デスクトップの紹介

1.1. GNOME 3 とは

GNOME 3 は Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのデスクトップ環境です。GNOME 3 は GNOME デスクトップの次期メジャーバージョンであり、新たなユーザーインターフェースを導入すると共に、Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 に同梱されている以前のバージョンの GNOME 2 デスクトップに大幅な機能改善を加えています。
GNOME 3 デスクトップ (GNOME クラシック)

図1.1 GNOME 3 デスクトップ (GNOME クラシック)

GNOME 3 は、生産性向上を重視した作業環境を提供します。強力な検索機能を使用して 1 つの場所からユーザーのすべての作業にアクセスすることができます。たとえば、手持ちのタスクに集中する必要のある場合は通知機能をオフにすることができます。GNOME 3 は数多くの強力なコンポーネントの上に構築されています。
GNOME Shell
GNOME Shell は最新かつ直感的なグラフィカルユーザーインターフェースです。これは、視覚効果およびハードウェアアクセラレーションサポートを含む⾼品質のユーザーエクスペリエンスを提供します。詳細は、「GNOME Shell とは」 を参照してください。
GNOME クラシック
GNOME クラシックは新旧機能を組み合わせたものであり、GNOME 2 の慣れ親しんだルックアンドフィールを維持しつつ GNOME Shell の強力な新機能と 3-D 機能を提供します。GNOME クラシックは Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME セッションおよび GNOME Shell モードです。詳細は、「GNOME クラシックとは」 のセクションを参照してください。
GSettings
GSettings は、古い GNOME バージョンの GConf に置き換わる設定の保存システムです。GConf から GSettings への切り替えについての詳細は、3章GSettings および dconf を参照してください。GSettings を使用したデスクトップ設定についての詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。
GVFS
GVFS は完全な仮想ファイルシステムインフラストラクチャーを提供し、GNOME デスクトップのストレージを扱います。GVFS により、GNOME 3 はオンラインドキュメント保存サービス、カレンダーおよび連絡先一覧と効果的に統合します。そのため、同じ場所からすべてのデータにアクセスできます。詳細は、15章仮想ファイルシステムおよびディスク管理GVFS を参照してください。
GTK+
GTK+ はグラフィカルユーザーインターフェースを作成するためのマルチプラットフォームツールキットであり、ユーザビリティーの高い機能豊富な API を提供します。GTK+ により、GNOME 3 ではアプリケーションの外観を変更するほか、グラフィックスのスムーズな外観を提供します。さらに GTK+ には、オブジェクト指向プログラミングサポート (GObject)、国際文字セットおよびテキストレイアウトの幅広いサポート (Pango)、またはアクセシビリティーインターフェース (ATK) のセットなどの数多くの機能が含まれます。

1.2. GNOME Shell とは

GNOME Shell は GNOME デスクトップのユーザーインターフェースであり、GNOME 3 の主要テクノロジーです。これは、ウィンドウの切り替え、アプリケーションの起動または通知の表示などの基本的なユーザーインターフェース機能を提供します。
GNOME Shell はユーザーインターフェースの革新的な概念を導入し、最新のグラフィックスハードウェア搭載のシステム上のハードウェアアクセラレーションを含む、高品質のユーザーエクスペリエンスを提供します。
GNOME Shell ユーザーインターフェースの主要コンポーネントには以下が含まれます。
トップバー
画面最上部にあるこの水平のバーからは、アクティビティ画面、時計およびカレンダー、システムステータスアイコン、および画面左上のシステムメニューなど、GNOME Shell の一部の基本的な機能にアクセスできます。
システムメニュー
システムメニュー は右上にあります。このメニューからは、設定の更新や Wi-Fi 接続情報の確認、ユーザーの切り替え、コンピューターのシャットダウンなどができます。
アクティビティ画面
アクティビティ画面 は、ユーザーがアプリケーションやウィンドウを実行したり、それらの切り替えを行うことのできるウィンドウおよびアプリケーションビューを特長としています。
上部の search entry (検索ワードを入力) からは、アプリケーション、ドキュメント、ファイルおよび設定ツールなどのデスクトップ上で利用可能な各種の項目を検索できます。
左側の垂直バーは ダッシュボード と呼ばれ、ここにはお気に入りのアプリケーションや実行中のアプリケーションの一覧が含まれます。
workspace list (ワークスペースのリスト) は右側に表示され、ここからユーザーは複数のワークスペース間の切り替えを行ったり、1 つのワークスペースから別のワークスペースにアプリケーションやウィンドウを移動させることができます。
メッセージトレイ
メッセージトレイ は画面の一番下の水平バーとして表示され、ユーザーが Super+M を押すと表示されます。ここから保留中の通知にアクセスできます。
GNOME クラシック固有のコンポーネント
GNOME クラシック は Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME Shell モードです。これは、GNOME Shell の外観と共に GNOME Shell 動作のいくつかの側面を変更しています。これには、ウィンドウリストのある画面の一番下のバーやトップバーの アプリケーション および 場所 メニューが含まれます。GNOME クラシックの詳細は、「GNOME クラシックとは」 を参照してください。

1.2.1. ハードウェアアクセラレーションおよびソフトウェアレンダリング

GNOME Shell は視覚効果を特長としており、OpenGL ベースのグラフィックスライブラリーの Clutter によって提供されるハードウェアアクセラレーションサポートを利用します。
ハードウェアアクセラレーションが適切に機能するには、グラフィックスドライバーは GL 1.2 およびマルチテクスチャー拡張機能、または GL 1.3 をサポートする必要があります。または、ドライバーが GLES 1.1 または GLES 2.0 のサポートを提供する必要があります。多くの GPU モデルおよびドライバーは GL または GLES のサポートを適切に実装しないため、それらの GPU およびドライバーを搭載したシステムではハードウェアアクセラレーションは利用できない場合があることに注意してください。
GPU およびドライバー要件を満たさない、仮想マシンを含むシステムでは、ソフトウェアレンダリングを使用して、ハードウェアアクセラレーションがサポートされているシステムの場合と同じ GNOME 3 のユーザーエクスペリエンスを提供します。ソフトウェアレンダリングは llvmpipe ドライバーによって提供されます。
システムがソフトウェアレンダリングおよび llvmpipe ドライバーを使用しているかどうかを判別するには、glxinfo コマンドを実行できます。
$ glxinfo | grep renderer
OpenGL renderer string: Gallium 0.4 on llvmpipe (LVVM 3.3, 128 bits)
ソフトウェアレンダラーは完全に準拠した OpenGL 実装を提供しないため、一部のプログラムが複数のアプリケーション間で GLX 状態の一貫したビューを提供する X サーバーに依存する場合に、それらのプログラムは適切に機能しない可能性があることに注意してください。お使いのハードウェアをアップグレードするか、またはハードウェアアクセラレーションを完全にサポートする GPU およびドライバーを搭載したシステム上でこれらのプログラムを実行してください。

1.3. GNOME クラシックとは

GNOME クラシックは従来のデスクトップエクスペリエンスを好むユーザー向けの GNOME Shell 機能およびモードです。GNOME クラシックは GNOME 3 テクノロジーをベースとしており、ユーザーインターフェースには多くの変更が加えられています。
アプリケーション および 場所 メニュー
アプリケーション メニューは画面の左上に表示されます。ここからユーザーはカテゴリー別に編成されたアプリケーションにアクセスできます。またユーザーは、このメニューから アクティビティ画面 を開くことができます。
場所 メニューは トップバーアプリケーション メニューの横に表示されます。ユーザーはここから ダウンロード または 画像 などの重要なフォルダーに簡単にアクセスできます。
タスクバー
タスクバーは画面の一番下に表示されます。以下の機能が含まれます。
  • ウィンドウリスト
  • ウィンドウリストの横に表示される通知アイコン。
  • 通知アイコンの横に表示される現在のワークスペースの短い識別子および利用可能なワークスペースの合計数。
4 つの使用可能なワークスペース
GNOME クラシックでは、ユーザーが利用できるワークスペースの数はデフォルトで 4 に設定されています。
最小化および最大化ボタン
GNOME クラシックのウィンドウのタイトルバーは、ユーザーがウィンドウをウィンドウリストに対して簡単に最小化したり、デスクトップ上のすべてのスペースを占めるようにウィンドウを最大化したりすることを可能にする最小化ボタンおよび最大化ボタンを特長としています。
従来の Super+Tab によるウィンドウ切り替え
GNOME クラシックでは、Super+Tab ウィンドウスイッチャーを使用して表示されるウィンドウはアプリケーションごとにグループ化されません。
システムメニュー
システムメニュー は右上にあります。このメニューからは、設定の更新や Wi-Fi 接続情報の確認、ユーザーの切り替え、コンピューターのシャットダウンなどができます。
「電卓」アプリケーションおよび「アプリケーション」メニューに「アクセサリ」サブメニューのある GNOME クラシック

図1.2 「電卓」アプリケーションおよび「アプリケーション」メニューに「アクセサリ」サブメニューのある GNOME クラシック

1.3.1. GNOME クラシックの拡張機能

GNOME クラシックは GNOME Shell 拡張機能 のセットとして配布されます。GNOME クラシック拡張機能は、GNOME クラシックセッションの実行に必要なコンポーネントを提供する gnome-classic-session パッケージの依存パッケージとしてインストールされます。GNOME クラシック拡張機能は Red Hat Enterprise Linux 7 でデフォルトで有効にされるため、GNOME クラシックは Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトデスクトップユーザーインターフェースになります。
  • AlternateTab (alternate-tab@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com)
  • アプリケーションメニュー (apps-menu@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com)
  • 新規インスタンスの起動 (launch-new-instance@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com)
  • Places Status Indicator (places-menu@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com)
  • ウィンドウリスト (window-list@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com)

1.3.2. GNOME クラシックと GNOME 間の切り替え

ユーザーは サインイン の横にある歯車をクリックしてログアウトすることで、GNOME クラシックから GNOME に切り替えることができます。歯車からドロップダウンメニューが開かれ、GNOME クラシックを選択することができます。
ユーザーセッション内で GNOME クラシックから GNOME に切り替えるには、以下のコマンドを実行します。
$ gnome-shell --mode=user -r &
同じユーザーセッション内で GNOME クラシックに戻すには、以下のコマンドを実行します。
$ gnome-shell --mode=classic -r &

1.3.3. デフォルトセッションとしての GNOME クラシックを無効にする

Red Hat Enterprise Linux 7 上で新たに作成されるすべてのユーザーについては、GNOME クラシックはデフォルトセッションとして設定されます。特定ユーザーの設定を上書きするには、/var/lib/AccountsService/users/username ファイルでユーザーのアカウントサービスを変更する必要があります。これを実行する方法の詳細は、「ユーザーデフォルトセッションの設定」 を参照してください。

詳細情報の入手

ユーザーは、gnome-user-docs パッケージで提供される GNOME ヘルプで GNOME 3、GNOME Shell、または GNOME クラシックの使用に関する詳細情報を参照できます。GNOME ヘルプにアクセスするには、Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、help と入力してから Enter を押します。

1.4. アクセシビリティーに関する注意点

GNOME デスクトップには、さまざまな障害や特殊なニーズを持つユーザーをサポートし、一般的な支援機器と連携して動作する支援技術が備わっています。ユニバーサルアクセスメニュー では障害のあるユーザー向けの設定を簡単にできます。アイコンは上部バーにある人が円で囲まれたものです。
アクセシビリティーの全機能は GNOME ヘルプ に文書化されています。アクティビティ画面ヘルプ と入力するとこれが現れます。GNOME ヘルプ メニューから ユニバーサルアクセス を選択します。

注記

視覚障害者として GNOME にアクセスするには、Super+Alt+S のキーを押します。これでスクリーンリーダーがオンになります。Orca スクリーンリーダーに関する詳細は、help page を参照してください。

パート I. 移行計画

移行計画は、Red Hat Enterprise Linux のデフォルトのデスクトップ環境を Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 に同梱される GNOME 2 から GNOME 3 に移行することに焦点を当てています。本書のこの第 1 部では、特定のコンポーネントに対する変更点の概略、およびコンポーネントが持つ新機能について 1 つずつ説明していきます。
本書では、GNOME デスクトップ環境への変更のみに言及します。Red Hat Enterprise Linux 7 の他の部分への変更については、以下を参照してください。
  • Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』: GRUB 2 ブートローダー、パッケージ管理、systemd またはプリンター設定などのコンポーネントについてはこのガイドを参照してください。
  • Red Hat Enterprise Linux 7 移行計画ガイド』: Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 間の動作における主な変更点および互換性についての概要は、このガイドを参照してください。また『移行計画ガイド』では、Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレードを支援する Red Hat 提供のツールを紹介しています。
  • Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』: Red Hat Enterprise Linux 7 のインストールおよび Anaconda インストーラーの使用についての詳細は、このガイドを参照してください。
これらのドキュメントは http://access.redhat.com/site/documentation/Red_Hat_Enterprise_Linux/ からご利用いただけます。

第2章 logind

logind (さらに具体的には systemd-logind) はユーザーログインを管理するシステムサービスです。このサービスは以下を行います。
  • ユーザーおよびセッション、それらのセッションおよびアイドル状態の追跡
  • ユーザープロセスの制御グループの作成
  • システムのシャットダウンまたはスリープなどの操作のために PolicyKit ベースのアクセスをユーザーに提供
  • アプリケーション用にシャットダウン/スリープを抑止するロジックの実装
  • 電源/スリープハードウェアキーの処理
  • 複数のユーザー用のマルチシート管理、セッション切り替え管理、およびデバイスアクセス管理
  • 仮想端末 (コンソール) のアクティブ化時のテキストログイン (getty) の自動起動およびユーザーランタイムディレクトリーの管理
logind サービスは Red Hat Enterprise Linux 7 の新たな初期化システムである systemd と密接に統合しており、Red Hat Enterprise Linux 6 の upstart 初期化システムに置き換わるサービスです。この変更により、数多くの新機能が導入されました。以下は、これらの内のとりわけ大きな変更点の要約です。
ConsoleKit
ConsoleKit フレームワークの使用は Red Hat Enterprise Linux 7 では非推奨となりました。これと同等の機能は systemd によって提供されるようになりました。ConsoleKitlogind はいずれも現在実行されているユーザーセッションを追跡するためのサービスです。

注記

ConsoleKit には、システム上のアクティブなセッションの変更時にはいつでも任意のシェルスクリプトを実行できる機能 (仮想端末の切り替えを使用) がありましたが、この機能は提供されなくなりました。
/var/log/ConsoleKit/history ファイル
これまで、ConsoleKit はログファイルを /var/log/ConsoleKit/history に送信していましたが、現在の logind はこれをサポートしていません。このファイルは従来の wtmp ファイルおよび utmp ファイルに置き換わり、これらのファイルによりシステム上のすべてのログインおよびログアウトが追跡されるようになりました。/var/log/ConsoleKit/history は、形式は異なるものの、基本的に wtmp ファイルと類似する情報を提供していました。機能的に重複しているため、logindwtmp ファイルの役割のみを採用しています。
seat.d スクリプト
ConsoleKit は使用されなくなったため、seat.d スクリプトは ConsoleKit フレームワークを補完するものとはならず、systemd-logind に置き換わっています。
ck-list-sessions コマンド
ConsoleKit は、最近のユーザー情報だけでなく、GDM を使用した GUI アクセスも含む拡張情報を戻す ck-list-sessions コマンドを提供していました。これに相当する結果は、loginctl コマンドを実行することによって得ることができます。
$ loginctl list-sessions
マルチシートサポート
logindGDM と共に使用すると、ユーザーが別のモニター、マウスまたはキーボードをマシンに割り当てることを可能にする マルチシート 機能を利用できます。これを実行すると、追加のログイン画面が表示され、ユーザーは別のマシンを使用しているかのようにログインできます。
システム上で利用可能なシートを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ loginctl list-seats
システム上で特定のシートのステータスを表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ loginctl seat-status seat
ここで、seatseat0 などのシートの名前になります。
特定のハードウェアを特定のシートに割り当てるには、以下のコマンドを実行します。
# loginctl attach seat device
ここで、seatseat1 などのシートの名前となり、device/sys/devices/pci0000:00/0000:00:02.0/drm/card0 のような /sys デバイスパスで指定されるデバイス名になります。
この割り当てを変更するには、ハードウェアを別のシートに割り当てるか、または loginctl flush-devices コマンドを使用します。

詳細情報の入手

systemd-logind.service(8) – logind の man ページは logind の使用方法や機能についての詳細情報を提供します。さらに、systemd-logind が提供する API についても記載しています (logind D-Bus API についてのドキュメント)。
logind.conf(5) – logind.conf の man ページはログインマネージャーの設定ファイルについて説明しています。
loginctl(1) – systemd ログインマネージャーの man ページには、マルチシート機能についての詳細情報が記載されています。

第3章 GSettings および dconf

Red Hat Enterprise Linux 7 における主要な変更の 1 つは、GConf (ユーザー設定を保存) から GSettings の高レベルな設定システムと dconf バックエンドの組み合わせへの切り替えにあります。
GConf
前述のように、GConf 設定システムは以下の 2 つのシステムに置き換わりました。
  • GSettings API
  • dconf バックエンド: 単一のコンパクトなバイナリー形式でシステムのハードウェアおよびソフトウェア設定の詳細を収集する低レベルな設定システムおよびプログラムとして機能します。
gsettings コマンドラインツールおよび dconf ユーティリティーはどちらもユーザー設定を表示し、変更するために使用されます。gsettings ユーティリティーは端末でこれらを直接実行し、dconf ユーティリティーは設定データベースを編集するために dconf-editor GUI を使用します。dconf-editor および gsettings ユーティリティーの詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。
gconftool
gconftool-2 ツールは gsettings および dconf に置き換わりました。同様に、gconf-editordconf-editor に置き換わりました。
上書き
キーファイル の概念が Red Hat Enterprise Linux 7 で導入されました。dconf ユーティリティーにより、システム管理者は デフォルトの上書き を直接インストールして、デフォルト設定を上書きできるようになりました。たとえば、すべてのユーザー用にデフォルトの背景を設定するには、/etc/dconf/db/local.d/) などのキーファイルディレクトリー内のキーファイルに置かれる dconf 上書きを使用して実行できるようになりました。デフォルト値と上書きについての詳細は、「カスタムデフォルト値の設定」 を参照してください。
設定のロック
dconf システムを使って、個別設定や設定全体のサブパスをユーザーがカスタマイズできないようにロックダウンできるようになりました。設定のロック方法についての詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。
NFS および dconf
NFS で共有されるホームディレクトリー上で dconf ユーティリティーを使用するには、追加の設定が必要です。このトピックの詳細は、「NFS でのユーザー設定の保存」 を参照してください。

詳細情報の入手

ユーザー設定を行うために GSettings および dconf を使用する方法についての詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。

第4章 PolicyKit

PolicyKit ユーティリティーは、サービスを権限のないプロジェクト (サブジェクト とも呼ぶ) に提供する際に権限のあるプログラム (メカニズム とも呼ぶ) が使用する承認 API を提供するフレームワークです。以下は、PolicyKit またはそのシステム名である polkit になされた変更の詳細です。

4.1. ポリシー設定

新機能に関連して、認証ルールは JavaScript .rules ファイルで定義されるようになりました。これは、同じファイルがルールと管理者ステータスの両方を定義するために使用されることを意味します。これまでは、この情報は *.pkla および *.conf の 2 つの異なるファイルに保存され、これらのファイルは追加のローカル認証を定義するためにキー/値のペアを使用していました。
これらの新たな .rules ファイルは以下の 2 つの場所に保存されます。ローカルのカスタマイズ用の polkit ルールは /etc/polkit-1/rules.d/ ディレクトリーに保存され、サードパーティーのパッケージは /usr/share/polkit-1/rules.d/ に保存されます。
既存の .conf および .pkla 設定ファイルは .rules ファイルと一緒に保持され、存在してきました。polkit は互換性を考慮に入れて Red Hat Enterprise Linux 7 用にアップグレードされました。
ルールにおける優先順位のロジックが変更されました。polkitd/etc/polkit-1/rules.d および /usr/share/polkit-1/rules.d ディレクトリーから .rules ファイルを辞書式順序で読み取ります。2 つのファイルに同一の名前が付けられる場合、/etc のファイルが /usr のファイルの前に処理されます。さらに、既存ルールは /etc/polkit-1/rules.d/49-polkit-pkla-compat.rules ファイルによって適用されます。したがって、それらのルールは 49-polkit-pkla-compat の前に来る名前を持つ /usr または /etc のいずれかの .rules ファイルによって辞書式順序で上書きされる可能性があります。古いルールが上書きされないようにする最も簡単な方法は、その他すべての .rules ファイルの名前を 49 よりも大きな数字で始めることです。
以下は、.rules ファイルの例です。これは、システムデバイスに storage グループ用のファイルシステムをマウントすることを許可するルールを作成します。このルールは /etc/polkit-1/rules.d/10-enable-mount.rules ファイルに保存されます。

例4.1 システムデバイスへのファイルシステムのマウントの許可

polkit.addRule(function(action, subject) {
    if (action.id == "org.freedesktop.udisks2.filesystem-mount-system" &&
        subject.isInGroup("storage")) {
        return polkit.Result.YES;
    }
});

詳細は、以下を参照してください。

  • polkit(8) – JavaScript ルールおよび優先順位ルールの説明が記載されている man ページです。
  • pkla-admin-identities(8) および pkla-check-authorization(8) – .conf および .pkla ファイル形式について個別に記載している man ページです。

4.2. デフォルトポリシー

デフォルト設定により、wheel グループのメンバーが root パスワードが求められることなく、各自のパスワードを使用して管理操作用に認証されるようになりました。デフォルトポリシーは /etc/polkit-1/rules.d/50-default.rules に定義されます。
GNOME 設定のユーザーパネルでは、アカウントを 管理者 に設定できます。GNOME 初期セットアップ 時にユーザーを初めて作成する際に、デフォルトで 管理者 アカウント (wheel グループのメンバー) を作成します。

注記

sudo ユーザーは別のユーザーのセキュリティー特権を使ってプログラムを実行できますが、管理者 は追加の特別なシステム特権を提供する wheel グループのメンバーです。管理者が提供する特別なシステム特権により、ユーザーは制限されているコマンドを実行することができます。

4.3. スクリプトでの権限の検査

プロセスが操作について承認されているかどうかを検査する pkcheck ユーティリティーが、--process オプションで指定されるパラメーターの新しい形式をサポートするようになりました。これにより、競合状態を回避し、pkcheck をより安全に実行できるようになります。新規の形式は以下のようになります。
$ pkcheck --process pid,start-time,uid 

重要

--process オプションには、pid または pid,start-time のみの形式を使用しないでください。pkcheck を起動するすべてのスクリプトでは、競合状態を避けるために pid,start-time,uid の新規の形式を使用する必要があります。
詳細は、pkcheck(1) man ページを参照してください。

4.4. polkit 設定の拡張

バックエンド権限の実装を置き換えるためのサポートが削除されました。同様レベルの柔軟性は、外部プログラムを呼び出す JavaScript .rules ファイルを作成することによって実現できます。
PolkitBackendActionLookup 実装 (データを認証ダイアログに提供するために使用されるインターフェース) を置き換えるためのサポートが Red Hat Enterprise Linux 7 の polkit から削除されました。
polkit についての詳細は、polkit(8) man ページを参照してください。

第5章 GDM

GDM とは GNOME ディスプレイマネージャー のことであり、グラフィカルログイン環境を提供します。GNOME 2 から GNOME 3 に切り替えた後は、他の init システムがサポートされなくなったため、GDM の設定は systemd によってのみ実行できます。
gdm パッケージ
gdm パッケージが、X Window System のレガシーのディスプレイログインマネージャーを提供した xorg-x11-xdm の代わりとなりました。前述のように、gdm パッケージは、起動、ログアウトのすぐ後やユーザーの切り替え時に表示されるグラフィカルログイン画面を提供します。
GDM および logind
GDM では、ユーザーの定義および追跡を行うために logind が使用されるようになりました。詳細は、2章logind を参照してください。システム管理者は /etc/gdm/custom.conf の GDM カスタム設定ファイルに、自動ログインを手動でセットアップすることもできます。
custom.conf
GDM 設定は /etc/gdm/custom.conf で参照できるようになりました。後方互換性のために /etc/gdm/gdm.conf が見つかる場合は、これが custom.conf の代わりに使用されます。アップグレード時には、古い gdm.conf ファイルを削除し、すべてのカスタム設定を custom.conf に移行することをお勧めします。

詳細情報の入手

GDM についての詳細は、「GDM とは」 を参照してください。
ユーザーセッションの設定および管理についての詳細は、「ユーザーセッション」 を参照してください。
ログイン画面の外観のカスタマイズについての詳細は、「ログイン画面のカスタマイズ」 を参照してください。

第6章 GNOME Shell 拡張機能

Red Hat Enterprise Linux 7 の GNOME Shell はアプレットをサポートしません。アプレットは Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 のデフォルトの GNOME 2 インターフェースをカスタマイズするために使用されてきました。GNOME 3 では、アプレットの代わりに GNOME Shell 拡張機能 を使用します。拡張機能は、ウィンドウ管理やアプリケーションの起動を含め、デフォルトの GNOME Shell インターフェースとその各部分を変更することができます。

6.1. 時計アプレットの置き換え

Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 の GNOME 2 は、GNOME 2 パネルから日付、時間、およびカレンダーへのアクセスを提供する 時計 アプレットを特長としていました。Red Hat Enterprise Linux 7 では、このアプレットは gnome-clocks パッケージによって提供される 時計 アプリケーションに置き換わりました。ユーザーは GNOME Shell のトップバーにあるカレンダーをクリックし、時計を開く を選択してこのアプリケーションにアクセスできます。
時計を開く

図6.1 時計を開く

詳細情報の入手

GNOME Shell 拡張機能およびこれらを設定し、管理する方法の詳細は、「GNOME Shell 拡張機能とは」 を参照してください。

第7章 gnome-session

gnome-session プログラムも Red Hat Enterprise Linux 7 で更新されています。このプログラムはこれまでと同じ方法で GNOME デスクトップを起動しますが、そのコンポーネントの一部は変更されました。
gnome-session-properties
gnome-session-properties アプリケーションは依然として gnome-session パッケージの一部です。ただし、その機能は個々のユーザーの起動プログラムを管理したり、ログアウト時に現在実行中のアプリケーションを保存することに制限されています。後者の機能については Red Hat Enterprise Linux 6 の機能が保持されています。
名前付きセッション
Save now ボタンで特定の時間にセッションを保存したり、セッションに名前を付けることができます。保存されたセッションはログイン時に復元されます。gnome-session-propertiesログアウト時に実行中のアプリケーションを自動的に記憶しておく をクリックすると、保存されたアプリケーションの一覧もログイン時に表示されます。
この更新により、複数のレイアウトを作成したり、それらの名前を変更したり、1 つのユーザーアカウントに対して複数のユーザーセッションを選択することも可能になりました。

詳細情報の入手

セッション管理の詳細は、14章セッション管理 を参照してください。
すべてのユーザー用に起動 (自動起動) アプリケーションを管理する方法については、「全ユーザー用の自動起動アプリケーションの追加」 を参照してください。

第8章 国際化

8.1. 入力メソッド

Red Hat Enterprise Linux 7 における GNOME デスクトップのデフォルトの入力フレームワークは IBus (Intelligent Input Bus) です。これは GNOME 3 に統合されており、入力メソッドを選択するためのユーザーインターフェースが組み込まれています。

8.1.1. 入力メソッドの設定および切り替え

ユーザーは入力メソッドを設定するために GNOME 設定の 地域と言語 パネルを使用することができます。入力メソッドの使用方法についての詳細は GNOME Help を参照してください。GNOME Help にアクセスするには、Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、help と入力してから Enter を押します。
GNOME 以外のセッションの場合、IBus は ibus-setup ツールで XKB レイアウトと入力メソッドの両方を設定し、ショートカットを使ってこれらを切り替えることができます。
入力ソースを切り替えるためのデフォルトのショートカットは Super+Space です。Red Hat Enterprise Linux 6 では、ショートカットは Ctrl+Space でした。

8.1.2. IBus の予測的入力メソッド

ibus-typing-booster は IBus プラットフォームの予測的入力メソッドです。これは部分的な入力に基づいて完全な単語を予測し、より迅速で正確なテキスト入力を可能にします。ユーザーは候補一覧から必要な単語を選択できます。さらに ibus-typing-booster は Hunspell 辞書を使用して 1 つの言語についての提案を行うこともできます。

8.1.3. im-chooser に置き換わる GNOME デスクトップの IBus

IBus は GNOME デスクトップに統合されているため、 im-chooser の使用は IBus 以外の入力メソッドの場合を除いて非推奨となりました。

8.2. ファイルの場所の変更

Red Hat Enterprise Linux 7 では、以下の変更が入力メソッドおよびフォント設定ファイル、およびディレクトリーの場所に対して加えられました。
  • .xinputrc ファイルはユーザーのホームディレクトリーから ~/.config/imsettings/ ディレクトリーに移動しました。
  • .imsettings.log ファイルはユーザーのホームディレクトリーから移動し、~/.cache/imsettings/log に置かれるようになりました。
  • ~/.fonts.conf ファイルの使用は非推奨となりました。ユーザーにはファイルを ~/.config/fontconfig/ ディレクトリーに移動することが奨励されています。
  • ~/.fonts.conf.d ディレクトリーの使用は非推奨となりました。ユーザーにはディレクトリーを ~/.config/fontconfig/ ディレクトリーに移動することが奨励されています。
  • /etc/fonts/conf.avail/ ディレクトリーのすべての無効にされた fontconfig 設定ファイルは /usr/share/fontconfig/conf.avail/ ディレクトリーに移動しています。古い場所を参照するローカルのシンボリックリンクがある場合は、それらを必ず更新するようにしてください。

パート II. 設定および管理

Red Hat Enterprise Linux 7 デスクトップ移行および管理ガイド』の第 2 部では、GNOME デスクトップを設定し、管理するための各種の方法について説明します。

第9章 GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定

9.1. 用語の説明: GSettings、gsettings、および dconf

このセクションでは、混乱しやすいいくつかの用語について定義します。
dconf
dconf はユーザー設定を管理するキーベースの設定システムです。これは Red Hat Enterprise Linux 7 で使用される GSettings のバックエンドです。dconf は、GDM、アプリケーション、およびプロキシー設定を含む複数の異なる設定を管理します。
dconf
dconf コマンドは、個別の値またはディレクトリー全体の読み取りおよび書き込みを dconf データベース間で行うために使用されます。
GSettings
GSettings は、アプリケーション設定のための高レベル API、dconf のフロントエンドです。
gsettings
gsettings コマンドラインツールは、ユーザー設定を表示し、変更するために使用されます。

9.2. ユーザーおよびシステム設定

dconf により、システム管理者およびユーザーは、設定に対する複数のレベルの制御を実行できます。
  • 管理者は、すべてのユーザーに適用されるデフォルト設定を定義できます。
  • ユーザーは、各自の設定でデフォルトを上書きできます。
  • オプションで、管理者はユーザーが上書きできないように設定をロックすることもできます。詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。

9.3. デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照

GSettings 値を表示し、編集するために 2 つのツールを使用することができます。
  • dconf-editor GUI ツール。
  • gsettings コマンドラインユーティリティー。

注記

デフォルトでは dconf-editor がシステムにインストールされていない場合があります。これをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install dconf-editor
dconf-editor および gsettings ユーティリティーはいずれもシステムおよびアプリケーション設定のオプションを参照し、変更することを可能にします。これらのユーティリティーを使用してグラフィカルユーザーインターフェースに存在しない設定も変更することもできます。
dconf-editor は設定を参照し、編集するための GUI を提供します。これはツリービューで設定の階層を表示し、さらに説明、タイプおよびデフォルト値を含む各設定の追加情報も表示します。gsettings は、dconf 値を表示し、設定するために使用することができます。これにはコマンドおよび設定の Bash の補完も含まれます。gsettings は、シェルスクリプトの設定を自動化するために使用できます。
dconf-editor および gsettings ユーティリティーはいずれも現在のユーザーの GSettings データベースを参照し、変更することを目的としていることに注意してください。これは、これらのツールは通常のユーザーとして常に実行する必要があることを意味します。
org.gnome.destop.background GSettings キーを表示する dconf-editor

図9.1 org.gnome.destop.background GSettings キーを表示する dconf-editor

詳細情報の入手

dconf-editor ツールについての詳細は、dconf-editor(1) man ページを参照してください。
gsettings ユーティリティーについての詳細は、gsettings(1) man ページを参照してください。

9.4. dconf プロファイルとは

プロファイルとは、dconf システムが収集するシステムのハードウェアおよびソフトウェア設定データベースの一覧です。dconf プロファイルを使って、ハードウェアおよびソフトウェアの問題をトラブルシューティングするために同一のシステムを比較することができます。
dconf システムはそのプロファイルをテキストファイルに保存します。$DCONF_PROFILE 環境変数で /etc/dconf/profile/ ディレクトリーからファイルへの相対パスを指定することも、ユーザーのホームディレクトリーの場合のように絶対パスを指定することもできます。
dconf プロファイル で設定されるキーのペアは、設定した値に関連する問題がない限り、デフォルト設定を上書きします。

9.4.1. dconf プロファイルの選択

起動時に、dconf は変数が設定されているかどうかについて $DCONF_PROFILE 環境変数を参照します。変数が設定されている場合は、dconf は名前付きプロファイルを開くことを試行し、このステップが失敗する場合は中止します。
環境変数が設定されていない限り、dconfuser という名前のプロファイルを開くことを試行します。このステップが依然として失敗する場合、dconf は内部に組み込まれた設定に戻します。
プロファイルの各行は 1 つの dconf データベースを指定します。最初の行は変更を書き込むために使用されるデータベースを示し、残りの行は読み取り専用データベースを表示しています。以下は、/etc/dconf/profile/user に保存されるサンプルプロファイルです。
user-db:user
system-db:local
system-db:site
このサンプルプロファイルは次の 3 つのデータベースを指定します: user は通常 ~/.config/dconf にあるユーザーデータベースの名前で、local および site/etc/dconf/db/ にあるシステムデータベースです。

重要

セッションの dconf プロファイルはログイン時に判別されるため、ユーザーはログアウトしてからログインし、新規の dconf ユーザープロファイルをセッションに適用する必要があります。

9.5. カスタムデフォルト値の設定

マシン全体のデフォルト設定は、dconf プロファイルにキーのデフォルトを指定して設定することができます。これらのデフォルトはユーザーが上書きすることができます。
キーのデフォルトを設定するには、user プロファイルが存在しており、キーの値が dconf データベースに追加されている必要があります。

例9.1 デフォルト背景の設定

  1. デフォルト背景が存在しない場合は、/etc/dconf/profile/useruser プロファイルを作成します。
    user-db:user
    system-db:local
    ここで、localdconf データベースの名前です。
  2. ローカルデータベースの キーファイル/etc/dconf/db/local.d/01-background に作成します。これには以下のデフォルト設定が含まれます。
    # dconf path
    [org/gnome/desktop/background]
    
    # GSettings key names and their corresponding values
    picture-uri='file:///usr/local/share/backgrounds/wallpaper.jpg'
    picture-options='scaled'
    primary-color='000000'
    secondary-color='FFFFFF'
    キーファイル のデフォルト設定では、以下の GSettings キーが使用されます。

    表9.1 org.gnome.desktop.background スキーマの GSettings キー

    キー名設定可能な値説明
    picture-options"none"、"wallpaper"、"centered"、"scaled"、"stretched"、"zoom"、"spanned"wallpaper_filename で指定した画像をどのように描画するか設定します。
    picture-uriファイル名とパス背景の画像に使用する URI です。背景はローカル (file://) URI のみをサポートすることに注意してください。
    primary-colordefault: 000000グラデーション時の左側または上側の色、あるいは単色時の色です。
    secondary-colordefault: FFFFFFグラデーション時の右側または下側の色です。単色時には使用されません。
  3. 設定に応じて キーファイル を編集します。詳細は、「デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照」 を参照してください。
  4. システムデータベースを更新します。
    # dconf update

重要

user プロファイルが作成または変更される場合、ユーザーは変更が適用される前にログアウトしてから再びログインする必要があります。
user プロファイルが作成されることを防ぐ必要がある場合は、dconf コマンドユーティリティーを使用して、dconf データベース間で個々の値やディレクトリー全体の読み取りおよび書き込みを行うことができます。詳細は、dconf(1) man ページを参照してください。

9.5.1. 特定の設定のロックダウン

dconf のロックダウンモードは、ユーザーが特定の設定を変更できないようにする上で役立つツールです。
GSettings キーをロックダウンするには、キーファイルディレクトリーに locks サブディレクトリーを作成する必要があります (例: /etc/dconf/db/local.d/locks/)。このディレクトリー内のファイルには、ロックするキーの一覧が含まれ、このディレクトリーには任意の数のファイルを追加することができます。

重要

ロックダウンを使用したシステム設定を強制しない場合、ユーザーは各自の設定でシステム設定を簡単に上書きすることができます。ユーザーが行ったすべての設定は、システム設定を強制するロックダウンがない限り、システム設定よりも優先されます。
以下の例は、デフォルトの壁紙の設定をロックする方法について説明しています。ロックする必要のあるその他の設定については以下の手順に従ってください。

例9.2 デフォルトの壁紙のロックダウン

  1. 「デフォルトデスクトップ背景のカスタマイズ」 のステップに従ってデフォルトの壁紙を設定します。
  2. /etc/dconf/db/local.d/locks/ という名前の新規ディレクトリーを作成します。
  3. 以下のコンテンツを含む新規ファイルを /etc/dconf/db/local.d/locks/00-default-wallpaper に作成します。1 行ごとに 1 つのキーが一覧表示されます。
    # Prevent users from changing values for the following keys:
    /org/gnome/desktop/background/picture-uri
    /org/gnome/desktop/background/picture-options
    /org/gnome/desktop/background/primary-color
    /org/gnome/desktop/background/secondary-color
  4. システムデータベースを更新します。
    # dconf update

9.6. GSettings キーのプロパティー

GSettings キーは dconf データベースに 1 回のみ設定できます。同じキーを dconf データベースの複数の異なる場所の異なる値に設定する場合、それらの値の内の 1 つのみが有効になります。つまり、1 つのキー設定が別の設定で上書きされます。
dconf システムデータベースでは、それぞれのキーに 1 つの値のみを持たせることができます。一部のキーに複数の値がある場合、配列タイプという値のタイプが使用されています。この値タイプでは、値を複数要素のコンマ区切りの一覧として指定できます。以下は、配列値の例になります。
key=['option1', 'option2']

例9.3 org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キー

org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キーを設定すると、以下のようになります。これは 1 回のみ設定できるため、値に 2 つの要素が必要な場合、それらを同じ設定ファイルに指定する必要があります。この値は配列タイプであるため、これには複数の要素を持たせることができます。
[org/gnome/desktop/input-sources]
# Enable Ctrl-Alt-Backspace for all users
# Set the Right Alt key as the Compose key and enable it
xkb-options=['terminate:ctrl_alt_bksp', 'compose:ralt']

9.7. NFS でのユーザー設定の保存

ネットワークファイルシステム (NFS) ホームディレクトリーを使用する際に dconf が正常に機能するようにするには、dconf キーファイルバックエンド を使用する必要があります。
dconf キーファイルバックエンド を使用する場合は、glib2-fam パッケージがシステム上にインストールされている必要があることに注意してください。そうでない場合は、リモートマシンに対する設定変更についての通知は適切に機能しません。

手順9.1 dconf キーファイルバックエンドの設定

  1. glib2-fam パッケージがシステム上にインストールされていることを確認します。
    1. システムを Optional チャンネルにサブスクライブさせる必要があります。システムを Optional チャンネルにサブスクライブさせる方法は、「Red Hat Subscription Management (RHSM) を使用して、オプショナルチャンネル、サブチャンネル、-devel パッケージにアクセスする」 を参照してください。
    2. 以下のコマンドを実行して glib2-fam パッケージをインストールします。
      # yum install glib2-fam
  2. すべてのクライアントで /etc/dconf/profile/user ファイルを作成または編集します。
  3. このファイルの先頭に、以下の行を追加します。
    service-db:keyfile/user
dconf キーファイルバックエンド はユーザーの次回のログイン時に有効になります。これは更新が行われたかどうかを判別するためにキーファイルをポーリングするため、設定がすぐに更新されない場合があります。

第10章 デフォルトの外観

GNOME 3 デスクトップの外観および機能は、個別ユーザーとすべてのユーザー向けにシステム管理者によってカスタマイズできます。システム管理者は、すべてのユーザーに対してカスタマイズされたデフォルトのデスクトップ設定を提供でき、ユーザーによる変更を防ぐためにそれらの機能をロックダウンすることもできます。
本章では、インストールプログラム (Anaconda)、システム起動ユーティリティー (GRUBPlymouth)、ログイン画面、フォント、キーボードのレイアウト、スクリーンシールドおよびデスクトップの背景をカスタマイズする方法について説明します。

10.1. Anaconda のブランド化

会社用に独自のカスタマイズされたディストリビューションを構築している場合、Red Hat Enterprise Linux 7 インストーラーの Anaconda で使用されるブランドグラフィックスおよび製品名を変更することができます。
Anaconda のグラフィックスおよび製品名の変更についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 の 『 Anaconda Customization Guide』を参照してください。

10.2. ブートローダー画面

Red Hat Enterprise Linux 7 のブートローダーは GRUB 2 です。GRUB 2 の外観の複数の部分を変更することができます。以下のセクションでは、ディストリビューション名、メニューの色、および背景の画像を変更する方法を示します。

10.2.1. ディストリビューション名

デフォルトで、GRUB 2 はディストリビューション名を含むタイトルを表示します。タイトルは /etc/default/grub ファイルの GRUB_DISTRIBUTOR 変数をカスタマイズして変更することができます。

手順10.1 ディストリビューション名の設定

  1. root として /etc/default/grub ファイルを開きます。
  2. GRUB_DISTRIBUTOR 変数を使用して独自のディストリビューション名を指定します。以下は、/etc/default/grub ファイルの一部です。2 行目を GRUB_DISTRIBUTOR 変数で 更新します。
    GRUB_TIMEOUT=5
    GRUB_DISTRIBUTOR=Our Corporate Distro V1.2
    GRUB_DEFAULT=saved
    GRUB_DISABLE_SUBMENU=true
    ...
  3. root として以下のコマンドを実行して、変更が有効になるようにします。
    grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg

    注記

    /etc/default/grub ディレクトリーは毎回変更を加えるたびに更新する必要があります。
さらに GRUB 2 画面の色またはフォントを変更するには、/etc/grub.d/40_custom のプレーンテキストファイルを変更するか、または別のファイルを /etc/grub.d/ ディレクトリーに追加します。以下のディレクティブから選択します。
  • set color_normal=foreground/background
  • set color_highlight=foreground/background
  • set menu_color_normal=foreground/background
  • set menu_color_highlight=foreground/background
セマンティクスおよびそれらの変数に許可される値についての詳細は、grub(8) man ページを参照してください。

10.2.2. GRUB 2 の背景

デフォルトのセットアップでは GRUB の背景は設定されません。しかし、画像をブートローダー画面に追加することはできます。
GRUB 2 の背景画像を設定する前に、GRUB 2 Unicode フォントを gfxterm グラフィカル端末用にインストールしておく必要があります。フォントはデフォルトで提供されないため、既存の TTF または OTF ファイルを GRUB 2 で使用される PF2 形式に変換しておく必要があります。
grub2-mkfont コマンドを実行して、既存の TTF または OTF ファイルを PF2 形式に変換します。grub2-mkconfig で書き込まれるデフォルト設定で正常に機能するように 出力ファイル unicode.pf2 の名前を付けます。

例10.1 TTF ファイルの PF2 形式への変換

以下の例では、LiberationSerif-Bold.ttf から .pf2 形式への変換を示しています。新規の .pf2 形式ファイルは、/grub2/fonts/ ディレクトリー内の既存の unicode.pf2 と混同しないように unicode2 とされています。
grub2-mkfont --output=/boot/grub2/fonts/unicode2.pf2 --size=24 /usr/share/fonts/liberation/LiberationSerif-Bold.ttf
これで、GRUB 2 の背景画像を設定することができます。画像ファイルは boot/ ディレクトリーの外に置くことができます。

手順10.2 画像のブートローダー画面への追加

  1. root として /etc/default/grub ファイルを開きます。
  2. ファイル内の以下の設定変数を編集します。
    GRUB_TERMINAL=gfxterm
    GRUB_BACKGROUND=path_to_the_image.png
    サポートされる形式は PNG、JPG、JPEG、および TGA です。
  3. 背景画像を使用して新しい設定ファイルを作成します。
    grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
  4. システムを再起動します。
必要な場合は、画像のサイズが画面に合うように調整されます。

10.3. Plymouth

Plymouth は、Red Hat Enterprise Linux 7 のグラフィカルなブートシステムおよびロガーであり、カーネルベースモード設定 (KMS) およびダイレクトレンダリングマネージャー (DRM) を使用します。さらに Plymouth は起動時のユーザー操作を処理します。
起動画面の外観は、各種の静的または動的なグラフィカルテーマを選択してカスタマイズできます。新規のテーマは既存のテーマをベースにして作成することができます。

10.3.1. テーマのブランド化

Plymouth は、テーマデータファイルとコンパイルされた スプラッシュプラグインモジュール から構成されます。データファイルには .plymouth という拡張子が付き、このファイルは /usr/share/plymouth/themes/ ディレクトリーにインストールされます。
設定データは、キーと値の形式で [Plymouth Theme] セクションに指定されます。グループの有効なキーは、NameDescription、および ModuleName です。最初の 2 つのキーは説明を要さない自明のキーですが、3 つ目は Plymouth スプラッシュプラグインモジュールの名前を指定します。複数の異なるプラグインが起動時に異なるアニメーションと各種テーマの基礎となる実装を提供します。

例10.2 サンプル .plymouth ファイル

[Plymouth Theme]
Name=Charge
Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form.
ModuleName=two-step

手順10.3 Plymouth テーマの変更

  1. 既存の Plymouth テーマを検索し、最も適切なテーマを選択します。以下のコマンドを実行します。
    # yum search plymouth-theme
    または、plymouth-set-default-theme --list コマンドを実行して、インストールされたテーマを表示します。
    すべての plymouth パッケージのインストール時にすべてのテーマをインストールすることもできます。ただし、これは不必要なパッケージを数多くインストールすることにもなります。
    # yum install plymouth\*
  2. plymouth-set-default-theme theme_name コマンドで、新規テーマをデフォルトとして設定します。

    例10.3 デフォルトテーマとしての「spinfinity」の設定

    spinfinity テーマを選択してから、以下を実行します。
    # plymouth-set-default-theme spinfinity
  3. 編集後に initrd デーモンを再構築します。そうしないと、選択したテーマは起動画面に表示されません。以下を実行してこれを実行します。
    # dracut -f

10.3.2. 新規 Plymouth テーマの作成

所定のテーマ一覧から選択せずに、独自のテーマを作成することができます。最も簡単な方法は、既存テーマをコピーし、これを変更する方法です。

手順10.4 既存テーマから独自テーマを作成

  1. plymouth/ ディレクトリーのコンテンツ全体をコピーします。テンプレートディレクトリーとして、たとえば Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのテーマである /usr/share/plymouth/themes/charge/charge.plymouth を使用します。このテーマは two-step スプラッシュプラグインを使用します (two-step は人気のあるブートローダー機能です。2 段階のブートプロセスのうち最初のものが起動時に同期してアニメーションの進捗状況を表示し、終了時に単発の短いアニメーションが表示されます)。
    [Plymouth Theme]
    Name=Charge
    Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form.
    ModuleName=two-step
    
    [two-step]
    ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/charge
    HorizontalAlignment=.5
    VerticalAlignment=.5
    Transition=none
    TransitionDuration=0.0
    BackgroundStartColor=0x202020
    BackgroundEndColor=0x202020
  2. charge.plymouth ファイルに以下の形式の新しい名前を付け、/usr/share/plymouth/themes/newtheme/ ディレクトリーに保存します。
    newtheme.plymouth
  3. /usr/share/plymouth/themes/newtheme/newtheme.plymouth ファイルの設定内容をそれぞれの設定に応じて更新し、色、配置または切り替えを変更します。
  4. 以下のコマンドを実行して newtheme をデフォルトとして設定します。
    # plymouth-set-default-theme newtheme
  5. 以下のコマンドを実行し、テーマの変更後に initrd デーモンを再構築します。
    # dracut -f

10.3.2.1. ブランド化されたロゴの使用

一部のプラグインはスプラッシュアニメーションの一部としてブランド化されたロゴを表示します。独自のロゴをテーマに追加する必要がある場合、以下の短い手順に従ってください。

重要

ブランド化されたロゴの画像形式は .png 形式でなければならないことに注意してください。

手順10.5 ログのテーマへの追加

  1. 独自のロゴを使って logo.png という名前の画像ファイルを作成します。
  2. ステップ 1 で作成した logo.png 画像ファイルを含むディレクトリーを参照するように ImageDir キーを更新し、/usr/share/plymouth/themes/newtheme.plymouth ファイルを編集します。
    ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/newtheme
Plymouth についての詳細は、plymouth(8) man ページを参照してください。

10.4. ログイン画面のカスタマイズ

GNOME ログイン画面には、カスタマイズできるいくつかの要素が含まれています。これらはシステム管理者のみが変更でき、この変更はすべてのユーザーに影響を及ぼします。このセクションでは、Greeter テキスト、キーボードのレイアウト、およびユーザー一覧をカスタマイズする方法を説明します。

10.4.2. テキストバナーの表示

ログイン画面のテキストバナーは、以下の GSettings キーによって制御されます (GSettings の詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください)。
org.gnome.login-screen.banner-message-enable
バナーメッセージの表示を有効にします。
org.gnome.login-screen.banner-message-text
ログイン画面にテキストバナーのメッセージを表示します。
GDM は独自の dconf プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することにより、テキストバナーを設定できます。

手順10.7 ログイン画面上のテキストバナーの表示

  1. /etc/dconf/profile/gdm 内に gdm プロファイルを作成し、以下の行を含めます。
    user-db:user
    system-db:gdm
    file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
    gdmdconf データベースの名前になります。
  2. /etc/dconf/db/gdm.d/01-banner-message にマシン全体の設定の gdm データベースを作成します。
    [org/gnome/login-screen]
    banner-message-enable=true
    banner-message-text='Type the banner message here'

    注記

    バナーメッセージには文字数の制限はありません。GNOME Shell は長いテキストを自動検出して、2 行にします。ただし、バナーメッセージのテキストを外部ファイルから読み取ることはできません。
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
バナーテキストはユーザーリストから選択した場合やボックスへの入力を開始する際に表示されます。次回のログイン時にパスワードを挿入するとテキストが表示されます。

10.4.2.1. バナーメッセージが更新されなかったら?

バナーメッセージが表示されない場合は、dconf update コマンドを実行していることを確認します。
バナーメッセージが更新されない場合は、GDM の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。

10.4.3. 複数のキーボードレイアウトの表示

ユーザーがログイン画面で選択できる代替キーボードのレイアウトは追加することができます。
これは、通常デフォルトとは異なるキーボードのレイアウトを使用するユーザーや、ログイン画面でキーボードの複数レイアウトを利用可能にしておく必要のあるユーザーにとって役立ちます。ただし、この選択はログイン画面の使用時のみに適用されます。いったんログインすると、ユーザー独自の設定が優先されます。

手順10.8 システムのキーボードレイアウト設定の変更

  1. ! layout という名前のセクションの下にある /usr/share/X11/xkb/rules/base.lst ファイルで、必要な言語レイアウトのコードを見つけます。
  2. 以下のように localectl ツールを使用して、システムのキーボードレイアウト設定を変更します。
    $ localectl set-x11-keymap layout
    コンマ区切りの一覧で複数のレイアウトを指定することができます。たとえば、es をデフォルトレイアウトとして、さらに us を 2 番目のレイアウトとして設定するには、以下のコマンドを実行します。
    $ localectl set-x11-keymap es,us
  3. ログアウトし、定義されたレイアウトがログイン画面のトップバーで利用可能な状態にあることを確認します。
さらに、localectl ツールを使用してマシン全体のデフォルトのキーボードモデル、バリアントおよびオプションを指定できる点にも注意してください。詳細は、localectl(1) man ページを参照してください。

10.4.4. ログイン画面ユーザー一覧の無効化

org.gnome.login-screen.disable-user-list GSettings キーを設定してログイン画面に表示されるユーザー一覧を無効にすることができます。
ユーザー一覧が無効にされている場合、ユーザーはログインのプロンプト時にユーザー名とパスワードを入力する必要があります。

手順10.9 org.gnome.login-screen.disable-user-list キーの設定

  1. /etc/dconf/profile/gdm 内に gdm プロファイルを作成し、以下の行を含めます。
    user-db:user
    system-db:gdm
    file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
    gdmdconf データベースの名前になります。
  2. /etc/dconf/db/gdm.d/00-login-screen にマシン全体の設定の gdm データベースを作成します。
    [org/gnome/login-screen]
    # Do not show the user list
    disable-user-list=true
  3. dconf ユーティリティーを更新してシステムデータベースを更新します。
    # dconf update

10.5. デスクトップ背景のカスタマイズ

dconf ユーティリティーを使用して、デフォルト背景を設定したり、背景を追加したり、複数の背景を追加したりすることができます。
システムのユーザーがこれらの設定をデフォルトから変更することを許可されていない場合、システム管理者は locks ディレクトリーを使って設定をロックする必要があります。ロックしない場合は、各ユーザーはそれぞれの設定に合わせて設定をカスタマイズすることができます。詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。

10.5.1. デフォルトデスクトップ背景のカスタマイズ

org.gnome.desktop.background スキーマの関連する GSettings キーを設定して、デフォルトのデスクトップ背景とその外観を設定することができます。
GSettings についての詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。

手順10.10 デフォルト背景の設定

  1. /etc/dconf/db/local.d/00-background にマシン全体の設定の local データベースを作成します。
    # Specify the dconf path
    [org/gnome/desktop/background]
    
    # Specify the path to the desktop background image file
    picture-uri='file:///usr/local/share/backgrounds/wallpaper.jpg'
    # Specify one of the rendering options for the background image:
    # 'none', 'wallpaper', 'centered', 'scaled', 'stretched', 'zoom', 'spanned'
    picture-options='scaled'
    # Specify the left or top color when drawing gradients or the solid color
    primary-color='000000'
    # Specify the right or bottom color when drawing gradients
    secondary-color='FFFFFF'
  2. ユーザーが設定を変更することを防ぐために、/etc/dconf/db/local.d/locks/background でユーザーの設定を上書きします。
    # List the keys used to configure the desktop background
    /org/gnome/desktop/background/picture-uri
    /org/gnome/desktop/background/picture-options
    /org/gnome/desktop/background/primary-color
    /org/gnome/desktop/background/secondary-color
    詳細情報については、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

10.5.2. 背景の追加

追加の背景をシステム上のユーザーに利用可能にすることができます。
  1. org.gnome.desktop.background スキーマ で追加の背景の外観を指定する filename.xml ファイルを作成します (ファイル名に関する要件はありません)。以下は最も頻繁に使用されるスキーマの一覧です。

    表10.1 org.gnome.desktop.background スキーマの GSettings キー

    キー名設定可能な値説明
    picture-options"none"、"wallpaper"、"centered"、"scaled"、"stretched"、"zoom"、"spanned"wallpaper_filename で指定した画像をどのように描画するか設定します。
    color-shading-type"horizontal"、"vertical"、および "solid"背景の色調をどのように変化させるか設定します。
    primary-colordefault: #023c88グラデーション時の左側または上側の色、あるいは単色時の色です。
    secondary-colordefault: #5789caグラデーション時の右側または下側の色です。単色時には使用されません。
    オプションの一覧情報は、dconf-editor GUI または gsettings コマンドラインユーティリティーで参照できます。詳細は、「デスクトップアプリケーションの GSettings 値の参照」 を参照してください。
  2. filename.xml ファイルを /usr/share/gnome-background-properties/ ディレクトリーに保存します。
ユーザーが右上にある名前をクリックして 設定 を選択し、表の パーソナルセクションで 背景 を選択すると、利用可能な新規の背景が表示されます。
サンプルを参照して org.gnome.desktop.background GSettings キーが実際にどのように実装されるかを確認してください。

例10.4 追加の背景ファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE wallpapers SYSTEM "gnome-wp-list.dtd">
<wallpapers>
  <wallpaper deleted="false">
    <name>Company Background</name>
    <name xml:lang="de">Firmenhintergrund</name>
    <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper.jpg</filename>
    <options>zoom</options>
    <shade_type>solid</shade_type>
    <pcolor>#ffffff</pcolor>
    <scolor>#000000</scolor>
  </wallpaper>
</wallpapers>
1 つの設定ファイルに、複数の <wallpaper> 要素を指定して複数の背景を追加することができます。
2 つの <wallpaper> 要素を含み、2 つの異なる背景を追加する .xml ファイルの例については以下を参照してください。

例10.5 2 つの壁紙要素を含む追加の背景ファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE wallpapers SYSTEM "gnome-wp-list.dtd">
<wallpapers>
  <wallpaper deleted="false">
    <name>Company Background</name>
    <name xml:lang="de">Firmenhintergrund</name>
    <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper.jpg</filename>
    <options>zoom</options>
    <shade_type>solid</shade_type>
    <pcolor>#ffffff</pcolor>
    <scolor>#000000</scolor>
  </wallpaper>
  <wallpaper deleted="false">
    <name>Company Background 2</name>
    <name xml:lang="de">Firmenhintergrund 2</name>
    <filename>/usr/local/share/backgrounds/company-wallpaper-2.jpg</filename>
    <options>zoom</options>
    <shade_type>solid</shade_type>
    <pcolor>#ff0000</pcolor>
    <scolor>#00ffff</scolor>
  </wallpaper>
</wallpapers>

10.5.3. スクリーンシールドの設定

スクリーンシールド は、システムがロックされるとすぐに下にスライドする画面です。これは org.gnome.desktop.screensaver.picture-uri GSettings キーによって制御されます。GDM は独自の dconf プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することによりデフォルトの背景を設定できます。
GSettings および dconf についての詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。

手順10.11 スクリーンシールドへのロゴの追加

  1. /etc/dconf/db/gdm.d/01-screensaver にマシン全体の設定の gdm データベースを作成します。
    [org/gnome/desktop/screensaver]
    picture-uri='file:///opt/corp/background.jpg'
    /opt/corp/background.jpg を、スクリーンシールドとして使用する画像ファイルへのパスに置き換えます。
    サポートされる形式は PNG、JPG、JPEG、および TGA です。画像のサイズは、画面のサイズに合わせる必要がある場合に調整されます。
  2. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  3. システムワイドの設定を有効にするには、ログアウトする必要があります。
次回の画面ロック時に、新規のスクリーンシールドが背景に表示されます。手前には時間、日付および曜日が表示されます。

10.5.3.1. スクリーンシールドが更新されなかったら?

システムデータベースを更新するために root として dconf update コマンドを実行していることを確認します。
背景が更新されていない場合は、GDM の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。

10.6. フォントの設定

Red Hat Enterprise Linux 7 では、フォントの管理およびカスタマイズに fontconfig ユーティリティーを使用します。fontconfig はフォント管理を簡素化し、アンチエイリアス処理などの表示機能を提供します。本セクションでは、以下のフォント管理タスクについて説明します。
  • 新規フォントの追加 (特定ユーザー向けおよび全ユーザー向けの両方)
  • 見つからないフォントの代わりに使用するフォントの指定
  • フォントエイリアスの設定
  • 言語ごとのフォント設定の定義
  • フォントのプロパティーのカスタマイズ
システム上で利用可能なフォントの一覧をコンパイルするために、fontconfig/etc/fonts/fonts.conf 設定ファイルにデフォルトで一覧表示されるディレクトリーを検索します。
fontconfig が認識する、システムにインストール済みのすべてのフォントを一覧表示するには、fc-list コマンドを使用できます。
$ fc-list : file
fc-list の詳細は、fc-list(1) man ページを参照してください。
fontconfig およびその設定の詳細は、fonts-conf(5) man ページを参照してください。

10.6.1. すべてのユーザー用のフォントの追加

フォント処理に fontconfig を使用するアプリケーションを使用して、ユーザーが利用できる追加フォントをインストールすることができます。

手順10.12 追加フォントのインストール

  1. フォントをインストールするには、/usr/local/share/fonts/ ディレクトリーにコピーします。ディレクトリーがない場合は作成します。
  2. 一部のフォントには、太字、イタリックなどの複数のファイルがあるため、インストールしている各フォントファミリーのサブディレクトリーを作成します。
  3. 以下のコマンドを実行してフォントキャッシュが更新されていることを確認します。
    $ fc-cache /usr/local/share/fonts/

重要

fontconfig は新規フォントを検出し、それらを利用可能にします。一部のアプリケーションは、ユーザーセッションとは異なり、新規フォントの使用を可能にするために再起動する必要があることがあります。

代替ディレクトリーの使用

または、ディレクトリーが /etc/fonts/fonts.conf ファイルに一覧表示されている場合、/usr/local/share/fonts/ 以外のシステムディレクトリーにフォントをインストールすることもできます。一覧表示されていない場合は、使用するディレクトリーが含まれる /etc/fonts/local.conf に、独自のマシン全体の設定ファイルを作成する必要があります。詳細は、fonts-conf(5) man ページを参照してください。
代替ディレクトリーを使用している場合は、fc-cache コマンドでフォントキャッシュを更新する際にディレクトリー名を必ず指定します。
$ fc-cache directory_name

10.6.2. 個別ユーザー用のフォントの追加

フォント処理に fontconfig を使用するアプリケーションして、特定のユーザーが利用できる追加フォントをインストールすることができます。

手順10.13 追加フォントのインストール

  1. フォントを ~/.local/share/fonts/ ディレクトリーにコピーして、インストールします。
  2. 以下のコマンドを実行してフォントキャッシュが更新されていることを確認します。
    $ fc-cache ~/.local/share/fonts

重要

fontconfig は新規フォントを検出し、それらを利用可能にします。変更を確認するには、実行中のアプリケーションの再起動が必要になることがあります。ユーザーセッションを再起動する必要はありません。

10.6.3. フォントの置き換え

アプリケーションがシステム上で利用できないフォントを要求する際、fontconfig/etc/fonts/fonts.conf 設定ファイルを読み取り、要求されるフォントの代わりとしてこれに最も類似する利用可能なフォントを判別します。個別の文字も、要求されるフォントにない場合は置き換えが可能です。
特定のフォントのフォント置き換えを設定するには、Fonts Tweak Tool を使用することができます。このツールはユーザー別の設定の場合にのみ使用できることに注意してください。
Fonts Tweak Tool を使用したフォントの置き換え

図10.1 Fonts Tweak Tool を使用したフォントの置き換え

Fonts Tweak Tool はデフォルトでシステムにインストールされていない場合があります。これをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install fonts-tweak-tool

手順10.14 フォントの置き換え

  1. Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、Fonts Tweak Tool と入力してから Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。
  2. Font Substitutionsタブをクリックします。
  3. 左側のペインの左下にある + ボタンをクリックして、置き換えるフォントの名前を選択または入力してから 追加 をクリックします。
  4. 右側のペインの左下の + ボタンをクリックして、最初のフォントの置き換えに使用するフォントの名前を選択してから 追加 をクリックします。
  5. 閉じる をクリックします。
これで、選択した利用可能なフォントが古いフォントに置き換わります。

10.6.4. フォントエイリアスの設定

Fonts Tweak Tool は、各ロケールについて、個々のユーザーが異なるフォントエイリアスを設定できるようにします。
  • Sans Serif
  • Serif
  • Monospace
  • Cursive
  • Fantasy
上記のエイリアスは、serif および monospace タイプなどの一般的なフォントのタイプを表すために使用されます。アプリケーションおよびユーザーは、システム上にインストールされた特定のフォントを指定する必要なく、これらのエイリアスを参照することができます。
ユーザーはこれらのエイリアスのそれぞれにカスタムフォントを選択して、システムデフォルトのフォントを上書きできます。
Fonts Tweak Tool はデフォルトでシステムにインストールされていない場合があります。これをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install fonts-tweak-tool
Fonts Tweak Tool を使用したフォントエイリアスの設定

図10.2 Fonts Tweak Tool を使用したフォントエイリアスの設定

手順10.15 フォントエイリアスの設定

  1. Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、Fonts Tweak Tool と入力してから Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。
  2. Font Aliases タブをクリックします。
  3. 左側のペインの下にある + ボタンをクリックし、フォントエイリアスを設定する必要のあるロケールの名前を選択または入力してから 追加 をクリックします。
    使用されているロケールかどうかにかかわらず、デフォルトのフォントエイリアスを設定するには、ロケールの一覧から「デフォルト」を選択します。
  4. 右側のペインで、システムのデフォルトの上書きに必要なフォントエイリアスを見つけ、ドロップダウンリストからカスタムフォントを選択します。
  5. 閉じる をクリックします。
これで、システムのデフォルトエイリアスを上書きし、新規のカスタムフォントを選択できました。

10.6.5. 複数言語の順序

Fonts Tweak Tool により、複数の言語をユーザーインターフェースに設定しているユーザーは、アプリケーションに言語を表示する順序を変更することができます。この機能は、ラテンおよびラテン以外のフォントの両方を使用し、ラテン文字を表示するのにラテン以外をベースとするフォントを使用する必要のないユーザーにとってとくに便利です。
たとえば、言語として日本語と英語を設定し、英語のラテン文字を日本語のラテン以外をベースとするフォントと共に表示することを避ける場合は、英語をプライマリー言語として設定し、日本語をセカンダリーとして設定します。次に、ラテンベースのフォントは英語の文字を表示するために使用され、ラテン以外をベースとするフォントは日本語の文字のみを表示するためにのみ使用されます。
Fonts Tweak Tool はデフォルトでシステムにインストールされていない場合があります。これをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install fonts-tweak-tool

手順10.16 複数言語の設定

  1. Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、Fonts Tweak Tool と入力してから Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。
  2. Language Ordering タブをクリックします。
  3. ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、プライマリーとして設定する必要のある言語の名前を選択するか、これを入力してから 追加 をクリックします。
  4. 別の言語を追加するには、ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、セカンダリーとして設定する必要のある言語の名前を選択してから 追加 をクリックします。
    このステップを繰り返して言語を追加します。
  5. 閉じる をクリックします。

重要

ユーザーインターフェースに、アプリケーションの言語が表示される順序を設定することができます。
複数の言語が設定される場合、一部のアプリケーション (xterm および他の Xft アプリケーションなど) は、ユーザーの言語のすべての文字を適切に表示しない場合があります。これは、それらのアプリケーションまたはアプリケーションが使用しているレンダリングライブラリーにフォールバックフォントのサポートがないためです。

10.6.6. フォントプロパティーの設定

Fonts Tweak Tool を使用するユーザーは、各種のフォントプロパティーを変更でき、ユーザーごとに詳細なフォント設定を行うことができます。
Fonts Tweak Tool はデフォルトでシステムにインストールされていない場合があります。これをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install fonts-tweak-tool

手順10.17 フォントプロパティーの変更

  1. Super キーを押して アクティビティ画面 に入り、Fonts Tweak Tool と入力してから Enter を押して Fonts Tweak Tool を起動します。
  2. Fonts Properties タブをクリックします。
  3. ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックし、プロパティーを変更するフォントの名前を選択するか、これを入力してから 追加 をクリックします。
    このステップを繰り返してフォントを追加します。
  4. 必要に応じてフォントのプロパティーを変更します。
  5. 閉じる をクリックします。
追加される一部のフォントでは、以下が、ユーザーが Fonts Properties タブで設定できるフォントプロパティーの一部に含まれます。
Use the embedded bitmap font if available (組み込みビットマップフォントの使用 (ある場合))。
これは、アウトラインフォントよりもビットマップフォントを好むユーザーにとって便利です。埋め込みビットマップフォントを使用するには、適切なフォントを追加し、Use embedded bitmap font if any をクリックします。
Use the JIS X 2013:2004 glyphs (JIS X 2013:2004 グリフの使用)。
JIS X 2013:2000 以前のものではなく、JIS X 2013:2004 標準の日本語のグリフを使用するには、JIS X 2013:2004 をサポートするフォントを追加してから Features リストの jp04 をクリックします。

第11章 GNOME Shell 拡張機能

本章では、GNOME Shell 拡張機能のシステム全体の設定について説明します。拡張機能の表示方法、それらを有効にする方法、有効にされた拡張機能の一覧をロックする方法、またはいくつかの拡張機能をシステムのユーザーの必須機能としてセットアップする方法について学ぶことができます。
GNOME Shell 拡張機能を設定する際には、以下の 2 つの GSettings キーを設定して dconf を使用します。
  • org.gnome.shell.enabled-extensions
  • org.gnome.shell.development-tools
dconf および GSettings についての詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。

11.1. GNOME Shell 拡張機能とは

GNOME Shell 拡張は、デフォルトの GNOME Shell インターフェースと、ウィンドウ管理やアプリケーション起動などの各部分のカスタマイズを可能にします。
各 GNOME Shell 拡張機能は一意の識別子である UUID で識別されます。UUID は拡張機能がインストールされるディレクトリーの名前にも使用されます。拡張機能は、ユーザーごとに ~/.local/share/gnome-shell/extensions/uuid に、またはマシン全体用には /usr/share/gnome-shell/extensions/uuid にインストールすることができます。
UUID 識別子はグローバルに一意です。UUID を選択する際には、特定の攻撃を回避するために以下のプロパティーを前提としている必要があることに注意してください。
  • UUID にはユニコード文字を含めることはできません。
  • GNOME プロジェクトと関連付けられているものとして表示することができないため、UUID には gnome.org の末尾を含めることはできません。
  • UUID には英数字文字、ピリオド (.)、at (@) の記号、および下線 (_) のみを含める必要があります。

重要

サードパーティーの GNOME Shell 拡張機能を Red Hat Enterprise Linux に実装する前に、以下の文書に必ず目を通し、サードパーティーソフトウェアについての Red Hat サポートポリシーを確認するようにしてください。
インストールされた拡張機能を表示するには、インスペクターツールとして GNOME Shell の統合デバッガーである Looking Glass を使用することができます。

手順11.1 インストールされた拡張機能の表示

  1. Alt+F2 を押します。
  2. lg を入力してからEnter を押して、Looking Glass を開きます。
  3. Looking Glass のトップバーで、Extensions をクリックし、インストールされている拡張機能の一覧を開きます。
Looking Glass でインストールされている拡張機能を表示

図11.1 Looking Glass でインストールされている拡張機能を表示

11.2. マシン全体の拡張機能の有効化

システムの全ユーザーが拡張機能を利用できるようにするには、それらの拡張機能を /usr/share/gnome-shell/extensions ディレクトリーにインストールします。
デフォルトで有効な機能拡張を設定するには org.gnome.shell.enabled-extensions キーを設定する必要があります。ただし、現在すでにログインしているユーザーに対して追加の拡張機能を有効にする方法はありません。これは、インストールして、自身の GNOME 拡張を有効にしている既存のユーザーには適用されません。

手順11.2 マシン全体の拡張機能の有効化

  1. /etc/dconf/db/local.d/00-extensions にマシン全体の設定用の local データベースファイルを作成します。
    [org/gnome/shell]
    # List all extensions that you want to have enabled for all users
    enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com']
    enabled-extensions キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にされた拡張機能を指定します。
  2. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  3. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

11.3. 有効にされた拡張機能のロックダウン

GNOME Shell では、org.gnome.shell.enabled-extensions および org.gnome.shell.development-tools キーをロックダウンすることで、ユーザーが拡張機能を有効または無効にできないようにします。
org.gnome.shell.development-tools キーをロックダウンすると、ユーザーは GNOME Shell の統合デバッガーおよびインスペクターツール (Looking Glass) を使用して必須の拡張機能を無効にすることができなくなります。

手順11.3 有効にされた拡張機能のロックダウン

  1. /etc/dconf/db/local.d/00-extensions にマシン全体の設定用の local データベースファイルを作成します。
    [org/gnome/shell]
    # List all extensions that you want to have enabled for all users
    enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com']
    # Disable access to Looking Glass
    development-tools=false
    enabled-extensions キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にされた拡張機能を指定します。
    development-tools キーは Looking Glass へのアクセスを無効にするために false に設定されます。
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/extensions で設定を変更できないようにします。
    # Lock the list of mandatory extensions and access to Looking Glass
    /org/gnome/shell/enabled-extensions
    /org/gnome/shell/development-tools
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。
org.gnome.shell.enabled-extensions および org.gnome.shell.development-tools キーをロックダウンした後は、org.gnome.shell.enabled-extensions キーに一覧表示されていない ~/.local/share/gnome-shell/extensions または /usr/share/gnome-shell/extensions にインストールされているいずれの拡張機能も GNOME Shell によってロードされないため、ユーザーはそれらを使用することができなくなります。

11.4. 必須の拡張機能のセットアップ

GNOME Shell では、ユーザーが使用する必要のある拡張機能のセットを指定することができます。これを実行するには、これらの拡張機能を /usr/share/gnome-shell/extensions ディレクトリーにインストールしてから org.gnome.shell.enabled-extensions および org.gnome.shell.development-tools キーをロックダウンします。
org.gnome.shell.development-tools キーをロックダウンすると、ユーザーは GNOME Shell の統合デバッガーおよびインスペクターツール (Looking Glass) を使用して必須の拡張機能を無効にすることができなくなります。

手順11.4 必須の拡張機能のセットアップ

  1. /etc/dconf/db/local.d/00-extensions-mandatory にマシン全体の設定用の local データベースファイルを作成します。
    [org/gnome/shell]
    # List all mandatory extensions
    enabled-extensions=['myextension1@myname.example.com', 'myextension2@myname.example.com']
    # Disable access to Looking Glass
    development-tools=false
    enabled-extensions キーは、拡張機能の UUID (myextension1@myname.example.com および myextension2@myname.example.com) を使用して有効にされた拡張機能を指定します。
    development-tools キーは Looking Glass へのアクセスを無効にするために false に設定されます。
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/extensions-mandatory で設定を変更できないようにします。
    # Lock the list of mandatory extensions and access to Looking Glass
    /org/gnome/shell/enabled-extensions
    /org/gnome/shell/development-tools
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

第12章 アプリケーションの統合

アプリケーションを GNOME デスクトップに統合する際、システム管理者は通常、以下のように アプリケーション のメニュー構造および MIME タイプをカスタマイズすることに関連したタスクを実行します。
  • サブメニューを作成または変更して、アプリケーションのメニュー項目を追加または変更するか、または アプリケーション メニュー構造をカスタマイズします。メニューのカスタマイズについての詳細は、「メニューのカスタマイズ」 を参照してください。
  • アクティビティ画面 の GNOME Shell ダッシュボード に表示されるデフォルトのお気に入りのアプリケーションをカスタマイズします。これを実行する方法の詳細は、「デフォルトのお気に入りアプリケーションのカスタマイズ」 を参照してください。
  • アプリケーションの MIME タイプを追加または変更し、アプリケーションを特定の MIME タイプに関連付けます。MIME タイプの設定方法の詳細は、「ファイルの関連付けの設定」 を参照してください。

12.1. メニューのカスタマイズ

GNOME メニューシステムは freedesktop.org デスクトップメニュー仕様 に基づいており、設定およびデータファイルの 3 つの主なセットから構成されています。
デスクトップエントリーファイル (.desktop)
.desktop ファイルは、各メニュー項目の名前、実行するコマンド、およびそのアイコンなどの各メニュー項目についてのデータを提供します。.desktop エントリーファイルは、メニュー階層内のメニュー項目の場所、および アクティビティ画面 のアプリケーション検索で使用されるキーワードも指定します。
システム .desktop ファイルは /usr/share/applications/ ディレクトリーにあります。ユーザー固有の .desktop ファイルは ~/.local/share/applications/ ディレクトリーにあります。
以下は ~/.local/share/applications/myapplication1.desktop という名前のサンプルの .desktop ファイルです。
[Desktop Entry]
Type=Application
Name=My Application 1
Icon=myapplication1
Exec=myapplication1
Categories=Network;WebBrowser;
MimeType=application/x-newtype
上記のファイルは、アプリケーションの名前 (My Application 1)、アプリケーションのアイコン (myapplication1)、およびアプリケーションを実行するコマンド (myapplication1) を指定します。さらに、アプリケーションを指定のカテゴリー (Network;WebBrowser;) に配置し、アプリケーションを application/x-newtype MIME タイプに関連付けます。
メニュー定義ファイル (.menu)
.menu ファイルは、メニューおよびメニュー項目の両方の順序、階層、およびマージを指定する XML 設定ファイルです。
マシン全体の .menu ファイルは /etc/xdg/menus/ ディレクトリーにあります。ユーザー固有の .menu ファイルは ~/.config/menus/ ディレクトリーにあり、マシン全体の .menu ファイルで指定される値を上書きするために使用できます。
とくに /etc/xdg/menus/applications.menu ファイルには、アプリケーション メニューレイアウトの定義が含まれます。
ディレクトリーエントリーファイル (.directory)
.directory ファイルは、メニューの名前などの各メニューについてのデータを提供するもので、/usr/share/desktop-directories/ にあります。

詳細情報の入手

デスクトップエントリーファイルについての詳細は、freedesktop.org の Web サイトより 『Desktop Entry Specification』 を参照してください。
GNOME メニューシステムの実装方法の詳細は、freedesktop.org の Web サイトより 『Desktop Menu Specification』 を参照してください。

12.1.1. 個別ユーザーのメニュー項目の削除

所定ユーザーの アプリケーション メニューのカスタマイズは、デフォルトで ~/.config/menus/gnome-applications.menu 定義ファイルに保存されます。そのファイルの場所は、$XDG_DATA_HOME 環境変数を設定することにより上書きできます。
アプリケーション メニューのデフォルトを上書きするには、まず gnome-applications.menu ファイルを作成する必要があります。アプリケーション メニューおよびそのサブメニューから項目を削除すると、アクティビティ画面 の「アプリケーション」ビューからもこの項目が削除されます。そのため、ユーザーが アクティビティ画面 から項目を検索できなくなります。

手順12.1 例: 「アクセサリ」サブメニューから電卓メニュー項目を削除

  1. /usr/share/applications/ ディレクトリーの内容を参照し、削除するメニュー項目に対応する .desktop ファイルを判別します。
    $ grep -r "Name=Calculator" /usr/share/applications/
    /usr/share/applications/gcalctool.desktop:Name=Calculator
    上記に示されるように、電卓 メニュー項目は /usr/share/applications/gcalctool.desktop ファイルに対応しています。
  2. ~/.config/menus/gnome-applications.menu ファイルを作成します。
    <!DOCTYPE Menu PUBLIC "-//freedesktop//DTD Menu 1.0//EN"
    "http://www.freedesktop.org/standards/menu-spec/1.0/menu.dtd">
    
    <Menu>
      <Name>Applications</Name>
      <MergeFile type="parent">/etc/xdg/menus/gnome-applications.menu</MergeFile>
    
    <!-- Removes the Calculator from the Accessories submenu -->
      <Menu>
        <Name>Accessories</Name>
        <Exclude>
          <Filename>gcalctool.desktop</Filename>
        </Exclude>
      </Menu>
    <!-- END of Calculator removal content -->
    
    </Menu>
    上記に示されるように、ファイルにはサブメニューの名前 (Accessories)、.desktop ファイルの名前 (gcalctool.desktop) を指定する <Menu> が含まれ、さらに <Exclude> 要素が含まれます。

12.1.2. すべてのユーザーのメニュー項目の削除

すべてのユーザーの アプリケーション メニューのカスタマイズは、デフォルトで /etc/xdg/menus/applications.menu 定義ファイルに保存されます。そのファイルの場所は、 $XDG_CONFIG_DIRS 環境変数を設定することにより上書きできます。
アプリケーション メニューのデフォルトを上書きするには、.menu ファイルを編集する必要があります。アプリケーション メニューおよびそのサブメニューから項目を削除すると、アクティビティ画面 の「アプリケーション」ビューからこの項目が削除されます。そのため、ユーザーが アクティビティ画面 から項目を検索できなくなります。

手順12.2 例: 「アクセサリ」サブメニューから電卓メニュー項目を削除

  1. /usr/share/applications/ ディレクトリーの内容を参照し、削除するメニュー項目に対応する .desktop ファイルを判別します。
    $ grep -r "Name=Calculator" /usr/share/applications/
    /usr/share/applications/gcalctool.desktop:Name=Calculator
    上記に示されるように、電卓 メニュー項目は /usr/share/applications/gcalctool.desktop ファイルに対応しています。
  2. /etc/xdg/menus/applications.menu ファイルを編集し、以下のように <Exclude> 要素を使用して .menu の末尾にある最後の </Menu> タグの前に新規の <Menu> セクションを追加します。
    <!-- Removes the Calculator from the Accessories submenu -->
    
      <Menu>
        <Name>Accessories</Name>
        <Exclude>
          <Filename>gcalctool.desktop</Filename>
        </Exclude>
      </Menu>
    
    <!-- END of Calculator removal content -->
    
    </Menu> <!-- End Applications -->

12.1.3. 個別ユーザーのサブメニューの削除

所定ユーザーの アプリケーション メニューのカスタマイズは、デフォルトで ~/.config/menus/gnome-applications.menu 定義ファイルに保存されます。そのファイルの場所は、$XDG_DATA_HOME 環境変数を設定することにより上書きできます。
アプリケーション メニューのデフォルトを上書きするには、まず gnome-applications.menu ファイルを作成する必要があります。アプリケーション メニューからサブメニューを削除することにより、アクティビティ画面 の「アプリケーション」ビューからサブメニュー内に含まれるすべてのメニュー項目も削除されるため、ユーザーが アクティビティ画面 からそれらの項目を検索できなくなります。

例12.1 アプリケーションメニューから「システムツール」サブメニューを削除

~/.config/menus/gnome-applications.menu ファイルを作成します。
<!DOCTYPE Menu PUBLIC "-//freedesktop//DTD Menu 1.0//EN"
"http://www.freedesktop.org/standards/menu-spec/1.0/menu.dtd">

<Menu>
  <Name>Applications</Name>
  <MergeFile type="parent">/etc/xdg/menus/gnome-applications.menu</MergeFile>

<!-- Removes the System Tools submenu from the Applications menu-->

  <Menu>
    <Name>System Tools</Name>
    <Deleted/>
  </Menu>

<!-- END of System Tools removal content -->

</Menu>
上記のように、ファイルには、サブメニュー (System Tools) の名前を指定する <Menu> セクションが含まれ、<Deleted/> タグが組み込まれます。

12.1.4. すべてのユーザーのサブメニューの削除

すべてのユーザーの アプリケーション メニューのカスタマイズは、デフォルトで /etc/xdg/menus/applications.menu 定義ファイルに保存されます。そのファイルの場所は、 $XDG_CONFIG_DIRS 環境変数を設定することにより上書きできます。
アプリケーション メニューのデフォルトを上書きするには、.menu ファイルを編集する必要があります。アプリケーション メニューからサブメニューを削除することにより、アクティビティ画面 の「アプリケーション」ビューからサブメニュー内に含まれるすべてのメニュー項目も削除されるため、ユーザーが アクティビティ画面 からそれらの項目を検索できなくなります。

例12.2 アプリケーションメニューから「システムツール」サブメニューを削除

/etc/xdg/menus/applications.menu ファイルを編集し、以下のように <Deleted/> 要素を使用して .menu ファイルの末尾にある最後の </Menu> タグの前に新規の <Menu> セクションを追加します。
<!-- Removes the System Tools submenu from the Applications menu-->

  <Menu>
    <Name>System Tools</Name>
    <Deleted/>
  </Menu>

<!-- END of System Tools removal content -->

</Menu>

12.2. デフォルトのお気に入りアプリケーションのカスタマイズ

お気に入りのアプリケーションは、アクティビティ画面 の GNOME Shell ダッシュボード に表示されます。dconf を使用して個別ユーザーのお気に入りのアプリケーションを設定するか、またはすべてのユーザーに同じお気に入りアプリケーションを設定することができます。

12.2.1. 個別ユーザーの異なるお気に入りアプリケーションを設定

~/.config/dconf/user にあるユーザーデータベースファイルを変更することにより、個々のユーザーのデフォルトのお気に入りアプリケーションを設定することができます。以下のサンプルでは、dconf を使用して、geditTerminal および Nautilus をユーザーのデフォルトのお気に入りとして設定します。ユーザーは、このサンプルコードを使用して、一覧を後で変更することもできます。

例12.3 /etc/dconf/profile の内容:

# This line allows the user to change the default favorites later
user-db:user

例12.4 ~/.config/dconf/user の内容:

# Set gedit, terminal and nautilus as default favorites
[org/gnome/shell]
favorite-apps = ['gedit.desktop', 'gnome-terminal.desktop', 'nautilus.desktop']

注記

上記の設定をロックダウンして、ユーザーがこれらの設定を変更できないようにすることもできます。詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。

12.2.2. すべてのユーザーに同じお気に入りアプリケーションを設定

すべてのユーザーに同じお気に入りを設定するには、dconf キーファイルを使用してシステムデータベースファイルを変更する必要があります。以下のサンプルでは dconf プロファイルを編集してから、キーファイルを作成し、ある組織の 1 階にいるすべての社員用にデフォルトのお気に入りアプリケーションを設定しています。

例12.5 /etc/dconf/profile の内容:

user-db:user

# This line defines a system database called first_floor
system-db:first_floor

注記

user データベースファイルの設定は first_floor データベースファイルの設定よりも優先されますが、first_floor データベースファイルで導入されるロックは、user にある設定よりも優先されます。詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。

例12.6 /etc/dconf/db/first_floor.d/00_floor1_settings の内容:

# This sample sets gedit, terminal and nautilus as default favorites
# for all users in the first floor
[org/gnome/shell]
favorite-apps = ['gedit.desktop', 'gnome-terminal.desktop', 'nautilus.desktop']
dconf update コマンドを実行して、変更をシステムデータベースに組み込みます。
ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

12.3. ファイルの関連付けの設定

12.3.1. MIME タイプとは

GNOME において、MIME (Multipurpose Internet Mail Extension) タイプは、ファイルの形式を特定するために使用されます。GNOME デスクトップは以下を実行するために MIME タイプを使用します。
  • デフォルトで特定のファイル形式を開くアプリケーションの判別。
  • 特定のファイル形式を開くことができる他のアプリケーションの登録。
  • ファイル アプリケーションのファイルプロパティーダイアログなどで、ファイルのタイプを記述する文字列の提供。
  • ファイル アプリケーションのファイルプロパティーダイアログなどで、特定のファイル形式を表すアイコンの提供。
MIME タイプの名前は指定される形式に従います。
media-type/subtype-identifier

例12.7 MIME タイプの形式

image/jpeg は MIME タイプの一例です。ここで、image はメディアタイプであり、jpeg はサブタイプの識別子です。
GNOME は、以下を判別するために freedesktop.org 共有 MIME 情報仕様に従います。
  • すべての MIME タイプ仕様ファイルを保存するためのマシン全体およびユーザー固有の場所。
  • 特定のファイル形式を開くために使用できるアプリケーションをデスクトップ環境で認識できるように MIME タイプを登録する方法。
  • どのアプリケーションがどのファイル形式を開くかをユーザーが変更する方法。

12.3.1.1. MIME データベースとは

MIME データベースは、GNOME が既知の MIME タイプについての情報を保存するために使用するすべての MIME タイプ仕様ファイルの集合です。
システム管理者の視点から見た MIME データベースの最も重要な部分は /usr/share/mime/packages/ ディレクトリーです。ここに、既知の MIME タイプの情報を指定する MIME タイプ関連のファイルが保存されます。このファイルの一例として、デフォルトでシステム上で利用可能な標準 MIME タイプについての情報を指定する /usr/share/mime/packages/freedesktop.org.xml を挙げることができます。そのファイルは、shared-mime-info パッケージで提供されます。
詳細情報の入手
MIME タイプシステムについての説明の詳細は、freedesktop.org の Web サイトより 『freedesktop.org Shared MIME Info の仕様』 を参照してください。

12.3.2. 全ユーザー用のカスタム MIME タイプの追加

システム上のすべてのユーザー用にカスタム MIME タイプを追加し、その MIME タイプのデフォルトアプリケーションを登録するには、/usr/share/mime/packages/ ディレクトリーに新規の MIME タイプ仕様ファイルと /usr/share/applications/ ディレクトリーに .desktop ファイルを作成する必要があります。

手順12.3 全ユーザー用のカスタム application/x-newtype MIME タイプの追加

  1. /usr/share/mime/packages/application-x-newtype.xml ファイルを作成します。
    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    
    <mime-info xmlns="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info">
      <mime-type type="application/x-newtype">
        <comment>new mime type</comment>
        <glob pattern="*.xyz"/>
      </mime-type>
    </mime-info>
    上記のサンプル application-x-newtype.xml ファイルは新規の MIME タイプ application/x-newtype を定義し、.xyz 拡張子の付いたファイル名をその MIME タイプに割り当てます。
  2. myapplication1.desktop などの名前の付いた新規の .desktop ファイルを作成し、これを /usr/share/applications/ ディレクトリーに置きます。
    [Desktop Entry]
    Type=Application
    MimeType=application/x-newtype
    Name=My Application 1
    Exec=myapplication1
    上記のサンプル myapplication1.desktop ファイルは、application/x-newtype MIME タイプを My Application 1 という名前のアプリケーションに関連付けます。これはコマンド myapplication1 で実行されます。
  3. 変更を有効にするには、root として MIME データベースを更新します。
    # update-mime-database /usr/share/mime
  4. root としてアプリケーションデータベースを更新します。
    # update-desktop-database /usr/share/applications
  5. *.xyz ファイルを application/x-newtype MIME タイプに正常に関連付けたことを確認するには、まず test.xyz などの空のファイルを作成します。
    $ touch test.xyz
    次に、gvfs-info コマンドを実行します。
    $ gvfs-info test.xyz | grep "standard::content-type"
      standard::content-type: application/x-newtype
  6. myapplication1.desktopapplication/x-newtype MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションとして正常に設定されていることを確認するには、gvfs-mime --query コマンドを実行します。
    $ gvfs-mime --query application/x-newtype
    Default application for 'application/x-newtype': myapplication1.desktop
    Registered applications:
    	myapplication1.desktop
    Recommended applications:
    	myapplication1.desktop

12.3.3. 個別ユーザー用のカスタム MIME タイプの追加

個別ユーザー用にカスタム MIME タイプを追加し、その MIME タイプのデフォルトアプリケーションを登録するには、~/.local/share/mime/packages/ ディレクトリーに新規の MIME タイプの仕様ファイルと ~/.local/share/applications/ ディレクトリーに .desktop ファイルを作成する必要があります。

手順12.4 個別ユーザー用のカスタム application/x-newtype MIME タイプの追加

  1. ~/.local/share/mime/packages/application-x-newtype.xml ファイルを作成します。
    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <mime-info xmlns="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info">
      <mime-type type="application/x-newtype">
        <comment>new mime type</comment>
        <glob pattern="*.xyz"/>
      </mime-type>
    </mime-info>
    上記のサンプル application-x-newtype.xml ファイルは新規の MIME タイプ application/x-newtype を定義し、.xyz 拡張子の付いたファイル名をその MIME タイプに割り当てます。
  2. myapplication1.desktop などの名前の付いた新規の .desktop ファイルを作成し、これを ~/.local/share/applications/ ディレクトリーに置きます。
    [Desktop Entry]
    Type=Application
    MimeType=application/x-newtype
    Name=My Application 1
    Exec=myapplication1
    上記のサンプル myapplication1.desktop ファイルは、application/x-newtype MIME タイプを My Application 1 という名前のアプリケーションに関連付けます。これはコマンド myapplication1 で実行されます。
  3. 変更を有効にするには、MIME データベースを更新します。
    $ update-mime-database ~/.local/share/mime
  4. アプリケーションデータベースを更新します。
    $ update-desktop-database ~/.local/share/applications
  5. *.xyz ファイルを application/x-newtype MIME タイプに正常に関連付けたことを確認するには、まず test.xyz などの空のファイルを作成します。
    $ touch test.xyz
    次に、gvfs-info コマンドを実行します。
    $ gvfs-info test.xyz | grep "standard::content-type"
      standard::content-type: application/x-newtype
  6. myapplication1.desktopapplication/x-newtype MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションとして正常に設定されていることを確認するには、gvfs-mime --query コマンドを実行します。
    $ gvfs-mime --query application/x-newtype
    Default application for 'application/x-newtype': myapplication1.desktop
    Registered applications:
    	myapplication1.desktop
    Recommended applications:
    	myapplication1.desktop

12.3.4. 全ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き

/usr/share/applications/mimeapps.list ファイルおよび /usr/share/applications/[desktop environment name]-mimeapps.listファイルは、パッケージがインストールしたデフォルトです。これは、デフォルトでは、特定の MIME タイプを開くために登録するアプリケーションを指定します。
システムの全ユーザーのシステムデフォルトを上書きするには、デフォルトの登録アプリケーションの上書きに使用する MIME タイプの一覧で、/etc/xdg/mimeapps.list ファイルまたは /etc/xdg/[desktop environment name]-mimeapps.list ファイルを作成する必要があります。
構成が適用される順序は次のとおりです。
  1. /usr/share/applications/
  2. /etc/xdg/
特定の位置内に、構成がこの順で適用されます。
  1. mimeapps.list
  2. [desktop environment name]-mimeapps.list
このように、システム管理者の設定は、パッケージ構成よりも優先されます。そして、その中でも、デスクトップ固有の設定は、デスクトップ環境を指定していない設定よりも優先されます。

注記

7.5 以前のバージョンの Red Hat Enterprise Linux では、mimeapps.list ファイルの代わりに、defaults.list のファイルを使用していました。

手順12.5 全ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き

  1. /usr/share/applications/mimeapps.list ファイルを参照して、デフォルトの登録アプリケーションを変更するために使用する MIME タイプを判別します。たとえば、mimeapps.list ファイルに含まれる以下のサンプルは、MIME タイプの text/html および application/xhtml+xml でデフォルトの登録アプリケーションを指定します。
    [Default Applications]
    text/html=firefox.desktop
    application/xhtml+xml=firefox.desktop
    デフォルトアプリケーション (Firefox) はその対応する .desktop ファイル (firefox.desktop) を指定して定義されます。他のアプリケーションの .desktop ファイルのデフォルトの場所は /usr/share/applications/ です。
  2. /etc/xdg/mimeapps.list ファイルを作成します。このファイルで、MIME タイプとそれに対応するデフォルトの登録アプリケーションを指定します。
    [Default Applications]
    text/html=myapplication1.desktop
    application/xhtml+xml=myapplication2.desktop
    これは、text/html MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを myapplication1.desktop に設定し、application/xhtml+xml MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを myapplication2.desktop に設定します。
    これらの設定を適切に機能させるために、myapplication1.desktop および myapplication2.desktop ファイルの両方が /usr/share/applications/ ディレクトリーに置かれていることを確認します。
  3. gvfs-mime query コマンドを使用して、デフォルトの登録アプリケーションが正しく設定されていることを確認します。
    $gvfs-mime query text/html
    Default application for 'text/html': myapplication1.desktop
    Registered applications:
    	myapplication1.desktop
    	firefox.desktop
    Recommended applications:
    	myapplication1.desktop
    	firefox.desktop

12.3.5. 個別ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き

/usr/share/applications/mimeapps.list ファイルおよび /usr/share/applications/[desktop environment name]-mimeapps.listファイルは、パッケージがインストールしたデフォルトです。これは、デフォルトでは、特定の MIME タイプを開くために登録するアプリケーションを指定します。
個別ユーザーのシステムデフォルトを上書きするには、デフォルトの登録アプリケーションの上書きに使用する MIME タイプの一覧で ~/.local/share/applications/mimeapps.list ファイルまたは ~/.local/share/applications/[desktop environment id]-mimeapps.list ファイルを作成する必要があります。
構成が適用される順序は次のとおりです。
  1. /usr/share/applications/
  2. /etc/xdg/
  3. ~/.local/share/application/
特定の位置内に、構成がこの順で適用されます。
  1. mimeapps.list
  2. [desktop environment name]-mimeapps.list
このように、ユーザーの設定は、システム管理者の設定よりも優先され、システム管理者の設定は、パッケージの構成よりも優先されます。そして、その中でも、デスクトップ固有の設定は、デスクトップ環境を指定していない設定よりも優先されます。

注記

7.5 以前のバージョンの Red Hat Enterprise Linux では、mimeapps.list ファイルの代わりに、defaults.list のファイルを使用していました。

手順12.6 個別ユーザー用のデフォルトの登録済みアプリケーションの上書き

  1. /usr/share/applications/mimeapps.list ファイルを参照して、デフォルトの登録アプリケーションを変更するために使用する MIME タイプを判別します。たとえば、mimeapps.list ファイルに含まれる以下のサンプルは、MIME タイプの text/html および application/xhtml+xml でデフォルトの登録アプリケーションを指定します。
    [Default Applications]
    text/html=firefox.desktop
    application/xhtml+xml=firefox.desktop
    デフォルトアプリケーション (Firefox) はその対応する .desktop ファイル (firefox.desktop) を指定して定義されます。他のアプリケーションの .desktop ファイルのシステム上のデフォルトの場所は /usr/share/applications/ です。個別ユーザーの .desktop ファイルは ~/.local/share/applications/ に保存することができます。
  2. ~/.local/share/applications/mimeapps.list ファイルを作成します。このファイルで、MIME タイプとそれらの対応するデフォルトの登録アプリケーションを指定します。
    [Default Applications]
    text/html=myapplication1.desktop
    application/xhtml+xml=myapplication2.desktop
    これは、text/html MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを myapplication1.desktop に設定し、application/xhtml+xml MIME タイプのデフォルトの登録アプリケーションを myapplication2.desktop に設定します。
    これらの設定を適切に機能させるために、myapplication1.desktop および myapplication2.desktop ファイルの両方が /usr/share/applications/ ディレクトリーに置かれていることを確認します。
  3. gvfs-mime --query コマンドを使用して、デフォルトの登録アプリケーションが正しく設定されていることを確認します。
    $gvfs-mime --query text/html
    Default application for 'text/html': myapplication1.desktop
    Registered applications:
    	myapplication1.desktop
    	firefox.desktop
    Recommended applications:
    	myapplication1.desktop
    	firefox.desktop

第13章 GNOME デスクトップ機能のカスタマイズ

この章では、3 つの主要なデスクトップ機能について説明します。この章をお読みになると、すべてのユーザー向けに X サーバーをデフォルトですぐに終了する方法、Compose キー を有効にする方法、またはユーザーのコマンドラインアクセスを無効にする方法を理解することができます。
変更を有効にするには、dconf ユーティリティーを更新する必要があります。ログアウトしてから再びログインすると変更点が反映されます。

13.1. オンラインアカウントの有効化および無効化

GNOME オンラインアカウント (GOA) は、個人ネットワークアカウントの設定に使用されます。このアカウントは GNOME デスクトップおよびアプリケーションに自動的に統合されます。ユーザーは、オンラインアカウント アプリケーションを使用して、Google、Facebook、Flickr、ownCloud などのオンラインアカウントを追加することができます。
システム管理者は以下を実行できます。
  • すべてのオンラインアカウントの有効化
  • いくつかのオンラインアカウントの選択的な有効化
  • すべてのオンラインアカウントの無効化

手順13.1 オンラインアカウントの設定

  1. システム上に gnome-online-accounts パッケージがない場合は、root として以下のコマンドを実行し、これをインストールします。
    # yum install gnome-online-accounts
  2. ローカルデータベースのキーファイルを /etc/dconf/db/local.d/goa に作成します。これには以下の設定が含まれます。
    • 一部のプロバイダーのみを選択的に有効にする場合:
      [org/gnome/online-accounts]
      whitelisted-providers= ['google', 'facebook']
    • すべてのプロバイダーを無効にする場合:
      [org/gnome/online-accounts]
      whitelisted-providers= ['']
    • すべての利用可能なプロバイダーを許可する場合:
      [org/gnome/online-accounts]
      whitelisted-providers= ['all']
  3. 設定をロックダウンして、ユーザーが設定を上書きできないようにします。
    1. /etc/dconf/db/local.d/locks/ という名前の新規ディレクトリーを作成します (ない場合)。
    2. 次の内容が含まれる新規ファイルを /etc/dconf/db/local.d/locks/goa に作成します。
      # Prevent users from changing values for the following key:
      /org/gnome/online-accounts
  4. 変更を有効にするには、システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  5. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

13.2. Ctrl+Alt+Backspace ショートカットの有効化

Ctrl+Alt+Backspace ショートカットキーの組み合わせは、X サーバーを終了するために使用されます。とくに以下の場合は X サーバーを終了する必要があります。
  • プログラムが X サーバーの動作を終了させた。
  • すぐにログインセッションから切り替える必要がある。
  • 障害のあるプログラムを起動した。
  • 各種の理由で現行セッションで操作できない。
  • 画面がフリーズした。
Ctrl+Alt+Backspace ショートカットで、すべてのユーザーが X サーバーをデフォルトで強制終了できるようにするには、org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キーを設定する必要があります。(GSettings キーの詳細は、「GSettings キーのプロパティー」 を参照してください。)

手順13.2 Ctrl-Alt-Backspace ショートカットの有効化

  1. マシン全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-input-sources に作成します。
    [org/gnome/desktop/input-sources]
    # Enable Ctrl-Alt-Backspace for all users
    xkb-options=['terminate:ctrl_alt_bksp']
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/input-sourcesで設定を変更できないようにします。
    # Lock the list of enabled XKB options
    /org/gnome/desktop/input-sources/xkb-options
  3. 変更を有効にするには、システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。
Ctrl+Alt+Backspace キーの組み合わせが有効になります。すべてのユーザーは X サーバーをすぐにかつ簡単に終了でき、これを実行するとログインプロンプトに戻ることができます。

13.3. Compose キーの有効化

Compose キー は、キーボードにはない特殊記号や文字を入力できるようにする機能です。GNOME デスクトップでは、キーボード上の既存のキーのいずれかを Compose キー として定義できます。Compose キー と Compose キーシーケンスとして知られる他のキーを併用して、頻繁に入力する特殊文字を入力することができます。

例13.1 Compose キーの使用

Compose キー を押し、これをリリースしてから AE (大文字) を入力すると「Æ」を取得できます。これを小文字で入力すると「æ」を取得できます。
Compose キー を有効にし、キーボード上の特定のキーを Compose キー として設定するには、org.gnome.desktop.input-sources.xkb-options GSettings キーを設定します。これで設定はシステム上のすべてのユーザー用にデフォルトで有効にされます。(GSettings キーの詳細は、「GSettings キーのプロパティー」 を参照してください。)

手順13.3 Compose キーとして右側の Alt キーを設定

  1. マシン全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-input-sources に作成します。
    [org/gnome/desktop/input-sources]
    # Set the Right Alt key as the Compose key and enable it
    xkb-options=['compose:ralt']
    右側の Alt とは異なるキーを設定する必要がある場合、raltxkeyboard-config(7) man ページの 『Compose key position』 セクションに指定されている キーの名前に置き換えます。
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/input-sourcesで設定を変更できないようにします。
    # Lock the list of enabled XKB options
    /org/gnome/desktop/input-sources/xkb-options
  3. 変更を有効にするには、システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。
これで、右側の Alt キーを Compose キー として使用することができます。Compose キー を押し、これをリリースしてからキーの組み合わせを使用し、特定の記号を取得します。

注記

システム管理者としてローカルデータベースの編集後にロックを設定する場合、ユーザーは他の xkb オプションを追加することはできません。ロックにより、ユーザーは Alt+Shift などのキーの組み合わせを設定してキーボードのレイアウトを切り替えることができなくなります。

13.4. コマンドラインアクセスの無効化

デスクトップユーザー向けのコマンドラインのアクセスを無効にするには、数多くの異なるコンテキストで設定を変更する必要があります。以下の手順ではデスクトップユーザーがコマンドラインへアクセスするパーミッションを削除するわけではなく、デスクトップユーザーがコマンドラインにアクセスする方法を削除することに注意してください。
  • org.gnome.desktop.lockdown.disable-command-line GSettings キーを設定します。これにより、ユーザーが端末にアクセスしたり、実行するコマンドラインを指定したり (Alt+F2 コマンドプロンプト) するのを防ぎます。
  • X サーバー設定を変更して、仮想端末 (VT) への切り替えを Ctrl+Alt+ファンクションキー のショートカットで無効にします。
  • GNOME Shell の アプリケーション メニューおよび アクティビティ画面 から、端末 および端末へのアクセスを提供するその他のアプリケーションを削除します。これは、それらのアプリケーションのメニュー項目を削除することによって実行されます。メニュー項目を削除する方法の詳細は、「すべてのユーザーのメニュー項目の削除」 を参照してください。

13.4.1. org.gnome.desktop.lockdown.disable-command-line キーの設定

  1. マシン全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-lockdown に作成します。
    [org/gnome/desktop/lockdown]
    # Disable command-line access
    disable-command-line=true
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown で設定を変更できないようにします。
    # Lock the disabled command-line access
    /org/gnome/desktop/lockdown
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

13.4.2. 仮想端末切り替えの無効化

通常、ユーザーは Ctrl+Alt+ファンクションキー のショートカット (Ctrl+Alt+F2 など) を使用して GNOME デスクトップおよび X サーバーから仮想端末に切り替えることができます。/etc/X11/xorg.conf.d/ ディレクトリーの X 設定ファイルの Serverflags セクションに DontVTSwitch オプションを追加することで、すべての仮想端末へのアクセスを無効にすることができます。

手順13.4 仮想端末へのアクセスの無効化

  1. /etc/X11/xorg.conf.d/ ディレクトリーに X 設定ファイルを作成するか、またはこれを編集します。

    注記

    通常これらのホスト固有の設定ファイル名は 2 けたの数字とハイフンで始まり、常に .conf 拡張子が付きます。このため、/etc/X11/xorg.conf.d/10-xorg.conf というファイル名にすることができます。
    Section "Serverflags"
    
    Option "DontVTSwitch" "yes"
    
    EndSection
  2. 変更を有効にするには、X サーバーを再起動します。

13.5. 印刷のロックダウン

印刷ダイアログは、ユーザーに表示されないように無効にすることができます。これは、ユーザーに一時的なアクセスを提供する場合やユーザーがネットワークプリンターに印刷できないようにする場合に役立ちます。

重要

この機能は、この機能をサポートするアプリケーションでのみ機能します。すべての GNOME およびサードパーティーアプリケーションでこの機能が有効にされる訳ではありません。この機能をサポートしないアプリケーションには、これらの変更による影響はありません。
org.gnome.desktop.lockdown.disable-printing キーをロックダウンすることにより、アプリケーションが印刷することを防ぎます。以下の手順に従います。

手順13.5 org.gnome.desktop.lockdown.disable-printing キーのロックダウン

  1. ユーザープロファイルがない場合、これを作成します (/etc/dconf/profile/user)。
    user-db:user
    system-db:local
  2. マシン全体の設定の local データベースを etc/dconf/db/local.d/00-lockdown に作成します。
    [org/gnome/desktop/lockdown]
      
    # Prevent applications from printing
    disable-printing=true
  3. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown で設定を変更できないようにします。
    # List the keys used to configure lockdown
    /org/gnome/desktop/lockdown/disable-printing
  4. 以下を実行してシステムデータベースを更新します。
    # dconf update
これらのステップの実行後は、このロックダウンキーをサポートするアプリケーションは印刷を無効にします。これらのアプリケーションには、EvolutionEvinceEye of GNOMEEpiphany、および Gedit があります。

13.6. ディスク上のファイル保存のロック

保存 および 名前を付けて保存 ダイアログは無効にすることができます。これは、ユーザーに一時的なアクセスを提供する場合やユーザーがコンピューターにファイルを保存できないようにする場合に役立ちます。

重要

この機能は、この機能をサポートするアプリケーションでのみ機能します。すべての GNOME およびサードパーティーアプリケーションでこの機能が有効にされる訳ではありません。この機能をサポートしないアプリケーションには、これらの変更による影響はありません。
org.gnome.desktop.lockdown.disable-save-to-disk キーをロックダウンすることにより、アプリケーションでファイルを保存することを防ぐことができます。以下の手順に従います。

手順13.6 org.gnome.desktop.lockdown.disable-save-to-disk キーのロックダウン

  1. user プロファイルがない場合は、これを /etc/dconf/profile/user に作成します。
    user-db:user
    system-db:local
  2. マシン全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-lockdown ファイルに作成します。
    [org/gnome/desktop/lockdown]
    
    # Prevent the user from saving files on disk
    disable-save-to-disk=true
  3. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown で設定を変更できないようにします。
    # Lock this key to disable saving files on disk
    /org/gnome/desktop/lockdown/disable-save-to-disk
  4. 以下を実行してシステムデータベースを更新します。
    # dconf update
これらのステップの実行後は、ビデオ画像ビューアーEvolutionドキュメントビューアー、または GNOME Shell などのこのロックダウンキーをサポートするアプリケーションは「名前を付けて保存」ダイアログを無効にします。

13.7. パーティション再設定のロック

polkit により、個別操作の権限を設定できます。ディスク管理サービスのユーティリティーである udisks2 の場合、設定は /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy にあります。このファイルには、システム管理者が上書きできる操作およびデフォルト値のセットが含まれます。

重要

/etc に保存される polkit 設定が /usr/share/ のパッケージで提供される設定内容を上書きすることに注意してください。

手順13.7 ユーザーによるディスク設定の変更を回避する

  1. /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy と同じ内容のファイルを作成します。
    cp /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy /etc/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy
    /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy ファイルは変更しないようにしてください。変更を加えても、次のパッケージの更新で上書きされます。
  2. 不要な操作を削除し、以下の行を /etc/polkit-1/actions/org.freedesktop.udisks2.policy ファイルに追加します。
      <action id="org.freedesktop.udisks2.modify-device">
         <message>Authentication is required to modify the disks settings</message>
        <defaults>
          <allow_any>no</allow_any>
          <allow_inactive>no</allow_inactive>
          <allow_active>yes</allow_active>
        </defaults>
      </action>
    
    root ユーザーのみがこの操作を実行できるようにする必要がある場合は、noauth_admin に置き換えます。
  3. 変更を保存します。
ユーザーがディスク設定を変更しようとする場合、以下のメッセージが返されます。
Authentication is required to modify the disks settings

13.8. ユーザーのログアウトおよび切り替えのロックダウン

ユーザーがログアウトできないようにするには、以下の手順に従います。
  1. /etc/dconf/profile/user プロファイルを作成し、以下の行を含めます。
    user-db:user
    system-db:local
    ここでの localdconf データベース名です。
  2. /etc/dconf/db/local.d/ ディレクトリーがない場合は、これを作成します。
  3. キーファイル /etc/dconf/db/local.d/00-logout を作成して local データベースに情報を提供します。
    [org/gnome/desktop/lockdown]
    # Prevent the user from user switching
    disable-log-out=true
  4. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown で設定を変更できないようにします。
    # Lock this key to disable user logout
    /org/gnome/desktop/lockdown/disable-log-out
  5. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  6. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

重要

ユーザーは別のユーザーに切り替わることで、ログアウトのロックダウンを逃れることができます。こうすると、管理者の意図に反することになります。このシナリオを防ぐために、「ユーザーの切り替え」も無効にすることが推奨されます。

手順13.8 ユーザーが別のユーザーアカウントに切り替えられないようにする

  1. /etc/dconf/profile/user プロファイルを作成し、以下の行を含めます。
    user-db:user
    system-db:local
    ここでの localdconf データベース名です。
  2. /etc/dconf/db/local.d/ ディレクトリーがない場合は、これを作成します。
  3. キーファイル /etc/dconf/db/local.d/00-user-switching を作成して local データベースに情報を提供します。
    [org/gnome/desktop/lockdown]
    # Prevent the user from user switching
    disable-user-switching=true
  4. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/lockdown で設定を変更できないようにします。
    # Lock this key to disable user switching
    /org/gnome/desktop/lockdown/disable-user-switching
  5. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  6. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

13.9. シングルアプリケーションモード

シングルアプリケーションモードでは、シェルを再構築してインタラクティブなキオスクにします。管理者は標準デスクトップの特定の動作をロックダウンし、ユーザーに対して制限を設けることで特定の機能に特化します。
(通信やエンターテイメント、教育など) 多くのフィールドにおいて幅広い機能でシングルアプリケーションモードを設定することで、セルフサービスマシンやイベントマネージャー、登録ポイントなどとして使用することができます。

手順13.9 シングルアプリケーションモードの設定

  1. 印刷や端末アクセスなどをできなくするように設定をロックダウンします。以下を参照してください。
  2. ユーザー向けに /etc/gdm/custom.conf ファイルで自動ログインを設定します。
    「自動ログインの設定」 を参照してください。
  3. (スペースおよび特殊文字を使用せず、数字やダッシュを最初の文字としない) 通常の命名慣習に従った名前で新規ユーザーを作成します。また、セッションを参照する場合など、関連する名前に一致する名前にします。例えば、kiosk-user などとします。
  4. ユーザー名に一致する名前でセッションを作成します (例えば、kiosk-user には kiosk が一致することになります)。/usr/share/xsessions/kiosk.desktop ファイルで Exec 行を以下のようにします。
    Exec=gnome-session --session kiosk
  5. kiosk-user のデフォルトセッションを設定するには、以下の行を /var/lib/AccountsService/users/kiosk-user ファイルに追加します。
    XSession=kiosk
  6. 以下の行を含むカスタムセッションの定義を作成し、kiosk セッションを定義します。
    RequiredComponents=kiosk-app;gnome-settings-daemon;kiosk-shell;
    これで kiosk-app (サンプルのアプリケーション)、gnome-settings-daemon (GNOME セッションにおける標準コンポーネント)、および kiosk-shell (gnome-shell のカスタマイズバージョン) という 3 つのプログラムを実行するセッションが作成されました。
  7. kiosk-shell 用のデスクトップファイル /usr/share/applications/kiosk-shell.desktop を作成し、以下を含めます。
    Exec=gnome-shell --mode=kiosk
  8. /usr/share/gnome-shell/modes/kiosk.json という名前のモード定義を作成します。これは小型の json ファイルで、利用可能な GNOME Shell UI を定義します。(出発点として同じディレクトリー内の classic.json と initial-setup.json を参照してください。)

13.10. ノート PC を閉じた際にコンピューターがサスペンドしないようにする

ノート PC を閉じると、コンピューターは節電のためサスペンドします。この動作の設定を変更すると、ノート PC を閉じてもサスペンドしないようにすることができます。

警告

マシンによっては、特にバックパックなど狭いところに入れた状態でノート PC を閉じたまま作動させ続けるとオーバーヒートしてしまう場合があります。このため、サスペンドにするデフォルト設定を変更する場合は、ご自分の状況に適したものかを検討してください。

手順13.10 ノート PC を閉じた際のスイッチ設定

  1. /etc/systemd/logind.conf ファイルをエディターで開きます。
  2. HandleLidSwitch=suspend の行の先頭に # 記号がある場合は、これを外します。
    この行がファイルにない場合は、追加します。
  3. デフォルトの suspend パラメーターを以下のいずれかで置き換えます。
    • 画面をロックする場合は lock
    • なにもしない場合は ignore
    • コンピューターをオフにするには poweroff
    以下に例を示します。
    [Login]
    HandleLidSwitch=lock
  4. 変更を保存してエディターを終了します。
  5. 以下のコマンドを実行して次回の再起動後に変更が保存されるようにします。
    # systemctl restart systemd-logind.service

    警告

    サービスを強制的に再起動すると、ログインしているデスクトップユーザーの現在実行中の GNOME セッションが割り込まれることに留意してください。これにより、ユーザーは保存していないデータを失う可能性があります。
/etc/systemd/logind.conf ファイルの詳細については、logind.conf(5) man ページを参照してください。

13.11. グラフィカルターゲットモードで電源ボタンを押した際の動作の変更

マシンをグラフィカルログイン画面またはユーザーセッションで起動した時に 電源 ボタンを押すと、デフォルトでマシンがサスペンドされます。これはユーザーが物理的に 電源 ボタンを押した場合と、リモートコンソールから仮想の 電源 ボタンを押した場合の両方で起きます。電源 ボタンを押した際の動作を別のものにするには、dconf でこのボタンの機能を設定します。
たとえば、電源 ボタンを押した後にシステムをシャットダウンする場合は、以下の手順を実行します。

手順13.11 dconf を使用して、電源 ボタンを押した後にシャットダウンするようにシステムを設定します。

  1. システムワイドの設定用に local データベースを /etc/dconf/db/local.d/01-power に作成します。
    [org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
    power-button-action='interactive'
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/01-power ファイルで設定を変更できないようにします。
    /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/power-button-action
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。
この設定では、電源 ボタンを押すとシステムがシャットダウンします。別の設定にするには、特定ボタンの動作を設定します。

特定ボタンのオプション

nothing
何も実行しません
suspend
システムをサスペンドします
hibernate
システムを休止状態にします
interactive
何を実行するかユーザーに質問するポップアップを表示します
対話モードでは、電源ボタンを押すと、60 秒後に自動的にシステムの電源がオフになります。
ただし、下図のように、ポップアップクエリーとは別の動作を選択できます。
対話モードのポップアップクエリー

図13.1 対話モードのポップアップクエリー

第14章 セッション管理

14.1. GDM とは

GNOME ディスプレイマネージャー (GDM) は、ローカルおよびリモートのログイン用に X サーバーを実行し、管理する、バックグラウンドで実行されるグラフィカルログインプログラムです。
GDM は、X ディスプレイマネージャー XDM に置き換わるものです。ただし、GDMXDM から派生するものではなく、これには元の XDM コードは含まれません。さらに、GDM にはグラフィカル設定ツールのサポートがないため、GDM 設定を変更するには /etc/gdm/custom.conf 設定ファイルを編集する必要があります。

14.1.1. GDM の再起動

ログイン画面のバナーメッセージ、ログイン画面のロゴ、またはログイン画面の背景などのシステム設定に変更を加える場合、変更を有効にするために GDM を再起動する必要があります。

警告

サービスを強制的に再起動すると、ログインしているデスクトップユーザーの現在実行中の GNOME セッションが割り込まれることに留意してください。これにより、ユーザーは保存していないデータを失う可能性があります。
GDM サービスを再起動するには、以下のコマンドを実行します。
# systemctl restart gdm.service
Red Hat Enterprise Linux 7 でのサービス管理方法は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』を参照してください。

14.1.2. GDM 設定の結果を表示

GDM 設定の結果を表示するには、以下のコマンドを実行します。
             $ DCONF_PROFILE=gdm gsettings list-recursively org.gnome.login-screen 

14.2. 認証

14.2.1. エンタープライズ資格情報を使用した GNOME へのログイン

お使いのネットワークで Active Directory または Identity Management ドメインが利用可能な場合で、ドメインアカウントをお持ちの場合は、ドメインの資格情報を使用して GNOME にログインすることができます。
マシンがドメインアカウントに対して正常に設定されている場合、ユーザーはそれぞれのアカウントを使用して GNOME にログインすることができます。ログインのプロンプト時に、ドメインユーザー名と、その後に @ 記号とドメイン名を入力します。たとえば、ドメイン名が example.com で、ユーザー名が User の場合、以下を入力します。
User@example.com
マシンがドメインアカウントに対してすでに設定されている場合、ログイン形式について説明する役に立つヒントが表示されるはずです。

14.2.1.1. 「ようこそ」画面でエンタープライズ資格情報を選択

マシンでエンタープライズ資格情報を設定していない場合、GNOME 初期セットアップ プログラムの一部である ようこそ 画面で設定を行うことができます。

手順14.1 エンタープライズ資格情報の設定

  1. ログイン のようこそ画面で、Use Enterprise Login を選択します。
  2. 事前に入力されていない場合は、ドメイン フィールドにドメインの名前を入力します。
  3. 関連フィールドにドメインアカウントのユーザーおよびパスワードを入力します。
  4. 次へ をクリックします。
ドメインの設定方法によっては、続行する前にドメイン管理者の名前とパスワードを求めるプロンプトが表示されることがあります。

14.2.1.2. GNOME へのログインにエンタープライズ資格情報を使用するように変更する

すでに初期セットアップが完了している場合で、GNOME にログインするためにドメインアカウントを開始する必要がある場合、GNOME 設定のユーザーパネルからこれを実行できます。

手順14.2 エンタープライズ資格情報の設定

  1. トップバーにある自分の名前をクリックし、メニューから 設定 を選択します。
  2. 項目の一覧から ユーザー を選択します。
  3. ロック解除 ボタンをクリックして、コンピューター管理者のパスワードを入力します。
  4. ウィンドウの左下にある + ボタンをクリックします。
  5. エンタープライズのログイン ペインを選択します。
  6. ご使用のエンタープライズアカウントのドメイン、ユーザーおよびパスワードを入力し、追加 をクリックします。
ドメインの設定方法により、次に進むためにドメイン管理者の名前およびパスワードを求めるプロンプトが表示される場合があります。

14.2.1.3. トラブルシューティングおよび詳細セットアップ

realm コマンドとその各種サブコマンドを使用してエンタープライズログイン機能のトラブルシューティングを行うことができます。たとえば、エンタープライズログイン用にマシンが設定されているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ realm list
ネットワーク管理者は、ワークステーションを関連ドメインに事前に参加させておくことが奨励されています。これは、キックスタートの realm join コマンドを使用するか、またはスクリプトから自動的に realm join を実行することによって実行できます。
詳細情報の入手
Red Hat Enterprise Linux 7 Windows Integration Guide – Red Hat Enterprise Linux 7 『Windows Integration Guide』 は、Active Directory ドメインに接続するために realmd を使用する方法についての詳細情報を提供しています。

14.2.2. スマートカード認証の有効化

スマートカード認証を有効にするには、以下のステップを続けて実行します。
  1. スマートカードのプロンプトを許可するよう GDM を設定する
  2. スマートカードを使用したログインを許可するようオペレーティングシステムを設定する

1.スマートカードのプロンプトを許可するよう GDM を設定する

スマートカード認証のプロンプトを許可するには、以下の 2 つの GDM 設定方法があります。
dconf エディター GUI

手順14.3 dconf エディター GUI を使用してスマートカード認証を有効にする

  1. org.gnome.login-screen enable-password-authentication dcof キーのチェックボックスを外します。
  2. org.gnome.login-screen enable-smartcard-authentication dcof キーのボックスにチェックを入れます。
dconf-tool

手順14.4 dconf-tool を使用してスマートカード認証を有効にする

  1. /etc/dconf/db/gdm.d ディレクトリーにキーファイルを作成します。
  2. 以下の内容をキーファイルに追加します。
    [org/gnome/login-screen]
    enable-password-authentication='false'
    enable-smartcard-authentication='true'
  3. システム dconf データベースを更新します。
    # dconf update

2.スマートカードを使用したログインを許可するようオペレーティングシステムを設定する

GDM をスマートカード認証用に設定したら、system-config-authentication ツールを使用してシステムでユーザーによるスマートカードの使用を可能にし、グラフィカル環境でスマートカードの使用を GDM に有効な認証方法とします。このツールは authconfig-gtk パッケージで提供されます。
スマートカード認証を可能にするシステム設定および system-config-authentication ツールについての詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイド」を参照してください。

14.2.3. 指紋認証の有効化

ユーザーが登録した使用してログインできるようにするには、system-config-authentication ツールを使用して指紋認証を有効にします。このツールは authconfig-gtk パッケージによって提供されます。
指紋認証および system-config-authentication ツールについての詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイド』を参照してください。

14.3. ユーザーセッション

14.3.1. ユーザーセッションにおける標準プロセス

工場出荷時のデフォルトの GNOME セッションでは、デーモン と呼ばれるプログラムはバックグラウンドプロセスとしてシステム上で実行されます。デフォルトで実行される以下のデーモンを見つけることができるはずです。
dbus-daemon
dbus-daemon は、プログラムがメッセージを相互に交換するために使用できるメッセージバスデーモンを提供します。dbus-daemon は、2 つのアプリケーション間で 1 対 1 の通信を提供する D-Bus ライブラリーで実装されます。
詳細情報は、dbus-daemon(1) の man ページを参照してください。
gnome-keyring-daemon
各種プログラムおよび Web サイトのユーザー名およびパスワードなどの資格情報は、gnome-keyring-daemon を使用して安全に保護されます。この情報は、キーリングファイルと呼ばれる暗号化されたファイルに書き込まれ、ユーザーのホームディレクトリーに保存されます。
詳細情報は、gnome-keyring-daemon(1) の man ページを参照してください。
gnome-session
gnome-session プログラムは、GDM などのディスプレイマネージャーを使用して GNOME デスクトップ環境を実行します。ユーザーのデフォルトセッションは、システム管理者によるシステムのインストール時に設定されます。通常、gnome-session はシステム上で正常に実行された最近のセッションをロードします。
詳細については、gnome-session(1) の man ページを参照してください。
gnome-settings-daemon
gnome-settings-daemon は GNOME セッションおよびセッション内で実行されるすべてのプログラムの設定を処理します。
詳細については、gnome-settings-daemon(1) の man ページを参照してください。
gnome-shell
gnome-shell は、プログラムの起動、ディレクトリーの参照、ファイルの表示などの GNOME のコアユーザーインターフェース機能を提供します。
詳細については、gnome-shell(1) の man ページを参照してください。
pulseaudio
PulseAudio は、プログラムが Pulseaudio デーモンを使用してオーディオを出力することを可能にする、Red Hat Enterprise Linux のサウンドサーバーです。
詳細については、pulseaudio(1) の man ページを参照してください。
ユーザーのセットアップにより、とりわけ以下の内のいくつかを確認できる場合があります。
  • dconf-service
  • ibus
  • at-spi2-dbus-launcher
  • at-spi2-registryd
  • gnome-shell-calendar-server
  • goa-daemon
  • gsd-printer
  • 各種の Evolution ファクトリープロセス
  • 各種の GVFS プロセス

14.3.2. ユーザーデフォルトセッションの設定

デフォルトセッションは、AccountsService と呼ばれるプログラムから取得されます。AccountsService はこの情報を /var/lib/AccountsService/users/ ディレクトリーに保存します。

注記

GNOME 2 では、ユーザーのホームディレクトリーにある .dmrc ファイルがデフォルトセッションを作成するために使用されました。この .dmrc ファイルは使用されなくなりました。

手順14.5 ユーザーのデフォルトセッションの指定

  1. 以下のコマンドを実行して gnome-session-xsession パッケージがインストールされていることを確認します。
    # yum install gnome-session-xsession
  2. /usr/share/xsessions ディレクトリーに移動します。ここで、利用可能なセッションのそれぞれの .desktop ファイルを見つけることができます。.desktop ファイルの内容を参照して、使用するセッションを判別します。
  3. ユーザーのデフォルトセッションを指定するには、/var/lib/AccountsService/users/username ファイル のユーザーの アカウントサービス を更新します。
    [User]
    Language=
    XSession=gnome
    この例では、GNOME は /usr/share/xsessions/gnome.desktop ファイルを使用するデフォルトセッションとして設定されています。Red Hat Enterprise Linux 7 におけるシステムのデフォルトは GNOME クラシック (/usr/share/xsessions/gnome-classic.desktop ファイル) であることに注意してください。
ユーザーのデフォルトセッションを指定した後は、ユーザーがログイン画面から別のセッションを指定しない限り、ユーザーの次回のログイン時にこのセッションが使用されます。

14.3.3. カスタムセッションの作成

カスタマイズされた設定で独自のセッションを作成するには、以下のステップに従います。
  1. /etc/X11/sessions/new-session.desktop.desktop ファイルを作成します。ファイルが以下のエントリーを指定していることを確認します。
    [Desktop Entry]
    Encoding=UTF-8
    Type=Application
    Name=Custom Session
    Comment=This is our custom session
    Exec=gnome-session --session=new-session
    Exec エントリーは、実行するコマンドを、場合によっては引数と共に指定します。gnome-session --session=new-session コマンドでカスタムセッションを実行できます。
    gnome-session で使用できるパラメーターの詳細は、gnome-session(1) man ページを参照してください。
  2. /usr/share/gnome-session/sessions/new-session.session でカスタムセッションファイルを作成します。このファイルには、セッションの名前と必要なコンポーネントを指定できます。
    [GNOME Session]
    Name=Custom Session
    RequiredComponents=gnome-shell-classic;gnome-settings-daemon;
    RequiredComponents で指定するすべての項目には、/usr/share/applications/ に対応する .desktop ファイルがある必要があります。
カスタムセッションファイルの設定後に、新規のセッションが GDM ログイン画面のセッション一覧で利用可能になります。

14.3.4. ユーザーセッションログの表示

ユーザーセッションの問題についての詳細を確認する必要がある場合は、systemd ジャーナルを表示することができます。Red Hat Enterprise Linux 7 は systemd ベースのシステムであるため、ユーザーセッションのログデータはバイナリー形式で systemdジャーナルに直接保存されます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 6 では、ユーザーセッションのログデータは ~/.xsession-errors ファイルに保存されていましたが、このファイルは使用されなくなりました。

手順14.6 ユーザーセッションログの表示

  1. 以下のコマンドを実行してユーザー ID (uid) を判別します。
    $ id --user
    1000
  2. 上記で判別されたユーザー ID のジャーナルログを表示します。
    $ journalctl _UID=1000

詳細情報の入手

journalctl(1) の man ページは、systemd ジャーナルの使用法についての詳細情報を提供しています。
Red Hat Enterprise Linux 7 での systemd ジャーナルの使用に関する詳細情報は、『 Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイド』を参照してください。

14.3.5. 全ユーザー用の自動起動アプリケーションの追加

ユーザーのログイン時にアプリケーションを自動的に起動するには、そのアプリケーションの .desktop ファイルを /etc/xdg/autostart/ ディレクトリーに作成する必要があります。
個々のユーザー用に自動起動 (スタートアップ) アプリケーションを管理するには、gnome-session-properties アプリケーションを使用します。

手順14.7 全ユーザー用の自動起動 (スタートアップ) アプリケーションの追加

  1. /etc/xdg/autostart/ ディレクトリーに .desktop ファイルを作成します。
    [Desktop Entry]
    Type=Application
    Name=Files
    Exec=nautilus -n
    OnlyShowIn=GNOME;
    AutostartCondition=GSettings org.gnome.desktop.background show-desktop-icons
  2. Files をアプリケーションの名前に置き換えます。
  3. nautilus -n をアプリケーションを実行するために使用するコマンドに置き換えます。
  4. AutostartCondition キーを使用して GSettings キーの値を確認します。
    セッションマネージャーは、キーの値が true である場合にアプリケーションを自動的に実行します。キーの値が実行中のセッションで変更される場合、セッションマネージャーは、直前のキーの値に基づいてアプリケーションを起動または停止します。

14.3.6. 自動ログインの設定

管理者 アカウントタイプを設定したユーザーは、GNOME の 設定ユーザー パネルから 自動ログイン を有効にできます。システム管理者は、以下のように GDM カスタム設定ファイルで自動ログインを手動でセットアップすることもできます。

例14.1 ユーザー「john」の自動ログインの設定

/etc/gdm/custom.conf ファイルを編集し、ファイル内の [daemon] セクションで以下が指定されていることを確認します。
[daemon]
AutomaticLoginEnable=True
AutomaticLogin=john
john を自動的にログインできるように設定するユーザーに置き換えます。

14.3.7. 自動ログアウトの設定

特定の時間アイドル状態であったユーザーセッションは自動的に終了することができます。対応する GSettings キーを設定してからこれをロックし、マシンがバッテリーまたは主電源から実行されているかどうかに応じて異なる動作を設定することができます。

警告

アイドルセッションが自動的に終了する場合、ユーザーは保存していないデータを失う可能性があることに注意してください。

手順14.8 電源搭載マシンの自動ログアウトの設定

  1. マシン全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-autologout に作成します。
    [org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
    # Set the timeout to 900 seconds when on mains power
    sleep-inactive-ac-timeout=900
    # Set action after timeout to be logout when on mains power
    sleep-inactive-ac-type='logout'
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが設定を /etc/dconf/db/local.d/locks/autologout で変更できないようにします。
    # Lock automatic logout settings
    /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/sleep-inactive-ac-timeout
    /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/sleep-inactive-ac-type
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。
関連する GSettings キーは以下のとおりです。
  • org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-ac-timeout
    コンピューターが AC 電源から実行されている場合にスリープ状態に切り替わる前に非アクティブな状態にする必要のある秒数です。
  • org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-ac-type
    コンピューターが AC 電源から実行されている場合にタイムアウトが経過するとどうなるかを設定します。
  • org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-battery-timeout
    コンピューターが電源から実行されている場合にスリープ状態に切り替わる前に非アクティブな状態にする必要のある秒数です。
  • org.gnome.settings-daemon.plugins.power.sleep-inactive-battery-type
    コンピューターがバッテリー電源から実行されている場合にタイムアウトが経過したらどうなるかを設定します。
使用できる値の一覧のキーに対して gsettings range コマンドを実行することができます。以下が例になります。
$ gsettings range org.gnome.settings-daemon.plugins.power sleep-inactive-ac-type
enum
'blank'
'suspend'
'shutdown'
'hibernate'
'interactive'
'nothing'
'logout'

14.3.8. 画面の明るさとアイドル時間の設定

以下の GSettings キーを設定することにより、明るさのレベルを下げるよう設定するほか、明るさのレベルおよびアイドル時間を設定することができます。

例14.2 明るさのレベルを下げる設定

デバイスがしばらくの間アイドル状態である場合に明るさのレベルを下げるよう設定するには、以下の例にあるように /etc/dconf/db/local.d/00-power にマシン全体の設定の local データベースを作成します。
[org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
idle-dim=true

例14.3 明るさのレベルの設定

明るさのレベルを変更するには、以下の例にあるように /etc/dconf/db/local.d/00-power にマシン全体の設定の local データベースを作成し、30 を使用する整数値に置き換えます。
[org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
idle-brightness=30

例14.4 アイドル時間の設定

画面がブランクになり、デフォルトのスクリーンセーバーが表示された後のアイドル時間を設定するには、以下の例にあるように /etc/dconf/db/local.d/00-session にマシン全体の設定の local データベースを作成し、900 を作成する必要のある整数値に置き換えます。
[org/gnome/desktop/session]
idle-delay=uint32 900
上記に示されるように、整数値と共に uint32 が含まれている必要があります。
root として dconf update コマンドを実行することで、変更をシステムデータベースに組み込みます。
ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

注記

さらに、上記の設定をロックダウンしてユーザーがそれらを変更できないようにすることもできます。ロックについての詳細は、「特定の設定のロックダウン」 を参照してください。

14.3.9. ユーザーのアイドル時の画面のロック

スクリーンセーバーを有効にし、ユーザーがアイドル状態になるとスクリーンが自動的にロックされるようにするには、dconf プロファイルを作成し、GSettings キーペアを設定してからこれをロックし、ユーザーがこれを編集できないようにします。

手順14.9 スクリーンセーバーの有効化および画面のロック

  1. システム全体の設定の local データベースを /etc/dconf/db/local.d/00-screensaver に作成します。
    [org/gnome/desktop/session]
    # Set the lock time out to 180 seconds before the session is considered idle
    idle-delay=uint32 180
    [org/gnome/desktop/screensaver]
    # Set this to true to lock the screen when the screensaver activates
    lock-enabled=true
    # Set the lock timeout to 180 seconds after the screensaver has been activated
    lock-delay=uint32 180
    以下に示すように整数キーの値と共に uint32 を組み込む必要があります。
  2. ユーザーの設定を上書きし、ユーザーが /etc/dconf/db/local.d/locks/screensaver ファイルで設定を変更できないようにします。
    # Lock desktop screensaver settings
    /org/gnome/desktop/session/idle-delay
    /org/gnome/desktop/screensaver/lock-enabled
    /org/gnome/desktop/screensaver/lock-delay
  3. システムデータベースを更新します。
    # dconf update
  4. ユーザーは、システム全体の設定が有効になる前にログアウトしてから再度ログインする必要があります。

14.3.10. スクリーンキャストの録画

GNOME Shell は、組み込みスクリーンレコーダーを特長としています。これは、ユーザーがセッション中にデスクトップまたはアプリケーションのアクティビティーを録画したり、録画内容を webm 形式の高解像度ビデオファイルとして配信したりすることを可能にします。

手順14.10 スクリーンキャストの作成

  1. 録画を開始するには、Ctrl+Alt+Shift+R を押します。
    レコーダーがスクリーンアクティビティーをキャプチャーする際に、画面の右下の隅に赤い円が表示されます。
  2. 録画を停止するには、Ctrl+Alt+Shift+R を押します。画面の右下の隅にあった赤い円は表示されなくなります。
  3. ~/Videos フォルダーに移動します。ここには、Screencast で始まるファイル名の録画されたビデオがあり、録画の日時が記載されています。
組み込みレコーダーは、マルチモニターのセットアップのすべてのモニターを含め、常に画面全体をキャプチャーすることに注意してください。

第15章 仮想ファイルシステムおよびディスク管理

15.1. GVFS

GVFS (GNOME 仮想ファイルシステム) は、GNOME デスクトップがビルドされているライブラリーによって提供される仮想ファイルシステムインターフェースの拡張です。GVFS は完全な仮想ファイルシステムインフラストラクチャーを提供し、GNOME デスクトップのストレージを処理します。
GVFS は、完全な識別のために、Web ブラウザーで使用される URL アドレスと構文的に似た URI (Uniform Resource Identifier) 標準ベースのアドレスを使用します。schema://user@server/path 形式のこれらのアドレスは、サービスの種類を判別する主要な情報です。

15.2. GVFS のバックエンド

GVFS には数多くのバックエンドがあり、これらは特定タイプのリソースへのアクセスを提供します。以下は、利用可能な GVFS バックエンドおよびそれらの仕様の一覧です。

表15.1 利用可能なバックエンド

バックエンド説明
afcMTP (メディア転送プロトコル) と同様。ファイルを Apple iDevice で表示します (USB 経由で接続)。
afpMac オペレーションシステム X およびオリジナルの Mac オペレーションシステムのファイルサービスにアクセスする Apple Filing Protocol (AFP) クライアント。
archive読み取り専用で各種のアーカイブファイル (ZIP、TAR) を処理します。
burn新規の CD/DVD/BD メディアコンテンツの一時ストレージとしてアプリケーションを書き込んで使用される仮想バックエンド。
cdda別個の Waveform オーディオファイル形式 (WAV) ファイルでオーディオ CD を表示します。
computerアクティブなマウントおよび物理ボリュームを整理する仮想バックエンド。signpost と同様の方法で機能します。以前は コンピュータ ビュー用に Nautilus によって使用されていました。
dav、davsセキュアなバリアントを含む WebDAV クライアント。認証はマウント時にのみ可能であり、後で実行されるフォルダーごとの再認証はサポートしません。
dns-sdネットワークの参照時に使用される DNS Service Discovery – Avahi クライアント。検出されたサービスに対する永続的な URI を形成します。
ftp当面の間は FTPS サポートのない、全機能が搭載された FTP (ファイル転送プロトコル) クライアント。デフォルトではパッシブ転送をサポートします。
gphoto2USB または FireWire 経由で割り当てられたカメラにアクセスする画像転送プロトコル (PTP) クライアント。
httpすべての HTTP 要求を処理します。クライアントアプリケーションの Web からファイルを簡単にダウンロードできます。
locatest単純なテストバックエンドプロキシーファイル:/// URI(エラー挿入サポートあり)。
mtpメディアプレーヤーおよびスマートフォンのメモリーにアクセスするためのメディア転送プロトコルバックエンド。
networkネットワークのブラウズ用。周辺の Avahi および Samba サーバーを表示。
obexftpBluetooth クライアント。
recentGNOME アプリケーションで使用される最近のファイルを一覧表示するために GtkFileChooser で使用されるバックエンド。
sftp完全機能搭載の SFTP (SSH ファイル転送プロトコル) クライアント。
smbSamba および Windows 共有にアクセス。
trash削除されたファイルの復元を可能にする trash バックエンド。

注記

一部のバックエンドは別個にパッケージ化され、デフォルトではインストールされません。追加のバックエンドのインストールについては、yum パッケージマネージャーを使用します。
バックエンドのサービスを使用するには、URI 文字列を形成する必要があります。この文字列は GVFS で使用される基本的な識別子であり、これはサービスのタイプ (バックエンド ID)、絶対パスおよび必要な場合はユーザー名など、固有の識別に必要なすべての情報を提供します。この情報は、 Nautilus アドレスバーおよび GTK+ のファイルのオープンおよび保存ダイアログで確認できます。
以下の例は、URI 文字列の非常に基本的な形式であり、ftp.myserver.net ドメインで実行される FTP (ファイル転送プロトコル) サーバーの root ディレクトリー (/) を参照しています。

例15.1 root ディレクトリーを参照する URI 文字列

ftp://ftp.myserver.net/
以下の例では、認証を使用して指定されたパスのテキストファイルを参照しています。

例15.2 テキストファイルを参照する URI 文字列

ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt

15.3. マウント、アンマウントおよび取り出し

仮想ファイルシステムでは、特定のリソースが自動的にマウントされるように設定されますが、最も一般的な方法は手動でマウントをトリガーする方法です。

手順15.1 手動マウント

  1. Nautilus のファイル (つまり、ファイル アプリケーション) を開きます。
  2. 画面の上部にある場所バーに、整形式の URI 文字列を入力します。場所バーが表示されない場合、Ctrl+L を押します。
    または、Nautilus には サーバーへ接続 ダイアログがあります。これは、ファイルサーバーへ接続 に移動すると表示されます。
  3. ログイン資格情報が要求される際は、名前およびパスワードを関連するエントリーボックスに入力します。
  4. マウントプロセスが完了すると、ファイルを使って作業することができます。
リソースをアンマウントする必要がある場合は、以下の簡単な手順に従います。

手順15.2 アンマウント

  1. 選択されたマウントの取り出しアイコンをクリックします。
  2. マウントが表示されなくなるか、または安全な削除についての通知が表示されるまで待機します。

重要

パフォーマンス上の理由により、データがキャッシュされるか、またはバックグラウンドで低速で書き込まれる場合があります。データをデバイスまたはリモートリソースで安全に配信するには、リモートリソースのプラグを外したり、接続を解除することはできません。
マウントはアプリケーション間で共有され、実行中のデスクトップセッション内でグローバルに追跡されます。これは、マウントをトリガーしたアプリケーションを中止した場合でも、そのマウントがその他のアプリケーションで引き続き利用可能になることを意味します。同様に、マウントがバックエンドで制限されていない限り、複数のアプリケーションが同時にマウントにアクセスできます (一部のプロトコルは、設計上の理由により単一チャネルのみを許可します)。

重要

GVFS マウント、(および物理ボリューム) が所有者のみに制限されるため、それ以外のユーザーがプライバシーを悪用することは許可されません。

15.4. ブックマークの管理

参照をブックマークすることにより、その参照を所定の場所に保存できます。

手順15.3 場所をブックマークする方法:

  1. ブックマークするフォルダーまたはファイルを選択します。
  2. Ctrl+D を押します。
ブックマークが最初にアクティブ化される際に、GVFS サブシステムは既存のマウントを検索し、すでに存在していない場合は新規のマウントを生成します。このように、オープンまたは保存ダイアログ内であっても認証を行うことができます。
ブックマーク は GTK+ および GNOME デスクトップに密接に統合されています。標準的な GTK+ のオープンまたは保存ダイアログ (正確には GtkFileChooser と呼ばれる) では、ダイアログの左パネルにブックマークが一覧表示されます。さらに Nautilus およびそのクローンは、サイドバーまたはより汎用的には ファイル メニューにブックマークを表示します。

注記

ページがブックマークされていない場合、ブックマーク ラベルは表示されません。
ブックマーク のほかにも、他のすべての利用可能な GVFS ボリュームおよびマウントが GtkFileChooser サイドバーに一覧表示されます。ブックマークおよび GVFS ボリュームは、重複および混乱を避けるために単一項目に組み込まれることがあります。ブックマーク には GVFS マウントの場合のように取り出しアイコンを設定することができます。
ブックマーク~/.config/gtk-3.0/bookmarks ファイルにあります。以下の例では、ブックマークの場所は ~/Music~/Pictures~/Videos~/Downloads、および ~/bin であるため、~/.config/gtk-3.0/bookmarks ファイルの内容は以下のようになります。

例15.3 ~/.config/gtk-3.0/bookmarks ファイル

file:///home/username/Music
file:///home/username/Pictures
file:///home/username/Videos
file:///home/username/Downloads
file:///home/username/bin
username を使用するユーザー名に置き換えます。

手順15.4 ブックマークを編集する方法:

  1. トップバーの ファイル メニューを開きます。
  2. ブックマークエディターを開くには、ブックマーク をクリックします。

15.5. デフォルトサーバー一覧の設定

システム管理者は、すべてのユーザーのブックマークのグループを一度に設定することはできませんが、システム管理者はそれらのユーザーのファイル共有へのアクセスを許可することができます。
Nautilus は、XBEL 形式で、ファイル共有サーバー一覧を ~/.config/nautilus/servers ファイルに保存します。ファイル共有サーバー一覧をこのファイルに追加すると、ユーザーはファイル共有に簡単にアクセスできるようになります。

注記

XBEL (XML Bookmark Exchange Language) は URI (Uniform Resource Identifiers) を共有できる XML 標準です。GNOME では、XBEL は Nautilus などのアプリケーションでデスクトップのブックマークを共有するために使用されます。
以下の例では、Nautilus~/.config/nautilus/servers ファイルに、URI ftp://ftp.gnome.org/ が設定された GNOME FTP というタイトルのブックマークを作成しています。

例15.4 ~/.config/nautilus/servers ファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xbel version="1.0"
      xmlns:bookmark="http://www.freedesktop.org/standards/desktop-bookmarks"
      xmlns:mime="http://www.freedesktop.org/standards/shared-mime-info">
   <bookmark href="<input>ftp://ftp.gnome.org/</input>">
      <title><input>GNOME FTP</input></title>
   </bookmark>
</xbel>

15.6. GNOME 仮想ファイルシステムをその他すべてのアプリケーションに表示する

GVFS マウントにアクセスできる GIO ライブラリーでビルドされたアプリケーションに加え、GVFS はアクティブな GVFS マウントを表示する FUSE デーモンも提供します。これは、すべてのアプリケーションが標準の POSIX API を使用してアクティブな GVFS マウントにアクセスできることを意味します。この場合、通常のファイルシステムと同様のアクセスが可能です。
ただし、追加のアプリケーションライブラリーの依存関係や新規の VFS サブシステムの固有な要素が不適切か、または複雑になり過ぎる可能性のあるアプリケーションもあります。この理由のために、また互換性の強化を目的に、GVFSFUSE (Filesystem in Userspace) デーモンを提供します。これは、標準の POSIX (Portable Operating System Interface) アクセス用のマウントでアクティブなマウントを表示します。このデーモンは着信要求を透過的に変換して、アプリケーションのローカルファイルシステムを模倣します。

重要

異なる設計によって変換が必要になる場合、機能の互換性は 100% であるとは限らず、アプリケーションと GVFS バックエンドの特定の組み合わせによっては問題が生じる可能性があります。
FUSE デーモンは GVFS マスターデーモンと共に自動的に起動し、そのマウントをフォールバックとして /run/user/UID/gvfs または ~/.gvfs ファイルのいずれかに置きます。手動のブラウズにより、各 GVFS マウントの個別のディレクトリーを確認できます。ネイティブ以外のアプリケーションで GVFS の場所からドキュメントを開く場合、変換されたパスが引数として渡されます。ネイティブ GIO アプリケーションの場合、このパスをネイティブの URI に自動的に変換し直すことに注意してください。

15.7. GVFS マウントのパスワード管理

通常の GVFS マウントは、リソースが匿名の認証を許可しない場合、あるいは認証を全く必要としない場合を除き、そのアクティブ化時に資格情報を要求します。標準の GTK+ ダイアログに表示されるため、ユーザーはパスワードを保存するかどうかを選択することができます。

手順15.5 例: 認証されたマウントプロセス

  1. ファイル を開き、Ctrl+L を押してアドレスバーをアクティブ化します。
  2. 認証の必要なサービスの整形式の URI 文字列を入力します (例: sftp://localhost/)。
  3. 資格情報ダイアログが表示され、ユーザー名、パスワードおよびパスワード保存オプションが尋ねられます。
  4. 資格情報を入力して確認します。
永続的な保管が選択される場合、パスワードはユーザーのキーリングに保存されます。GNOME キーリング は秘密鍵を保管するための一元的な場所になります。これは、ログイン時にデフォルトで提供されるパスワードを使用してデスクトップのセッション開始時に暗号化され、自動的にロック解除されます。これが異なるパスワードで保護される場合、パスワードは初回の使用時に設定されます。
Seahorse アプリケーションは、保存されるパスワードおよび GNOME キーリング 自体を管理するために提供されます。このアプリケーションでは、個々のレコードを削除したり、パスワードを変更したりすることができます。Seahorse の詳細は、デスクトップに直接組み込まれた Seahorse のヘルプマニュアルを参照してください。

15.8. GNOME における GVFS ツールおよび xdg-utils

GVFS は、スクリプト作成またはテストに役立つ可能性のあるいくつかのコマンドと共に出荷されます。POSIX コマンドに相当するコマンドのセットが提供されます。
  • gvfs-cat
  • gvfs-less
  • gvfs-mkdir
  • gvfs-mount
  • gvfs-rename
  • gvfs-set-attribute
  • gvfs-copy
  • gvfs-ls
  • gvfs-move
  • gvfs-rm
  • gvfs-trash
  • gvfs-info
  • gvfs-save
  • gvfs-tree
さらに、追加のコマンドが GVFS 固有の要素の制御を強化するために提供されます。
  • gvfs-monitor-dir
  • gvfs-monitor-file
  • gvfs-mime
  • gvfs-open
これらのすべてのコマンドはネイティブの GIO クライアントであり、フォールバック FUSE デーモンが実行されている必要はありません。これらを POSIX コマンドのドロップイン置き換えにすることは意図されておらず、実際にはサポートされている切り替えの範囲は非常に限られています。基本的な形態として、URI 文字列 (ローカルパスの代わり) が引数として取られます。
さらに GNOME は xdg-tools (freedesktop.org 相互運用性プロジェクト) 内で十分にサポートされるようになります。たとえば、よく使用される xdg-open は、実行中の GNOME セッションが検出されると gvfs-open を実際に呼び出し、正しい場所からファイルタイプの関連付けを読み取ります。
以下は、GVFS コマンドのいくつかの使用例です。
  • ローカルファイルシステムの /tmp にあるすべてのファイルを一覧表示するには、以下を実行します。
      $ gvfs-ls file:///tmp
  • 以下のコマンドは、リモートマシンからテキストファイルの内容を一覧表示します。
      $ gvfs-cat ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt
  • 参照されるテキストファイルをローカルの /tmp ディレクトリーにコピーするには、以下を実行します。
      $ gvfs-copy ssh://joe@ftp.myserver.net/home/joe/todo.txt /tmp/

注記

ユーザーの利便性を図るために、bash の補完機能がパッケージの一部として提供されます。

15.9. GVFS メタデータの使用

GVFS では、メタデータの保管が、特定ファイルにバインドされた単純なキー/値のペアのセットとして実装されます。そのためユーザーまたはアプリケーションには、アイコンの位置、最後に再生された場所、文書内の位置、マーク、メモなどのランタイム情報用に設計された小規模なデータを保存するためのツールがあります。
ファイルまたはディレクトリーが移動される際は常に、メタデータも適宜移動するため、メタデータはそれぞれのファイルに接続されたままの状態になります。GVFS はすべてのメタデータをプライベートに保存するため、データはマシン上でのみ利用可能になります。ただし、GVFSマウントおよびリムーバブルメディアも追跡対象になります。

注記

リムーバブルメディアは、/media ディレクトリーではなく、/run/media/ にマウントされるようになります。
メタデータを表示し、これを操作するには、以下を使用できます。
  • gvfs-info コマンド
  • gvfs-set-attribute コマンド
  • その他ネイティブ GIO で属性を使用する方法。
以下の例では、カスタムメタデータ属性が設定されています。特定の gvfs-info 呼び出しと、移動または名前変更後のデータ永続性間の違いに注意してください (gvfs-info コマンド出力に留意してください)。

例15.5 カスタムメタデータ属性の設定

$ touch /tmp/myfile
$ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/myfile
attributes:
$ gvfs-set-attribute -t string /tmp/myfile 'metadata::mynote' 'Please remember to delete this file!'
$ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/myfile
attributes:
  metadata::mynote: Please remember to delete this file!
$ gvfs-move /tmp/myfile /tmp/newfile
$ gvfs-info -a 'metadata::*' /tmp/newfile
attributes:
  metadata::mynote: Please remember to delete this file!

15.10. トラブルシューティング

15.10.1. アクティブな VFS マウントが表示されない

アクティブな VFS マウントが表示されない場合、これはアプリケーションがネイティブ GIO クライアントではないことを意味しています。通常、ネイティブ GIO クライアントは GNOME ライブラリー (glib、gio) を使用するすべての GNOME アプリケーションです。gvfs-fuse というサービスは、GIO 以外のクライアントのフォールバックとして提供されています。
アクティブであるものの、表示されない VFS マウントの原因を判別するには、gvfs-fuse プロセスが実行中であるかどうかを確認します。gvfs-fuse は自動的に実行され、ユーザーが各自でこれを起動することは推奨されていないため、まずはログアウトしてからログインすることを試行してください。
または、VFS 互換性マウントを端末で手動で起動します。
  1. id コマンドを実行して、/run/user/UID/gvfs/ パスの UID (システムユーザー ID) を検索します (gvfsd-fuse デーモンは、サービスを表示することになっているパスを要求します)。
    または、/run/user/UID/gvfs/ パスが利用できない場合、gvfsd-fuse はホームディレクトリーの .gvfs パスを使用します。
  2. /usr/libexec/gvfsd-fuse -f /run/user/UID/gvfs コマンドを実行して、gvfsd-fuse デーモンを起動します。
  3. これで VFS マウントが利用可能になり、アプリケーション内でパスを手動で参照することができます。

15.10.2. 接続されている USB デバイスが表示されない

特定の状況では、フラッシュドライブに接続する際に、GNOME デスクトップがこれを表示しない場合があります。ドライブが非表示である場合は、以下を意味します。
  • ディスク アプリケーションでデバイスを確認できない。
  • udisksctl dump コマンドを実行済みで、udisks デーモンの現在の状態が一覧表示され、すべてのオブジェクトについての情報が表示されるが、フラッシュドライブはその中に含まれていない。
  • dmesg コマンドを実行済みである。ログの末尾には USB デバイスの検出に関連するメッセージと検出されたパーティションの一覧があるが、フラッシュドライブはその中に含まれていない。
フラッシュドライブが表示されない場合、ディスクユーザーインターフェースに表示する フラグの設定を試行できます。
  1. Super キーを押して、アクティビティ画面 に入り、Disks と入力してから Enter を押して ディスク を開きます。
  2. ボリューム 操作メニューで、マウントオプションの編集... をクリックします。
  3. ユーザーインターフェースに表示する をクリックします。
  4. OK をクリックして確認します。
フラッシュドライブがまだ表示されない場合は、ドライブを削除してから再度接続することを試行します。
ストレージに関する詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。

15.10.3. Nautilus が不明または不要なパーティションを表示する

デバイスはデフォルトでユーザーインターフェースに表示されないため、デバイスが /etc/fstab ファイルに一覧表示されているかどうかを確認します。/etc/fstab ファイルは通常、オペレーティングシステムで使用されることが意図されたディスクパーティションを一覧表示し、それらがマウントされる方法を示します。特定のマウントオプションによって、ボリュームをユーザーインターフェースに表示したり、または表示しないようにすることができます。
ボリュームを非表示にするソリューションの 1 つとして、ディスク アプリケーションの マウントオプション 画面で ユーザーインターフェースに表示する のチェックを解除する方法があります。
  1. Super キーを押して、アクティビティ画面 に入り、Disks と入力してから Enter を押して ディスク を開きます。
  2. ボリューム 操作メニューで、マウントオプションの編集... をクリックします。
  3. ユーザーインターフェースに表示する のチェックを解除し、OK をクリックして確認します。

15.10.4. リモートファイルシステムへの接続が使用できない

クライアントの接続が仮想ファイルシステム (またはリモートディスク) のマウントから予期せずに切断され、その後に自動的に再接続されないためにエラーメッセージが返されるという状況が数多くあります。これらの状況を引き起こすいくつかの原因には以下が含まれます。
  • 接続が割り込まれる (たとえば、ラップトップが Wi-Fi 接続から切断される)。
  • ユーザーが一定の期間非アクティブになり、サーバーによって接続が切断される (アイドルタイムアウト)。
  • コンピューターがスリープモードから再起動する。
解決策としては、ファイルシステムのアンマウントおよびマウントを実行し、リソースに再接続してみることができます。

注記

接続が複数回無効になる場合、GNOME の 設定ネットワーク パネルで設定を確認します。

15.10.5. ディスクが使用中の場合はどうすればよいか

ディスクが使用中であることについての通知を受信した場合、ディスクにアクセスしているプログラムを判別します。その後、実行中のプログラムを通常の方法で終了することができます。または システムモニター を使用してプログラムを強制終了することもできます。

システムのプロセスを表示する場所と表示方法

  • lsof コマンドを実行してプロセスと共に開いているファイルの一覧を取得します。lsof が使用できない場合、実行中のプロセスの一覧を提供する ps ax コマンドを実行します。
  • または、システムモニター アプリケーションを使用して GUI に実行中のアプリケーションを表示します。
  • 以下のコマンドを実行して iotop をインストールしていることを確認します。
    # yum install iotop
    次に root として iotop を実行し、システムプロセスを表示します。
プログラムを判別したら、以下のようにそれらを終了または強制終了します。
  • コマンドラインで kill コマンドを実行します。
  • システムモニター で、プログラムのプロセス名のある行を右クリックし、プロセスの終了 または 強制終了 ドロップダウンメニュー項目をクリックします。

第16章 ハードウェアの設定

16.1. タブレット

16.1.1. 新規タブレット向けサポートの追加

libwacom はワコムモデルについてのデータを保存するタブレット情報クライアントライブラリーです。このライブラリーは、GNOME の gnome-settings-daemon コンポーネントと ワコムタブレット 設定パネルの両方で使用されます。
新規タブレットのサポートを libwacom に追加するには、新規のタブレット定義ファイルが作成されている必要があります。タブレット定義ファイルは libwacom-data パッケージに含まれています。このパッケージがインストールされている場合、タブレット定義ファイルは /usr/share/libwacom/ ディレクトリー内でローカルで利用できます。
画面のマッピングを適切に使用するには、ご使用のタブレットのサポートが libwacom データベースおよび udev ルールファイルに組み込まれている必要があります。

重要

デバイスが libwacom でサポートされていないと、GNOME セッションでは正常に機能しても、画面ではデバイスが正常にマッピングされていないことで分かります。

手順16.1 タブレット記述の追加

  1. libwacom-list-local-devices ツールを使用して、libwacom が認識するすべてのローカルデバイスを一覧表示します。
    お使いのデバイスがカーネル (/proc/bus/input/devices を参照) および X セッション (xinput 一覧を参照) ではイベントデバイスとして利用可能であるものの、一覧表示にはない場合は、libwacom のデータベースにはないことになります。
  2. 新規のタブレット定義ファイルを作成します。以下の data/wacom.example を使用して必要な行を編集します。

    注記

    新規の .tablet ファイルはすでに利用可能な場合があるので、まずアップストリームのリポジトリー https://sourceforge.net/p/linuxwacom/libwacom/ci/master/tree/ を確認してください。お使いのタブレットモデルが一覧にある場合は、そのファイルをローカルマシンにコピーすれば十分です。
    # Example model file description for a tablet
    [Device]
    
    # The product is the product name announced by the kernel
    Product=Intuos 4 WL 6x9
    
    # Vendor name of this tablet
    Vendor=Wacom
    
    # DeviceMatch includes the bus (usb, serial), the vendor ID and the actual
    # product ID 
    DeviceMatch=usb:056a:00bc
    
    # Class of the tablet. Valid classes include Intuos3, Intuos4, Graphire, Bamboo, Cintiq
    Class=Intuos4
    
    # Exact model of the tablet, not including the size.
    Model=Intuos 4 Wireless
    
    # Width in inches, as advertised by the manufacturer
    Width=9
    
    # Height in inches, as advertised by the manufacturer
    Height=6
    
    # Optional features that this tablet supports
    # Some features are dependent on the actual tool used, e.g. not all styli
    # have an eraser and some styli have additional custom axes (e.g. the
    # airbrush pen). These features describe those available on the tablet.
    #
    # Features not set in a file default to false/0
    
    [Features]
    # This tablet supports styli (and erasers, if present on the actual stylus)
    Stylus=true
    
    # This tablet supports touch.
    Touch=false
    
    # This tablet has a touch ring (Intuos4 and Cintiq 24HD)
    Ring=true
    # This tablet has a second touch ring (Cintiq 24HD)
    Ring2=false
    
    # This tablet has a vertical/horizontal scroll strip
    VStrip=false
    HStrip=false
    
    # Number of buttons on the tablet
    Buttons=9
    
    # This tablet is built-in (most serial tablets, Cintiqs) 
    BuiltIn=false
  3. .tablet の接尾辞を付けて新規ファイルを追加、インストールします。
    cp the-new-file.tablet /usr/share/libwacom/
    インストールされると、タブレットは libwacom のデータベースに含まれます。これでこのタブレットは libwacom-list-local-devices で利用可能になります。
  4. 新規ファイル /etc/udev/rules/99-libwacom-override.rules を以下のコンテンツで作成し、自分の設定が上書きされないようにします。
    ACTION!="add|change", GOTO="libwacom_end"
    KERNEL!="event[0-9]*", GOTO="libwacom_end"
    
    [new tablet match entries go here]
    
    LABEL="libwacom_end"
  5. システムを再起動します。

16.1.2. ワコムタブレット設定の保存場所

ワコムタブレットの設定は GSettings の /org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/machine-id-device-id キーに保存されます。ここで、machine-id は D-Bus マシン ID であり、device-id はタブレットデバイス ID です。タブレットの設定スキーマは org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom です。
同様に、スタイラス設定は /org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/device-id/tool-id キーに保存されます。ここで、tool-id はプロフェッショナルの範囲に使用されるスタイラスの識別子です。tool-id のサポートのないコンシューマーの範囲には、汎用的な識別子が代わりに使用されます。スタイラスの設定スキーマは org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom.stylus、消しゴムは org.gnome.settings-daemon.peripherals.wacom.eraser です。
特定マシンで使用されるタブレット設定パスの詳細一覧を取得するには、gsd-list-wacom ツールを使用することができます。これは gnome-settings-daemon-devel パッケージで提供されます。
gnome-settings-daemon-devel パッケージがシステム上にインストールされていることを確認するには、システムを Optional チャンネルにサブスクライブさせていることを確認してから以下のコマンドを実行します。
# yum install gnome-settings-daemon-devel
システムを Optional チャンネルにサブスクライブさせる方法については、以下のリソースを参照してください。
パッケージがインストールされていることを確認した後に、以下のコマンドを実行します。
$ /usr/libexec/gsd-list-wacom
設定パスで machine-iddevice-id、および tool-id を使用すると、マシンごとに別個のタブレット設定を持つ共有ホームディレクトリーの使用が可能になります。

16.1.3. マシン間でホームディレクトリーを共有する際にワコムの設定は 1 台のマシンのみに適用される

この理由は、ワコムタブレットの D-Bus マシン ID (machine-id) がタブレット設定を保存する /org/gnome/settings-daemon/peripherals/wacom/machine-id-device-id GSettings キーの設定パスに組み込まれているためです。

付録A KDE Plasma ワークスペース

Red Hat Enterprise Linux 7 ではデフォルトの GNOME デスクトップ環境の代替環境として、KDE Plasma ワークスペースのバージョン 4 (以前の K デスクトップ環境) を提供し、異なるワークスタイルや設定に対応しています。
インストールプロセス中に KDE Plasma ワークスペース をデフォルトのデスクトップに設定する方法もしくは現行のデスクトップ環境を KDE Plasma ワークスペース に変更する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』を参照してください。KDE Plasma ワークスペース についての詳細情報は、https://www.kde.org/https://docs.kde.org/ などのアップストリームのウェブサイトを参照してください。

付録B Red Hat ドキュメントへのアクセス

B.1. 製品ドキュメント

https://access.redhat.com/site/documentation/ にある Red Hat 製品ドキュメント は一元的な情報源です。ドキュメントは現在 22 言語で翻訳されており、リリースノート、テクニカルノートからインストールガイド、ユーザーガイドおよびリファレンスガイドまでの各種の文書が HTML、PDF、および EPUB 形式で提供されています。
以下は、本書に直接的または間接的に関連するドキュメントの簡潔な一覧です。

B.2. Red Hat Access GUI

デスクトップアプリケーションの Red Hat Access GUI も情報源として推奨されます。これを使用するとヘルプや答えをみつけることができ、Red Hat ナレッジベース、リソース、および機能を使用した診断サービスを活用できます。Red Hat カスタマーポータル でアクティブなアカウントをお持ちの場合は、ナレッジベースをキーワードで簡単に検索して追加情報およびヒントにアクセスできます。GNOME Desktop のインストールを選択している場合は、Red Hat Access GUI はすでにインストールされています。
このツールの利点、インストールおよび使用方法については、Red Hat Access GUI を参照してください。

付録C 謝辞

Certain portions of this text first appeared in the GNOME Desktop System Administration Guide. Copyright © 2014 The GNOME Project, Michael Hill, Jim Campbell, Jeremy Bicha, Ekaterina Gerasimova, minnie_eg, Aruna Sankaranarayanan, Sindhu S, Shobha Tyagi, Shaun McCance, David King, and others. Licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License.
Red Hat Enterprise Linux 7 デスクトップ移行および管理ガイド』の編集チームは、GNOME コミュニティーのメンバーの皆様に対し、『GNOME デスクトップシステム管理ガイド』 への貴重な寄稿に謝意を表します。

付録D 改訂履歴

改訂履歴
改訂 0.1-87Wed Jul 26 2017Jana Heves
7.4 GA 公開用バージョン
改訂 0.1-86Mon Oct 17 2016Marie Doleželová
7.3 GA 公開用バージョン
改訂 0.1-85Mon Oct 17 2016Marie Doleželová
7.3 GA 公開用バージョン
改訂 0.1-84Wed 17 Aug 2016Marie Doleželová
Red Hat Enterprise Linux 7.3 Beta リリース用のガイド。
改訂 0.1-83Fri 01 Apr 2016Jana Heves
GNOME のバージョン 3.14 へのリベースを反映して再発行。
改訂 0.1-82Wed 11 Nov 2015Jana Heves
Red Hat Enterprise Linux 7.2 向けリリース用のガイド。
改訂 0.1-80Wed 24 Jun 2015Petr Kovář
Red Hat Enterprise Linux 7 の『Anaconda Customization Guide』へのリンクを追加。
改訂 0.1-78Tue 07 Apr 2015Petr Kovář
オンラインアカウントの有効化および無効化』 のセクションを追加。
改訂 0.1-76Tue 17 Feb 2015Petr Kovář
Red Hat Enterprise Linux 7.1 リリース用のガイド。
改訂 0.1-74Thu 04 Dec 2014Petr Kovář
Red Hat Enterprise Linux 7.1 Beta リリース用のガイド。
改訂 0.1-69Mon 02 Jun 2014Petr Kovář
Red Hat Enterprise Linux 7.0 リリース用のガイド。
改訂 0.1-35Wed 11 Dec 2013Petr Kovář
Red Hat Enterprise Linux 7.0 Beta リリース用のガイド。

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